説明

高アッベ数及び優れた耐熱性を有する高屈折率材料

【課題】高屈折率と高アッベ数とを同時に有し、かつ耐熱性が改善された重合体を提供する。
【解決手段】下記式(X)で示される構造単位を有する重合体。


[式中、Qは硫黄原子又はメチレン基、mは1又は2、tは0又は1]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高屈折率と高アッベ数を同時に有する重合体に関する。より詳細には、高屈折率と高アッベ数を同時に満たし、かつ、耐熱性にも優れる重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レンズ材料として無機ガラスに代わり、軽量で耐衝撃性が高く大量生産が可能なプラスチックレンズが多く用いられるようになっている。眼鏡レンズの分野においてはプラスチックレンズの割合が9割にも達している。このような光学レンズの分野において、レンズのさらなる軽薄化を目的とし、高屈折率化が進められている。一方、重要な光学特性の一つとしてアッベ数がある。これは光の波長による屈折率差の度合いを表すものであり、アッベ数が高いほど差が小さく良いレンズであると言える。しかしながら、有機材料で屈折率とアッベ数は二律背反の関係にあり、これらを同時に向上させることは困難であった。
【0003】
また、プロジェクションテレビ等に使用されるフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学レンズは、プレス法、キャスト法等の方法により製造されてきた。しかし、これらの方法では、製造時の加熱及び冷却に長時間を必要とするため、生産性が低いという問題があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、近年、紫外線硬化性樹脂組成物を用いてレンズを製作することが検討されている。具体的には、レンズ形状の付いた金型と透明樹脂基板との間に紫外線硬化性樹脂組成物を流し込んだ後、透明樹脂基板の側から紫外線を照射し、該組成物を硬化させることによって、短時間でレンズを製造することができる。
近年のプロジェクションテレビやビデオプロジェクターの薄型化及び大型化に伴い、光学レンズを形成するための紫外線硬化性樹脂組成物に対して、高い屈折率を有することや、いわゆる青色抜け(画面が青みを帯びる現象)を防止することや、優れた力学特性を有することや、硬化前に適当な粘度(薄型化及び大型化に適する小さな粘度)を有すること等が要求されている。
【0005】
ここで、光学レンズを形成するための樹脂組成物として、例えば、特定の構造を有するジオール(a)と芳香族有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、該(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、A成分:特定の一般式で表わされるビス(アクリロキシメチル又はメタクリロキシメチル)トリシクロデカン40〜80重量%、B成分:ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)又はペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)10〜50重量%、C成分:ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート又はジビニルベンゼン10〜40重量%、からなる混合物を重合硬化して得た、屈折率(N20℃)が1.53以上、アッベ数(ν20℃)が40以上である高アッベ数レンズ(特に、眼鏡用レンズ)が提案されている(特許文献2)。
【0007】
しかし、特許文献1、2等の技術を用いても、プロジェクションテレビ等の光学レンズに対する近年の要求、即ち、光学レンズの薄型化による高屈折率の要求と、高アッベ数の要求を共に十分満足させることは困難である。
【0008】
特に、プロジェクションテレビ等の光学レンズを形成するための有機系材料は、一般的に、長波長光よりも短波長光に対する屈折率が高いため、アッベ数が小さいと、長波長光(赤色)に比べ、短波長光(青色光)をより大きく屈折させ、テレビ画面で青色抜け(画面が青みを帯びる現象)が起きるという問題がある。近年主流になりつつある薄型のリアプロジェクションテレビ等においては、光源からフレネルレンズへの光の入射角が鋭角となり、短波長光がさらに顕著に屈折されるため、この青色抜けが大きな問題となっている。
尚、この青色抜けの問題を解消するためにアッベ数を大きくすると、屈折率が急に小さくなり、プロジェクションテレビ等における薄型化を実現することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−255464号公報
【特許文献2】特開平2−141702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、高い屈折率と高いアッベ数とを同時に有し、さらに耐熱性が改善された重合体を提供することを目的とする。
また、本発明は、レンズ材等の光学用途に適した非晶性の重合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明者らは、耐熱性を改善することを目的として、上記ポリチオエーテルスルホンからチオアセタール構造を排除した2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(以下、BMMDということがある)と、ジビニルスルホン(以下、DVSということがある)又はビス(ビニルスルホニル)メタン(以下、BVSMということがある)との重合体(以下、重合体1ということがある)を得た。得られたポリマーの熱特性・光特性を評価したところ、高屈折率かつ高アッベ数を有し、さらに耐熱性にも優れていることを見出した。
【0012】
尚、DVSを用いて製造した重合体1は結晶性を有しているが、BMMDの代わりに、1,4−シクロヘキサンジチオール(以下、CHDTということがある)を用い、上記と同様にして得られた重合体(以下、重合体2ということがある)は、高屈折率、高アッベ数を有し、かつ耐熱性及び透明性に優れた非晶性ポリマーであることを見出した。
【0013】
さらに、本発明者らは、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(BMMD)及び1,4−シクロヘキサンジチオール(CHDT)と、並びに、ジビニルスルホン(DVS)又はビス(ビニルスルホニル)メタン(BVSM)とを重合して得られるポリマー(以下、重合体3ということがある)は、BMMDとCHDTの割合を変化させることによって、得られる重合体を非晶性ポリマーとすることができることを見出した。また、重合体3は、高屈折率、高アッベ数及び優れた耐熱性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
即ち、本発明は下記の重合体及び重合体の製造方法を提供する。
1.下記式(X)で示される構造単位を有する重合体。
【化1】

[式中、Qは硫黄原子又はメチレン基であり、mは1又は2であり、tは0又は1である。]
2.下記式(1)で示される構造単位及び下記式(2)で示される構造単位を有する上記1に記載の重合体。
【化2】

[式中、mは1又は2である。]
3.下記式(Y)で表される化合物と、ジビニルスルホン又はビスビニルスルホニルメタンとを、重合させる上記1又は2に記載の重合体の製造方法。
【化3】

[式中、Qは硫黄原子又はメチレン基であり、tは0又は1である。]
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高屈折率と高アッベ数とを同時に有し、さらに耐熱性にも優れた重合体を提供することができる。
本発明によれば、高屈折率と高アッベ数とを同時に有し、さらに耐熱性にも優れた非晶性の重合体を提供することができる。
本発明によれば、透明性に優れ、高屈折率と高アッベ数とを同時に有し、さらに耐熱性にも優れた、レンズ等の光学材料に好適な非晶性重合体を提供することができる。
本発明によれば、透明性に優れ、高屈折率と高アッベ数とを同時に有し、さらに耐熱性にも優れた重合体フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1で製造された本発明の重合体フィルムのFT−IRチャートである。
【図2】実施例1で製造された本発明の重合体フィルムのH NMRチャートである。
【図3】実施例2で製造された本発明の重合体フィルムのFT−IRチャートである。
【図4】実施例2で製造された本発明の重合体フィルムのH NMRチャートである。
【図5】実施例1及び2で製造された本発明の重合体フィルムのUV−可視透過率スペクトルである。
【図6】実施例1及び2で製造された本発明の重合体フィルムのDSC分析チャートである。
【図7】実施例1で製造された本発明の重合体フィルムの重量減少曲線である。
【図8】実施例2で製造された本発明の重合体フィルムの重量減少曲線である。
【図9】実施例3で製造された本発明の重合体フィルムのH NMRチャートである。
【図10】実施例4で製造された本発明の重合体フィルムのH NMRチャートである。
【図11】実施例5で製造された本発明の重合体フィルムのH NMRチャートである。
【図12】実施例6で製造された本発明の重合体フィルムのH NMRチャートである。
【図13】実施例1、3〜6で製造された本発明の重合体のDSC曲線を示すグラフである。
【図14】実施例1及び3で製造された本発明の重合体フィルムの重合体フィルムの紫外−可視スペクトルである。
【図15】実施例1、3、4及び6で得られた重合体の屈折率及びアッベ数の値をBMMD分率に対してプロットしたグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の重合体について詳細に説明する。
本発明の重合体は下記式(X)で示される構造単位を有することを特徴とする。
【化4】

式中、Qは硫黄原子又はメチレン基であり、mは1又は2であり、tは0又は1である。
【0018】
本発明の重合体は、下記式(1)で示される構造単位及び下記式(2)で示される構造単位の少なくとも一方を有することが好ましい。以下、下記式(1)で示される構造単位を有する重合体を重合体1、下記式(2)で示される構造単位を有する重合体を重合体2、下記式(1)で示される構造単位を有し、さらに下記式(2)で示される構造単位を有する重合体を重合体3と呼ぶ。
【化5】

式中、mは1又は2である。
【0019】
本発明の重合体は、下記式(Y)で表される化合物と、ジビニルスルホン又はビスビニルスルホニルメタンとを重合させることによって製造することができる。
【化6】

式中、Qは硫黄原子又はメチレン基であり、tは0又は1である。
【0020】
(重合体1)
本発明の重合体1は、下記式(1)で示される構造単位を有することを特徴とする。
【化7】

式中、mは1又は2である。
【0021】
本発明の重合体1の製造方法は、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(以下、BMMDということがある)と、ジビニルスルホン(以下、DVSということがある)又はビス(ビニルスルホニル)メタン(以下、BVSMということがある)とを、マイケル付加重合させることを特徴とする。
下記に本発明の重合体1の製造方法を反応式で示す。
BMMDと、DVSとをマイケル付加重合させる場合、即ち、式(1)においてm=1の場合は、次の通りである。
【0022】
【化8】

上記反応式中、nは繰り返し数を示す。
【0023】
本発明の重合体1−1の一方の原料モノマーであるBMMDは、特開平6−192250号公報に開示された公知化合物であり、その製造方法については、後述する合成例において具体的に説明する。
【0024】
他方の原料モノマーであるDVSは、例えば試薬として市販されているものを使用することができる。
【0025】
BMMDとDVSの重合反応の反応条件は、特に限定されないが、下記条件を用いることができる。
DVS(1mmol)とBMMD(1mmol)を反応容器に入れ、窒素置換する。ジメチルスルホキシド(DMSO)(0.5〜3mL)を加えて、モノマーを完全に溶解させた後、触媒量のトリエチルアミン等の有機塩基を加え、常温〜80℃で1〜12時間攪拌する。
【0026】
本発明の重合体1−1は100℃付近にガラス転移温度を有し、100℃付近で結晶化が起きる。そのため、非晶質のフィルムを作製しようとする場合には、例えば、重合体を180℃で溶融し、急冷することが好ましい。本発明の重合体1は、180℃に加熱しても黄変が生じず、無色透明なフィルムが得られる。
【0027】
BMMDと、BVSMとを、マイケル付加重合させる場合、即ち、式(1)においてm=2の場合は、次の通りである。
【0028】
【化9】

上記反応式中、nは繰り返し数を示す。
【0029】
本発明の重合体1−2の一方の原料モノマーであるBMMDについては上述した通りであり、他方の原料モノマーであるBVSMは、例えば試薬として市販されているものを使用することができる。
【0030】
BMMDとBVSMの重合反応の反応条件は、特に限定されないが、下記条件を用いることができる。
BVSM(1mmol)とBMMD(1mmol)を入れ、窒素置換する。DMSO(0.5〜3mL)を加えて、モノマーを完全に溶解させた後、触媒量のピリジンやアミン等の有機塩基を加え、常温〜80℃で1〜12時間攪拌する。
【0031】
本発明の重合体1は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定用の有機溶媒に不溶のため、GPCを用いた分子量測定は困難であるが、固有粘度を分子量の指標にすることができる。本発明の重合体の固有粘度は0.1〜0.3であることが好ましく、0.2〜0.3の範囲内であることがより好ましい。
【0032】
本発明の重合体1は、硫黄含量が高く、優れた透明性、高屈折率と高アッベ数とを同時に有し、さらに優れた耐熱性を有するものであるが、これらの物性については、実施例において具体的に説明する。
【0033】
本発明の重合体1は、重合体の全繰り返し単位の合計を100モル%としたときに、前記式(1)で示される構造単位を10モル%以上含有していることが好ましく、20モル%以上含有していることがより好ましい。式(1)で示される構造単位が10モル%未満であると、本発明の重合体1の特性が十分に発揮されないおそれがある。
【0034】
(重合体2)
本発明の重合体2は、下記式(2)で示される構造単位を有することを特徴とする。
【化10】

式中、mは1又は2である。
【0035】
本発明の重合体2の製造方法は、1,4−シクロヘキサンジチオール(以下、CHDTということがある)と、ジビニルスルホン(以下、DVSということがある)又はビス(ビニルスルホニル)メタン(以下、BVSMということがある)とを、マイケル付加重合させることを特徴とする。
下記に本発明の重合体2の製造方法を反応式で示す。
CHDTと、DVSとをマイケル付加重合させる場合、即ち、式(2)においてm=1の場合は、次の通りである。
【0036】
【化11】

上記反応式中、nは繰り返し数を示す。
【0037】
本発明の重合体2の原料モノマーであるCHDTは公知化合物であり、公知の方法で製造でき、後述する合成例2において具体的に説明する。他方の原料モノマーであるDVSについては上述した通りである。
【0038】
CHDTとDVSの重合反応は、BMMDをCHDTに代える以外は、上記式(1−1)で示される構造単位を有する本発明の重合体1の場合と同様に行うことができる。
【0039】
CHDT及びBVSMのマイケル付加重合(式(2)においてm=2の場合)は、上記式(2−1)で示される構造単位を有する本発明の重合体2を得る反応において、DVSの代わりにBVSMを用いる他は同様である。
【0040】
本発明の重合体2は、非晶性ポリマーであり、熱的に不安定な官能基を含まず、シクロヘキサン環を有しているためガラス転移温度(Tg)が低下しにくく、耐熱性が高い。
さらに、本発明の重合体2は、透明性が高く、レンズ材料における目標性能である屈折率1.6以上及びアッベ数50以上という値を同時に達成できる。
【0041】
本発明の重合体2は、アミド系溶媒に可溶であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量の測定が可能である。GPCによる重量平均分子量(Mw)は通常、3,000〜1,000,000の範囲内であり、5,000〜500,000の範囲内であることが好ましい。
【0042】
本発明の重合体2は、重合体の全繰り返し単位の合計を100モル%としたときに、前記式(2)で示される構造単位を10モル%以上含有していることが好ましく、20モル%以上含有していることがより好ましい。式(2)で示される構造単位が10モル%未満であると、本発明の重合体2の特性が十分に発揮されないおそれがある。
【0043】
(重合体3)
本発明の重合体3は、前記式(1)で示される構造単位を有し、さらに前記式(2)で示される構造単位を有することを特徴とする。即ち、本発明の重合体3は、下記式(3)によって示される構造を有する。
【0044】
【化12】

式中、mは1又は2であり、n1及びn2は繰り返し数を示す。
【0045】
本発明の重合体3の製造方法は、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(BMMD)及び1,4−シクロヘキサンジチオール(CHDT)、並びに、ジビニルスルホン(DVS)又はビスビニルスルホニルメタン(BVSM)を、マイケル付加重合させることを特徴とする。
下記に本発明の重合体3の製造方法を反応式で示す。
BMMD及びCHDT、並びに、DVSをマイケル付加重合させる場合、即ち、式(3)においてm=1の場合は、次の通りである。尚、BMMDとCHDTは、n1:n2のモル比で配合する。
【0046】
【化13】

上記反応式中、n1及びn2は繰り返し数を示す。
【0047】
BMMD、CHDT及びDVSの重合反応の反応条件は、特に限定されないが、下記条件を使用することができる。
BMMDとCHDTを、n1:n2(モル比)の割合で合計1mmolと、DVS 1mmolを反応容器に入れ、窒素置換する。BMMDの割合が多い場合にはDMSOを、CHDTの割合が多い場合にはN−メチルピロリドン(NMP)(0.5〜3mL)を加えて、モノマーを完全に溶解させた後、触媒量のピリジンやアミン等の有機塩基を加え、常温〜80℃で1〜12時間攪拌する。
【0048】
BMMD、CHDT及びBVSMのマイケル付加重合(式(3)においてm=2の場合)は、上記式(3−1)で示される構造単位を有する重合体を得る反応において、DVSの代わりにBVSMを用いる他は同様である。
【0049】
本発明の重合体3は、アミド系溶媒に可溶であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量の測定が可能である。GPCによる重量平均分子量(Mw)は通常、3,000〜1,000,000の範囲内であり、5,000〜500,000の範囲内であることが好ましい。
【0050】
本発明の重合体3は、結晶性を有する式(1)で示される構造単位と、非晶性である式(2)で示される構造単位とが混在することによりポリマー鎖の対称性が崩れ、非晶化する。式(1)で示される構造単位を有する重合体1は、結晶化温度(Tc)及び融点(Tm)を持ち、大きな融解熱を示す結晶性ポリマーである。そこに、20モル%のCHDTを用いて共重合を行うと、得られる重合体3は、結晶化温度(Tc)を示さず、融点(Tm)での融解熱は非常に小さくなる。さらに、CHDTの分率を増加させていくと、得られる重合体3は完全に非晶化し、ガラス転移温度(Tg)のみを示すようになる。結晶性が有ると不透明化してしまうという問題があるだけでなく、溶融温度にも影響を与えるが、式(1)及び(2)で示される構造単位の割合を変化させることで、これらの性質をコントロールすることができる。
【0051】
本発明の重合体3は、高屈折率、高アッベ数及び優れた耐熱性を有し、さらに、式(2)で示される構造単位を20モル%以上、好ましくは50モル%以上含有する場合には非晶性ポリマーとなることから、レンズ等の光学材料として有用である。
【0052】
本発明の重合体3は、重合体の全繰り返し単位の合計を100モル%としたときに、前記式(1)及び式(2)で示される構造単位の合計を10モル%以上含有していることが好ましく、20モル%以上含有していることがより好ましい。式(1)及び(2)で示される構造単位の合計が10モル%未満であると、本発明の重合体3の特性が十分に発揮されないおそれがある。
【0053】
本発明の重合体1〜3を、例えば、フィルム状に成形する方法は特に制限されないが、目的とするフィルムの厚さ等に応じて適宜選択すればよい。例えば、重合体のNMPやDMSO溶液を石英基板等の基材上に塗布(キャスト)し、通常60〜120℃、好ましくは80〜100℃の温度範囲のホットプレート上で、通常1〜5時間、好ましくは1〜2時間乾燥させた後、通常100〜250℃、好ましくは150〜200℃の温度範囲のホットプレート上で、通常1〜5時間、好ましくは1〜2時間乾燥させればよい。
【0054】
また、本発明の重合体1〜3を光学部品、例えば、レンズとして利用する場合の成形方法も特に限定されないが、例えば、射出成形で製造することができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を合成例及び実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0056】
合成例1
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(BMMD)の合成
アリルジスルフィド(10.3g、70.2mmol)と炭酸カルシウム(0.14g)のジクロロメタン(170mL)の懸濁溶液に塩化スルフリル(9.5g、70.2mmol)を−30℃で45分かけて滴下した。滴下終了後、混合溶液を−30℃で24時間攪拌した。反応終了後、混合溶液を濾別、溶媒を減圧留去し、2,5−ジクロロメチル−1,4−ジチアンの粗生成物を15.4g得た。得られた2,5−ジクロロメチル−1,4−ジチアンの粗生成物にとチオウレア(10.8g、0.142mmol)のエタノール(47mL)溶液を1時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、2,5−ジクロロメチル−1,4−ジチアンのイソチウロニウム塩を析出させ濾取した(22.0g)。次に、得られた2,5−ジクロロメチル−1,4−ジチアンのイソチウロニウム塩の水懸濁液(63mL)に水酸化ナトリウム(5.81g)水溶液(31mL)を90℃で滴下した。反応液を1時間加熱還流し、室温まで冷却した。6N塩酸を反応液のpHが2〜3になるまで加え、有機層をベンゼンで抽出した。抽出物を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧蒸留で精製した(7.76g、52%収率)。
【0057】
実施例1
式(1−1)で示される構造単位を有する重合体(BMMD/DVS)の製造
【化14】

【0058】
BMMD(1mmol,0.212g)とDVS(1mmol,0.118g)とDMSO(0.5mL)を、5mLのナス型フラスコに入れ、攪拌しつつトリエチルアミンを一滴加え、さらに室温で2時間攪拌を続けた。トリエチルアミンを加えるとすぐに粘度が上昇し始め、その後白濁してきた。2時間後に白濁したペーストが得られた。このペーストを100℃の石英基板上に塗布し、さらに100℃で30分、180℃で30分加熱し、BMMD/DVSフィルムを得た。
【0059】
H NMR(300MHz,DMSO−d,40℃,ppm)δ:3.10−2.84(m,14H)
元素分析:計算値C1018:C,36.33;H,5.49
実測値C,36.31;H,5.23
【0060】
得られた重合体は、DMSOやNMP以外の溶媒には殆ど溶解しなかった。
得られた重合体の硫黄含量は、計算の結果49重量%であった。
得られた重合体フィルムのFT−IRチャートを図1に、H NMRスペクトルを図2に示す。
【0061】
実施例2
式(1−2)で示される構造単位を有する重合体(BMMD/BVSM)の製造
【化15】

【0062】
BMMD(1.03mmol、0.218g)とDMSO(0.5mL)とピリジン一滴を5mLナス型フラスコに入れた。そこにBVSM(1.00mmol、0.204g)とDMSO(0.5mL)の溶液を1時間かけて滴下した。さらに室温で2時間攪拌した。得られた溶液をメタノールに再沈殿し、白色の固体(0.3505g,収率;83%)を得た。得られた固体をNMPに溶解させ石英基板にスピン塗布し、80℃及び100℃で各1時間加熱した後、180℃で30分加熱し、BMMD/BVSMフィルムを得た。
【0063】
H NMR(300MHz,DMSO−d,40℃,ppm)δ:5.50―5.46(s、2H)、3.70―3.61(t、4H)、3.10―2.84(m,14H)
元素分析:計算値C1120:C、32.33;H、4.95
実測値C、32.37;H、4.70
【0064】
得られた重合体は、DMSOやNMP以外の溶媒には殆ど溶解しなかった。
得られた重合体の硫黄含量は、計算の結果49重量%であった。
得られた重合体フィルムのFT−IRチャートを図3に、H NMRスペクトルを図4に示す。
【0065】
比較例1
比較例として下記構造を有する市販のポリエーテルスルホン(シグマ−アルドリッチ製、品番:428310)を使用した。
【化16】

【0066】
<重合体の特性評価>
上記実施例で得られた重合体及び比較例の下記特性を下記方法により測定した。得られた結果を、表1に示す。
【0067】
(1)屈折率(n25
JIS K7105に従い、(株)アタゴ製アッベ屈折計を用いて、25℃における波長589nmでの屈折率を測定した。
【0068】
(2)アッベ数νの測定
(株)アタゴ製の多波長アッベ屈折計でF線(486nm)、C線(656nm)の屈折率をそれぞれ求めた。これらと、上記D線(589nm)の屈折率とを用いてアッベ数を下記式に従って算出した。
【数1】

【0069】
(3)透過率(%)
日立製作所社製のU−3500型自記分光光度計を使用して、実施例で得られた26μm厚の重合体フィルムの透過率(%)を測定した。得られた重合体フィルムのUV−可視透過率スペクトルを図5に示す。実施例1で得られた重合体フィルムは硫黄含量が高いため350nm付近では透過率が89%であったが、可視領域(>400nm)では透過率が>97%と透明性に優れていた。また、実施例2で得られた重合体フィルムは、350nm付近での透過率が90%を超えており、可視領域では実施例1と同様に97%を超える透過率であった。この高い透明性は可視領域に吸収を有するπ−結合を殆ど有しない分子構造によると考えられる。
【0070】
(4)ガラス転移温度(℃)
DSC分析により、上記で得られた重合体フィルムのガラス転移温度(Tg)を測定した。DSCチャートを図6に示す。図6から、実施例1の本発明の重合体(1−1)は100℃付近にガラス転移温度を有し、100℃付近で結晶化が起こっていることがわかる。さらに、163℃に融点が観測された。本発明の重合体(1−1)の結晶化の速度は速くないので、特にゆっくり冷却しなければアモルファスのフィルムが得られる。フィルム作製において、100℃で溶媒を揮発させていると結晶化が起こり、フィルムは白濁する。白濁したフィルムを180℃で溶融させることでアモルファスの無色透明なフィルムとなり、急冷させることでフィルムを作製した。ポリチオエーテルスルホンでは加熱すると着色してしまうため、溶融成型は不可能であったが、今回の溶融成型に耐えられると考える。
また、実施例2の本発明の重合体(1−2)は、さらに低温な55℃にガラス転移温度を有しく、より低温での加工が可能となる。本発明の重合体(1−2)も180℃に加熱しても黄変は見られず、良好な加工性が期待できる。
【0071】
(5)5%重量減少温度(5% weightloss temperature(N))(℃)
TGA測定により、上記実施例1及び2で得られた重合体の熱重量減少率を測定した。重量減少曲線をそれぞれ図7及び図8に示す。
【0072】
(6)固有粘度([η]inh
0.5g/dLのDMSO溶液を調製した後、オストワルド粘度計(SibataNo.2)で通過時間を測定し、次式により粘度を求めた。
【数2】

【0073】
【表1】

【0074】
上記の結果から、本発明の重合体(1−1)及び(1−2)は、高い屈折率と高いアッベ数とを両立でき、透明性に優れ、さらに耐熱性にも優れていることがわかる。
【0075】
合成例2
1,4−シクロヘキサンジチオール(CHDT)の合成
【0076】
【化17】

【0077】
ナス型フラスコに1,4−シクロヘキサンジオール(11.62g,0.1mol)、チオウレア(30.4g,0.4mol)及び臭化水素酸(47%,80mL)を加え、還流管、窒素風船を取り付けた。その溶液を36時間還流させ、反応させた。室温まで放冷した後、水浴で冷やしながらNaOH(30g)をゆっくり加えた。全て加え終わった後、再び窒素置換し、90Cで2時間反応させた。反応後、再び放冷し、水浴で冷やしながらpHが2〜3になるまでHCl水溶液を加えた。その混合物に塩化メチレンを加え、ジチオールを抽出し、有機層を水洗した後、溶媒を減圧流去した。得られた液体を減圧蒸留(0.55torr,43C)し、無色の液体3.46g(収率:25.0%)を得た。
FT−IR(KBr,cm−1):2931.27(−CH−)、2854.13(−CH−)、2545.58(−SH)、1442.49(−CH−)
H NMR(300MHz,CDCl,25℃,ppm):δ=3.41、3.09、2.74、2.38(2H,−CH−)、2.16−1.17(m,10H)、1.60−1.50(m,2H,−SH)
【0078】
実施例3
式(2−1)で示される構造単位を有する重合体(CHDT/DVS)製造
CHDT(2mmol,0.2964g)、DVS(96%,2mmol,0.2463g)及びDMSO(1mL)を、5mLのナス型フラスコに入れ、攪拌しつつトリエチルアミンを一滴加え、さらに室温で3時間攪拌を続けた。トリエチルアミンを加えるとすぐに発熱し粘度が上がり始め、濁ってきた。得られたポリマー溶液をメタノールに加えて再沈殿し、白色の固体(0.4996g,収率:92.1%)を得た。得られた固体(パウダー)をテフロン(登録商標)シート上に置き、真空下180℃に加熱して溶融させ、ペレットを作成した。続いて、得られたペレットを、ガラス板、PTFEシート、ペレット及びカバーガラス(厚さ調整用)、PTFEシート、ガラス板の順で重ね、180Cで溶融させてフィルムを得た。
得られた重合体フィルムのH NMRチャートを図9に示す。
得られた重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。結果を表2に示す。GPCは、JASCOPU−2080Plusとポリスチレンゲルカラム2本(TSK GELS GMHHR−M)を用いて行った。0.01MLiBrを含むDMFを溶媒として用い、流速は1.0mL/min、キャリブレーションにはstandard polystyrene sampleを用いた。
H NMR(300MHz,DMSO−d,40℃,ppm):δ=3.40(t,4H)、3.02、2.78、2.33(m,2H)、2.87(m,4H)、2.10−1.18(m,8H)
元素分析:C1018 計算値:C,45.08;H,6.81
測定値:C,45.15;H,6.60
【0079】
実施例4
式(3−1)で示される重合体(BMMD−CHDT/DVS)及び重合体フィルムの製造
BMMD:CHDT=50:50(モル比)の重合例を示す。BMMD(1mmol,0.2124g)、CHDT(1mmol,0.1483g)、DVS(96%,2mmol,0.2460g)及びDMSO(1mL)をフラスコに入れ、攪拌した。そこにトリエチルアミンを一滴加え、さらに室温で3時間攪拌を続けた。得られた高粘度溶液をメタノールに加えて再沈殿し、白色の固体(0.5530g,収率:91.3%)を得た。実施例3と同様にして重合体フィルムを得た。
得られた重合体フィルムのH NMRチャートを図10に示し、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
【0080】
実施例5
BMMD:CHDT=80:20(モル比)とした以外は実施例4と同様にして重合体及び重合体フィルムを得た。得られた重合体フィルムのH NMRチャートを図11に示し、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
【0081】
実施例6
BMMD:CHDT=20:80(モル比)とし、溶媒をDMSOからNMPに変えた以外は実施例4と同様にして重合体及び重合体フィルムを得た。得られた重合体のH NMRチャートを図12に示し、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
【0082】
【表2】

【0083】
<重合体の熱特性評価>
上記実施例3〜6で得られた重合体の5%重量減少温度、結晶化温度、溶融温度及びガラス転移温度をTGA測定及びDSC分析により測定した。得られた結果を、実施例1の結果と共に表3に示す。
また、実施例1及び3〜6の重合体のDSC曲線を図13に示す。
【0084】
【表3】

【0085】
表3及び図13の結果から、実施例1の重合体(BMMD/DVS)は結晶性であるのに対し、実施例3の重合体(CHDT/DVS)はガラス転移温度(Tg)が46℃の非晶性ポリマーであった。CHDTはBMMDよりもメチレンが少ないため剛直になると考えられるが、重合体のガラス転移温度(Tg)は近い値を示しており、ジチアン環はシクロヘキサン環よりも剛直であると言える。
共重合を行うとポリマー鎖の対称性が崩れるため、非晶化することがわかる。実施例1の重合体(BMMD/DVS)は結晶化温度(Tc)及び溶融温度(Tm)を有し、大きな融解熱を示す結晶性ポリマーであることがわかる。
そこに20モル%のCHDTを用いて共重合を行って得られた実施例5の重合体は結晶化温度(Tc)を示さず、溶融温度(Tm)での融解熱は非常に小さくなっていることがわかる。さらにCHDTの分率を増やし、50%(実施例4)、80%(実施例6)にすると、完全に非晶化し、ガラス転移温度(Tg)のみを示すようになることがわかる。結晶性があると不透明化してしまうという問題がある一方で、結晶性は溶融温度にも影響を与える性質であり、重合比を変えることでそれらをコントロールすることができることがわかる。
【0086】
<重合体の光特性評価>
実施例1で作製した厚さ26μmの重合体フィルム及び実施例3で作製した厚さ13μmの重合体フィルムの紫外−可視スペクトルを図14に示す。実施例1の重合体(BMMD/VBS)は、400nmで高い透過率を示しているが、実施例3の重合体(CHDT/DVS)は、400nmで99%を超える透過率を示すことがわかる。可視光に届かないまでも、硫黄含有量の増加は吸収をレッドシフトさせるため、脂肪族を多く含む実施例3の重合体(CHDT/DVS)は実施例1の重合体(BMMD/DVS)よりもさらに透明性が高くなっていることがわかる。
【0087】
実施例1、3、4及び6で得られた重合体の589nm、486nm及び633nmにおける屈折率を測定し、アッベ数を算出した。結果を表4に示す。
また、実施例1、3、4及び6で得られた重合体の屈折率及びアッベ数の値をBMMD分率に対してプロットしたグラフを図15に示す。BMMDの分率に対して屈折率及びアッベ数が、それぞれきれいな直線関係にあることがわかる。特にBMMDは高い屈折率を、CHDTは高いアッベ数を有しており、これらを共重合することで、その間の値を自由に採ることができることがわかる。但し、正確には屈折率及びアッベ数は体積分率で決まるので、本発明の重合体において、これらの値が直線に近くなったのはBMMDとCHDTの体積が近いからである。
【0088】
【表4】

【0089】
表4中、BMMDの割合が80モル%である実施例5の重合体フィルムに関してはアッベの屈折計で用いる中間液(硫黄ヨウ化メチレン)にフィルムが溶けてしまったため測定ができなかった。
また、表4に示す各重合体の屈折率は、Cauchyの式とよく一致しており、信頼できるデータであると言える。
【0090】
表4の結果から、本発明の重合体は高屈折率、かつ高アッベ数を有することがわかる。
特に、実施例3の重合体(CHDT/DVS)は、589nmにおける屈折率が1.6022であり、アッベ数が50.6であり、レンズ材料における目標性能である、屈折率1.6以上及びアッベ数50以上の両方を達成しており、二律背反の関係にある高屈折率及び高アッベ数の両方を同時に満たす材料であることがわかる。屈折率1.6以上及びアッベ数50以上のいずれか一方を達成している材料は少なくないが、両方を同時に達成したのは、実施例3の重合体(CHDT/DVS)が初めてである。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の重合体1〜3は、高屈折率と高アッベ数とを同時に有しているため、高屈折率及び高アッベ数のいずれか一方又は両方が求められる分野において有用な材料となる。
本発明の重合体1〜3は、さらに透明性に優れ、かつ耐熱性、特に加熱による着色が抑制されているため、光学材料、特にプロジェクションテレビ等に使用されるフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学レンズ材料として好適に用いることができる。
本発明の重合体2は、非晶性ポリマーであり、かつ屈折率1.6以上及びアッベ数50以上を同時に満たすため、レンズ等の光学材料として特に有用である。
本発明の重合体3は、高屈折率を有するBMMDと高アッベ数を有するCHDTとを所望の割合で共重合させることによって、屈折率及びアッベ数の値をその間で自由に採ることができるため、高屈折率及び高アッベ数のいずれか一方又は両方が求められる分野において有用な材料となる。さらに、本発明の重合体3は、結晶性のBMMDと非晶性のCHDTの割合を変化させることによって、非晶性ポリマーとすることができ、レンズ材等の光学用途に適した重合体とすることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(X)で示される構造単位を有する重合体。
【化18】

[式中、Qは硫黄原子又はメチレン基であり、mは1又は2であり、tは0又は1である。]
【請求項2】
下記式(1)で示される構造単位及び下記式(2)で示される構造単位を有する請求項1に記載の重合体。
【化19】

[式中、mは1又は2である。]
【請求項3】
下記式(Y)で表される化合物と、ジビニルスルホン又はビスビニルスルホニルメタンとを、重合させる請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
【化20】

[式中、Qは硫黄原子又はメチレン基であり、tは0又は1である。]


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−84122(P2010−84122A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104435(P2009−104435)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】