騒音検知システム及び騒音検知方法
【課題】報知の最適化を図ることが可能な騒音検知システム及び騒音検知方法を提供する。
【解決手段】騒音検知システム1は棟制御装置70を備え、棟制御装置70は、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する。また、棟制御装置70は、第1居住空間に隣接する第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定した音量レベルとを比較し、音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して表示部30を通じで報知を行う。また、騒音検知システム1は、第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられ、第1居住空間における音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定するホーム情報ブレーカ60を備えている。
【解決手段】騒音検知システム1は棟制御装置70を備え、棟制御装置70は、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する。また、棟制御装置70は、第1居住空間に隣接する第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定した音量レベルとを比較し、音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して表示部30を通じで報知を行う。また、騒音検知システム1は、第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられ、第1居住空間における音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定するホーム情報ブレーカ60を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音検知システム及び騒音検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内から隣室や上下の部屋に伝わる騒音を検出し、検出された騒音が閾値以上である場合に、報知を行う騒音検知システムが提案されている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−274562号公報
【特許文献2】特開2006−29859号公報
【特許文献3】特開2008−33397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来装置では、隣室や上下の部屋に騒音を非常に気にする人が居た場合には、報知が行われなくても苦情が発生する可能性がある。一方、騒音をさほど気にしない人がいた場合には、苦情が発生しないにも拘わらず室内の者は騒音を出さないように気にしなければならず、窮屈を強いられることとなる。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、報知の最適化を図ることが可能な騒音検知システム及び騒音検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の騒音検知システムは、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定手段と、第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられ、第1居住空間において音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定手段と、第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段と、記憶手段を参照して、第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較手段と、比較手段により、測定手段にて測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、第2居住空間の居住者の行動を検出する行動検出手段を備え、設定手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応した希望閾値を設定し、記憶手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応付けられた希望閾値を記憶し、比較手段は、記憶手段を参照して、行動検出手段により検出した第2居住空間毎の居住者の行動に対応付けられた希望閾値のうち最小の希望閾値と測定手段により測定された音量レベルとを比較することが好ましい。
【0008】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、時刻を検出する時刻検出手段を備え、設定手段は、時刻に応じた希望閾値を設定し、記憶手段は、時刻に対応付けられた希望閾値を記憶し、比較手段は、記憶手段を参照して、時刻検出手段により検出した時刻に対応付けられた第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と測定手段にて測定された音量レベルとを比較することが好ましい。
【0009】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、設定手段は、隣接する第1居住空間が複数ある場合は、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定することが好ましい。
【0010】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、設定手段は、隣接する第1居住空間の音量レベルに基づいて、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間で測定される音量レベルと比較される希望閾値を変更させることが好ましい。
【0011】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、測定手段により測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定する特定手段と、特定手段により特定された音源から出力される音量の音量レベルが最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行う音量制御手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明の騒音検知方法は、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定工程と、第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられた設定手段により、第1居住空間において音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定工程と、第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段を参照して、第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較工程と、比較工程において、測定工程にて測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、報知の最適化を図ることが可能な騒音検知システム及び騒音検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る騒音検知システムを示す構成図である。
【図2】図1に示した棟制御装置の詳細を示す機能ブロック図である。
【図3】騒音検知システムが設置される集合住宅の一例を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)は隣接関係を示している。
【図4】第2居住空間A〜Dの希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【図5】第2居住空間Dの居住者にて設定される希望閾値を示す図である。
【図6】本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。
【図7】本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【図8】第2実施形態に係る棟制御装置の詳細を示す機能ブロック図である。
【図9】第2居住空間A〜Dの居住者の行動に応じた希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【図10】図8に示した比較部により選択される希望閾値を示す図である。
【図11】第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【図12】第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。
【図13】第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【図14】第3実施形態に係る棟制御装置の詳細を示す機能ブロック図である。
【図15】時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。
【図16】第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【図17】第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。
【図18】第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【図19】行動及び時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る騒音検知システムを示す構成図である。
【0016】
図1に示すように、騒音検知システム1は、集合住宅やホテルなどに設置されるものであって、自己の居住空間(第1居住空間)において発生する騒音が隣人に対してうるさく感じられると予測される場合に、自己に対して報知を行うものである。この騒音検知システム1は、マイク10、振動検知器20、表示部(報知手段)30、コンポ40、重量センサ50、ホーム情報ブレーカ(設定手段)60、及び棟制御装置70からなる。なお、本実施形態において騒音検知システム1は、ネット環境設備の機能も兼ねているため、インターネット回線90及びセンターサーバ100についても図示している。
【0017】
マイク10は、第1居住空間において発生した音量に応じた電気信号を出力するものであって、ホーム情報ブレーカ60を通じて音量に応じた電気信号を棟制御装置70に送信するものである。振動検知器20は、第1居住空間において生じた振動量に応じた電気信号を出力するものであって、ホーム情報ブレーカ60を通じて振動量に応じた電気信号を棟制御装置70に送信するものである。
【0018】
表示部30は、NetTVなど映像表示機器である。また、表示部30は、電源がオンされているか否かの情報、及び、電源オン時における音量の情報を、ホーム情報ブレーカ60を通じて棟制御装置70に送信する。コンポ40は、音楽等の再生機器である。また、コンポ40は、電源がオンされているか否かの情報、及び、電源オン時における音量の情報を、ホーム情報ブレーカ60を通じて棟制御装置70に送信する。
【0019】
重量センサ50は、寝室のベッドやリビングのソファーなどに設置され、居住者がベッドで寝ているときや、ソファーに座っているときに重量を検知して、その旨の情報を、ホーム情報ブレーカ60を通じて棟制御装置70に送信する。なお、以下において居住者とは、住宅において長期に居住する者に限らず、ホテルなどの一時的な滞在をする者も含む概念とする。
【0020】
ホーム情報ブレーカ60は、インターネット回線90側からの送信される不要な情報を遮断する遮断装置として機能するものである。また、本実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70とマイク10等とを中継する中継機器としても機能する。
【0021】
図2は、図1に示した棟制御装置70の詳細を示す機能ブロック図である。図3は、騒音検知システム1が設置される集合住宅の一例を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)は隣接関係を示している。
【0022】
図2に示すように、棟制御装置70は、測定部(測定手段)71、記憶部(記憶手段)72、及び比較部(比較手段)73を備えている。
【0023】
測定部71は、マイク10からの電気信号、及び、振動検知器20からの電気信号に基づいて、第1居住空間において発生する音量レベルを測定するものである。また、測定部71は、第1居住空間に設置されるマイク10及び振動検知器20からの電気信号に基づいて、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する。
【0024】
記憶部72は、第1居住空間に隣接する第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶するものである。この希望閾値は第2居住空間毎に設定され記憶されているが、実際には、図3(a)に示すように各階5部屋の10階建ての集合住宅に、本実施形態に係る騒音検知システム1が適用されている場合、希望閾値は、50部屋×10階の50の居住空間それぞれについて設定されている。すなわち、図3(b)に示すように、自己の居住空間(第1居住空間X)と隣接する居住空間A〜Dは第2居住空間となるが、その第2居住空間A〜Dからすると、自己の居住空間Xは第2居住空間であるといえるからである。
【0025】
ここで、希望閾値についてさらに説明する。図4は、第2居住空間A〜Dの希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【0026】
図4に示すように、自己の居住空間を居住空間Xとした場合、これと隣接する第2居住空間A〜Dにおいて希望閾値は以下のようになる。すなわち、図4(a)に示すように第2居住空間Aにおいて希望閾値は21dBに設定されている。また、図4(b)〜(d)に示すように、第2居住空間Bにおいて希望閾値は19dBに設定され、第2居住空間Cにおいて希望閾値は23dBに設定され、第2居住空間Dにおいて希望閾値は18dBに設定されている。記憶部72は、上記のように設定される希望閾値を記憶することとなる。
【0027】
比較部73は、記憶部72を参照して、測定部71により測定された第1居住空間において発生した音量レベルと、第2居住空間に設定される希望閾値とを比較するものである。すなわち、図3(b)に示すように、比較部73は、第1居住空間が居住空間Xである場合、第1居住空間Xにて発生した音量レベルと、第1居住空間Xと上下左右に隣接する第2居住空間A〜Dに設定される希望閾値とを比較する。
【0028】
この比較部73は、比較に先立って、最小の希望閾値を選択する。すなわち、比較部73は、図4に示すような第2居住空間A〜D毎の希望閾値のうち、最小の希望閾値を選択する。このとき、最小の希望閾値は第2居住空間Dの希望閾値である。このため、比較部73は、第2居住空間Dの18dBを最小の希望閾値として選択する。なお、第1居住空間が1つの第2居住空間のみと隣接する場合、隣接する第2居住空間の希望閾値がそのまま最小の閾値となる。
【0029】
また、比較部73は、最小の希望閾値を選択すると、選択した最小の希望閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較する。すなわち、図4に示す例において、比較部73は、18dBの希望閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較することとなる。
【0030】
また、比較部73は、測定部71により測定された音量レベルが最小の希望閾値(上記では18dB)を超えると判断した場合、その旨の信号を出力する。これにより、表示部30は、騒音が高いことを示す報知を第1居住空間X内の居住者に対して行うこととなる。
【0031】
さらに、本実施形態に係る棟制御装置70は、特定部(特定手段)74と、音量制御部(音量制御手段)75とを備えている。特定部74は、測定部71により測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定するものである。具体的に特定部74は、表示部30やコンポ40から送信される電源オン時における音量の情報に基づいて、音量の出力源である音源を特定する。
【0032】
音量制御部75は、特定部74により特定された音源から出力される音量の音量レベルが、最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行うものである。これにより、居住者が直接音量を制御する必要なく、隣人が騒音を気にならないように音量を調整することができる。
【0033】
再度、図1を参照する。本実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者による要求に応じて、記憶部72により記憶された第2居住空間における希望閾値を変更する変更機能を備えている。すなわち、ホーム情報ブレーカ60は、第1居住空間における音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定することができる設定手段として機能することとなる。具体的にホーム情報ブレーカ60は、操作部を有し、第2居住空間の居住者が操作部に対して操作を行うことで、第2居住空間における希望閾値を変更することができる。これにより、第1居住空間Xにおける報知の適正化を図ることができる。
【0034】
図5は、第2居住空間Dの居住者にて設定される希望閾値を示す図である。図5に示すように、第2居住空間Dの居住者がホーム情報ブレーカ60を操作して希望閾値を下げたとする。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70の記憶部72に対して信号を送信する。そして、記憶部72は、希望閾値を更新することとなる。これにより、例えば図5に示すように、第2居住空間Dにおける希望閾値が「2」低くなる。
【0035】
このため、第1居住空間Xで16dB以上の騒音が発生すると、第1居住空間Xにおいて報知が行われる。なお、他の第2居住空間A〜Cについても同様に、居住者はホーム情報ブレーカ60を操作することにより、希望閾値を変更可能となっている。
【0036】
さらに、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間に対して隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるようになっていてもよい。この場合、例えば第2居住空間Dの居住者は、ホーム情報ブレーカ60を操作して、上下左右のいずれかを選択したうえで、希望閾値を下げる操作を行うこととなる。一例を挙げると、第2居住空間Dの居住者が下側に隣接する第1居住空間のみを指定して、希望閾値を変更する操作を行ったとする。この場合、第2居住空間Dの下側に隣接する第1居住空間のみに対してだけ希望閾値が変更され、第1居住空間Xを含む他方向に隣接する第1居住空間に対しては、希望閾値が変更されないこととなる。
【0037】
なお、上記では居住者が希望閾値を変更する第1居住空間を指定しているが、これに限らず、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間のみについて希望閾値を変更するようになっていてもよい。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間Dの居住者が希望閾値を変更する操作を行ったときに、棟制御装置70から第2居住空間Dに隣接する第1居住空間(居住空間Xを含む)における音量レベルの情報を取得する。そして、ホーム情報ブレーカ60は、取得した音量レベルに基づいて希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索する。このとき、ホーム情報ブレーカ60は、音量レベルが最も高かった第1居住空間を指定してもよいし、希望閾値に最も近かった第1居住空間を指定してもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係る騒音検知方法について説明する。図6は、本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。まず、棟制御装置70はシステム自体がオフとなったか否かを判断する(S1)。システム自体がオフとなったと判断した場合(S1:YES)、図6に示す処理は終了する。
【0039】
システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S1:NO)、比較部73は、第2居住空間の希望閾値のうち、最小の希望閾値を決定する(S2)。
【0040】
次に、測定部71は、第1居住空間において発生した音量レベルを測定する(S3)。このとき、測定部71は、マイク10及び振動検知器20からの電気信号に基づいて、音量レベルを測定する。
【0041】
そして、比較部73は、ステップS3において測定した音量レベルが、ステップS2において決定した最小の希望閾値を超えるか否かを判断する(S4)。ステップS3において測定した音量レベルが、ステップS2において決定した最小の希望閾値を超えないと判断した場合(S4:NO)、処理はステップS1に移行する。
【0042】
一方、ステップS3において測定した音量レベルが、ステップS2において決定した最小の希望閾値を超えると判断した場合(S4:YES)、特定部74は、音量の出力源である音源の特定処理を実行する(S5)。この特定処理では、表示部30やコンポ40から送信される電源オン時における音量の情報に基づいて、音源が特定される。
【0043】
その後、特定部74は、音源が特定できたか否かを判断する(S6)。例えば、表示部30やコンポ40以外の、騒音検知システム1に組み込まれていない機器から、音量が発生している場合など、特定部74は音源を特定できないと判断し(S6:NO)、処理はステップS8に移行する。
【0044】
一方、表示部30やコンポ40から大音量が発生している場合など、特定部74は音源を特定できたと判断する(S6:YES)。そして、音量制御部75は、特定された音源のボリュームを低下させ、音量レベルを最小の希望閾値以下とする(S7)。その後、表示部30は、騒音により隣人に迷惑を掛けている旨の報知を行う(S8)。そして、図6に示す処理は終了する。なお、表示部30は、報知を行うにあたり、ステップS7のボリュームダウンが実行されている場合、その旨を表示してもよい。
【0045】
図7は、本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【0046】
まず、棟制御装置70はシステム自体がオフとなったか否かを判断する(S11)。システム自体がオフとなったと判断した場合(S11:YES)、図7に示す処理は終了する。システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S11:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の変更操作があったか否かを判断する(S12)。
【0047】
希望閾値の変更操作がなかったと判断した場合(S12:NO)、処理はステップS11に移行する。一方、希望閾値の変更操作があったと判断した場合(S12:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値を変更して記憶する(S13)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0048】
このようにして、本実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法によれば、第2居住空間A〜D毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、第1居住空間Xにて測定された音量レベルとを比較し、測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間X内の居住者に対して報知を行う。これにより、騒音を出し過ぎている場合には注意喚起されることとなり、騒音抑制につなげることができる。さらに、第2居住空間A〜Dにおける希望閾値を可変に設定することができるため、騒音を非常に気にする居住者や騒音をさほど気にしない居住者などに対して、希望閾値の適正化を図ることができる。従って、報知の最適化を図ることができる。
【0049】
また、第2居住空間A〜D毎の居住者の行動に応じて複数の希望閾値のうち対応する1つを選択し、選択した希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定された音量レベルとを比較する。ここで、例えば隣人が就寝中である場合と音楽鑑賞中である場合とでは、騒音を気にする度合いが変わってくる。このため、就寝中であるか音楽鑑賞中であるかなどの行動に応じた希望閾値を複数設定し、選択された希望閾値のうち最小の希望閾値と測定された音量レベルと比較することで、報知の適切化を図ることができる。
【0050】
また、隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるため、騒音の原因が明らかに特定方向に隣接する第1居住空間の居住者によるものである場合など、他の隣接する第1居住空間の居住者の生活等を害することなく、報知について適切化を図ることができる。
【0051】
また、隣接する第1居住空間の音量レベルに基づいて、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間で測定される音量レベルと比較される希望閾値を変更させる。このため、隣接する第1居住空間のうち騒音の原因となる第1居住空間の方向が不明であっても、自動検索により指定され、他の隣接する第1居住空間の居住者の生活等を害することなく、報知について適切化を図ることができる。
【0052】
また、測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定し、特定した音源から出力される音量の音量レベルが最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行う。このため、居室空間X内の居住者が直接音量を制御する必要なく、隣人が騒音を気にならないように音量調整することができる。これにより、居住者と隣人との苦情発生を極端に抑えることができる。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法は、第1実施形態のものと同様であるが、構成を及び処理内容が第1実施形態のものと異なっている。以下、相違点について説明する。
【0054】
図8は、第2実施形態に係る棟制御装置70の詳細を示す機能ブロック図である。図8に示すように、棟制御装置70は、新たに行動検出部(行動検出手段)76を備えている。
【0055】
行動検出部76は、第1居住空間に隣接する第2居住空間の居住者の行動を検出するものである。この行動検出部76は、表示部30からの電源オン情報及び音量情報、コンポ40からの電源オン情報及び音量情報、並びに、重量センサ50からの重量情報から、居住者が「休憩中」「就寝中」「映画テレビ鑑賞中」「音楽鑑賞中」などのいずれの行動をとっているかを検出する。また、本実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、外出時にその旨を設定可能となっている。このため、行動検出部76は、ホーム情報ブレーカ60からの信号により「外出中」についても検出可能となっている。
【0056】
また、第2実施形態において記憶部72は、第2居住空間における居住者の行動に応じて希望閾値を記憶している。ここで、図9を参照して、第2居住空間A〜Dの居住者の行動に応じた希望閾値を説明する。図9は、第2居住空間A〜Dの居住者の行動に応じた希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【0057】
図9(a)に示すように、第2居住空間Aの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は21dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は11dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は31dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は41dBに設定されている。
【0058】
図9(b)に示すように、第2居住空間Bの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は22dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は12dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は32dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は42dBに設定されている。
【0059】
図9(c)に示すように、第2居住空間Cの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は23dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は13dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は33dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は43dBに設定されている。
【0060】
図9(d)に示すように、第2居住空間Dの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は24dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は14dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は34dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は44dBに設定されている。
【0061】
また、第2実施形態において比較部73は、記憶部72を参照して、行動検出部76により検出した第2居住空間毎の居住者の行動に対応付けられた希望閾値を選択する。
【0062】
図10は、図8に示した比較部73により選択される希望閾値を示す図である。例えば第2居住空間Aにおいて行動検出部76により検出された行動が「就寝中」である場合、比較部73は、第2居住空間Aについて、11dBの希望閾値を選択する。同様に、比較部73は、第2居住空間Bにおいて行動検出部76により検出された行動が「休憩中」である場合、22dBの希望閾値を選択する。また、比較部73は、第2居住空間Cにおいて行動検出部76により検出された行動が「休憩中」である場合、23dBの希望閾値を選択する。さらに、比較部73は、第2居住空間Dにおいて行動検出部76により検出された行動が「映画テレビ鑑賞中」である場合、34dBの希望閾値を選択する。
【0063】
特に本実施形態の場合、第1居住空間が4つの第2居住空間と隣接するため、選択された閾値のうち、最小の閾値をさらに選択する。
【0064】
再度、比較部73を説明する。比較部73は、選択した第2居住空間A〜D毎の希望閾値のうち、最小の希望閾値と測定部71により測定された音量レベルとを比較する。すなわち、図5に示す例において最小の希望閾値は11dBである。このため、比較部73は、11dBの希望閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較することとなる。なお、第1居住空間が1つの第2居住空間のみと隣接する場合、第2居住空間の居住者の行動に応じて選択された閾値がそのまま最小の閾値となり、測定部71により測定された音量レベルと比較されることとなる。
【0065】
また、比較部73は、測定部71により測定された音量レベルが最小の希望閾値(上記では11dB)を超えると判断した場合、その旨の信号を出力する。これにより、表示部30は、騒音が高いことを示す報知を第1居住空間X内の居住者に対して行うこととなる。
【0066】
さらに、第2実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者の行動に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。図11は、第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【0067】
図11に示すように、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に対して「就寝中」を入力して希望閾値を下げる操作を行ったとする。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70の記憶部72に対して信号を送信する。そして、記憶部72は、希望閾値を更新することとなる。これにより、例えば図11に示すように、第2居住空間Aにおける「就寝中」の希望閾値が「2」低くなる。
【0068】
このため、第2居住空間Aの居住者が「就寝中」である場合に、第1居住空間Xで9dB以上の騒音が発生すると、第1居住空間Xにおいて報知が行われる。なお、他の第2居住空間B〜Dについても同様に、居住者はホーム情報ブレーカ60を操作することにより、行動に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。
【0069】
また、図11に示す例では、「就寝中」における希望閾値のみが低下しているが、これに限らず、「休憩中」、「映画テレビ鑑賞中」、「音楽鑑賞中」及び「デフォルト」についても同時的に低下するようになっていてもよい。また、図7に示す例では、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に「就寝中」を入力して指定することにより行動検出部76により「就寝中」が検出されているが、これに限らず、行動検出部76により自動的に「就寝中」が検出されてもよい。
【0070】
さらに、ホーム情報ブレーカ60は、行動検出部76によって手動的に行動を検出するか、行動検出部76によって自動的に行動を検出するかを選択可能なスイッチ等を備えていてもよい。
【0071】
加えて、ホーム情報ブレーカ60は、第1実施形態と同様に、第2居住空間に対して隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるようになっていてもよいし、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間のみについて希望閾値を変更するようになっていてもよい。
【0072】
次に、第2実施形態に係る騒音検知方法について説明する。図12は、第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。なお、図12において図6と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
図12に示すように、システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S1:NO)、行動検出部76は、第2居住空間の居住者の行動を検出する(S21)。このとき、行動検出部76は、表示部30からの電源オン情報及び音量情報、コンポ40からの電源オン情報及び音量情報、並びに、重量センサ50からの重量情報などから、第2居住空間の居住者の行動を検出する。
【0074】
次いで、比較部73は、ステップS21で検出された第2居住空間の居住者の行動から、第2居住空間毎に対応する希望閾値を選択する(S22)。そして、比較部73は、ステップS22において選択された希望閾値のうち、最小の希望閾値を決定する(S2)。その後、図12に示す処理は図6に示したステップS3〜S8の処理と同様にして実行される。
【0075】
図13は、第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。なお、図13において図7と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0076】
図13に示すように、希望閾値の変更操作があったと判断した場合(S12:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者について行動検出が自動となっているか否かを判断する(S31)。自動となっていると判断した場合(S31:YES)、行動検出部76は、行動検出できたか否かを判断する(S32)。行動検出できたと判断した場合(S32:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、検出された行動に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された行動に対応する希望閾値を変更して記憶する(S33)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0077】
行動検出できなかったと判断した場合(S32:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S34)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0078】
自動となっていないと判断した場合(S31:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、行動が入力されたか否かを判断する(S35)。行動が入力されたと判断した場合(S35:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、入力された行動に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された行動に対応する希望閾値を変更して記憶する(S36)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0079】
行動が入力されなかったと判断した場合(S35:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S36)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0080】
このようにして、第2実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】
さらに、第2実施形態によれば、第2居住空間A〜D毎の居住者の行動に応じた希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定された音量レベルとを比較する。ここで、例えば隣人が就寝中である場合と音楽鑑賞中である場合とでは、騒音を気にする度合いが変わってくる。このため、就寝中であるか音楽鑑賞中であるかなどの行動に応じた希望閾値のうち最小の希望閾値と測定された音量レベルと比較することで、報知の適切化を図ることができる。
【0082】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法は、第1実施形態のものと同様であるが、構成を及び処理内容が第1実施形態のものと異なっている。以下、相違点について説明する。
【0083】
図14は、第3実施形態に係る棟制御装置70の詳細を示す機能ブロック図である。図8に示すように、棟制御装置70は、新たに時刻検出部(時刻検出手段)77を備えている。時刻検出部77は時刻を検出するものである。また、記憶部72は、居住空間毎に、時刻に応じた希望閾値を記憶している。
【0084】
図15は、時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。なお、図15に示す例では第2居住空間Aのみを例に説明する。
【0085】
図15に示すように、閾値は「朝」「昼」「夜」「深夜」の4時刻に分けて設定されている。具体的には図15に示すように、時刻が「朝」である場合、閾値は16dBに設定され、時刻が「昼」である場合、閾値は31dBに設定されている。また、時刻が「夜」である場合、閾値は21dBに設定され、時刻が「深夜」である場合、閾値は11dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、閾値は41dBに設定されている。また、記憶部72は、図15のように設定された閾値を記憶することとなる。
【0086】
このように構成されるため、第2実施形態において比較部73は、時刻に応じて選択された閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較することとなる。そして、比較部73は、測定部71により測定された音量レベルが閾値を超えると判断した場合、その旨の信号を出力する。これにより、表示部30は、騒音が高いことを示す報知を第1居住空間X内の居住者に対して行うこととなる。
【0087】
なお、第3実施形態の場合、第1居住空間が4つの第2居住空間と隣接するため、選択された閾値のうち、最小の閾値をさらに選択することとなる。
【0088】
さらに、第3実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、時刻に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。図16は、第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【0089】
図16に示すように、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に対して「深夜」を入力して希望閾値を下げたとする。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70の記憶部72に対して信号を送信する。そして、記憶部72は、希望閾値を更新することとなる。これにより、例えば図16に示すように、第2居住空間Aにおける「深夜」の希望閾値が「2」低くなる。
【0090】
このため、深夜において第1居住空間Xで9dB以上の騒音が発生すると、第1居住空間Xにおいて報知が行われる。なお、他の第2居住空間B〜Dについても同様に、居住者はホーム情報ブレーカ60を操作することにより、時刻に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。
【0091】
また、図16に示す例では、「深夜」における希望閾値のみが低下しているが、これに限らず、「朝」、「昼」、「夜」及び「デフォルト」についても同時的に低下するようになっていてもよい。また、図16に示す例では、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に「深夜」を入力して指定することにより時刻検出部77により「深夜」が検出されているが、これに限らず、時刻検出部77が現在時刻に基づいて自動的に「深夜」を検出してもよい。
【0092】
さらに、ホーム情報ブレーカ60は、時刻検出部77によって手動的に時刻を検出するか、時刻検出部77によって自動的に時刻を検出するかを選択可能なスイッチ等を備えていてもよい。
【0093】
加えて、ホーム情報ブレーカ60は、第1実施形態と同様に、第2居住空間に対して隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるようになっていてもよいし、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間のみについて希望閾値を変更するようになっていてもよい。
【0094】
次に、第3実施形態に係る騒音検知方法について説明する。図17は、第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。なお、図17において図6と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0095】
図17に示すように、システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S1:NO)、時刻検出部77は、時刻を検出する(S41)。次いで、比較部73は、ステップS41で検出された時刻から、第2居住空間毎に対応する希望閾値を選択する(S42)。そして、比較部73は、ステップS42において選択された希望閾値のうち、最小の希望閾値を決定する(S2)。その後、図17に示す処理は図6に示したステップS3〜S8の処理と同様にして実行される。
【0096】
図18は、第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。なお、図18において図7と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0097】
図12に示すように、希望閾値の変更操作があったと判断した場合(S12:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者について時刻検出が自動となっているか否かを判断する(S51)。自動となっていると判断した場合(S51:YES)、時刻検出部77は、時刻検出できたか否かを判断する(S52)。時刻検出できたと判断した場合(S52:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、検出された時刻に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された時刻に対応する希望閾値を変更して記憶する(S53)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0098】
時刻検出できなかったと判断した場合(S52:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S54)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0099】
自動となっていないと判断した場合(S51:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、時刻が入力されたか否かを判断する(S55)。時刻が入力されたと判断した場合(S55:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、入力された時刻に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された時刻に対応する希望閾値を変更して記憶する(S56)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0100】
時刻が入力されなかったと判断した場合(S35:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S36)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0101】
このようにして、第3実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0102】
さらに、第3実施形態によれば、検出された時刻に対応付けられた第2居住区間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定された音量レベルとを比較する。ここで、例えば隣人は時刻に応じて、騒音を気にする度合いが変わってくる。このため、時刻に応じて希望閾値を選択することで、一層報知の適切化を図ることができる。
【0103】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。
【0104】
例えば、図19に示すように、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。図19は、行動及び時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。図19に示すように、第2居住空間Aの居住者の行動が「休憩中」である場合、時刻が朝、昼及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は15dBに設定され、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は10dBに設定されている。
【0105】
また、第2居住空間Aの居住者の行動が「就寝中」である場合、時刻が朝及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は10dBに設定され、時刻が夜の時間に該当するとき、希望閾値は7dBに設定されている。さらに、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は5dBに設定されている。
【0106】
また、第2居住空間Aの居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、時刻が朝、昼及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は∞dBに設定され、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は60dBに設定されている。
【0107】
さらに、「デフォルト」の場合、時刻が朝、昼及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は20dBに設定され、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は15dBに設定されている。なお、図6は第2居住空間Aについての希望閾値のみを示しているが、他の第2居住空間についても同様である。
【0108】
このように、記憶部72は、行動及び時刻に応じた希望閾値を記憶している。このため、比較部73は、検出された行動及び時刻に対応付けられた希望閾値を選択し、音量レベルと比較することとなる。これにより、より一層報知の適切化を図ることができる。
【0109】
また、上記実施形態において騒音検知システム1は、ネット環境設備も兼ねているが、これに限らず、騒音検知システム1が単独で用いられてもよい。
【0110】
また、各居住空間の希望閾値は、居住空間毎の躯体に関する躯体情報に基づいて自動設定されることが望ましい。ここで、躯体とは、壁の厚さ、壁の素材、鉄筋及び木造などの建物の構造に関するものである。居住空間にて発生した音量は、躯体の影響を受けて隣接する居住空間に騒音として伝わる。このため、希望閾値は躯体に応じて変化すべきである。よって、居住空間毎の躯体に関する躯体情報に基づいて希望閾値を自動設定することにより、マンションやホテル等の構造に応じた希望閾値を設定でき、一層報知の適切化を図ることができる。なお、躯体情報については、所定の装置から棟制御装置70の設定部73に情報送信することによって入力される。
【0111】
また、本実施形態において希望閾値は行動に応じて全て異なっているが、これに限らず「就寝中」など、1つだけ希望閾値が異なっていてもよい。また、各希望閾値は、メーカにより設定されてもよいし、集合住宅の管理人などにより設定されてもよい。さらに、希望閾値は、隣人に限らず、自己によって設定可能となっていてもよい。
【0112】
また、本実施形態において希望閾値は時刻に応じて、如何様に異なっていてもよい。例えば、「深夜」など、1つだけ希望閾値が異なっていてもよいし、全ての希望閾値が異なっていてもよい。さらに、本実施形態では、「朝」「昼」「夜」「深夜」の4つに分けられているが、これに限らず、「9時〜10時」など時間単位で分けられていてもよいし、分まで加味して分けられていてもよい。
【0113】
さらに、本実施形態において第2居住空間における希望閾値は、ホーム情報ブレーカ60を通じて、第2居住空間の居住者によって変更される。しかし、これに限らず、例えば第1居住空間Xの居住者によって変更されるようになっていてもよいし、管理人によって変更されるようになっていてもよい。
【0114】
さらに、上記実施形態において第1居住空間に隣接する第2居住空間は4つであるが、特にこれに限らず、1つ〜3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…騒音検知システム
10…マイク
20…振動検知器
30…表示部(報知手段)
40…コンポ
50…重量センサ
60…ホーム情報ブレーカ
70…棟制御装置
71…測定部(測定手段)
72…記憶部(記憶手段)
73…比較部(比較手段)
74…特定部(特定手段)
75…音量制御部(音量制御手段)
76…行動検出部(行動検出手段)
77…時刻検出部(時刻検出手段)
90…インターネット回線
100…センターサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音検知システム及び騒音検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内から隣室や上下の部屋に伝わる騒音を検出し、検出された騒音が閾値以上である場合に、報知を行う騒音検知システムが提案されている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−274562号公報
【特許文献2】特開2006−29859号公報
【特許文献3】特開2008−33397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来装置では、隣室や上下の部屋に騒音を非常に気にする人が居た場合には、報知が行われなくても苦情が発生する可能性がある。一方、騒音をさほど気にしない人がいた場合には、苦情が発生しないにも拘わらず室内の者は騒音を出さないように気にしなければならず、窮屈を強いられることとなる。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、報知の最適化を図ることが可能な騒音検知システム及び騒音検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の騒音検知システムは、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定手段と、第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられ、第1居住空間において音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定手段と、第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段と、記憶手段を参照して、第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較手段と、比較手段により、測定手段にて測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、第2居住空間の居住者の行動を検出する行動検出手段を備え、設定手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応した希望閾値を設定し、記憶手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応付けられた希望閾値を記憶し、比較手段は、記憶手段を参照して、行動検出手段により検出した第2居住空間毎の居住者の行動に対応付けられた希望閾値のうち最小の希望閾値と測定手段により測定された音量レベルとを比較することが好ましい。
【0008】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、時刻を検出する時刻検出手段を備え、設定手段は、時刻に応じた希望閾値を設定し、記憶手段は、時刻に対応付けられた希望閾値を記憶し、比較手段は、記憶手段を参照して、時刻検出手段により検出した時刻に対応付けられた第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と測定手段にて測定された音量レベルとを比較することが好ましい。
【0009】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、設定手段は、隣接する第1居住空間が複数ある場合は、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定することが好ましい。
【0010】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、設定手段は、隣接する第1居住空間の音量レベルに基づいて、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間で測定される音量レベルと比較される希望閾値を変更させることが好ましい。
【0011】
また、本発明の騒音検知システムにおいて、測定手段により測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定する特定手段と、特定手段により特定された音源から出力される音量の音量レベルが最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行う音量制御手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明の騒音検知方法は、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定工程と、第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられた設定手段により、第1居住空間において音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定工程と、第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段を参照して、第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較工程と、比較工程において、測定工程にて測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、報知の最適化を図ることが可能な騒音検知システム及び騒音検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る騒音検知システムを示す構成図である。
【図2】図1に示した棟制御装置の詳細を示す機能ブロック図である。
【図3】騒音検知システムが設置される集合住宅の一例を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)は隣接関係を示している。
【図4】第2居住空間A〜Dの希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【図5】第2居住空間Dの居住者にて設定される希望閾値を示す図である。
【図6】本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。
【図7】本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【図8】第2実施形態に係る棟制御装置の詳細を示す機能ブロック図である。
【図9】第2居住空間A〜Dの居住者の行動に応じた希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【図10】図8に示した比較部により選択される希望閾値を示す図である。
【図11】第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【図12】第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。
【図13】第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【図14】第3実施形態に係る棟制御装置の詳細を示す機能ブロック図である。
【図15】時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。
【図16】第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【図17】第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。
【図18】第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【図19】行動及び時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る騒音検知システムを示す構成図である。
【0016】
図1に示すように、騒音検知システム1は、集合住宅やホテルなどに設置されるものであって、自己の居住空間(第1居住空間)において発生する騒音が隣人に対してうるさく感じられると予測される場合に、自己に対して報知を行うものである。この騒音検知システム1は、マイク10、振動検知器20、表示部(報知手段)30、コンポ40、重量センサ50、ホーム情報ブレーカ(設定手段)60、及び棟制御装置70からなる。なお、本実施形態において騒音検知システム1は、ネット環境設備の機能も兼ねているため、インターネット回線90及びセンターサーバ100についても図示している。
【0017】
マイク10は、第1居住空間において発生した音量に応じた電気信号を出力するものであって、ホーム情報ブレーカ60を通じて音量に応じた電気信号を棟制御装置70に送信するものである。振動検知器20は、第1居住空間において生じた振動量に応じた電気信号を出力するものであって、ホーム情報ブレーカ60を通じて振動量に応じた電気信号を棟制御装置70に送信するものである。
【0018】
表示部30は、NetTVなど映像表示機器である。また、表示部30は、電源がオンされているか否かの情報、及び、電源オン時における音量の情報を、ホーム情報ブレーカ60を通じて棟制御装置70に送信する。コンポ40は、音楽等の再生機器である。また、コンポ40は、電源がオンされているか否かの情報、及び、電源オン時における音量の情報を、ホーム情報ブレーカ60を通じて棟制御装置70に送信する。
【0019】
重量センサ50は、寝室のベッドやリビングのソファーなどに設置され、居住者がベッドで寝ているときや、ソファーに座っているときに重量を検知して、その旨の情報を、ホーム情報ブレーカ60を通じて棟制御装置70に送信する。なお、以下において居住者とは、住宅において長期に居住する者に限らず、ホテルなどの一時的な滞在をする者も含む概念とする。
【0020】
ホーム情報ブレーカ60は、インターネット回線90側からの送信される不要な情報を遮断する遮断装置として機能するものである。また、本実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70とマイク10等とを中継する中継機器としても機能する。
【0021】
図2は、図1に示した棟制御装置70の詳細を示す機能ブロック図である。図3は、騒音検知システム1が設置される集合住宅の一例を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)は隣接関係を示している。
【0022】
図2に示すように、棟制御装置70は、測定部(測定手段)71、記憶部(記憶手段)72、及び比較部(比較手段)73を備えている。
【0023】
測定部71は、マイク10からの電気信号、及び、振動検知器20からの電気信号に基づいて、第1居住空間において発生する音量レベルを測定するものである。また、測定部71は、第1居住空間に設置されるマイク10及び振動検知器20からの電気信号に基づいて、第1居住空間において発生する音量レベルを測定する。
【0024】
記憶部72は、第1居住空間に隣接する第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶するものである。この希望閾値は第2居住空間毎に設定され記憶されているが、実際には、図3(a)に示すように各階5部屋の10階建ての集合住宅に、本実施形態に係る騒音検知システム1が適用されている場合、希望閾値は、50部屋×10階の50の居住空間それぞれについて設定されている。すなわち、図3(b)に示すように、自己の居住空間(第1居住空間X)と隣接する居住空間A〜Dは第2居住空間となるが、その第2居住空間A〜Dからすると、自己の居住空間Xは第2居住空間であるといえるからである。
【0025】
ここで、希望閾値についてさらに説明する。図4は、第2居住空間A〜Dの希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【0026】
図4に示すように、自己の居住空間を居住空間Xとした場合、これと隣接する第2居住空間A〜Dにおいて希望閾値は以下のようになる。すなわち、図4(a)に示すように第2居住空間Aにおいて希望閾値は21dBに設定されている。また、図4(b)〜(d)に示すように、第2居住空間Bにおいて希望閾値は19dBに設定され、第2居住空間Cにおいて希望閾値は23dBに設定され、第2居住空間Dにおいて希望閾値は18dBに設定されている。記憶部72は、上記のように設定される希望閾値を記憶することとなる。
【0027】
比較部73は、記憶部72を参照して、測定部71により測定された第1居住空間において発生した音量レベルと、第2居住空間に設定される希望閾値とを比較するものである。すなわち、図3(b)に示すように、比較部73は、第1居住空間が居住空間Xである場合、第1居住空間Xにて発生した音量レベルと、第1居住空間Xと上下左右に隣接する第2居住空間A〜Dに設定される希望閾値とを比較する。
【0028】
この比較部73は、比較に先立って、最小の希望閾値を選択する。すなわち、比較部73は、図4に示すような第2居住空間A〜D毎の希望閾値のうち、最小の希望閾値を選択する。このとき、最小の希望閾値は第2居住空間Dの希望閾値である。このため、比較部73は、第2居住空間Dの18dBを最小の希望閾値として選択する。なお、第1居住空間が1つの第2居住空間のみと隣接する場合、隣接する第2居住空間の希望閾値がそのまま最小の閾値となる。
【0029】
また、比較部73は、最小の希望閾値を選択すると、選択した最小の希望閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較する。すなわち、図4に示す例において、比較部73は、18dBの希望閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較することとなる。
【0030】
また、比較部73は、測定部71により測定された音量レベルが最小の希望閾値(上記では18dB)を超えると判断した場合、その旨の信号を出力する。これにより、表示部30は、騒音が高いことを示す報知を第1居住空間X内の居住者に対して行うこととなる。
【0031】
さらに、本実施形態に係る棟制御装置70は、特定部(特定手段)74と、音量制御部(音量制御手段)75とを備えている。特定部74は、測定部71により測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定するものである。具体的に特定部74は、表示部30やコンポ40から送信される電源オン時における音量の情報に基づいて、音量の出力源である音源を特定する。
【0032】
音量制御部75は、特定部74により特定された音源から出力される音量の音量レベルが、最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行うものである。これにより、居住者が直接音量を制御する必要なく、隣人が騒音を気にならないように音量を調整することができる。
【0033】
再度、図1を参照する。本実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者による要求に応じて、記憶部72により記憶された第2居住空間における希望閾値を変更する変更機能を備えている。すなわち、ホーム情報ブレーカ60は、第1居住空間における音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定することができる設定手段として機能することとなる。具体的にホーム情報ブレーカ60は、操作部を有し、第2居住空間の居住者が操作部に対して操作を行うことで、第2居住空間における希望閾値を変更することができる。これにより、第1居住空間Xにおける報知の適正化を図ることができる。
【0034】
図5は、第2居住空間Dの居住者にて設定される希望閾値を示す図である。図5に示すように、第2居住空間Dの居住者がホーム情報ブレーカ60を操作して希望閾値を下げたとする。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70の記憶部72に対して信号を送信する。そして、記憶部72は、希望閾値を更新することとなる。これにより、例えば図5に示すように、第2居住空間Dにおける希望閾値が「2」低くなる。
【0035】
このため、第1居住空間Xで16dB以上の騒音が発生すると、第1居住空間Xにおいて報知が行われる。なお、他の第2居住空間A〜Cについても同様に、居住者はホーム情報ブレーカ60を操作することにより、希望閾値を変更可能となっている。
【0036】
さらに、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間に対して隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるようになっていてもよい。この場合、例えば第2居住空間Dの居住者は、ホーム情報ブレーカ60を操作して、上下左右のいずれかを選択したうえで、希望閾値を下げる操作を行うこととなる。一例を挙げると、第2居住空間Dの居住者が下側に隣接する第1居住空間のみを指定して、希望閾値を変更する操作を行ったとする。この場合、第2居住空間Dの下側に隣接する第1居住空間のみに対してだけ希望閾値が変更され、第1居住空間Xを含む他方向に隣接する第1居住空間に対しては、希望閾値が変更されないこととなる。
【0037】
なお、上記では居住者が希望閾値を変更する第1居住空間を指定しているが、これに限らず、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間のみについて希望閾値を変更するようになっていてもよい。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間Dの居住者が希望閾値を変更する操作を行ったときに、棟制御装置70から第2居住空間Dに隣接する第1居住空間(居住空間Xを含む)における音量レベルの情報を取得する。そして、ホーム情報ブレーカ60は、取得した音量レベルに基づいて希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索する。このとき、ホーム情報ブレーカ60は、音量レベルが最も高かった第1居住空間を指定してもよいし、希望閾値に最も近かった第1居住空間を指定してもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係る騒音検知方法について説明する。図6は、本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。まず、棟制御装置70はシステム自体がオフとなったか否かを判断する(S1)。システム自体がオフとなったと判断した場合(S1:YES)、図6に示す処理は終了する。
【0039】
システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S1:NO)、比較部73は、第2居住空間の希望閾値のうち、最小の希望閾値を決定する(S2)。
【0040】
次に、測定部71は、第1居住空間において発生した音量レベルを測定する(S3)。このとき、測定部71は、マイク10及び振動検知器20からの電気信号に基づいて、音量レベルを測定する。
【0041】
そして、比較部73は、ステップS3において測定した音量レベルが、ステップS2において決定した最小の希望閾値を超えるか否かを判断する(S4)。ステップS3において測定した音量レベルが、ステップS2において決定した最小の希望閾値を超えないと判断した場合(S4:NO)、処理はステップS1に移行する。
【0042】
一方、ステップS3において測定した音量レベルが、ステップS2において決定した最小の希望閾値を超えると判断した場合(S4:YES)、特定部74は、音量の出力源である音源の特定処理を実行する(S5)。この特定処理では、表示部30やコンポ40から送信される電源オン時における音量の情報に基づいて、音源が特定される。
【0043】
その後、特定部74は、音源が特定できたか否かを判断する(S6)。例えば、表示部30やコンポ40以外の、騒音検知システム1に組み込まれていない機器から、音量が発生している場合など、特定部74は音源を特定できないと判断し(S6:NO)、処理はステップS8に移行する。
【0044】
一方、表示部30やコンポ40から大音量が発生している場合など、特定部74は音源を特定できたと判断する(S6:YES)。そして、音量制御部75は、特定された音源のボリュームを低下させ、音量レベルを最小の希望閾値以下とする(S7)。その後、表示部30は、騒音により隣人に迷惑を掛けている旨の報知を行う(S8)。そして、図6に示す処理は終了する。なお、表示部30は、報知を行うにあたり、ステップS7のボリュームダウンが実行されている場合、その旨を表示してもよい。
【0045】
図7は、本実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。
【0046】
まず、棟制御装置70はシステム自体がオフとなったか否かを判断する(S11)。システム自体がオフとなったと判断した場合(S11:YES)、図7に示す処理は終了する。システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S11:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の変更操作があったか否かを判断する(S12)。
【0047】
希望閾値の変更操作がなかったと判断した場合(S12:NO)、処理はステップS11に移行する。一方、希望閾値の変更操作があったと判断した場合(S12:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値を変更して記憶する(S13)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0048】
このようにして、本実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法によれば、第2居住空間A〜D毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、第1居住空間Xにて測定された音量レベルとを比較し、測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間X内の居住者に対して報知を行う。これにより、騒音を出し過ぎている場合には注意喚起されることとなり、騒音抑制につなげることができる。さらに、第2居住空間A〜Dにおける希望閾値を可変に設定することができるため、騒音を非常に気にする居住者や騒音をさほど気にしない居住者などに対して、希望閾値の適正化を図ることができる。従って、報知の最適化を図ることができる。
【0049】
また、第2居住空間A〜D毎の居住者の行動に応じて複数の希望閾値のうち対応する1つを選択し、選択した希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定された音量レベルとを比較する。ここで、例えば隣人が就寝中である場合と音楽鑑賞中である場合とでは、騒音を気にする度合いが変わってくる。このため、就寝中であるか音楽鑑賞中であるかなどの行動に応じた希望閾値を複数設定し、選択された希望閾値のうち最小の希望閾値と測定された音量レベルと比較することで、報知の適切化を図ることができる。
【0050】
また、隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるため、騒音の原因が明らかに特定方向に隣接する第1居住空間の居住者によるものである場合など、他の隣接する第1居住空間の居住者の生活等を害することなく、報知について適切化を図ることができる。
【0051】
また、隣接する第1居住空間の音量レベルに基づいて、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間で測定される音量レベルと比較される希望閾値を変更させる。このため、隣接する第1居住空間のうち騒音の原因となる第1居住空間の方向が不明であっても、自動検索により指定され、他の隣接する第1居住空間の居住者の生活等を害することなく、報知について適切化を図ることができる。
【0052】
また、測定された音量レベルが最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定し、特定した音源から出力される音量の音量レベルが最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行う。このため、居室空間X内の居住者が直接音量を制御する必要なく、隣人が騒音を気にならないように音量調整することができる。これにより、居住者と隣人との苦情発生を極端に抑えることができる。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法は、第1実施形態のものと同様であるが、構成を及び処理内容が第1実施形態のものと異なっている。以下、相違点について説明する。
【0054】
図8は、第2実施形態に係る棟制御装置70の詳細を示す機能ブロック図である。図8に示すように、棟制御装置70は、新たに行動検出部(行動検出手段)76を備えている。
【0055】
行動検出部76は、第1居住空間に隣接する第2居住空間の居住者の行動を検出するものである。この行動検出部76は、表示部30からの電源オン情報及び音量情報、コンポ40からの電源オン情報及び音量情報、並びに、重量センサ50からの重量情報から、居住者が「休憩中」「就寝中」「映画テレビ鑑賞中」「音楽鑑賞中」などのいずれの行動をとっているかを検出する。また、本実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、外出時にその旨を設定可能となっている。このため、行動検出部76は、ホーム情報ブレーカ60からの信号により「外出中」についても検出可能となっている。
【0056】
また、第2実施形態において記憶部72は、第2居住空間における居住者の行動に応じて希望閾値を記憶している。ここで、図9を参照して、第2居住空間A〜Dの居住者の行動に応じた希望閾値を説明する。図9は、第2居住空間A〜Dの居住者の行動に応じた希望閾値を示す図であって、(a)は第2居住空間Aの希望閾値を示し、(b)は第2居住空間Bの希望閾値を示し、(c)は第2居住空間Cの希望閾値を示し、(d)は第2居住空間Dの希望閾値を示している。
【0057】
図9(a)に示すように、第2居住空間Aの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は21dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は11dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は31dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は41dBに設定されている。
【0058】
図9(b)に示すように、第2居住空間Bの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は22dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は12dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は32dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は42dBに設定されている。
【0059】
図9(c)に示すように、第2居住空間Cの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は23dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は13dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は33dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は43dBに設定されている。
【0060】
図9(d)に示すように、第2居住空間Dの居住者の行動が「休憩中」である場合、希望閾値は24dBに設定され、居住者の行動が「就寝中」である場合、希望閾値は14dBに設定されている。また、居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、希望閾値は34dBに設定され、居住者の行動が「外出中」である場合、希望閾値は∞dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、希望閾値は44dBに設定されている。
【0061】
また、第2実施形態において比較部73は、記憶部72を参照して、行動検出部76により検出した第2居住空間毎の居住者の行動に対応付けられた希望閾値を選択する。
【0062】
図10は、図8に示した比較部73により選択される希望閾値を示す図である。例えば第2居住空間Aにおいて行動検出部76により検出された行動が「就寝中」である場合、比較部73は、第2居住空間Aについて、11dBの希望閾値を選択する。同様に、比較部73は、第2居住空間Bにおいて行動検出部76により検出された行動が「休憩中」である場合、22dBの希望閾値を選択する。また、比較部73は、第2居住空間Cにおいて行動検出部76により検出された行動が「休憩中」である場合、23dBの希望閾値を選択する。さらに、比較部73は、第2居住空間Dにおいて行動検出部76により検出された行動が「映画テレビ鑑賞中」である場合、34dBの希望閾値を選択する。
【0063】
特に本実施形態の場合、第1居住空間が4つの第2居住空間と隣接するため、選択された閾値のうち、最小の閾値をさらに選択する。
【0064】
再度、比較部73を説明する。比較部73は、選択した第2居住空間A〜D毎の希望閾値のうち、最小の希望閾値と測定部71により測定された音量レベルとを比較する。すなわち、図5に示す例において最小の希望閾値は11dBである。このため、比較部73は、11dBの希望閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較することとなる。なお、第1居住空間が1つの第2居住空間のみと隣接する場合、第2居住空間の居住者の行動に応じて選択された閾値がそのまま最小の閾値となり、測定部71により測定された音量レベルと比較されることとなる。
【0065】
また、比較部73は、測定部71により測定された音量レベルが最小の希望閾値(上記では11dB)を超えると判断した場合、その旨の信号を出力する。これにより、表示部30は、騒音が高いことを示す報知を第1居住空間X内の居住者に対して行うこととなる。
【0066】
さらに、第2実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者の行動に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。図11は、第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【0067】
図11に示すように、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に対して「就寝中」を入力して希望閾値を下げる操作を行ったとする。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70の記憶部72に対して信号を送信する。そして、記憶部72は、希望閾値を更新することとなる。これにより、例えば図11に示すように、第2居住空間Aにおける「就寝中」の希望閾値が「2」低くなる。
【0068】
このため、第2居住空間Aの居住者が「就寝中」である場合に、第1居住空間Xで9dB以上の騒音が発生すると、第1居住空間Xにおいて報知が行われる。なお、他の第2居住空間B〜Dについても同様に、居住者はホーム情報ブレーカ60を操作することにより、行動に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。
【0069】
また、図11に示す例では、「就寝中」における希望閾値のみが低下しているが、これに限らず、「休憩中」、「映画テレビ鑑賞中」、「音楽鑑賞中」及び「デフォルト」についても同時的に低下するようになっていてもよい。また、図7に示す例では、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に「就寝中」を入力して指定することにより行動検出部76により「就寝中」が検出されているが、これに限らず、行動検出部76により自動的に「就寝中」が検出されてもよい。
【0070】
さらに、ホーム情報ブレーカ60は、行動検出部76によって手動的に行動を検出するか、行動検出部76によって自動的に行動を検出するかを選択可能なスイッチ等を備えていてもよい。
【0071】
加えて、ホーム情報ブレーカ60は、第1実施形態と同様に、第2居住空間に対して隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるようになっていてもよいし、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間のみについて希望閾値を変更するようになっていてもよい。
【0072】
次に、第2実施形態に係る騒音検知方法について説明する。図12は、第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。なお、図12において図6と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
図12に示すように、システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S1:NO)、行動検出部76は、第2居住空間の居住者の行動を検出する(S21)。このとき、行動検出部76は、表示部30からの電源オン情報及び音量情報、コンポ40からの電源オン情報及び音量情報、並びに、重量センサ50からの重量情報などから、第2居住空間の居住者の行動を検出する。
【0074】
次いで、比較部73は、ステップS21で検出された第2居住空間の居住者の行動から、第2居住空間毎に対応する希望閾値を選択する(S22)。そして、比較部73は、ステップS22において選択された希望閾値のうち、最小の希望閾値を決定する(S2)。その後、図12に示す処理は図6に示したステップS3〜S8の処理と同様にして実行される。
【0075】
図13は、第2実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。なお、図13において図7と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0076】
図13に示すように、希望閾値の変更操作があったと判断した場合(S12:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者について行動検出が自動となっているか否かを判断する(S31)。自動となっていると判断した場合(S31:YES)、行動検出部76は、行動検出できたか否かを判断する(S32)。行動検出できたと判断した場合(S32:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、検出された行動に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された行動に対応する希望閾値を変更して記憶する(S33)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0077】
行動検出できなかったと判断した場合(S32:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S34)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0078】
自動となっていないと判断した場合(S31:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、行動が入力されたか否かを判断する(S35)。行動が入力されたと判断した場合(S35:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、入力された行動に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された行動に対応する希望閾値を変更して記憶する(S36)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0079】
行動が入力されなかったと判断した場合(S35:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S36)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0080】
このようにして、第2実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】
さらに、第2実施形態によれば、第2居住空間A〜D毎の居住者の行動に応じた希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定された音量レベルとを比較する。ここで、例えば隣人が就寝中である場合と音楽鑑賞中である場合とでは、騒音を気にする度合いが変わってくる。このため、就寝中であるか音楽鑑賞中であるかなどの行動に応じた希望閾値のうち最小の希望閾値と測定された音量レベルと比較することで、報知の適切化を図ることができる。
【0082】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法は、第1実施形態のものと同様であるが、構成を及び処理内容が第1実施形態のものと異なっている。以下、相違点について説明する。
【0083】
図14は、第3実施形態に係る棟制御装置70の詳細を示す機能ブロック図である。図8に示すように、棟制御装置70は、新たに時刻検出部(時刻検出手段)77を備えている。時刻検出部77は時刻を検出するものである。また、記憶部72は、居住空間毎に、時刻に応じた希望閾値を記憶している。
【0084】
図15は、時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。なお、図15に示す例では第2居住空間Aのみを例に説明する。
【0085】
図15に示すように、閾値は「朝」「昼」「夜」「深夜」の4時刻に分けて設定されている。具体的には図15に示すように、時刻が「朝」である場合、閾値は16dBに設定され、時刻が「昼」である場合、閾値は31dBに設定されている。また、時刻が「夜」である場合、閾値は21dBに設定され、時刻が「深夜」である場合、閾値は11dBに設定されている。さらに、「デフォルト」の場合、閾値は41dBに設定されている。また、記憶部72は、図15のように設定された閾値を記憶することとなる。
【0086】
このように構成されるため、第2実施形態において比較部73は、時刻に応じて選択された閾値と、測定部71により測定された音量レベルとを比較することとなる。そして、比較部73は、測定部71により測定された音量レベルが閾値を超えると判断した場合、その旨の信号を出力する。これにより、表示部30は、騒音が高いことを示す報知を第1居住空間X内の居住者に対して行うこととなる。
【0087】
なお、第3実施形態の場合、第1居住空間が4つの第2居住空間と隣接するため、選択された閾値のうち、最小の閾値をさらに選択することとなる。
【0088】
さらに、第3実施形態においてホーム情報ブレーカ60は、時刻に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。図16は、第2居住空間Aの居住者の行動に応じて、第2居住空間Aにて設定される希望閾値を示す図である。
【0089】
図16に示すように、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に対して「深夜」を入力して希望閾値を下げたとする。この場合、ホーム情報ブレーカ60は、棟制御装置70の記憶部72に対して信号を送信する。そして、記憶部72は、希望閾値を更新することとなる。これにより、例えば図16に示すように、第2居住空間Aにおける「深夜」の希望閾値が「2」低くなる。
【0090】
このため、深夜において第1居住空間Xで9dB以上の騒音が発生すると、第1居住空間Xにおいて報知が行われる。なお、他の第2居住空間B〜Dについても同様に、居住者はホーム情報ブレーカ60を操作することにより、時刻に応じて記憶部72に記憶される希望閾値を変更可能となっている。
【0091】
また、図16に示す例では、「深夜」における希望閾値のみが低下しているが、これに限らず、「朝」、「昼」、「夜」及び「デフォルト」についても同時的に低下するようになっていてもよい。また、図16に示す例では、第2居住空間Aの居住者がホーム情報ブレーカ60に「深夜」を入力して指定することにより時刻検出部77により「深夜」が検出されているが、これに限らず、時刻検出部77が現在時刻に基づいて自動的に「深夜」を検出してもよい。
【0092】
さらに、ホーム情報ブレーカ60は、時刻検出部77によって手動的に時刻を検出するか、時刻検出部77によって自動的に時刻を検出するかを選択可能なスイッチ等を備えていてもよい。
【0093】
加えて、ホーム情報ブレーカ60は、第1実施形態と同様に、第2居住空間に対して隣接する第1居住空間が複数ある場合、隣接する第1居住空間の方向を指定して希望閾値を設定できるようになっていてもよいし、希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間のみについて希望閾値を変更するようになっていてもよい。
【0094】
次に、第3実施形態に係る騒音検知方法について説明する。図17は、第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第1居住空間による騒音によって報知が行われる場合の処理を示している。なお、図17において図6と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0095】
図17に示すように、システム自体がオフとなっていないと判断した場合(S1:NO)、時刻検出部77は、時刻を検出する(S41)。次いで、比較部73は、ステップS41で検出された時刻から、第2居住空間毎に対応する希望閾値を選択する(S42)。そして、比較部73は、ステップS42において選択された希望閾値のうち、最小の希望閾値を決定する(S2)。その後、図17に示す処理は図6に示したステップS3〜S8の処理と同様にして実行される。
【0096】
図18は、第3実施形態に係る騒音検知方法を示すフローチャートであって、第2居住空間の希望閾値を変更する場合の処理を示している。なお、図18において図7と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0097】
図12に示すように、希望閾値の変更操作があったと判断した場合(S12:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、第2居住空間の居住者について時刻検出が自動となっているか否かを判断する(S51)。自動となっていると判断した場合(S51:YES)、時刻検出部77は、時刻検出できたか否かを判断する(S52)。時刻検出できたと判断した場合(S52:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、検出された時刻に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された時刻に対応する希望閾値を変更して記憶する(S53)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0098】
時刻検出できなかったと判断した場合(S52:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S54)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0099】
自動となっていないと判断した場合(S51:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、時刻が入力されたか否かを判断する(S55)。時刻が入力されたと判断した場合(S55:YES)、ホーム情報ブレーカ60は、入力された時刻に基づき、希望閾値を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、検出された時刻に対応する希望閾値を変更して記憶する(S56)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0100】
時刻が入力されなかったと判断した場合(S35:NO)、ホーム情報ブレーカ60は、希望閾値の全体を変更する旨の信号を送信する。これにより、記憶部72は、希望閾値の全体を変更して記憶する(S36)。その後、処理はステップS11に移行する。
【0101】
このようにして、第3実施形態に係る騒音検知システム1及び騒音検知方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0102】
さらに、第3実施形態によれば、検出された時刻に対応付けられた第2居住区間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と、測定された音量レベルとを比較する。ここで、例えば隣人は時刻に応じて、騒音を気にする度合いが変わってくる。このため、時刻に応じて希望閾値を選択することで、一層報知の適切化を図ることができる。
【0103】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。
【0104】
例えば、図19に示すように、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。図19は、行動及び時刻に応じた第2居住空間Aの希望閾値を示す図である。図19に示すように、第2居住空間Aの居住者の行動が「休憩中」である場合、時刻が朝、昼及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は15dBに設定され、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は10dBに設定されている。
【0105】
また、第2居住空間Aの居住者の行動が「就寝中」である場合、時刻が朝及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は10dBに設定され、時刻が夜の時間に該当するとき、希望閾値は7dBに設定されている。さらに、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は5dBに設定されている。
【0106】
また、第2居住空間Aの居住者の行動が「映画テレビ鑑賞中」及び「音楽鑑賞中」である場合、時刻が朝、昼及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は∞dBに設定され、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は60dBに設定されている。
【0107】
さらに、「デフォルト」の場合、時刻が朝、昼及び夜の時間に該当するとき、希望閾値は20dBに設定され、時刻が深夜の時間に該当するとき、希望閾値は15dBに設定されている。なお、図6は第2居住空間Aについての希望閾値のみを示しているが、他の第2居住空間についても同様である。
【0108】
このように、記憶部72は、行動及び時刻に応じた希望閾値を記憶している。このため、比較部73は、検出された行動及び時刻に対応付けられた希望閾値を選択し、音量レベルと比較することとなる。これにより、より一層報知の適切化を図ることができる。
【0109】
また、上記実施形態において騒音検知システム1は、ネット環境設備も兼ねているが、これに限らず、騒音検知システム1が単独で用いられてもよい。
【0110】
また、各居住空間の希望閾値は、居住空間毎の躯体に関する躯体情報に基づいて自動設定されることが望ましい。ここで、躯体とは、壁の厚さ、壁の素材、鉄筋及び木造などの建物の構造に関するものである。居住空間にて発生した音量は、躯体の影響を受けて隣接する居住空間に騒音として伝わる。このため、希望閾値は躯体に応じて変化すべきである。よって、居住空間毎の躯体に関する躯体情報に基づいて希望閾値を自動設定することにより、マンションやホテル等の構造に応じた希望閾値を設定でき、一層報知の適切化を図ることができる。なお、躯体情報については、所定の装置から棟制御装置70の設定部73に情報送信することによって入力される。
【0111】
また、本実施形態において希望閾値は行動に応じて全て異なっているが、これに限らず「就寝中」など、1つだけ希望閾値が異なっていてもよい。また、各希望閾値は、メーカにより設定されてもよいし、集合住宅の管理人などにより設定されてもよい。さらに、希望閾値は、隣人に限らず、自己によって設定可能となっていてもよい。
【0112】
また、本実施形態において希望閾値は時刻に応じて、如何様に異なっていてもよい。例えば、「深夜」など、1つだけ希望閾値が異なっていてもよいし、全ての希望閾値が異なっていてもよい。さらに、本実施形態では、「朝」「昼」「夜」「深夜」の4つに分けられているが、これに限らず、「9時〜10時」など時間単位で分けられていてもよいし、分まで加味して分けられていてもよい。
【0113】
さらに、本実施形態において第2居住空間における希望閾値は、ホーム情報ブレーカ60を通じて、第2居住空間の居住者によって変更される。しかし、これに限らず、例えば第1居住空間Xの居住者によって変更されるようになっていてもよいし、管理人によって変更されるようになっていてもよい。
【0114】
さらに、上記実施形態において第1居住空間に隣接する第2居住空間は4つであるが、特にこれに限らず、1つ〜3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…騒音検知システム
10…マイク
20…振動検知器
30…表示部(報知手段)
40…コンポ
50…重量センサ
60…ホーム情報ブレーカ
70…棟制御装置
71…測定部(測定手段)
72…記憶部(記憶手段)
73…比較部(比較手段)
74…特定部(特定手段)
75…音量制御部(音量制御手段)
76…行動検出部(行動検出手段)
77…時刻検出部(時刻検出手段)
90…インターネット回線
100…センターサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定手段と、
第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられ、第1居住空間において前記音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定手段と、
第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、第2居住空間毎の前記希望閾値のうち最小の希望閾値と、前記測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較手段と、
前記比較手段により、前記測定手段にて測定された音量レベルが前記最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知手段と、
を備えることを特徴とする騒音検知システム。
【請求項2】
第2居住空間の居住者の行動を検出する行動検出手段を備え、
前記設定手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応した希望閾値を設定し、
前記記憶手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応付けられた希望閾値を記憶し、
前記比較手段は、前記記憶手段を参照して、前記行動検出手段により検出した第2居住空間毎の居住者の行動に対応付けられた希望閾値のうち最小の希望閾値と前記測定手段により測定された音量レベルとを比較する
ことを特徴とする請求項1記載の騒音検知システム。
【請求項3】
時刻を検出する時刻検出手段を備え、
前記設定手段は、時刻に応じた前記希望閾値を設定し、
前記記憶手段は、時刻に対応付けられた希望閾値を記憶し、
前記比較手段は、前記記憶手段を参照して、前記時刻検出手段により検出した時刻に対応付けられた第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と前記測定手段にて測定された音量レベルとを比較する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の騒音検知システム。
【請求項4】
前記設定手段は、隣接する第1居住空間が複数ある場合は、隣接する第1居住空間の方向を指定して前記希望閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の騒音検知システム。
【請求項5】
前記設定手段は、隣接する第1居住空間の音量レベルに基づいて、前記希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間で測定される音量レベルと比較される希望閾値を変更させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の騒音検知システム。
【請求項6】
前記測定手段により測定された音量レベルが前記最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された音源から出力される音量の音量レベルが前記最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行う音量制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の騒音検知システム。
【請求項7】
第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定工程と、
第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられた設定手段により、第1居住空間において前記音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定工程と、
第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段を参照して、第2居住空間毎の前記希望閾値のうち最小の希望閾値と、前記測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較工程と、
前記比較工程において、前記測定工程にて測定された音量レベルが前記最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知工程と、
を有することを特徴とする騒音検知方法。
【請求項1】
第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定手段と、
第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられ、第1居住空間において前記音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定手段と、
第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、第2居住空間毎の前記希望閾値のうち最小の希望閾値と、前記測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較手段と、
前記比較手段により、前記測定手段にて測定された音量レベルが前記最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知手段と、
を備えることを特徴とする騒音検知システム。
【請求項2】
第2居住空間の居住者の行動を検出する行動検出手段を備え、
前記設定手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応した希望閾値を設定し、
前記記憶手段は、第2居住空間の居住者の行動に対応付けられた希望閾値を記憶し、
前記比較手段は、前記記憶手段を参照して、前記行動検出手段により検出した第2居住空間毎の居住者の行動に対応付けられた希望閾値のうち最小の希望閾値と前記測定手段により測定された音量レベルとを比較する
ことを特徴とする請求項1記載の騒音検知システム。
【請求項3】
時刻を検出する時刻検出手段を備え、
前記設定手段は、時刻に応じた前記希望閾値を設定し、
前記記憶手段は、時刻に対応付けられた希望閾値を記憶し、
前記比較手段は、前記記憶手段を参照して、前記時刻検出手段により検出した時刻に対応付けられた第2居住空間毎の希望閾値のうち最小の希望閾値と前記測定手段にて測定された音量レベルとを比較する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の騒音検知システム。
【請求項4】
前記設定手段は、隣接する第1居住空間が複数ある場合は、隣接する第1居住空間の方向を指定して前記希望閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の騒音検知システム。
【請求項5】
前記設定手段は、隣接する第1居住空間の音量レベルに基づいて、前記希望閾値を変更する第1居住空間を自動検索し、自動検索により指定された方向の第1居住空間で測定される音量レベルと比較される希望閾値を変更させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の騒音検知システム。
【請求項6】
前記測定手段により測定された音量レベルが前記最小の希望閾値を超えると判断された場合に、音量の出力源である音源を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された音源から出力される音量の音量レベルが前記最小の希望閾値以下となるように、音量制御を行う音量制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の騒音検知システム。
【請求項7】
第1居住空間において発生する音量レベルを測定する測定工程と、
第1居住空間に隣接する第2居住空間に設けられた設定手段により、第1居住空間において前記音量レベルと比較するための希望閾値を可変に設定する設定工程と、
第2居住空間にて設定された希望閾値を記憶する記憶手段を参照して、第2居住空間毎の前記希望閾値のうち最小の希望閾値と、前記測定手段により測定された音量レベルとを比較する比較工程と、
前記比較工程において、前記測定工程にて測定された音量レベルが前記最小の希望閾値を超えると判断された場合に、第1居住空間内の居住者に対して報知を行う報知工程と、
を有することを特徴とする騒音検知方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−237856(P2011−237856A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106229(P2010−106229)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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