説明

骨追跡装置固定部材

【課題】 術野確保できるとともに、低侵襲により患者の負担を軽減することができる、手術ナビゲーションシステムにおいて骨追跡装置を患者の骨に固定するための骨追跡装置固定部材を提供する。
【解決手段】 患者の骨の位置を追跡する骨追跡装置40を患者の骨に固定するための骨追跡装置固定部材は、前記患者の骨の表面に少なくとも3点で固定される台座部10と、前記台座部10の表面から突出して設けられ、前記骨追跡装置40が固定される支持部20とを含んでなり、前記台座部10と前記支持部20とが所定の位置で位置決めされて着脱可能に固定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術ナビゲーションシステムにおいて、患者の骨の位置を追跡する骨追跡装置を、患者の骨に固定するための骨追跡装置固定部材に関する。
【背景技術】
【0002】
正確な手術には、術野の解剖学的所見から3次元的骨格の位置情報を術者が正確に把握することが必要不可欠である。しかしながら、患者が肥満していたり、解剖的な個体差や関節拘縮の影響で、3次元的骨格の位置情報を正確に把握することはなかなか困難である。また、手術台上で少なからずとも患者の体が揺れ動くことから、例えば、骨切り術における骨切り線の方向やその骨切り片の回転角度と移動度、人工股関節の設置角度などは、症例によって術者の経験と勘による判断に頼らざるを得ない場合がある。
【0003】
そこで、3次元的骨格の位置情報を正確に把握するための手術ナビゲーションシステムが数多く提案されている。例えば、赤外線発光ダイオード(赤外線LED)と赤外線3次元位置計測カメラシステムを用いる方法では、赤外線LED又は赤外線反射体などのマーカーをつけた骨格や手術器具の空間位置を0.1mmの精度で捉えることができる。そして、これと術前にCTスキャンやMRIより得た3次元骨位置をコンピューター上で適合し位置合わせさせることで、骨ノミ、骨鋸、ドリルなどの手術器具の方向や位置を正確にコンピューター上で手術対象となる骨格に対してモニター計測表示することが可能となる(例えば、特表2004−500187号公報などを参照)。
【0004】
この技術の確立により、手術前に立てた正確な手術計画をそのまま手術室で実行できるように、視覚的に術者を導く(ナビゲーション)ことができる。これにより人工関節手術での正確なインプラントの設置、骨切り術での安全で正確な骨切り、脊椎手術での安全で正確なデバイスの設置などがナビゲーションできる。
【特許文献1】特表2004−500187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような手術ナビゲーションシステムにおいては、手術台上で患者の体が少なからずとも動くことから、常に患者の骨の位置を追跡しておく必要がある。そこで、手術の間、患者の骨には、赤外線LEDや赤外線反射体などのマーカーを取り付けた骨追跡装置が固定されている。この骨追跡装置とカメラとの間が術者の体や手術機器等で遮られると、患者の骨の位置が検出不能になるため、また手術中における術野確保のため、従来、骨追跡装置の固定方法は、手術創から離れた箇所で、先端が骨スクリューとなっているピンを経皮的に骨へ打ち込み、このピンの反対端に骨追跡装置を固定する方法が取られている。
【0006】
しかしながら、手術創から離れた箇所で経皮的にピンを打ち込むことから、手術ナビゲーションシステムを導入することで手術における侵襲が大きくなり、患者の負担が増大してしまうという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、術野確保できるとともに、低侵襲により患者の負担を軽減することができる、骨追跡装置を患者の骨に固定するための骨追跡装置固定部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る骨追跡装置固定部材は、手術ナビゲーションシステムにおいて患者の骨の位置を追跡する骨追跡装置を患者の骨に固定するための骨追跡装置固定部材であって、前記患者の骨の表面に少なくとも3点で固定される台座部と、前記台座部の表面から突出して設けられ、前記骨追跡装置が固定される支持部とを含んでなり、前記台座部と前記支持部とは所定の位置で位置決めされて着脱可能に固定されていることを特徴とするものである。
【0009】
このように、患者の骨の表面に固定される台座部と、骨追跡装置が固定される支持部とは、所定の位置で位置決めされて着脱可能に固定されていることから、手術において術野確保が必要な場合には、骨追跡装置が固定されている支持部を台座部から取り外すことができるので、台座部を手術創内の患者の骨に固定することができる。よって、従来のように手術創から離れた箇所で経皮的にピンを打ち込む必要がなくなることから、侵襲が少なくなり患者の負担を軽減することができる。
【0010】
また、骨追跡装置で患者の骨の位置を追跡する必要がある場合には、取り外した支持部(これには骨追跡装置が固定されている)を、当初に取り付けた位置に再び正確に取り付けることができるので、骨と骨追跡装置との位置関係の再現性は確保される。よって、患者が動いて骨の位置が移動しても、骨追跡装置の位置を計測することで、患者の骨の位置を追跡することができる。
【0011】
なお、骨追跡装置は、骨追跡装置の位置を計測するためのマーカーを備えており、このようなマーカーとしては、赤外線発光ダイオードや赤外線反射体などが好ましい。骨追跡装置の3次元位置を正確に測定するために、骨追跡装置には複数の(例えば3〜5個の)マーカーが配置されている。
【0012】
さらに、台座部を患者の骨の表面に対して少なくとも3点で固定することから、骨の表面がどのような形状であっても、骨の表面上に台座部を安定して固定することができる。なお、患者の骨と台座部とは、ネジなどを介して固定することが好ましい。
【0013】
前記台座部は、平面三角形の各頂点に骨との固定に用いられるネジ穴を備えており、この三角形の内側から前記支持部が突出して設けられていることが好ましい。
【0014】
このように、平面三角形の各頂点でネジを介して台座部を骨に固定し、この平面三角形の内側(好ましくは重心)に支持部を設けることで、前記三角形の面積が小さい台座部であっても骨追跡装置を安定して支えることができる。なお、台座部の形状は、前記三角形を含む平面略三角形状とすることで、台座部の寸法を小型化でき、皮膚の切開が短い最小侵襲手術にも対応させることができる。
【0015】
前記支持部は、少なくとも2本の棒状部材と、これら棒状部材を連結するとともに棒状部材間の角度が調節可能である連結手段とを含むものが好ましく、前記棒状部材の1つは、前記台座部の表面に所定の位置で位置決めされて着脱可能に固定されており、前記棒状部材の他の1つに前記骨追跡装置が固定されることが好ましい。
【0016】
このように、台座部に固定されている棒状部材と、骨追跡装置が固定されている棒状部材とは、連結手段によって、棒状部材間の角度が自由に調節できるように連結されていることから、骨追跡装置を、患者の骨の位置を追跡するための最良の位置に調節することができる。
【発明の効果】
【0017】
上記したように、本発明によれば、術野確保できるとともに、低侵襲により患者の負担を軽減することができる、骨追跡装置を患者の骨に固定するための骨追跡装置固定部材が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る骨追跡装置固定部材の一実施の形態について説明する。本発明に係る骨追跡装置固定部材は、台座部と支持部とから主に構成されており、図1に台座部の一実施の形態を示し、図2に支持部の一実施の形態を示す。
【0019】
図1に示すように、台座部10は、略三角形状に形成された薄板状のプレート11と、このプレート11の表面に突出して設けられた円筒形状のコネクタ13とから主に構成されている。プレート11には、平面三角形の各頂点に貫通穴12が設けられており、この貫通穴12の内側には特にネジを切る必要はなく、プレートはこの貫通穴12を通るネジにより、骨に押し付けられるものである。そして、この平面三角形の中心部にコネクタ13が設けられている。また、プレート11の裏面には、コネクタ13から等間隔の位置に、先端が鋭利な3本のスパイク19が設けられており、骨に突き刺さることにより横ずれを防ぐ。
【0020】
コネクタ13には、その外径と同心に形成された連結穴14が設けられており、この連結穴14はプレート11側が有底となっているが、その反対側の先端側は開口している。コネクタ13の外周には、プレート11側から先端側に向かって段差が設けられ、先端側が大径に形成されている。この大径の先端側外周部15の表面には雄ネジが切られている。また、コネクタ13の先端の開口面17には、軸方向へと細長く延びる案内溝16が設けられている。
【0021】
図2に示すように、支持部20は、直線状に伸びる断面円形のロッド25と、このロッド25に対して摺動する円筒形状の固定ネジ27とで主に構成されている。ロッド25の先端部21の外径は、コネクタ13の連結穴14の内径に適合する太さである。また、この先端部21には、コネクタ13の案内溝16に係合する突起22と、コネクタ13の開口面17を係止する鍔部23とが、先端側から順に設けられている。
【0022】
固定ネジ27には、ロッド25の先端部21側に、コネクタ13の先端側外周部15の外径に適合する固定穴28が、その反対側に、ロッド25の先端部21の外径と適合する摺動穴29が、段差を介して同心に形成されている。固定穴28の内面には、コネクタ13の先端側外周部15の雄ネジと螺合するように、雌ネジが切られている。また、摺動穴29は、鍔部23より後端側で先端部21の外周と摺動し、これにより固定ネジ27がロッド25に対して回転可能および前後に移動可能となっている。
【0023】
ロッド25の本体部分には、骨追跡装置が取り付けられる。なお、支持部20のロッド25は1本に限定されず、図3に示すように、複数本を用いることもできる。この場合、突起22および鍔部23を設けた先端部21並びに固定ネジ27は、一本のロッド25aに配置すればよい。2本のロッド25a、25bは、クランプ30によって連結する。クランプ30は、2本のロッド25a、25bをそれぞれ挟持する2つの挟持部31と、これら2つの挟持部31を固定する固定部32とで構成されている。この2つの挟持部31は、ロッド間の角度を自由に調節することができるように互いに回転可能である。
【0024】
本発明に係る骨追跡装置固定部材の台座部10と支持部20は、特に限定されないが、生体適合性があるとともに強度に優れた材料で作製されていることが好ましい。このような材料としては、例えば、SUS316LやTiAl6V4等の金属が好ましい。
【0025】
以上の構成の骨追跡装置固定部材を用いて、患者の骨に骨追跡装置を固定する手順を以下に説明する。なお、人工股関節置換手術における場合を以下に説明するが、手術ナビゲーションシステムを用いる手術であれば、人工膝関節置換手術や骨折手術、脊椎手術などの整形外科の他の手術や、脳外科、耳鼻科などにおける手術でも、同様にこの骨追跡装置固定部材を使用することができる。
【0026】
患者の股関節を人工股関節に取り替える人工股関節置換手術では、先ず、患者の股関節側面の皮膚を切開する。この開創部内には、図4に示すように、追跡の対象となる骨の一つである大腿骨50の大転子51が見える。よって、この大転子51の外側部に台座部10を固定するため、台座部10の3箇所の貫通穴12にそれぞれネジ60を螺合させ、さらにこれらネジ60を回転させて、大転子51の外側部にネジ60の先端をねじ込む。この際、台座部10裏側の3本のスパイク19を大転子51表面に刺入させることで、固定作業中に台座部10が大転子51上を滑るのを防止することができる。
【0027】
このように、3本のネジ60を用いて、患者の大腿骨50と台座部10とを固定するので、大転子51外側部の弯曲した表面上にも、台座部10を安定して固定することができる。また、台座部10は、手術創内の大腿骨50に固定できるので、従来の手術創から離れた箇所で経皮的に大腿骨に固定する場合と比べて、侵襲が少なくなり患者の負担を軽減することができる。さらに、貫通穴12を各頂点とする三角形を、例えば底辺約21mm、高さ約30mmと非常に小さくしても、台座部10で骨追跡装置を安定して支えることができるので、近年の手術創が短い最小侵襲手術においても十分に対応することができる。
【0028】
台座部10を大腿骨50に固定したら、次に、台座部10に支持部20を取り付ける。先ず、台座部10のコネクタ13の連結穴14に、支持部20の先端部21を挿入する。この時、先端部21に設けられている突起22が、コネクタ13の案内溝16と係合するので、コネクタ13の連結穴14内で、支持部20の先端部21が円周方向に自由に回転するのを防止することができる。すなわち、台座部10に対して支持部20が一定の位置で必ず位置決めされることとなる。なお、案内溝16と突起22をコネクタ13と先端部21に各1つ配置した場合を示したが、一定の位置に位置決めすることができる配置であれば、それぞれ複数にしてもよい。
【0029】
支持部20の鍔部23がコネクタ13の開口面17と接触するまで、支持部20の先端部21をコネクタ13の連結穴14に挿入した後、今度は、固定ネジ27を先端部21側に移動させて、固定ネジ27の固定穴28にコネクタ13の先端側外周部15を挿入し、固定ネジ27を回転させて固定穴28の雌ネジと先端側外周部15の雄ネジとを螺合させる。そして、固定ネジ27をコネクタ13に締め付けることで、台座部10と支持部20とが固定され、コネクタ13から先端部21が抜け外れることを防止することができる。
【0030】
図5に、台座部10に支持部20を取り付け、さらに支持部20に骨追跡装置を取り付けた状態を示す。なお、図4に示すように、2本のロッド25をクランプ30で連結した支持部20を用いる場合は、一方のロッド25aの先端部に台座部10を固定するとともに、他方のロッド25bの一端に骨追跡装置40を取り付ける。ロッド25bへの骨追跡装置40の取り付けは、骨追跡装置40のアーム部44に支持部20のロッド25bを挟持させた後、アーム部44の側面に設けられた固定手段45により、ロッド25bをアーム部44に固定する。
【0031】
骨追跡装置40には、骨追跡装置40の位置を3台の赤外線カメラからなる3次元位置計測カメラシステム(図示省略)で正確に把握するため、複数の赤外線発光ダイオード(赤外線LED)42が設けられている。よって、これら複数の赤外線LED42の全てが3台の赤外線カメラで撮影されるように、ロッド25aを挟持する挟持部31aに対してロッド25bを挟持する挟持部31bを回転させて骨追跡装置40の位置を調整した後、固定部32でこれら2つの挟持部31a、31bを固定する。
【0032】
このようにして、台座部10と支持部20とからなる骨追跡装置固定部材を介して、患者の大腿骨50の大転子51外側部に骨追跡装置40を固定したら、次に、骨追跡装置40の赤外線LED42から赤外線を発光させて、これら赤外線を3台の赤外線カメラ(図示省略)によって撮像する。手術ナビゲーションシステムは、この撮像した3つの画像から、三角測量の原理により骨追跡装置40の3次元位置を計測することができる。また、この時の患者の大腿骨50の大転子51の3次元位置を手術ナビゲーションシステムに入力することで、手術ナビゲーションシステムは、患者の大腿骨50の大転子51外側部の3次元位置に対する骨追跡装置40の3次元位置を相対的に認識することができる。
【0033】
さらに、手術ナビゲーションシステムには、術前に撮影した患者のCTスキャンやMRIの断層画像から、大転子51外側部を含む患者の大腿骨50全体の3次元位置が予め入力されている。これにより、手術ナビゲーションシステムは、大腿骨50全体の形状のうち少なくとも1つの基準点(ここでは、大転子51外側部)の3次元位置がわかれば、大腿骨50全体の3次元位置を正確に計算することができる。なお、大腿骨50の3次元位置はモニタ(図示省略)に画像表示されるので、術者に視覚的に示すことができる。
【0034】
したがって、患者が動くことによって、大腿骨50の大転子51外側部の3次元位置が当初の位置から移動しても、大転子51外側部には本発明に係る骨追跡装置固定部材を介して骨追跡装置40が固定されているので、大転子51外側部の移動に合わせて骨追跡装置40の3次元位置も当初の位置から移動する。よって、患者が動いても、骨追跡装置40の3次元位置を3台の赤外線カメラで計測することで、基準点である大転子51外側部の3次元位置を追跡することができるので、患者の大腿骨50の正確な3次元位置をモニタに画像表示することができる。
【0035】
なお、患者の大腿骨を人口股関節に置換する手術を行う際には、術野確保するため、支持部20の固定ネジ27を台座部10のコネクタ13から緩めた後、コネクタ13の連結穴14から支持部20の先端部21を抜いて、支持部20を台座部10から取り外す。よって、手術創内には、平面が略三角形の薄板状のプレート11に円筒形状のコネクタ13が若干突出している台座部10が残るだけなので、置換手術の支障になることがない。
【0036】
また、置換手術中に、患者の大腿骨50の3次元位置を把握したい場合には、手術創内に残っている台座部10に、取り外した状態のままの支持部20と骨追跡装置40を再び取り付ける。この際、上述したように、コネクタ13の案内溝16と先端部21の突起22とによって、台座部10と支持部20とは一定の位置で必ず位置決めされることから、骨追跡装置40を最初に取り付けた位置に正確に再現することができる。なお、再現性を確保するためには、支持部20と骨追跡装置40との位置関係は当初の状態のままにしておく必要がある。
【0037】
そして、再び骨追跡装置40の赤外線LED42を発光させて、3台の赤外線カメラで骨追跡装置40の3次元位置を計測する。大転子51外側部の3次元位置に対する骨追跡装置40の3次元位置の相対的な位置関係は、当初の状態が維持されているから、骨追跡装置40の3次元位置を計測することで、基準点である大転子51の3次元位置を追跡することができる。よって、骨追跡装置40が固定されている支持部20を台座部10から取り外しても、必要な時に再び取り付けることで、大腿骨50の正確な3次元位置をモニタに画像表示することができる。
【0038】
なお、上記の説明では、骨追跡装置に設けた赤外線発光ダイオードで赤外線を発光させて骨追跡装置の3次元位置を計測する場合について述べたが、赤外線発光ダイオードに代えて赤外線反射体を設け、所定の位置から発光された赤外線をこの反射体で反射させることでも、骨追跡装置の3次元位置を同様に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】は、本発明に係る骨追跡装置固定部材の台座部の一実施の形態であって、(A)はその平面図、(B)はその側面図、(C)はその底面図である。
【図2】は、本発明に係る骨追跡装置固定部材の支持部の一実施の形態を示す側面図である。
【図3】は、本発明に係る骨追跡装置固定部材の支持部の別の実施の形態を示す側面図である。
【図4】は、図1に示す骨追跡装置固定部材の台座部を、患者の大腿骨の大転子外側部に固定した状態を示す斜視図である。
【図5】は、本発明に係る骨追跡装置固定部材に骨追跡装置を設置した一実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
10 台座部
11 プレート
12 貫通穴
13 コネクタ
14 連結穴
15 先端側外周部
16 案内溝
17 開口面
19 スパイク
20 支持部
21 先端部
22 突起
23 鍔部
25 ロッド
27 固定ネジ
28 固定穴
29 摺動穴
30 クランプ
31 挟持部
32 固定部
40 骨追跡装置
42 赤外線発光ダイオード
44 アーム部
45 固定手段
50 大腿骨
51 大転子
60 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術ナビゲーションシステムにおいて患者の骨の位置を追跡する骨追跡装置を患者の骨に固定するための骨追跡装置固定部材であって、
前記患者の骨の表面に少なくとも3点で固定される台座部と、
前記台座部の表面から突出して設けられ、前記骨追跡装置が固定される支持部と
を含んでなり、前記台座部と前記支持部とが所定の位置で位置決めされて着脱可能に固定されている骨追跡装置固定部材。
【請求項2】
前記台座部には、平面三角形の各頂点に骨との固定に用いられるネジ穴が設けられており、この三角形の内側から前記支持部が突出して設けられている請求項1に記載の骨追跡装置固定部材。
【請求項3】
前記支持部が、少なくとも2本の棒状部材と、これら棒状部材を連結するとともに棒状部材間の角度が調節可能である連結手段とを含んでおり、前記棒状部材の1つが前記台座部の表面に所定の位置で位置決めされて着脱可能に固定されており、前記棒状部材の他の1つに前記骨追跡装置が固定される請求項1又は2に記載の骨追跡装置固定部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−81569(P2006−81569A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266285(P2004−266285)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】