説明

高効率低眩光車用高輝度放電灯

本実用新型の発明は簡単堅固な構造、より高い熱の安定性能、低眩光高効率のキャップ持ち車用高輝度放電灯である。本実用新型の発明には球体或は楕円球体の気密性に類似する可解離イオン物質を中に入れたアーク管を設け、アーク管の外側にはそれを包むエンベロープを設け、エンベロープとアーク管の対応する部分は外に向け突出したアーク管のランプバブルに類似する球体或は楕円球体のバブルがある。本実用新型の発明のエンベロープと類球体アーク管の外壁管の距離は比較的に均一で、故にアーク管の温度がもっと均一化され、よって灯具の熱と光電パラメーターをより安定させることができ、より多くの光が直接エンベロープを通して輻射してゆき、エンベロープの内壁とアーク管の外壁間で繰り返し反射しては四周に散ってゆく無用な光を減少し、眩光発生を減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は実用的で新型のキャップ持ちの車用高輝度放電灯に関する。
【背景技術】
【0002】
現有、キャップ持ちの高輝度放電灯の一般構造は:純度の高いシリカガラスで作った気密性且つ可解離イオン物質を中に封入した、球体或は楕円球体に類似する気体放電アーク管で、アーク管の両端には互いに180°を成し、その直径を収縮した密封式の頚部を持っている。アーク管が作動する時の安定性を保証するために、アーク管及び頚部の外側にはエンベロープを設けてある。エンベロープは紫外線吸収が可能な、シリカ素材ででき、気密的、または非気密的両方の製造が可能である。アーク管の一対電極と連結する導体は相応する頚部から伸びだしたアーク管及びエンベロープの外側を通り抜け、キャップ近くの回線とキャップの上にあるもう一つの電源連結端末と連結される。現有の車用高輝度放電灯のエンベロープは全て直方体のものであるが、アーク管は球体状或は楕円球体状に類似していて、直方体エンベロープとの距離が小さいために、その距離が不均等にならざるをえない。その結果、アーク管の温度も不均一になり、熱の安定性に影響を与えるだけでなく、アーク管で射出した光が直方体エンベロープの内壁に到達する時の入射角が大きくなり、わずか一部分の光だけがエンベロープを通り抜け、残り大部分の光は直方体エンベロープの内部とアーク管の外部で繰り返し反射されてからは、四周及び両端に散る。これは光の利用率を低下させるだけではなく、光の分布曲線と灯具の集光効果をも悪くし、大量の眩光が発生する。現存する製品の大部分はアーク管のエンベロープをより深くキャップに挿入し、粘着剤で固定する。その不足点は充分に固定する事ができず、またランプバブルの下部の破裂を招きかねない。あるものはキャップの上に金属の固定部品を設置し、金属の固定部品とエンベロープを固く締めている金属のステックバーとを溶接で連結する。しかし、このようなやり方は比較的に複雑で、セットアップのプロセスが煩雑であるうえに、費用も高い。
【発明の開示】
【0003】
本実用新型の発明の目的は構造が簡単でありながら、据え付けも簡単で、且つ光の利用率が高く、熱の安定性能もよりいい、低眩光キャップ持ち車用高輝度放電灯を提供することで、なおかつそのアンチノック性能をよりいっそ高めることにある。
【0004】
上述した目的に達するために、本発明は以下の技術プログラムを採用した。
高効率で低眩光車用高輝度放電灯には、球体状或は楕円球体状の気密型且つイオン解離物質を封入したアーク管を設け、アーク管の両端には互いに180°をなす、直径を収縮した第一頚部と第二頚部を設ける。アーク管内の第一電極、第二電極はそれぞれ相応ずる頚部内の導電体と管外の第一電極の回線と第二電極の回線と連結される。第一電極の回線は同端のキャップの上に設けてある第一電源連結端末と連結し、第二電極の回線はキャップの方向に折り返してゆき、キャップ方向上にある第二電源連結端末と連結される。アーク管と頚部外にはエンベロープを設け、エンベロープとアーク管の対応する部分は同じく外側に向け、突出し、且つアーク管と類似する球体状のランプバブルか或は楕円球体状で、両者の壁面はほとんど平行に近い球体バブルである。
【0005】
――――上で述べた第二頚部の上端は中心部が窪んだラッパ型の円錐面をなし、その外延部とエンベロープが溶接で連結される。
【0006】
――――上述したキャップは絶縁素材でトランスファー成形されたインブロック構造で、アーク管の第一頚部とその外部のエンベロープの外延部分はキャップの前端に深く嵌められ、粘着剤でしっかり固定する。キャップの前端には少なくとも3つ以上の固定用ステックバーを設け、其々のステックバーはエンベロープと同心円の円周上に均等に分布し、もう一つの端はエンベロープ上の対応するクランプリングと溶接の方式で連結される。
【0007】
本発明のエンベロープとアーチ間の距離は均等であるため、アーチ内部の温度分布が均一化され、灯具の熱安定性が改善された。故に灯具の光電パラメターがもっと安定し、その使用寿命を延長することができた。同時にエンベロープとアーチ間の対応する部位とアーチ間の類球体管壁とが平行に近いため、アーチ管が点火したときに出す光がエンベロープの内壁に垂直に入射し、より多くの光がエンベロープを通り抜ける事ができる。そのおかげでエンベロープの内壁とアーク管の外壁との間に繰り返し反射しては周囲に散る無用な光を少なくし、光の利用率を高くして、眩光の発生を減少する。そのほかに、本実用新型の発明ランプバブルの両端の直径が短くなり、重さも軽くなって、アンチノック性能を高くすることができた。
【0008】
本実用新型の発明のキャップは耐高温耐高圧の絶縁素材でポッティング成形し、成形の時に支えになるステックバーの根元はあらかじめキャップの金具のなかに固定してある。キャップの前端面には事前にアーク管の頚部とエンベロープの挿入口を保留し、組み立てるときにまず最初にアーク管の第一頚部とエンベロープの伸び出た部分をキャップの前端面の挿入口に差入れ、耐高温の無機バインダーで固定する。その次、あらかじめキャップの中に入れたステックバーとエンベロープの外部に設けた金属のクランプリングの翼を溶接して固定する。本実用新型の発明のアーク管とエンベロープ、及びキャップの間にはバインダー、クランプリング及びステックバーなど二重のブレシング措置をとり、灯具のアンチノック性能と衝撃に対する抵抗力を著しく強化することができた。そして構造と、取り付けが簡単で、低コストなどの特徴がある。本実用新型の発明のアーク管の上端部がラッパ型でエンベロープのシールと連結した方式は上端部へ発散する眩光を減少し、灯体の全体的高さを短くして、灯管の重さを軽くし、そのアンチノック性能を高くした。なおかつ、喜ばしいのは伝統的なスリットシーリング技術で生産可能であるという大きなメリットがある。本実用新型の発明は特に自動車の前灯に適用し、列車、飛行機などの交通道具の照明或は特殊な投射光源として水底、立て坑、ウィンドーズ及び照明に対する要求が比較的に高いその他の場所にも適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、付録図と具体的な実施方法とを合わせて、本実用新型の発明に対してもっと詳しく説明する。
【0010】
本実用新型の発明の部品には:アーク管1、第一頚部2a、第二頚部2b、第一電極3a、第二電極3b、第一電極の出線4a、第二電極の出線4b、エンベロープ5、エンベロープ中部のランプバブル5a、第一電極の回線6、第二電極の回線7、第二電極の出線と第二電極回線の間のコンタクター8、第二電極のコンダクター外の磁器ブッシング9、クランプリング10、シーリング翼10a、半円形シーリング翼10b、ステックバー11、ステックバーのクランプリング12、第一電極のコンダクター13、第二電極コンダクター14、キャップ15、インサートパーツ15a、柱形タンク16、中心挿入口17。
【0011】
本実施例アーク管1は楕円球体状をなし、アーク管の両端には互いに180°をなす直径が収縮された第一頚部2aと第二頚部2bがあり、この二つの頚部は全部密封状態である。アーク管1の第一電極3a、第二電極3bはそれぞれ対応する頚部の中心に嵌められたアメリシウム片及びアメリシウムバー素材でできた第一電極の回線4a、第二電極の回線4bからアーク管外に延び出して第一電極回線6、第二電極の回線7と連結し、両電極の回線は其々キャップ上の第一電源接続端末13、第二電源接続端末14と繋がる。アーク管1と頚部2a外のエンベロープ5の下部の直径収縮された部分とが密封連結され、第二頚部2b上端は中心部が窪んだラッパ型円錐面2c、その2cの外延部とエンベロープ5が密封連結される。
【0012】
キャップ15は耐高温、耐高圧の絶縁素材でトランスファー成形されたインブロック構造で、アーク管1の第一頚部2aとエンベロープ5の伸び出た部分が同時にキャップの端面の中心部位の柱形タンク16内にはめられ、かつ耐高温の無機バインダーでキャップ15に固定する。エンベロープの下端収縮部位の下の外壁の上には金属のクランプリング8が取り付けてあり、その金属のクランプリング8の外側を均等に四つの外部へ伸びだした溶接翼10a及び半円形溶接翼10bがあり、それらの四つはそれぞれ根元部分があらかじめキャップの端面の中の対応するステックバー11から伸びだした端末と溶接で連結されてある。ステックバー11はキャップ15の端面上にあらかじめ埋めてあり、エンベロープ5と同心円をなし、しかもその半径がエンベロープ5の半径より大きい円周の上に均一に配列されてある。
【0013】
金属クランプリング10は二つの半円形金属ボタン式の組み合わせからできたもので、個々のリングの中部には外側へ出向け、外延部に孔を持つ溶接翼10aが設けてあり、半円形金属クランプリングの両端には外側へ伸びだした、外延部に半孔を持つ半円形溶接翼10bがある。二つの半円形金属リングの組み合わせでできた閉鎖金属クランプリング10はエンベロープ5の外壁を固く締め付ける。クランプリング10はまた四つの四分の一のアーチで構成されることも可能である。(図8を参照)或は丸一本の金属ストリップから製造することも可能である。(図6を参照)。ステックバーの下部にまた一つのリングを溶接してそれを整体化させ、放電灯の全体的安定性とアンチノック性能をよりいっそう高める事ができた。
【0014】
キャップ15の後部には直径が収縮された階段式のインサートパーツ15aがあり、第一電極の回線6はあらかじめキャップ15の前端面の柱形タンクの中心部に設計してある中心挿入口17から挿入されキャップ15を通りぬけては、15の後部に設けてあるインサートパーツ15a内部の中心軸線上の中心口を出て、挿入棒に掛けてある第一電源接続端末13と連結する。第二頚部2bを出た第二電極の回線4bはアーク管を出てからすぐキャップの方向へ折り返し、連結端末8と第二電極の回線7と連結された後、アーク管の軸線と大体平行する方向からキャップ上の孔と外の接続端末14とを連結する。第二電極回線7の外側には磁器性絶縁コンジットチューブ9があり、9の下端はキャップの中で用いた絶縁バインダーで固定してある。
【0015】
エンベロープ5の中部とアーク管1の類球体ランプバブルが対応する部位すなわちエンベロープ中部のランプバブル5aは外へ向け突出し、且つアーク管1のランプバブルとほとんど平行して類球体ランプバブルが設けてある。通常採用する直方体エンベロープと比べて、このような仕組みはエンベロープ5の内部のランプバブル5a部位とアーク管1の各部位の間隔が比較的均一を保たせ、故にアーク管1の温度を比較的に均一化し、灯具の熱の安定性と光電特性も改善して、ひいては灯具の使用寿命を延長することができる。もっと大事なのはエンベロープ5aの曲面がアーク管1の外壁とほとんど平行に近いため、アーク管1の発する光が垂直にエンベロープの中部ランプバブル5aに入射し、より多くの光がエンベロープ5の中部にあるランプバブル5を通って輻射してゆくことができる(図2を参照)。直方体エンベロープの場合には、アーク管から輻射された光がエンベロープの表面に到達するとき、入射角が大きすぎるため、一部分の光がエンベロープ5の内壁とアーク管1の外壁の間で繰り返し反射してからは四周に散り、無用な両端の雑光となる。(図3を参照)。以って、本発明は明らかに光の利用率を高め、眩光を減少させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実用新型の発明実施例の構造図である。
【図2】本実用新型の発明アーク管とエンベロープの間の光輻射伝播のイメージ図である。
【図3】現有技術のアーク管と直方体型エンベロープの間の光輻射伝播のイメージ図である。
【図4】図4は図1のA方向への構造図である。
【図5】図5は図1のキャップとステックバー、クランプリングの構造図である。
【図6】図6は図1のクランプリングの構造図である。
【図7】図7は図1の中の二つの半円形金属ボタン式の組み合せで構成されたクランプリング10の構造図である。
【図8】図8は図1の中の四つの四分の一円のアーチリングで構成されたクランプリング10の構造図である。
【図9】図9は図1のキャップのもう一つの実施例の構造図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高効率低眩光車用高輝度放電灯には:球体或は楕円球体に類似し、なお可解離イオン物質を中に入れたアーク管(1)があり、アーク管(1)の両端には其々互いに180°をなす直径を収縮し、かつ密封した第一頚部(2a)、第二頚部(2b)がある。アーク管(1)の内部の第一電極(3a)、第二電極(3b)は其々対応する端末の頚部内部の導電体と管外に伸びた第一電極回線(6)、第二電極回線(7)と連結し、第一電極の回線(6)と同端のキャップ(15)の上にある第一電源接続端末(13)と連結し、第二電極の回線(7)はキャップ(15)のほうに折り返し、キャップ(15)の上の第二電源接続端末(14)と連結する。アーク管(1)と頚部外にはそれを包むエンベロープ(5)があり、その特徴として:上述したエンベロープ(5)と球体或は楕円球体に類似するアーク管(1)のランプバブルの対応する部分が同時に外へ向け突出し、またその壁面がエンベロープの中のランプバブル(5a)と平行に近い。
【請求項2】
請求項1で述べた高効率低眩光車用高輝度放電灯の特徴は:キャップ(10)は絶縁素材でポッティング成形されたインブロック構造で、アーク管第一頚部(2a)とその上にかぶせられたエンベロープ(5)の外延部分がキャップ(15)の前端部分にポッティングされ、かつ粘着剤でキャップ(15)に固定する。キャップ(15)の前端には三つ以上のステックバー(11)があらかじめ設けられてある。各ステックバー(11)の挿入孔はエンベロープの同心円周上に均一に分布し、もう一つの端末はエンベロープ(5)の上の金属製クランプリング(10)の上の対応する溶接翼(10a)或は半円形溶接翼(10b)と連結し、固定される。
【請求項3】
請求項1で述べた高効率低眩光車用高輝度放電灯の特徴は:上述した第二頚部(2b)の上部は中心部が窪んだラッパ型の円錐面(2c)であり、(2c)の外延部とエンベロープ(5)のスリットシーリング部分が連結する。
【請求項4】
請求項2で述べた高効率低眩光車用高輝度放電灯の特徴は:上述した金属製クランプリング(10)が二つの半円形金属リングがボタンのように組み合わされてでき、個々の半円形クランプリングの中部から外へ向け伸びだした、外端に孔をもつ溶接翼(10a)、半円形金属クランプリングの両端には外へ向け伸びだした、外端に半孔を持つ半円形溶接翼(10b)、二つの半円形金属リングの組み合わせでできた閉鎖金属クランプリング(10)がエンベロープ(5)の外壁を固定する。
【請求項5】
請求項1で述べた高効率低眩光車用高輝度放電灯の特徴は:上述したアーク管第一頚部(2a)とエンベロープ(5)の延長部分の横断面が同心円をなし、同じくキャップ(15)の中心部の柱形タンク(16)の中に挿しいれてから、耐高温の無機バインダーでキャップに固定する。
【請求項6】
請求項1で述べた高効率低眩光車用高輝度放電灯の特徴は:上述したアーク管(1)の頚部外のエンベロープ(5)はエンベロープの直径が収縮した部分或は頚部のラッパ部分を通して密封される。
【請求項7】
請求項1で述べた高輝度低眩光車用高輝度放電灯の特徴は:上述したキャップ(15)の後部に直径を縮小した階段式のインサートパーツ(15a)があり、第一電極の回線(6)はキャップ(15)の前端面の柱形タンクの中心部分の中心挿入口(17)から挿入されて、キャップ(15)を通ってからその下部に設けてある挿入棒外に掛けてある第一電源接続端末(13)と連結する。第二頚部(2b)を出た第二電極の回線(4b)はキャップの方に折り返し、接続端末8と第二電極の回線(7)と連結し、アーク管(1)の中心軸線とほぼ平行する方向からキャップ(15)の上の小さな孔を通って第二電極外のコンタクターと溶接される。第二電極の回線(7)の外側には絶縁チューブ(9)がカバーされてある。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−515107(P2006−515107A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500462(P2006−500462)
【出願日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000429
【国際公開番号】WO2005/045880
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(505400107)
【Fターム(参考)】