説明

高分子柔軟電極およびそれを用いたエレクトロデバイス

【課題】電場駆動による可撓性のエレクトロデバイスを作製するために用いられるもので、導電特性に優れ、電場駆動の際の大きな変形に追随できる柔軟性を有し、簡便かつ安価で、生産効率が高い膜状の高分子柔軟電極を提供する。
【解決手段】高分子柔軟電極は、熱可塑性エラストマーの1〜50重量部と、カーボンナノファイバーの10〜50重量部とが含まれた膜からなる。エレクトロデバイスは、この高分子柔軟電極が、柔軟性基材表面の少なくとも一部に付されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性のエレクトロデバイスを作製するための部材として用いられるもので、電場駆動する膜状の高分子柔軟電極に関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性のエレクトロデバイスとして、電場駆動する高分子アクチュエータ等がある。高分子アクチュエータは、高分子材料からなる薄板へ付された電極に、電界を印加すると、それに連動して高分子材料が変形するというものである。
【0003】
このような高分子アクチュエータとして、電場駆動する導電性高分子や高分子電解質ゲルなどの高分子材料に、電極を付したり、特許文献1に記載されているようにポリ塩化ビニル(PVC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの非導電性高分子とイオン性物質とが含有され電場駆動する高分子材料に、電極を付したりしたものが知られている。
【0004】
その電極として、従来は、金蒸着膜、金薄膜、アルミ箔等が用いられていた。金蒸着膜や金薄膜の電極は、高分子材料の大きな変形に追随できず破断し易いという問題がある。さらに金製の膜の作製は煩雑なうえコストが高い。またアルミ箔の電極は、その硬さに起因して高分子材料の柔軟性を損なわせたり、電場駆動する高分子材料の変形をかえって抑制したりする結果、十分に可撓できないという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2001−258275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電場駆動による可撓性のエレクトロデバイスを作製するために用いられるもので、導電特性に優れ、電場駆動の際の大きな変形に追随できる柔軟性を有し、簡便かつ安価で、生産効率が高い膜状の高分子柔軟電極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の高分子柔軟電極は、熱可塑性エラストマーとカーボンナノファイバーとを含む膜からなることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の高分子柔軟電極は、請求項1に記載されたもので、前記熱可塑性エラストマーが、ポリスチレンとポリオレフィンとのブロック共重合体であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の高分子柔軟電極は、請求項1に記載されたもので、前記膜が、前記熱可塑性エラストマーの1〜50重量部と、前記カーボンナノファイバーの10〜50重量部とを含んでいることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の高分子柔軟電極は、請求項1に記載されたもので、有機溶媒中に前記熱可塑性エラストマーを溶解し前記カーボンナノファイバーを分散させている分散液で製膜することにより、前記膜が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の高分子柔軟電極は、請求項4に記載されたもので、前記有機溶媒が、炭化水素系溶媒であることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載のエレクトロデバイスは、請求項1に記載の高分子柔軟電極が、柔軟性基材表面の少なくとも一部に付されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載のエレクトロデバイスは、請求項6に記載されたもので、高分子アクチュエータ、キャパシタ、スイッチング器、またはセンサーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の膜状の高分子柔軟電極は、延伸特性を有する柔軟な熱可塑性エラストマーと、高い導電性を有するカーボンナノファイバーとを含んでいるから、高い初期弾性、伸度400%という優れた延伸性・柔軟性、強靭性、良好な導電特性を有し、延伸しても優れた導電特性を維持する。
【0015】
特に、熱可塑性エラストマー5重量部と、カーボンナノファイバー30重量部とからなる膜状の高分子柔軟電極は、伸度100%、すなわち延伸倍率2倍まで延伸しても、表面抵抗が1kΩ/□以下という良好な電気特性、初期弾性を維持できる。
【0016】
この電極が柔軟性基材に付されたエレクトロデバイスは、電極に電界を印加して電極を電場駆動させても、電極がその大きな変形に追随できるので破断することなく延伸したり変形したりするという優れた可撓性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0018】
高分子柔軟電極は、延伸特性を有する柔軟な熱可塑性エラストマーと、高い導電性を有するカーボンナノファイバーとから、以下のようにして得られるものである。
【0019】
5重量%熱可塑性エラストマーの有機溶媒溶液に、カーボンナノファイバーを10〜50重量%となるように加えた後、超音波処理により分散させる。得られた分散液をポリテトラフルオロエチレン製のシャーレ上でキャストし乾燥させると、厚さ40〜50μmの膜状で、熱可塑性エラストマー5重量部とカーボンナノファイバー10〜50重量部とからなる高分子柔軟電極が得られる。
【0020】
また、エレクトロデバイスは、この高分子柔軟電極を以下のようにして組み込んで得られるものである。
【0021】
前記分散液に、板状柔軟性基材を浸漬させた後、引き上げ、乾燥し、その両面に被膜を形成させる。有機溶媒を染み込ませた織布または不織布で、柔軟性基材の片側表面に形成された被膜を払拭して完全に除去する。任意の大きさに切り出すと、他の片側表面に膜状の高分子柔軟電極が付された可撓性のエレクトロデバイスである高分子アクチュエータが得られる。
【0022】
なお、熱可塑性エラストマーは、非導電性のものである。具体的には、ポリスチレンのガラス転移温度(Tg)以下で架橋点の役割を果たすポリスチレンブロックと、エチレン、プロピレン、ブチレン、それらのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーであって柔軟なゴムの性質や耐熱性や耐候性を発現するポリオレフィンエラストマーブロックとのブロック共重合体、例えばセプトンSEP、同SEPS、同SEBS、同SEEPS 4033(何れも株式会社クラレ製;商品名)が挙げられる。中でも、ポリスチレンブロックが30重量%含有されていると、ゴムの性質が大きいため特に好ましい。
【0023】
カーボンナノファイバーは、繊維径が1〜1000nm程度のナノオーダーで、繊維長が最大10μm程度という高結晶性の微細炭素繊維であり、具体的には気相法炭素繊維 VGCF(昭和電工株式会社製;登録商標)が挙げられる。
【0024】
分散液中でのカーボンナノファイバー濃度が低いほど、得られた電極の初期弾性率が低下し電極が柔軟となるため好ましいが、その濃度が前記範囲より少ないと、電極の表面抵抗値や体積抵抗値が急激に高くなり電極の導電性が悪くなる。
【0025】
分散液中でのカーボンナノファイバー濃度が高いほど、得られた電極の表面抵抗値や体積抵抗値が低くしかも延伸時のこれら抵抗値の増加が抑制されるため好ましいが、その濃度が前記範囲より多いと、電極の初期弾性率が増加し電極の柔軟性が抑制されてしまう。
【0026】
分散液中でのカーボンナノファイバー濃度が約30重量%であると、得られた高分子柔軟電極は、延伸前後で表面抵抗値が低く、常に電界が印加でき、比較的低い初期弾性率を示し、柔軟なものとなるため、特に好ましい。
【0027】
有機溶媒は、熱可塑性エラストマーを溶解させたりカーボンナノファイバーを分散させたりするものであれば特に限定されないが、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素系溶媒や、n−ヘキサンのような飽和炭化水素系溶媒が挙げられる。中でも、n−ヘキサンが好ましい。
【0028】
柔軟性基材は、電場駆動でき電極への電界の印加により伸縮に応じて変形するプラスチック製のものであれば特に限定されないが、例えば厚さ約50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)板が挙げられる。
【実施例】
【0029】
本発明の高分子柔軟電極を試作した例を実施例1〜5に示す。また夫々の物性を調べた。
【0030】
(実施例1)
セプトン SEEPS 4033(株式会社クラレ製;商品名)をn−ヘキサンに溶解させて、5重量%の溶液を調製した。この溶液に、カーボンナノファイバーVGCF(昭和電工株式会社製;登録商標)を10重量%となるように加えた後、超音波処理により分散させた。得られた分散液をトリテトラフルオロエチレン製シャーレ上に約1日キャストして、高分子柔軟電極として厚さ40〜50μmのカーボンナノファイバー含有セプトン薄膜を得た。
【0031】
(実施例2〜5)
実施例1で使用したカーボンナノファイバーを10重量%にかえて、それぞれ20重量%、30重量%、40重量%、50重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、夫々実施例2〜5のカーボンナノファイバー含有セプトン薄膜を得た。
【0032】
(未延伸時および延伸時における表面抵抗値の測定試験)
実施例1〜5で得られた薄膜を夫々、縦30mm×横10mmに切り出した。その両端を夫々、10mm離した延伸機の二つのクランプに固定した。室温、湿度約55%の環境下で、両クランプを引き離すことにより薄膜を徐々に延伸し、未延伸時、各延伸率での延伸時における表面抵抗値を抵抗計ロレスターGPを用いて測定した。
【0033】
分散液中のカーボンナノファイバーの濃度毎に、その分散液から調製した薄膜の未延伸時における表面抵抗および体積抵抗を測定した結果を図1に示す。
【0034】
図1から明らかなように、分散液中のカーボンナノファイバーの濃度の増加に伴い、表面抵抗値も体積抵抗値も20重量%までは急激に減少したが、それ以上の濃度では緩やかに減少した。
【0035】
また分散液中のカーボンナノファイバーの濃度毎に、その分散液で調製した薄膜の延伸時における表面抵抗および体積抵抗を測定した結果を図2に示す。
【0036】
図2から明らかなように、分散液中のカーボンナノファイバーの濃度の増加に伴い、その分散液で調製した薄膜の延伸率毎の表面抵抗値および体積抵抗値は、減少した。しかし、20重量%のカーボンナノファイバー濃度以上という濃い分散液で調製した薄膜ほど、延伸率毎の薄膜の表面抵抗値の減少傾向は、緩和されていた。とりわけカーボンナノファイバー濃度30重量%以上の分散液で調製した薄膜は、約100%延伸させても表面抵抗値に大きな変化が認められなかった。よって、十分な導電性があり、かつ延伸時の抵抗率がほとんど変化せず、しかも経済的に製造できることから、30重量%カーボンナノファイバー分散液で調製した薄膜が高分子電極として最も適していると考えられる。
【0037】
(初期弾性測定試験)
実施例1〜5で得られた薄膜を夫々、縦30mm×横10mmに切り出した。その両端を夫々、テンシロン引張試験機の二つのクランプに固定した。両クランプを引き離すことにより薄膜を延伸し、夫々引張試験を行い、初期弾性を求めた。測定結果を図3に示す。
【0038】
図3から明らかなように、初期弾性は、濃いカーボンナノファイバー分散液で調製した薄膜ほど、増加していた。これは、カーボンナノファイバーが薄膜の強化剤として作用しているためである。
【0039】
次に、本発明を適用する高分子アクチュエータを製造した例を製造例1に、本発明を適用外の高分子アクチュエータを作製した例を比較製造例1および2に、それぞれ示す。
【0040】
(製造例1)
セプトン SEEPS 4033(株式会社クラレ製;商品名)をn−ヘキサンに溶解させて、5重量%の溶液を調製した。この溶液に、カーボンナノファイバーVGCF(昭和電工株式会社製;登録商標)を30重量%となるように加えた後、超音波処理により分散させた。厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)板(東レ株式会社製)を、得られた分散液に浸漬させてから、取り出して乾燥させて、PET板の両面にカーボンナノファイバー含有セプトン薄膜を形成させた。このPET板の片面の被膜を、n−ヘキサン含浸不織布で払拭して完全に除去した。このPET板を、縦32mm×横5mmに切り出して、高分子アクチュエータを得た。
【0041】
(比較製造例1)
カーボンナノファイバー30重量%を加えなかったこと以外は製造例1と同様にして、高分子アクチュエータを作製した。
【0042】
(比較製造例2)
厚さ50μmのPET板の片面に、イオンコーターを用い、金蒸着膜を形成させた後、縦32mm×横5mmに切り出し、高分子アクチュエータを作製した。
【0043】
(変位量測定)
製造例1および比較製造例1、2で得た高分子アクチュエータを用いて、電圧を印加したときの変位量を測定した。
【0044】
スライドガラスに縦10mm×横4mmのアルミニウムテープを付した2枚の導電体で、製造例1および比較製造例1、2で得た各高分子アクチュエータの一端を挟み込んで固定し、両導電体に微小電流計を接続した。高分子アクチュエータの他端にマーカーを付した。高分子アクチュエータに、600Vの電圧を印加した際のその変位量を、レーザー光によりマーカー位置の変位を検出するセンサを用いて測定した。対照のため、高分子アクチュエータにかえて、縦32mm×横5mm×厚さ50μmに切り出したPET板の変位量を、同様の方法で測定した。測定結果を図4に示す。
【0045】
図4から明らかなように、PET板及び比較製造例1の高分子アクチュエータでは、変位がほとんど見られなかった。これは、アルミニウム導電体に接している部分以外には電場が印加されず、歪みが発生しないためと考えられる。一方、製造例1及び比較製造例2の高分子アクチュエータでは変位が見られた。このことは、アルミニウム導電体に接していない部分でも、金またはカーボンナノファイバーの存在により全体に電場が印加され、PET板の表面全体に電荷の注入が起こり、歪みを発生させたためであると考えられる。
【0046】
特に製造例1では、比較製造例2よりも大きな変位を示した。このことは、電場の印加によりカーボンナノファイバーに電荷が溜まり、カーボンナノファイバー同士の反発が起きるため、金蒸着膜電極よりも高分子柔軟電極が歪む結果、PET板が大きく変位したためと考えられる。
【0047】
この結果から、本発明の高分子電極は、100%以上の大きな変形をするアクチュエータにも使用できる電極であることが明らかとなった。
【0048】
次に、熱可塑性エラストマー、溶媒の異なる高分子柔軟電極を有する高分子アクチュエータを製造した例を製造例2、3および比較製造例3に示す。
【0049】
(比較製造例3)
セプトン SEEPS 4033に代えてポリブタジエン(Aldrich製、分子量2,000,000〜3,000,000)を使用したこと以外は製造例1と同様にして、高分子アクチュエータを作製した。
【0050】
(製造例2)
n−ヘキサンに代えてジクロロメタンを使用したこと以外は製造例1と同様にして、高分子アクチュエータを作製した。
【0051】
(製造例3)
n−ヘキサンに代えてジクロロメタンを使用したことと、セプトン SEEPS 4033に代えてポリスチレン−ブロック−ポリブタジエン−ブロック−ポリスチレン(PSPBPS:Aldrich製、分子量140,000)を使用したこと以外は製造例1と同様にして、高分子アクチュエータを作製した。
【0052】
製造例1〜3および比較製造例3で得られた高分子アクチュエータを用い、前記と同様にしてそれぞれの変位量を測定した。測定結果を図5に示す。
【0053】
また、各製造例で得られた高分子アクチュエータにおける高分子柔軟電極の物性を調べた。製造例1、2、4の各カーボンナノファイバー分散液をトリテトラフルオロエチレン製シャーレ上に約1日キャストして、高分子柔軟電極として厚さ40〜50μmのカーボンナノファイバー含有薄膜を作製した。得られた薄膜について、前記と同様にして表面抵抗値と初期弾性とを測定した。測定結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
図5から明らかなように、金蒸着膜電極を有する高分子アクチュエータに比べ、高分子柔軟電極を有する高分子アクチュエータは大きな変位を示した。中でも、溶媒としてn−ヘキサン、熱可塑性エラストマーとしてセプトンを用いた高分子柔軟電極を有する製造例1の高分子アクチュエータは、特に大きな変位を示した。
【0056】
また、表1から明らかなように、ポリブタジエンの薄膜は、初期弾性は低いが表面抵抗値は高い。一方PSPBPSの薄膜は、表面抵抗値は低いが初期弾性は高い。したがってポリブタジエンやPSPBPSを電極に用いた場合、電極の変位を抑制してしまう。それに比べて、セプトンの薄膜は表面抵抗値と初期弾性とのいずれも比較的低いため、電極に用いてもその変位を抑制しない。以上の結果から、高分子柔軟電極の熱可塑性エラストマーとしてセプトンが適していることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の高分子柔軟電極は、高分子アクチュエータのみならずキャパシタ、スイッチング器、センサー等のエレクトロデバイスのための電極として有用である。また、繊維状にして電場駆動する衣料にすることもできる。
【0058】
また、この高分子柔軟電極を備えた高分子アクチュエータは、人工筋肉として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明を適用する高分子柔軟電極につき、その調製原料であるカーボンナノファイバー分散液の濃度と、表面抵抗値および体積抵抗値との関係を示すグラフである。
【0060】
【図2】本発明を適用する高分子柔軟電極につき、その調製原料であるカーボンナノファイバー分散液の濃度毎の電極の延伸率と、表面抵抗値および体積抵抗値との関係を示すグラフである。
【0061】
【図3】本発明を適用する高分子柔軟電極につき、その調製原料であるカーボンナノファイバー分散液の濃度と、初期弾性率との関係を示すグラフである。
【0062】
【図4】本発明を適用する高分子柔軟電極および本発明を適用外の高分子柔軟電極における電圧印加時の変位量を示すグラフである。
【0063】
【図5】本発明を適用する高分子柔軟電極および本発明を適用外の高分子柔軟電極における電圧印加時の変位量を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性エラストマーとカーボンナノファイバーとを含む膜からなることを特徴とする高分子柔軟電極。
【請求項2】
前記熱可塑性エラストマーが、ポリスチレンとポリオレフィンとのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の高分子柔軟電極。
【請求項3】
前記膜が、前記熱可塑性エラストマーの1〜50重量部と、前記カーボンナノファイバーの10〜50重量部とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の高分子柔軟電極。
【請求項4】
有機溶媒中に前記熱可塑性エラストマーを溶解し前記カーボンナノファイバーを分散させている分散液で製膜することにより、前記膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高分子柔軟電極。
【請求項5】
前記有機溶媒が、炭化水素系溶媒であることを特徴とする請求項4に記載の高分子柔軟電極。
【請求項6】
請求項1に記載の高分子柔軟電極が、柔軟性基材表面の少なくとも一部に付されていることを特徴とするエレクトロデバイス。
【請求項7】
高分子アクチュエータ、キャパシタ、スイッチング器、またはセンサーであることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−227001(P2007−227001A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43930(P2006−43930)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年8月25日 社団法人繊維学会主催の「第16回繊維連合研究発表会」において文書をもって発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年8月26日 信州大学主催の「3rd International Conference on Advanced Fiber/Textile Materials2005in Ueda」において文書をもって発表
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【Fターム(参考)】