説明

高周波回路モジュール

【課題】別途シールドケースなどを用いることを必要とせずに、RF回路で発生する高周波ノイズが電源ラインに重畳するなどして、IC素子の誤動作や特性劣化などを引き起こすことを効率よく防止することが可能な高周波回路モジュールを提供する。
【解決手段】アンテナ素子2で送受信される無線通信用の高周波信号を処理するIC素子4、アンテナ素子2とのインピーダンスマッチング用のRF回路3、IC素子4に電源を供給するための電源回路5を含み、RF回路3および電源回路5はいずれも表面実装部品32,561を備えているとともに、RF回路は磁性体基板を素体としてその内部にコイル素子を含むインダクタ基板31を備え、これらがいずれもコア基板6の表面に搭載され、かつ、インダクタ基板31がRF回路3を構成する表面実装部品32と電源回路5を構成する表面実装部品51との間に設けられた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波回路モジュールに関し、詳しくは、高周波信号を取り扱うIC素子、インピーダンスマッチング用のRF回路、電源回路などが一体化された高周波回路モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
RFID(Radio Frequency Identification)システムにおいて、特にリーダライタに使用される無線通信用の高周波回路モジュールは、アンテナ素子を介して送受信される無線通信用の高周波信号を処理するIC素子、アンテナ素子とのインピーダンスマッチングのためのインピーダンスマッチング回路を含むRF回路、IC素子に電源を供給するための電源回路を備えている。
なお、無線通信用のIC素子は、リーダライタとしての機能をつかさどるもので、信号処理回路、メモリ回路、制御回路などを有している。
また、RF回路ではマッチング用のコンデンサやインダクタが用いられており、電源回路では主にバイパスコンデンサが用いられている。
【0003】
そして、このような高周波回路モジュールは、例えば、配線基板の上に無線通信用のIC素子を搭載するとともに、この無線通信用のIC素子の周辺に、電源回路やRF回路を構成する回路部品を配置することにより構成されている(例えば特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−290553号公報
【特許文献2】特開2010−026852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、移動体通信端末などの電子機器においては、その高機能化、小型化が要求されており、高周波回路モジュールもその例外ではない。
そのため、高周波回路モジュールを構成する電源回路やRF回路も互いに近接配置された状態となる傾向にある。
【0006】
このため、上述の特許文献1,2に記載の高周波回路モジュールのように、単に無線通信用のIC素子の周辺に、電源回路やRF回路を構成する回路部品を配置した構成の場合には、RF回路で発生する高周波ノイズが電源回路の電源ラインに重畳し易くなり、場合によっては、IC素子の誤動作や特性劣化などの不具合を引き起こすという問題点がある。そして、高周波回路モジュールの小型化の傾向が強まるにつれて、上述の問題点も深刻なものになる。
【0007】
一方、高周波ノイズが電源ラインに重畳するのを防ぐ方法として、例えばRF回路の部分をシールドケースで覆うなどの対策をとることが考えられるが、その場合には、別途、シールドケースを設けることが必要になり、余分なコストがかかるばかりでなく、他の回路部品の実装面積が少なくなり、小型化が制約されるという不都合を生じるため、適切ではない。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、別途シールドケースなどを用いることを必要とせずに、RF回路で発生する高周波ノイズが電源ラインに重畳するなどして、IC素子の誤動作や特性劣化などを引き起こすことを効率よく防止することが可能な高周波回路モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明(請求項1)にかかる高周波回路モジュールは、
アンテナ素子を介して送受信される無線通信用の高周波信号を処理するIC素子、前記アンテナ素子とのインピーダンスマッチングのためのインピーダンスマッチング回路を含むRF回路、このIC素子に電源を供給するための電源回路がコア基板に一体化して設けられた高周波回路モジュールであって、
前記RF回路および前記電源回路はいずれも表面実装部品を備えているとともに、前記RF回路は磁性体基板を素体としてその内部にコイル素子を含むインダクタ基板を備え、
前記RF回路を構成する前記インダクタ基板と前記表面実装部品、および前記電源回路を構成する前記表面実装部品がいずれも前記コア基板の表面に搭載され、かつ、
前記インダクタ基板は、前記RF回路を構成する表面実装部品と前記電源回路を構成する表面実装部品との間に配設されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の高周波回路モジュールにおいて、前記インダクタ基板は、前記コア基板の表面に、前記コア基板の互いに対向する一方端部から他方端部に至るように配設されており、かつ、前記コア基板の表面の、前記インダクタ基板により隔てられ、前記インダクタ基板を介して対向する2つの領域のうち、一方の領域に前記RF回路を構成する表面実装部品が搭載され、他方の領域に前記電源回路を構成する表面実装部品が搭載されていることが好ましい。
【0011】
また、前記IC素子は、前記コア基板に内蔵されていることが好ましい。
【0012】
また、前記コア基板は、樹脂からなる複数の誘電体層を積層してなる多層基板であることが好ましい。
【0013】
また、本発明の高周波回路モジュールにおいては、前記コア基板を構成する複数の前記誘電体層のうち、少なくとも一層の誘電体層には前記RF回路を構成する配線導体、前記電源回路を構成する配線導体、および接地用のグランド導体がそれぞれ設けられており、かつ、前記グランド導体により隔てられた2つの領域のうち、一方の領域に前記RF回路を構成する配線導体が配設され、他方の領域に前記電源回路を構成する配線導体が配設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明(請求項1)によれば、RF回路を構成する表面実装部品と電源回路を構成する表面実装部品とがインダクタ基板によって隔てられているので、RF回路で発生する高周波の輻射ノイズはインダクタ基板で吸収される。このため、RF回路からの輻射ノイズが電源回路の電源ラインに重畳してIC素子の誤動作や特性劣化などを引き起こすことを効果的に抑制、防止することができる。しかも、インダクタ基板は、インダクタとしての本来の機能と、ノイズ吸収材としての機能の両方の機能を同時に果たすため、別途シールドケースなどを使用することが不要で、コストの低減を図ることが可能になるとともに、小型、薄型化を図ることが可能になる。
【0015】
また、コア基板の表面に、コア基板の互いに対向する一方端部から他方端部に至るようにインダクタ基板を配設し、このインダクタ基板により隔てられ、インダクタ基板を介して対向する2つの領域のうち、一方の領域にRF回路を構成する表面実装部品を、他方の領域に電源回路を構成する表面実装部品を搭載するようにした場合、RF回路から電源回路に回り込む高周波ノイズをより効率よく抑制することが可能になる。
【0016】
また、IC素子をコア基板に内蔵するようにした場合、インダクタ基板をコア基板の表面に搭載するスペースを容易に確保することが可能になり、より小型、薄型化された高周波回路モジュールを得ることが可能になる。
【0017】
また、コア基板を樹脂からなる複数の誘電体層を積層してなる多層基板とした場合、IC素子がコア基板に内蔵された構造の高周波回路モジュールを容易に構成することが可能になり、好ましい。また、樹脂として熱可塑性樹脂を用いることにより、それらを積層して多層基板を構成する場合に、加熱することでIC素子とのクリアランスを埋めるように流動するため、小型化を図る上で好ましい特性を得ることができる。
【0018】
また、コア基板を構成する少なくとも一層の誘電体層に接地用のグランド導体を設け、このグランド導体により隔てられた2つの領域のうち、一方の領域にRF回路を構成する配線導体を、他方の領域に電源回路を構成する配線導体を配設するようにした場合、コア基板の内部においても、RF回路から電源回路に高周波ノイズが回り込むことを効果的に抑制、防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の実施例(実施例1)にかかる高周波回路モジュールの機能ブロック図である。
【図1B】本発明の実施例(実施例1)にかかる高周波回路モジュールの回路構成図である。
【図2】本発明の実施例にかかる高周波回路モジュールを示す斜視図である。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図4】図3のY−Y線に沿う断面図である。
【図5】本発明の実施例にかかる高周波回路モジュールを構成するインダクタ基板の分解斜視図である。
【図6】図5のインダクタ基板内に設けられるコイル素子の等価回路図である。
【図7】本発明の実施例にかかる高周波回路モジュールの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0021】
図1Aは本発明の一実施例(実施例1)にかかる高周波回路モジュールの機能ブロック図、図1Bは回路構成図、図2は同高周波回路モジュールの全体を示す斜視図、図3は図2のX−X線に沿う断面図、図4は図3のY−Y線に沿う断面図である。
【0022】
この実施例の高周波回路モジュール1は、例えばUHF帯のRFID(Radio Frequency Identification)システムのリーダライタとして適用されるもので、アンテナ素子2を介して送受信される無線通信用の高周波信号を処理するIC素子4、アンテナ素子2とのインピーダンスマッチングのためのインピーダンスマッチング回路を含むRF回路3、IC素子4に電源を供給するための電源回路5を備えており、RF回路3、IC素子4、および電源回路5は、コア基板6に一体化して設けられている。
【0023】
ここに、IC素子4は、図示しないが信号処理回路、メモリ回路、制御回路などを備えており、このIC素子4がコア基板6の内部に埋設された状態で配置されている。
【0024】
この実施例の高周波回路モジュール1においては、IC素子4をコア基板6の内部に埋設して配置するようにしているので、コア基板6の上面に後述のインダクタ基板31を搭載するスペースを容易に確保することが可能で、小型、薄型化を図ることが可能になるとともに、IC素子4についての耐候性などを向上させて信頼性を高めることができる。
【0025】
また、電源回路5は、電気的に図外の電源(例えば二次電池)とIC素子4との間に配置されており、図1A,図1Bに示すように、主にキャパシタンス素子C1〜C10、および抵抗素子R1から構成されている。
【0026】
RF回路3は、電気的にIC素子4と電源回路5との間に配置されており、図1A,図1Bに示すように、基本的にはコイル素子L1,L2、キャパシタンス素子C11〜C14、および抵抗素子R2,R3を有する整合回路素子から構成されている。
なお、この場合の整合回路素子としては、例えばLC並列共振回路やLC直列共振回路、π型回路、T型回路などが適用される。
【0027】
また、この実施例の高周波回路モジュール1において、RF回路3は、磁性体多層基板を素体として内部にコイル素子(ここでは2つのコイル素子L1,L2(図5))が形成されてなる、平面形状が矩形のインダクタ基板31を備えている。
【0028】
このインダクタ基板31は、図5に示すように、フェライトなどからなる複数の磁性体層311に、コイル素子L1,L2形成用の導電性パターン312を配設した後、これらの磁性体層311を多層に積層して焼成、一体化することにより形成されている。なお、このインダクタ基板31に用いる磁性体層311としては、セラミック磁性体層であることが好ましいが、樹脂中に磁性体粉末を分散させてなる磁性体層であってもよい。
【0029】
図5に示すインダクタ基板31において、2つのコイルL1,L2は、磁性体層311の積層方向に沿う巻回軸Zが互いに同軸になるように構成されており、各コイル素子L1,L2の入力端子P11,P21から出力端子P12,P22に向けてそれぞれ電流が流れた場合に、共通の磁束が巻回軸Zに沿って生じるように構成されている。
【0030】
これにより、図6に示すように、各コイル素子L1,L2は、比較的大きな相互インダクタンスMを介して(高い結合度kによって)結合する。このため、所定のインダクタンス値を得るのに必要な各コイル素子L1,L2の長さを、両コイル素子L1,L2が結合していな場合に比べて短くすることが可能になり、各コイル素子L1,L2を小型化することができるとともに、その分、直流抵抗も小さくすることが可能になることから、Q値も向上する。具体的には、k=0.85であれば、k=0の場合に比べて0.54倍に小型化することができる。
【0031】
なお、図5では、各コイル素子L1,L2を構成するための導電性パターン312を、各コイル素子L1,L2ごとに巻回軸Zに沿う方向において、領域を分けして配設するようにしているが、これに限らず、各コイル素子L1,L2を構成するための導電性パターン312を巻回軸Zに沿って交互に積層した構成とすることも可能である。
【0032】
一方、コア基板6は、複数の誘電体層を積層してなる平面形状が矩形の多層基板として構成されている。この場合の誘電体層を構成する材料として、ポリイミドや液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂や、エポキシなどの熱硬化性樹脂、あるいは、LTCCなどのセラミックを適用することができる。ただし、誘電体層として熱可塑性樹脂を適用する方が、それらを積層して多層基板を構成する場合に、加熱することでIC素子とのクリアランスを埋めるように流動するため、小型化を図る上で好ましい特性を得ることができる。
【0033】
そして、図2に示すように、コア基板6の上面には、上記のようにコイル素子L1,L2を一体化したインダクタ基板31が配置されている。
そして、このインダクタ基板31によって左右に隔てられた2つの領域のうち、一方の領域には、RF回路3におけるキャパシタンス素子C11〜C14、および抵抗素子R2,R3などを構成する表面実装部品32が搭載され、他方の領域には、電源回路5におけるキャパシタンス素子C1〜C10、および抵抗素子R1などを構成する表面実装部品51が搭載されている。
そして、これらの表面実装部品32,51は、コア基板6に設けられた表面電極61にハンダなどの導電性接合材を介して電気的に接続されている。
また、コア基板6の下面には、このコア基板6を図示しないプリント配線板などのマザーボードに搭載する際に電気的接続を行うための裏面電極62が設けられている。
【0034】
また、図3に示すように、コア基板6の内部には、IC素子4、インダクタ基板31、RF回路3を構成する配線導体63,電源回路5を構成する配線導体64、接地用のグランド導体65が設けられている。
【0035】
そして、この実施例では、グランド導体65が、図3、図4に示すように、1つの誘電体層において、RF回路3を構成する配線導体63と、電源回路5を構成する配線導体64との間に位置するように配設されている。
【0036】
また、IC素子4は、インダクタ基板31とを電気的に接続するための配線距離を短くするために、その端子面41がインダクタ基板31に面するように配置されている。なお、これらの表面電極61、裏面電極62、配線導体63,64、およびグランド導体65は、銅や銀などの低抵抗金属を主成分とする導体パターンとして構成されている。
【0037】
ここで、インダクタ基板31、表面実装部品32,51、コア基板6の配置関係や、外形寸法に着目した場合、コア基板6の表面に搭載されたインダクタ基板31は、RF回路3を構成する表面実装部品32と電源回路5を構成する表面実装部品51との間に設けられている。
【0038】
このように、左右の表面実装部品32,51は、磁性体であるインダクタ基板31によって隔てられており、RF回路3から輻射される高周波ノイズは、インダクタ基板31で吸収されるため、RF回路3からの輻射ノイズが電源回路5の電源ラインに重畳してIC素子の誤動作や特性劣化などを引き起こすことを効果的に抑制、防止することができる。
【0039】
しかも、インダクタ基板31は、インダクタとしての本来の機能と、ノイズ吸収材としての機能の両方の機能を同時に果たすため、別途シールドケースなどを使用することが不要になるため、小型、薄型化を図ることが可能になるとともに、コストの低減を図ることができる。
【0040】
また、この実施例では、インダクタ基板31は、図2に示すように、一対の対向辺間の距離(寸法)aがコア基板6の一対の対向辺間のそれよりも短く、他の一対の対向辺間の距離(寸法)bがコア基板6の他の一対の対向辺間の距離(寸法)に近い寸法に形成されており、このインダクタ基板31により左右に隔てられた2つの領域のうち、一方の領域にRF回路3を構成する表面実装部品32が配設され、他方の領域に電源回路5を構成する表面実装部品51が配設されている。そのため、RF回路3の表面実装部品32から電源回路5の表面実装部品51に回り込む高周波ノイズを効果的に抑制することができる。
【0041】
なお、インダクタ基板31の上記一対の対向辺間の距離(寸法)bを、コア基板6の他の一対の対向辺間の距離(寸法)と同じにすることにより、RF回路3から電源回路5に回り込む高周波ノイズをより効率よく抑制することができる。
【0042】
また、この実施例では、上述のように、RF回路3を構成する配線導体63と、電源回路5を構成する配線導体64との間にグランド導体65が設けられており、グランド導体65で隔てられた2つの領域にRF回路3を構成する配線導体と電源回路5を構成する配線導体63,64が配設されているため、コア基板6の内部においても、RF回路3から電源回路5に回り込む高周波ノイズをグランド導体65によって効率よく抑制することができる。
【0043】
なお、上記の実施例では、IC素子4はコア基板6の内部に埋設された状態で配置されている場合について説明したが、本発明はこのような構成のものに限らず、例えば図7に示すように、コア基板6に凹部(キャビティ)66を形成し、この凹部66内にIC素子4を収容するとともに、この凹部66の開口を覆うようにコア基板6の上面にインダクタ基板31を配設した構成とすることも可能であり、この場合も同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、コア基板6がセラミック基板の場合、上記実施例の高周波回路モジュール(図3)のように、IC素子4がコア基板6に埋設された構成とすることは容易ではないが、図7に示すような、凹部66内にIC素子4が収容された構成の場合には、コア基板がセラミック基板である場合にも容易に対応することができて有意義である。
【0045】
さらに、IC素子4がコア基板6内に収納されておらず、コア基板6上に搭載される構成の場合にも、例えば、RF回路3と電源回路5との間にインダクタ基板31を配置するとともに、IC素子4を例えば、このインダクタ基板31の下部の、電源回路5に悪影響を与えない位置に配設することにより、同様の効果賀得られるようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上記の実施例では、高周波回路モジュールとして、UHF帯のRFIDシステムのリーダライタとして適用されるものを例にとって説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、高周波信号を取り扱うIC素子4とその電源回路5に加えてインダクタンス素子を設ける必要がある高周波回路モジュールにおいて、他の電子回路部品で発生した高周波ノイズが電源ラインに重畳することによるIC素子の誤動作や特性劣化などを抑制、防止することが必要となるような場合に、広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 高周波回路モジュール
2 アンテナ素子
3 RF回路
4 IC素子
5 電源回路
6 コア基板
31 インダクタ基板
32 RF回路を構成する表面実装部品
41 IC素子の端子面
51 電源回路を構成する表面実装部品
61 コア基板に設けられた表面電極
62 コア基板に設けられた裏面電極
63,64 配線導体
65 グランド導体
66 凹部(キャビティ)
311 磁性体層
312 導電性パターン
L1,L2 コイル素子
P11 コイルL1の入力端子
P12 コイルL1の出力端子
P21 コイルL2の入力端子
P22 コイルL2の出力端子
Z 巻回軸
a インダクタ基板の一対の対向辺間の距離(寸法)
b インダクタ基板の他の一対の対向辺間の距離(寸法)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ素子を介して送受信される無線通信用の高周波信号を処理するIC素子、前記アンテナ素子とのインピーダンスマッチングのためのインピーダンスマッチング回路を含むRF回路、このIC素子に電源を供給するための電源回路がコア基板に一体化して設けられた高周波回路モジュールであって、
前記RF回路および前記電源回路はいずれも表面実装部品を備えているとともに、前記RF回路は磁性体基板を素体としてその内部にコイル素子を含むインダクタ基板を備え、
前記RF回路を構成する前記インダクタ基板と前記表面実装部品、および前記電源回路を構成する前記表面実装部品がいずれも前記コア基板の表面に搭載され、かつ、
前記インダクタ基板は、前記RF回路を構成する表面実装部品と前記電源回路を構成する表面実装部品との間に配設されていることを特徴とする高周波回路モジュール。
【請求項2】
前記インダクタ基板は、前記コア基板の表面に、前記コア基板の互いに対向する一方端部から他方端部に至るように配設されており、かつ、
前記コア基板の表面の、前記インダクタ基板により隔てられ、前記インダクタ基板を介して対向する2つの領域のうち、一方の領域に前記RF回路を構成する表面実装部品が搭載され、他方の領域に前記電源回路を構成する表面実装部品が搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波回路モジュール。
【請求項3】
前記IC素子は、前記コア基板に内蔵されていることを特徴とする請求項1または2記載の高周波回路モジュール。
【請求項4】
前記コア基板は、熱可塑性樹脂からなる複数の誘電体層を積層してなる多層基板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波回路モジュール。
【請求項5】
前記コア基板を構成する複数の前記誘電体層のうち、少なくとも一層の誘電体層には前記RF回路を構成する配線導体、前記電源回路を構成する配線導体、および接地用のグランド導体がそれぞれ設けられており、かつ、前記グランド導体により隔てられた2つの領域のうち、一方の領域に前記RF回路を構成する配線導体が配設され、他方の領域に前記電源回路を構成する配線導体が配設されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波回路モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−238799(P2012−238799A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108335(P2011−108335)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)