説明

骨材に含まれる微粒分量の低減方法

【課題】本発明は、コストや人手や時間をかけることなく、骨材に含まれる微粒分量を容易に低減しうる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】骨材をベルトコンベアからホッパに落下させる間に、当該骨材に対し送風および吸引を行うことにより微粒分を除去することを特徴とする、骨材に含まれる微粒分量の低減方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨材、特にレディーミクストコンクリート用骨材に含まれる微粒分量の低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から骨材の微粒分量は製造時に製造元で管理されている。そして、骨材の製造において骨材に含まれる微粒分量は、JIS A 5005に規定する規格値以下(砕石:1.0重量%以下、砕砂:7.0重量%以下)でなければならないとされている。しかし、骨材をストックヤードや骨材サイロへ投入する際のベルトコンベアでの移送による高所からの落下の衝撃や、船舶やダンプ等で輸送・運搬中の振動・すりもみ等により、骨材の微粒分量は増大する。ここで微粒分量とはJIS A 1103「骨材の微粒分量試験方法」における骨材の微粒分量をいう。
【0003】
かかる微粒分量が増大すると、例えばレディーミクストコンクリート工場では、骨材を一度、別の置き場に移し機械式のふるいを用い手間と労力をかけてふるい分けている。レディーミクストコンクリート工場以外の骨材の貯蔵場所においても同様である。しかし、一般にレディーミクストコンクリート工場や骨材の貯蔵場所は狭く、また人員不足のため、現実には十分な管理および微粒分量の低減ができない状態である。
【0004】
特に、コンクリートに使用した場合に品質が高いと評価されている石灰石砕石および石灰石砕砂は岩質が比較的やわらかいため、運搬中のすりもみにより微粒分量が増大しやすい。また、石灰石骨材は大型船を使用して長距離を数千t単位で運搬されることが多いため、微粒分が大量に生成し、この微粒分の除去には、さらにコスト、人手および時間が必要となる。このように、骨材中において増大した微粒分の除去は容易ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、コストや人手や時間をかけることなく、骨材に含まれる微粒分量を容易に低減しうる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる実情に鑑みて本発明者は種々検討した結果、砕石および砕砂中の微粒分量を上記JISの規格値以下に低減させる方法を見出し本発明を完成した。すなわち、本発明は、骨材をベルトコンベアからホッパに落下させる間に、当該骨材に対し送風および吸引を行うことにより微粒分を除去することを特徴とする骨材に含まれる微粒分量の低減方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コストや人手や時間をかけることなく、骨材に含まれる微粒分量を容易に低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1に基づき、本発明について以下にさらに詳細に説明する。
骨材受け入れホッパ1に収容されている骨材は、受入れベルトコンベア2上に載置された後運ばれつつ骨材表面乾燥機6により乾燥される。そして、乾燥された骨材は受入れベルトコンベア2の端部から分配用ホッパ3へ落下する間に送風を受け、これによって骨材に含まれる微粒分は骨材から分離される。この分離された微粒分は送風・吸引により生じた空気の流れに乗ってフィルターを通過して捕集される一方、微粒分が分離された骨材は分配用ホッパ3に収容される。次に、分配用ホッパ3に収容された骨材は分配用ベルトコンベアに載置されて、ストックヤードや骨材サイロ等の骨材貯蔵設備へと運ばれる。なお、乾燥した骨材の場合には、上記骨材表面乾燥機6による乾燥は省略してもよい。
【実施例】
【0009】
表1に示すようにベルトコンベアの速度並びに吸引および送風の風速を調整して、分配用ホッパへの落下前後の石灰石砕石および石灰石砕砂に含まれる微粒分量を測定した。その結果、本発明(実施例1および2)によれば骨材に含まれる微粒分量をJIS A 5005に規定する規格値以下(砕石:1.0重量%以下、砕砂:7.0重量%以下)にすることができた。
【0010】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施するための一装置の図である。
【符号の説明】
【0012】
1 骨材受入れホッパ
2 受入れベルトコンベア
3 分配用ホッパ.
4 フィルター
5 分配用ベルトコンベア
6 骨材表面乾燥機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材をベルトコンベアからホッパに落下させる間に、当該骨材に対し送風および吸引を行うことにより微粒分を除去することを特徴とする骨材に含まれる微粒分量の低減方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−247622(P2008−247622A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87326(P2007−87326)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】