説明

高レベル放射性廃液から選択的にセシウムを分離する方法

【課題】高レベル放射性廃液からセシウムを分離する改善された方法を提供する。
【解決手段】ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとn−ドデカンとからなる溶液に、0.005モル/dm〜0.03モル/dmとなるように溶解して、カリックス溶液を調製する調製工程と、調製工程により調製されたカリックス溶液に、セシウムを含む核分裂生成物を含有する高レベル放射性廃棄液を添加して、カリックス溶液中にセシウムを抽出する抽出工程と、抽出工程により抽出されたセシウムを、0.01モル/dm以下の硝酸を溶解した溶液を用いて、逆抽出する逆抽出工程とを備えることを特徴とする高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3価のアクチノイドや各原子価状態の核分裂生成物を含む溶液から、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を用いて、選択的にセシウムを分離・回収する方法に関する。
本発明は、特に、発電用原子炉から発生する使用済核燃料(SF)の再処理、廃棄物処理・処分に関するものであり、核燃料サイクルにおいて、高レベル放射性廃液からセシウムのみを選択的に分離・回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核燃料サイクルは、ウラン及びプルトニウムの分離回収を目的とする再処理と再処理に伴って発生する高レベル放射性廃液処理に分類される。この高レベル放射性廃液は、大部分の核分裂生成物とマイナーアクチニド(MA)を含み、脱塩・濃縮され、ガラス固化体として安定化した後、深地層処分場に処分される。
また、高レベル放射性廃液中の放射性各種を半減期や元素の化学的性質等に応じていくつかのグループに分離回収する群分離も検討されている。この群分離の分離対象としては、1)半減期の長い超ウラン元素(Transuranics)やテクネチウム(Tc)、2)熱源および放射線源であるストロンチウム(Sr)およびセシウム(Ce)、3)資源として貴重な白金族元素等が挙げられる。
【0003】
放射性のセシウムを分離することは、高レベル放射性廃液のガラス固化体の地層処分に至るまでの地上における冷却期間を左右する発熱量の低減化、セシウム−137からのγ線による外部被ばく量低減化など、高レベル放射性廃液のガラス固化体の処分場の使用条件(熱的制限条件)が緩和され、処分経費を著しく低減することが可能となるとともに、長寿命核種であるセシウム−135による地層処分時における地層・地下水の汚染の低減化などの環境負荷低減が期待できる。
【0004】
これらの元素を群分離することにより高レベル放射性廃棄物処理処分の経済的・環境上の負担軽減及び資源の有効利用が図られる。再処理後の高レベル放射性廃液は、硝酸濃度が3モル/dm前後であり、この硝酸濃度条件での高レベル放射性廃液の処分方法としては、まだ確立されておらず、ホウ珪酸ガラスと共に熱処理して、ガラス固化体とする処分方法が取られている。高レベル放射性廃液をガラス固化する目的は、液体の放射性廃液を固化して、長寿命放射性核種を長期に、安定に閉じこめることである。これらの固化体に必要な特性としては、放射線、熱、機械的、化学的に安定であることが要求される。しかし、固化体に含まれたセシウムは、核分裂生成物の中でも、最も発熱量が大きい核種のひとつであり、ガラス固化体の30年から50年の冷却(及び保管)期間において、保管施設における除熱の必要性が求められるとともに、γ線放出核種であるため、放射線の遮蔽も含め、固化体の健全性や施設維持への大きな負担となる。
【0005】
これまでに報告されているγ線放出核種で発熱体である放射性セシウムの分離法としては、以下のものが挙げられる。まず、リン酸モリブデン酸アンモニウムを担持した無機イオン交換体を用いて、硝酸濃度2.5モルから、セシウムを効率よく分離する方法が挙げられる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、この方法は無機イオン交換体が廃棄物として発生し、この廃棄物を処理する必要があるという問題点を有する。
【0006】
次に、硝酸含有水溶液中のセシウムを不溶性のフェロシアン化物系吸着剤を用いて分離する方法が挙げられる(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、この方法はセシウムの分離の際に酸化防止剤としてヒドラジン誘導体などの添加物を共存させる必要がある点、また、吸着剤が放射性廃棄物として発生し、廃棄物を処理する必要があるという問題点を有する。
【0007】
また、ポリ(ヒドロキシアリーレン)ポリマー樹脂を用いた他のアルカリ金属を含む産業流出液からセシウムを分離する方法が挙げられる(例えば、特許文献3を参照)。この方法はアルカリ金属陽イオンを含有する溶液、特に、原子力廃棄物流出液からセシウム陽イオンを除去、濃縮及び分離するために様々なポリ(ヒドロキシアリーレン)配位子を含有するポリマー樹脂を用いる方法である。
しかしながら、この方法はイオン交換と同様の技術であり、最終的に放射性固体廃棄物が発生する点、高放射線場に置かれたときに、ポリマー樹脂の分解および配位子の分解による吸着効率の低下、配位子自体や樹脂の脱離などが欠点として挙げられる。
【0008】
さらに、クラウンカリックス[4]アレン化合物によるセシウムの分離を溶媒抽出法を用いて選択的抽出を行う方法が挙げられる。(例えば、特許文献4を参照)。この方法は、液々抽出法を採用している点で、上記特許文献1〜3のイオン交換体を用いる方法と異なる。
しかしながら、この方法では、クラウンカリックス[4]アレンを溶解する、有機溶媒にオルト−ニトロフェニルヘキシルエーテルを用いる必要があり、このオルト−ニトロフェニルヘキシルエーテルは、放射線分解などによるニトロ化など潜在的な危険を有しており、産業利用という点では難点がある。また、クラウンカリックス[4]アレンは、無極性溶媒などには難溶であり、溶媒選定が問題となっている。
【0009】
また、モルデナイトと含水チタン酸の混合無機イオン交換体、またはゼオライトやアンチモン酸などの無機イオン交換体などを用いてセシウムを吸着分離する吸着分離法が挙げられる(例えば、非特許文献1を参照)。この方法は、コバルトジカルボリド(CCD)をニトロベンゼンに溶解し、水溶液中のセシウムを溶媒抽出法により選択的に分離回収する方法である。
しかしながら、この方法もセシウムを分離回収後にイオン交換体が廃棄物として発生し、廃棄物を処理する必要があるという問題点を有する。
【0010】
さらに、コバルトジカルボリド(CCD)を極性の高いニトロベンゼンに溶解した有機溶媒を用いる溶媒抽出方法が挙げられる(例えば、非特許文献2を参照)。この方法は、コバルトジカルボリド(CCD)をニトロベンゼンに溶解し、水溶液中のセシウムを溶媒抽出法により選択的に分離回収する方法である。
しかしながら、この方法で用いられるコバルトジカルボリド系では、ニトロベンゼンのような有害な溶媒(希釈剤)を用いることになり、抽出試薬の入手先が限定されることから入手が困難であり、また、使用後に焼却すると金属塩(固体廃棄物)が残るという問題点がある。
【0011】
したがって、高レベル放射性廃液から選択的にセシウムを分離(及び回収)する方法のさらなる改善が求められている。
【特許文献1】特開2000−84418号公報
【特許文献2】特開平5−317697号公報
【特許文献3】特許第3853361号公報
【特許文献4】特許第3773252号公報
【非特許文献1】マーシュ(S.F. March)、外2名、(Distriutions of 14 elements on 63 adsorbers from three simultant solutions (acidic-dissolved sludge, acidified supernate and alkaline supernate) for Hanford HLW Tank 102-SY),「LA-12654」,(アメリカ合衆国),ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory),1994年,p.1−96
【非特許文献2】レイリー(S.D. Reilly)、外2名、コバルト(III)ジカルボリド、137Cs及び90Sr廃棄物抽出剤の可能性(Cobalt(III) Dicarbolide A potential 137Cs and 90Sr Waste Extraction Agent.), 「LA-11695」,(アメリカ合衆国),ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory),1992年,p.1−19
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、高レベル放射性廃液からセシウムを分離する改善された方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様である高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法は、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとn−ドデカンとからなる溶液に、0.005モル/dm〜0.03モル/dmとなるように溶解して、カリックス溶液を調製する調製工程と、調製工程により調製されたカリックス溶液に、セシウムを含む核分裂生成物を含有する高レベル放射性廃棄液を添加して、カリックス溶液中にセシウムを抽出する抽出工程と、抽出工程により抽出されたセシウムを、0.01モル/dm以下の硝酸を溶解した溶液を用いて、逆抽出する逆抽出工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の別の態様である高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法は、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとN,N−ジアルキルカルボキシアミドとからなる溶液に、0.005モル/dm〜0.1モル/dmとなるように溶解して、カリックス溶液を調製する調製工程と、調製工程により調製されたカリックス溶液に、セシウムを含む核分裂生成物を含有する高レベル放射性廃棄液を添加して、カリックス溶液中にセシウムを抽出する抽出工程と、抽出工程により抽出されたセシウムを、0.01モル/dm以下の硝酸を溶解した溶液を用いて、逆抽出する逆抽出工程とを備えることを特徴とする。上記の炭素数6〜9の一価のアルコールは、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ノナノール及びシクロヘキサノールからなる群から選択される少なくとも1種のアルコールであることが好ましい。
【0014】
上記の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法において、高レベル放射性廃液は、軽水炉の使用済燃料からウラン及びプルトニウムを分離した高レベル放射性廃液とすることもできる。また、高レベル放射性廃液は、MOX(プルトニウム−ウラン混合酸化物燃料)使用済み燃料の再処理後の高レベル放射性廃液とすることもできる。さらに、高レベル放射性廃液は、高速増殖炉(FBR)使用済み燃料からウラン、プルトニウム、ネプツニウムなどを少なくとも一部取り除いた高レベル放射性廃液とすることもできる。さらにまた、高レベル放射性廃液は、アメリシウム、キュリウム及び核分裂生成物を含む高レベル放射性廃液とすることもできる。また、高レベル放射性廃液は、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及び核分裂生成物を含む高レベル放射性廃液とすることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法によれば、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとn−ドデカン又はN,N−ジアルキルカルボキシアミドの混合溶媒に溶解したカリックス溶液を用いるので、セシウムを選択的に抽出でき、さらに所定濃度の硝酸溶液を用いて逆抽出できるので、有機イオン交換体や無機イオン交換体などの固体放射性廃棄物が発生せずに、選択的にセシウムを分離できる。
また、抽出剤として用いるジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体や溶媒(希釈剤)として用いる炭素数6〜9の一価のアルコールやn−ドデカン若しくはN,N−ジアルキルカルボキシアミドは、炭素、酸素、水素、窒素で構成されているため焼却処分が可能であるため、イオン交換法や他の溶媒抽出法などと比べ、固体廃棄物が発生しないという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法は、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとn−ドデカンとからなる溶液に、0.005モル/dm〜0.03モル/dmとなるように溶解して、カリックス溶液(有機相)を調製する調製工程と、調製工程により調製されたカリックス溶液(有機相)に、セシウムを含む核分裂生成物を含有する高レベル放射性廃棄液(使用済燃料溶液)を添加して、カリックス溶液(有機相)中にセシウムを抽出する抽出工程と、抽出工程により抽出されたカリックス溶液(有機相)中のセシウムを、0.01モル/dm以下の硝酸を溶解した水溶液(希硝酸)を用いて水相に逆抽出する逆抽出工程とを備えることを特徴とする。上記のカリックス溶液(有機相)の調整工程は、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとN,N−ジアルキルカルボキシアミドとからなる溶液に、0.005モル/dm〜0.1モル/dm(0.005モル/dm以上)となるように溶解して、カリックス溶液(有機相)を調製することもできる。以下詳細に説明する。
【0017】
本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法に用いられるジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)は図1に示す構造を有する。カリックス[4]−クラウン−6の誘導体としては、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6におけるジオクチルオキソ(基)が、炭素数が6〜10個(8個以外)の直鎖状脂肪族炭化水素オキソ(基)で置換されたもの、ジアルキルオキソーカリックス[4]−クラウン−6が挙げられ、具体的には、ジヘキシルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6、ジヘプチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6、ジノニルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6、ジデカニルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6などが挙げられる。これらのうち、合成のし易さ、Csの抽出分配比の大きさ、希釈剤への溶解性などの観点から、ジオクチルオキソーカリックス[4]−クラウンー6が好ましい。カリックス溶液中におけるジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体が抽出剤としてセシウムを抽出する。
【0018】
なお、本発明に用いられるジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体は、公知の方法、例えば、ホルマリンと所定の置換基を有するフェノールと水酸化ナトリウムと共に、ジフェニルエーテル中で加熱還流するとジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6を調製して用いる。
また、本発明においては、カリックス溶液とは、抽出剤として用いる上記のジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、後述の希釈剤として用いられる溶媒、例えば炭素数が6〜9の一価のアルコール、n−ドデカン、N,N−ジアルキルカルボキシアミドに溶解して得られる溶液を意味する。
【0019】
前記の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法において、前記ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体のカリックス溶液(有機相)中の濃度は、高レベル放射性廃液中のセシウムの濃度や硝酸の濃度、溶媒の種類及び配合比等によって適宜決められるが、特に高レベル放射性廃棄液中の硝酸濃度を考慮すると、0.005モル/dm以上であれば有効にセシウムを分離抽出できる。好ましくは、0.005モル/dm〜0.1モル/dmであり、より好ましくは0.005モル/dm〜0.03モル/dmである。
【0020】
ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を溶解する溶媒は、炭素数が6〜9の一価のアルコールとn−ドデカンとを混合した溶媒を使用できる。この場合、炭素数が6〜9の一価のアルコールとn−ドデカンとの配合比(体積比)が20体積%〜40体積%:80体積%〜60体積%が好ましく、25体積%〜35体積%:75体積%〜65体積%がより好ましく、30体積%:70体積%がよりさらに好ましい。すなわち、溶媒として30体積%の炭素数が6〜9の一価のアルコールと70体積%のn−ドデカンを用い、0.005モル/dm〜0.03モル/dmとなるようにジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を添加したカリックス溶液(有機相)がよりさらに好ましい。上記の炭素数が6〜9の一価のアルコールの配合比が20体積%未満の場合には、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6の溶解性が低下するため好ましくない。また、上記の炭素数が6〜9の一価のアルコールの配合比(体積比)が40体積%を超える場合には、Csの抽出分配比が低下するため好ましくない。
また、炭素数が6〜9の一価のアルコールとしては、1−ノニルアルコール、1−オクタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−オクタノール、2−ヘキサノールなどが挙げられる。これらのうち、1−ノニルアルコール、1−オクタノール、1−ヘキサノール及びシクロヘキサノールなどが、ジオクチルオキソーカリックス[4]―クラウンー6の溶解性のため好ましく、中でも1−オクタノールがより好ましい。
【0021】
また、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)が溶解する溶媒としては、炭素数が6〜9の一価のアルコールとN,N−ジアルキルカルボキシアミドとを混合した溶媒を使用できる。この場合、上記炭素数が6〜9の一価のアルコールと上記N,N−ジアルキルカルボキシアミドとの配合比(体積比)が85体積%〜95体積%:15体積%〜5体積%が好ましく、90体積%:10体積%がより好ましい。すなわち、溶媒として90体積%の炭素数が6〜9の一価のアルコールと10体積%のN,N−ジアルキルカルボキシアミドを用い、0.005モル/dm〜0.1モル/dmとなるようにジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を添加したカリックス溶液(有機相)がよりさらに好ましい。この溶媒系において、上記の炭素数が6〜9の一価のアルコールの配合比が85体積%未満の場合には、Csの抽出分配比の低下がみられるため好ましくない。また、炭素数が6〜9の一価のアルコールの配合比が95体積%を超える場合には、溶解性が低下するため好ましくない。
N,N−ジアルキルカルボキシアミドとしては、N,N−ジペンチルオクタンアミド、N,N−ジヘキシルオクタンアミド、N,N−ジヘプチルオクタンアミド、N,N−ジオクチルヘキサンアミドなどが挙げられる。これらのうち、ウランやプルトニウムなどの分離において候補化合物として論文などに報告され、基礎データなどが豊富である点からN,N−ジヘキシルオクタンアミドが好ましい。なお、炭素数が6〜9の一価のアルコールについては上記と同様である。また、これらの溶媒は本発明の効果、すなわちセシウムの選択的な分離に影響を与えない程度の不可避不純物を含んでいてもよい。
【0022】
次に、上記のように調製されたカリックス溶液(有機相)に、セシウムを含む高レベル放射性廃液を添加する。高レベル放射性廃液としては、具体的には、軽水炉の使用済燃料からウラン及びプルトニウムを分離した高レベル放射性廃液、MOX(プルトニウム−ウラン混合酸化物燃料)使用済み燃料の再処理後の高レベル放射性廃液、高速増殖炉(FBR)使用済み燃料からウラン、プルトニウム、ネプツニウムなどを少なくとも一部、好ましくは全部を取り除いた高レベル放射性廃液、アメリシウム、キュリウム及び核分裂生成物を含む高レベル放射性廃液、及びネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及び核分裂生成物を含む高レベル放射性廃液などが挙げられる。核分裂生成物としては、具体的には、ジルコニウム、セシウム、ストロンチウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ネオジウムなどが挙げられる。これらの高レベル放射性廃液は、通常硝酸廃液であり、その濃度は、2〜4モル/dm程度、さらには3モル/dm程度である。
この高レベル放射性廃液(硝酸廃液)を廃液中のセシウムの濃度などに基づいて、上記のカリックス溶液(有機相)中に、例えば高レベル放射性廃液(水相):カリックス溶液(有機相)が1:0.5〜2、特には、1:1(体積比)となるように添加して、前記カリックス溶液(有機相)中にセシウムを抽出する。
【0023】
次に、上記のように、セシウムが選択的に抽出されたカリックス溶液(有機相)に所定の濃度の硝酸を水に溶解した溶液(希硝酸)を用いて水相にセシウムを逆抽出する。水相中の硝酸の濃度は、有機相中のセシウムの濃度などに基づいて適宜決められるが、好ましくは0.1モル/dm以下、より好ましくは0.01モル/dm以下、よりさらに好ましくは0.001〜0.01モル/dmである。逆抽出における硝酸液(水相)とカリックス溶液(有機相)との比(体積比)は、例えば、硝酸液(水相):カリックス溶液(有機相)=0.5〜2:1であり、特には1:1である。
逆抽出された、すなわち分離されたセシウム溶液は、必要であれば所定の処理を行った後に回収され、さらに所定の処理を行った後、例えば中間貯蔵庫において中間貯蔵され、十分に放熱(発熱)させた後、地層に埋設する地層処理が行われる。一方、セシウムが分離除去された放射性廃液は、例えば所定の処理を行った後、ガラス固化された後、地層に埋設する地層処理が行われる。
【0024】
次に、本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法が適用される使用済燃料溶解液の分離方法の例を図2及び図3を用いて説明する。
図2の分離方法(分離法−1)では、まず、使用済燃料溶解液から6価のウラン(U(VI))の回収工程によりウランをウラン製品、例えば二酸化ウラン(UO)として分離・回収し、次に、ウラン回収工程によりウランが分離された後の放射性廃棄液から、超ウラン元素(TRU)回収工程により超ウラン元素(TRU)を分離する。
ウラン及び超ウラン元素(TRU)が分離された高レベル放射性廃液に、本発明のセシウムを分離(及び回収)する方法が適用される。このセシウム(Cs)分離工程により分離され、回収されたセシウム(回収液)は、中間貯蔵された後、地層に埋設される地層処分が行われる。セシウム(回収液)は、例えば中間貯蔵の間にセシウムによる発熱を行わせ、発熱が殆ど終了した後に、地層に埋設される地層処分を行うことにより、より安全に保管することができる。一方、Cs回収分離工程で分離された核分裂生成物(FP)は、発熱量の大きいCsが含まれていないので、より安全に地層に埋設される地層処分が行われる。なお、分離されたウランや超ウラン元素(TRU)(全TRU回収液)は、図2に示されるように、所定の処理を行い、処理される。
【0025】
次に、図3の分離方法(分離法−2)では、使用済燃料溶解液からいわゆる共除染工程においてウラン(U)及びプルトニウン(Pu)を分離回収した後のTRUや核分裂生成物を含む溶液に、本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離(及び回収)する方法(Cs回収工程)を適用して、セシウム(Cs)のみを選択的に分離回収する。分離されたセシウム回収液は、上記と同様に中間貯蔵において十分に放熱させた後、地層処分される。一方、Cs回収工程によりCsが分離された後の、高レベル放射性廃液は、ガラス固化され、地層処分される。
【0026】
このように、本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法によれば、ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとn−ドデカン又はN,N−ジアルキルカルボキシアミドの混合溶媒に溶解したカリックス溶液(有機相)を用いるので、セシウムを選択的に抽出でき、さらに所定濃度の硝酸(水)溶液を用いて水相に逆抽出できるので、有機イオン交換体や無機イオン交換体などの固体放射性廃棄物が発生せずに、選択的にセシウムを分離(及び回収)できる。
また、抽出剤として用いるジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体や溶媒(希釈剤)として用いる炭素数6〜9の一価のアルコールやN,N−ジアルキルカルボキシアミドは、炭素、酸素、水素、窒素で構成されているため焼却処分が可能であるため、イオン交換法や他の溶媒抽出法などと比べ、固体廃棄物が発生しないという利点を有する。
さらに、溶媒抽出法を用い再処理から抽残液をそのまま多段向流型の装置により処理することで、これまでのイオン交換のための溶液調整やpH領域での分離などのための希釈操作が必要なく、装置・分離操作にかかる経済性も向上する。また、セシウム、特にセシウム−137は発熱性の放射性物質であるので、セシウムを分離することにより、ガラス固化体の30年から50年の冷却(及び保管)期間において、保管施設における除熱の必要性が低減できるとともに、放射線の遮蔽も含め、固化体の健全性や施設維持の負担が低減できる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(dioctyloxo−calix[4]crown−6)(合成品)(以下、「DOC[4]C6」とも称する。)を0.005モル/dmとなるように、30体積%の1−オクタノールと70体積%のドデカンの溶液に添加してジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6溶液(有機相)を調製した。次に、10−2濃度(モル/dm)のセシウムが溶解した、図4にプロットされているように種々の硝酸濃度での高レベル放射性廃液(硝酸廃液)を、体積比で、硝酸廃液(水相):有機相=1:1となるように、上記の有機相に加え、十分に混合し、セシウムの分配比を調べた。
また1−オクタノールの代わりに、1−ノニルアルコール、1−ヘキサノール及びシクロヘキサノールを用いて、同様にセシウムの分配比を調べた。セシウムの抽出分配比に対するこれらの種々のアルコールの添加効果(影響)を、硝酸濃度依存性を含めて調べた結果を図4に示す。
【0029】
図4から理解されるように、これらのアルコール(炭素数6〜9の一価のアルコール)を添加することで、セシウムを十分に抽出できることが確認された。さらに、高レベル放射性廃液(硝酸廃液)の硝酸濃度としては、2〜4モル/dmの範囲、特に3モル/dmでセシウムがより良好に抽出できることが確認された。また、得られたセシウムの抽出分配比は、1−ノニルアルコール<1−オクタノール<1−ヘキサノール<シクロヘキサノールの順であった。
【0030】
(実施例2)
図5にプロットされているように種々の所定の濃度(モル/dm)となるように、ジオクチルオキソカリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を、30体積%の1−オクタノールと70体積%のn−ドデカン溶液に溶解し、他は実施例1と同様にしてセシウムの抽出とDOC[4]C6濃度との関係を調べた。なお、同時に高レベル放射性廃液(硝酸廃液)の硝酸濃度を変動させてセシウムとDOC[4]C6濃度との関係を調べた。その結果を図5に示す。
【0031】
図5から理解されるように、DOC[4]C6の濃度が高いほど、高いセシウム(Cs)の抽出分配比が得られることが確認された。特に、硝酸濃度3.0モル/dm、DOC[4]C6の濃度が0.05モル/dmのそれぞれの条件でセシウム(Cs)の抽出分配比8:2が得られ、セシウムを十分に回収できることが確認された。なお、高レベル放射性廃液中の硝酸濃度を高くするとセシウムの抽出分配比が高くなる傾向が確認された。
【0032】
(実施例3)
この実施例3では、セシウムの抽出分配比に及ぼす初期のセシウム濃度の影響を調べた。ジオクチルオキソカリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を、0.05モル/dmとなるように、30体積%の1−オクタノールと70体積%のn−ドデカンの溶液中に添加して(有機相)を調製した。次に、図6にプロットされているように種々の濃度のセシウムを含む、3.0モル/dm硝酸含有高レベル放射性廃液(硝酸廃液)を、体積比で、硝酸廃液(水相):有機相=1:1となるように、上記の有機相に加え、十分に混合し、3.0モル/dm硝酸溶液からのセシウムの抽出分配比に及ぼす初期のセシウム濃度の影響を調べた。その結果を図6に示す。
【0033】
図6の結果から明らかなように、高レベル放射性廃液(燃料溶解)中の初期のセシウム濃度が0.01モル/dm以下であれば、十分な分配比が得られ、セシウムを回収することができることが確認された。
【0034】
(実施例4)
この実施例4では、セシウム抽出時に影響を及ぼすと考えられるストロンチウム(Sr)、ナドリウム(Na)およびユーロピウム(Eu)について、その分離選択性を調べた。ジオクチルオキソカリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を、0.05モル/dmとなるように、30体積%の1−オクタノールと70体積%のn−ドデカンの溶液中に添加して(有機相)を調製した。次に、セシウム抽出時に影響を及ぼすと考えられるストロンチウム(Sr)、ナドリウム(Na)およびユーロピウム(Eu)について、それぞれ、図7にプロットされているように、種々の濃度が溶解した、かつ、種々の硝酸濃度での高レベル放射性廃液(硝酸溶液)を、体積比で、硝酸廃液(水相):有機相=1:1となるように、上記の有機相に加え、十分に混合し、実施例1と同様に行って、ストロンチウム(Sr)、ナドリウム(Na)およびユーロピウム(Eu)の分配比を調べ、セシウムの分配比と比較した。その結果を図7に示す。
【0035】
図7から明らかなように、実験を行った硝酸濃度範囲内(0.1モル/dm〜10モル/dm)では、セシウムは、ストロンチウム(Sr)、ナトリウム(Na)およびユーロピウム(Eu)との十分な相互分離が可能であることを示した。特に、図7中のCs/Na比は、想定される硝酸濃度(2.0モル/dm〜4.0モル/dm)において10〜10の範囲でありNaが干渉しないことを示した。
【0036】
(実施例5)
この実施例5では、希硝酸溶液によるセシウムの逆抽出挙動を調べた。実施例1のように、ジオクチルオキソカリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を、0.05モル/dmとなるように、30体積%の1−オクタノールと70体積%のn−ドデカンの溶液中に溶解して抽出したセシウムを、図8にプロットされているように、硝酸濃度を変動させて、希硝酸溶液によるセシウムの逆抽出挙動を調べた。その結果を図8に示す。
【0037】
図8から明らかなように、硝酸濃度を1.0モル/dmにすることでセシウム(Cs)の抽出分配比は1以下となり、硝酸濃度を下げることにより、例えば、0.1モル/dm又はそれ以下にすることにより、さらには、0.01モル/dm又はそれ以下にすることにより、有機相に抽出されたセシウムを十分に逆抽出することが可能であることが確認された。
【0038】
(実施例6)
ジオクチルオキソカリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)を、0.01モル/dmとなるように、10体積%のN,N−ジヘキシルオクタンアミド(合成品)と90体積%の1−オクタノールの溶液中に溶解し、実施例1と同様にして、セシウムの抽出実験を行った。その結果、硝酸濃度3.0モル/dmから抽出分配比7.0で抽出することができることが確認された。また、硝酸濃度0.001モル/dm溶液を用いることでセシウムを逆抽出できることが確認された。
【0039】
(実施例7)
上記の実施例6と同様に、DOC[4]C6の濃度が0.01mol/dmとなるように、10体積%のN,N−ジヘキシルオクタンアミドと90体積%の1−オクタノール溶液に溶解したカリックス溶液を用いて、セシウム、ストロンチウム、ユーロピウムおよびナトリウムの抽出実験を、表1示されているように種々の硝酸濃度(1.0〜4.0モル/dm)を用いて行った。硝酸濃度1.0〜4.0mol/dmの範囲で取得した各元素の抽出分配比を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
表1から明らかなように、各硝酸濃度時におけるストロンチウム、ユーロピウムおよびナトリウムの抽出分配比は0.01以下であり、各元素とも用いられた硝酸濃度領域において共存しても、セシウムだけ抽出できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法は、高レベル放射性廃棄液、例えば使用済燃料溶解液からウラン(U)及び全TRUの分離回収工程によりウラン(U)及び全TRUを除去した溶液から、セシウムを分離除去することができる。セシウム(特にセシウム137)は、発熱性の放射性物質であり、セシウムの分離除去により、残った放射性廃棄物をガラス固化処理を行った後、より安定した状態で地層埋設処理、及び保管を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6(DOC[4]C6)の構造を示す図である。
【図2】本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離及び回収する方法が適用される使用済燃料溶解液の分離方法(工程)の一例を示す図である。
【図3】本発明の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離及び回収する方法が適用される使用済燃料溶解液の分離方法(工程)の他の一例を示す図である。
【図4】セシウムの抽出に及ぼす種々のアルコールの添加効果(影響)を示すグラフである。
【図5】セシウムの抽出に及ぼすDOC[4]C6の濃度依存性を示すグラフである。
【図6】セシウムの抽出挙動に及ぼすCsNOの濃度依存性を示すグラフである。
【図7】セシウムの抽出に対するストロンチウム、ユーロピウム、ナトリウムの影響を示すグラフである。
【図8】セシウムの逆抽出挙動を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとn−ドデカンとからなる溶液に、0.005モル/dm〜0.03モル/dmとなるように溶解して、カリックス溶液を調製する調製工程と、
前記調製工程により調製された前記カリックス溶液に、セシウムを含む核分裂生成物を含有する高レベル放射性廃棄液を添加して、前記カリックス溶液中にセシウムを抽出する抽出工程と、
前記抽出工程により抽出されたセシウムを、0.01モル/dm以下の硝酸を溶解した溶液を用いて、逆抽出する逆抽出工程と
を備えることを特徴とする高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。
【請求項2】
ジオクチルオキソ−カリックス[4]−クラウン−6若しくはカリックス[4]−クラウン−6の誘導体を、炭素数6〜9の一価のアルコールとN,N−ジアルキルカルボキシアミドとからなる溶液に、0.005モル/dm〜0.1モル/dmとなるように溶解して、カリックス溶液を調製する調製工程と、
前記調製工程により調製されたカリックス溶液に、セシウムを含む核分裂生成物を含有する高レベル放射性廃棄液を添加して、前記カリックス溶液中にセシウムを抽出する抽出工程と、
前記抽出工程により抽出されたセシウムを、0.01モル/dm以下の硝酸を溶解した溶液を用いて、逆抽出する逆抽出工程と
を備えることを特徴とする高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。
【請求項3】
前記炭素数6〜9の一価のアルコールが1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ノナノール及びシクロヘキサノールからなる群から選択される少なくとも1種のアルコールであることを特徴とする請求項1又は2記載の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。
【請求項4】
前記高レベル放射性廃液が、軽水炉の使用済燃料からウラン及びプルトニウムを分離した高レベル放射性廃液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。
【請求項5】
前記高レベル放射性廃液が、MOX使用済み燃料の再処理後の高レベル放射性廃液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。
【請求項6】
前記高レベル放射性廃液が、FBR使用済み燃料からウラン、プルトニウム、ネプツニウムを少なくとも一部取り除いた高レベル放射性廃液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。
【請求項7】
前記高レベル放射性廃液が、アメリシウム、キュリウム及び核分裂生成物を含む高レベル放射性廃液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。
【請求項8】
前記高レベル放射性廃液が、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウム及び核分裂生成物を含む高レベル放射性廃液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の高レベル放射性廃棄液からセシウムを分離する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−133707(P2009−133707A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309712(P2007−309712)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)文部科学省の委託事業の成果に係る特許出願(平成14年度全アクチノイド回収SF簡易処理法(ARTISI)に関する技術開発、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】