説明

駐車場利用料金収受システム、駐車場利用料金管理装置、駐車場利用料金収受方法、車載器、並びに通信端末

【課題】複数の駐車場利用料金の精算方法に対応でき、利用者が精算に使用される個人情報を利用施設において予め登録する必要がないこと。
【解決手段】車両に搭載される車載器300、入口路側器220、出口路側器230、精算機240と通信し、車両が駐車場へ入場する時に入口路側器220を介して車載器300を識別可能な第1の識別情報および任意に設定可能な第2の識別情報を取得し、これらの情報と入場時刻を登録してから車両を駐車場へ入場させる処理、駐車場利用料金を算出し、精算が完了すると精算済み情報を記憶させる精算処理、車両が駐車場から出場する時に第1の識別情報もしくは第2の識別情報を取得して駐車場利用料金が精算済みか否かを判定し、精算済みである場合は、当該駐車場からの出場を許可する処理を実行する駐車場利用料金管理装置210を有する駐車場利用料金収受システム100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場利用料金収受システム、駐車場利用料金管理装置、駐車場利用料金収受方法、車載器、並びに通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商業施設や公共施設等に設置される駐車場では、車両の入場時に発券される入場時刻が記されたチケットと、施設内或いは出口付近に設置される精算機によって、駐車場利用料金収受の管理が行われている。このような駐車場の場合、入場ゲートにおいて利用者がチケットを受け取るために一旦停車するので、入場待ちの車両が複数台いる場合には当該駐車場付近の道路が混雑する可能性がある。このため、駐車場の入場/出場ゲートにおいて狭域通信方式の一つであるDSRC(Dedicated Short Range Communication)による通信システムを応用し、車両を通過させる方法が提案されている。
【0003】
たとえば、駐車場の入場/出場ゲートにDSRCアンテナを設置し、車両の入場時には、駐車場利用料金管理装置が車両に搭載される車載器とDSRCアンテナを介して通信を行い、車載器に挿入されたクレジットカードの個人識別情報を受信して入場ゲートを開けると共に入場時刻を記録する。そして、車両の出場時には、出場時刻と入場時刻とから当該車両の駐車場利用料金を算出し、クレジットカードの個人識別情報を使用して金融機関から自動引き落としをすると共に出場ゲートを開ける。このようにすることで、車両が駐車場の入場/出場ゲートにおいて一旦停車することなく駐車場利用料金の収受を行うことができるものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、駐車場利用料金管理装置が車載器の車両識別情報と入場時刻を対応付けて記憶し、当該駐車場利用料金の管理を行うとともに、予め登録された利用者が所有する携帯電話のメールアドレスへ入場時刻を通知することで、利用者が当該駐車場への入場時刻を知ることができるものが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
また、駐車場利用料金管理装置が、駐車場利用料金割引情報を記録可能で、予め登録された利用者所有のICカード等の個人識別情報と精算情報とを対応付けて記憶し、車両の出場時に精算済みであれば出場ゲートを開けるようにすることで、利用者は駐車場利用料金を事前に精算すると共に割引サービスを受けることができるものが知られている(たとえば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000―285157号公報
【特許文献2】特開2005―275584号公報
【特許文献3】特開2006―79172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
DSRCシステムを応用した駐車場利用料金収受システムでは、車両が入場/出場ゲートにおいて一旦停車することなく駐車場利用料金収受を行うことができるが、複数の収受方法に対応する、或いは施設側が様々な割引サービスを実施する場合、利用者にとって不必要と感じられる情報を駐車場利用料金管理装置へ送信しなければならない可能性がある。たとえば、駐車場利用料金管理装置が料金を自動引き落としするシステムでは、入場時に車載器から送信されるクレジットカードの個人識別情報を用いるが、さらに、精算情報が記録された他の媒体を使用した収受方法に対応した場合、事前に精算を済ませた利用者にとってはクレジットカードの個人識別情報の送信は不要となる。また、入場時刻の確認を携帯電話で行うシステムでは、予め携帯電話のメールアドレスの登録が必要となり、利用するために手間がかかるものである。また、携帯電話のメールアドレスを変更した場合には、変更する毎にメールアドレスの再登録を行う必要があるため煩雑である。
【0008】
本発明は上述した状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の駐車場利用料金の精算方法に対応でき、かつ、利用者が予め個人識別情報を登録する必要のない利便性の高い駐車場利用料金収受システム、駐車場利用料金管理装置、駐車場利用料金収受方法、車載器、並びに通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面は、駐車場利用料金収受システムに係るものである。すなわち、駐車場を利用する車両の駐車場利用料金を少なくとも駐車場利用時間に基づき算出する駐車場利用料金管理装置と、駐車場の入口付近および出口付近に設置される路側器と、車両に搭載されると共に、路側器と通信を行う車載器と、車両の駐車場利用料金の精算を行う精算機と、車載器および精算機と通信を行う通信端末と、を備え、車載器には、車載器を識別するための第1の識別情報と、任意に設定可能な第2の識別情報と、が記憶され、通信端末には、第2の識別情報が記憶され、駐車場利用料金管理装置は、路側器および精算機と通信を行う通信手段と、入口付近に設置されている路側器と通信を行い、車両が駐車場に入場する際に車載器と入口付近に設置されている路側器との間で行われる通信処理を介して第1の識別情報および第2の識別情報を取得する処理、取得した第1の識別情報および第2の識別情報と入場時刻とを関連付けて記憶手段に記憶させると共に、当該駐車場への車両の入場を許可する処理、精算機と通信を行い、利用者が駐車場利用料金を精算する際に通信端末と精算機との間で行われる通信処理を介して第2の識別情報と精算時の現在時刻とを取得し、第2の識別情報に関連付けられている入場時刻と精算時の現在時刻とに応じて駐車場利用時間を求め、その求めた駐車場利用時間に基づき車両の駐車場利用料金を算出し、精算機に駐車場利用料金情報を送信し、精算が行われた場合には精算済み情報を記憶手段に記憶させて駐車場利用料金を精算する処理、出口付近に設置されている路側器と通信を行い、車両が駐車場を出場する際に車載器と出口付近に設置されている路側器との間で行われる通信処理を介して第1の識別情報および第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を取得し、その取得した識別情報と精算済み情報とから車両の駐車場利用料金の精算が完了しているか否かを判定すると共に、当該精算が完了していると判定した場合には、当該駐車場からの車両の出場を許可し、当該精算が完了していないと判定した場合には、出口付近に設置されている路側器を介して車載器へ駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報を取得するための要求を行い、第3の識別情報の取得後に当該駐車場からの車両の出場を許可する処理を実行する制御手段と、を有する駐車場利用料金収受システムである。
【0010】
また、本発明の一側面は、上述の駐車場利用料金収受システムの一部を構成する駐車場利用料金管理装置に係るものである。すなわち、駐車場の入口付近および出口付近に設置され、車両に搭載される車載器と通信を行う路側器および駐車場の駐車場利用料金の精算を行う精算機と通信を行う通信手段と、入口付近に設置されている路側器と通信を行い、車両が駐車場に入場する際に車載器と入口付近に設置されている路側器との間で行われる通信処理を介して車載器を識別するための第1の識別情報と、車載器に任意に設定可能な第2の識別情報とを取得する処理、取得した第1の識別情報および第2の識別情報と入場時刻とを関連付けて記憶手段に記憶させると共に、当該駐車場への車両の入場を許可する処理、精算機と通信を行い、利用者が駐車場利用料金を精算する際に通信端末と精算機との間で行われる通信処理を介して第2の識別情報と精算時の現在時刻とを取得し、第2の識別情報に関連付けられている入場時刻と精算時の現在時刻とに応じて駐車場利用時間を求め、その求めた駐車場利用時間に基づき車両の駐車場利用料金を算出し、精算機に駐車場利用料金情報を送信し、精算が行われた場合には精算済み情報を前記記憶手段に記憶させて駐車場利用料金を精算する処理、出口付近に設置されている路側器と通信を行い、車両が駐車場を出場する際に車載器と出口付近に設置されている路側器との間で行われる通信処理を介して第1の識別情報および第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を取得し、その取得した識別情報と精算済み情報とから車両の駐車場利用料金の精算が完了しているか否かを判定すると共に、当該精算が完了していると判定した場合には、当該駐車場からの車両の出場を許可し、当該精算が完了していないと判定した場合には、出口付近に設置されている路側器を介して車載器へ駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報を取得するための要求を行い、第3の識別情報の取得後に当該駐車場からの車両の出場を許可する処理を実行する制御手段と、を有する駐車場利用料金管理装置である。
【0011】
また、本発明の一側面は、駐車場利用料金収受方法に係るものである。すなわち、駐車場を利用する車両の駐車場利用料金を少なくとも駐車場利用時間に基づき算出する駐車場利用料金管理装置が実行する駐車場利用料金収受方法であって、入口付近に設置されている路側器と通信を行い、車両が駐車場に入場する際に車両が搭載された車載器と駐車場の入口付近に設置されている路側器との間で行われる通信処理を介して車載器から車載器を識別するための第1の識別情報と、車載器に任意に設定可能な第2の識別情報とを取得するステップ、取得した第1の識別情報および第2の識別情報と駐車場への入場時刻とを関連付けて記憶手段に記憶させると共に、当該駐車場への車両の入場を許可するステップ、車両の駐車場利用料金の精算を行う精算機と通信を行い、利用者が駐車場利用料金を精算する際に車載器および精算機と通信を行う通信端末と精算機との間で行われる通信処理を介して第2の識別情報と精算時の現在時刻とを取得し、第2の識別情報に関連付けられている入場時刻と精算時の現在時刻とに応じて駐車場利用時間を求め、その求めた駐車場利用時間に基づき車両の駐車場利用料金を算出し、精算機に駐車場利用料金情報を送信し、精算が行われた場合には精算済み情報を記憶手段に記憶させて駐車場利用料金を精算するステップ、出口付近に設置されている路側器と通信を行い、車両が駐車場を出場する際に車載器と出口付近に設置されている路側器との間で行われる通信処理を介して第1の識別情報および第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を取得し、その取得した識別情報と精算済み情報とから車両の駐車場利用料金の精算が完了しているか否かを判定すると共に、当該精算が完了していると判定した場合には、当該駐車場からの車両の出場を許可し、当該精算が完了していないと判定した場合には、出口付近に設置されている路側器を介して車載器へ駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報を取得するための要求を行い、第3の識別情報の取得後に当該駐車場からの車両の出場を許可するステップ、を有するものである。
【0012】
また、本発明の一側面は、上述の駐車場利用料金収受システムの一部を構成する車載器に係るものである。すなわち、車両に搭載されて、駐車場の入口付近および出口付近に設置される路側器と通信を行う車載器であって、車載器を識別するための第1の識別情報と、任意に設定可能な第2の識別情報と、が記憶される記憶手段と、車両が駐車場へ入場する際に入口付近の路側器へ第1の識別情報および第2の識別情報を送信する第1の送信手段と、車両が駐車場から出場する際に出口付近の路側器へ第1の識別情報および第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を送信すると共に、路側器側から駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報の送信を要求された場合に、第3の識別情報を路側器へ送信する第2の送信手段と、を有する車載器である。
【0013】
また、この車載器は、利用者による前記駐車場の駐車場利用料金の精算が完了する前に、第1の識別情報および/または第2の識別情報を通信端末へ送信する第3の送信手段を有することが好ましい。
【0014】
また、この車載器は、路側器から駐車場への入場時刻情報を受信する受信手段と、受信手段で受信した入場時刻情報を通信端末へ送信する第4の送信手段を有することが好ましい。
【0015】
また、本発明の一側面である車載器は、車両に搭載されて、駐車場の入口付近および出口付近に設置される路側器と通信を行う車載器であって、車載器を識別するための第1の識別情報と、任意に設定可能な第2の識別情報と、が記憶される記憶手段と、車両が駐車場へ入場する際に入口付近の路側器へ第1の識別情報および第2の識別情報を送信する第1の送信手段と、車両が駐車場から出場する際に出口付近の路側器へ第1の識別情報および第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を送信する第2の送信手段と、を有するものである。
【0016】
また、本発明の一側面は、上述の駐車場利用料金収受システムの一部を構成する通信端末に係るものである。すなわち、車両に搭載された車載器を識別するための第1の識別情報および車載器に任意に設定可能な第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を車載器から受信する受信手段と、受信した識別情報を記憶する記憶手段と、憶手段に記憶された第1の識別情報および第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を駐車場利用料金の精算を行う精算機へ送信する送信手段と、を有する通信端末である。
【0017】
また、この通信端末は、上述した構成に加えて、受信手段は、車載器から駐車場への入場時刻情報を受信し、受信手段で受信した入場時刻情報を表示させる表示手段を有することが好ましい。
【0018】
さらに、この通信端末は、上述した構成に加えて、前記精算機との精算時点または精算完了後の所定の時点から所定時間経過後に前記記憶手段に記憶されている入場時刻情報を消去する制御手段を有することが好ましい。
【0019】
さらに、この通信端末は、上述した構成に加えて、制御手段は、入場時刻情報に加えて、所定の時点から所定時間経過後に第1の識別情報、第2の識別情報のいずれかひとつ、または全部を消去することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数の駐車場利用料金の精算方法に対応できると共に、利用者が精算時に使用される個人識別情報を利用施設において予め登録する必要のない利便性の高い駐車場利用料金収受システム、駐車場利用料金管理装置、駐車場利用料金収受方法、車載器、並びに通信端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車場利用料金収受システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す駐車場利用料金管理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す精算機の全体構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す車載器の全体構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す通信端末の全体構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す通信端末の外観を示す図である。
【図7】図2に示す駐車場利用料金管理装置の利用者情報記憶手段に記憶される利用者管理情報の一例を示す図である。
【図8】図2に示す駐車場利用料金管理装置の利用者情報記憶手段に記憶される利用者料金情報の一例を示す図である。
【図9】図1に示す駐車場利用料金収受システムで実行される処理を説明するための図である。
【図10】図1に示す駐車場利用料金管理装置と車載器間において駐車場へ入場する際に実行される処理を示すフローチャートである。
【図11】図1に示す図1に示す駐車場利用料金管理装置と通信端末間において駐車場利用料金を精算する際に実行される処理を示すフローチャートである。
【図12】図1に示す駐車場利用料金管理装置と車載器間において駐車場から出場する際に実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る駐車場利用料金収受システム、駐車場利用料金管理装置、駐車場利用料金収受方法、車載器、並びに通信端末について、図面を参照しながら説明するが、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、駐車場利用料金収受方法については、駐車場利用料金収受システムで実行される処理によって説明するものとする。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る駐車場利用料金収受システム100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、駐車場利用料金収受システム100は、駐車場利用料金管理装置210と、入口路側器220と、出口路側器230と、精算機240と、車載器300と、通信端末400とを主要な構成要素としている。なお、入口路側器220、出口路側器230は、自装置から数メートルの範囲に存在する車両に搭載された車載器300を特定し、車載器300との間でDSRC通信を行うことができる。ここでいうDSRCとは、国際標準化された5.8GHzでの双方向通信方式である。
【0024】
駐車場利用料金管理装置210は、たとえば、駐車場の管理者がいる施設内または当該駐車場を含む施設内に設置されたコンピュータ等であり、当該施設内に構築されたLAN(Local Area Network)、またはインターネット等で構成されるIP通信網などのネットワークに接続されている。この駐車場利用料金管理装置210は、駐車場へ入場する車両、出場する車両を管理する装置である。具体的には、駐車場利用料金管理装置210は、入場した車両に乗車している人間(以下、利用者)と、当該車両とを、利用者が当該車両から離れた状態においても関連付けるために、車両側の識別情報と利用者側の何らかの識別情報との関連付けを行うと共に、当該車両を識別する情報や駐車場への入場時刻等、利用者に係る情報を管理している。なお、駐車場利用料金管理装置210は、車両の入場時刻および現在時刻を取得する方法に関しては、駐車場利用料金管理装置210に内蔵された時計機構(不図示)から取得してもよいし、またはインターネット等を経由してNTP(Network Time Protocol)サーバから取得するようにしてもよい。
【0025】
入口路側器220、出口路側器230は、DSRCアンテナ等を含み、駐車場の入口付近と出口付近にそれぞれ設置される装置である。また、入口路側器220、出口路側器230は、駐車場利用料金管理装置210と通信可能なネットワークを介して接続される。入口路側器220は、図示しない入口ゲートバー、図示しない車両を感知するためのセンサー等の駐車場入場設備を備え、車両を感知すると、車載器を特定するための通信開始コマンドを送信する。また、出口路側器230は、図示しない出口ゲートバー、図示しない車両を感知するためのセンサー等の駐車場出場設備を備え、車両を感知すると、車載器を特定するための通信開始コマンドを送信する。なお、入口路側器220は、請求項に記載されている駐車場の入口付近に設置される路側器の一例であり、出口路側器230は、請求項に記載されている駐車場の出口付近に設置される路側器の一例を示すものであり、DSRCシステム非対応車両が駐車場入場券を使用して精算を行えるよう、入口路側器220には、駐車場入場券を発券可能な発券装置を有するようにし、出口路側器230には、出口側精算機を備えるようにしてもよい。
【0026】
精算機240は、たとえば駐車場を含む施設内に設置され、利用者が駐車場の料金を精算するための装置である。また、精算機240は、駐車場利用料金管理装置210と通信可能なネットワークを介して接続される。また、精算機240は、後述する通信端末400と通信を行い、利用者によって駐車場利用料金の精算をさせることが可能である。なお、精算機240では、利用者が通信端末400を用いずに駐車券を使用して駐車場利用料金の精算をすることも可能である。
【0027】
車載器300は、DSRCシステム用の路車間通信装置等であり車両に搭載される装置である。車載器300は、入口路側器220或いは出口路側器230とDSRC通信を行って入場処理および出場処理を実行する。また、車載器300は、利用者が所持する通信端末400を個別に認識可能であると共に、通信可能である。
【0028】
通信端末400は、利用者が所持し、車載器300および精算機240と通信可能な装置である。また、通信端末400は、車載器300との通信により取得した駐車場入場時刻等を表示させることが可能である。また、利用者がこの通信端末400を用いて精算機240と通信し、駐車場利用料金の精算を自動的に行うことが可能である。なお、本実施例の通信端末400は、車両の鍵と一体化された装置(図6)として構成される。
【0029】
このように、駐車場利用料金収受システム100では、駐車場へ入場する車両に搭載される車載器300と、駐車場の入口付近に設置される入口路側器220および出口付近に設置される出口路側器230との間でDSRC通信が行われ、車両の入場処理および出場処理が実行される。また、この駐車場利用料金収受システム100では、通信端末400と精算機240との間で通信が行なわれ、駐車場利用料金の精算処理が実行される。以下、上述した各装置の詳細についてそれぞれ説明する。
【0030】
(駐車場利用料金管理装置の構成)
まず、駐車場利用料金管理装置210について説明する。図2は、図1に示す駐車場利用料金管理装置210の全体構成を示すブロック図である。図2に示すように、駐車場利用料金管理装置210は、制御部211と、受信部212と、送信部213と、利用者情報記憶部214と、駐車場利用料金テーブル215と、料金発生判断部216とから少なくとも構成される。
【0031】
制御部211は、たとえばCPU、メモリおよび当該メモリに記憶されている制御プログラム等から構成され、駐車場利用料金管理装置210全体の制御を行っている。制御部211は、駐車場利用料金収受システム100に含まれる各装置からの要求または送信情報に応じて制御信号を生成する。また、制御部211は、各装置との処理内容に応じて、利用者情報記憶部214を参照し、各種情報の送信処理を実行する。制御部211が実行する処理の詳細については後述する入場処理(図10)、精算処理(図11)、出場処理(図12)において説明する。なお、制御部211は、請求項に記載されている駐車場利用料金管理装置の制御手段の一例を示すものである。
【0032】
受信部212および送信部213は、たとえばイーサネット(登録商標)などで使用される通信インタフェース等であり、入口路側器220、出口路側器230、精算機240との間に構築されたLAN、またはインターネット等で構成されるIP通信網などのネットワークと接続するための通信インタフェースである。入口路側器220、出口路側器230、精算機240から受信部212を介して受信した情報は、制御部211へそれぞれ出力される。一方、制御部211から送信部213へ入力された情報は入口路側器220、出口路側器230、精算機240へそれぞれ出力される。なお、受信部212および送信部213は、請求項に記載されている駐車場利用料金管理装置の通信手段の一例を示すものである。
【0033】
利用者情報記憶部214は、たとえば不揮発性のメモリ等であり、後述する利用者管理情報600(図7)が記憶されている。なお、利用者情報記憶部214に記憶されている利用者管理情報600の詳細については後述する。
【0034】
駐車場利用料金テーブル215は、たとえばROMまたは不揮発性のメモリ、ハードディスク等に記憶されたデータ等であり、少なくとも車両の駐車時間に対応する駐車場利用料金の情報が含まれる。さらに、駐車場利用料金テーブル215には、駐車場利用料金の割引サービス情報や駐車場地図情報等が含まれてもよい。
【0035】
料金発生判断部216は、たとえば駐車場利用料金の発生有無についての判定処理を実行可能なプログラム等であり、制御部211の制御に基づいて、車両毎に駐車場利用料金の発生有無等を判断することができる。なお、料金発生判断部216により実行される処理の詳細は後述する精算処理(図11)において説明する。
【0036】
(精算機の構成)
次に、精算機240の構成について説明する。図3は、図1に示す精算機240の全体構成を示すブロック図である。図3に示すように、精算機240は、制御部241、受信部242と、送信部243と、利用者識別番号読取部244と、インタフェース部245とから少なくとも構成される。
【0037】
制御部241は、たとえばCPU、メモリおよび当該メモリに記憶されている制御プログラム等から構成され、精算機240全体の制御を行う。なお、制御部241が実行する処理の詳細については後述する精算処理(図11)において説明する。
【0038】
受信部242は、駐車場利用料金管理装置210から受信した情報を制御部241へ出力する。送信部243は、制御部241から入力される情報を駐車場利用料金管理装置210へ出力する。
【0039】
利用者識別番号読取部244は、たとえばRFID(Radio Frequency IDentification)技術を使用した読取器等であり、通信端末400と、近距離で電波による非接触通信を行う。また、利用者識別番号読取部244は、通信端末400が記憶する利用者識別番号を読み取り、制御部241へ出力する。
【0040】
インタフェース部245は、利用者が駐車場への入場時刻あるいは駐車場利用料金等を確認するための情報を表示する表示画面や、料金の投入口、投入された料金の計数器等を備える。インタフェース部245は、制御部241から精算時利用者情報が入力されると、表示画面に当該情報を表示する。また、インタフェース部245は、利用者が駐車場利用料金の精算を行うと、投入された料金を計数し、金額を投入金額情報として制御部241へ出力する。なお、精算機240においてクレジット決済も取り扱い可能とする場合、インタフェース部245は、利用者のクレジットカードによる精算完了通知を不図示のクレジットカード決済システムより受信すると当該通知を投入金額情報として制御部241へ出力する。
【0041】
(車載器の構成)
次に、車載器300の構成について説明する。図4は、図1に示す車載器300の構成を示すブロック図である。車載器300は、制御部310と、DSRC受信部311と、DSRC送信部312と、クレジット番号読取部313と、送信部314と、利用者識別番号を記憶する利用者識別番号記憶部315と、車載器番号を記憶する車両識別番号記憶部316から少なくとも構成される。なお、車載器番号は、請求項に記載される第1の識別情報の一例を示すものであり、利用者識別番号は、請求項に記載される第2の識別番号の一例を示すものである。
【0042】
制御部310は、たとえばCPU、メモリおよび当該メモリに記憶されている制御プログラム等から構成され、車載器300全体の制御を行う。なお、制御部310が実行する処理の詳細については後述する入場処理(図10)および出場処理(図12)において説明する。
【0043】
DSRC受信部311およびDSRC送信部312は、DSRCシステム用の送受信装置であり、入口路側器220と出口路側器230と通信を行う。DSRC受信部311は、車両の入場時に、入口路側器220から情報を受信し、制御部310へ出力する。また、DSRC受信部311は、車両の出場時に、出口路側器230から情報を受信し、制御部310へ出力する。DSRC送信部312は、車両の入場時に、利用者識別番号記憶部314と、車両識別番号記憶部315とに記憶されている情報を入口路側器220へ送信する。また、DSRC送信部312は、車両の出場時に、利用者識別番号記憶部314と、車両識別番号記憶部315とに記憶されている情報を出口路側器230へ送信する。また、DSRC送信部312は、車両の出場時に、利用者の駐車場利用料金の精算が完了していない場合に、クレジット番号等の所定の情報を送信して出口路側器230へ送信する。DSRC受信部311およびDSRC送信部312が送受信する情報の詳細については後述する入場処理(図10)および出場処理(図12)において説明する。なお、DSRC送信部312は、請求項に記載されている車載器の第1の送信手段および第3の送信手段の一例を示すものである。
【0044】
クレジット番号読取部313は、車載器300に挿入される図示しないクレジットカードの情報読取装置である。クレジット番号読取部313は、クレジットカードからそれぞれクレジットカードに固有の番号(以下、クレジット番号)を読み取り、当該クレジット番号を制御部310へ出力する。なお、クレジット番号は、請求項に記載される第3の識別番号の一例を示すものである。
【0045】
送信部314は、たとえばRFID技術を使用した書込装置等であり、通信端末400と通信を行うことができる。車両の入場時に、制御部310によって入場時利用者情報が送信部314へ出力されると、当該入場時利用者情報が通信端末400へ送信される。また、車両の出場時には、通信端末400に記憶した情報を消去するための入場時利用者情報消去コマンドが制御部310から送信部314へ出力されると、当該入場時利用者情報消去コマンドを通信端末400へ送信する。なお、送信部314は、請求項に記載されている車載器の第2の送信手段および第4の送信手段の一例を示すものである。
【0046】
(通信端末の構成)
次に、通信端末400の構成について説明する。図5は、図1に示す通信端末400の構成を示すブロック図である。通信端末400は、制御部410と、受信部411と、送信部412と、表示部413と、利用者識別番号記憶部414と、利用者情報記憶部415とから少なくとも構成される。
【0047】
制御部410は、たとえばCPU、メモリおよび当該メモリに記憶されている制御プログラム等から構成され、通信端末400全体の制御を行う。なお、制御部410が実行する処理の詳細については後述する入場処理(図10)、精算処理(図11)、出場処理(図12)において説明する。なお、制御部410は、請求項に記載されている通信端末の制御手段の一例を示すものである。
【0048】
受信部411は、たとえばRFID技術を使用したアンテナ等であり、車載器300、精算機240等から情報を受信し、制御部410へ出力する。受信部411は、請求項に記載されている通信端末の受信手段の一例を示すものである。送信部412は、たとえばRFID技術を使用したアンテナ等であり、制御部410から出力される情報を車載器300、精算機240へ送信する。送信部412は、請求項に記載されている通信端末の送信手段の一例を示すものである。表示部413は、電子ペーパー或いは液晶等の表示装置であり、車両が駐車場へ入場した時刻等を表示する。また、表示部413は、制御部410から入力される入場時利用者情報を表示する。表示部413は、請求項に記載されている通信端末の表示手段の一例を示すものである。
【0049】
利用者識別番号記憶部414は、たとえば、不揮発性のメモリ等であり、車載器300から受信した利用者識別番号が記憶される。利用者情報記憶部415は、たとえば、不揮発性のメモリ等であり、車載器300から入力される入場時利用者情報が記憶される。なお、当該入場時利用者情報に含まれる入場時刻に基づいて表示部413へ入場時刻等の情報が表示される。
【0050】
図6に、通信端末400の外観の一例を示す。通信端末400は、たとえばRFID技術を使用して車両のドアの開閉を行う鍵等である。通信端末400は、車両のドアの開閉を行うためのボタンを備えていてもよく、さらに、電子ペーパー或いは液晶等の表示装置を備えている。また、図6の左に示すような、従来の鍵を中に挿入して持ち運ぶことができる。なお、通信端末400は、スペアキーなどのために複数あってもよく、たとえば家族で駐車場を含む施設内を別行動する場合でも当該通信端末400を複数使用できるようにしてもよい。また、通信端末400は、車両用の鍵を備えないものとしてもよい。
【0051】
図7は、図2に示す駐車場利用料金管理装置210の利用者情報記憶部214に記憶される利用者管理情報600の一例を示す図である。図7に示すように、利用者管理情報600は、車両識別番号欄と、利用者識別番号欄と、利用者情報として入場時刻欄と、精算情報欄とから少なくとも構成されており、それぞれの情報が関連付けられて記憶されている。車両識別番号欄には、車載器300から入力された車載器番号が記憶されている。利用者識別番号欄には、車載器300から入力された利用者識別番号が記憶されている。入場時刻欄には、車両が入場した時刻が記憶されている。精算情報欄には、利用者が駐車場利用料金の精算を済ませた場合には「済」、それ以外の場合には「未」を表すフラグがそれぞれ記憶されている。
【0052】
このように、駐車場利用料金管理装置210においては、車両を特定できる車両識別番号と利用者を識別できる利用者識別番号の2つを車載器300から取得して記憶している。ここで、駐車場利用料金を決済する観点のみで言えば車両もしくは利用者を一意に特定するためには、車両識別番号または利用者識別番号のいずれかのみを用いるだけでも入場時刻および精算情報について一意に特定できる。しかしながら、車両識別番号は、たとえば車載器300の製造番号等などの事後的に変更することが困難である情報であることが多く、他のシステム(たとえば、当該施設内の店舗での顧客情報管理システム等)との親和性を高めるために別途利用者識別番号を採用し、冗長性を持たせているものである。したがって、この利用者識別番号については、車載器300、通信端末400または他のシステムで一意に利用者を特定できる識別情報であればよい。また、駐車場利用料金管理装置210においては、当該利用者識別番号の正当性を確認するための認証処理を行ってもよいが、本実施例においては、当該認証処理を行うことは必須ではない。
【0053】
図8は、図2に示す駐車場利用料金管理装置210の利用者情報記憶部214に記憶される利用者料金情報630の一例を示す図である。図8に示すように、利用者料金情報630は、車両識別番号欄と、請求情報欄と、料金欄とから少なくとも構成されており、それぞれの情報が関連付けられて記憶されている。車両識別番号欄には、車載器300から入力された車両識別番号が記憶されている。請求情報欄には、車載器300から入力されたクレジット番号が記憶されている。料金欄には、DSRCシステムを使用した出場処理でのクレジット決済により精算される駐車場利用料金が記憶されている。このように利用者が駐車場利用料金の精算を車載器300に挿入されるクレジットカードを用いて行った場合は、利用者情報記憶部214には、クレジット番号と駐車場利用料金が関連付けられて記憶される。なお、利用者料金情報630において、車両識別番号欄の代わりに、利用者識別番号が記憶される利用者識別番号欄が設けられてもよい。また、利用者料金情報630において、車両識別番号欄に加えて利用者識別番号が記憶される利用者識別番号欄が設けられてもよい。
【0054】
(駐車場への入場処理)
次に、図9および図10を用いて、車両の入場時における駐車場利用料金収受システム100で実行される入場処理について説明する。図9は、図1に示す駐車場利用料金収受システム100で実行される処理を説明するための図である。図10は、図1に示す駐車場利用料金管理装置210と車載器300間において駐車場へ入場する際に実行される処理を示すフローチャートである。なお、図9に示すT1〜T14の各処理は、通信元、通信先ならびに通信方向をそれぞれ示しているものであり、同一の符号であっても異なる処理内容の場合がある。図10に示す入場処理のフローチャートは、図9に示すように、車載器300、入口路側器220、駐車場利用料金管理装置210間で実行されるT1,T2,T3,T4,T5,T6の各処理に対応している。
【0055】
START:車載器300は、車両が駐車場へ入場するために入口路側器220との通信可能範囲内へ進入すると、入口路側器220から送信されるDSRCの通信開始コマンドに応答し、以下の処理を開始する。
【0056】
ステップS10:車載器300の制御部310は、利用者識別番号記憶部315に記憶されている利用者識別番号および車両識別番号記憶部316に記憶されている車両識別番号を読み取り、DSRC送信部312へ出力し、入口路側器220へ送信する(図9に示すT1の処理)。入口路側器220は、受信した当該利用者識別番号および車両識別番号を駐車場利用料金管理装置210へ送信する(図9に示すT2の処理)。駐車場利用料金管理装置210は、当該利用者識別番号および車両識別番号を受信部212により受信する。
【0057】
ステップS11:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、受信した利用者識別番号および車両識別番号を利用者管理情報600として登録すると共に、利用者識別番号および車両識別番号を受信した時刻を入場時刻として登録する。
【0058】
ステップS12:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、入場時刻の登録が完了すると、少なくとも入場時刻情報を含む入場利用者情報を生成し、入口路側器220を介して、車載器300へ送信する(図9のT3およびT4の処理)。なお、車載器300の制御部310は、入場時利用者情報から少なくとも車両の入場時刻を取得して送信部314へ出力する(以下、入場時刻のみの情報も入場時利用者情報と言う)。車載器300の送信部314へ出力された入場時利用者情報は、通信端末400の受信部411へ送信される(図9に示すT5の処理)。通信端末400の制御部410は、入場時利用者情報が受信部411から入力されると、利用者情報記憶部415へ記録し、表示部413へ入場時刻等の情報を表示させる。また、利用者が図示しない表示ボタン等を押して入場時刻等を確認する場合、表示部413へ入場時刻等の情報を表示する。これにより利用者は、通信端末400を介して駐車場への入場時刻を知ることが可能となる。なお、通信端末400の制御部410は、入場時利用者情報が正常に記憶されると記憶が完了した旨の通知を車載器300へ送信してもよい(図9に示すT6の処理)。また、この処理ステップS12において車載器300から通信端末400へ送信される情報としては、入場時刻のみであったが、利用者を識別する利用者識別番号を送信するようにしてもよい。その場合、通信端末400の利用者識別番号記憶部414に当該利用者識別番号が記憶される。また、通信端末400へ入場時利用者情報を送信するタイミングは、このステップS12のタイミングの他に、利用者による駐車場の駐車場利用料金の精算が完了する前であればいつでもよい。
【0059】
ステップS13:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、入場ゲートを開放させるための入場ゲート開放コマンドを入口路側器220へ送信し、入場処理を終了する(END)。入口路側器220は、駐車場利用料金管理装置210から入場ゲート開放コマンドが入力されると、入口ゲートバーを上げ、車両を駐車場へ入場させる。
【0060】
(精算処理)
次に、図9および図11を用いて、利用者が駐車場利用料金の精算を行う際の駐車場利用料金収受システム100で実行される精算処理について説明する。図11は、図1に示す駐車場利用料金管理装置210と通信端末400間において駐車場利用料金を精算する際に実行される処理を示すフローチャートである。図11に示す清算処理のフローチャートは、図9に示すように、通信端末400、精算機240、駐車場利用料金管理装置210間で実行されるT7,T8,T9,T10の各処理に対応している。なお、図11に示す処理は、通信端末400を使用して精算機240にて自動的に精算を行う場合であり、通信端末400の利用者識別番号記憶部414には車載器300から受信した利用者識別番号が予め記憶されているものとする。
【0061】
START:利用者が通信端末400を精算機240の利用者識別番号読取部244に近づけて通信処理が確立すると以下の処理が開始される。
【0062】
ステップS20:通信端末400の制御部410は、利用者が精算機240で駐車場利用料金の精算を行う際に、利用者識別番号記憶部414に記憶されている利用者識別番号を送信部412から精算機240の利用者識別番号読取部244へ出力して、精算機240へ送信する(図9に示すT7の処理)。精算機240の制御部241は、利用者識別番号読取部244で利用者識別番号を受信すると、図7に示した駐車場利用料金管理装置210の利用者情報記憶部214に記憶されている利用者管理情報600を照会するための利用者情報照会要求を送信部243へ出力して駐車場利用料金管理装置210へ送信する(図9に示すT8の処理)。この利用者情報照会要求には、車載器300を特定するための利用者識別番号が含まれる。駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、精算機240を介して利用者情報照会要求を受信すると、図7に示した利用者管理情報600から該当する利用者識別番号を検索して当該利用者の入場時刻を取得する。
【0063】
ステップS21:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、現在時刻から入場時刻を減算して駐車場利用時間を計算し、駐車場利用料金テーブル215を参照して駐車場利用料金を求め、当該駐車場利用料金を精算時利用者情報として送信部213へ出力し、精算機240へ送信する(図9に示すT9の処理)。
【0064】
ステップS22:駐車場利用料金管理装置210から送信された精算時利用者情報を受信部242で受信すると、精算機240の制御部241は、駐車場利用料金をインタフェース部245に表示させる。利用者は、精算機240を使用して駐車場利用料金の精算を現金またはクレジットカードの使用などの方法により精算機240で行う。インタフェース部245は、制御部241に対して投入金額情報を出力する。精算機240の制御部241は、インタフェース部245から投入金額情報が入力されると、投入金額情報が精算時利用者情報の内容と一致するか否かを判断し、一致すると判断されると精算が完了したことをフラグで表した精算完了情報を生成して送信部243へ出力し、駐車場利用料金管理装置210へ精算完了情報を送信する(図9に示すT8の処理)。なお、精算機240は、通信端末400に対して精算完了を示す旨の通知を行ってもよい(図9に示すT10の処理)。
【0065】
ステップS23:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、精算機240の送信部243から精算完了情報を受信すると、当該車載器300の精算情報欄を「済」として精算処理を完了する(END)。なお、駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、精算情報の登録が完了した旨を精算機240に通知し(図9に示すT9の処理)、当該通知を受信した精算機240は、その旨を表示するようにしてもよい。
【0066】
(出場処理)
次に、図9および図12を用いて、車両の出場時における駐車場利用料金収受システム100で実行される出場処理について説明する。図12は、図1に示す駐車場利用料金管理装置210と車載器300間において駐車場から出場する際に実行される処理を示すフローチャートである。図12に示す出場処理のフローチャートは、図9に示すように、車載器300、出口路側器230、駐車場利用料金管理装置210間で実行されるT11,T12,T13,T14の各処理に対応している。
【0067】
START:車載器300の制御部310は、車両が駐車場から出場するために出口路側器230との通信可能範囲内へ進入すると、出口路側器230と自動的に通信を開始すると共に、出口路側器230を介して駐車場利用料金管理装置210とDSRC通信処理を確立し、以下の処理を開始する。
【0068】
ステップS30:車載器300の制御部310は、利用者識別番号および車両識別番号を出口路側器230へ送信する(図9に示すT11の処理)。出口路側器230は、車載器300から送信された情報を受信すると、利用者の駐車場利用料金精算有無を確認するために、利用者識別番号および車載器番号を含む出場確認要求を駐車場利用料金管理装置210へ送信する(図9に示すT12の処理)。駐車場利用料金管理装置210は、利用者識別番号および車載器番号を出口路側器230から受信する。なお、車載器300の制御部310は、駐車場の入場時および出場時において、利用者識別番号および車両識別番号を送信しているが、出場時に限っては利用者識別番号または車両識別番号のいずれか一方を送信するようにしてもよい。
【0069】
ステップS31:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、料金発生判断部216によって、利用者識別番号に係る駐車場利用料金の精算状況を判断する。具体的には、料金発生判断部216は、出場確認要求が制御部211から入力されたとき、利用者情報記憶部214に記憶される利用者管理情報600と、出場確認要求が入力された退出時刻と、駐車場利用料金テーブル215とを用いて、駐車場利用料金の発生の有無を判断する。駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、当該判断結果により精算が「済」であれば(ステップS31のY)、出口路側器230を介して駐車場利用料金精算済みである通知を車載器300へ送信してステップS35の処理へ移行し、「未」であれば、ステップS32の処理へ移行する。
【0070】
ステップS32:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、精算が「未」であるとき(ステップS31のN)、クレジット番号取得要求を生成して送信部213へ出力して、出口路側器230へ送信する(図9に示すT13の処理)。出口路側器230は、当該クレジット番号取得要求を車載器300のDSRC受信部311へ送信する(図9に示すT14の処理)。車載器300のDSRC受信部311は、クレジット番号取得要求を受信すると当該クレジット番号取得要求を制御部310へ出力する。車載器300の制御部310は、クレジット番号取得要求を受けてクレジット番号読取部313からクレジット番号を取得し、DSRC送信部312へ出力して、出口路側器230へ送信する(図9に示すT11の処理)。出口経路器230は、車載器300から送信されてきたクレジット番号を駐車場利用料金管理装置210へと送信する(図9に示すT12の処理)。
【0071】
ステップS33:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、車載器300がクレジット番号取得要求に応答して出口路側器230を介して送信したクレジット番号を受信する。また、駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、出口路側器230を介してクレジット番号受信完了通知を車載器300へ送信する。
【0072】
ステップS34:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、利用者料金情報630へクレジット番号と駐車場利用料金と登録する。
【0073】
ステップS35:駐車場利用料金管理装置210の制御部211は、利用者の精算が「済」と判断する、或いは、利用者料金情報630への登録処理が完了すると、出口ゲート開放コマンドを生成して送信部213へ出力し、出口路側器230へ送信して(図9に示すT13の処理)、出場処理を終了する(END)。出口路側器230は、駐車場利用料金管理装置210から出口ゲート開放コマンドが入力されると、出口ゲートバーを上げ、車両を通過させる。
【0074】
(消去処理)
次に、車載器300が入場処理時に通信端末400へ送信した情報(図10のステップS12で送信した入場時刻および/または利用者識別番号)を消去する処理について説明する。この消去する処理は、車載器300が出口路側器230を介して駐車場利用料金管理サーバ230から駐車場利用料金が精算済みである通知を受信したタイミング(図12のステップS31でYES)、もしくは、クレジット番号の受信完了通知を受信したタイミング(図12のステップS33)で行われる。
【0075】
車載器300の制御部310は、通信端末400に対する入場時利用者情報の消去命令である入場時利用者情報消去コマンドを生成し、送信部314へ出力し、当該利用者情報消去コマンドを通信端末400へ送信する(図9に示すT6の処理)。通信端末400の制御部410は、受信部411により入場時利用者情報消去コマンドを受信すると、利用者情報記憶部415が記録する入場時利用者情報を消去する。これにより、通信端末400に記憶されている利用者識別番号、車両識別番号、並びに入場時刻がすべて消去される。なお、当該入場時利用者消去コマンドにより所定時間経過後に消去されるようにしてもよい。ここで所定時間の経過後とは、たとえば、当該入場時利用者消去コマンドが生成されてから1時間経過後、当該入場時利用者消去コマンドが通信端末400で受信してから1時間経過後などがある。また、入場時利用者消去コマンドにより消去される情報は、通信端末400に記憶されている利用者識別番号、車両識別番号、並びに入場時刻のすべてではなく、これらの一部が消去されるようにしてもよい。
【0076】
上述した一連の処理により、駐車場利用料金収受システム100では、利用者が予め精算機240を直接操作して精算する方法、通信端末400を使用して精算機240で精算する方法、並びに精算機240を利用せずにクレジット決済により精算する方法等、複数の駐車場利用料金の精算方法に対応ですることができる。また、駐車場利用料金収受システム100では、車載器300と通信端末400で共通する識別番号として利用者識別番号を使用して利用者の情報を管理しているため、利用者の精算時に使用される個人識別情報を利用施設において予め登録する必要がない。
【0077】
また、駐車場利用料金収受システム100では、出場時に利用者の精算状況に応じてクレジット番号を取得するようにしたので、事前に精算を済ませた利用者にとっては不必要な情報を駐車場利用料金収受システム100に毎回提供するようなことがなく、安全性が高い。さらに、駐車場利用料金収受システム100では、利用者が常時携帯する通信端末400として車両の鍵を収納する端末(車両の鍵情報を記憶している端末)を使用して駐車場への入場時刻を確認できるようにしたので、メール等の他の媒体により入場時刻を報知することを必要とせず、利便性が高い。
【0078】
なお、上述の実施の形態においては、通信端末400に予め利用者識別番号が記憶されていたが、車両が駐車場に入場する際に車載器300から受信して利用者識別番号が記憶されるようにしてもよい。また、利用者識別番号については、他のシステムで一意に特定している番号であれば、どのようなものであってもよいため、複数のシステムにおいてそれぞれまったく関連しないで使用されている識別番号が駐車場利用料金収受システム100内で同時に使用されていてもよい。
【0079】
また、上述の実施の形態においては、利用者識別番号は利用者の入場時刻の確認をする際に利用者を識別するためのものである。しかしながら、駐車場利用料金管理装置210は、入口路側器220から通信開始コマンドを車載器300へ送信することによって、車両がDSRC車載器を搭載しているか否かを判別し、利用者の入場時刻が確認する手段がないと判断した場合は、入場の際に入場時刻を記したチケットを発券するように入口路側器220へ促し、利用者は入口路側器220が発券する入場チケットを受け取ってから入場ゲートバーを上げるようにしてもよい。このようなチケット発券方式についても対応可能とすることで、複数の精算方式に対応できるものとなる。
【0080】
また、通信端末400の利用者情報記憶部415に記憶されている情報として入場時刻情報を挙げたが、その他にもたとえば、利用者が利用施設内にある店舗での購買情報(たとえば、購買商品の支払い金額等)などを、店舗内に設置され、通信端末400と通信可能なPOSレジ端末等(不図示)から取得して記憶するようにしてもよい。このようにすることで、当該駐車場と同一の利用施設内での購買情報に基づく駐車場利用料金の割引サービス等(たとえば、支払い金額が1000円未満は駐車場利用料金を50%割引、2000円以上購入した場合には無料とするなど)の実施が可能となり、駐車場の利用率向上および当該利用施設内にある店舗の商品の購買促進を図ることが可能となる。
【0081】
さらに、入場処理において、通信端末400に記憶される利用者識別番号、車両識別番号、上述の利用者の購買情報等は、駐車場を出場してから所定時間経過後(たとえば、駐車場を出場してから1時間経過後等)に消去するようにしてもよい。その場合には、車載器300の制御部310が生成する入場時利用者情報消去コマンドは、駐車場利用料金管理装置210が入場時利用者情報を受信したタイミング(図10のステップS12)にて生成し、通信端末400へ送信するようにすればよい。なお、当該入場時利用者情報消去コマンドと共に付加されるデータには所定時間経過後に消去するように制御するプログラムが含まれようにしてもよい。また、この所定時間の設定については、予め車載器300側で設定されているものでも、車載器300を介して利用者が事前に設定できるようにしてもよい。このような処理をすることで、通信端末400内に不必要にこれらの情報を保持することがなく、安全性の高いものとなる。
【0082】
また、上述の駐車場利用料金管理装置210が有する機能の一部を入口路側器220または出口路側器230でそれぞれ実行できるようにしてもよい。たとえば、車両の駐車場への入場時刻については入口路側器220側で外部または不図示の内部時計機構から取得できるようにしてもよい。また、出口路側器230側で利用者管理情報600、駐車場利用料金テーブル215、料金発生判断部216を有するようにしてもよい。
【0083】
本発明の駐車場利用料金収受システム100の構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0084】
また、たとえば、駐車場利用料金管理装置210、車載器300、通信端末400の各装置の全部または一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリーカード、CD(compact disc)、DVD(digital versatile disk)、MO(magneto−optical)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、たとえば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計等にインストールし、上述の駐車場利用料金管理装置210、車載器300、通信端末400のいずれかの装置として動作させ、あるいは、各装置が行う工程を実行させるようにしてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、たとえば、搬送波に重畳させて、駐車場利用料金管理装置210、車載器300、通信端末400となるコンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
100・・・駐車場利用料金収受システム、210・・・駐車場利用料金管理装置、211・・・制御部(駐車場利用料金管理装置の制御手段の一例)、212・・・受信部(駐車場利用料金管理装置の通信手段の一例)、213・・・送信部(駐車場利用料金管理装置の通信手段の一例)、214・・・利用者情報記憶部、215・・・駐車場利用料金テーブル、216・・・料金発生判断部、220・・・入口路側器(路側器の一例)、230・・・出口路側器(路側器の一例)、240・・・精算機、241・・・制御部、242・・・受信部、243・・・送信部、244・・・利用者識別番号読取部、245・・・インタフェース部、300・・・車載器、310・・・制御部(車載器の制御手段の一例)、311・・・DSRC受信部(車載器の受信手段の一例)、312・・・DSRC送信部(車載器の第1の送信手段および第3の送信手段の一例)、313・・・クレジット番号読取部、314・・・送信部(車載器の第2の送信手段および第4の送信手段の一例)、315・・利用者識別番号記憶部、316・・・車両識別番号記憶部、400・・・通信端末、410・・・制御部(通信端末の制御手段の一例)、411・・・受信部(通信端末の受信手段の一例)、412・・・送信部(通信端末の送信手段の一例)、413・・・表示部(通信端末の表示手段の一例)、414・・・利用者識別番号記憶部(通信端末の記憶手段の一例)、415・・・利用者情報記憶部(通信端末の記憶手段の一例)、600・・・利用者管理情報、630・・・利用者料金情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を利用する車両の駐車場利用料金を少なくとも駐車場利用時間に基づき算出する駐車場利用料金管理装置と、
上記駐車場の入口付近および出口付近に設置される路側器と、
上記車両に搭載されると共に、上記路側器と通信を行う車載器と、
上記車両の駐車場利用料金の精算を行う精算機と、
上記車載器および上記精算機と通信を行う通信端末と、を備え、
上記車載器には、上記車載器を識別するための第1の識別情報と、任意に設定可能な第2の識別情報と、が記憶され、
上記通信端末には、上記第2の識別情報が記憶され、
上記駐車場利用料金管理装置は、
上記路側器および上記精算機と通信を行う通信手段と、
上記入口付近に設置されている上記路側器と通信を行い、上記車両が上記駐車場に入場する際に上記車載器と上記入口付近に設置されている上記路側器との間で行われる通信処理を介して上記第1の識別情報および上記第2の識別情報を取得する処理、
取得した上記第1の識別情報および上記第2の識別情報と入場時刻とを関連付けて記憶手段に記憶させると共に、当該駐車場への上記車両の入場を許可する処理、
上記精算機と通信を行い、利用者が駐車場利用料金を精算する際に上記通信端末と上記精算機との間で行われる通信処理を介して上記第2の識別情報と精算時の現在時刻とを取得し、上記第2の識別情報に関連付けられている上記入場時刻と上記精算時の現在時刻とに応じて駐車場利用時間を求め、その求めた駐車場利用時間に基づき上記車両の駐車場利用料金を算出し、上記精算機に駐車場利用料金情報を送信し、精算が行われた場合には精算済み情報を前記記憶手段に記憶させる駐車場利用料金の精算処理、
上記出口付近に設置されている上記路側器と通信を行い、上記車両が上記駐車場を出場する際に上記車載器と上記出口付近に設置されている上記路側器との間で行われる通信処理を介して上記第1の識別情報および上記第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を取得し、その取得した識別情報と上記精算済み情報とから上記車両の駐車場利用料金の精算が完了しているか否かを判定すると共に、当該精算が完了していると判定した場合には、当該駐車場からの上記車両の出場を許可し、当該精算が完了していないと判定した場合には、上記出口付近に設置されている上記路側器を介して上記車載器へ上記駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報を取得するための要求を行い、上記第3の識別情報の取得後に当該駐車場からの上記車両の出場を許可する処理を実行する制御手段と、を有することを特徴とする駐車場利用料金収受システム。
【請求項2】
駐車場の入口付近および出口付近に設置され、車両に搭載される車載器と通信を行う路側器および上記駐車場の駐車場利用料金の精算を行う精算機と通信を行う通信手段と、
上記入口付近に設置されている上記路側器と通信を行い、上記車両が上記駐車場に入場する際に上記車載器と上記入口付近に設置されている上記路側器との間で行われる通信処理を介して上記車載器を識別するための第1の識別情報と、上記車載器に任意に設定可能な第2の識別情報とを取得する処理、
取得した上記第1の識別情報および上記第2の識別情報と入場時刻とを関連付けて記憶手段に記憶させると共に、当該駐車場への上記車両の入場を許可する処理、
上記精算機と通信を行い、利用者が駐車場利用料金を精算する際に上記通信端末と上記精算機との間で行われる通信処理を介して上記第2の識別情報と精算時の現在時刻とを取得し、上記第2の識別情報に関連付けられている上記入場時刻と上記精算時の現在時刻とに応じて駐車場利用時間を求め、その求めた駐車場利用時間に基づき上記車両の駐車場利用料金を算出し、上記精算機に駐車場利用料金情報を送信し、精算が行われた場合には精算済み情報を前記記憶手段に記憶させて駐車場利用料金を精算する処理、
上記出口付近に設置されている上記路側器と通信を行い、上記車両が上記駐車場を出場する際に上記車載器と上記出口付近に設置されている上記路側器との間で行われる通信処理を介して上記第1の識別情報および上記第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を取得し、その取得した識別情報と上記精算済み情報とから上記車両の駐車場利用料金の精算が完了しているか否かを判定すると共に、当該精算が完了していると判定した場合には、当該駐車場からの上記車両の出場を許可し、当該精算が完了していないと判定した場合には、上記出口付近に設置されている上記路側器を介して上記車載器へ上記駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報を取得するための要求を行い、上記第3の識別情報の取得後に当該駐車場からの上記車両の出場を許可する処理を実行する制御手段と、を有することを特徴とする駐車場利用料金管理装置。
【請求項3】
駐車場を利用する車両の駐車場利用料金を少なくとも駐車場利用時間に基づき算出する駐車場利用料金管理装置が実行する駐車場利用料金収受方法であって、
上記入口付近に設置されている上記路側器と通信を行い、車両が駐車場に入場する際に上記車両が搭載された車載器と上記駐車場の入口付近に設置されている路側器との間で行われる通信処理を介して上記車載器から上記車載器を識別するための第1の識別情報と、上記車載器に任意に設定可能な第2の識別情報とを取得するステップ、
取得した上記第1の識別情報および上記第2の識別情報と上記駐車場への入場時刻とを関連付けて記憶手段に記憶させると共に、当該駐車場への上記車両の入場を許可するステップ、
上記車両の駐車場利用料金の精算を行う精算機と通信を行い、利用者が駐車場利用料金を精算する際に上記車載器および上記精算機と通信を行う通信端末と上記精算機との間で行われる通信処理を介して上記第2の識別情報と精算時の現在時刻とを取得し、上記第2の識別情報に関連付けられている上記入場時刻と上記精算時の現在時刻とに応じて駐車場利用時間を求め、その求めた駐車場利用時間に基づき上記車両の駐車場利用料金を算出し、上記精算機に駐車場利用料金情報を送信し、精算が行われた場合には精算済み情報を上記記憶手段に記憶させて駐車場利用料金を精算するステップ、
上記出口付近に設置されている上記路側器と通信を行い、上記車両が上記駐車場を出場する際に上記車載器と上記出口付近に設置されている上記路側器との間で行われる通信処理を介して上記第1の識別情報および上記第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を取得し、その取得した識別情報と上記精算済み情報とから上記車両の駐車場利用料金の精算が完了しているか否かを判定すると共に、当該精算が完了していると判定した場合には、当該駐車場からの上記車両の出場を許可し、当該精算が完了していないと判定した場合には、上記出口付近に設置されている上記路側器を介して上記車載器へ上記駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報を取得するための要求を行い、上記第3の識別情報の取得後に当該駐車場からの上記車両の出場を許可するステップ、
を有することを特徴とする駐車場利用料金収受方法。
【請求項4】
車両に搭載されて、駐車場の入口付近および出口付近に設置される路側器と通信を行う車載器であって、
上記車載器を識別するための第1の識別情報と、任意に設定可能な第2の識別情報と、が記憶される記憶手段と、
上記車両が上記駐車場へ入場する際に上記入口付近の上記路側器へ上記第1の識別情報および上記第2の識別情報を送信する第1の送信手段と、
上記車両が上記駐車場から出場する際に上記出口付近の上記路側器へ上記第1の識別情報および上記第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を送信すると共に、上記路側器側から上記駐車場利用料金の精算に用いるための第3の識別情報の送信を要求された場合に、上記第3の識別情報を上記路側器へ送信する第2の送信手段と、
を有することを特徴とする車載器。
【請求項5】
請求項4に記載の車載器であって、
利用者による前記駐車場の駐車場利用料金の精算が完了する前に、前記第1の識別情報および/または前記第2の識別情報を通信端末へ送信する第3の送信手段と、
を有することを特徴とする車載器。
【請求項6】
請求項4に記載の車載器であって、
前記路側器から前記駐車場への入場時刻情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した上記入場時刻情報を前記通信端末へ送信する第4の送信手段と、
を有することを特徴とする車載器。
【請求項7】
車両に搭載されて、駐車場の入口付近および出口付近に設置される路側器と通信を行う車載器であって、
上記車載器を識別するための第1の識別情報と、任意に設定可能な第2の識別情報と、が記憶される記憶手段と、
上記車両が上記駐車場へ入場する際に上記入口付近の上記路側器へ上記第1の識別情報および上記第2の識別情報を送信する第1の送信手段と、
上記車両が上記駐車場から出場する際に上記出口付近の上記路側器へ上記第1の識別情報および上記第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を送信する第2の送信手段と、
を有することを特徴とする車載器。
【請求項8】
車両に搭載された車載器を識別するための第1の識別情報および上記車載器に任意に設定可能な第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を上記車載器から受信する受信手段と、
受信した上記識別情報を記憶する記憶手段と、
上記憶手段に記憶された上記第1の識別情報および上記第2の識別情報の内の少なくとも一方の識別情報を駐車場利用料金の精算を行う精算機へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項9】
請求項8に記載の通信端末であって、
前記受信手段は、前記車載器から前記駐車場への入場時刻情報を受信し、
前記受信手段で受信した上記入場時刻情報を表示させる表示手段を有することを特徴とする通信端末。
【請求項10】
請求項9に記載の通信端末であって、
前記精算機との精算時点または精算完了後の所定の時点から所定時間経過後に前記記憶手段に記憶されている入場時刻情報を消去する制御手段を有することを特徴とする通信端末。
【請求項11】
請求項10に記載の通信端末であって、
前記制御手段は、前記入場時刻情報に加えて、所定の時点から所定時間経過後に前記第1の識別情報、前記第2の識別情報のいずれかひとつ、または全部を消去することを特徴とする通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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