説明

骨材用砂洗浄分級システム

【課題】従来の骨材用砂洗浄分級システムにおける洗浄装置では、骨材用砂の小さな角部や堅固に固着した付着異物の除去は難しく、特に骨材用砂の靭性が高くて角部が欠けにくい場合等には、短時間しか作用しない衝撃力だけでは大きな角部や異物塊でさえも除去できずに残るものが多くなる、という問題もあった。
【解決手段】骨材用砂8に対して液体による洗浄及び角取り処理を行う洗浄装置3と、該洗浄及び角取り処理後の骨材用砂8を大きさ別に分ける分級処理を行う分級装置5とを設けた骨材用砂洗浄分級システム1であって、前記洗浄装置3は、投入口33から管路31内に流下する骨材用砂8に向かってキャビテーション流49を有する圧力流体50の吹き付けが可能な噴射ノズル27を設けた第一次洗浄装置3aと、内部で骨材用砂8を転動可能な回転ドラム76を設けた第二次洗浄装置3bとから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然砂、砕砂、砕石、リサイクル砂(コンクリートガラ、アスファルトガラ、建築残土、競馬場の砂、ゴルフ場の砂)等の骨材用砂に、洗浄や角取り処理、分級処理等を施す骨材用砂洗浄分級システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、わが国においては骨材用の砂を河川や山、あるいは海から採取していたが、これらの砂は大量に採取され続けたため、近年では自然から良質な砂を採取することが困難となってきている。このため、いわゆる山砕石等の骨材用材料が多用されるようになってきているが、このような骨材用材料からコンクリート用骨材となる良質の砂を生産する場合には、骨材用材料を破砕し、その破砕した砕石等から成る骨材用の砂(以下、「骨材用砂」とする)を水等の液体にて洗浄することにより、泥分、木屑、あるいは草根等の不純物を除去するようにしている。
しかし、このような破砕した砕石等から生産された骨材用砂は、エッジ等と呼ばれる角部を有するため、その骨材を混合したコンクリートをミキサー車で運搬する場合には、回転するミキサーの内面に前記角部が当たって該内面が大きく摩耗する。特に、骨材用砂にセメント等の異物が堅固に付着していたり(以下、「付着異物」とする)、或いはこれらの異物が塊(以下、「異物塊」とする)として多量に混入していると、コンクリートの品質が著しく悪化する。
そこで、洗浄装置の管路内を高圧の洗浄水によって移送しながら、直管部や閉塞した排出口側端管部において、骨材用砂をこれらの管路の内壁に衝突させ、或いは骨材用砂同士を互いに衝突させることによって角取りを行う技術が公知となっている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−160414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記角部のうち、骨材用砂と管路内壁、或いは骨材用砂同士が高速で衝突して発生する衝撃力によって除去できるのは、比較的大きな角部であって小さな角部の除去は難しく、また、前記異物についても、この衝撃力によって異物塊は粉砕して除去できるが、骨材用砂に堅固に固着した付着異物の除去までは難しい、という問題があった
特に、骨材用砂の靭性が高くて角部が欠けにくい場合や、多量の骨材用砂を一度に処理しなければならない場合等には、力としては大きいが短時間しか作用しない衝撃力だけでは、大きな角部や異物塊でさえも除去できずにそのまま残ることが多い、という問題もあった。
また、逆に、骨材用砂の靭性が低い場合等には、大きな角部や異物塊が十分除去される前に、骨材用砂本体が衝撃に耐えきれずに大きく割れ、その結果、出来上がった骨材用砂製品の形状や大きさが不均一となって品質が著しく悪化する、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、骨材用砂に対して液体による洗浄及び角取り処理を行う洗浄装置と、該洗浄及び角取り処理後の骨材用砂を大きさ別に分ける分級処理を行う分級装置とを設けた骨材用砂洗浄分級システムであって、前記洗浄装置は、投入口から管路内に流下する骨材用砂に向かってキャビテーション流を有する圧力流体の吹き付けが可能な噴射ノズルを設けた第一次洗浄装置と、内部で骨材用砂を転動可能な回転ドラムを設けた第二次洗浄装置とから成るものである。
請求項2においては、前記噴射ノズルには、少なくとも一方が高圧に加圧された液体と気体とを供給し、該気体の周囲を、高速の液体と該液体中に発生したキャビティ等の気体とから成るキャビテーション流で取り囲むことにより、前記圧力流体を構成するものである。
請求項3においては、前記第一次洗浄装置の管路内壁には、前記圧力流体を螺旋方向に誘導可能な螺旋状突起体を設けるものである。
請求項4においては、前記第一次洗浄装置の管路の途中部には、前記噴射ノズルからの圧力流体によって移送中の骨材用砂に対して圧力流体の追加吹き付けが可能な補助噴射ノズルを設けるものである。
請求項5においては、前記回転ドラムの内壁には螺旋状送り羽根を突設し、該螺旋状送り羽根が回転ドラムの回転によって骨材用砂を排出側に移送可能な構成とするものである。
請求項6においては、前記回転ドラムの一端面の回転軸心上に、前記第一次洗浄装置より移送されてきた骨材用砂の導入口を設けると共に、回転ドラムの他端面の回転軸心上には、洗浄用の液体を補給する噴射口を前記導入口に対向して配置するものである。
請求項7においては、前記骨材用砂洗浄分級システムに、洗浄及び角取り処理を行う前の骨材用砂に予め液体を浸透させる加液装置を設けるものである。
請求項8においては、前記骨材用砂洗浄分級システムに、洗浄及び角取り処理を行った後の骨材用砂から液分を分離する液切り装置を設けるものである。
請求項9においては、前記骨材用砂洗浄分級システムにおいて、分級処理後の排液を前記液体として再利用可能な排液処理装置を設けると共に、前記圧力流体用に供給する液体と気体のうち気体のみを高圧に加圧する構成とするものである。
請求項10においては、前記分級装置に、複数段で分級可能な振動ふるい装置を設けるものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、骨材用砂に対して液体による洗浄及び角取り処理を行う洗浄装置と、該洗浄及び角取り処理後の骨材用砂を大きさ別に分ける分級処理を行う分級装置とを設けた骨材用砂洗浄分級システムであって、前記洗浄装置は、投入口から管路内に流下する骨材用砂に向かってキャビテーション流を有する圧力流体の吹き付けが可能な噴射ノズルを設けた第一次洗浄装置と、内部で骨材用砂を転動可能な回転ドラムを設けた第二次洗浄装置とから成るので、第二次洗浄装置において、骨材用砂と回転ドラムの内壁、或いは骨材用砂同士の間に摩擦力・剪断力を長時間作用させることができ、第一次洗浄装置で受ける短時間の衝撃力だけでは除去しきれずに残っていた小さな角部や付着異物までも、確実に除去することができる。特に、骨材用砂の靭性が高くて角部が欠けにくい場合や、多量の骨材用砂を一度に処理しなければならない場合等でも、長時間転動される間に、摩擦力・剪断力が隅々の骨材用砂まで繰り返して作用するため、第一次洗浄装置では除去しきれずに残っていた大きな角部や異物塊までも確実に除去することができる。更に、回転ドラムに高速回転あるいは、正転送りと逆転もどりの繰り返しである揺動回転をさせることにより、骨材用砂が回転ドラムの内壁に沿って掻き上げられた後に落下して回転ドラムの底部に衝突するようにすることができ、この際の衝撃力が前記摩擦力・剪断力に付加され、小さな角部や付着異物をより一層確実に除去することができるのである。また、骨材用砂の靭性が低い場合には、第一次洗浄装置での衝撃力を小さく設定して、骨材用砂本体が大きく割れないようにすることができる。すなわち、第二次洗浄装置での処理時間や回転ドラムの回転速度等を調整して角部や異物の除去量を増加させることにより、第一次洗浄装置で除去すべき角部や異物の量が少なくて済み、このため、第一次洗浄装置での骨材用砂の移送速度を遅くして衝撃力を小さく設定することができ、過大な衝撃力によって骨材用砂本体が大きく割れることを防止して、良好な品質の骨材用砂製品を製造することができる。また、第一次処理装置での骨材用砂の移送には、従来のような単なる高圧の洗浄水ではなく、多量のキャビティを含む噴流(以下、「キャビテーション流」とする)を使用しており、該キャビテーション流中でのキャビティ崩壊によって生じる衝撃波が骨材用砂に大きく作用し、前記角部や異物の除去効率を更に一層高めることができる。
請求項2においては、前記噴射ノズルには、少なくとも一方が高圧に加圧された液体と気体とを供給し、該気体の周囲を、高速の液体と該液体中に発生したキャビティ等の気体とから成るキャビテーション流で取り囲むことにより、前記圧力流体を構成するので、空気中への拡散が液体よりも速やかに起こる気体をキャビテーション流の内側に位置させることができ、液体を主体とする従来の圧力流体とは異なり、噴出した圧力流体は、噴出直後には高速で管路内壁に向かって大きく拡がりながら、骨材用砂を管路内壁まで運んで激しく衝突させるため、骨材用砂が受ける衝撃力や管路内壁への衝突頻度が一層増加し、角部や異物の除去の更なる効率化を図ることができる。更に、キャビテーション流の内外面を常に多量の気体と接触させることができ、該気体からは、多量の小気泡がキャビティとしてキャビテーション流内に取り込まれたり、この小気泡がキャビティとして崩壊しない場合であっても、キャビティの気泡核となる多量の気体成分がキャビテーション流の液体中に溶け込むため、キャビテーション流のキャビティ量が増加し、キャビティ崩壊時の衝撃波の発生を促進させることができる。加えて、圧力流体の外側面は、液体が主体のキャビテーション流で取り囲まれた状態にあって、前記管路内壁は液体の層によって常に覆われるため、管路内壁が骨材用砂から受ける衝撃による熱損傷を大きく抑制することができ、管路寿命を延ばして第一次洗浄装置のメンテナンスコストの削減等を図ることができる。
請求項3においては、前記第一次洗浄装置の管路内壁には、前記圧力流体を螺旋方向に誘導可能な螺旋状突起体を設けるので、該螺旋状突起体によって、管路の内壁近傍に、圧力流体や骨材用砂から成る螺旋状の流れ(以下、「螺旋流」とする)を形成し、この螺旋流の遠心力作用によって、骨材用砂を圧力流体から分離して管路内壁に激しく衝突させることができ、更には、螺旋状突起体で発生する乱流渦によって、骨材用砂が衝撃力を受ける頻度も増え、角部や異物の除去の更なる効率化を図ることができる。
請求項4においては、前記第一次洗浄装置の管路の途中部には、前記噴射ノズルからの圧力流体によって移送中の骨材用砂に対して圧力流体の追加吹き付けが可能な補助噴射ノズルを設けるので、前記噴射ノズルからの圧力流体による骨材用砂の移送速度がたとえ途中で低下しても、該圧力流体に前記補助噴射ノズルからの圧力流体が合流することによって、移送速度は再び加速され、衝突による衝撃力はもとよりキャビティ崩壊による衝撃波も管路内で長い距離に渡って大きく維持することができ、角部や異物の除去量を一層増加させることができる。
請求項5においては、前記回転ドラムの内壁には螺旋状送り羽根を突設し、該螺旋状送り羽根が回転ドラムの回転によって骨材用砂を排出側に移送可能な構成とするので、骨材用砂を回転ドラム下部の内壁上で転動させると同時に、螺旋状送り羽根の前後面で骨材用砂を排出側に押動して移送させることができ、骨材用砂を導入側から排出側まで移送するのに複雑な機構が不要となり、部品点数の削減による製造コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、骨材用砂と回転ドラムの内壁、或いは骨材用砂同士に加えて、骨材用砂と螺旋状送り羽根の前後面との間にも、摩擦力・剪断力を作用させることができ、角部や異物の除去効率を更に高めることができる。
請求項6においては、前記回転ドラムの一端面の回転軸心上に、前記第一次洗浄装置より移送されてきた骨材用砂の導入口を設けると共に、回転ドラムの他端面の回転軸心上には、洗浄用の液体を補給する噴射口を前記導入口に対向して配置するので、骨材用砂の移送方向と逆方向に液体を噴出させることができ、向かってくる骨材用砂に液体を吹き付けるので洗浄力が増加し、骨材用砂に再付着した小さな角部や異物までも確実に洗浄除去することができ、角部や異物等の不純物のない良好な品質の骨材用砂製品を製造することができる。
請求項7においては、前記骨材用砂洗浄分級システムに、洗浄及び角取り処理を行う前の骨材用砂に予め液体を浸透させる加液装置を設けるので、液体が骨材用砂と付着異物との界面に浸入して両者間の接合強度を低下させて、付着異物の剥離性を高めたり、液体が骨材用砂や異物塊の中に浸入して脆化させ、骨材用砂の角取りや異物塊の粉砕を容易にすることができ、後で行う洗浄及び角取り処理における角部や異物の除去効率の向上を図ることができる。更に、前記洗浄装置の投入口へ供給する骨材用砂の間の隙間を液体によって略充填し、この投入口を骨材用砂と液体によって閉塞した状態とすることができ、噴射ノズルから噴出する圧力流体による吸引力が、投入口内の骨材用砂に有効に作用して、骨材用砂を管路内に強力に吸引し、骨材用砂の処理量を大幅に増加させ、角部や異物の除去効率の更なる向上を図ることができる。
請求項8においては、前記骨材用砂洗浄分級システムに、洗浄及び角取り処理を行った後の骨材用砂から液分を分離する液切り装置を設けるので、泥状液体による粘着性をなくして、骨材用砂、角部、異物等間の分離を容易にすることができ、後で行う分級処理における分級効率の向上を図ることができる。
請求項9においては、前記骨材用砂洗浄分級システムにおいて、分級処理後の排液を前記液体として再利用可能な排液処理装置を設けると共に、前記圧力流体用に供給する液体と気体のうち気体のみを高圧に加圧する構成とするので、噴射ノズルへ供給する液体を高圧に加圧する必要がなく、該液体には、分級処理後の低品質の排液を、高度な液処理を施さずに再利用することができ、排液処理コストの大幅な低減や、クローズドシステムによる環境保全の促進を図ることができる。
請求項10においては、前記分級装置に、複数段で分級可能な振動ふるい装置を設けるので、各段のふるいの目の大きさを変えるだけの簡単な作業で所望の大きさの骨材用砂のみを分離することができると共に、細かいふるいであっても振動させることによって、目詰まりが起こりにくく、分級処理効率の大幅な向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に関わる洗浄装置を用いた骨材用砂洗浄分級システムの全体構成図、図2は第一次洗浄装置全体の側面一部断面図、図3は第一次洗浄装置の噴射ノズルの側面一部断面図、図4は第一次洗浄装置の直管部の側面一部断面図、図5は第二次洗浄装置全体の側面一部断面図、図6は第二次洗浄装置の回転ドラムの側面一部断面図、図7は分級装置全体の側面一部断面図、図8は振動型洗浄装置全体の側面一部断面図である。
【0007】
まず、本発明に係わる骨材用砂洗浄分級システム1の全体構成について、図1により説明する。
該骨材用砂洗浄分級システム1は、骨材用砂8を貯蔵場所から搬送して投入する投入装置2と、該投入装置2によって投入口33から投入された骨材用砂8を噴射ノズル27からの圧力流体等によって洗浄及び角取り処理を行う洗浄装置3と、該洗浄装置3から排出された骨材用砂8から水分を除去する液切り装置4と、該液切り装置4からの骨材用砂8を所定の大きさで分級する分級装置5と、該分級装置5による分級処理後の排水を前記洗浄装置3等に再使用するための排液処理装置6とを備えている。なお、以下において、左右の区別は図1を基準として行い、図1に向かって右側を「右」、左側を「左」として説明する。
【0008】
このうちの前記投入装置2においては、骨材用砂8の貯蔵場所と前記洗浄装置3との間にコンベア10が介設され、該コンベア10の始端部上には原料となる骨材用砂8をコンベア10上に導入するホッパ9が配置されると共に、コンベア10の途中部上方には骨材用砂8上に散水する加液装置7が配設されている。該加液装置7はスプレーヘッダ11と複数のスプレーノズル12とから形成され、このうちのスプレーヘッダ11には管路14が連通され、該管路14は前記排液処理装置6に連通された主管路13より分岐されており、該管路13・14を介して、排液処理装置6からの排水を前記スプレーヘッダ11に供給できるようにしている。このスプレーヘッダ11を通ってスプレーノズル12から噴出された水は、骨材用砂8と付着異物との界面や、骨材用砂や異物塊自身の中に入り込むことができ、これにより、付着異物が骨材用砂8から剥がれやすくなり、骨材用砂8や異物塊自体も脆くすることができる。
【0009】
すなわち、前記骨材用砂洗浄分級システム1に、洗浄及び角取り処理を行う前の骨材用砂8に予め液体である水を浸透させる加液装置7を設けるので、水が骨材用砂8と付着異物との界面に浸入して両者間の接合強度を低下させて、付着異物の剥離性を高めたり、水が骨材用砂8や異物塊の中に浸入して脆化させ、骨材用砂8の角取りや異物塊の粉砕を容易にすることができ、後で行う洗浄及び角取り処理における角部や異物の除去効率の向上を図ることができる。
【0010】
そして、前記コンベア10の終端部は、後述する第一次洗浄装置3aのホッパ18の上方まで延出されており、該ホッパ18内に、水を含んだ骨材用砂8を供給できるようにしている。このような構成において、貯蔵場所から前記ホッパ9に導入された骨材用砂8は、コンベア10の始端上に落下して左方に搬送され、その搬送途中で加液装置7のスプレーノズル12・12・・・によって散水された後、コンベア10の終端部からホッパ18内に投入される。
【0011】
次に、前記洗浄装置3について、図1乃至図6により詳細に説明する。
図1に示すように、洗浄装置3は、前述した投入装置2から搬送されてきた骨材用砂8にキャビテーション流を有する圧力流体を吹き付けて洗浄及び角取り処理を行う第一次洗浄装置3aと、該第一次洗浄装置3aで処理済みの骨材用砂8を更に回転ドラム内で転動させて洗浄及び角取り処理を行う第二次洗浄装置3bとから構成される。
【0012】
まず、第一次洗浄装置3aについて説明する。
図2に示すように、該第一次洗浄装置3aは、圧力流体を噴射する噴射ノズル27、骨材用砂8を投入する搬入管部28、圧力流体によって高速で移送される骨材用砂8を管壁等に衝突させて角部や異物の除去を行う直管部29、及び噴射直後の圧力流体の流れを略鉛直方向に変える屈曲管部30から成り、これらの管部28・29・30によって連続した管路31が構成されている。
【0013】
図1、図2に示すように、前記搬入管部28は、直管部29よりも大径の大径部51を有し、該大径部51の左端は、前記噴射ノズル27によって閉塞されると共に、この大径部51の途中部には、噴射ノズル27から噴射される圧力流体の噴射方向に略垂直方向で上向きの分岐管32が形成されている。そして、該分岐管32下端は前記大径部51に連通する投入口33を形成する一方、分岐管32の上端は前記ホッパ18の下端に接続されており、該ホッパ18には、前述のようにして、投入装置2の搬送途中において加液装置7で散水された骨材用砂8が投入される。
【0014】
このため、ホッパ18内には骨材用砂8間の隙間が水によって充填され、骨材用砂8と水からなる混合物により前記投入口33が閉塞された状態となっている。このため、噴射ノズル27から圧力流体が高速で噴出し、空気が排出されて管路31内の圧力が負圧となっても(以下、「負圧効果」とする)、外気が骨材用砂8間の隙間から搬入管部28内に漏れ入って圧力が上昇することはなく、この負圧効果により、骨材用砂8と水からなる前記混合物を搬入管部28内に強力に吸引することができる。
【0015】
すなわち、前述のような加液装置7を設けるので、前記洗浄装置3への投入口33へ供給する骨材用砂8の間の隙間を水によって略充填し、投入口33を骨材用砂8と水によって閉塞した状態とすることができ、噴射ノズル27から噴出する圧力流体による吸引力が、投入口33内の骨材用砂8に有効に作用して、骨材用砂8を管路内に強力に吸引し、骨材用砂8の処理量を大幅に増加させ、角部や異物の除去効率の更なる向上も図ることができる。
【0016】
図1乃至図3に示すように、前記噴射ノズル27は、加圧空気が流れる内流路35を有する内流管34と、該内流管34先部を取り囲むと共に洗浄水が流れる外流路37を有するT字状の外流管36とから成る二重ノズルであり、このうちの内流管34は、外流管36の左端に左右移動可能に螺挿されている。
【0017】
該内流管34は、送気管39を介して高圧ポンプ40に接続されており、該高圧ポンプ40を駆動させることにより、送気管39を介して前記内流路35内に高圧の加圧空気が供給されるようにしている。そして、この内流路35内には、前記送気管39の内径と略同径の大径部35a、左に拡管する絞り部35b、右に拡管する拡管部35cが左から順に形成されており、送気管39から送られてきた高圧の加圧空気は、内流路35内を通過する間に、流路断面積の減少によって流速が著しく増加した後、内流管34先端から高速で大きく拡がりながら噴出されるようにしている。
【0018】
前記外流管36においては、その本管部42の途中部に下向きの枝部43が形成され、該枝部43は管路15と接続されており、ポンプ17によって圧送されてきた前記排液処理装置6からの水が、主管路13から管路15を介して前記外流路37内に洗浄水として供給されるようにしている。更に、本管部42は、右端にフランジ42aを有し、該フランジ42aは、前記搬入管部28の大径部51左端に接続された前テーパ管44のフランジ44aとボルト46によって着脱可能に連結されると共に、本管部42右端の内壁には、左に拡管する環状のテーパ部36aが嵌設されている。該テーパ部36aには、前記内流管34先端に形成された先細り部34aが内挿されており、該先細り部34aと前記テーパ部36aとの間に設けた隙間47から、前記外流路37内の洗浄水が、高速で噴出される前記加圧空気によって、大径部51内に吸引される。
【0019】
このような構成において、前記内流管34を軸心回りに回転して右方向に移動させ、内流管34の先細り部34aを、外流管36のテーパ部36aに当接させて前記隙間47をなくすと、外流路37内の洗浄水は供給されず、内流管34の内流路35を通って加速された高速の加圧空気のみが供給され、内流管34先端の拡管部35cから加圧空気48が空気中に大きく拡がるようにして噴出する。この状態から、内流管34を軸心回りに逆回転して左方向に移動させ、内流管34の先細り部34aを外流管36のテーパ部36aから離間して隙間47を形成すると、該隙間47を通って外流路37内の洗浄水が供給される。
【0020】
この洗浄水は、内流管34からの高速の加圧空気による負圧効果によって強力に吸引されて狭い前記隙間47を高速で通過するが、その際、洗浄水内では圧力が急激に低下してキャビティが発生し、その結果、該キャビティを多量に含むキャビテーション流49が生成され、該キャビテーション流49が、内流管34先端から拡がるようにして噴出する前記加圧空気48の周囲を取り囲むようにして、前記圧力流体50が形成される。
【0021】
このようにして、空気中への拡散が水よりも速やかに起こる加圧空気48を噴射軸中心に有する圧力流体50が形成されると、該圧力流体50は、右に拡管する前テーパ管44の内壁面沿いに大きく拡がるようにして大径部51内に噴出し、前記ホッパ18から投入口33を通って流下する骨材用砂8に吹き付けられる。すると、該骨材用砂8は、加圧空気48で拡がろうとする圧力流体50により、管路31の内壁に向かって斜めに高速で運ばれて激しく衝突する。衝突した骨材用砂8は、圧力流体50に巻き込まれてそのまま移送されるか、あるいは、圧力流体50にはじき飛ばされて管路内壁で何度も衝突を繰り返しながら移送されていく。同時に、加圧空気48を取り囲むキャビテーション流49では、噴出してから流速が低下して圧力が回復すると、含んでいたキャビティが崩壊し、このキャビティ崩壊によって生じた衝撃波が、骨材用砂8に衝撃力として加わることとなる。
【0022】
すなわち、前記噴射ノズル27には、少なくとも一方が高圧に加圧された液体と気体とを供給し、該気体の加圧空気48の周囲を、高速の液体の洗浄水と該洗浄水中に発生したキャビティ等の気体とから成るキャビテーション流49で取り囲むことにより、前記圧力流体50を構成するので、空気中への拡散が液体よりも速やかに起こる加圧空気48をキャビテーション流49の内側に位置させることができ、液体を主体とする従来の圧力流体とは異なり、噴出した圧力流体50は、噴出直後には高速で管路内壁に向かって大きく拡がりながら、骨材用砂8を管路内壁まで運んで激しく衝突させるため、骨材用砂8が受ける衝撃力や管路内壁への衝突頻度が一層増加し、角部や異物の除去の更なる効率化を図ることができる。更に、キャビテーション流49の内外面を常に多量の空気と接触させることができ、該空気からは、多量の小気泡がキャビティとしてキャビテーション流49内に取り込まれたり、この小気泡がキャビティとして崩壊しない場合であっても、キャビティの気泡核となる多量の気体成分がキャビテーション流49の液体の洗浄水中に溶け込むため、キャビテーション流49のキャビティ量が増加し、キャビティ崩壊時の衝撃波の発生を促進させることができる。加えて、圧力流体50の外側面は、洗浄水が主体のキャビテーション流49で取り囲まれた状態にあって、前記管路内壁は洗浄水層によって常に覆われるため、管路内壁が骨材用砂8から受ける衝撃による熱損傷を大きく抑制することができ、管路寿命を延ばして第一次洗浄装置3aのメンテナンスコストの削減等を図ることができる。
【0023】
なお、本実施例では、空気のみを高圧に加圧し、洗浄水はこの高速の加圧空気の負圧効果によって吸い込まれ、圧力流体が形成されるようにしているが、洗浄水も空気と同様に高圧に加圧してよい。或いは、逆に、周囲の洗浄水のみを高圧に加圧し、空気はこの高圧洗浄水の吸引効果によって吸引空気として吸い込み、圧力流体を形成するようにしてもよい。ただし、このように洗浄水を高圧に加圧するのに使用する高圧ポンプでは、洗浄及び角取り処理や分級処理後の低品質の排水をそのまま使用するとポンプ故障の原因ともなるため、前記排液処理装置6において高度な水質改善を行う必要がある。言い換えれば、高圧に加圧した洗浄水を使用しなければ、排液処理装置6で簡単な水処理を行うだけで、低品質の排水をそのまま再利用することができるのである。
【0024】
すなわち、本実施例のように、前記骨材用砂洗浄分級システム1において、分級処理後の排液である排水を洗浄水として再利用可能な排液処理装置6を設けると共に、前記圧力流体50用に供給する液体と気体のうち気体のみを高圧に加圧する構成とすることにより、前記噴射ノズル27や後述する補助噴射ノズル55等の噴射ノズルへ供給する洗浄水を高圧に加圧する必要がなく、該洗浄水には、分級処理後の低品質の排水を、高度な水処理を施さずに再利用することができ、排水処理コストの大幅な低減や、クローズドシステムによる環境保全の促進を図ることができる。
【0025】
図1、図2、図4に示すように、前記直管部29は、大径部51よりも小径の短管52と該短管52と略同径の直管53とから成り、該直管53の左端にはフランジ53aが設けられ、該フランジ53aと前記短管52右端のフランジ52aをボルト46によって連結する一方、直管53の右端にもフランジ53bが設けられ、該フランジ53bと前記屈曲管部30左端のフランジ56aをボルト46によって連結している。これにより、直管部29の大部分を占める直管53を第一次洗浄装置3aから外して交換することができ、第一次洗浄装置3a全体を交換することなく、骨材用砂8の衝突による損傷の大きい直管53だけを交換すればよく、第一次洗浄装置3aの組立性・メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0026】
ここで、前記大径部51と短管52との間には左に拡管した後テーパ管45が形成されており、大径部51内で骨材用砂8に吹き付けられ骨材用砂8と一緒になった圧力流体50は、この後テーパ管45によって絞られた後、短管52を通って前記直管53内に高速で突入することとなる。これにより、骨材用砂8の直管部29内での初速をできるだけ速くすることができ、直管部29内における骨材用砂8の移送速度の低下をできるだけ防止し、骨材用砂8と管路内壁、或いは骨材用砂同士が高速で衝突できるようにしている。
【0027】
また、このようにして骨材用砂8が高速で移送される直管53の内壁53cには、該直管53の軸心に向かって突出する螺旋状突起体54が設けられている。該螺旋状突起体54は螺旋状の板材57から成り、該板材57を直管53の端部開口から内挿し、その外周端57aを直管53の内壁53cに溶接等で固定している。あるいは、内壁53cに螺旋状の溝を刻設し、この溝に外周端57aを嵌合させるようにして板材57を回しながら直管53に螺挿して、板材57を内壁53cに係止するようにしてもよい。
【0028】
このような構成においては、板材57で対向する左右の側面57b・57cと、直管53の内壁53cとの間に螺旋溝58が形成されており、直管53内に骨材用砂8を伴った圧力流体が流れると、この螺旋溝58に流れ込み、内壁53c近傍には、該螺旋溝58に沿った螺旋流が発生する。このため、板材57近傍の骨材用砂8は螺旋流にのって旋回しながら移送され、この際に発生する遠心力作用によって、骨材用砂8の大部分が圧力流体から速やかに分離され、内壁53cに頻繁に激しく衝突する。また、直管53の軸心上を流れる圧力流体については、螺旋状突起体54の板材57の螺旋中心をくぐるようにして流れるものの、板材57の内周端57d近傍では乱流渦となりやすく、該乱流渦に、軸心上を移送中の骨材用砂8が巻き込まれると、骨材用砂8が板材57の左側面57bや内周端57dと衝突する頻度が著しく増加する。
【0029】
すなわち、前記第一次洗浄装置3aの管路内壁には、前記圧力流体を螺旋方向に誘導可能な螺旋状突起体54を設けるので、該螺旋状突起体54によって、管路である直管53の内壁53a近傍に、圧力流体や骨材用砂8から成る螺旋流を形成し、この螺旋流の遠心力作用によって、骨材用砂8を圧力流体から分離して直管53の内壁53aに激しく衝突させることができ、更には、螺旋状突起体54で発生する乱流渦によって、骨材用砂が衝撃力を受ける頻度も増え、角部や異物の除去の更なる効率化を図ることができるのである。なお、螺旋状突起体54には、板材57のかわりにコイル状の太い線材を用い、該コイル状線材を、その弾性力を利用して直管53内に張設してもよく、圧力流体を螺旋方向に誘導可能なものであれば、螺旋状突起体の形態や取り付け方法は、特には限定されない。
【0030】
また、前記直管53の途中下部には取付部53dが開口され、該取付部53dには、前記噴射ノズル27と同様な構造から成る補助噴射ノズル55が付設されている。該補助噴射ノズル55は、加圧空気が流れる内流路60を有する内流管59と、該内流管59先部を取り囲むと共に洗浄水が流れる外流路62を有するT字状の外流管61とから成る二重ノズルであり、このうちの内流管59は、外流管61の左端に左右移動可能に螺挿されている。
【0031】
該内流管59は、送気管63を介して前記高圧ポンプ40に接続されており、該高圧ポンプ40を駆動させることにより、送気管63を介して前記内流路60内に高圧の加圧空気が供給される。この内流路60内には、前記送気管63の内径と略同径の大径部60a、絞り部60b、拡管部60cが左から順に形成され、送気管63からの高圧の加圧空気は、内流路60内を通過する間に、流路断面積の減少によって流速が著しく増加した後、内流管59先端から高速で大きく拡がりながら噴出される。
【0032】
前記外流管61は、その本管部64の途中部に下向きの枝部65が形成され、該枝部65は管路66と接続されており、前記ポンプ17によって圧送されてきた排水が、主管路13から管路66を介して前記外流路62内に洗浄水として供給される。更に、本管部64右端の内壁にはテーパ部61aが嵌設され、該テーパ部61aには、前記内流管59先端の先細り部59aが内挿されており、該先細り部59aと前記テーパ部61aとの間の隙間68から、外流路62内の洗浄水が、高速で噴出される前記加圧空気によって吸引される。そして、このような外流管61の先部は、連通管67を介して前記取付部53dと連通連結されている。
【0033】
このような構成において、前記内流管59を回転して隙間47を調整すると、前記噴射ノズル27と同様にして、内側には、内流管59先端から高速で大きく拡がりながら噴出される加圧空気69が供給され、外側には、該高速の加圧空気69による負圧効果によって強力に吸引された洗浄水と該洗浄水内に発生したキャビティから成るキャビテーション流70が供給されて、圧力流体71が形成され、該圧力流体71は、前記連通管67を通って前記直管53内に噴出する。これにより、前記噴射ノズル27から噴出され管路31内を通過する間に減速した圧力流体50に、補助噴射ノズル55からの圧力流体71を合流させ、圧力流体50による骨材用砂8の移送速度やキャビテーション流49内のキャビティ量を回復させることができる。
【0034】
すなわち、前記第一次洗浄装置3aの管路31の途中部には、前記噴射ノズル27からの圧力流体によって移送中の骨材用砂8に対して圧力流体の追加吹き付けが可能な補助噴射ノズル55を設けるので、前記噴射ノズル27からの圧力流体50による骨材用砂8の移送速度がたとえ途中で低下しても、該圧力流体50に前記補助噴射ノズル55からの圧力流体71が合流することによって、移送速度は再び加速され、衝突による衝撃力はもとよりキャビティ崩壊による衝撃波も管路内で長い距離に渡って大きく維持することができ、角部や異物の除去量を一層増加させることができるのである。
【0035】
図1、図2に示すように、前記屈曲管部30は、直管部29の直管53の右端と略同径の本管部56を有し、該本管部56の左端は、前述の如く、フランジ53b・56aを介して前記直管部29と着脱可能に接続されている。そして、この本管部56の途中部には、噴射ノズル27から噴射される圧力流体50の噴射方向に略垂直方向で下向きの枝部72が形成され、該枝部72は前記第二次洗浄装置3bへの圧送管73に接続されており、第一次洗浄装置3aで洗浄や角取り処理等された骨材用砂8が、洗浄水等と一緒に、この圧送管73を介して第二次洗浄装置3bまで圧送されるようにしている。
【0036】
更に、本管部56の右部には、噴射ノズル27から噴射される圧力流体50の噴射方向と同一方向に枝部74が形成され、該枝部74は右端にフランジ74aを有し、該フランジ74aは固定板75とボルト46によって連結されており、枝部74の右端は自在に閉塞したり、取り外しできるようにしている。これにより、骨材用砂8や前記圧力流体50・71の衝突によって屈曲管部30内部が損傷し定期的交換を必要とする場合でも、寿命に達した該屈曲管部30を簡単に交換することができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0037】
第二次洗浄装置3bについて説明する。
図1、図5に示すように、該第二次洗浄装置3bは、略水平に回転軸心を有する回転ドラム76と、該回転ドラム76の左右端部を枢支する軸受け装置81・82と、前記回転ドラム76を回転駆動する駆動装置84と、前記回転ドラム76からの処理済みの骨材用砂8を排出する排出筒93等から構成されている。
【0038】
前記回転ドラム76において、略中央には大径の本体ドラム77が形成され、該本体ドラム77の右端には支持筒95が形成されており、該支持筒95の右端には、前記圧送管73に屈曲管96を介して連通された導入パイプ79が、回転ドラム76の回転軸心上を左方に向かって貫入している。一方、本体ドラム77の左端には左に絞った排出ドラム78が本体ドラム77と同一軸心上に連設され、該排出ドラム78の左端には、前記本体ドラム77より小径で前記支持筒95と略同径の支持筒94が形成されており、該支持筒94の左の開口端は、立設された前記排出筒93側面の側孔93aに回転可能に貫入されている。該排出筒93の下端には排出管25が連通され、該排出管25の下端は前記液切り装置4のホッパ19上まで延出されている。
【0039】
そして、左側の前記軸受け装置81は、左側の前記支持筒94の外周に設けられたローラ受け90と、該ローラ受け90を下部で二点支持する一対の支持ローラ89・89とから構成され、同様に、右側の軸受け装置82は、右側の支持筒95の外周に設けられたローラ受け92と、該ローラ受け92を下部で二点支持する一対の支持ローラ91・91とから構成されており、これら左右の支持ローラ89・89、支持ローラ91・91によって、前記回転ドラム76が回転できるようにしている。
【0040】
更に、右側の前記支持筒95の外周には、前記ローラ受け92の右側に隣接して従動ギア88が設けられ、該従動ギア88には、モータ85からの出力軸86に固設された駆動ギア87が噛合されており、これらモータ85、出力軸86、従動ギア88、駆動ギア87等から成る前記駆動装置84を制御することによって、モータ85の駆動力が出力軸86から駆動ギア87を介して従動ギア88に伝達され、前記左右の軸受け装置81・82に枢支された回転ドラム76を回転駆動することができる。
【0041】
図5、図6に示すように、このようにして回転制御される回転ドラム76内には、複雑な機構を含まない簡単な構成の螺旋状送り羽根83が、回転軸心に向かって突設されている。該螺旋状送り羽根83は、複数の板材99から成る不連続型送り羽根97と、一枚の連続した板材100から成る連続型送り羽根98とから構成される。
【0042】
このうちの不連続型送り羽根97は、複数の小片の板材99の外端99aを、前記本体ドラム77の内壁77a上の螺旋位置に所定の螺旋周方向間隔106をおいて溶接等で固定して形成されると共に、板材99で対向する左右の側面99b・99cと、本体ドラム77の内壁77aとによって、螺旋軸方向間隔103の螺旋溝101が形成されている。更に、不連続型送り羽根97において、隣接する板材99の間、すなわち螺旋溝101には、螺旋軸方向に複数の掻き上げ板142が架設されており、該掻き上げ板142は、回転軸心に向かって前記板材99と略同じ高さまで突出されている。一方、前記連続型送り羽根98は、螺旋状の板材100の外周端100aを、前記排出ドラム78の内壁78a上に溶接等で固定して形成されると共に、この板材100で対向する左右の側面100b・100cと、排出ドラム78の内壁78aとによって、前記螺旋軸方向間隔103よりも狭い螺旋軸方向間隔104を有する螺旋溝102が形成されている。
【0043】
そして、前記連続型送り羽根98の板材100の内周端100dによって形成される開口部の螺旋軸上には、右側の本体ドラム77内に洗浄水を供給するための噴射パイプ80が右方に延出されると共に、該噴射パイプ80の左端は前記排出筒93を貫通して、前記排液処理装置6に連通された主管路13より分岐された管路16と接続されている。これにより、ポンプ17によって圧送されてきた前記排液処理装置6からの水が、主管路13から管路16を介して前記本体ドラム77内に、洗浄水として供給されるようにしている。
【0044】
このような構成において、前記第一次洗浄装置3aから圧送管73を介して移送されてきた骨材用砂8、及び除去された角部や異物等は、洗浄水と一緒に前記導入パイプ79の導入口79aから、前記駆動装置84によって回動される本体ドラム77内に投入される。そして、この投入された骨材用砂8等は、前記不連続型送り羽根97の螺旋溝101内に流れ込んだ後、回転ドラム76の回転に伴い、板材99の左右の側面99b・99cで挟まれるようにして、特に左側面99bで押動されることにより、左方つまり排出側に向かって移送されていく。この際、骨材用砂8は、本体ドラム77下部の内壁77a上を転動すると共に、骨材用砂8同士、あるいは前記側面99b・99cと衝突を繰り返しながら、徐々に排出側に移送されていくため、骨材用砂8には長時間かけて摩擦力・剪断力を作用させることができる。
【0045】
本体ドラム77の左端まで移送されてきた骨材用砂8等は、排出ドラム78内に形成された連続型送り羽根98の螺旋溝102に流れ込む。該螺旋溝102の螺旋軸方向間隔104は前記螺旋溝101の螺旋軸方向間隔103よりも狭く、しかも、排出ドラム78は左に絞られて内壁78aが左斜め上方に傾斜しているため、流れ込んだ骨材用砂8等には本体ドラム77内と同様な摩擦力・剪断力が作用すると共に、骨材用砂8等は排出側に移送されながら充填密度が増し、洗浄水との分離が進む。そして、排出ドラム78の左端まで移送されてくると、高密度に充填された状態で、支持筒94から排出筒93を通って排出管25内に排出される。
【0046】
更に、このような移送中に、前記駆動装置84によって回転ドラム76を高速で回転させたり揺動回転させると、骨材用砂8は、回転ドラム76の内壁77a・78aに沿って掻き上げられた後に落下する、という動作を繰り返し、これにより、骨材用砂8に繰り返しの衝撃力を加えることができる。特に、本実施例のように螺旋溝101内に前記掻き上げ板142を設けると、この掻き上げ板142に載せて骨材用砂8を高位置まで持ち上げてから落下させることができ、骨材用砂8には更に大きな衝撃力を加えることができるのである。しかも、本発明では、洗浄及び角取り処理を第一次洗浄装置3aと第二次洗浄装置3bとの二段階に分けて行うので、前記駆動装置84を適正に制御して第二次洗浄装置3bの段階で骨材用砂8に作用する摩擦力、剪断力、及び衝撃力を大きくし、第一次洗浄装置3aで骨材用砂8に作用する衝撃力が小さくて済むようにすることも可能である。
【0047】
すなわち、骨材用砂8に対して液体による洗浄及び角取り処理を行う洗浄装置3と、該洗浄及び角取り処理後の骨材用砂8を大きさ別に分ける分級処理を行う分級装置5とを設けた骨材用砂洗浄分級システム1であって、前記洗浄装置3は、投入口33から管路31内に流下する骨材用砂8に向かってキャビテーション流49を有する圧力流体50の吹き付けが可能な噴射ノズル27を設けた第一次洗浄装置3aと、内部で骨材用砂8を転動可能な回転ドラム76を設けた第二次洗浄装置3bとから成るので、第二次洗浄装置3bにおいて、骨材用砂8と回転ドラム76の内壁77a・78a、或いは骨材用砂8同士の間に摩擦力・剪断力を長時間作用させることができ、第一次洗浄装置3aで受ける短時間の衝撃力だけでは除去しきれずに残っていた小さな角部や付着異物までも、確実に除去することができる。特に、骨材用砂8の靭性が高くて角部が欠けにくい場合や、多量の骨材用砂8を一度に処理しなければならない場合等でも、長時間転動される間に、摩擦力・剪断力が隅々の骨材用砂8まで繰り返して作用するため、第一次洗浄装置3aでは除去しきれずに残っていた大きな角部や異物塊までも確実に除去することができる。更に、回転ドラム76に高速回転あるいは揺動回転をさせることにより、骨材用砂8が回転ドラム76の内壁77a・78aに沿って掻き上げられた後に落下して回転ドラム76の底部に衝突するようにすることができ、この際の衝撃力が前記摩擦力・剪断力に付加され、小さな角部や付着異物をより一層確実に除去することができるのである。また、骨材用砂8の靭性が低い場合には、第一次洗浄装置3aでの衝撃力を小さく設定して、骨材用砂本体が大きく割れないようにすることができる。すなわち、第二次洗浄装置3bでの処理時間や回転ドラム76の回転速度等を調整して角部や異物の除去量を増加させることにより、第一次洗浄装置3aで除去すべき角部や異物の量が少なくて済み、このため、第一次洗浄装置3aでの骨材用砂8の移送速度を遅くして衝撃力を小さく設定することができ、過大な衝撃力によって骨材用砂本体が大きく割れることを防止して、良好な品質の骨材用砂製品を製造することができる。また、第一次処理装置3aでの骨材用砂8の移送には、従来のような単なる高圧の洗浄水ではなく、多量のキャビティを含むキャビテーション流49を使用しており、該キャビテーション流49中でのキャビティ崩壊によって生じる衝撃波が骨材用砂8に大きく作用し、前記角部や異物の除去効率を更に一層高めることができるのである。
【0048】
特に、本実施例の回転ドラム76の内壁77a・78aには螺旋状送り羽根83である不連続型送り羽根97・連続型送り羽根98を突設し、該送り羽根97・98が回転ドラム76の回転によって骨材用砂8を排出側に移送可能な構成とするので、骨材用砂8を回転ドラム76下部の内壁77a・78a上で転動させると同時に、送り羽根97・98の前後面である左右側面99b・99c、100b・100cで骨材用砂8を排出側に押動して移送させることができ、骨材用砂8を導入側から排出側まで移送するのに複雑な機構が不要となり、部品点数の削減による製造コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。更に、骨材用砂8と回転ドラム76の内壁77a・78a、或いは骨材用砂8同士に加えて、骨材用砂8と送り羽根97・98の左右側面99b・99c、100b・100cとの間にも、摩擦力・剪断力を作用させることができ、角部や異物の除去効率を更に高めることができる。
【0049】
また、前記噴射噴射パイプ80の右端には、前記導入口79aに対向して噴射口80aが開口され、該噴射口80aから洗浄水105が本体ドラム77内に噴射されるようにしている。噴射された洗浄水105は、前記板材99の内端99d内側の螺旋軸方向の空間はもとより、隣接する板材99間に形成される、螺旋周方向間隔106を有する広い隙間108を通って、移送されてくる骨材用砂8等に吹き付けることができるようにしている。
【0050】
すなわち、前記回転ドラム76の一端面の回転軸心上に、前記第一次洗浄装置3aより移送されてきた骨材用砂8の導入口79aを設けると共に、回転ドラム76の他端面の回転軸心上には、洗浄用の液体を補給する噴射口80aを前記導入口79aに対向して配置するので、骨材用砂8の移送方向と逆方向に液体である洗浄水105を噴出させることができ、向かってくる骨材用砂8に洗浄水105を吹き付けるので洗浄力が増加し、骨材用砂8に再付着した小さな角部や異物までも確実に洗浄除去することができ、角部や異物等の不純物のない良好な品質の骨材用砂製品を製造することができる。
【0051】
次に、前記液切り装置4について、図1により説明する。
液切り装置4においては、前記第二次洗浄装置3bと分級装置5の間に傾斜コンベア20が介設され、該傾斜コンベア20の始端に前記ホッパ19が配置されており、該ホッパ19に案内されて、第二次洗浄装置3bの排出パイプ25からの骨材用砂8等が、傾斜コンベア20の始端上に落下するようにしている。
【0052】
前記傾斜コンベア20は、排出パイプ25よりも下方に配置された第一プーリ23と、該第一プーリ23よりも高位置に配置された第二プーリ24との間に、循環駆動可能に巻回されており、骨材用砂8等を前記分級装置5のホッパ26まで搬送できるようにしている。更に、傾斜コンベア20の途中部から終端部にかけては、空気ブロワ21に接続された複数のノズル22が配設され、前記空気ブロワ21から吐出された圧縮空気が、傾斜コンベヤ20上の骨材用砂8等に向けて吹き付けるようにしている。
【0053】
これにより、骨材用砂8等は、傾斜コンベヤ20とともに第二プーリ24に向かってゆっくりと上昇しながら圧縮空気によって水切りされ、骨材用砂同士、或いは骨材用砂と他の不純物とをつなぐ水分が除去された後、傾斜コンベヤ20が第二プーリ24に沿って周回すると、第二プーリ24の頂部付近で傾斜コンベヤ20から離脱し、前記ホッパ26に投入される。
【0054】
すなわち、前記骨材用砂洗浄分級システム1に、洗浄及び角取り処理を行った後の骨材用砂8から液分である水分を分離する液切り装置4を設けるので、泥状液体による粘着性をなくして、骨材用砂8、角部、異物等間の分離を容易にすることができ、続いて行う分級処理5における分級効率の向上を図ることができる。
【0055】
次に、前記分級装置5について、図1、図7により説明する。
分級装置5においては、前記液切り装置4で水切りされた骨材用砂等が投入される前記ホッパ26の下方に、振動ふるい装置109が配置されている。該振動ふるい装置109では、装置ケース110内に粗目と細目のふるい111・112が上下に略平行に配置され、このうちの上位置の粗目ふるい111の上方に前記ホッパ26の下端が位置しており、骨材用砂等は、ホッパ26から振動ふるい装置109に供給され、粗目ふるい111を通過した後に更に細目ふるい112で分級されるようにしている。
【0056】
このような構成において、粗目ふるい111によって捕捉された骨材用砂等(以下、「粗砂」とする)114は、斜設された粗目ふるい111で低い方の端部から、ホッパ117を通って粗砂用の収納部120に落下する。更に、前記粗目ふるい111を通過し細目ふるい112によって捕捉された骨材用砂等(以下、「適正砂」とする)115は、斜設された細目ふるい112で低い方の端部から流れ出してコンベア123の始端部に落下し、該コンベア123によって搬送された後、終端部からホッパ118を通って適正砂115用の収納部121に落下する。そして、コンベア123の途中部上方には、空気ブロワ124に接続されたヘッダ125が配置され、該ヘッダ125には複数のノズル126が設けられており、前記空気ブロワ124から吐出された圧縮空気を、コンベヤ123上の適正砂115に向けて吹き付けて十分に乾燥させ、適正砂115を骨材用砂製品としてそのまま使用できるようにようにしている。
【0057】
前記両ふるい111・112とも通過した骨材用砂等(以下、「細砂」とする)116は、細砂用のホッパ119を介して、細砂用の収納部122のタンク122a内に排出される。なお、ふるい111・112の一端は、それぞれ振動ピン113によって装置ケース110に支持されており、図示せぬ振動装置によって前記ふるい111・112を振動できるようにしている。かかる振動装置には、クランク方式、ピストン方式、振動モータ方式等の公知の振動機構を適用することができ、骨材用砂等を確実に分級可能なものであれば、特に限定されるものではない。
【0058】
すなわち、前記分級装置5には、複数段で分級可能な振動ふるい装置109を設けるので、各段のふるいの目の大きさを変えるだけの簡単な作業で所望の大きさの骨材用砂のみを分離することができると共に、細かいふるいであっても振動させることによって、目詰まりが起こりにくく、分級処理効率の大幅な向上を図ることができるのである。
【0059】
次に、前記排液処理装置6について、図1により説明する。
排液処理装置6においては、前記液切り装置4や分級装置5の下方には、投入時や搬送中に、骨材用砂等から流下したり、空気ブロワ21・124からの圧縮空気によって吹き飛ばされた排水を受ける排水受け127が配設され、該排水受け127は排水路128を介して排水槽129に連通されている。
【0060】
該排水槽129は沈殿槽であり、この排水槽129内で汚泥を沈殿させて分離排出した後にアルカリ中和等の簡単な水処理を行い、その上澄みをポンプ17によって主管路13に圧送し、介設されたバルブ130・131・132・133を開閉することによって、前記各管路14・15・66・16を経由し、前記加液装置7のスプレーヘッダ11、第一次洗浄装置3aの噴射ノズル27と補助噴射ノズル55、及び第二次洗浄装置3bの噴射パイプ80に、洗浄水の供給や停止を行うようにしている。
【0061】
次に、前記第一次洗浄装置3aのようなキャビテーション流を使用しない振動型洗浄装置134について、図8により説明する。
該振動型洗浄装置134においては、図示せぬ振動装置によって激しい振動が付与される振動筒136が斜設され、該振動筒136で高い方の端面136aの上部近傍には骨材用砂8を投入するホッパ135が設けられ、該ホッパ135は、前記投入装置2のコンベア10終端部下方に位置しており、投入装置2からの骨材用砂8が振動筒136内に投入されるようにしている。前記端面136aでホッパ135下端近傍には噴射パイプ139が貫設され、振動筒136内に洗浄水が供給されるようにしている。
【0062】
更に、前記振動筒136では、内壁から筒軸心に向かって複数の突起体137が突設され、該突起体137によってジグザグ状の空間141が形成されると共に、隣接する突起体137の間には複数のエアノズル138が設けられており、該エアノズル138からは図示せぬ空気ブロワからの圧縮空気が噴出されるようにしている。そして、振動筒136で低い方の端面136bの下部近傍には排出管140が設けられ、該排出管140を介して、前記噴射パイプ139からの洗浄水やエアノズル138からの空気によって洗浄及び角取り処理された骨材用砂8が、前記第二次洗浄装置3bに排出される。
【0063】
このような構成において、前記ホッパ135から投入された骨材用砂8は、前記空間141内で激しく揺り動かされると共に、前記エアノズル138からの空気によって激しく攪拌され、その結果、骨材用砂8と突起体137、或いは骨材用砂同士が高速で衝突し、前記第一次洗浄装置3aと同様に、骨材用砂8の角部や異物を除去することができる。しかも、この振動型洗浄装置134では、キャビテーション流を発生させたり、圧力流体によって骨材用砂8を長い距離に渡って搬送する必要がなく、衝撃力の大部分は振動筒136の振動から与えられることから、使用する洗浄水や空気の圧力は前記第一次洗浄装置3aよりも低くて済み、洗浄水については高品質は全く要求されず、分級処理後の低品質の排水をそのまま洗浄水に再利用することができる。
【0064】
すなわち、前記第一次洗浄装置として、骨材用砂8に激しい振動を付与可能な振動型洗浄装置134を用いるので、高圧の洗浄水や空気が不要となり、高価な高圧ポンプや配管等をなくして設備コストが安くて済むと共に、分級処理後の低品質の排水をそのまま洗浄水として再利用でき、排水処理コストの更なる低減や、クローズドシステムによる環境保全の一層の促進を図ることができる。
【0065】
なお、従来のように洗浄及び角取り処理を単一の装置で行う場合には、配管を長くしたり、全体を大型化する等しないと、高品質の骨材用砂製品が得られず、洗浄装置は固定式とならざるを得なかったが、本発明に係わる洗浄装置3のように処理装置を多段に分けることで、各装置を小型化することができ、必要に応じて可搬式とすることが可能である。骨材用砂洗浄分級システム1を構成する他の装置、例えば、投入装置2、液切り装置4、振動ふるい装置109等は、もともと装置自体が小さくて済み移送が容易であることから、本発明に係わる骨材用砂洗浄分級システム1においては、構成する各装置を可搬式とすることができ、場所を選ばずに骨材用砂8の洗浄分級処理が可能となり、可搬性に優れた洗浄分級システムを提供することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、研磨剤・洗浄剤等を投入し、それに、キャビテーション流となった研磨液・洗浄液等を吹きつけ、この研磨剤・洗浄剤等と研磨液・洗浄液等とを含んだ圧力流体を、機械部品、碁石、宝石・貴金属類の装飾品等の被衝突体に衝突させ、続いて、これらの被衝突体を回転ドラム内に投入して転動させることにより、これらの研磨や洗浄を行う、といった用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に関わる洗浄装置を用いた骨材用砂洗浄分級システムの全体構成図である。
【図2】第一次洗浄装置全体の側面一部断面図である。
【図3】第一次洗浄装置の噴射ノズルの側面一部断面図である。
【図4】第一次洗浄装置の直管部の側面一部断面図である。
【図5】第二次洗浄装置全体の側面一部断面図である。
【図6】第二次洗浄装置の回転ドラムの側面一部断面図である。
【図7】分級装置全体の側面一部断面図である。
【図8】振動型洗浄装置全体の側面一部断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 骨材用砂洗浄分級システム
3 洗浄装置
3a 第一次洗浄装置
3b 第二次洗浄装置
4 液切り装置
5 分級装置
6 排液処理装置
7 加液装置
8 骨材用砂
27 噴射ノズル
31 管路
33 投入口33
48 高圧に加圧された気体
49 キャビテーション流
50・71 圧力流体
54 螺旋状突起体
55 補助噴射ノズル
76 回転ドラム
77a・78a 内壁
79a 導入口
80a 噴射口
83 螺旋状送り羽根
109 振動ふるい装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材用砂に対して液体による洗浄及び角取り処理を行う洗浄装置と、該洗浄及び角取り処理後の骨材用砂を大きさ別に分ける分級処理を行う分級装置とを設けた骨材用砂洗浄分級システムであって、前記洗浄装置は、投入口から管路内に流下する骨材用砂に向かってキャビテーション流を有する圧力流体の吹き付けが可能な噴射ノズルを設けた第一次洗浄装置と、内部で骨材用砂を転動可能な回転ドラムを設けた第二次洗浄装置とから成ることを特徴とする骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項2】
前記噴射ノズルには、少なくとも一方が高圧に加圧された液体と気体とを供給し、該気体の周囲を、高速の液体と該液体中に発生したキャビティ等の気体とから成るキャビテーション流で取り囲むことにより、前記圧力流体を構成することを特徴とする請求項1記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項3】
前記第一次洗浄装置の管路内壁には、前記圧力流体を螺旋方向に誘導可能な螺旋状突起体を設けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項4】
前記第一次洗浄装置の管路の途中部には、前記噴射ノズルからの圧力流体によって移送中の骨材用砂に対して圧力流体の追加吹き付けが可能な補助噴射ノズルを設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項5】
前記回転ドラムの内壁には螺旋状送り羽根を突設し、該螺旋状送り羽根が回転ドラムの回転によって骨材用砂を排出側に移送可能な構成とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項6】
前記回転ドラムの一端面の回転軸心上に、前記第一次洗浄装置より移送されてきた骨材用砂の導入口を設けると共に、回転ドラムの他端面の回転軸心上には、洗浄用の液体を補給する噴射口を前記導入口に対向して配置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項7】
前記骨材用砂洗浄分級システムに、洗浄及び角取り処理を行う前の骨材用砂に予め液体を浸透させる加液装置を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項8】
前記骨材用砂洗浄分級システムに、洗浄及び角取り処理を行った後の骨材用砂から液分を分離する液切り装置を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項9】
前記骨材用砂洗浄分級システムにおいて、分級処理後の排液を前記液体として再利用可能な排液処理装置を設けると共に、前記圧力流体用に供給する液体と気体のうち気体のみを高圧に加圧する構成とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の骨材用砂洗浄分級システム。
【請求項10】
前記分級装置に、複数段で分級可能な振動ふるい装置を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の骨材用砂洗浄分級システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−289869(P2007−289869A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121138(P2006−121138)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(503172253)株式会社ハマダ (7)
【出願人】(597167748)財団法人新産業創造研究機構 (20)
【Fターム(参考)】