骨粉末とフィブリングルーからなる固形のスキャフォールド
本発明は、骨再生用スキャフォールドに関するもので、より詳しくは、フィブリングルーに骨粉末が混合され、内部に骨成長促進のための因子を収容するための複数の細孔(pore)が形成されながら固まった(concrete)所定の形状を有する骨再生用スキャフォールド、及び前記スキャフォールドの製造方法に関するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨再生用スキャフォールドに関し、より詳しくは、フィブリングルーに骨粉末が混合され、内部に骨の成長促進のための因子を収容するための複数の細孔(pore)が形成されながら固まった(concrete)所定の形状を有する骨再生用スキャフォールド、及び前記スキャフォールドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨組職工学の目的は、骨が必要な部位に工学的に培養された骨形成細胞を移植して骨形成を誘導し骨組職を生じさせることにある。このような組織工学のためには骨形成細胞とこの細胞が付着して生存できるスキャフォールド、骨再生のための誘導分化を促進する成長因子が必要である。各々の成分は同時に影響を及ぼして適切な時間と環境を維持すれば骨組職を形成することができる。それで、各々に対する理想的な因子を捜すために多くの研究が行われている。
【0003】
特に、骨形成細胞が生存しながら骨を形成するためのスキャフォールドのような骨伝導物質が重要である。このような骨伝導物質は、骨の無機化段階におけるものと類似で、生体適合性が必要であり、周りの骨と密接に連携される表面活性度と物理的支持を提供する。骨伝導物質ではセラミック、コラーゲン、生分解性高分子などが多様に研究されている。
【0004】
Takahashiらは多孔性のHA(hydroxyapatite)とBMP(bone morphogenic protein)の使用を通じた骨癒合(非特許文献1)を、AsahinaらはHA、コラーゲン、ウシBMPなど(非特許文献2)を、Ohgushiらはセラミックスキャフォールド(非特許文献3、非特許文献4)を、Caplanらは多孔性リン酸カルシウムなど(非特許文献5)の有用性などを報告した。
【0005】
また、特許文献1では、(a)フィブリンやフィブリノーゲンで構成されたソフトマトリックス、(b)生きている細胞及び、(c)non−ceramic hydroxyapatite cementで構成された固定されたマトリックスを含む骨代替用材料を開示している。
【0006】
また、特許文献2では、無機物化コラーゲンから形成され、マトリックスに固定化された5ミクロン以下の粒子サイズを有するリン酸カルシウム微粒子を含む生分解性の多孔性3次元骨移植用マトリックスを開示している。
【0007】
また、特許文献3では、動物の骨組職から骨芽細胞を分離してDMEMまたはα−MEM培養液で増殖培養させて骨芽細胞懸濁液を調製し、この骨芽細胞懸濁液に半固形性骨芽細胞凝固因子を混合してフィブリン混合型骨折癒合用半固形性骨芽細胞組成物を製造する方法を開示している。
【0008】
しかし、従来のスキャフォールドは、生きている骨芽細胞が内部で成長できる培地としての役目と、骨欠損部位に移植されたとき治癒過程の間安定的にその空間内に維持されながら形態と強度を維持することができなくて、骨再生効果が低い問題点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Takahashi K et al. J Biomed Master Res A 12:117−123、2007
【非特許文献2】Asahina I et al. J Med dent Sci. 44:63−69、1997
【非特許文献3】Ohgushi H et al. J Biomed Mat Res 26: 885−95、1992
【非特許文献4】Ohgushi H et al. J Biomed Mat Res 32:341−8、1996
【非特許文献5】Caplan AI. J Cell Physiol 213(2):341−347、2007
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第1231947号公報
【特許文献2】特開1999−513590号公報
【特許文献3】アメリカ公開特許第2008−0213229号公報
【発明の概要】
【0011】
発明の開示
技術的解決課題
本発明者は、前記のような問題点を克服できるスキャフォールドを開発するために努力するうち、フィブリングルーと骨粉末を混合した後に凍結乾燥して収得した固形のスキャフォールドが生体内で安全であり、骨再建過程で持続的に細胞が位置できる空間を維持し、生体内環境でも適切な形態と強度を維持して迅速な骨形成を誘導できることを確認し、本発明を完成するに至った。また、フィブリングルーと骨粉末の混合後実行する凍結乾燥過程はこの混合体内に多数の細孔を形成させることにより骨再生促進因子の吸収度と維持度が向上された。
【0012】
また、凍結乾燥されて形成される本発明のスキャフォールドは、所定の希望する形状の型枠内で凍結乾燥されて希望する形状のスキャフォールドを製造することができ、このような長所は骨欠損部位に適合するスキャフォールドを提供することができる。最近、3次元スキャニング技術と連係させることにより患者の欠損部位を正確に判断してその形状を再生することができることにより、本発明の活用度が向上されている。
【0013】
したがって、本発明は前述のような問題点を解決すべくなされたものであって、その目的は、フィブリノ−ゲンとトロンビンを主要成分とするフィブリングルーに骨粉末が混合されたことを特徴とする固形の骨再生用スキャフォールドを提供することにある。
【0014】
より具体的に、本発明はフィブリノ−ゲンとトロンビンを主要成分とするフィブリングルーに骨粉末が混合され、凍結乾燥過程を経ることにより内部に骨成長促進のための因子を収容するための複数の細孔(pore)が形成されながら固った(concrete)状態の物理的特性を有する骨再生用スキャフォールドを提供する。
【0015】
本発明の他の目的は、前記凍結乾燥過程の前に前記フィブリングルーと骨粉末混合物を所定形状の型枠に入れて凍結乾燥することにより希望する形状のスキャフォールドを提供することにある。
【0016】
本発明のまた他の目的は、3次元デジタルスキャニング技術を通じて患者の欠損部位に対する型枠を製造した後、この型枠内に前記フィブリングルーと骨粉末混合物を入れて凍結乾燥することにより患者オーダーメード型スキャフォールドを提供することにある。
【0017】
技術的解決方法
上述の目的を達成するための本発明は、フィブリノーゲンとトロンビンを主要成分とするフィブリングルーに骨粉末が混合されたことを特徴とする固形の骨再生用スキャフォールドに関するものである。すなわち、フィブリングルーに骨粉末が添加されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のスキャフォールドは、固形の、そして固まった(concrete)状態であることを特徴とする。このためにフィブリングルーと骨粉末を混合した後凍結乾燥することが好ましい。また、本発明のスキャフォールドは、凍結乾燥される前に所定の形状を有するように処理されるか、所定の型枠内で凍結乾燥されることが好ましい。一様態として、前記形状と型枠は患者の顎骨または歯牙欠損部位に対応する形状である。より具体的に、前記型枠は、(a)3次元CTを利用した3次元模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンなどを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、で製造される。
【0019】
本発明において、「骨粉末(bone powder)」は骨の粉砕物、好ましくは、骨芽細胞が除去された(無機物の)骨の粉砕物を意味する。前記骨粉末は自家骨、同種骨、異種骨及び合成骨(例:hydroxyapatite)からなるグループから選択された1種以上の骨に由来するものである。本発明で骨粉末は商業的にも入手可能であり、例えば、Dynagraft(オステム社製)、Biocera(オスコテック社製)、Bio−Oss (JUNGSAN BIOMED社製)、ICB(Purgo Tissue Bank社製)、MBCP(Purgo Tissue Bank社製) などがある。
【0020】
本発明において、「フィブリングルー(fibrin glue)」は、フィブリノーゲンとトロンビンを主要成分として含む生体適合性及び生分解性を有する製品を意味する。フィブリングルーは現在多様な用途で使われており、ヨーロッパなどではフィブリンの組職膠着作用を利用してフィブリノーゲン、トロンビン、塩化カルシウム及び線溶酵素の阻害剤を組職接着剤として末梢神経の縫合、微小血管の縫合などに適用して縫合の代用または補強のための臨床応用が実施されている。また、日本では手術用接着剤として血管外科領域を含めて脳神経外科手術、骨の接着など整形外科手術、裂傷患者の血止めなどに利用されている。例えば、Greenplast(緑十字社製)、Beriplast−P(Sanofi−Aventis社製)、Tisseel(BAXTER社製)などが商業的に入手可能である。
【0021】
好ましくは、本発明のフィブリングルーはフィブリノーゲンとトロンビンを含む。前記フィブリノーゲンは10〜1000mg/ml、好ましくは、10〜100mg/mlの濃度で利用することができる。前記トロンビンは0.1〜1000IU/ml、好ましくは、1〜100IU/mlの濃度で利用することができる。
【0022】
本発明のフィブリングルーはアプロチニンまたは塩化カルシウムを追加で含むこともできる。また、本発明のフィブリングルーは水溶性バインダーを追加で含むこともできる。前記水溶性バインダーは細胞培養培地、蒸留水または血液であっても良い。
【0023】
本発明で骨粉末とフィブリングルーを混合するにおいて、フィブリングルーの量が多いほど毒性を誘発する可能性が高いため、その含量を適切に調節することが好ましい。また、スキャフォールドのサイズが大きいほど強度及び形態維持のために骨粉末の含量を高めることが好ましい。このような点を考慮する時、本発明でフィブリングルーと骨粉末は1対1〜10、好ましくは、1対1〜5、より好ましくは、1対1〜3の体積比で混合することができる。
【0024】
本発明の骨成長促進のための因子は骨成長を促進する多様な因子を含む。例えば、ホルモン、サイトカイン、幹細胞などを含む。より具体的に、PDGF(Platelet Drived Growth Factor)またはVEGF(Vascular Enothelial Growth Factor)である。
【0025】
本発明のスキャフォールドは凍結乾燥過程を経る際にフィブリングルーと骨粉末混合体内に多数の細孔が生成されるので骨成長促進因子の吸収と維持が向上される。凍結乾燥状態のスキャフォールドは骨成長促進因子を含む培地を容易に吸収して細孔内に入れる。
【0026】
本発明の他の観点は、骨粉末とフィブリングルーを混合した後、所定形状の型枠で凍結乾燥することを特徴とする所定形状を有する固形のスキャフォールドの製造方法に関するものである。
【0027】
前記凍結乾燥方法は通常の方法で実行でき、乾燥時の残余水分が2% w/wまたはそれ以下で維持されることを意味する。また、本発明の凍結乾燥方法は商業的に入手可能な凍結乾燥器を利用することで可能である。
【0028】
本発明のまた他の観点は、患者の骨消失部位に処置して骨再生を促進するように骨消失部位に適合する患者オーダーメード型スキャフォールドの製造方法に関するものである。具体的に、本発明の患者オーダーメード型スキャフォールド製作方法は、(a)3次元CTを利用した3次元模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンなどを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、(c)前記型枠にフィブリングルーと骨粉末混合剤を入れて凍結乾燥する過程と、を含む。
【0029】
有利な効果
本発明による固形のスキャフォールドは、生体内で安全であり、骨再生過程で持続的に細胞、サイトカインなどの骨成長を促進する因子の吸収度及び維持度を増加させ、且つ骨消失部位に適合な形状を有することにより適合な形態への再生を誘導し、骨再生のための多様な物質が位置できる空間を維持し、生体内の環境でも適切な形態と強度を維持して迅速な骨形成を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明で利用されたフィブリングルーのキット構成を示す図である。
【図2】本発明に係る凍結乾燥されたBiocera/フィブリンブロックを示す図である。
【図3】本発明に係る凍結乾燥されたMBCP/フィブリンブロックの製造過程を示す図である(a:MBCPとフィブリングルーの混合、b:凍結乾燥前のゲル状態、c:凍結乾燥過程、d:凍結乾燥後の固形状態)。
【図4】MBCPとフィブリングルーの混合物(a)及びこれを凍結乾燥して収得したMBCP/フィブリンブロックの状態(b)を示す図である。
【図5】実験動物であるミニブタの麻酔誘導過程、抜歯過程及び抜歯された歯牙を各々示す図である。
【図6】ミニブタの歯槽欠損部内に本発明に係る骨移植材を移植する位置を示す図である。
【図7】本発明の骨移植材を移植する過程を示す図である(A. 下顎の残存歯槽提の弁膜を挙上して移植部位露出、B. サドル形態の骨欠損部のみ形成、C. MBCPとフィブリングルーの混合物またはMBCP/フィブリンブロックの移植)。
【図8A】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((a):ライン調整) 。
【図8B】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((b):厚さ調整) 。
【図8C】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((c):密度測定) 。
【図8D】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((d):3断片(10×10 pixel size、3mm厚さ)により分割された密度測定) 。
【図9】本発明の骨移植材が移植された部位に対する3次元コンピュータ断層撮影結果を示す図である。
【図10】本発明に係る骨移植材が移植された部位に対する組織免疫化学染色結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
発明を実施するための最良の形態
【実施例】
【0032】
実施例1:本発明のスキャフォールド調製
1−1. フィブリングルーの準備
グリーンプラストキット(登録商標) (Greenplast kit:大韓民国緑十字社製)を用いてフィブリングルーを調製した(図1)。以下の過程によって実行した。
【0033】
1) バイアル1溶液の調剤、5ml
まず、バイアル1のタンパク質濃度は97.6mg/mlと測定された。タンパク質濃度を40mg/mlに調整するために2.5倍希釈した。1個のバイアル1にバイアル2の2.5mlで溶解し、また他の1個のバイアル1に生理食塩水2.5mlを入れて溶解した。完全に溶解された2個のバイアル1を一つの試験管に収集した。
【0034】
2) バイアル3溶液の調剤
バイアル3のトロンビン力価は557IU/mlと測定された。トロンビン力価を20IU/mlに調整するために28倍希釈した。1個のバイアル3にバイアル4の2.5mlで溶解し、この中で1mlを取って10mlの生理食塩水溶液に添加してよく混ぜた。
【0035】
1−2. フィブリングルーと骨粉末の混合
1) ディスク型骨ブロック
24溝の板の各溝に骨粉末(Biocera)を0.25g秤量して置く。各溝に0.2mlのバイアル1溶液を入れて骨粉末に充分に濡らせるように混合した。そして、各溝に0.1mlのバイアル3溶液を入れて迅速に薬スプーンを利用して混ぜた後に定置した。
【0036】
2) 半円棒型骨ブロック
10mlピペットを利用して製作されたフレームを使用する。各レーンに骨粉末(Biocera)1.25gを秤量して置く。各溝に2mlのバイアル1溶液を入れて骨粉末に充分に濡らせるように混合した。各溝に0.5mlのバイアル3溶液を入れて迅速に薬スプーンを利用して混ぜた後に1時間の間常温に定置した。
【0037】
1−3. 凍結乾燥
凍結乾燥器の棚の温度を−45℃で設定して稼動した。凍結乾燥された半円棒型骨ブロックを収得した(図2)。
【0038】
実施例2:実験材料及び方法
2−1. 実験動物及び材料
体重30kgの雄ミニブタ(PWG、Korea)4匹を実験動物として使用し、認証された飼育施設で、室温で動物型軟質飼料と水を利用して一定期間飼育した。
【0039】
1) 抜歯
ミニブタの左右下顎で小臼歯から第1の大臼歯まで抜去を施行した。抜去後に創傷縫合を連続縫合で施行した。1週後に抜糸を施行し、1ヶ月の間治癒を観察した。治癒過程に、追加的な埋伏歯の抜去は手術時に施行した。
【0040】
2) MBCP/フィブリンブロックの製造
(1) フィブリングルーの準備
グリーンプラストキット(Greenplst kit、大韓民国緑十字社製)を用いてフィブリングルーを調製した。グリーンプラストキット1mlは、1)濃縮されたヒトフィブリノーゲン、2)アプロチニン、3)ヒト血漿トロンビン、4)αMEM(培地溶液)で構成されている。2)を1)に混ぜてフィブリノーゲン溶液を調製し、4)を3)に混ぜることによりトロンビン溶液を調製した。
【0041】
(2) MBCP/フィブリン複合体(「MBCP+フィブリングルー」と略称する)の製造
先立って調製したフィブリングルー(フィブリノーゲン溶液及びトロンビン溶液)とMBCPを体積比1:1で混合し、あらかじめ準備した型に充填した。その後、凍結乾燥過程を経てMBCP/フィブリンブロック(本発明のスキャフォールド)を製作した(図3及び図4)。
【0042】
2−2. 実験方法
1) 麻酔誘導
ミニブタ骨移植術のために動物用鎮静麻酔剤(Rompun(登録商標)3mg/kg、韓国バイエル化学社製)とケタミンを各々静脈注射して全身麻酔を誘導した。口腔内挿管術を実行してN2O+O2を通じた全身麻酔を施行した。
【0043】
手術時に視野確保のために上顎と下顎の犬歯に包帯(bandage)を縛って最大限の開口を誘導した。口腔内をポタディン溶液(Potadine gargle)で消毒した後、局所麻酔誘導と血止めのために体積比1:100,000のエピネフリンを含んだ2%リドカイン(韓国の柳韓洋行社製)を下顎の残存歯槽骨に注射した(図5)。
【0044】
2) 歯槽骨の露出
ミニブタの残存歯槽骨に水平切開と垂直切開を加えた後、骨膜を剥離して下顎の頬側及び舌側面を最大限露出させた。
【0045】
3) 対照群、実験群の形成
半径3mmのmicro sawを利用して深さ4−5mm、長さ8mm、基底部幅6−7mm程度のサドルタイプ2壁骨欠損(saddle type2wall−bony defect)を形成した。粗い部位は手術用ラウンドバー(round bur)あるいはチゼル(chisel)、マレット(mallet)を利用して所望の形状に磨いた。
【0046】
まず、右側の欠損部は対照群としてMBCPをフィブリングルーに混ぜて凝固させて欠損部を充填し、左側の欠損部の前方は実験群としてMBCP/フィブリンブロックを充填した(図6)。
【0047】
創傷をreleasing incisionを施行して張力を緩和させて4−0 nylonを利用して連続閉縫合した。すべての実験動物は手術後感染予防のために3日間アモキシシリン(TRAMOX(登録商標)、韓国のSAMJIN製薬社製)とジクロフェナクナトリウム(KINPOIN(登録商標)、韓国のSAMJIN製薬社製)を筋肉注射し、1週間高蛋白牛乳と共に無刺激食を摂取させた。消毒を1週間クロルヘキシジン(HEXAMEDINE(登録商標)、韓国の富光薬品社製)を利用して施行した(図7)。
【0048】
2−3. 肉眼的検査
手術後、ミニブタの飼料の消毒を持続的に施行し、ミニブタの状態を健全な状態で維持した。手術後2、4、8週に犠牲にし、ホルマリンで固定する前に骨移植部位の治癒様相と炎症状態及び創傷離開程度を肉眼的に観察した。
【0049】
2−4. コンピュータ断層撮影検査
次に、各骨移植部位をデジタル標準放射線写真を利用して確認し、各々を分類して歯科用コンピュータ断層撮影を施行した。後に、移植部を中心として移植部の間で垂直及び水平骨切断を施行した。
【0050】
1) 3次元コンピュータ断層撮影
各々の移植材が含まれたミニブタの下顎骨に対してConebeam CT(Alphad vega、asahi roentgen IND. CO., Japan)で撮影した。撮影条件は、80KVp管電圧と8mA管電流とし、撮影時間は15秒であった。すべての試片の解像度(spatial resolution)は0.2mm X 0.2mmに設定して試片当たり約512枚の映像を獲得した。獲得された映像は.dcm形式(format)で撮影された情報を保存し、このファイルはdicom viewerプログラム(Ondemand 3application、cybermed、Korea)を用い、すべての映像は判読用モニター(WIDE、Korea)上で確認して分析した。
【0051】
2) 骨密度の分析
Dicom viewerプログラム上で骨欠損部の中心を基準として冠状面、矢状面、横断面の軸を調整した。横断面上で骨欠損部の中央、上、下、左、右の5部位を10pixel×10pixelのROIで放射線不透過度(opacity)を測定した。欠損部当たり前方、中間、後方の3部位ずつ側切し、各々のミニブタ当たり2週、4週、8週の間で同一な分析を施行した。そして、期間によって放射線不透過度を統計分析した。また、これに基づいて実験群間の期間による放射線不透過度の変化を統計分析した。この時、本プログラム上の数値は相対的な値として、−1023〜3071までの不透過性を相対的に示し、ミニブタの皮質骨の放射線不透過度は約500〜1300、海綿骨は−100〜600とした(図8)。
【0052】
2−5. 組職学的検査
手術後、2、4、8週に犠牲にして各々の組職標本を形成した後、2日間10%の中性ホルマリン溶液で固定し、10%EDTAで脱灰した後、通常の方法により脱水及び樹脂包埋した。そして、4〜6μmの薄切標本をPoly−L−Lysineを塗布したスライドに付着して標本を製作した。組職切片には骨移植部位及び正常部位が共に含まれるように製作し、新生骨と線維組職の形態観察と変化を調べるためにHematoxylin & Eosin、Masson's trichrome染色を施行して検鏡した。
【0053】
実施例3: 研究結果
3−1. 臨床的所見
3匹のミニブタの中で各群当たり1症例ずつ2週、4週、8週に分けて分析した。臨床的に評価すれば、炎症の所見は対照群の2週で重度の炎症を伴って創傷離開が発生したが、その他の実験群では実験4週や8週で全て炎症も創傷離開もなく、優秀な骨形成を見せた(表1)。
【0054】
(表1)MBCP+フィブリングルー及びMBCP/フィブリンブロックによる炎症
(−:なし、±:稀、+: 軽度、++:中等度、+++:強度 )
【0055】
3−2. 放射線学的所見
1) 3次元コンピュータ断層撮影評価
4週群でMBCP+フィブリングルーの対照群の全体的な形状は、高さが少し減少しながら頬側と舌側が多少吸収された形状であり、歯槽剤の正常幅が2〜3mm程度であったが、実験群(MBCP/フィブリンブロック)では、多少頬側の骨損失は見せたが歯槽剤はより高くて広い形態を維持していた(図9)。
【0056】
2) 骨密度の評価
放射線学的所見で、対照群、実験群の両方で正常な骨化過程によって骨密度が増加する所見を見せ、対照群に比べて実験群で著しい骨密度の増加を見せた。対照群に比べて凍結乾燥MBCP/フィブリンブロック群は、特に、2週、8週群で高い骨密度を見せた。2週群では人工骨とフィブリンをブロック処理することにより初期移植粒子の安定化に意味があり、8週には早期成熟骨化による骨成熟を見せた(表2)。
【0057】
(表2)歯科CTによる骨密度の変化(±標準偏差)
* p < 0.05
【0058】
3−3. 組職学的所見
結果として、対照群であるMBCPをフィブリングルーに混合して凝固させた群では、移植2週群で移植骨周辺に破骨細胞の活性と周辺血管新生の所見を見せ、これによって、部分的に新生骨形成を示した。また、4週では、骨再構築が一層進行されて新しい骨の形成が一層多くなった。MBCP/フィブリンブロックを移植した実験群では、移植2週後にフィブリン構造体内にMBCPが散在されているが、部分的にフィブリン構造が解体されながら新生血管が出現し、散在されたMBCPの吸収所見と周辺に新生骨が見えた。また、4週後には骨芽細胞の活性が一層明らかで欠損部の外郭は成熟骨に取り替えられる様相であった(図10)。
【0059】
結論的に、ミニブタの下顎骨にサドルタイプの2壁性骨欠損部を形成し、各々にMBCP/フィブリン混合物または凍結乾燥MBCP/フィブリンブロックを移植して、手術2週、4週、8週による骨形成効果を肉眼的、放射線学的、組職学的で比べて次のような結果を得た。
1.肉眼的検査及び3次元断層撮影検査で、MBCP/フィブリングルー移植群に比べてMBCP/フィブリンブロック移植群がより骨形成がすぐれており、骨移植形態をよく維持した。
2.放射線学的骨密度検査で、MBCP/フィブリングルー移植群に比べてMBCP/フィブリンブロック移植群がより高い骨密度を見せて骨形成が良好であった。
3.組職学的検査で、MBCP/フィブリングルー移植群に比べてMBCP/フィブリンブロック群がより新生骨形成がすぐれており、骨再構築がはやかった。
【0060】
以上のような結果として、凍結乾燥させたMBCP/フィブリンブロックを移植した時、従来スキャフォールド(MBCP/フィブリングルー)に比べてその形態維持がすぐれて骨形成が非常に優秀であることが分かった。
【0061】
産業上の利用可能性
本発明の骨再生用スキャフォールドは、生体内で安全であり、骨再生過程で持続的に細胞、サイトカインなどの骨成長を促進する因子の吸収度及び維持度を増加させ、且つ骨消失部位に適合な形状を有することにより適合な形態への再生を誘導し、骨再生のための多様な物質が位置できる空間を維持し、生体内の環境でも適切な形態と強度を維持して迅速な骨形成を誘導することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨再生用スキャフォールドに関し、より詳しくは、フィブリングルーに骨粉末が混合され、内部に骨の成長促進のための因子を収容するための複数の細孔(pore)が形成されながら固まった(concrete)所定の形状を有する骨再生用スキャフォールド、及び前記スキャフォールドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨組職工学の目的は、骨が必要な部位に工学的に培養された骨形成細胞を移植して骨形成を誘導し骨組職を生じさせることにある。このような組織工学のためには骨形成細胞とこの細胞が付着して生存できるスキャフォールド、骨再生のための誘導分化を促進する成長因子が必要である。各々の成分は同時に影響を及ぼして適切な時間と環境を維持すれば骨組職を形成することができる。それで、各々に対する理想的な因子を捜すために多くの研究が行われている。
【0003】
特に、骨形成細胞が生存しながら骨を形成するためのスキャフォールドのような骨伝導物質が重要である。このような骨伝導物質は、骨の無機化段階におけるものと類似で、生体適合性が必要であり、周りの骨と密接に連携される表面活性度と物理的支持を提供する。骨伝導物質ではセラミック、コラーゲン、生分解性高分子などが多様に研究されている。
【0004】
Takahashiらは多孔性のHA(hydroxyapatite)とBMP(bone morphogenic protein)の使用を通じた骨癒合(非特許文献1)を、AsahinaらはHA、コラーゲン、ウシBMPなど(非特許文献2)を、Ohgushiらはセラミックスキャフォールド(非特許文献3、非特許文献4)を、Caplanらは多孔性リン酸カルシウムなど(非特許文献5)の有用性などを報告した。
【0005】
また、特許文献1では、(a)フィブリンやフィブリノーゲンで構成されたソフトマトリックス、(b)生きている細胞及び、(c)non−ceramic hydroxyapatite cementで構成された固定されたマトリックスを含む骨代替用材料を開示している。
【0006】
また、特許文献2では、無機物化コラーゲンから形成され、マトリックスに固定化された5ミクロン以下の粒子サイズを有するリン酸カルシウム微粒子を含む生分解性の多孔性3次元骨移植用マトリックスを開示している。
【0007】
また、特許文献3では、動物の骨組職から骨芽細胞を分離してDMEMまたはα−MEM培養液で増殖培養させて骨芽細胞懸濁液を調製し、この骨芽細胞懸濁液に半固形性骨芽細胞凝固因子を混合してフィブリン混合型骨折癒合用半固形性骨芽細胞組成物を製造する方法を開示している。
【0008】
しかし、従来のスキャフォールドは、生きている骨芽細胞が内部で成長できる培地としての役目と、骨欠損部位に移植されたとき治癒過程の間安定的にその空間内に維持されながら形態と強度を維持することができなくて、骨再生効果が低い問題点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Takahashi K et al. J Biomed Master Res A 12:117−123、2007
【非特許文献2】Asahina I et al. J Med dent Sci. 44:63−69、1997
【非特許文献3】Ohgushi H et al. J Biomed Mat Res 26: 885−95、1992
【非特許文献4】Ohgushi H et al. J Biomed Mat Res 32:341−8、1996
【非特許文献5】Caplan AI. J Cell Physiol 213(2):341−347、2007
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第1231947号公報
【特許文献2】特開1999−513590号公報
【特許文献3】アメリカ公開特許第2008−0213229号公報
【発明の概要】
【0011】
発明の開示
技術的解決課題
本発明者は、前記のような問題点を克服できるスキャフォールドを開発するために努力するうち、フィブリングルーと骨粉末を混合した後に凍結乾燥して収得した固形のスキャフォールドが生体内で安全であり、骨再建過程で持続的に細胞が位置できる空間を維持し、生体内環境でも適切な形態と強度を維持して迅速な骨形成を誘導できることを確認し、本発明を完成するに至った。また、フィブリングルーと骨粉末の混合後実行する凍結乾燥過程はこの混合体内に多数の細孔を形成させることにより骨再生促進因子の吸収度と維持度が向上された。
【0012】
また、凍結乾燥されて形成される本発明のスキャフォールドは、所定の希望する形状の型枠内で凍結乾燥されて希望する形状のスキャフォールドを製造することができ、このような長所は骨欠損部位に適合するスキャフォールドを提供することができる。最近、3次元スキャニング技術と連係させることにより患者の欠損部位を正確に判断してその形状を再生することができることにより、本発明の活用度が向上されている。
【0013】
したがって、本発明は前述のような問題点を解決すべくなされたものであって、その目的は、フィブリノ−ゲンとトロンビンを主要成分とするフィブリングルーに骨粉末が混合されたことを特徴とする固形の骨再生用スキャフォールドを提供することにある。
【0014】
より具体的に、本発明はフィブリノ−ゲンとトロンビンを主要成分とするフィブリングルーに骨粉末が混合され、凍結乾燥過程を経ることにより内部に骨成長促進のための因子を収容するための複数の細孔(pore)が形成されながら固った(concrete)状態の物理的特性を有する骨再生用スキャフォールドを提供する。
【0015】
本発明の他の目的は、前記凍結乾燥過程の前に前記フィブリングルーと骨粉末混合物を所定形状の型枠に入れて凍結乾燥することにより希望する形状のスキャフォールドを提供することにある。
【0016】
本発明のまた他の目的は、3次元デジタルスキャニング技術を通じて患者の欠損部位に対する型枠を製造した後、この型枠内に前記フィブリングルーと骨粉末混合物を入れて凍結乾燥することにより患者オーダーメード型スキャフォールドを提供することにある。
【0017】
技術的解決方法
上述の目的を達成するための本発明は、フィブリノーゲンとトロンビンを主要成分とするフィブリングルーに骨粉末が混合されたことを特徴とする固形の骨再生用スキャフォールドに関するものである。すなわち、フィブリングルーに骨粉末が添加されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のスキャフォールドは、固形の、そして固まった(concrete)状態であることを特徴とする。このためにフィブリングルーと骨粉末を混合した後凍結乾燥することが好ましい。また、本発明のスキャフォールドは、凍結乾燥される前に所定の形状を有するように処理されるか、所定の型枠内で凍結乾燥されることが好ましい。一様態として、前記形状と型枠は患者の顎骨または歯牙欠損部位に対応する形状である。より具体的に、前記型枠は、(a)3次元CTを利用した3次元模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンなどを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、で製造される。
【0019】
本発明において、「骨粉末(bone powder)」は骨の粉砕物、好ましくは、骨芽細胞が除去された(無機物の)骨の粉砕物を意味する。前記骨粉末は自家骨、同種骨、異種骨及び合成骨(例:hydroxyapatite)からなるグループから選択された1種以上の骨に由来するものである。本発明で骨粉末は商業的にも入手可能であり、例えば、Dynagraft(オステム社製)、Biocera(オスコテック社製)、Bio−Oss (JUNGSAN BIOMED社製)、ICB(Purgo Tissue Bank社製)、MBCP(Purgo Tissue Bank社製) などがある。
【0020】
本発明において、「フィブリングルー(fibrin glue)」は、フィブリノーゲンとトロンビンを主要成分として含む生体適合性及び生分解性を有する製品を意味する。フィブリングルーは現在多様な用途で使われており、ヨーロッパなどではフィブリンの組職膠着作用を利用してフィブリノーゲン、トロンビン、塩化カルシウム及び線溶酵素の阻害剤を組職接着剤として末梢神経の縫合、微小血管の縫合などに適用して縫合の代用または補強のための臨床応用が実施されている。また、日本では手術用接着剤として血管外科領域を含めて脳神経外科手術、骨の接着など整形外科手術、裂傷患者の血止めなどに利用されている。例えば、Greenplast(緑十字社製)、Beriplast−P(Sanofi−Aventis社製)、Tisseel(BAXTER社製)などが商業的に入手可能である。
【0021】
好ましくは、本発明のフィブリングルーはフィブリノーゲンとトロンビンを含む。前記フィブリノーゲンは10〜1000mg/ml、好ましくは、10〜100mg/mlの濃度で利用することができる。前記トロンビンは0.1〜1000IU/ml、好ましくは、1〜100IU/mlの濃度で利用することができる。
【0022】
本発明のフィブリングルーはアプロチニンまたは塩化カルシウムを追加で含むこともできる。また、本発明のフィブリングルーは水溶性バインダーを追加で含むこともできる。前記水溶性バインダーは細胞培養培地、蒸留水または血液であっても良い。
【0023】
本発明で骨粉末とフィブリングルーを混合するにおいて、フィブリングルーの量が多いほど毒性を誘発する可能性が高いため、その含量を適切に調節することが好ましい。また、スキャフォールドのサイズが大きいほど強度及び形態維持のために骨粉末の含量を高めることが好ましい。このような点を考慮する時、本発明でフィブリングルーと骨粉末は1対1〜10、好ましくは、1対1〜5、より好ましくは、1対1〜3の体積比で混合することができる。
【0024】
本発明の骨成長促進のための因子は骨成長を促進する多様な因子を含む。例えば、ホルモン、サイトカイン、幹細胞などを含む。より具体的に、PDGF(Platelet Drived Growth Factor)またはVEGF(Vascular Enothelial Growth Factor)である。
【0025】
本発明のスキャフォールドは凍結乾燥過程を経る際にフィブリングルーと骨粉末混合体内に多数の細孔が生成されるので骨成長促進因子の吸収と維持が向上される。凍結乾燥状態のスキャフォールドは骨成長促進因子を含む培地を容易に吸収して細孔内に入れる。
【0026】
本発明の他の観点は、骨粉末とフィブリングルーを混合した後、所定形状の型枠で凍結乾燥することを特徴とする所定形状を有する固形のスキャフォールドの製造方法に関するものである。
【0027】
前記凍結乾燥方法は通常の方法で実行でき、乾燥時の残余水分が2% w/wまたはそれ以下で維持されることを意味する。また、本発明の凍結乾燥方法は商業的に入手可能な凍結乾燥器を利用することで可能である。
【0028】
本発明のまた他の観点は、患者の骨消失部位に処置して骨再生を促進するように骨消失部位に適合する患者オーダーメード型スキャフォールドの製造方法に関するものである。具体的に、本発明の患者オーダーメード型スキャフォールド製作方法は、(a)3次元CTを利用した3次元模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンなどを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、(c)前記型枠にフィブリングルーと骨粉末混合剤を入れて凍結乾燥する過程と、を含む。
【0029】
有利な効果
本発明による固形のスキャフォールドは、生体内で安全であり、骨再生過程で持続的に細胞、サイトカインなどの骨成長を促進する因子の吸収度及び維持度を増加させ、且つ骨消失部位に適合な形状を有することにより適合な形態への再生を誘導し、骨再生のための多様な物質が位置できる空間を維持し、生体内の環境でも適切な形態と強度を維持して迅速な骨形成を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明で利用されたフィブリングルーのキット構成を示す図である。
【図2】本発明に係る凍結乾燥されたBiocera/フィブリンブロックを示す図である。
【図3】本発明に係る凍結乾燥されたMBCP/フィブリンブロックの製造過程を示す図である(a:MBCPとフィブリングルーの混合、b:凍結乾燥前のゲル状態、c:凍結乾燥過程、d:凍結乾燥後の固形状態)。
【図4】MBCPとフィブリングルーの混合物(a)及びこれを凍結乾燥して収得したMBCP/フィブリンブロックの状態(b)を示す図である。
【図5】実験動物であるミニブタの麻酔誘導過程、抜歯過程及び抜歯された歯牙を各々示す図である。
【図6】ミニブタの歯槽欠損部内に本発明に係る骨移植材を移植する位置を示す図である。
【図7】本発明の骨移植材を移植する過程を示す図である(A. 下顎の残存歯槽提の弁膜を挙上して移植部位露出、B. サドル形態の骨欠損部のみ形成、C. MBCPとフィブリングルーの混合物またはMBCP/フィブリンブロックの移植)。
【図8A】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((a):ライン調整) 。
【図8B】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((b):厚さ調整) 。
【図8C】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((c):密度測定) 。
【図8D】Dicom viewer programによる骨密度分析過程を示す図である((d):3断片(10×10 pixel size、3mm厚さ)により分割された密度測定) 。
【図9】本発明の骨移植材が移植された部位に対する3次元コンピュータ断層撮影結果を示す図である。
【図10】本発明に係る骨移植材が移植された部位に対する組織免疫化学染色結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
発明を実施するための最良の形態
【実施例】
【0032】
実施例1:本発明のスキャフォールド調製
1−1. フィブリングルーの準備
グリーンプラストキット(登録商標) (Greenplast kit:大韓民国緑十字社製)を用いてフィブリングルーを調製した(図1)。以下の過程によって実行した。
【0033】
1) バイアル1溶液の調剤、5ml
まず、バイアル1のタンパク質濃度は97.6mg/mlと測定された。タンパク質濃度を40mg/mlに調整するために2.5倍希釈した。1個のバイアル1にバイアル2の2.5mlで溶解し、また他の1個のバイアル1に生理食塩水2.5mlを入れて溶解した。完全に溶解された2個のバイアル1を一つの試験管に収集した。
【0034】
2) バイアル3溶液の調剤
バイアル3のトロンビン力価は557IU/mlと測定された。トロンビン力価を20IU/mlに調整するために28倍希釈した。1個のバイアル3にバイアル4の2.5mlで溶解し、この中で1mlを取って10mlの生理食塩水溶液に添加してよく混ぜた。
【0035】
1−2. フィブリングルーと骨粉末の混合
1) ディスク型骨ブロック
24溝の板の各溝に骨粉末(Biocera)を0.25g秤量して置く。各溝に0.2mlのバイアル1溶液を入れて骨粉末に充分に濡らせるように混合した。そして、各溝に0.1mlのバイアル3溶液を入れて迅速に薬スプーンを利用して混ぜた後に定置した。
【0036】
2) 半円棒型骨ブロック
10mlピペットを利用して製作されたフレームを使用する。各レーンに骨粉末(Biocera)1.25gを秤量して置く。各溝に2mlのバイアル1溶液を入れて骨粉末に充分に濡らせるように混合した。各溝に0.5mlのバイアル3溶液を入れて迅速に薬スプーンを利用して混ぜた後に1時間の間常温に定置した。
【0037】
1−3. 凍結乾燥
凍結乾燥器の棚の温度を−45℃で設定して稼動した。凍結乾燥された半円棒型骨ブロックを収得した(図2)。
【0038】
実施例2:実験材料及び方法
2−1. 実験動物及び材料
体重30kgの雄ミニブタ(PWG、Korea)4匹を実験動物として使用し、認証された飼育施設で、室温で動物型軟質飼料と水を利用して一定期間飼育した。
【0039】
1) 抜歯
ミニブタの左右下顎で小臼歯から第1の大臼歯まで抜去を施行した。抜去後に創傷縫合を連続縫合で施行した。1週後に抜糸を施行し、1ヶ月の間治癒を観察した。治癒過程に、追加的な埋伏歯の抜去は手術時に施行した。
【0040】
2) MBCP/フィブリンブロックの製造
(1) フィブリングルーの準備
グリーンプラストキット(Greenplst kit、大韓民国緑十字社製)を用いてフィブリングルーを調製した。グリーンプラストキット1mlは、1)濃縮されたヒトフィブリノーゲン、2)アプロチニン、3)ヒト血漿トロンビン、4)αMEM(培地溶液)で構成されている。2)を1)に混ぜてフィブリノーゲン溶液を調製し、4)を3)に混ぜることによりトロンビン溶液を調製した。
【0041】
(2) MBCP/フィブリン複合体(「MBCP+フィブリングルー」と略称する)の製造
先立って調製したフィブリングルー(フィブリノーゲン溶液及びトロンビン溶液)とMBCPを体積比1:1で混合し、あらかじめ準備した型に充填した。その後、凍結乾燥過程を経てMBCP/フィブリンブロック(本発明のスキャフォールド)を製作した(図3及び図4)。
【0042】
2−2. 実験方法
1) 麻酔誘導
ミニブタ骨移植術のために動物用鎮静麻酔剤(Rompun(登録商標)3mg/kg、韓国バイエル化学社製)とケタミンを各々静脈注射して全身麻酔を誘導した。口腔内挿管術を実行してN2O+O2を通じた全身麻酔を施行した。
【0043】
手術時に視野確保のために上顎と下顎の犬歯に包帯(bandage)を縛って最大限の開口を誘導した。口腔内をポタディン溶液(Potadine gargle)で消毒した後、局所麻酔誘導と血止めのために体積比1:100,000のエピネフリンを含んだ2%リドカイン(韓国の柳韓洋行社製)を下顎の残存歯槽骨に注射した(図5)。
【0044】
2) 歯槽骨の露出
ミニブタの残存歯槽骨に水平切開と垂直切開を加えた後、骨膜を剥離して下顎の頬側及び舌側面を最大限露出させた。
【0045】
3) 対照群、実験群の形成
半径3mmのmicro sawを利用して深さ4−5mm、長さ8mm、基底部幅6−7mm程度のサドルタイプ2壁骨欠損(saddle type2wall−bony defect)を形成した。粗い部位は手術用ラウンドバー(round bur)あるいはチゼル(chisel)、マレット(mallet)を利用して所望の形状に磨いた。
【0046】
まず、右側の欠損部は対照群としてMBCPをフィブリングルーに混ぜて凝固させて欠損部を充填し、左側の欠損部の前方は実験群としてMBCP/フィブリンブロックを充填した(図6)。
【0047】
創傷をreleasing incisionを施行して張力を緩和させて4−0 nylonを利用して連続閉縫合した。すべての実験動物は手術後感染予防のために3日間アモキシシリン(TRAMOX(登録商標)、韓国のSAMJIN製薬社製)とジクロフェナクナトリウム(KINPOIN(登録商標)、韓国のSAMJIN製薬社製)を筋肉注射し、1週間高蛋白牛乳と共に無刺激食を摂取させた。消毒を1週間クロルヘキシジン(HEXAMEDINE(登録商標)、韓国の富光薬品社製)を利用して施行した(図7)。
【0048】
2−3. 肉眼的検査
手術後、ミニブタの飼料の消毒を持続的に施行し、ミニブタの状態を健全な状態で維持した。手術後2、4、8週に犠牲にし、ホルマリンで固定する前に骨移植部位の治癒様相と炎症状態及び創傷離開程度を肉眼的に観察した。
【0049】
2−4. コンピュータ断層撮影検査
次に、各骨移植部位をデジタル標準放射線写真を利用して確認し、各々を分類して歯科用コンピュータ断層撮影を施行した。後に、移植部を中心として移植部の間で垂直及び水平骨切断を施行した。
【0050】
1) 3次元コンピュータ断層撮影
各々の移植材が含まれたミニブタの下顎骨に対してConebeam CT(Alphad vega、asahi roentgen IND. CO., Japan)で撮影した。撮影条件は、80KVp管電圧と8mA管電流とし、撮影時間は15秒であった。すべての試片の解像度(spatial resolution)は0.2mm X 0.2mmに設定して試片当たり約512枚の映像を獲得した。獲得された映像は.dcm形式(format)で撮影された情報を保存し、このファイルはdicom viewerプログラム(Ondemand 3application、cybermed、Korea)を用い、すべての映像は判読用モニター(WIDE、Korea)上で確認して分析した。
【0051】
2) 骨密度の分析
Dicom viewerプログラム上で骨欠損部の中心を基準として冠状面、矢状面、横断面の軸を調整した。横断面上で骨欠損部の中央、上、下、左、右の5部位を10pixel×10pixelのROIで放射線不透過度(opacity)を測定した。欠損部当たり前方、中間、後方の3部位ずつ側切し、各々のミニブタ当たり2週、4週、8週の間で同一な分析を施行した。そして、期間によって放射線不透過度を統計分析した。また、これに基づいて実験群間の期間による放射線不透過度の変化を統計分析した。この時、本プログラム上の数値は相対的な値として、−1023〜3071までの不透過性を相対的に示し、ミニブタの皮質骨の放射線不透過度は約500〜1300、海綿骨は−100〜600とした(図8)。
【0052】
2−5. 組職学的検査
手術後、2、4、8週に犠牲にして各々の組職標本を形成した後、2日間10%の中性ホルマリン溶液で固定し、10%EDTAで脱灰した後、通常の方法により脱水及び樹脂包埋した。そして、4〜6μmの薄切標本をPoly−L−Lysineを塗布したスライドに付着して標本を製作した。組職切片には骨移植部位及び正常部位が共に含まれるように製作し、新生骨と線維組職の形態観察と変化を調べるためにHematoxylin & Eosin、Masson's trichrome染色を施行して検鏡した。
【0053】
実施例3: 研究結果
3−1. 臨床的所見
3匹のミニブタの中で各群当たり1症例ずつ2週、4週、8週に分けて分析した。臨床的に評価すれば、炎症の所見は対照群の2週で重度の炎症を伴って創傷離開が発生したが、その他の実験群では実験4週や8週で全て炎症も創傷離開もなく、優秀な骨形成を見せた(表1)。
【0054】
(表1)MBCP+フィブリングルー及びMBCP/フィブリンブロックによる炎症
(−:なし、±:稀、+: 軽度、++:中等度、+++:強度 )
【0055】
3−2. 放射線学的所見
1) 3次元コンピュータ断層撮影評価
4週群でMBCP+フィブリングルーの対照群の全体的な形状は、高さが少し減少しながら頬側と舌側が多少吸収された形状であり、歯槽剤の正常幅が2〜3mm程度であったが、実験群(MBCP/フィブリンブロック)では、多少頬側の骨損失は見せたが歯槽剤はより高くて広い形態を維持していた(図9)。
【0056】
2) 骨密度の評価
放射線学的所見で、対照群、実験群の両方で正常な骨化過程によって骨密度が増加する所見を見せ、対照群に比べて実験群で著しい骨密度の増加を見せた。対照群に比べて凍結乾燥MBCP/フィブリンブロック群は、特に、2週、8週群で高い骨密度を見せた。2週群では人工骨とフィブリンをブロック処理することにより初期移植粒子の安定化に意味があり、8週には早期成熟骨化による骨成熟を見せた(表2)。
【0057】
(表2)歯科CTによる骨密度の変化(±標準偏差)
* p < 0.05
【0058】
3−3. 組職学的所見
結果として、対照群であるMBCPをフィブリングルーに混合して凝固させた群では、移植2週群で移植骨周辺に破骨細胞の活性と周辺血管新生の所見を見せ、これによって、部分的に新生骨形成を示した。また、4週では、骨再構築が一層進行されて新しい骨の形成が一層多くなった。MBCP/フィブリンブロックを移植した実験群では、移植2週後にフィブリン構造体内にMBCPが散在されているが、部分的にフィブリン構造が解体されながら新生血管が出現し、散在されたMBCPの吸収所見と周辺に新生骨が見えた。また、4週後には骨芽細胞の活性が一層明らかで欠損部の外郭は成熟骨に取り替えられる様相であった(図10)。
【0059】
結論的に、ミニブタの下顎骨にサドルタイプの2壁性骨欠損部を形成し、各々にMBCP/フィブリン混合物または凍結乾燥MBCP/フィブリンブロックを移植して、手術2週、4週、8週による骨形成効果を肉眼的、放射線学的、組職学的で比べて次のような結果を得た。
1.肉眼的検査及び3次元断層撮影検査で、MBCP/フィブリングルー移植群に比べてMBCP/フィブリンブロック移植群がより骨形成がすぐれており、骨移植形態をよく維持した。
2.放射線学的骨密度検査で、MBCP/フィブリングルー移植群に比べてMBCP/フィブリンブロック移植群がより高い骨密度を見せて骨形成が良好であった。
3.組職学的検査で、MBCP/フィブリングルー移植群に比べてMBCP/フィブリンブロック群がより新生骨形成がすぐれており、骨再構築がはやかった。
【0060】
以上のような結果として、凍結乾燥させたMBCP/フィブリンブロックを移植した時、従来スキャフォールド(MBCP/フィブリングルー)に比べてその形態維持がすぐれて骨形成が非常に優秀であることが分かった。
【0061】
産業上の利用可能性
本発明の骨再生用スキャフォールドは、生体内で安全であり、骨再生過程で持続的に細胞、サイトカインなどの骨成長を促進する因子の吸収度及び維持度を増加させ、且つ骨消失部位に適合な形状を有することにより適合な形態への再生を誘導し、骨再生のための多様な物質が位置できる空間を維持し、生体内の環境でも適切な形態と強度を維持して迅速な骨形成を誘導することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィブリングルーに骨粉末が混合され、骨成長促進のための因子を収容するための複数の細孔が形成されながら固まった状態の所定の形状を有することを特徴とする骨再生用スキャフォールド。
【請求項2】
凍結乾燥される前に所定の形状を有するように処理されることを特徴とする請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項3】
所定の型枠内で凍結乾燥されることを特徴とする請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項4】
前記型枠は、(a)3次元CTを利用した3次元頭蓋骨模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、で製造されることを特徴とする、請求項3記載のスキャフォールド。
【請求項5】
前記骨粉末は、骨芽細胞が除去された骨の粉砕物であることを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項6】
前記骨粉末は、自家骨、同種骨、異種骨及び合成骨からなるグループから選択された1種以上に由来することを特徴とする、請求項5記載のスキャフォールド。
【請求項7】
前記フィブリングルーは、フィブリノーゲンとトロンビンを含むことを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項8】
前記フィブリノーゲンは、10〜1000mg/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項7記載のスキャフォールド。
【請求項9】
前記トロンビンは、0.1〜1000IU/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項7記載のスキャフォールド。
【請求項10】
前記フィブリングルーは、アプロチニンまたは塩化カルシウムを追加で含むことを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項11】
前記フィブリングルーは、水溶性バインダーを追加で含むことを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項12】
前記水溶性バインダーは、細胞培養培地、蒸留水または血液であることを特徴とする、請求項11記載のスキャフォールド。
【請求項13】
骨粉末とフィブリングルーは、1〜10対1の体積比からなることを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項14】
前記骨成長促進のための因子は、ホルモン、サイトカインまたは幹細胞であることを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項15】
骨粉末とフィブリングルーを混合した後に凍結乾燥することを特徴とする骨再生用スキャフォールドの製造方法であって、骨成長促進のための因子を収容するための複数の細孔が形成されながら固まった状態の所定の形状をスキャフォールドが有することを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記スキャフォールドは、凍結乾燥される前に所定の形状を有するように処理されることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記凍結乾燥過程は、所定の型枠で行われることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記型枠は、(a)3次元CTを利用した3次元頭蓋骨模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、で製造されることを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記骨粉末は、骨芽細胞が除去された骨の粉砕物であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記骨粉末は、自家骨、同種骨、異種骨及び合成骨からなるグループから選択された1種以上に由来することを特徴とする、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記フィブリングルーは、フィブリノーゲンとトロンビンを含むことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記フィブリノーゲンは、10〜1000mg/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記トロンビンは、0.1〜1000IU/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記フィブリングルーは、アプロチニンまたは塩化カルシウムを追加で含むことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項25】
前記フィブリングルーは、水溶性バインダーを追加で含むことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項26】
前記水溶性バインダーは、培養培地、蒸留水または血液であることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
骨粉末とフィブリングルーは、1〜10対1の体積比からなることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項28】
前記骨成長促進のための因子は、ホルモン、サイトカインまたは幹細胞であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項1】
フィブリングルーに骨粉末が混合され、骨成長促進のための因子を収容するための複数の細孔が形成されながら固まった状態の所定の形状を有することを特徴とする骨再生用スキャフォールド。
【請求項2】
凍結乾燥される前に所定の形状を有するように処理されることを特徴とする請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項3】
所定の型枠内で凍結乾燥されることを特徴とする請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項4】
前記型枠は、(a)3次元CTを利用した3次元頭蓋骨模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、で製造されることを特徴とする、請求項3記載のスキャフォールド。
【請求項5】
前記骨粉末は、骨芽細胞が除去された骨の粉砕物であることを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項6】
前記骨粉末は、自家骨、同種骨、異種骨及び合成骨からなるグループから選択された1種以上に由来することを特徴とする、請求項5記載のスキャフォールド。
【請求項7】
前記フィブリングルーは、フィブリノーゲンとトロンビンを含むことを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項8】
前記フィブリノーゲンは、10〜1000mg/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項7記載のスキャフォールド。
【請求項9】
前記トロンビンは、0.1〜1000IU/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項7記載のスキャフォールド。
【請求項10】
前記フィブリングルーは、アプロチニンまたは塩化カルシウムを追加で含むことを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項11】
前記フィブリングルーは、水溶性バインダーを追加で含むことを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項12】
前記水溶性バインダーは、細胞培養培地、蒸留水または血液であることを特徴とする、請求項11記載のスキャフォールド。
【請求項13】
骨粉末とフィブリングルーは、1〜10対1の体積比からなることを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項14】
前記骨成長促進のための因子は、ホルモン、サイトカインまたは幹細胞であることを特徴とする、請求項1記載のスキャフォールド。
【請求項15】
骨粉末とフィブリングルーを混合した後に凍結乾燥することを特徴とする骨再生用スキャフォールドの製造方法であって、骨成長促進のための因子を収容するための複数の細孔が形成されながら固まった状態の所定の形状をスキャフォールドが有することを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記スキャフォールドは、凍結乾燥される前に所定の形状を有するように処理されることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記凍結乾燥過程は、所定の型枠で行われることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記型枠は、(a)3次元CTを利用した3次元頭蓋骨模型製作過程と、(b)前記3次元模型で歯科用レジンを利用して欠損部位に適合するスキャフォールド製作用型枠を作る過程と、で製造されることを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記骨粉末は、骨芽細胞が除去された骨の粉砕物であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記骨粉末は、自家骨、同種骨、異種骨及び合成骨からなるグループから選択された1種以上に由来することを特徴とする、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記フィブリングルーは、フィブリノーゲンとトロンビンを含むことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記フィブリノーゲンは、10〜1000mg/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記トロンビンは、0.1〜1000IU/mlの濃度で含まれることを特徴とする、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記フィブリングルーは、アプロチニンまたは塩化カルシウムを追加で含むことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項25】
前記フィブリングルーは、水溶性バインダーを追加で含むことを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項26】
前記水溶性バインダーは、培養培地、蒸留水または血液であることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
骨粉末とフィブリングルーは、1〜10対1の体積比からなることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項28】
前記骨成長促進のための因子は、ホルモン、サイトカインまたは幹細胞であることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−515041(P2012−515041A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546201(P2011−546201)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000507
【国際公開番号】WO2010/082702
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511292150)ボーンセル バイオテック インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000507
【国際公開番号】WO2010/082702
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511292150)ボーンセル バイオテック インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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