説明

駒記録装置

【目的】 駒記録の時間々隔が長くても磁気ヘッドの摩耗を少なくできる駒記録装置を得る。
【構成】 所定の速度で走行している磁気テープに、回転磁気ヘッドの回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すような標準の回転速度と、前記した標準の回転速度よりも低い回転速度とを設定しておき、回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に低い回転状態から標準回転状態に切換え、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から低い回転状態に切換える。また、相次ぐ駒記録動作の時間々隔が予め定められた時間値よりも短い動作モード時には駒記録の終了後にも回転ドラムの回転状態を標準回転状態のままとする。前記の駒記録装置において回転ドラムの回転状態を駒記録装置の外部からの切換操作によって低い回転状態と標準回転状態とに切換える。駒記録の対象にされる信号を記録トリガ信号の時点に記憶しておき、前記の記憶された信号を駒記録用信号として記録する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は駒記録VTRに関する。
【0002】
【従来の技術】所定の時間々隔毎、または、記録トリガの入力時毎に、予め定められた時間長の情報信号、例えば1トラック〜数トラックを単位とする情報を一駒分の記録対象情報に用いて、回転磁気ヘッドにより磁気テープに駒記録を行なうビデオ・テープ・レコーダ(VTR)としては、従来からプリロールにより記録開始予定位置より前の位置に磁気テープを巻戻しておき、記録に際して前記の巻戻された位置から磁気テープの走行を開始して記録開始予定位置を所定のテープ送り速度で通過させ、その記録開始予定位置から所定のトラック数の記録が行なわれるようにした所謂プリロール方式の駒記録VTRや、所謂タイムラプスVTRなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従来の駒記録VTRは、比較的に短い時間々隔で記録動作が行なわれるタイムラプスモードでの問題は少ないが、長い時間々隔で記録動作が行なわれるタイムラプスモードでの動作や、コンピュータを用いて長い時間をかけて行なわれる1駒分の画像データの計算後に得られるコンピュータグラフィックスの画像信号の記録動作時のように、順次の記録動作の間隔が大きな場合には長時間にわたる無記録期間においても回転磁気ヘッドが磁気テープに摺接した状態で高速で回転している状態になされているために、記録に費やされた時間に対して無記録期間に回転磁気ヘッドが磁気テープに摺接した状態で高速で回転している無駄な時間の方が著るしく多くなり、そのために磁気ヘッドの摩耗と磁気テープの損傷の問題が発生する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はドラムの周面の一部に摺接しながら予め定められた速度で走行している状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドの回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すようなものとなされるような標準の回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの標準回転状態とし、前記した標準の回転速度よりも低い回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの待機回転状態としたときに、回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に待機回転状態から標準回転状態に切換える手段と、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換える手段とを備えてなる駒記録装置、及びドラムの周面の一部に摺接しながら予め定められた速度で走行している状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドの回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すようなものとなされるような標準の回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの標準回転状態とし、前記した標準の回転速度よりも低い回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの待機回転状態としたときに、回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に待機回転状態から標準回転状態に切換える手段と、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換える手段と、相次ぐ駒記録動作の時間々隔が予め定められた時間値よりも短い動作モード時には駒記録の終了後にも回転ドラムの回転状態を標準回転状態のままとする手段とを備えてなる駒記録装置、ならびに前記の駒記録装置において回転ドラムの回転状態を駒記録装置の外部からの切換操作によって待機回転状態と標準回転状態とに切換えることができるようにした駒記録装置、及び駒記録の対象にされる信号を記録トリガ信号の時点に記憶しておき、前記の記憶された信号を駒記録用信号として記録するようにした前記した駒記録装置を提供する。
【0005】
【作用】駒記録の直前に回転ドラムの回転状態を待機回転状態から標準回転状態に切換え、また、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換えることにより、磁気ヘッドの摩耗と磁気テープの損傷を低減させることができる。
【0006】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の駒記録装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1と図4及び図5R>5ならびに図7は本発明の駒記録装置の各異なる実施例のブロック図、図2及び図3ならびに図6は本発明の駒記録装置の動作説明用のタイミングチャートである。図1R>1,図4,図5及び図7に示してある本発明の駒記録装置において、1は駒記録の対象にされている映像信号Svsの入力端子、2は記録トリガ信号Srtの入力端子、3は記録回路、4は磁気ヘッド(回転磁気ヘッド)、5は制御回路、6は基準信号発生回路、7は標準回転制御回路、8は低速回転制御回路、9はモータ駆動回路、10はドラムモータ、SW1はスイッチ、SW2は切換スイッチであり、また、図4においてSW3は切換スイッチ、図7において11はフレームバッファである。図1,図4,図5及び図7の各図に示してある本発明の駒記録装置において、入力端子1を介して駒記録の対象にされている映像信号Svsが供給された基準信号発生回路6は、映像信号Svs中の周期性信号、例えば水平同期信号や垂直同期信号に基づいて所要の基準信号を発生して、それを駒記録装置における各構成部分に供給する。
【0007】ドラムモータ10は、磁気ヘッド(回転磁気ヘッド)4が固着されている図示されていない回転ドラムを、後述されているような2種類の回転速度の内で選択された一方の回転速度で回転させている状態とするように、回転制御系の制御動作の下に所定の回転数で回転させる。すなわち本発明の駒記録装置におけるドラムモータ10によって駆動回転される図示されていない回転ドラムは、ドラムの周面の一部に摺接しながら予め定められた速度で走行している状態の磁気テープに、回転磁気ヘッド4の回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すようなものとなされるような標準の回転速度での回転ドラムの回転状態(回転ドラムの標準回転状態)と、前記した回転ドラムの標準回転状態における回転速度よりも低い回転速度(回転ドラムの待機回転状態)との2種類の回転状態の内で選択された一方の回転速度で回転された状態になされるのである。前記した回転ドラムの2種類の回転状態の内で回転ドラムの標準回転状態は、切換スイッチSW1の可動接点vが固定接点S側に切換えられた状態(図4に示されている駒記録装置においては、切換スイッチSW1,SW3の可動接点vが固定接点S側に切換えられた状態)で構成される一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって得られ、また、前記した回転ドラムの2種類の回転状態の内で回転ドラムの待機回転状態は、切換スイッチSW1の可動接点vが固定接点L側に切換えられた状態(図4に示されている駒記録装置においては、切換スイッチSW1,SW3の可動接点vが固定接点L側に切換えられた状態)で構成される一巡の低速回転制御系の回転制御動作によって得られる。
【0008】前記した一巡の標準回転制御系中に設けられている標準回転制御回路7と、前記した一巡の低速回転制御系中に設けられている低速回転制御回路8とには、ドラムモータ10の回転によって図示されていない周波数発電機から発生された信号Sfgと、図示されていない基準回転位相信号発生器で発生されたドラムモータ10の基準回転位相を示す信号Spとが供給されており、前記した標準回転制御回路7では既述した基準信号発生回路6において垂直同期信号に基づいて発生された基準信号と、前記した周波数発電機から発生された信号Sfgと、ドラムモータ10の基準回転位相を示す信号Spとによって、回転ドラムを映像信号Svsに同期同相の状態で回転させうるような回転制御信号を発生し、その回転制御信号によって一巡の標準回転制御系が制御動作を行なって回転ドラムを標準の回転速度で回転させる。また、前記した標準回転制御回路7では回転ドラムが映像信号と同期同相の状態で回転している状態の際にモータ位相ロック信号Smpを発生して、それを例えばマイクロプロセッサを含んで構成されいてもよい制御回路5に供給する(図5に示す実施例は、制御回路5がモータ位相ロック信号Smpを必要としない構成とされているために、標準回転制御回路7で発生したモータ位相ロック信号Smpは、制御回路5には供給されていない)。また、前記した低速回転制御回路8では前記した周波数発電機から発生された信号Sfgと、低速回転制御回路8内に設定されている基準信号とによって、回転ドラムを前記した標準回転速度に比べて充分に低速度の状態で回転させうるような回転制御信号を発生する。
【0009】入力端子2を介して制御回路5に供給される記録トリガ信号Srtは、記録開始を指示するために用いられる信号であって、駒記録装置がタイムラプスVTRの場合の記録トリガ信号Srtは、VTRのマイクロコンピュータが所定の時間々隔毎に発生しているものであり、また、コンピュータグラフィックスの画像記録用の駒記録装置では、外部のコンピュータ等で発生されたものが使用されるのである。入力端子2を介して記録トリガ信号Srtが供給された制御回路5では、モータの回転制御系の切換信号Smcをローレベルの状態からハイレベルの状態に変化させて、それにより切換スイッチSW1の可動接点vを固定接点L側から固定接点S側に切換えて、一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムが標準回転状態になされるようにする。前記したモータの回転制御系の切換信号Smcがハイレベルの状態からローレベルの状態に変化すると、それにより切換スイッチSW1の可動接点vが固定接点S側から固定接点L側に切換えられて、一巡の低速回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムが低速回転状態になされる。
【0010】図1,図4及び図5に示してある本発明の駒記録装置の実施例においては、記録の対象にされている映像信号Svsが入力端子1を介して供給されている記録回路3が、映像信号Svsを磁気記録に適した信号形態の記録信号としてスイッチSW2を介して磁気ヘッド4に供給するようにしており、また図7に示してある本発明の駒記録装置の実施例においては、入力端子1に供給された記録の対象にされている映像信号Svsは、入力端子2を介して記録トリガ信号Srtがフレームバッファ11に供給された時点にフレームバッファ11に記憶され、前記したフレームバッファ11に記憶された1駒分の映像信号が繰返し記録回路3に供給されるようになされていて、記録回路3では前記の映像信号Svsを磁気記録に適した信号形態の記録信号としてスイッチSW2を介して磁気ヘッド4に供給するようにしている。スイッチSW2は前記した制御回路5で発生された記録ゲート信号Srgが映像信号Svsの1駒分(例えば1フィールド期間、または1フレーム期間)と対応する期間にハイレベルの状態になされることにより可動接点vがオンの状態になされて、記録信号を磁気ヘッド4に供給する。
【0011】図1に示してある駒記録装置の動作を図2に示すタイミングチャートを参照して説明すると次のとおりである。入力端子1を介して供給された記録の対象にされている映像信号Svsは、記録回路3で磁気記録に適した信号形態の記録信号としてスイッチSW2に供給されている。入力端子2を介して制御回路5に図2の(a)に示されている記録トリガ信号Srtが供給されると、制御回路5では図2の(b)に示されているモータの回転制御系の切換信号Smcをローレベルの状態からハイレベルの状態に変化させて、それにより切換スイッチSW1の可動接点vを固定接点L側から固定接点S側に切換えて、一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムが標準回転状態になされるようにする。図2の(c)は前記のようにモータの回転制御系の切換信号Smcがローレベルの状態からハイレベルの状態になされることにより、切換スイッチSW1の可動接点vが固定接点L側から固定接点S側に切換えられて、一巡の標準回転制御系の回転制御動作により回転ドラムの回転速度が次第に大きくなされて標準回転状態になされる過程と、前記したモータの回転制御系の切換信号Smcがハイレベルの状態からローレベルの状態になされることにより、切換スイッチSW1の可動接点vが固定接点S側から固定接点L側に切換えられて、一巡の低速回転制御系の回転制御動作により回転ドラムの回転速度が次第に小さくなされて低速回転状態になされる過程とを示している。
【0012】前記した一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムの回転速度が次第に大きくなり、標準回転状態になされて回転ドラムが映像信号Svsと同期同相状態に達した状態になると、標準回転制御回路7では図2の(d)に示されているモータ位相ロック信号Smpを発生して制御回路5に供給する。制御回路5では前記したモータ位相ロック信号Smpが発生して期間中に、駒記録を行なうための記録ゲート信号Srgを発生してスイッチSW2をオンの状態にする。前記した記録ゲート信号Srgは1駒分(1フィールド期間、または1フレーム期間)の映像信号を記録できる時間長及びタイミングを有していて、例えば駒記録が1フィールド期間単位で行なわれる場合には、磁気テープに順次に行なわれる駒記録が、奇数フィールド、偶数フィールドが順次交互に磁気テープ上に配列されるような態様でなされるのである。1駒分の記録動作が終了した後にモータの回転制御系の切換信号Smcがハイレベルの状態からローレベルの状態になされることにより、切換スイッチSW1の可動接点vが固定接点S側から固定接点L側に切換えられて、一巡の低速回転制御系の回転制御動作により回転ドラムの回転速度が次第に小さくなされて低速回転状態になされる。
【0013】駒記録装置がタイムラプスVTR等のように、記録時間々隔が可変に設定できるものの場合に、例えば駒記録が1秒に2回程度というように、記録時間々隔が比較的に短く設定されたような場合には、前記のように回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に待機回転状態から標準回転状態に切換え、また、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から低速の待機回転状態に切換えるような制御が短時間内に繰返えされることになるが、周知のように回転サーボが安定するまでにはある程度の時間が必要であるから、前記のように短時間内に待機回転状態と標準回転状態との切換えを頻繁に行なうような動作を行なえない場合が生じる。それで、記録トリガ信号Srtが供給された後に、次の記録トリガ信号Srtが供給されるまでの時間が、予め定められた時間値Tよりも短い場合には、図3の(g)に例示されているように1駒の記録動作が終了してもモータの回転制御系の切換信号Smcをハイレベルの状態のままにすると、前記の問題を解決できる。なお、前記のように記録トリガ信号Srtが供給された後に、次の記録トリガ信号Srtが供給されるまでの時間が、予め定められた時間値Tよりも長いか短いかは、タイムラプスVTR等において記録時間々隔の設定情報によって制御装置5が判断できるので、前記のような制御動作は容易に実現できるのであり、このような制御動作を行なわせることにより、短時間々隔での駒記録も行ないうるとともに、磁気ヘッドの摩耗等を考慮した長時間々隔での駒記録も行ないうることになる。図3は前記の問題を説明するためのタイムチャートであり、図3の(a)〜(e)は記録トリガ信号Srtが供給された後に、次の記録トリガ信号Srtが供給されるまでの時間が、予め定められた時間値Tよりも長い場合における既述した記録トリガ信号Srt,モータの回転制御系の切換信号Smc,モータ位相ロック信号Smp,記録ゲート信号Srg間の関係ならびに、回転ドラムの回転速度{図3の(c)との関係を示しており、また図3の(f)〜(j)は記録トリガ信号Srtが供給された後に、次の記録トリガ信号Srtが供給されるまでの時間が、予め定められた時間値Tよりも短い場合における既述した記録トリガ信号Srt,モータの回転制御系の切換信号Smc,モータ位相ロック信号Smp,記録ゲート信号Srg間の関係ならびに、回転ドラムの回転速度{図3の(h)との関係を示している。
【0014】図4は既述した図1に示した駒記録装置における一巡の回転制御系中に手動の切換スイッチSW3を設けて、使用者が手動の切換スイッチSW3の可動接点vを固定接点L側とS側とを使用者の意志によって切換えることもできるように構成した駒記録装置の実施例である。この図4の駒記録装置の動作は手動の切換スイッチSW3の可動接点vを固定接点L側とS側とに使用者の意志によって切換えることができる点を除けば、既述した図1に示した駒記録装置の動作と同一であるから、その詳細な説明は省略する。なお、図4の駒記録装置では、図3中に示されている相次ぐ記録トリガ信号Srt間の時間が、予め定められた時間値Tに略々等しいような場合にも、モードが微妙に切換わるために、より高速で安定な動作をさせたい場合に有効な実施例である。
【0015】既述した図1及び図4について説明した駒記録装置においては、入力端子2を介して制御回路5に図2の(a)に示されている記録トリガ信号Srtが供給されて、制御回路5で図2の(b)に示されているモータの回転制御系の切換信号Smcをローレベルの状態からハイレベルの状態に変化させ、それにより切換スイッチSW1の可動接点vを固定接点L側から固定接点S側に切換えて、一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムが標準回転状態になされるようにし、前記したモータの一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムの回転速度が次第に大きくなり、標準回転状態になされて回転ドラムが映像信号Svsと同期同相状態に達した状態で、標準回転制御回路7が図2の(d)に示されているモータ位相ロック信号Smpを発生してそれを制御回路5に供給し制御回路5では前記したモータ位相ロック信号Smpが発生して期間中に、駒記録を行なうための記録ゲート信号Srgを発生してスイッチSW2をオンの状態にして、1駒分(1フィールド期間、または1フレーム期間)の映像信号が記録されるようにしていたが、図5に示す駒記録装置は、標準回転制御回路7で発生されたモータ位相ロック信号Smpを制御回路5に供給することをしないで、制御回路5に図2の(a)に示されている記録トリガ信号Srtが供給されて、制御回路5で図2の(b)に示されているモータの回転制御系の切換信号Smcをローレベルの状態からハイレベルの状態に変化させた時点から、回転ドラムが映像信号Svsと同期同相状態に達した状態になされたであろうと考えられる時間値を制御回路5内で計測して、図6の(d)に例示されているような時間経時パルスSttを発生し、この時間経時パルスSttによって図6の(e)に示す記録ゲート信号Srgを発生させてスイッチSW2ををオンの状態にして1駒分(1フィールド期間、または1フレーム期間)の映像信号が記録されるようにしたものである。
【0016】図1乃至図6を説明した駒記録装置では、入力端子2を介して制御回路5に記録トリガ信号Srtが供給されて、制御回路5でモータの回転制御系の切換信号Smcをローレベルの状態からハイレベルの状態に変化させ、それにより切換スイッチSW1の可動接点vを固定接点L側から固定接点S側に切換えて、一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムが標準回転状態になされるようにし、前記したモータの一巡の標準回転制御系の回転制御動作によって回転ドラムの回転速度が次第に大きくなり、標準回転状態になされて回転ドラムが映像信号Svsと同期同相状態に達した状態で、駒記録を行なうための記録ゲート信号Srgを発生してスイッチSW2をオンの状態にして、1駒分(1フィールド期間、または1フレーム期間)の映像信号が記録されるようにしているために、記録トリガ信号Srtの発生の時点から実際に記録が行なわれるまでの間に時間遅れが発生しているために、駒記録しようとした画像が動画像の場合には記録しようとした画像と違う画像が記録されることも起こりうる。図7は図1に示されている駒記録装置における入力端子1と記録回路との間にフレームバッファ11を設けて、記録トリガ信号Srtの時点の映像信号をフレームバッファ11に記録して、フレームバッファ11に記録された映像信号が駒記録されるように構成した駒記録装置の実施例である。この図7に示されているの駒記録装置の動作は記録トリガ信号Srtの時点の映像信号をフレームバッファ11に記録して、フレームバッファ11に記録された映像信号が駒記録されるようにした点を除けば、既述した図1に示した駒記録装置の動作と同一であるから、その詳細な説明は省略する。
【0017】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らかなように本発明の駒記録装置は、ドラムの周面の一部に摺接しながら予め定められた速度で走行している状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドの回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すようなものとなされるような標準の回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの標準回転状態とし、前記した標準の回転速度よりも低い回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの待機回転状態としたときに、回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に待機回転状態から標準回転状態に切換える手段と、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換える手段とを備えてなる駒記録装置、及びドラムの周面の一部に摺接しながら予め定められた速度で走行している状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドの回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すようなものとなされるような標準の回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの標準回転状態とし、前記した標準の回転速度よりも低い回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの待機回転状態としたときに、回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に待機回転状態から標準回転状態に切換える手段と、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換える手段と、相次ぐ駒記録動作の時間々隔が予め定められた時間値よりも短い動作モード時には駒記録の終了後にも回転ドラムの回転状態を標準回転状態のままとする手段とを備えてなる駒記録装置、ならびに前記の駒記録装置において回転ドラムの回転状態を駒記録装置の外部からの切換操作によって待機回転状態と標準回転状態とに切換えることができるようにした駒記録装置、及び駒記録の対象にされる信号を記録トリガ信号の時点に記憶しておき、前記の記憶された信号を駒記録用信号として記録するようにした駒記録装置であるから、本発明の駒記録装置では駒記録の直前に回転ドラムの回転状態を待機回転状態から標準回転状態に切換え、また、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換えることにより、磁気ヘッドの摩耗と磁気テープの損傷を低減させることができるのであり、本発明によれば既述した従来の問題点は良好に解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駒記録装置のブロック図である。
【図2】本発明の駒記録装置の動作説明用のタイミングチャートである。
【図3】本発明の駒記録装置の動作説明用のタイミングチャートである。
【図4】本発明の駒記録装置のブロック図である。
【図5】本発明の駒記録装置のブロック図である。
【図6】本発明の駒記録装置の動作説明用のタイミングチャートである。
【図7】本発明の駒記録装置のブロック図である。
【符号の説明】
1…駒記録の対象にされている映像信号Svsの入力端子、2…記録トリガ信号Srtの入力端子、3…記録回路、4…磁気ヘッド(回転磁気ヘッド)、5…制御回路、6…基準信号発生回路、7…標準回転制御回路、8…低速回転制御回路、9…モータ駆動回路、10…ドラムモータ、11…フレームバッファ、SW1…スイッチ、SW2,SW3…切換スイッチ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドラムの周面の一部に摺接しながら予め定められた速度で走行している状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドの回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すようなものとなされるような標準の回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの標準回転状態とし、前記した標準の回転速度よりも低い回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの待機回転状態としたときに、回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に待機回転状態から標準回転状態に切換える手段と、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換える手段とを備えてなる駒記録装置。
【請求項2】 ドラムの周面の一部に摺接しながら予め定められた速度で走行している状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドの回転軌跡が磁気テープの基準縁に対して予め定められた角度を示すようなものとなされるような標準の回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの標準回転状態とし、前記した標準の回転速度よりも低い回転速度での回転ドラムの回転状態を回転ドラムの待機回転状態としたときに、回転ドラムの回転状態を駒記録の直前に待機回転状態から標準回転状態に切換える手段と、駒記録の終了後に回転ドラムの回転状態を標準回転状態から待機回転状態に切換える手段と、相次ぐ駒記録動作の時間々隔が予め定められた時間値よりも短い動作モード時には駒記録の終了後にも回転ドラムの回転状態を標準回転状態のままとする手段とを備えてなる駒記録装置。
【請求項3】 回転ドラムの回転状態を駒記録装置の外部からの切換操作によって待機回転状態と標準回転状態とに切換えることができるようにした請求項1または2の駒記録装置。
【請求項4】 駒記録の対象にされる信号を記録トリガ信号の時点に記憶しておき、前記の記憶された信号を駒記録用信号として記録する請求項1乃至請求項3の何れかに記載の駒記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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