説明

高分解能計測方法および装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分解能の計測を可能にする開口合成の技術を適用した計測方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に波動を用いた探査において分解能を上げるためには、センサー長を長くすることが必要になり、センサー長をL、波長をλとしたとき、分解能θ(°)は、θ=50.6λ/Lの関係になる事が知られている。
【0003】ところで、高分解能が得られるサイドスキャンソナーやMNBESにおいて深海を探査する場合には、水中伝搬での減衰を少なくするために周波数を低くしなければならないのと、船底への据え付け等で寸法制限されるためにセンサー(送受波器)をそれ程大きくできず、従って分解能θは高くても2°が実用上の限界となる。分解能2°といえばこの種の装置では十分に高分解能であるがこの分解能を以てしても水深6000mの海底での左右方向の距離分解能は、海底までの直線距離が例えば7000mとなる斜め下方向を探査するとき、7000×sin(2°)=244mとなり、探査物体までの距離に比例して分解能が低下する。海底面での分解能を上げるにはビームが広がらないようにセンサーを海底近くまで沈める計測法も考えられるが、この場合、曳航体やケーブル等のコストが高くなる上、所望の水中位置で連続的に測定を行うこと等に多くの困難を伴う。
【0004】ここで高分解能を得るためにサイドルッキングレーダ(側方監視レーダ)に採用している開口合成の技術が“電波映像の科学”(松尾優著 全国出版刊)や“波動と映像”(佐藤拓宋他著 森北出版刊)に紹介されているのでこれらを引用して簡単に述べる。
【0005】通常のレーダ(実開口レーダ)では、図1に示すように航空機Yには小型のアンテナしか搭載できないので、ブロードなビーム角βしか得られず、地表に照射された楕円領域Qが地表での分解能となり低い。しかし、このレーダに開口合成の技術を適用することにより、方位分解能(x方向)を領域Aで示されるように飛躍的に向上する。又、距離分解能(z方向)も別の手段(パルス圧縮)で領域Bのごとく高めることができ、それらの交差領域Cで示される極めて鋭い分解能を得ることができる。
【0006】図2に示すように斜下側方に波長λの電波をビーム角βで放射し、そのエコーの受信強度を記録しておく。地上Tgにあるターゲットに対しては、飛行経路a、b、c、…に至る間、レーダビームによって照射され、それらのエコーを記録し、これを後で指向合成(位相を揃えて合成)することにより、実質的にaeの大きさを持つアンテナで目標を捕えたことと等価となる。
【0007】単にc点にあるレーダからビーム角βで目標Tgを捕えるとしたとき、距離Rでビームは、前述したようにβR=Lに広がり、これが地上での方位分解能となるが、開口合成のアンテナでは、そのビーム角β'は、β'=λ/ae=λ/Lとなり、従って地上での分解能β'R=(λ/ae)・R≒Dとなり、アンテナの寸法Dと同じ分解能が得られ、しかもこの分解能はレーダとターゲットとの距離に無関係である。
【0008】距離分解能の向上に対しては、従来のパルス圧縮レーダ(チャープレーダ)に用いられているパルス圧縮技術を用いる。即ち、距離分解能を上げるには、幅の狭いパルスを作成すればよく、そのために線形周波数変調パルスを用い、送信パルス幅T内で直線的に周波数変調(FM、偏移Δf)したものを送信し、受信機では、直線状の周波数対遅延時間特性を持つ整合フィルタを通すことにより、包絡線波形を持つ出力(狭いパルス)が得られる。周波数偏移Δfとパルス幅Tとの積、つまりパルス圧縮比がある大きい程、狭パルスが得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従ってこの開口合成の技術を水中探知装置に応用することにより分解能を向上できることが容易に想像されるが、以下に説明するように水中での超音波の伝搬速度が電波に比べてはるかに遅いことが主な原因となり未だ実現されていない。本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、レーダで用いられている開口合成の技術を適用する際に生じた障害を解決することにより、水中探知装置において高分解能の計測を可能にする計測方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明の高分解能計測方法は、送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる方法であって、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、受波器を送波器長L以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする。第2発明では、受波器を送波器長Lの間隔で複数個n設け、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、受波器をL×n以下の長さ移動させるようにしたものであり、船の移動速度を速めることができる。第3発明では、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、送波器よりm回送波すると共に、受波器をL(送波器長)×m以下の長さ移動させるようにしたものである。第4発明は、第2発明と第3発明とを組み合わせたものであり、船の移動速度を相乗的に速めることができる。
【0011】
【作用】上述した開口合成の技術は、センサーを移動させながら超音波を発射して海底からのエコーを受波し、センサーの見掛けの開口長を大きくするものである。海底までの距離が例えば7000mの場合には超音波の往復時間は約9.3秒となる。従って超音波の送信周期は余裕をみて10秒とすれば、船が10秒間に移動する長さ毎に送受波器が並ぶことになる。船の移動速度を5ノットとしたとき、見掛け上の送受波器の間隔は25mとなる。このときの超音波周波数を仮に12kHzとすれば波長は12.5cmとなるので、図3に示すように200λ毎に送受波器が等価的に並ぶことになる。
【0012】送受波器の間隔をn1(λ)としたとき、これらの送受波器で受波された同一のエコーよりの各信号を、位相を揃えて合成(位相合成と呼ぶ)したとき、図4に示したように、主ビーム(メインロブ)41に非常に接近した角度から連続的に側帯波42が生じる。この側帯波はメインロブと感度差がなくほぼ同レベルになっており、このような側帯波をグレーティングロブという。このグレーティングロブの発生角度α(°)は、α=sin-1(1/n1)で与えられ、送受波器間隔が200λのときのグレーティングロブの発生角度αは0.29°となる。
【0013】図5は、グレーティングロブの発生がなくメインロブのみを有する位相合成された受波波形を示しており、図8は探査物体を示している。図5の理想的な指向特性を有する場合には、図8の通りに計測されるが、図6に示すようにメインロブの左右に一対のグレーティングロブがあった場合には、図9に示すように二つのゴーストが生じる。尚、図7のように指向特性が良くない(ブロードな)メインロブの場合には図8の探査物体は図10のように計測され識別不能である。
【0014】かかるグレーティングロブの発生を無くすには、等価的な送受波器の間隔を0.5λ(=6.25cm)程度にすることである。しかしながら10秒間の移動速度を6.25cmとするのは実質的に静止状態であり海上での測定は不可能といえる。仮に可能だとしても、このような低速では広い海域を測定するのに時間がかかり過ぎる。
【0015】そこで、グレーティングロブが生じてもそれを排除できる方策について以下に検討してみる。
1)送波指向性を狭くしてグレーティングロブの近接許容角を小さくする。開口合成を用いたシステムでは、分解能は、送波器長と同等になるので送波器長が短ければ分解能もよくなる。しかし、送波器長が短ければ固有の指向性が広くなり、近接許容角を小さくすることはできない。そこで分解能を多少犠牲にすることになるが、送波器長をある程度長くし送信指向特性を狭くすることにより、グレーティングロブの近接許容角を小さくすることが有力な手段の一つになる。具体的には送波器長は3ないし4mとなる。
【0016】超音波周波数を12kHz(波長12.5cm)、送波器長Lを3.2m(25.6λ)としたとき、送波ビームの広がり角β(°)は、β=sin-1(λ/L)より、β=2.24°となる。この場合の送波ビームを図1111に示す。一方、開口合成された受波信号におけるグレーティンクロブの発生角度αが図12で示すように2.24°以上であれば、図12におけるグレーティンクロブと図11の送波ビームのメインロブとが重なることはない。この角度をグレーティンクロブの近接許容角という。図11と送波ビームと図12の受波ビームとを掛け合わせれば、図13に示すようにすべてのグレーティンクロブが除去され、メインロブのみ取り出される。従って、グレーティンクロブの発生角度αが2.24°以上となるように、言い換えれば、10秒間の船の移動速度が3.2m(0.64ノット)以下であれば開口合成が可能となる。
【0017】2)多重受信により受波信号の密度を高める。理想的には図14に示すように一組の受波器Sが10秒間で3.2m移動する毎にターゲットTよりのエコーを受波すればよいが、所定のピッチで複数組の受波器を備えて多重受信することにより、船の移動速度を更に現実的な値に高めることができる。上記の1)の手法により送受波器の配列ピッチを3.2mにできるので、予め3.2mおきに複数個Uの受波器を設けておくと、船の移動速度を3.2×Uに高めることができる。例えば図15に示すように、3.2m隔てて2組の受波器S1、S2を設け、ある時点で図示した位置の受波器S1、S2にて受波し、10秒後にそれぞれ6.4m移動した受波器S1'、S2'にて再びターゲットTよりのエコーを受波すれば、3.2mのピッチで並ぶ受波器で受波することと等価になる。この場合、受波器S1、S2の移動速度、即ち船の移動速度は2倍の1.28ノットになる。3.2m間隔で3個の受波器を備えれば、船の移動速度は3倍になる。
【0018】3)多重送信により受波信号の密度を高める。通常の音響機器は、送受波器より超音波を発射し海底からのエコーを受波するまで次の超音波を発射しない方式がとられる。本発明では、次々に超音波を発射し海底からのエコーを受信する多重送信により、受波信号の密度を高める方式が考えられる。この技術は衛星搭載の観測機器での開口合成に用いられているものである。これを実現するためには、各送信に対して海底からのエコーを独立して識別することが必要であり、そのためには、海底からのエコーの継続時間を短くして前後の送信エコーとオーバラップしないようにする必要がある。
【0019】図16は、上下方向の指向角がφ1の送信ビームで海底AないしBを探査する様子を示しており、このときの探査結果を図17に示している。一方、図18R>8のごとく、指向角がφ2(<φ1)の送信ビームで海底A'ないしB'を探査したときの像を図19に示している。図16と図18を比較してわかるように、送信ビームの指向角が鋭い程海底における探査幅(刈り幅)が短くなり、又、図17と図19を比較してわかるように、刈り幅が短いと送信パルスPの送信間隔を短くできる。図1818の指向角φ2では、図20で示したように、送信パルスPの間隔tは、刈り幅A'B'程度とすることができる。図21は、送信パルスPとエコーRとの対応を示しており、パルスPiに対するエコーはRiである。
【0020】このようにして10秒間にV回送信できたとすると、船の移動速度は0.64・Vノットとなる。上記の2)および3)の技術を組み合わせることができ、U組の送受波器を備え、10秒間にV回多重送信すれば、船の移動速度は、0.64・U・Vノットとなり、実現容易な速度にできる。
【0021】
【実施例】図22は、本発明の水中探知装置の一実施例を示す制御ブロック図である。1は、例えば3.2mおきに受波器1A、送受波器1B、および受波器1Cを配列してなるセンサーであり、送受波器1Bの送波器長は3.2mである。受波器を3組設けたので、船の移動速度は、上述の条件に従えば0.64×3ノットとなる。尚、これらの3個の送受波器は、船の航行方向となるので船底等への据え付けは容易である。2は、センサー1に対して送受を切り換えるための回路である。3は、センサー1よりの3系統の受波信号をそれぞれ増幅する受信増幅器である。4は、受信増幅器3よりの出力信号をアナログからデジタルに変換するA/D変換器である。5および7はCPU6に対するインターフェイスである。CPU6は、インターフェイス5を介して入力される3系統の受信信号を開口合成のための演算を行う。その詳細については後で述べる。8は、インターフェイス7を介して入力されるCPU6よりの出力信号に基づき探査結果を表示する記録器であり、9は、前記の探査結果をデータとして記録するデータ収録装置である。10は、CPU6での開口合成に必要なセンサー1の位置、方位および水深等のデータが入力される外部データ入力部である。11は、送信タイミングや送信信号のパルス幅を決める送信制御部であり、12は、送信信号を出力する送信増幅器であり、送受切換器2を介してセンサー1の送受波器に印加される。
【0022】CPU6で行われる開口合成の演算を図23R>3のフローチャートに従って説明する。尚、開口合成そのものの技術は公知なので詳細は専門書に譲ることにし、ここではあらましについて述べることとする。ここで行われる開口合成の機能には、リアルタイムモードと、ポストプロセッシングモードとがある。リアルタイムモードでは、船の移動に遅れることなく(遅れても一定時間内で)開口合成をし記録器8へ出力する。このモードでは厳密な位相補償等の演算はできないので近似演算となる。
【0023】一方、ポストプロセッシングモードでは、正確な演算を期すために、演算量が膨大となりリアルタイムでは処理できないために、測定した生データは一旦、データ収録装置9へ収録しておき、後でそれを再生してCPU6で演算させる。さて、ステップS1では、m=開口合成距離/ビーム合成と、n=開口合成距離/受波素子のピッチの計算が行われる。本実施例ではビーム合成ピッチおよび受波素子のピッチは3.2mである。ステップS2では、送信地点および多重送信地点の反射エコーの切り出しがなされる。ステップS3では船の移動距離が開口合成の中心差より大きくなったかの判定がなされ、大きくなったときには、ステップS4−1にて開口合成の中心予想地O1点が決定される。
【0024】ステップS5では最初の送信地点での外部データ(位置データ)と、受信データ(図21に示すP、R)とを有機的に結合する。ステップS6では、前述したリアルタイム処理のモードなのかポストプロセッシングのモードなのかの判定がなされ、リアルタイムモードのときはステップS7に進み、開口合成の中心(図2ではLの中央点)と対象エコーとの距離の位置から位相シフト量Ci0が演算される。このモードでは近似演算をする。具体的には探知距離範囲における中心距離となる箇所(距離Dj)に固定的にフォーカスを結ぶようにして演算を簡略化する。
【0025】次のステップS8およびステップS9において、前記の距離Djに対して、C1(Dj)+C2(Dj)+…+Cn(Dj)の計算により、前記の中心距離とした箇所よりのエコーが指向合成される。nは素子数である。ステップS10ではCPU6によりリアルタイムで演算された合成エコーが記録器8へ送出される。ステップS11ては、前記のDjをj=1ないしlに変えて以上の演算が行われる。以上述べたステップS4−1以降のフローがビーム合成数mの数についてそれぞれ平行して行われる。一方、ポストプロセッシングモードの場合には、ステップS12で開口合成の中心O1点と対象エコーとの距離の位置から位相シフト量Ciが演算される。その際、このモードでは、探知距離範囲全体に対して距離Djを変えフォーカス点を移動させて(ダイナミックフォーカス)演算する。上記実施例でき多重受信の場合であったが、多重送信を併用することにより、船の移動速度を更に高めることができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、受波器を送波器長L以下の長さ移動させることにより、グレーティングロブの発生角が、送波ビームの広がり角以下にならないようにし、これにより、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、開口合成された信号おけるメインロブ両側の分解能を低下させるグレーティングロブを除去するようにしたので高分解能で計測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーダにおける開口合成の技術を説明するために用いた図
【図2】 レーダにおける開口合成の技術を説明するために用いた図
【図3】 開口合成により一つのセンサーが等価的に等間隔に並ぶようになることを示す図
【図4】 開口合成の技術を水中探知装置に適用した場合にメインロブ以外に派生するグレーティングロブを示す図
【図5】 メインロブのみを有する指向合成された受波波形図
【図6】 メインロブの両側に一対のグレーティングロブを有する指向合成された受波波形図
【図7】 図5におけるメインロブがブロードの場合を示す図
【図8】 探査物体の例を示した図
【図9】 図6の受波波形の場合に図8の探査物体の実際の探査結果を示した図
【図10】 図7の受波波形の場合に図8の探査物体の実際の探査結果を示した図
【図11】 本発明に用いた送波ビームの指向特性を示す図
【図12】 図11の送波ビームの場合の指向合成された受波ビームを示す図
【図13】 図11の送波ビームと図12の受波ビームとを掛け合わせることにより得た信号を示す図
【図14】 水中探知装置に適用した開口合成の技術を説明するための図
【図15】 図14において受波器を2組設けた場合の開口合成の技術を説明するための図
【図16】 斜め下方に送波した超音波ビームの上下方向の広がりを示した図
【図17】 図16の指向角の送波ビームで海底を探査したときの計測図
【図18】 図16において上下方向の広がりを狭くした超音波ビーム図
【図19】 図18の指向角の送波ビームで海底を探査したときの計測図
【図20】 図19に示した送信パルスの1周期の間に複数回の送信したパルスを示した図
【図21】 図20の送信パルスを用いたときの海底の探査結果を示す図
【図22】 本発明の測定方法を実施するのに適した一実施例を示す制御ブロック図
【図23】 図22におけるCPUの制御動作を示したフローチャート
【符号の説明】
1 センサー
2 送受切換回路
3 受信増幅器
4 A/D変換器
5 インターフェイス
6 CPU
7 インターフェイス
8 記録器
9 データ収録装置
10 外部データ入力部
11 送信制御部
12 送信増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測方法であって、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、受波器を送波器長L以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測方法。
【請求項2】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測方法であって、受波器を送波器長Lの間隔で複数個n設け、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、受波器をL×n以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測方法。
【請求項3】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測方法であって、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、送波器よりm回送波すると共に、受波器をL(送波器長)×m以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測方法。
【請求項4】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測方法であって、受波器を送波器長Lの間隔で複数個n設け、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、送波器よりm回送波すると共に、受波器をL×m×n以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測方法。
【請求項5】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測装置であって、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、受波器を送波器長L以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測装置。
【請求項6】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測装置であって、受波器を送波器長Lの間隔で複数個n設け、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、受波器をL×n以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測装置。
【請求項7】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測装置であって、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、送波器よりm回送波すると共に、受波器をL(送波器長)×m以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測装置。
【請求項8】 送波器により探査物体に対して超音波ビームを送波し、探査物体よりのエコーを移動する受波器にて複数の地点で受波し、受波した複数の信号を位相を揃えて合成する、開口合成の技術を用いる高分解能の計測装置であって、受波器を送波器長Lの間隔で複数個n設け、探査物体までの超音波の往復に要する時間の間に、送波器よりm回送波すると共に、受波器をL×m×n以下の長さ移動させるようにし、このときに受波し位相合成した信号と、前記送波信号とを掛け合わせることにより、前記位相合成された信号おけるメインロブの両側に生じるグレーティングロブを除去することを特徴とする高分解能計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【特許番号】特許第3006917号(P3006917)
【登録日】平成11年11月26日(1999.11.26)
【発行日】平成12年2月7日(2000.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−154503
【出願日】平成3年6月26日(1991.6.26)
【公開番号】特開平5−2072
【公開日】平成5年1月8日(1993.1.8)
【審査請求日】平成10年6月11日(1998.6.11)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【参考文献】
【文献】特開 昭62−121353(JP,A)
【文献】特開 昭62−121354(JP,A)
【文献】特開 昭62−121355(JP,A)
【文献】特開 昭62−121356(JP,A)
【文献】特開 昭62−121357(JP,A)