説明

骨材洗浄装置、骨材洗浄方法、及び骨材吸水方法

【課題】簡易な構成で、骨材の表面に付着する微粒分を洗浄することが可能な骨材洗浄装置、その洗浄機を用いた骨材の洗浄方法、及びその洗浄機を用いた骨材の吸水方法を提供する。
【解決手段】骨材洗浄装置10は、洗浄する骨材50を充填するための容器12と、洗浄用の水を給水する給水ホース14と、容器内に充填された骨材間を仕切り、容器内の水の水路を形成する遮水材16と、洗浄に使用した水の濁度を計測する濁度計18とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートに使用する骨材の表面に付着する微粒分を洗浄する洗浄機、その洗浄機を用いた骨材の洗浄方法、及びその洗浄機を用いた骨材の吸水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートに係る試験のうち、例えば、日本工業規格に規定される骨材の密度及び吸水率試験方法(JIS A 1100)では、骨材試料を所定の呼び寸法の網ふるいにかけ、所定量になるまで縮分した後、水で十分に洗って粒の表面についているごみ等を取り除き、その後その骨材を十分に吸水させることが規定されており、従来よりかかる骨材の洗浄処理は手洗いによりなされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、試験に用いる骨材は時に数百Kgと大量になるため、手洗いによる洗浄では多大な手間及び労力を要する。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、骨材の表面に付着する微粒分を洗浄することが可能な骨材洗浄装置、その洗浄機を用いた骨材の洗浄方法、及びその洗浄機を用いた骨材の吸水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、コンクリート用の骨材の表面に付着する微粒分を洗浄する骨材洗浄装置であって、
内部に給水手段と、前記給水手段から給水された水を外部に排水するための排水口とを有する骨材充填用容器と、
前記給水手段から給水された所定流量の水が、前記容器内に充填された骨材間を所定の流速を保持するように流通し、前記排水口まで到達するように、前記容器内に充填された骨材を仕切って流路を形成する遮水材と、を備えることを特徴とする(第1の発明)。
【0006】
本発明による骨材洗浄装置によれば、給水手段から給水された水が、骨材間を所定の流速を保持しながら流通することになるので、骨材表面に付着する微粒分を洗浄することができる。また、洗浄された微粒分は、排水口により水と一緒に排出されるので、容器内に充填される骨材に再度付着することはない。これにより、骨材量が大量であっても、簡単で効率的にかつ短時間に骨材を洗浄することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記骨材充填用容器は直方体状であり、前記遮水材は板状又はシート状であり、複数の前記遮水材が、上下方向に間隔を置いて、交互に、前記骨材充填用容器の対向する一対の内壁面の一方から、他方の内壁面に向けて当該他方の内壁面から離間する位置まで延びるように設置されていることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記排水口から排水される水の濁度を計測する濁度計を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明による骨材洗浄装置によれば、容器内に充填された骨材の表面に付着する微粒分が洗浄されていくにつれて、排水口から排水される水の濁度も低下していくので、所定の洗浄処理がなされた時の濁度の閾値を予め設定することにより、排水の濁度を濁度計により監視し、この濁度がその閾値以下になった場合に、骨材の洗浄を終了することができる。これにより、洗浄効果を一定レベルに保つことができるとともに、洗浄処理の効率化を図ることができる。
【0010】
第4の発明は、コンクリート用の骨材の表面に付着する微粒分を洗浄する骨材洗浄方法であって、内部に給水手段と、前記給水手段から給水された水を外部に排水するための排水口とを有する骨材充填用容器と、前記給水手段から給水された所定流量の水が、前記容器内に充填された骨材間を所定の流速を保持するように流通し、前記排水口まで到達するように、前記容器内に充填された骨材を仕切って流路を形成する遮水材と、を備える骨材洗浄装置に、前記骨材を充填し、前記給水手段から水を注入して、前記骨材間に水を流通させ、前記排水口から水を排水することを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、前記排水口から排水される水の濁度を計測し、計測される濁度が所定の値以下になった場合に、前記骨材の洗浄を終了することを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、骨材吸水方法であって、第4又は5の何れかの発明の骨材洗浄方法により前記骨材を洗浄した後、前記容器内で前記骨材に所定時間水を吸水させることを特徴とする。
【0013】
本発明による骨材吸水方法によれば、洗浄機により洗浄した骨材を、そのまま水中に浸漬させることにより吸水させることにより、骨材の密度及び吸水率試験(JIS A 1100)を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構成で、骨材の表面に付着する微粒分を洗浄することが可能な骨材洗浄装置、その洗浄機を用いた骨材の洗浄方法、及びその洗浄機を用いた骨材の吸水方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
なお、本実施形態は、例えば、日本工業規格に規定される骨材の密度及び吸水率試験方法(JIS A 1100)により規定される、骨材表面に付着する微粒分の洗浄及び骨材への吸水に適用するものである。
【0016】
図1は、本実施形態に係る骨材表面に付着する微粒子を洗浄する骨材洗浄装置10を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)はA−A断面図である。
【0017】
図1に示すように、骨材洗浄装置10は、洗浄する骨材50を充填するための容器12と、洗浄用の水を容器12に供給する給水ホース14と、容器内に充填された骨材間を仕切り、容器12内に水の流路を形成する遮水材16と、洗浄に使用した水の濁度を計測する濁度計18とからなる。
【0018】
容器12としては、洗浄するために必要な骨材量を収納するために充分な容量を有し、水が外部に漏洩しないものを用いる。例えば、同図に示すような上部が開口する直方体のプラスチック容器等を用いることができる。この場合、容器12に骨材50を収容した後、端部に排水口12Aを残すように、蓋部材13を容器12の上部に設置する。なお、蓋部材13自体に排水口12Aを設けてもよい。
【0019】
給水ホース14としては、例えば塩ビ製のものが用いられ、容器12内の底面側部に給水口15が配置するように設けられており、給水ホース14から容器12の底部へ水が供給される。
【0020】
遮水材16としては、遮水性を有する素材からなる、板状又はシート状を有する部材であり、上述のように容器内に充填された骨材50を仕切って水の流路を形成している。具体的には、同図(a)に示すように、複数枚の遮水材16が、上下方向に間隔をおいて、交互に、容器12の対向する内壁面20a,20bの一方に接し、内壁面20a,20bの他方と離間するように設けられることで、横方向の往復を繰り返しながら上方へ向かう流路が形成されている。なお、同図(b)に示すように、容器12の奥行き方向については、その奥行き方向全体に亘って遮水材16が配置されている。
【0021】
そして、以上のような流路が形成されることで、水は、容器12内の骨材50の全体を万遍なく通過することとなり、これにより、骨材50の表面に付着した微粒分はむらなく洗い流される。洗い流された微粒分は、水流によって流されて、容器12の上部の排水口12Aから水と共に排出される。
【0022】
濁度計18は、容器12から溢れた水の濁度を計測するためのものである。濁度は、濁りの程度を表すもので、精製水1L中に標準物質(カオリンまたはホルマジン)1mgを含む場合と同程度の濁りを濁度1度(または1mg/L)としている(JIS K0101)。濁度計18は、容器12から溢れた水の濁度が所定値以下になった場合に、骨材洗浄が十分になされたとして、洗浄の終了を判断するために用いる。なお、濁度計18には、試料の濁りを肉眼によってカオリン標準液と比較して求める視覚濁度、試料を通過した透過光の強度から求める透過光濁度、試料中の粒子によって散乱された光の強度から求める散乱光濁度、散乱光と透過光の強度比から求める積分球濁度等を計測するタイプがあるが、いずれのものを用いてもよい。
【0023】
次に、骨材50を骨材洗浄装置10へ設置する具体的手順について説明する。
図2(1)〜(6)は、骨材の骨材洗浄装置10への設置手順を示す説明図である。なお各図において、(a)は縦断面図、(b)はA−A断面図である。図2では、遮水材16として、2枚の遮水シート17a、17bを用いている。
【0024】
先ず、容器12に給水ホース14を、その給水口15が容器内の下面側部に位置するように設置し、洗浄する骨材50を容器内底部に給水口15が埋まるような厚さに充填する(図2(1)参照)。この際に、充填される骨材50の上面が水平になるように均す。なお、充填する骨材50の厚さは、例えば、容器内寸の深さの1/5程度になるようにする。また、骨材50を充填した後、給水ホース14を設置してもよい。
【0025】
次に、充填された骨材50の上に遮水シート17aを、一方の内壁面20bに接し、他方の内壁面20aと離間し、かつ容器12の奥行き方向については骨材50の全体を覆うように敷設する(図2(2)参照)。すなわち、充填された骨材50の上面領域のうち、内壁面20a側(同図中左側)の一部が露呈することになる。また、骨材50上に敷設されない遮水シート17aの残りの部分については、内壁面20dに沿わせて容器12の外に引き出しておく(図2(2)A−A断面図参照)。
【0026】
次に、その上から、図2(1)で説明した骨材50の充填手順と同様に、骨材50を充填し、充填された骨材50の上に他方の遮水シート17bを敷設する(図2(3)参照)。ただし、遮水シート17bは、内壁面20aに接し、内壁面20bと離間し、かつ容器12の奥行き方向については骨材50の全体を覆うように敷設する。すなわち、充填された骨材50の上面領域のうち、内壁面20b側(同図中右側)の一部が露呈することになる。また、骨材50上に敷設されない遮水シート17bの残りの部分については、容器12の内壁面20cに沿わせるようにして容器外に引き出しておく(図2(3)A−A断面図参照)。
【0027】
さらにその上から骨材50を充填し、充填された骨材50の上に最初に設置した遮水シート17aの残りの部分を、図2(2)で説明したのと同様に、一方の内壁面20bに接し、内壁面20aと離間し、かつ容器12の奥行き方向については骨材50の全体を覆うように敷設する(図2(4)参照)。
【0028】
そして、またその上から骨材50を充填し、充填された骨材50の上に他方の遮水シート17bの残りの部分を敷設する(図2(5)参照)。この場合も、図2(3)で説明したように、一方の内壁面20aに接し、他方の内壁面20bと離間し、かつ容器12の奥行き方向については骨材50の全体を覆うように敷設する。
【0029】
最後に、その上から骨材50を充填し、蓋部材13を容器上面端部に排水口12Aを残すように容器12の上部に設置することで、骨材50の骨材洗浄装置10への設置が完了する(図2(6))。
【0030】
なお、図2の例では、2枚の遮水シート17a、17bを交互に折り返すことで、上下に間隔をおいて遮水材16を設けることとしたが、これに限らず、各段の遮水材16を個別の遮水シート又は遮水板で構成してもよい。
【0031】
次に、実際に上記設置手順に従って骨材を骨材洗浄装置10へ充填し、骨材を洗浄して洗浄性能を検討したので、その結果について説明する。なお、本検討には、骨材として石灰砕砂を用いた。
先ず、洗浄前の石灰砕砂についてふるい分け試験及び微粒分量試験を実施した。なお、ふるい分け試験はJIS A−1102、微粒分量試験はJIS A−1103に準拠して実施した。
【0032】
図3は、洗浄前の石灰砕砂のふるい分け試験の結果を示し、同図(a)はその結果をまとめた表、同図(b)は試験結果の平均値とコンクリート用細骨材の基準とをまとめた表、同図(c)は同図(b)の表をプロットしたグラフである。
【0033】
図3(a)に示すように、ふるい目の呼び寸法が大きいほど、ふるいを通過する石灰砕砂の通過量が多くなり、逆にふるい目の呼び寸法が小さいほど、ふるいを通過する石灰砕砂の通過量が少なくなる。石灰砕砂のふるい分け試験の結果では、ふるい呼び寸法が5mm以上になると全ての粒分がふるいを通過している。また、図3(b)及び図3(c)に示すように、試験結果の平均値のうち0.15mmのふるい目の呼び寸法を通過した微粒分の通過量の平均は16.2重量%となり、基準上限の10重量%を超える結果となった。
【0034】
図4は、洗浄前の石灰砕砂について微粒分量試験の結果を示す表である。微粒分量とは、骨材全量に対する、骨材に含まれる粘土、シルト、ロームなどの粒径がφ0.075mm以下の微細な粒子量の割合である。
図4に示すように、微粒分量試験による骨材の微粒分量の平均値は17.0重量%となり、コンクリート用砕砂の基準値(7.0%重量以下、JIS A−5005)と比べて微粒分が多く含まれる結果となった。
このように、ふるい分け試験及び微粒分量試験から、洗浄前の石灰砕砂は、コンクリート材料としての骨材の基準値と比べて、微粒分が多く含まれる結果が得られた。
【0035】
このような石灰砕砂に対し、図2で説明した手順で骨材を骨材洗浄装置10に充填し、実際に骨材洗浄を行った。なお、容器12には1015mm×400mm×435mmの内寸を有する直方体のプラスチック製容器を、遮水シート17には市販のブルーシートを用いた。また、容器12に繰り返し充填する骨材の厚さを100mmに、遮水シート17を骨材上面に設置するときの、内壁面20a又は20bからの離間距離を100mmに設定した。また、給水ホース14から給水する水の流量を0.2L/sとした。そして、容器12からの排水が、目視により濁水でなくなったとき(濁度計18により計測された濁度は8度程度のとき)に洗浄を終了し、洗浄後の石灰砕砂について、再びふるい分け試験及び微粒分量試験を行った。
【0036】
図5は、洗浄後の石灰砕砂のふるい分け試験の結果を示し、同図(a)はその結果をまとめた表、同図(b)は試験結果の平均値とコンクリート用細骨材の基準とをまとめた表、同図(c)は同図(b)の表をプロットしたグラフである。
【0037】
図5(a)〜(c)に示すように、洗浄前の石灰砕砂のふるい分け試験の結果(図3参照)と比べて、全体的に各ふるいを通過する骨材の量が減少していることが見て取れる。特に、試験結果の平均値のうち0.15mmのふるい目の呼び寸法を通過した微粒分の通過量の平均は、試験前の16.2重量%と比べて、9.7重量%と基準内まで減少しており、洗浄による微粒分の除去の効果が確認された。
【0038】
図6は、洗浄後の石灰砕砂の微粒分量試験の結果を示す表である。
図6に示すように、微粒分量試験においても洗浄後の骨材の微粒分量の平均値は7.6重量%となり、洗浄前の骨材の微粒分量の平均値17.0重量%と比べて1/2以下に減少する結果となり、洗浄による微粒分の除去の効果が確認された。
【0039】
以上説明した本実施形態に係る骨材洗浄装置10によれば、洗浄する骨材50を充填し、排水口12Aが設けられた容器12と、その給水口15が容器12内の底面側部に配置するように設けられ、洗浄用の水を供給する給水ホース14と、容器12内に充填された骨材間を仕切り、容器内の水の水路を形成する遮水材16とを備え、遮水材16が、給水ホース14から給水された所定流量の水が排水口12Aから排出されるまでに、容器内に充填された骨材間を所定の流速を保持して流通するように、容器内に充填された骨材50を仕切る流路を形成することにより、給水ホース14から給水された水が、骨材50間を、所定の流速を保持し、かつ満遍なく流通することになるので、骨材表面に付着する微粒分を洗浄することができる。これにより、骨材量が大量であっても、簡単で効率的にかつ短時間に骨材50を洗浄することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る骨材洗浄装置10によれば、容器12から排水される水の濁度を計測する濁度計18を備えることにより、濁度計18により計測された濁度に基づいて骨材洗浄の終了時を判断できる。これにより、洗浄効果を一定レベルに保つことができるとともに、洗浄処理の効率化を図ることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、骨材の密度及び吸水率試験方法(JIS A 1100)における骨材50の洗浄処理を、骨材洗浄装置10を用いることにより実施することについて説明したが、さらに、この後になされる骨材50に水を吸水させる処理を、骨材洗浄装置10によって洗浄された骨材50をそのまま水中に所定時間浸漬させることにより行ってもよい。これにより、骨材の密度及び吸水率試験(JIS A 1100)の骨材に対する処理を効率的に実施できる。
【0042】
また、本実施形態に係る骨材洗浄装置10は、骨材の密度及び吸水率試験(JIS A 1100)に用いる骨材だけでなく、実際にコンクリート構造物に使用する骨材を洗浄するために使用しても良い。これにより、骨材表面から粘土やシルトなどの細かい微粒分が洗浄され、セメントと骨材との付着が強固になるためコンクリートの強さが向上する。
【0043】
なお、本実施形態に係る図1又は2に示した骨材洗浄装置10では、遮水材16が容器12内に上下方向に間隔をおいて積層するような構造になるように設けられていたが、図7に示すような構造になるように設けてもよい。
【0044】
図7は、遮水材16が容器内に垂直方向に固定された骨材洗浄装置100の外観斜視図である。
【0045】
図7に示す骨材洗浄装置100では、容器12内で、複数枚の遮水材16が、水平方向に間隔をおいて、交互に、容器12の対向する一対の内壁面20の一方から、他方の内壁面20に向けて当該他方の内壁面20から離間する位置まで延びるように立設される。
【0046】
骨材洗浄装置100内がこのような構造であることにより、容器12の上方から骨材50を簡単に充填することができ、図2に示したように、容器内に骨材50と遮水シート17とを交互に設置する作業に比べて効率がよい。
【0047】
なお、給水ホース14は、その給水口15が、容器12内の遮水板102によって仕切られる流路の一端の上部に配置するように設けられる。また、排水口104は、容器12の、給水ホース14が設置された側と反対側の流路端下部に設けられる。なお、骨材洗浄装置100では、図1及び2で示した蓋部材13は、特に用いなくてもよい。
【0048】
これにより、給水ホース14から給水された水は、容器内に充填された骨材間を所定の流速を保ち、水平方向に蛇行しながら流通していき、その間に骨材表面に付着する微粒分をむらなく洗浄して、洗浄された微粒分は水流により流されて排水口104から水とともに排出され、図1又は2に示した骨材洗浄装置10と同様の洗浄効果が得られる。
また、洗浄後において、容器12を裏返すことにより容易に骨材を容器12から取り出すことができる。
【0049】
このように、図7に示した骨材洗浄装置では、特に骨材の容器12への充填及び容器12からの取り出しの作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態に係る骨材表面に付着する微粒子を洗浄する骨材洗浄装置10を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)はA−A断面図である。
【図2】具体的な骨材洗浄装置10の構成、及び骨材の骨材洗浄装置10への設置手順を示す説明図である。
【図3】洗浄前の石灰砕砂のふるい分け試験の結果を示し、同図(a)はその結果をまとめた表、同図(b)は試験結果の平均値とコンクリート用細骨材の基準とをまとめた表、同図(c)は同図(b)の表をプロットしたグラフである。
【図4】洗浄前の石灰砕砂について微粒分量試験の結果を示す表である。
【図5】洗浄後の石灰砕砂のふるい分け試験の結果を示し、同図(a)はその結果をまとめた表、同図(b)は試験結果の平均値とコンクリート用細骨材の基準とをまとめた表、同図(c)は同図(b)の表をプロットしたグラフである。
【図6】洗浄後の石灰砕砂の微粒分量試験の結果を示す表である。
【図7】遮水材が容器内に垂直方向に固定された骨材洗浄装置100の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
10、100 骨材洗浄装置
12 容器
12A 排水口
13 蓋部材
14 給水ホース
15 給水口
16 遮水材
17、17a、17b 遮水シート
18 濁度計
20、20a、20b、20c、20d 内壁面
50 骨材
102 遮水板
104 排水口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート用の骨材の表面に付着する微粒分を洗浄する骨材洗浄装置であって、
内部に給水手段と、前記給水手段から給水された水を外部に排水するための排水口とを有する骨材充填用容器と、
前記給水手段から給水された所定流量の水が、前記容器内に充填された骨材間を所定の流速を保持するように流通し、前記排水口まで到達するように、前記容器内に充填された骨材を仕切って流路を形成する遮水材と、を備えることを特徴とする骨材洗浄装置。
【請求項2】
前記骨材充填用容器は直方体状であり、
前記遮水材は板状又はシート状であり、
複数の前記遮水材が、上下方向に間隔を置いて、交互に、前記骨材充填用容器の対向する一対の内壁面の一方から、他方の内壁面に向けて当該他方の内壁面から離間する位置まで延びるように設置されていることを特徴とする請求項1に記載の骨材洗浄装置。
【請求項3】
前記排水口から排水される水の濁度を計測する濁度計を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の骨材洗浄装置。
【請求項4】
コンクリート用の骨材の表面に付着する微粒分を洗浄する骨材洗浄方法であって、
内部に給水手段と、前記給水手段から給水された水を外部に排水するための排水口とを有する骨材充填用容器と、
前記給水手段から給水された所定流量の水が、前記容器内に充填された骨材間を所定の流速を保持するように流通し、前記排水口まで到達するように、前記容器内に充填された骨材を仕切って流路を形成する遮水材と、を備える骨材洗浄装置に、前記骨材を充填し、
前記給水手段から水を注入して、前記骨材間に水を流通させ、前記排水口から水を排水することを特徴とする骨材洗浄方法。
【請求項5】
前記排水口から排水される水の濁度を計測し、計測される濁度が所定の値以下になった場合に、前記骨材の洗浄を終了することを特徴とする請求項4に記載の骨材洗浄方法。
【請求項6】
請求項4又は5の何れかに記載の骨材洗浄方法により前記骨材を洗浄した後、前記容器内で前記骨材に所定時間水を吸水させることを特徴とする骨材吸水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−137804(P2009−137804A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317432(P2007−317432)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】