説明

駐輪場ゲートシステム

【課題】駐輪場の出入り口を通過しようとする二輪車の種別(自転車か自動二輪車か)を正確に判別しつつ、そのスムーズな通行を可能にし、かつ、駐輪場ゲートの通行方向を出入り口どちらでも兼用することが可能な、設置スペースの縮小化を実現できる駐輪場ゲートシステムを提供する。
【解決手段】駐輪場の出入り口における通路の途中に、そこを通過する二輪車の種別にかかわらずそのタイヤ部を検知してオンする第1のセンサを配置し、また、この第1のセンサの上方の所定の高さに、そこを通過する物体の有無を検知する第2のセンサを配置し、第1のセンサがオン状態にある時に第2のセンサが物体無しを検知した場合には自転車であると判別し、一方、第1のセンサがオン状態にある時に第2のセンサが物体有りを検知したままである場合には自動二輪車であると判別する判別装置を用い、ゲートの開閉操作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車と自動二輪車(ここで、「自動二輪車」とはいわゆる「バイク」の意味であり、狭義の自動二輪車のみならず、原動機付自転車をも含むものとする)の兼用駐輪場等の出入り口に設けられ、利用者と二輪車の入退場を自動的に管理でき、かつ二輪車の判別をして料金を徴収する駐輪場ゲートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自転車・自動二輪車兼用駐輪場において管理を行う際は、所要駐車スペースに応じて料金に差を設けて徴収している。そのような自転車・自動二輪車兼用駐輪場において無人化管理するためには、駐輪場の出入り口(出口又は入口)に自転車と自動二輪車の判別装置を設置することが必要になる。この種の判別装置としては、例えば特許文献1に記載されているような溝式の判別装置が知られている。
【0003】
この溝式の判別装置は、駐輪場における出入り口の進行通路に、自転車のタイヤ幅よりも広く、自動二輪車のタイヤ幅よりも狭い幅の溝を設け、この溝へのタイヤの進入の可否を検知することで、二輪車の種別(自転車か自動二輪車か)を判断しようとするものである。
【0004】
しかし、ゲートの種類によっては、二輪車が不正に連続して通過できてしまう問題が発生したり、車種の誤判定により、料金の徴収が正確に行われず、利用者から苦情を受けたりすることがあった。
【0005】
特許文献2において上記問題点を解決する発明が公開されているが、ゲートの入り口は一方通行であるため、入り口用と出口用でゲートを別々に設置しなければならず、設置スペース上の問題があった。
【特許文献1】特開平8−296336号公報
【特許文献2】特開平11−210249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の溝式のものでは、溝の幅が自転車のタイヤ幅よりも若干広い程度であり、非常に狭く設定されているため、そのような狭い溝に自転車の車輪を通すには、針穴に糸を通すが如く、細心の注意を払わなければならず、特に初めての利用者にこのような繊細な操作を確実に実行させることは容易ではないため、利用者に混乱が生じてしまう。また、自動二輪車の場合は、タイヤの幅が広くて溝内を通行できないために、溝とは別個に設けられた斜面を昇り降りさせるという力作業が必要となる。その結果、駐輪場に出入りする際の通行の能率が著しく下がり、出入り口での渋滞の発生原因となっていた。
【0007】
また、ゲートが入り口と出口を兼用できないとなると、設置スペース上の問題が生ずる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、自転車・自動二輪車兼用駐輪場等の無人化管理を実現するために、駐輪場の出入り口等を通過しようとする二輪車の種別(自転車か自動二輪車か)を正確に判別しつつ、そのスムーズな通行を可能にすると共に、ゲートの通行方向を出入り口どちらでも兼用することが可能で、設置スペースの縮小化を実現させるためのゲートシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を採用する。
まず、本発明の駐輪場ゲートシステムは、例えば自転車・自動二輪車兼用駐輪場の出入り口等における所定の通路を通過する二輪車が自転車か自動二輪車かを判別する装置において、上記通路を通過する二輪車のタイヤ部の厚み(ここで言う「タイヤ部の厚み」とは、タイヤの内周部を支持するリムの厚みをも含めたタイヤ及びリムの全体の厚みのことである)が所定値よりも厚いか否かを検知する厚み検知手段と、この厚み検知手段による検知結果に基づき、上記通路を通過する二輪車が自転車か自動二輪車かを判別する判別手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成からなる本発明の装置によれば、所定の通路を二輪車が通過する際に、そのタイヤ部の厚みが厚み検知手段により検知され、その検知結果に基づいて二輪車の種別の判別がなされる。すなわち、自転車と自動二輪車とでは、それらのタイヤ部の厚みが相違する(前者よりも後者の方が厚い)という点に着目し、その厚みが所定値よりも厚いか否かに応じて、二輪車の種別を明確に識別できるようにしている。よって、二輪車を駐輪場等に出入りさせる際は、十分に広い幅の通路に沿って二輪車を単に通過させるだけで、利用者が何ら意識せずとも、二輪車の種別の判別が自動的かつ正確に行われることになる。その結果、前述した従来の技術と比べ、利用者は自転車のタイヤを狭い溝に通すといった繊細な作業を強いられることがなくなり、また、大重量の自動二輪車を引っ張って斜面を昇り降りさせるといった力作業も不要になる。
【0010】
ここで、上記の厚み検知手段や判別手段の構成は、タイヤ部の厚みに基づき二輪車の種別を判別可能な範囲内で各種のものを採用可能であるが、その望ましい一例を以下に示す。
【0011】
厚み検知手段の一例としては、上記通路を挟んで互いに対面し、上記通路の路面に対して第1の高さに配置された、第1の投光器及び第1の受光器からなる第1の光電センサと、上記通路を挟んで互いに対面し、上記第1の光電センサの真下又はその近傍にあり、上記通路の路面に対して第2の高さに配置された、第2の投光器及び第2の受光器からなる第2の光電センサとを備え、上記第1の高さが、自転車のタイヤ部の厚みよりも高く、自動二輪車のタイヤ部の厚みよりも低い位置に設定され、一方、上記第2の高さが、自転車のタイヤ部の厚みよりも低い位置に設定されているものが考えられる。
【0012】
その場合、判別手段としては、上記第2の光電センサが遮光状態にある間に上記第1の光電センサが透光状態になった場合、上記通路を通過する二輪車が自転車であると判別し、一方、上記第2の光電センサが遮光状態にある間に上記第1の光電センサも遮光状態のままである場合、上記通路を通過する二輪車が自動二輪車であると判別するようにすることが望ましい。
【0013】
このような判別処理を行うのは、次の理由による。すなわち、二輪車の通路の途中に、上記のように第1の光電センサを第1の高さ(すなわち、自転車のタイヤ部の厚みよりも高く、自動二輪車のタイヤ部の厚みよりも低い位置)に設置し、かつ、第2の光電センサを第2の高さ(すなわち、自転車のタイヤ部の厚みよりも低い位置)に設置した場合、そこを二輪車が通過する際は、そのタイヤ部の厚みに応じて第1及び第2の光電センサの状態が遷移するので、その遷移パターンの相違に基づき二輪車の種別を正確に判別することが可能となる。
【0014】
具体的に述べれば、まず、第2の高さに設置された第2の光電センサは二輪車の種別にかかわらず、そこを通過するタイヤ部によって必ず一時的に遮光状態(投光器からの光が遮断されて、受光器へ入射しない状態)となり、この状態を検知することによって、二輪車がそこを通過しようとしていることが判別される。その状態において、そのまま二輪車が通過しようとすると、そのタイヤ部の厚みと第1の光電センサの設置高さ(第1の高さ)との関係から、その二輪車が自転車であれば第1の光電センサが一時的に透光状態(投光器からの光が遮断されずに受光器に入射されている状態)となり、一方、自動二輪車であれば第1の光電センサが遮光状態のままとなる。よって、第2の光電センサが遮光状態になっている期間において第1の光電センサの状態を確認するだけで、通路を通過する二輪車の種別を正確に判別することが可能となる。
【0015】
上記の厚み検知手段の他の望ましい例としては、上記第1及び第2の光電センサを複数組備え、その各組が上記通路の進行方向に沿った別々の位置に(すなわち、互いに或る程度の間隔を置いて)配置されるようにすることも考えられる。
【0016】
そしてその場合、判別手段としては、上記複数組の第1及び第2の光電センサのうちの少なくとも1組において、第2の光電センサが遮光状態にある間に第1の光電センサが透光状態になった場合、上記通路を通過する二輪車が自転車であると判別し、一方、上記複数組の第1及び第2の光電センサの全ての組において、第2の光電センサが遮光状態にある間に第1の光電センサも遮光状態のままである場合、上記通路を通過する二輪車が自動二輪車であると判別するようにすることが望ましい。
【0017】
このようにすれば、もし仮に、通路を通過中の自転車のタイヤ部からその車輪中心部へ向けて突出している空気入れノズル等が障害物となって、本来ならば透光状態となるべき第1の光電センサが遮光状態になってしまったような場合であっても、通路の進行方向に対して位置的にずらして配置された他の第1の光電センサにとっては上記の空気入れノズル等が障害物とはならず、正確な検知が可能となる。よって、複数組設けられた第1及び第2の光電センサの状態を総合的に判断することにより、第1及び第2の光電センサを1組だけ配置した場合と比べ、障害物による誤判定を極力回避して、一層正確な判別が可能となる。
【0018】
なお、上記の第2の光電センサは、二輪車の通過の有無を検知することだけが目的であることから、必ずしも光電センサである必要はなく、例えば通路の路面内に配置された圧力スイッチであってもよい。
【0019】
また、当該判別装置と別にゲート通行口に圧力スイッチを配置し、当該判別装置及び該圧力スイッチと連動してゲートの開閉を行うことで二輪車の入退場を自動的に管理することを可能とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、駐輪場の利用者は自転車のタイヤを狭い溝に通すといった繊細な作業を強いられることがなくなり、また、大重量の自動二輪車を引っ張って斜面を昇り降りさせるといった力作業も不要になるため、駐輪場に出入りする際の通行の能率を著しく向上させることができ、出入り口での渋滞の発生を極力抑えることができる。
【0021】
また、駐輪場ゲートの通行方向を出入り口どちらでも兼用することが可能なため、設置スペースの縮小化を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る駐輪場ゲートシステムの平面図で、駐輪場への入場時における一連の動作工程を示す工程図である。
【0023】
この駐輪場ゲートシステムは、図1に簡略的に示してあるように、主に、駐輪場の出入り口通路における場外側と場内側にそれぞれ設置されたゲート(ゲート装置)A3、B4と、これらゲートA3、B4のそれぞれの近傍に配置された、二輪車7の通過を検知するための検知器A1、B2と、ゲートA3とゲートB4の中間地点に設けられた、二輪車の種別を判別するための二輪車判別装置5と、二輪車の種別や利用時間等に応じて料金の精算を行ったり(退場時)、駐車券を発行したり(入場時)するための清算機(または発券機)6とを備えている。なお、このシステムにおける情報処理や制御は、図15に示した制御部19によって行われる。
【0024】
ここで、検知器A1及び検知器B2は、二輪車7の通過を検出するための圧力スイッチ、例えば、いわゆるテープスイッチである。構造は、後述する第3の実施形態にて述べる図11から図13の圧力スイッチと同じものである。また、ゲートA3及びゲートB4は、いわゆる観音開き構造に似た左右対称なフラップ30を開閉手段として有しており、このフラップ30はモータMを駆動源として、開放位置(二輪車7の通過を可能にする位置)と閉鎖位置(二輪車7の通過を禁止する位置)との間で旋回動作を行うものである。
【0025】
ゲートA3及びゲートB4の機構的な特徴としては、前記モータMに一定の旋回トルクを保持して動作させるための装置としてトルクキーパを設けていることと、フラップ30に一定以上の負荷がかかって動かなくなった場合、例えば、二輪車や利用者が挟まれたときなど、フラップ30がスリップして危害を加えないようにする装置として摩擦伝達機構を具備していることである。また、フラップ30の閉鎖時に二輪車の進行を遮断するためのロック機構が具備されている。
【0026】
図2は上記ロック機構を有するゲートA3、B4の内部構造を示す図である(ここでは、説明の便宜上、左右対称な1組のゲートのうちの一方だけを示している)。なお、同図(a)は正面図、同図(b)は平面図、同図(c)、(d)はそれぞれ上記ロック機構を構成するロックレバーにおけるロック解除時とロック時の状態を示す図である。
【0027】
同図(a)、(b)に示されるように、フラップ30は、その一端に固定されて鉛直方向に延びる回転軸Jを中心に回転可能であり、この回転軸Jが同軸でプーリ100に連結されている。また、その近傍にはモータMが設置され、このモータMの回転力がベルトVを介してプーリ100に伝達されることで、フラップ30が回転する。
【0028】
プーリ100の外周部には凸部sが設けられており、この凸部sは、その周辺の所定位置に固定配置された2つのストッパと共に、プーリ100の回転範囲を規制する手段を構成する一方、ストッパの近傍に配置された2つの近接スイッチA101、B102と共に、フラップ30の回転位置(開放位置か閉鎖位置か)を検出する手段を構成している。すなわち、1つのストッパは、フラップ30が開放位置まで回転した時に凸部sと当接する位置に配置され、もう1つのストッパは、フラップ30が閉鎖位置まで回転した時に凸部sと当接する位置に配置されており、これにより、フラップ30の回転範囲が所定の開放位置から閉鎖位置までの範囲に規制される。また、1つの近接スイッチA101が一方のストッパの近傍に配置されることで、フラップ30が開放位置に至った時に凸部sを検知し、一方、もう1つの近接スイッチB102がもう一方のストッパの近傍に配置されることで、フラップ30が閉鎖位置に至った時に凸部sを検知するようになっている。これにより、近接スイッチA101がオン(凸部sを検知)した場合にはゲートが開放状態であると判別でき、一方、近接スイッチB102がオンした場合にはゲートが閉鎖状態であると判別できる。
【0029】
プーリ100の外周部には所定範囲に渡ってもう1つの凸部tが設けられており、この凸部tは、ゲートロックレバー103等と共に、フラップ30の回転にロックをかけるロック手段を構成する。ゲートロックレバー103は略L字状のアーム構造であって、回転軸Jを中心に所定範囲内で回転(揺動)自在、すなわちゲートロックレバー103の先端がプーリ100の外周縁に当接する位置とそこから或る程度離れる位置との間を移動可能となっている。なお、ゲートロックレバー103の可動範囲はストッパ106と近接スイッチ107によって規制されている(図2(c)、(d))。そして、ゲートロックレバー103は、その先端がプーリ100の外周縁から離れる方向にゲートロック解除ばね105によって常時付勢されており(図2(c))、一方、その付勢力に抗してプーリ100の外周縁へ当接する方向にソレノイド104により引き寄せ可能(図2(d))になっている。また、図2(b)に示されるように凸部sがストッパに当接した状態(すなわち、フラップ30が開放位置)の時に、ゲートロックレバー103の先端が、凸部tによって生じる一方の段差と係合可能であり、一方、凸部sがもう一方のストッパに当接した状態(すなわち、フラップ30が閉鎖位置)の時に、ゲートロックレバー103の先端が、凸部tによって生じる他方の段差と係合可能となるよう、凸部tの設置範囲が設定されている。
【0030】
フラップ30の回転のロックは、近接スイッチ101がオンした時(すなわち、フラップ30が開放位置まで回転した時)と、近接スイッチ102がオンした時(すなわち、フラップ30が閉鎖位置まで回転した時)に、ソレノイド104を通電状態にすることによって行われる。ここで、ソレノイド104が不通電状態の時は、図2(c)に示すように、ゲートロックレバー103がゲートロック解除ばね105の力によってゲートロック用ストッパー106の位置まで引っ張られた状態になっており、この状態ではロックが行われない。一方、ソレノイド104が通電状態になると、図2(d)に示すように、ゲートロック解除ばね105の力以上の吸引力でソレノイド104がゲートロックレバー103を近接スイッチC107の位置まで引っ張り、ロック状態とする。
【0031】
次に、二輪車7が駐輪場へ入場する際におけるゲートA3、B4の動作を図1の工程図を参照しながら順に説明する。
第1に、二輪車7が検知器A1上を通過すると、これまで閉鎖状態となっていたゲートA3のロックが解除され、フラップ30はモータM(図2(b))の回転により正転方向に旋回動作し、ゲートA3が開放する(図1(a))。この際、具体的には図2から明らかなように、プーリ100の回転に伴って凸部sがストッパに当接する位置まで移動し、それが近接スイッチA101で検知されることにより、モータMの駆動が停止されると共に、ソレノイド104が駆動されてゲートロックレバー103によりフラップ30が開放位置にロックされる。
【0032】
ここで、正転方向とは、二輪車7の進行方向に対して同一方向にフラップ30が旋回動作することをいい、二輪車7の進行方向に対して逆方向にフラップ30が旋回動作することを逆転方向と称するものとする。
【0033】
第2に、二輪車7がゲートA3を通過し、二輪車判別装置5の位置に来ると、後述する条件に従って車種の判別が行われる。この時、検知器B2は、検知動作の可能なアクティブ状態となる(図1(b))。
【0034】
第3に、二輪車7の判別後、車種によって精算機(または発券機)6にて精算または発券操作を行うと、これまで閉鎖状態となっていたゲートB4のロックが解除される。その後、ゲートA3のフラップ30がモータM(図2(b))の逆回転により逆転方向に旋回し、ゲートA3が閉鎖状態になってから、その状態にロックされる。続いて、ゲートB4のフラップ30は正転方向に旋回動作を開始し、開放位置でロックされる(図1(c))。このような動作としたのは、利用者がゲートA3及びゲートB4の区間で閉じ込められるのを防ぐためである。ここで、ゲートA3が閉鎖される際は、具体的には図2から明らかなように、モータMの逆回転によるプーリ100の逆回転に伴って凸部sがストッパに当接する位置まで移動し、それが近接スイッチB102で検知されることにより、モータMの駆動が停止されると共に、ソレノイド104が駆動されてゲートロックレバー103によりフラップ30が閉鎖位置にロックされる。また、ゲートB4が開放される際の具体的な動作は、上述したゲートA3の開放動作と同じである。
【0035】
なお、利用者が発券または精算をしない、もしくは券を受け取らないような場合には、ゲートA3を開放し、ゲートB4が閉鎖状態にロックされた状況に戻るようにする。すなわち、図1(b)からもう一度やり直さないと入場できないようにする。
【0036】
第4に、ゲートB4が開放すると、二輪車7はゲートB4を通過し、検知器B2上を通過する。この時、アクティブ状態の検知器B2は二輪車7の通過を検知してオン状態となる(図1(d))。
【0037】
第5に、検知器B2で二輪車7の通過を確認した後、検知器B2は非アクティブ状態に戻り、ゲートB4のフラップ30はモータMの逆回転により逆転方向に旋回し、ゲートB4が閉鎖状態になってから、その状態にロックされる(図1(e))。ここで、ゲートB4が閉鎖される際の具体的な動作は、上述したゲートA3の閉鎖動作と同じである。
【0038】
なお、上記第3の工程において、万一、ゲートB4が開かなくなってゲートA3及びB4間に閉じ込められてしまった場合は、管理室または警備会社に警報信号を出し、遠隔操作もしくは手動にて制御電源ブレーカをオフするようにしてもよい。このようにすることで、ゲートA3及びB4は手動にて開放可能となり、脱出が確保される。
【0039】
また、上記第3の工程では、ゲートA3が閉鎖になってからゲートB4が開き始めるので、通常は、後続の二輪車7は前の二輪車7が前進しない限り進入が不可能である。しかし、後続の二輪車が前の二輪車との間を空けずに不正に進入する場合も考えられる。そこで、そのような状況に対処するため、例えばゲートA3が一定時間内に閉鎖しなかった場合は、後続車が邪魔をしていると見なし、当該状況に該当する信号を出して、利用者に注意を促すアナウンスとして、例えば、「後ろの方はバックしてください」と音声ガイドを発するようにしてもよい。これにより、不正に連続して通過できてしまう問題を解消できる。
【0040】
以上では、ゲートA3、B4を入場用ゲートとして使用した場合(入場モード)の動作について説明したが、ゲートA3、B4を退場用ゲートに切り換えて使用すること(退場モード)も可能である。その場合は、単に、ゲートA3、B4及び検知器A1、B2の機能を入れ替えるだけでよい。退場モードにおける一連の動作工程を図16に示すが、これは入場モード(図1)の場合と二輪車の進行方向が異なるだけなので、その具体的な説明は省略する。もちろん、ゲートA3、B4を入場用ゲート専用又は退場用ゲート専用として使用することも可能である。
【0041】
さらに、上記実施例では、入場用ゲートとして使用する場合は、ゲートA3が開のとき、ゲートB4は閉であり、逆に退場用ゲートとして使用する場合は、ゲートB4が開のとき、ゲートA3は閉となっているが、この状態に限られるものではない。例えば、図17(a)に示す通り、常時両ゲートを開とし、検知器A1、B2のうちどちらかが先にオン状態となったときに、入退場モードを切り替えるようにしてもよい。このとき、先に検知器A1がオン状態となったとすると(図17(b))、入場モードが選択され、ゲートB4を閉とし、前述の工程に従う。また、先に検知器B2がオン状態となったとすると(図17(c))、退場モードが選択され、ゲートA3を閉とし、前述の工程に従う。どちらかのゲートが閉となる際に、ゲートが閉じきらないうちに逆行車が進入し、ゲートが車体等に当たった場合、時間内に閉じないことで障害物を検知する信号を出すことで、前述したような音声ガイドを用い、該当車両を後退させるようにすることも可能である。
【0042】
ここで、ゲートA3及びゲートB4の旋回動作について、図3を用いて説明しておく。同図(a)は閉鎖状態を示し、この時のフラップ30の位置を原点位置とする。フラップ30は支点O及びCを中心に回転動作するものとする。フラップ30が旋回動作をした図が同図(b)及び(c)であるが、左右のフラップ30は同時に動き始め、回転方向は左右対称の方向で、かつ、同じ旋回角度であるから、ここでの説明は左側のフラップ30の動作を代表に説明する。すなわち、同図(b)はフラップ30が原点位置から角度α(∠α)旋回した、開放状態を示す。また、フラップ30は同図(c)に示すように、同図(b)と逆方向に角度β(∠β)旋回することも可能である。ここで、フラップ30の旋回角度α及びβは原点位置から±90度、より好ましくは±80度とするが、これに限られるものではない。なお、図1には、フラップ30が図3(b)の方向(角度α)に開放する場合を例として示したが、もちろん図3(c)の方向(角度β)に開放するものであってもよい。
【0043】
以下に、二輪車判別装置5の幾つかの実施形態について、具体的に説明する。
(二輪車判別装置の第1の実施形態)
図4は、二輪車判別装置の第1の実施形態を駐輪場出入り口(図1を参照)に設置した場合の平面図である。
【0044】
このような駐輪場出入り口の通路Sに設置された二輪車判別装置は、以下のような構成からなっている。
すなわち、通路Sを通過する二輪車7のタイヤ部の厚みが所定値よりも厚いか否かを検知する厚み検知手段として上下2段の光電センサを有しており、この光電センサは投光器及び受光器から構成され、投光器側を光電センサ投光器8−(a)、受光器側を光電センサ受光器9−(a)と称する。これらの光電センサ投光器8−(a)及び光電センサ受光器9−(a)は外部の汚れを遮断するために保護カバーが設けられており、これを光電センサカバー10と称する。光電センサ投光器8−(a)からは投光ビーム11−(a)が照射されており、この投光ビームを受光するために二輪車7の進行通路を挟んで対面位置に来るように光電センサ受光器9−(a)が設置される。
【0045】
図5は光電センサ投光器8−(a)及び光電センサ受光器9−(a)の詳細位置を示す図である。光電センサ投光器8−(a)は2段で構成されており、上段を判別投光器8−1、下段を判別指令投光器8−2と称し、判別指令投光器8−2は判別投光器8−1の下方位置(真下またはその近傍)に設置されている。同様に光電センサ受光器9−(a)も2段で構成されており、上段を判別受光器9−1、下段を判別指令受光器9−2と称し、判別指令受光器9−2は判別受光器9−1の下方位置(真下またはその近傍)に設置されている。なお、「真下またはその近傍」とは、後述する検知および判別処理が可能な範囲内で真下位置から少々ずれていてもかまわない、という意味である。
【0046】
図5において、判別投光器8−1及び判別受光器9−1の設置の高さH1は、詳しくは後述するが、二輪車の種別が自転車か自動二輪車かをそのタイヤ部の厚みに基づいて判別するための閾値に相当し、すなわち、自転車のタイヤ部の厚みよりも高く、自動二輪車のタイヤ部の厚みよりも低い位置に設定されている。なお、この高さH1は、判別の正確さを担保するために、さまざまな車種のタイヤ厚を参考にして最適値に設定されるものであり、例えば60から70mmが適当であるが、これに限定されるものではない。
【0047】
また、図5において、判別指令投光器8−2及び判別指令受光器9−2は、詳しくは後述するが、二輪車の通過の有無を検知して判別指令を出すためのものであり、その設置の高さH2は、自転車のタイヤ部の厚みよりも十分に低い位置に設定されている。
【0048】
本実施形態における二輪車判別装置は、以上に述べた厚み検知手段としての光電センサの他に、その検知結果に基づき二輪車の種別を判別する判別手段を有している。この判別手段は、図14に示される制御部19によって実現される。
【0049】
次に、上記制御部19によって実行される判別処理について、図6及び図7を用いて説明する。なお、図6は通路Sを自転車が通過する場合の状態遷移を示しており、図7は通路Sを自動二輪車が通過する場合の状態遷移を示している。
【0050】
まず、自転車の場合について、図6を用いて説明する。判別の対象となる車輪は、或る程度の厚みを有する円形環状体であることから、それが回転しながら光電センサの検知領域まで到達すると、図6(a)に示すように、まず上段位置(高さH1)にある判別投光器8−1の投光ビームがタイヤ12で遮光される。さらに、車輪の中心が、図6(a)に示した位置であるA点を超えると、今度は、下段位置(高さH2)にある判別指令投光器8−2の投光ビームがタイヤ12又はリム13で遮光され始め、車輪の中心が図6(c)に示すようにB点に達する直前まで判別指令投光器8−2の遮光状態が継続する。
【0051】
このように判別指令投光器8−2の投光ビームが遮光されている間は、判別指令が継続して出力されているものとして認識される。ここで、H1は、上述したように自転車のタイヤ部(タイヤ12及びリム13)の厚みよりも高く、自動二輪車のタイヤ部の厚みよりも低い位置に設定されているので、図6に示すように自転車が通過する場合は、そのタイヤ部によって判別指令投光器8−2の投光ビームが遮光されている期間(すなわち、判別指令が継続して出力されている期間)におけるいずれかの時点、例えば図6(b)に示すように車輪の中心が判別投光器8−1の位置に到達する以前及び到達した瞬間等には、判別投光器8−1の投光ビームが判別受光器9−1に到達し、遮光状態から透光状態に切り替わる。よって、判別指令が出力されている状態において判別投光器8−1の投光ビームを判別受光器9−1が受光した場合、二輪車の種別は自転車であると判断する。
【0052】
すなわち、自転車を検知・判別する場合の工程は、以下の通りである。
第1に、判別投光器8−1の投光ビームが遮光される(図6(a))。
第2に、判別指令投光器8−2の投光ビームが遮光されたのを認識して(図6(b))、判別指令を出力する。
【0053】
第3に、判別指令の出力中に、判別投光器8−1の投光ビームが判別受光器9−1にて受光される(図6(b))。
第4に、判別投光器8−1の投光ビームが遮光される(図6(c))。
【0054】
第5に、判別指令投光器8−2の投光ビームが判別指令受光器9−2にて受光される(図6(c))。
第6に、判別投光器8−1の投光ビームが判別受光器9−1にて受光される(図6(d))。
【0055】
ここで、第3の工程(図6(b))においては、判別指令投光器8−2から判別指令が出されていて、かつ、判別投光器8−1の投光ビームが判別受光器9−1にて受光されるため、二輪車が自転車と判定される。
【0056】
一方、図7に示す自動二輪車の場合、タイヤ部の厚みはH1よりも大きくなるため、その検知・判別の工程は以下の通りである。
第1に、判別投光器8−1の投光ビームが遮光される(図7(a))。
【0057】
第2に、判別指令投光器8−2の投光ビームが遮光されたのを認識して(図7(b))、判別指令を出力する。
第3に、判別指令投光器8−2の投光ビームが判別指令受光器9−2にて受光される(図7(c))。
【0058】
第4に、判別投光器8−1の投光ビームが判別受光器9−1にて受光される(図7(d))。
ここで、第2の工程(図7(b))から第3の工程(図7(c))の間、判別指令投光器8−2から判別指令が出されていて、かつ、判別投光器8−1の投光ビームは遮光されたままであるので、二輪車が自動二輪車と判定される。
【0059】
このようにして得られた判別結果は、図6に示した精算機(または発券機)6における駐車料金の精算や駐車券の発行等に反映される。
以上に述べたように、本実施形態に係る二輪車判別装置によれば、二輪車を駐輪場に出入りさせる際は、十分に広い幅の通路Sに沿って二輪車を単に通過させるだけで、利用者が何ら意識せずとも、二輪車の種別の判別が自動的かつ正確に行われることになる。特に、判別投光器8−1及び判別受光器9−1、判別指令投光器8−2及び判別指令受光器9−2はそれぞれ進行通路面を基準にして同じ高さH1、H2に設置されており、各投光器からの投光ビームが進行通路面に平行であるために、進行通路の幅方向の位置によらず路面に対する投光ビームの高さが一定となるので、二輪車が幅の広い進行通路の何処を通行しても正確な判別結果が得られる。
【0060】
従って、このように正確な判別を可能にする一方で、従来の溝式の判別装置のように自転車のタイヤを狭い溝に通すといった繊細な作業や、大重量の自動二輪車を引っ張って斜面を昇り降りさせるといった力作業も不要になり、その結果、駐輪場に出入りする際の通行の能率を著しく向上させることができ、出入り口での渋滞の発生を極力抑えることができる。
(二輪車判別装置の第2の実施形態)
図9は、二輪車判別装置の第2の実施形態を駐輪場出入り口に設置した場合の平面図である。なお、駐輪場出入り口の構成は、図4に示した第1の実施形態のものと同じであり、図4と同一の要素には同一の符合を付してある。
【0061】
この実施形態は、上記第1の実施形態において予測される誤判定を極力防止するために、判別投光器及び判別受光器、判別指令投光器及び判別指令受光器を複数組(ここでは一例として3組)設けたものである。すなわち、上記第1の実施形態においては、例えば図8に示すように、たまたま自転車の空気入れノズル14や車輪のスポークに取り付けた反射板15が障害物になって、判別投光器8−1の投光ビームを遮断してしまう場合が考えられ、その場合、判別投光器8−1の投光ビームを判別受光器9−1が受光しない状態となり、自転車を自動二輪車と誤判定してしまう。そこで、誤判定の可能性を低くするために判別投光器及び判別受光器、判別指令投光器及び判別指令受光器を複数組設置し、そのそれぞれの組を通路Sの進行方向に沿った別々の位置に(すなわち、互いに所定距離だけ隔てて)配置する。
【0062】
図9において、各組を構成する上下2段の光電センサはいずれも、上記第1の実施形態と同様、投光器及び受光器から構成され、投光器側を光電センサ投光器8−(b)、受光器側を光電センサ受光器9−(b)と称する。光電センサ投光器8−(b)からは投光ビーム11−(b)が照射されており、この投光ビームを受光するために二輪車7の進行通路を挟んで対面位置に来るように光電センサ受光器9−(b)が設置されている。
【0063】
図7は光電センサ投光器8−(b)及び光電センサ受光器9−(b)の詳細位置を示す図である。光電センサー投光器8−(b)は3列2段で構成されており、投光器側上段を判別投光器8−1−1、判別投光器8−1、判別投光器8−1−2と称し、投光器側下段を判別指令投光器8−2−1、判別指令投光器8−2、判別指令投光器8−2−2と称する。判別指令投光器8−2−1、判別指令投光器8−2、判別指令投光器8−2−2は、判別投光器8−1−1、判別投光器8−1、判別投光器8−1−2の下方位置(真下又はその近傍)にそれぞれ設置されている。
【0064】
同様に、光電センサ受光器9−(b)は3列2段で構成されており、受光器側上段を判別受光器9−1−1、判別受光器9−1、判別受光器9−1−2と称し、受光器側下段を判別指令受光器9−2−1、判別指令受光器9−2、判別指令受光器9−2−2と称する。判別指令投光器9−2−1、判別指令投光器9−2、判別指令投光器9−2−2は判別受光器9−1−1、判別受光器9−1、判別受光器9−1−2の下方位置(真下又はその近傍)にそれぞれ設置されている。この場合も、「真下またはその近傍」とは、後述する検知および判別処理が可能な範囲内で真下位置から少々ずれていてもかまわない、という意味である。
【0065】
このように上下2段の光電センサを3組備える構成では、二輪車の種別の判別は次のように行う。すなわち、通路Sを二輪車が通過していくと、3組の光電センサのそれぞれにおいて、上記第1の実施形態の場合と同様、図6又は図7に示したように状態が遷移していくので、3組の光電センサの状態を総合的に判断する。具体的には、3組の光電センサのうちの少なくとも1組において、判別指令投光器から判別指令が出されている状態において判別投光器の投光ビームが判別受光器で受光された場合には、自転車であると判別する。一方、3組の光電センサの全ての組において、判別指令投光器から判別指令が出されている状態において判別投光器の投光ビームが判別受光器で受光されないままである場合には、自動二輪車であると判別する。
【0066】
このようにすることで、もし仮に、図8のように自転車のタイヤ部から突出している空気入れノズル14が障害物となって、投光器8−1からの投光ビームが遮断されてしまったような場合であっても、他の2つの投光器8−1−1、8−1−2からの投光ビームにとっては空気入れノズル14が障害物とはならず、よって、判別指令が出されている状態において確実に投光ビームを受光することができる。また仮に、投光器8−1−2からの投光ビームにとって反射板15が障害物になるような場合であっても、もう1つの投光器8−1−1からの光にとっては何も障害物が存在しないため、確実な検知が可能となる。その結果、光電センサを1組だけ配置した場合と比べ、障害物による誤判定を極力回避して、一層正確な判別を行うことができる。
【0067】
なお、第2の実施形態では上下2段の光電センサを3組用いているが、これに限定されるものではなく、2組又は4組以上使用してもよい。
(二輪車判別装置の第3の実施形態)
図11は、二輪車判別装置の第3の実施形態の要部を示す図である。
【0068】
この実施形態は、第1の実施形態における判別指令投光器8−2及び判別指令受光器9−2の代わりに圧力スイッチ16を路面内に設置したものである。ここで、第1の実施形態において判別指令用の投光器8−2及び受光器9−2を設けた理由は、二輪車の通過の有無をその種別にかかわらず確実に検知することにあり、言い換えれば、二輪車の車輪の中心が判別投光器の近傍にあるときに、判別指令を確実に出し続けることであるので、投光器8−2及び受光器9−2の代替手段として、判別投光器8−1の下方位置(真下又はその近傍)において判別投光器及び判別受光器の間の何処でもタイヤで踏むことでオンする圧力スイッチ16(例えば、いわゆるテープスイッチ等)を設ける。この場合、圧力スイッチ16は進行通路上のベースプレート17上に敷設し、更に、圧力スイッチ16の保護を目的として、緩衝材18、例えばゴム板のカバーを圧力スイッチ16の上に被せることが望ましい。
【0069】
このような構成においては、図15に示すように、判別投光器8−1、判別受光器8−2、及び圧力スイッチ16の状態に基づき、制御部19が判別処理を実行する。すなわち、制御部19では、図11に示すように圧力スイッチ16が二輪車に踏まれてオン状態となっている間(すなわち、判別指令が出ている間)に判別投光器8−1からの投光ビームが判別受光器9−1で受光された場合、自転車であると判別し、一方、圧力スイッチ16がオン状態となっている間に判別投光器8−1からの投光ビームが判別受光器9−1で受光されないままである場合、自動二輪車であると判別する。
【0070】
このような構成によっても、第1の実施形態と同様な効果が期待できる。
なお、圧力スイッチ16を図12及び図13に示すように通路Sの進行方向に複数設置すると共に、各圧力スイッチに対応した位置にそれぞれ判別投光器及び判別受光器を設置する構成とすることで、第2の実施形態と同様な作用・効果を得るようにすることも可能である。ここで、図12は路面内に設置された複数個(ここでは一例として4個)の圧力スイッチを示す平面図であり、図13はそのA−A断面図である。
【0071】
この場合も、第2の実施形態とほぼ同様、4組の圧力スイッチ及び光電センサの状態を総合的に判断することで、4組のうちの少なくとも1組において、圧力スイッチから判別指令が出されている状態において判別投光器の投光ビームが判別受光器で受光された場合には、自転車であると判別し、一方、4組全てにおいて、圧力スイッチから判別指令が出されている状態において判別投光器の投光ビームが判別受光器で受光されないままである場合には、自動二輪車であると判別する。
【0072】
このようにすることで、第2の実施形態と同様、圧力スイッチ及び光電センサを1組だけ配置した場合と比べ、障害物による誤判定を極力回避して、一層正確な判別を行うことができる。
【0073】
なお、以上に示した実施形態では、タイヤ部の存在の有無を検知するための手段として光電センサや圧力スイッチを用いたが、その他のセンサやスイッチを用いて構成するようにしてもよい。
【0074】
また、本発明を設置する対象は必ずしも自転車・自動二輪車兼用駐輪場の出入り口に限定されるものではなく、必要に応じてその他の場所に設置されてもよい。
更に、本発明における判別手段は、必ずしも厚み検知手段の近くに設置される必要はなく、例えば判別手段を厚み検知手段から遠く離れた場所に設置し、判別手段と厚み検知手段とを有線又は無線の通信回線やネットワークにより接続することで、駐輪場に出入りする二輪車の種別を遠隔管理することも可能である。
【0075】
ここで、本発明における駐輪場ゲートは、上記実施形態についてはいずれも1台で出入り口兼用に用いる説明をしたが、複数台を並列に設置してもよいものとする。すなわち、例えば、全部で4台のゲートを並列に設置しておき、朝の通勤ラッシュで混雑が予想される時間帯には、例えば、3台を入り口用ゲートとして使用すると共に、1台を出口用ゲートとして使用し、一方、夜の通勤ラッシュ時には、1台を入り口用ゲートとして使用すると共に、3台を出口用ゲートとして使用することで、通行の能率を上げることも可能である。このような場合でも、本発明の駐輪場ゲートは、図3より、フラップ30の旋回角度が±80度程度であるから、並列に駐輪場ゲートを敷設しても隣同士でフラップ30が動作干渉し合う問題はないため、敷設スペースの縮小化も図られる。
【0076】
入り口用ゲート(入場モード)と出口用ゲート(退場モード)の切り替えは、自動的に切り替わること以外に、例えば出入り口を手動で切り替えることのできる切り替えモードを設けておき、該切り替えモードを管理人が操作するようにしてもよい。また、タイマー等を設けて設定時刻に切り替え指令を出し、切り替えるようにしてもよい。この時、ゲートA3及びゲートB4間、または検知器A1及び検知器B2上に二輪車が無いことを確認次第、切り替わるようにするのが望ましい。
【0077】
さらに、本発明における駐輪場ゲートは、図18に示すように、片側のみのフラップ30による構造を採用してもよい。この様な使用でも前述した入場用ゲートと退場用ゲートの切り替えが可能である。その場合は、単に、ゲートA3、B4及び検知器A1、B2の機能を入れ替えるだけでよい。退場モードにおける一連の動作工程を図18に示すが、これは入場モード(図1)の場合と二輪車の進行方向が異なるだけなので、その具体的な説明は省略する。もちろん、ゲートA3、B4を入場用ゲート専用又は退場用ゲート専用として使用することも可能である。
【0078】
さらに、上記実施例では、入場用ゲートとして使用する場合は、ゲートA3が開のとき、ゲートB4は閉であり、逆に退場用ゲートとして使用する場合は、ゲートB4が開のとき、ゲートA3は閉となっているが、この状態に限られるものではない。例えば、常時両ゲートを開とし、検知器A1、B2のうちどちらかが先にオン状態となったときに、入退場モードを切り替えるようにしてもよい。このとき、先に検知器A1がオン状態となったとすると(図18(a))、入場モードが選択され、ゲートB4を閉とし、前述の工程に従う。また、先に検知器B2がオン状態となったとすると(図19(a))、退場モードが選択され、ゲートA3を閉とし、前述の工程に従う。どちらかのゲートが閉となる際に、ゲートが閉じきらないうちに逆行車が進入し、ゲートが車体等に当たった場合、時間内に閉じないことで障害物を検知する信号を出すことで、前述したような音声ガイドを用い、該当車両を後退させるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の入場時の一連の動作工程を示す工程図である。
【図2】本発明のゲートに関するロック機構を示す図面である。
【図3】本発明のゲート開閉動作の詳細を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る二輪車判別装置を設置した駐輪場出入り口の平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る二輪車判別装置の要部を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る二輪車判別装置によって自転車を判別する場合の原理を示す状態遷移図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る二輪車判別装置によって自動二輪車を判別する場合の原理を示す状態遷移図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る二輪車判別装置の要部を表す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る二輪車判別装置を設置した駐輪場出入り口の平面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る二輪車判別装置における投光器と受光器の配置構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る二輪車判別装置の要部を表す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る二輪車判別装置おいて、圧力スイッチを複数用いた場合の平面図である。
【図13】図9におけるA−A断面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る二輪車判別装置の検知・判別系を示す概略図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る二輪車判別装置の検知・判別系を示す概略図である。
【図16】本発明の退場時の一連の動作工程を示す工程図である。
【図17】本発明の他の実施例における入退場時の一連の動作工程を示す工程図である。
【図18】本発明のさらなる他の実施例における入場モードの一連の動作工程を示す工程図である。
【図19】本発明のさらなる他の実施例における退場モードの一連の動作工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0080】
1 検知器A
2 検知器B
3 ゲートA
4 ゲートB
5 二輪車判別装置
6 精算器または発券機
7 二輪車
8−(a),8−(b) 光電センサー投光器
8−1,8−1−1,8−1−2 判別投光器
8−2,8−2−1,8−2−2 判別指令投光器
9−(a),9−(b) 光電センサー受光器
9−1,9−1−1,9−1−2 判別受光器
9−2,9−2−1,9−2−2 判別指令受光器
10 光電センサーカバー
11−(a),11−(b) 投光ビーム
12 タイヤ
13 リム
14 空気入れノズル
15 反射板
16 圧力スイッチ
17 ベースプレート
18 緩衝材
19 制御部
30 フラップ
100 プーリ
101 近接スイッチA
102 近接スイッチB
103 ゲートロックレバー
104 ソレノイド
105 ゲートロック解除ばね
106 ゲートロックレバー用ストッパー
107 近接スイッチC


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐輪場の出入り口に設置されたゲートからの二輪車の入場又は退場を制御する駐輪場ゲートシステムにおいて、
前記二輪車の通過を検知するため前記ゲートの通行口に配置した二輪車検知手段と、
前記ゲート通行口の通路を通過する二輪車のタイヤ部の厚みが所定値よりも厚いか否かを検知する厚み検知手段と、
該厚み検知手段による検知結果に基づき、前記二輪車が自転車か自動二輪車かを判別する判別手段と、
前記二輪車検知手段の検知結果に基づいて前記ゲートの開閉制御を行うゲート制御手段と、
を備えることを特徴とする駐輪場ゲートシステム。
【請求項2】
前記厚み検知手段は、
前記通路を挟んで互いに対面し、前記通路の路面に対して第1の高さに配置された、第1の投光器及び第1の受光器からなる第1の光電センサと、
前記通路を挟んで互いに対面し、前記第1の光電センサの真下又はその近傍にあり、前記通路の路面に対して第2の高さに配置された、第2の投光器及び第2の受光器からなる第2の光電センサとを備え、
前記第1の高さは、自転車のタイヤ部の厚みよりも高く、前記自動二輪車のタイヤ部の厚みよりも低い位置に設定され、一方、前記第2の高さは、前記自転車のタイヤ部の厚みよりも低い位置に設定されている、
ことを特徴とする請求項1記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項3】
前記判別手段は、前記第2の光電センサが遮光状態にある間に前記第1の光電センサが透光状態になった場合、前記二輪車が自転車であると判別し、一方、前記第2の光電センサが遮光状態にある間に前記第1の光電センサも遮光状態のままである場合、前記二輪車が自動二輪車であると判別することを特徴とする請求項2記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項4】
前記厚み検知手段は、前記第1及び第2の光電センサを複数組備え、その各組が前記通路の進行方向に沿った別々の位置に配置されていることを特徴とする請求項2記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項5】
前記判別手段は、前記複数組の第1及び第2の光電センサのうちの少なくとも1組において、前記第2の光電センサが遮光状態にある間に前記第1の光電センサが透光状態になった場合、前記二輪車が自転車であると判別し、一方、前記複数組の第1及び第2の光電センサの全ての組において、前記第2の光電センサが遮光状態にある間に前記第1の光電センサも遮光状態のままである場合、前記二輪車が自動二輪車であると判別することを特徴とする請求項4記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項6】
前記厚み検知手段は、
前記通路を挟んで互いに対面し、前記通路の路面に対して所定の高さに配置された、投光器及び受光器からなる光電センサと、
前記通路の進行方向に対して前記光電センサと同一位置又はその近傍であって、前記通路の路面内に配置された圧力スイッチとを備え、
前記所定の高さは、前記自転車のタイヤ部の厚みよりも高く、前記自動二輪車のタイヤ部の厚みよりも低い位置に設定されている、
ことを特徴とする請求項1記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項7】
前記判別手段は、前記圧力スイッチがオン状態である間に前記光電センサが透光状態になった場合、前記二輪車が自転車であると判別し、一方、前記圧力スイッチがオン状態である間に前記光電センサが遮光状態のままである場合、前記二輪車が自動二輪車であると判別することを特徴とする請求項6記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項8】
前記厚み検知手段は、前記光電センサ及び前記圧力スイッチを複数組備え、その各組が前記通路の進行方向に沿った別々の位置に配置されていることを特徴とする請求項6記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項9】
前記判別手段は、前記複数組の光電センサ及び圧力スイッチのうちの少なくとも1組において、前記圧力スイッチがオン状態である間に前記光電センサが透光状態になった場合、前記二輪車が自転車であると判別し、一方、前記複数組の光電センサ及び圧力スイッチの全ての組において、前記圧力スイッチがオン状態である間に前記光電センサが遮光状態のままである場合、前記二輪車が自動二輪車であると判別することを特徴とする請求項8記載の駐輪場ゲートシステム。
【請求項10】
駐輪場の出入り口に設置され、該駐輪場への二輪車の入場又は退場を制御するためのゲート装置において、
前記出入り口を二輪車が通過するのを可能にする開放位置と、前記出入り口を二輪車が通過するのを禁止する閉鎖位置との間で回転可能な開閉部材と、
該開閉部材を回転させるための正逆回転可能なモータと、
前記開閉部材が前記開放位置又は前記閉鎖位置にある時に前記開閉部材の回転をロックするロック手段と、
少なくとも前記開閉手段の回転位置に応じて前記モータ及び前記ロック手段の駆動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするゲート装置。
【請求項11】
前記ゲート装置は、前記駐輪場の出入り口の通路を挟んで左右対称に配置されていることを特徴とする請求項10記載のゲート装置。
【請求項12】
前記ゲート装置は、前記駐輪場の出入り口の通路における場内側と場外側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項10又は11記載のゲート装置。
【請求項13】
前記開閉手段の設置位置の近傍に、二輪車の通過を検知する二輪車検知手段を更に備え、前記制御手段は、該二輪車検知手段の検知結果にも基づいて前記モータ及び前記ロック手段の駆動を制御することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のゲート装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−307517(P2006−307517A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−130862(P2005−130862)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(593210064)東海技研株式会社 (3)