説明

駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラム

【課題】 対象車両が一定時間同じ場所にいたことを容易に証明することができる駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】 本発明の駐車時間証明装置は、車両が備えるICタグとの無線通信の開始に合わせ該車両の固有情報を取得し、該取得した固有情報を出力する固有情報取得手段と、ICタグとの無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得し、該位置情報を出力する位置情報取得手段と、無線通信の開始時刻から終了時刻までの時刻を所定間隔で計測し、該計測した時刻のデータを出力する時間計測手段と、固有情報と、位置情報と、計測した時刻のデータとを統合して、データ格納手段に格納する格納制御手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、違法駐車取締りシステムに適用される違法駐車車両の取締装置に関し、特に、違法駐車車両の駐車時間を証明する駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、違法駐車の取締りに使用される様々な技術が知られている。例えば特許文献1は、駐車違反の取締り業務を行う監視員又は警察官が、取締り対象車両の情報とともに適切な違反態様を判定して入力することを支援する違反態様入力支援システムを開示する。
【0003】
特許文献1に記載の違反態様入力支援システムは、第1の情報処理装置及び第2の情報処理装置を含む。第1の情報処理装置及び第2の情報処理装置はそれぞれ記憶部及び制御部を含む。
【0004】
第1の情報処理装置の記憶部は、駐車車両が該当法令の違反行為を構成することとなる区画を規定する座標データである区画座標データと、前記各区画を識別するための区画識別情報とが対応づけて格納されている区画情報データベースと、前記区画情報データベースに格納される各レコードに該当する区画について規定されている違反態様情報とが対応付けて格納されている違反態様情報データベースと、を格納する。
【0005】
第1の情報処理装置の制御部は、取締り対象車両に付属するICタグから車両識別情報を取得するICタグ情報取得機能と、GPS衛星からの信号を受信してそれを演算処理することにより自身の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得機能と、現在時刻を取得する機能と、を実行する。
【0006】
また、第1の情報処理装置の制御部は、前記位置情報取得機能により取得した自身の位置情報と前記区画情報データベースに記録されている区画座標データとを比較して、前記自身の位置情報が前記区画情報データベースに記録されている区画座標データによって特定される領域に含まれると判定した場合に、前記区画座標データと対応づけられている区画識別情報によって前記違反態様情報データベースを検索して、前記区画識別情報と対応づけられている違反態様情報を抽出して表示する機能を実行する。
【0007】
また、第1の情報処理装置の制御部は、前記抽出された違反態様情報についてユーザの選択を受付ける機能と、前記ICタグ情報取得機能により得た取り締まり対象車両の車両識別情報と、前記選択を受け付けた違反態様情報と、前記現在時刻を取得する機能により取得した現在日時情報とを対応付けて記憶する機能と、前記記憶した車両識別情報と、前記選択を受け付けた違反態様情報と、現在日時情報とを第2の情報処理装置に送信する機能と、を実行する。
【0008】
第2の情報処理装置の記憶部は、駐車車両取締りに関する情報を格納する取締り情報データベースを記憶する。
【0009】
第2の情報処理装置の制御部は、前記第1の情報処理装置から送信されてくる、車両識別情報と前記選択した違反態様情報と現在日時情報とを受信して前記取締り情報データベースに登録する機能を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009―294935
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、対象車両が連続した時間、駐車禁止の場所にいたことを証明することは困難だった。なぜならば、特許文献1に記載の技術では、所定時間に停車している対象車両の違反態様を特定する機能は備えていても、対象車両が連続した一定時間同じ場所にいたことを記録する機能は備えていないからである。
【0012】
以上より、本発明の目的は、対象車両が一定時間同じ場所にいたことを容易に証明することができる駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明における駐車時間証明装置は、車両が備えるICタグとの無線通信の開始に合わせ該車両の固有情報を取得し、該取得した固有情報を出力する固有情報取得手段と、前記ICタグとの無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得し、該位置情報を出力する位置情報取得手段と、前記無線通信の開始時刻から終了時刻までの時刻を所定間隔で計測し、該計測した時刻のデータを出力する時間計測手段と、前記固有情報と、前記位置情報と、前記計測した時刻のデータとを統合して、データ格納手段に格納する格納制御手段と、を含む。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明における駐車時間証明方法は、車両が備えるICタグとの無線通信の開始に合わせ該車両の固有情報を取得し、前記ICタグとの無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得し、前記無線通信の開始時刻から終了時刻までの時刻を所定間隔で計測し、該計測した時刻のデータを出力し、前記固有情報と、前記位置情報と、前記計測した時刻のデータとを統合して、データ格納手段に格納する。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明におけるプログラムは、車両が備えるICタグとの無線通信の開始に合わせ該車両の固有情報を取得し、前記ICタグとの無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得し、前記無線通信の開始時刻から終了時刻までの時刻を所定間隔で計測し、該計測した時刻のデータを出力し、前記固有情報と、前記位置情報と、前記計測した時刻のデータとを統合して、データ格納手段に格納する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明における駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムによれば、対象車両が一定時間同じ場所にいたことを容易に証明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る駐車時間証明装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】ICタグ200の具体的な構成を示した図である。
【図3】位置情報取得部102が取得する位置情報の例を示す図である。
【図4】時間計測部103が計測した経過時間のデータの例を示す図である。
【図5】格納制御部104がデータ格納部105に格納するデータの一例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態の動作のフローチャート図である。
【図7】第2実施形態に係る駐車時間証明装置400の構成を示すブロック図である。
【図8】加工データの例を示す図である。
【図9】表示部108が表示する加工データの例を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態の動作のフローチャート図である。
【図11】第3実施形態に係る駐車時間証明装置500の構成を示すブロック図である。
【図12】第4実施形態に係る駐車時間証明装置600の構成を示すブロック図である。
【図13】データ加工部112によってデータの形式が加工されたデータの例を示す図である。
【図14】固有情報と経過時間データと位置情報とを取得する無線通信の開始と終了の概念を示す図である。
【図15】本発明の各実施形態に係る駐車時間証明装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明の実施形態の理解を容易にするために、本発明の背景を説明する。
【0019】
現在、違法駐車の取締りの際、駐車時間の証明には一般的に写真画像が用いられている。違法駐車の取締りを行う監視員等(監視員又は警察官その他違法駐車の取締り業務に携わる者。)は、違法駐車を見つけるとまずナンバープレートの写真を撮影する。次に、監視員等は、車両全体を写す引きの写真を撮影し、計2枚程度同時刻の写真を撮影しておく。次に例えば10分後などの適当な時間に、監視員等は、同じように写真を数枚撮影する。
【0020】
以上のように、監視員等は適当な間隔を挟んだ別時刻の写真を撮影することで、その時刻の間その車両はその場所に駐車していたとみなして、違法駐車と判定する。
【0021】
しかしながら、上記の方法では別時刻の間の時間、その車両がその場所に本当に駐車していたということを証明できない。証明できるのはあくまで、写真を撮影した二つの時刻の時点でその場所にその車両が停車していたということだけである。そのため、その車両の運転者が、たまたまその二つの時刻にその場所に停車しただけで、その間の時間は別の場所を旋回していたなどの主張をした場合に、二つの時刻にその場所にいたという以上の証拠を出すことはできなかった。
【0022】
このことは、特許文献1に記載の技術を用いた場合も同様であり、これまでの技術では、対象車両が連続した時間、駐車禁止の場所にいたことを証明することは困難だった。
【0023】
なお、上記課題は動画像を撮影することで解決されるが、動画像はデータとして重いため、より低コストで有力な証拠を示したいというニーズもある。
【0024】
以下に説明される本発明の実施形態によれば、対象車両が一定時間同じ場所にいたことを証明することが容易となる。
【0025】
<第1実施形態>
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る駐車時間照明装置100の機能構成を説明する。
【0026】
図1は、第1実施形態に係る駐車時間証明装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように駐車時間証明装置100は、固有情報取得部101と、位置情報取得部102と、時間計測部103と、格納制御部104と、データ格納部105とを含む。また、駐車時間照明装置100は、ICタグ200と無線による通信によりデータの送受信が可能である。
【0027】
ICタグ200は、車両毎の識別が可能な車両固有の情報(以下、固有情報という。)が予め記憶されている。
【0028】
固有情報取得部101は、対象車両が備えるICタグ200との無線通信の開始に合わせ該対象車両の固有情報を取得する。固有情報取得部101は、ICタグ200から取得した固有情報を格納制御部104に出力する。
【0029】
位置情報取得部102は、ICタグ200との無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得する。位置情報取得部102は、外部から取得した位置情報を格納制御部104に出力する。
【0030】
時間計測部103は、ICタグ200との無線通信の開始時刻から終了時刻までの連続した経過時間を計測する。時間計測部103は、計測した経過時間のデータを格納制御手段104に出力する。
【0031】
格納制御部104は、固有情報取得部101から出力された固有情報と、位置情報取得部102から出力された位置情報と、時間計測部103から出力された経過時間のデータとを合わせて、データ格納部105に格納する。
【0032】
データ格納部105は、格納制御部104より入力された、統合した情報を格納する。
【0033】
ここで、駐車時間証明装置100は、監視員等が駐車禁止区域の違法駐車の取締りのために用いる装置である。
【0034】
駐車時間証明装置100は、具体的には、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)であるICタグのリーダ(以下、ICタグリーダという。)を備えたPDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話端末等でも良い。なお、駐車時間照明装置100は、PDA又は携帯電話端末に限定されない。
【0035】
以下、上記各構成部についてより詳細に説明する。
【0036】
図2は、ICタグ200の具体的な構成を示した図である。図2に示すように、ICタグ200は固有情報として、例えば車名210及び車台番号220が予め記憶されている。
ICタグ200はRFIDによるものであって、公知のデータキャリアや非接触型ICカード等でも良い。
【0037】
ICタグ200は、駐車時間証明装置100が備えるICタグリーダによって非接触で情報が読み出される。ICタグ200は、ICタグリーダとの距離が10〜50cm程度の距離で情報が読み出される。そのため、ICタグ200は、ナンバープレートや自動車検査証に、読み出しが可能な態様で埋め込まれていても良い。ICタグ200は、スマートプレートに埋め込まれていても良い。
【0038】
車名210は、日本語文字、英語文字若しくは数字又はこれらの組み合わせであっても良い。車名210は、一般的には対象車両の製造メーカ名が使用されるが、これに限定されない。また、車台番号220は、一般的には対象車両の型式及び連番が使用されるが、車台番号220に関してもこの形式に限定されるものではない。
【0039】
また、ICタグ200が記憶する固有情報は、車名210及び車台番号220に限定されず、対象車両が特定できれば車名及び車台番号以外のどのような情報であっても良い。
【0040】
固有情報取得部101は、ICタグリーダの機能を備えていても良い。固有情報取得部101は、例えば車両の自動車検査証に含まれるICタグ200が記憶する固有情報を読み出し、格納制御部104に出力する。
【0041】
なお、固有情報取得部101は、時間計測部103が所定時間の間隔で時間を計測するのと同じタイミングで、その都度、固有情報を取得しても良い。逐次取得する中で、最初に取得した固有情報と異なる固有情報を取得した場合、固有情報取得部101及び時間計測部103は、それぞれ固有情報の取得及び時間の計測を終了しても良い。
【0042】
図3は、位置情報取得部102が取得する位置情報の例を示す図である。図3に示すように、位置情報取得部102は、例えば対象車両が駐車している位置の経度及び緯度を位置情報として取得しても良い。この場合、位置情報取得部102は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星を使用して、対象車両の駐車位置を示す位置情報として、北緯〜度〜分、東経〜度〜分とした情報を取得しても良い。
【0043】
位置情報取得部102は、例えば図3に示すような取得した位置情報を、格納制御部104に出力する。
【0044】
なお、位置情報取得部102は、時間計測部103が所定時間の間隔で時間を計測するのと同じタイミングで、その都度、位置情報を取得しても良い。逐次取得する位置情報が最初に取得した位置情報と所定の誤差範囲を超えた場合、位置情報取得部102及び時間計測部103は、それぞれ位置情報の取得及び時間の計測を終了しても良い。
【0045】
なお、位置情報取得部102が取得する位置情報は、対象車両の駐車位置を示す経度及び緯度に限定されず、対象車両の位置を特定できればどのような情報でも良い。
【0046】
図4は、時間計測部103が計測した経過時間のデータの例を示す図である。時間計測部103は、ICタグリーダがICタグ200にかざされている間、所定時間の間隔で、自装置が備えるシステムクロック機能に基づいて現在時刻を取得する。
【0047】
なお、時間計測部103は、ICタグリーダが、最初に固有情報を取得したICタグ200にかざされている限りにおいて時間を計測しても良い。例えば、ICタグリーダが最初に固有情報を取得したICタグ200とは異なるICタグと無線通信を開始した場合には、時間計測部103はICタグ200との関係における時間の計測を終了しても良い。
【0048】
時間計測部103は、所定時間の間隔をあけて連続する時刻を取得する。時間計測部103が時刻を取得する所定時間の間隔は、予め設定されていても良い。例えば、時間計測部103は、図4に示すように30秒間隔で現在時刻を取得しても良い。時間計測部103は、図4に示すように、計測している日付を経過時間のデータに含ませても良い。時間計測部103は、例えば図4に示すような経過時間のデータを格納制御部104に出力する。
【0049】
図5は、格納制御部104がデータ格納部105に格納するデータの一例を示す図である。図5に示すように、データ格納部105は、固有情報取得部101が取得した固有情報と、位置情報取得部102が取得した位置情報と、日付情報を含む時間計測部103が計測した経過時間のデータを統合して格納する。
【0050】
なお、データ格納部105は、固有情報と位置情報と経過時間のデータとを、所定間隔の取得時刻毎に統合した情報を一つのレコードとして記憶しても良い。
【0051】
次に図6を参照して、本発明の第1実施形態の動作について説明する。
【0052】
図6は、本発明の第1実施形態の動作のフローチャート図である。図6に示すように、まず、固有情報取得部101は、対象車両が備えるICタグ200との無線通信の開始に合わせ該対象車両の固有情報を取得する(ステップS1)。
【0053】
次に、位置情報取得部102は、ICタグ200との無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得する(ステップS2)。
【0054】
次に、時間計測部103は、無線通信の開始時刻から終了時刻までの連続した経過時間を計測する(ステップS3)。
【0055】
次に、格納制御部104は、固有情報取得部101が取得した固有情報と、位置情報取得部102が取得した位置情報と、時間計測部103が計測した経過時間のデータとを統合して、データ格納部105に格納する(ステップS4)。
【0056】
第1実施形態に係るプログラムは、駐車時間照明装置100として機能するPDA、携帯電話端末などに上記の各処理を実行させるプログラムであれば良い。
【0057】
以上説明したように、第1実施形態に係る駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムによれば、対象車両が一定時間同じ場所にいたことを容易に証明することができる。なぜならば、第1実施形態に係る駐車時間証明装置は、例えば図5に示すような連続した時間を、位置情報及び固有情報と統合してデータとして記録しているからである。
【0058】
また、第1実施形態に係る駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムによれば、単なる文字列で有力な証拠を記録でき、動画像のように重いデータを記録する必要がないという効果がある。
【0059】
<第2実施形態>
次に図7及び図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る駐車時間証明装置400の機能構成を説明する。
【0060】
図7は、第2実施形態に係る駐車時間証明装置400の構成を示すブロック図である。図7に示すように、駐車時間証明装置400は、指示入力部106と、データ加工部107と、表示部108とをさらに含む点で、駐車時間証明装置100と異なる。また、位置情報取得部102が取得する位置情報は、GPS衛星300を利用した経度及び緯度に関する情報であることを明示している点で異なる。
【0061】
指示入力部106は、データ格納部105が格納するデータに関し、表示する際の時間間隔につきユーザである監視員等からの指示を入力として受け付ける。指示入力部106は、入力された指示情報をデータ加工部107に出力する。
【0062】
データ加工部107は、指示入力部106から出力された指示情報に基づいて、データ格納部105が格納するデータを加工する。データ加工部107は、加工したデータ(以下、加工データという。)を表示部108に出力する。
【0063】
ここで指示入力部106は、具体的にはPDAや携帯電話端末等に取り付けられているボタンでも良い。
【0064】
図8は、加工データの例を示す図である。例えば、時間計測部103は、予め30秒間隔で時間を計測するように設定されていたとする。その場合、経過時間のデータは図4に示すようなデータになる。このとき、ユーザである監視員等が、1分間隔のデータを表示できれば十分だと考え、指示入力部106を介して1分間隔という指示情報を入力したとする。
【0065】
指示入力部106からの入力を受けると、データ加工部107は、30秒間隔のデータを、図8に示すような1分間隔のデータに加工する。データ加工部107は、1分の間隔に限定されず、最初に設定した時間間隔(例えば30秒)を最小単位として、任意の時間間隔にデータを加工することができる。データ加工部107は、例えば3分や5分や10分など、これらに限定されず任意の時間間隔にデータを加工する。
【0066】
表示部108は、監視員等の指示を受けて、例えば図9のような加工データを表示する。
【0067】
次に図10を参照して、本発明の第2実施形態の動作について説明する。
【0068】
図10は、本発明の第2実施形態の動作のフローチャート図である。図10に示すように、まず、指示入力部106は、データ格納部105が格納するデータに関し、表示する際の時間間隔につきユーザである監視員等からの指示を入力として受け付ける(ステップS5)。
【0069】
次に、データ加工部107は、指示入力部106が受け付けた指示に基づいて、データ格納部105が格納するデータを加工する(ステップS6)。
【0070】
次に、表示部108は、監視員等の指示を受けて、加工データを表示する(ステップS7)。
【0071】
第2実施形態に係るプログラムは、駐車時間照明装置100として機能するPDA、携帯電話端末などに、第1実施形態に係るプログラムが実行させる各処理に加えて、上記の各処理を実行させるプログラムであれば良い。
【0072】
以上説明したように、第2実施形態に係る駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムによれば、データを加工することができる。これにより、違法駐車を証明するために監視員等が必要十分と考える粒度の時間間隔のデータを証拠として示すことができる。
【0073】
<第3実施形態>
次に図11を参照して、本発明の第3実施形態に係る駐車時間証明装置500の機能構成を説明する。
【0074】
図11は、第3実施形態に係る駐車時間証明装置500の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、駐車時間証明装置500は、撮像部109と印刷部110とをさらに含む点でこれまでの駐車時間証明装置と異なる。
【0075】
撮像部109は、ユーザである監視員等の操作により、写真を撮影する。撮像部109を含むことにより、駐車時間証明装置500は、例えば図5や図9に示すデータに対象車両の撮影画像も含めることができる。
【0076】
また、駐車時間証明装置500がPDA等である場合は、簡易な印刷機能として印刷部110を含んでいても良い。印刷部110は、例えば図5や図9に示すデータ、又はこれらに対象車両の撮影画像を含めたデータを印刷する。
【0077】
第3実施形態に係る動作及びプログラムの説明は省略する。
【0078】
以上説明したように、第2実施形態に係る駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムによれば、写真付きのデータを紙にプリントアウトすることができ、より確かな証拠を示すことができる。
【0079】
<第4実施形態>
次に図12〜図14を参照して、本発明の第4実施形態に係る駐車時間証明装置600の機能構成を説明する。
【0080】
図12は、第4実施形態に係る駐車時間証明装置600の構成を示すブロック図である。図12に示すように、駐車時間証明装置600は、第2実施形態に係る駐車時間証明装置400と比較して、指示入力部106が指示入力部111であり、データ加工部107がデータ加工部112である点で異なる。
【0081】
指示入力部111は、データ格納部105が格納するデータに関し、表示部108が表示する際のデータの形式につきユーザである監視員等からの指示を入力として受け付ける。指示入力部111は、入力された指示情報をデータ加工部112に出力する。
【0082】
データ加工部112は、指示入力部111から出力された指示情報に基づいて、データ加工部105が格納するデータの形式を加工する。データ加工部112は、指示情報に基づいたデータの形式で、データ格納部105が格納するデータを表示部108に出力する。
【0083】
図13は、データ加工部112によってデータの形式が加工されたデータの例を示す図である。データ加工部112は指示情報に基づいて、例えば図13に示すように、データ格納部105が格納するデータを固有情報と経過時間データと位置情報とを一つのレコードとして表示部108に表示しても良い。
【0084】
図14は、固有情報と経過時間データと位置情報とを取得する無線通信の開始と終了の概念を示す図である。図14に示すように、駐車時間証明装置は、無線通信の開始時刻に、固有情報及び位置情報を取得する。また、駐車時間証明装置は、開始時刻から予め定めたΔTの時間の間隔で時刻情報を取得する。なお、駐車時間証明装置は、ΔTの間隔で時刻情報に加えてその都度、位置情報及び固有情報を取得しても良い。
【0085】
第4実施形態に係る動作及びプログラムの説明は省略する。
【0086】
以上説明したように、第4実施形態に係る駐車時間証明装置、駐車時間証明方法及びプログラムによれば、固有情報と経過時間データと位置情報とを一つのレコードとして表示することにより、より確かな証拠を示すことができる。
【0087】
<実施例>
次に本発明の第3実施形態の具体的な実施例を説明する。本実施例においては、車両に貼付された車検証にICタグが埋め込まれているものとする。
【0088】
まず、監視員は駐車時間照明装置500であるPDAを持って違法駐車の取締りのための巡回を行う。監視員は駐車禁止場所に停車している対象車両を発見すると、PDAを対象車両に貼付された車検証にかざす。本実施例においては、PDAは、予め20秒間隔で車検証のICタグを読み取るように設定されているものとする。監視員は、所定時間、PDAを車検証にかざし続ける。監視員は、PDAを車検証にかざして20分が経過した時点で対象車両が違法駐車をしていると判断すると、PDAをかざすのをやめ、違法駐車であることを示すステッカーを対象車両に貼付する。
【0089】
後にステッカーを確認した対象車両の持ち主から「一時停止をしていただけで長時間の駐車はしていない。」と反論があったとする。このとき、巡回を行った監視員はPDAに記録したデータを証拠として示す。監視員は、PDAに5分間隔でデータを表示するように指示すると、PDAは記録したデータを5分間隔のデータに加工して表示する。
【0090】
このとき、対象車両の持ち主から「データを記録したときにたまたま同じ場所に停車しただけで、その10分の間は別の場所を走行していた。」という反論があったとする。監視員はPDAに1分間隔でデータを表示するように指示すると、PDAは記録したデータを1分間隔のデータに加工して表示する。PDAは、最初に20秒間隔でICタグを読み取るように設定されていたので、20秒単位でデータを加工して表示することができ、違法駐車をしていた時間を示す、有力な証拠となる。
【0091】
なお、PDAをICタグにかざす作業は、必ずしも人手によるものでなくても良い。例えばICタグの高さに合わせた三脚などにPDAを乗せることで、無線通信を行っても良い。その場合、監視員はその場から離れることができるという効果が得られる。
【0092】
以上、各実施形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は以上の実施形態及び実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で同業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0093】
図15は、本発明の各実施形態に係る駐車時間証明装置である携帯電話端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0094】
図15に示すように、駐車時間証明装置を構成する各部は、CPU1(Central Processing Unit1)と、ネットワーク接続用の通信IF2(通信インターフェース2)と、メモリ3と、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置4とを含む、コンピュータ装置によって実現される。ただし、駐車時間証明装置の構成は、図15に示す駐車時間証明装置に限定されない。
【0095】
CPU1は、オペレーティングシステムを動作させて駐車時間証明装置の全体を制御する。また、CPU1は、例えばドライブ装置などに装着された記録媒体からメモリ3にプログラムやデータを読み出し、これにしたがって各種の処理を実行する。
【0096】
記録装置4は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、半導体メモリ等であって、コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録する。記憶装置4は、例えば、統合したデータを格納するデータ格納部でも良い。また、コンピュータプログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされても良い。
【0097】
入力装置5は、例えば携帯電話端末のボタンあって、データの経過時間の間隔の指示を入力するための構成部である。
【0098】
出力装置6は、例えば携帯電話端末の画面である。
【0099】
なお、これまでに説明した各実施形態において利用するブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。また、駐車時間証明装置は携帯電話端末に限られず、上記各構成部の実現手段は特に限定されない。すなわち、駐車時間証明装置は、必ずしも携帯電話端末のように物理的に結合した一つの装置によって実現されている必要はなく、物理的に分離した二つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されても良い。
【符号の説明】
【0100】
1 CPU
2 通信IF
3 メモリ
4 記憶装置
5 入力装置
6 出力装置
100、400、500 駐車時間証明装置
101 固有情報取得部
102 位置情報取得部
103 時間計測部
104 格納制御部
105 データ格納部
106、111 指示入力部
107、112 データ加工部
108 表示部
109 撮像部
110 印刷部
200 ICタグ
300 GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が備えるICタグとの無線通信の開始に合わせ該車両の固有情報を取得し、該取得した固有情報を出力する固有情報取得手段と、
前記ICタグとの無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得し、該位置情報を出力する位置情報取得手段と、
前記無線通信の開始時刻から終了時刻までの時刻を所定間隔で計測し、該計測した時刻のデータを出力する時間計測手段と、
前記固有情報と、前記位置情報と、前記計測した時刻のデータとを統合して、データ格納手段に格納する格納制御手段と、
を含む駐車時間証明装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段が取得する位置情報は、GPS衛星から取得可能な経度及び緯度に関する情報である、
請求項1に記載の駐車時間証明装置。
【請求項3】
前記データ格納手段が格納するデータに関し、表示する際の時間間隔につきユーザからの指示情報を入力として受け付けて、該指示情報をデータ加工手段に出力する指示入力手段と、
前記指示入力手段から出力された指示情報に基づいて、前記データ格納手段が格納するデータを加工するデータ加工手段と、
をさらに含む請求項1又は2に記載の駐車時間証明装置。
【請求項4】
前記データ加工手段は、前記固有情報と前記位置情報と前記経過時間のデータとを一つのレコードとした形式にデータを加工する、
請求項1〜3のいずれかに記載の駐車時間証明装置。
【請求項5】
画像を撮像する撮像手段をさらに含み、
前記データ格納手段は、前記撮像手段が撮像した画像を前記統合したデータと合わせて格納する、
請求項1〜4のいずれかに記載の駐車時間証明装置。
【請求項6】
前記データ格納手段が格納する統合したデータ、前記データ加工手段が加工したデータ又は前記撮像手段が撮像した画像を含むデータ、の少なくともいずれか1つを表示する表示手段と、
をさらに含む請求項1〜5のいずれかに記載の駐車時間証明装置。
【請求項7】
前記表示手段が表示するデータを印刷する印刷部と
をさらに含む請求項6に記載の駐車時間証明装置。
【請求項8】
前記ICタグは、前記対象車両の自動車検証に埋め込まれている、
請求項1〜7のいずれかに記載の駐車時間証明装置。
【請求項9】
車両が備えるICタグとの無線通信の開始に合わせ該車両の固有情報を取得し、
前記ICタグとの無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得し、
前記無線通信の開始時刻から終了時刻までの時刻を所定間隔で計測し、該計測した時刻のデータを出力し、
前記固有情報と、前記位置情報と、前記計測した時刻のデータとを統合して、データ格納手段に格納する、
駐車時間証明方法。
【請求項10】
車両が備えるICタグとの無線通信の開始に合わせ該車両の固有情報を取得し、
前記ICタグとの無線通信を行っている場所を示す位置情報を外部から取得し、
前記無線通信の開始時刻から終了時刻までの時刻を所定間隔で計測し、該計測した時刻のデータを出力し、
前記固有情報と、前記位置情報と、前記計測した時刻のデータとを統合して、データ格納手段に格納する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−203448(P2012−203448A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64601(P2011−64601)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】