説明

高周波用途のためのガラス材料

【課題】
本発明は、基板上の高周波用途に適した導体構造体の形成に適したガラス材料及び高周波基板を提供することを目的とする。
【解決手段】
高周波基板または高周波導体構成の高周波特性を改善するために、本発明は、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、1GHzを超える少なくともある周波数範囲において70×10−4以下の損失係数tanδを有する高周波基板または高周波導体構成用の絶縁層を形成するためのガラス材料を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に高周波回路の分野を扱い、特に、本発明は基板上の高周波用途に適した導体構造体の形成に適したガラス材料に関し、また高周波基板にも関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業のすう勢は一層高いデータ伝送率に向かっていることが知られている。ギガヘルツ帯の周波数のために、送りシステムおよび放出システムにおいて信号減衰の増大をもたらす。これまでは、導電層で印刷した後、積層および焼結を行うことで高周波回路用の3次元または多層配線を実現する、一次印刷セラミック(HTCC)およびガラス・セラミック(LTCC)多層膜がこのタイプのシステムに使用されてきた。さらに、気密的ではない有機多層膜も使用されている。しかし、高周波では、このタイプの配線システムの伝送損は、相互接続の減衰のために増大する。一般に40GHzを超える非常に高い周波数でHTCCおよびLTCCを使用することは、このような周波数帯で比較的高い誘電率(DK)および損失角(tanδ)による制限を受ける。HTCCおよびLTCCセラミックは、高周波特性に悪影響を及ぼし、かつ粒度に相当する表面輪郭を有するそこに組み込まれた相互接続につながる必然的な粒度を有する。この表面粗さは線路損失の増大につながる。
【0003】
知られている高周波導電体基板におけるこの高い減衰度の更なる原因は、特に、通常は薄膜技術を用いた、特にはスクリーン印刷を用いた相互接続の塗布にある。この技術を用いて形成される相互接続は、相互接続輪郭が著しく不均一で粗い。この相互接続の不均質さがアンテナとして働くので、放射を通して大きな損失が生じる。
【0004】
さらに、焼結を行えば、基板の収縮は避けられず、所望の寸法を正確に維持することが困難になる。
【0005】
より最近の進歩は、種々のPVD法を用いて蒸着コーティングまたはスパッタリングによって相互接続を塗布することによって薄膜技術の不利を交換することに向かっている。しかし、以前のプロセッサにおいて必要とされる配線スタックを形成するためのHTCCまたはLTCC材料の焼結には、依然として大きな問題がある。例えば、LTCCセラミックの焼結は少なくとも950℃の温度を必要とする。HTCCセラミックの焼結にいたっては1500℃の温度が必要となる。このような温度は相互接続構造体を変化させることになり、相互接続材料の選択が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願「PrOcess fOr prOducing a cOmpOnent with a cOnductOr arrangement suitaBle fOr radiO−frequency appLicatiOns」
【特許文献2】国際特許出願「PrOcess fOr prOducing a cOmpOnent having a cOnductOr arrangement which is suitaBle fOr radiO−frequency appLicatiOns」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、特に高周波特性の点で、相互接続系のために改良された材料を提供し、かつ高周波導体構成の高周波特性を改善する目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項に開示されるように、高周波基板または高周波導体構成用の絶縁層を形成するためのガラス材料、高周波導体構成または高周波相互接続系を有する構成要素を形成する方法、および高周波導体構成を有する構成要素によって非常に驚くほど簡単な方法で達成される。有利な構成および改良点が対応する従属項の主題を成す。
【0009】
塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲、好適には0.05μm〜1mmの範囲の層厚を有する、高周波基板または高周波導体構成用の絶縁層を形成するための本発明のガラス材料は、1GHzを超える少なくともある周波数範囲において70×10−4以下の損失係数tanδを有する。
【0010】
LTCCおよびHTCC材料はその良好な封止特性のために特に価値があり、このタイプの基板を構成要素のハウジングの一部として使用することを可能にする。ガラスの透過性はほとんどの気体に対して著しく低いので、ガラス層のこの封止特性はより一層良好なものである。
【0011】
層として塗布されるガラス材料の損失係数が低いために、本発明のガラス材料は高周波用途に非常に適している。
【0012】
塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する本発明のガラス材料は、特に有利には、40GHzの周波数において50×10−4以下の損失係数tanδを有してよい。この低い損失係数のために、本発明のガラス材料はマイクロ波帯の非常に高い周波数であっても高周波用途の使用に非常に適したものとなる。
【0013】
本発明の改善によれば、本発明のガラス材料を用いて塗布された0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する層の損失係数tanδは、40GHzのマイクロ波周波数においてはさらに30×10−4以下である。この損失係数はマイクロ波帯におけるLTCCおよびHTCC基板の損失係数よりも一層低いものである。
【0014】
本発明のガラス材料の特に有利な実施形態によれば、層を堆積させる材料が蒸着され得る。これにより、本発明のガラス材料を用いてPVDコーティングまたは蒸着コーティングによってベース上に絶縁層を堆積させることが可能となる。特に、ベース、例えば、基板上の熱負荷がほんの軽いものとなるので、このことは特に有利である。さらに、例えば、被覆される表面とは反対に、ある距離だけ離れて配置され、かつ本発明のガラス材料を含んだターゲットからガラス材料の蒸着によってガラス層を堆積させることによって、非常に薄く均質な絶縁層を形成することが可能となる。したがって、本ガラス材料を使用すれば、例えば、高周波基板などの高周波構成要素の集積密度を大きくすることも可能となる。
【0015】
したがって、ガラス層またはガラス質層が蒸着源に向いた基板の表面上に形成され、かつ該源から放出される蒸気に曝露されるように、本発明のこの実施形態のガラス材料を蒸着することができる。本発明のガラス材料のこの特性は、すべてのガラス材料によって提供されるわけではない。多くのガラス材料に関しては、ガラス層またはガラス質層は形成されず、むしろ非ガラス質酸化層が堆積されるだけであり、そのような層は一般に良好な封止および/または高周波特性を有していない。
【0016】
特に、少なくとも二成分系の材料を含んだガラスは、蒸着コーティングガラスあるいはガラス質層またはガラス層として再度蒸着あるいは堆積され得るガラス材料として特に適している。このタイプのガラスを蒸着することで堆積されたガラス層は、それに欠陥がないために特に優れた封止特性および高周波特性を有する。
【0017】
電子ビーム蒸着法によって本発明のガラス材料を蒸着できると、特に便宜的である。電子ビーム蒸着法によって、電子ビームが入射する地点に、本ガラス材料を含んだターゲット上に非常に小さなソース・スポットを形成することが可能となるので、電子ビームの出力をこのスポットに集められる。電子ビーム蒸着法によって被覆される基板上で高い堆積率を達成することも可能となる。
【0018】
例えば電子ビーム蒸着用のガラス・ターゲットを形成するために、ガラス材料の加工を簡単にできるようにするには、ガラス材料が1300℃より低い動作点を有していることが有利である。このコンテクストにおいて動作点という用語は一般に、ガラスの粘度が10デシ・パスカルにおける温度を意味するものと理解される。
【0019】
導体構造体からの放射損を低くするには、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、ガラス材料が、1GHzを超える少なくともある周波数の範囲において5以下の相対誘電率εを有することが有利である。
【0020】
塗布層として有利な改善では、特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有するガラス材料は、同様に40GHzの周波数のマイクロ波帯において、5以下の相対誘電率ε、特に4±0.5の相対誘電率εを有してよい。
【0021】
本発明のさらなる実施形態によれば、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有するガラス材料は、20℃〜300℃の温度範囲において2.9×10−6/K〜3.5×10−6/Kの範囲でα20〜300の熱膨張係数を有する。この熱膨張係数は、とりわけ、シリコンまたはBOrOflOat(登録商標)33ガラスの熱膨張係数によく適合する。これにより、例えば、基板材料としてシリコンまたはBOrOflOat(登録商標)33ガラスを用いた場合に、温度応力を実質的に回避することが可能となる。
【0022】
塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、ガラス材料が、20℃〜300℃の温度範囲において熱膨張係数α20〜300=(3.2±0.2)×10−6/Kを有している場合に、さらに良い熱的適合が達成される。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態は、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有するシリコン基板の絶縁層として使用される場合に熱応力を低減させるために、基板材料(例えばシリコン)の熱膨張係数に対して20℃〜300℃の温度範囲で1×10−6/Kだけ異なる熱膨張係数を有するガラス材料を提供する。
【0024】
本発明のガラス材料を用いて形成されたガラス層の封止特性を長期間維持するには、酸またはアルカリの作用に対してガラス層ができる限り抵抗性を有するのが便宜的である。したがって、本発明の一実施形態は塗布層として≦2の耐酸性クラスまで耐酸性のあるガラス材料を提供する。本発明のさらなる実施形態によれば、塗布層であるガラス材料は≦3の耐アルカリ性クラスまで耐アルカリ性を有している。
【0025】
成分が以下の組成の範囲内のガラス材料が適切であることが証明されている:
組成 組成範囲
SiO 40〜90
10〜40
Al 0〜5
O 0〜5
LiO 0〜3
NaO 0〜3
上記数値は重量百分率である。
【0026】
高周波特性および蒸着特性は、特に、重量百分率で以下の成分を含む本発明のガラス材料を用いて改善することができる:
組成 組成範囲
SiO 60〜90
10〜30
Al 0〜3
O 0〜3
LiO 0〜2
NaO 0〜2
【0027】
本発明のガラス材料は好適には、重量百分率で以下の組成を有する:
組成 ガラス1 ガラス2
SiO 84±5 71±5
11±5 26±5
NaO 2±0.2 0.5±0.2
LiO 0.3±0.2 0.5±0.2
O 0.3±0.2 1.0±0.2
Al 0.5±0.2 1.0±0.2
【0028】
それぞれ重量百分率でSiO71%、B26%、Al1%、KO1%、LiOおよびNaOを各々0.5%含む組成を含有するこのタイプのガラスについて、以下の特性が測定された:
20℃〜300℃の熱膨張係数:α20〜300=3.2×10−6/K
屈折率: nd=1.465
転移温度: T=466℃
軟化点: TEW=742℃
動作点: TVA=1207℃
40GHzでの相対誘電率: ε=3.9
40GHzでの損失係数: tanδ=26×10−4
密度: ρ=2.12g/cm
耐水性クラス2
耐酸性クラス2
耐アルカリ性クラス3
この特に適したガラスを以下ではガラスG018−189とも呼ぶ。
【0029】
さらなる実施形態が、それぞれ重量百分率でSiO84%、B11%、Al<2%、NaO2.0%、LiOおよびKOを各々0.3%含む組成を含有する適したガラスによって提供され、以下の特性が測定された:
20℃〜300℃の熱膨張係数:α20〜300=2.75×10−6/K
屈折率: nd=1.47
転移温度: T=562℃
40GHzでの相対誘電率: ε=5
40GHzでの損失係数: tanδ=40×10−6
密度: ρ=2.2g/cm
耐水性クラス: 1
耐酸性クラス: 1
耐アルカリ性クラス2
同様に特に適したこのガラスを以下ではガラス8329とも呼ぶ。
【0030】
上記組成は塗布前のガラス材料に関連するものである。このタイプのガラス材料を用いて塗布された層は、上記と異なる組成を有してもよい。一例として、層が蒸着コーティングによって堆積され、かつガラス材料の成分が異なる蒸気圧を有する場合、層の組成は本発明のガラス材料の組成と異なってよい。
【0031】
上記ガラス材料は特に有利には、高周波導体構造体または高周波基板用の絶縁層を形成するのに用いられてよい。
【0032】
この目的のために、高周波導体構成を有する構成要素を形成するのに対応する方法は、有利には、特に上記のガラス材料を用いてコンタクト−コネクション領域上に少なくとも1つの開口部を有する構造化されたガラス層を基板上に堆積させる工程と、前記コンタクト−コネクション領域と電気的に接触する少なくとも1つの導体構造体を前記ガラス層に塗布する工程とから構成される。
【0033】
特に上記利点のために、ガラス材料の蒸着によってガラス層を堆積させることが考慮される。
【0034】
したがって、高周波導体構成を有する構成要素を製造するために、本発明の工程を使用することができ、該構成要素は、少なくとも1つのコンタクト−コネクション領域を有する基板と、該基板の少なくとも一方の側上で、コンタクト−コネクション領域と電気的に接触するバイアを備えた少なくとも1つの開口部を有するガラス層と、該バイアと接触するガラス層上の少なくとも1つの導体構造体とから構成される。
【0035】
このコンテクストでは、構成要素という用語は電子部品のみを包含するわけではないことを理解すべきである。本発明のコンテクストでは、構成要素という用語は高周波導体構成あるいは高周波導体系を有する被覆された基板も包含し、これはキャリアとして、およびさらなる構成要素の接続のためのユニットとして機能する。キャリア材料および高周波導体系を有する同様の構成要素は、一般に高周波基板とも呼ばれる。
【0036】
適した基板材料は、特に、シリコン、セラミック、ガラス、あるいは可塑物さえ含む。特に集積導体構成を有する複合材料を含む、複合材料、例えば、ガラス−可塑物積層物を用いることも可能である。シリコンと同様に、例えば、ガリウムヒ素などの他の半導体材料を用いることも可能である。シリコン、セラミック、およびガラスは、その熱膨張係数が蒸着コーティングによって塗布されるガラスの熱膨張係数と非常に類似しているために、特に適した基板材料である。
【0037】
ガラス層は本発明のガラス材料の蒸着コーティングによって堆積されるのが特に好ましい。しかし、例えば、本発明のガラス材料を含んだターゲットからスパッタリングによって被覆される基板の表面上にガラス層を堆積させることも可能である。
【0038】
本発明の改善によれば、ガラス層はプラズマ・イオン支援堆積法(PIAD)を用いて蒸着コーティングによって塗布される。この場合、イオン・ビームは蒸着コーティング工程の間に被コーティング面に導かれる。この工程によって高密度化が達成され、欠陥密度は低減される。
【0039】
例えば、相互接続などの導体構造体と同様、1つまたは複数の受動電気構成要素をガラス層に塗布し、かつ導体構造体と接触させるか、あるいは接続することも可能である。一例として、コンデンサ、抵抗器、コイル、バリスタ、PTC、NTCを受動電気構成要素としてガラス層に塗布すること、あるいはフィルタ素子をガラス層に塗布することが可能である。
【0040】
本発明の特に有利な実施形態は、基板上に3次元あるいは多層の導体系を形成することを提供する。このために、構造化されたガラス層を堆積させる工程および少なくとも1つの導体構造体を塗布する工程が多数回にわたって実行される。多層導体系の1つまたは複数の個々の層上に形成される特に受動構成要素を有する3次元の導体系を形成するために、個々のガラス層および/または導体構造体は異なって構造化されてよい。この場合、有利には、後の段階で塗布される導体構造体を先の段階で塗布された導体構造体のコンタクト−コネクション領域に接続または接触することが可能であるので、導体構成の2つの個々の層間に電気接続が形成され、また個々の層は相互に電気的に接続され得る。したがって、それによって、第1のガラス層上の導体構造体はバイアを介して第2のガラス層上の導体構造体と電気的に接触した状態で、蒸着コーティングによって塗布され、かつ各々そこに塗布された導体構造体を含んだ少なくとも2つのガラス層を有する多層導体構成を備えた構成要素を形成することが可能となる。
【0041】
しかし、相互に重ねて、あるいはずらせて設けられた2つ以上のバイアを相互に重ねられた個々のガラス層において接触させることも可能となるので、例えば、一例として、基板のコンタクト−コネクション領域が複数のガラス層を通して外部とスルー・コンタクトされるか、あるいはさらなる層の導体構造体と接続される。
【0042】
さらに本方法の有利な実施形態は、蒸着コーティングによって、コンタクト−コネクション領域上に少なくとも1つの開口部を有する構造化されたガラス層を堆積させる工程を提供し、この方法は、コンタクト−コネクション領域を被覆する構造化された中間層を塗布する工程と、蒸着コーティングによってガラス層を基板および該基板上に存在する構造化された中間層に塗布する工程であり、好ましくは該ガラス層の厚さは構造化された中間層の厚さより薄い工程と、構造化された中間層上に設けられたガラス層のそれら領域がガラス層によって持ち上げられた状態で、構造化された中間層を除去する工程とを含む。
【0043】
フォトリソグラフィ・レジスト構造化に加え、このタイプの構造化された中間層を、例えば、印刷によって直接製造することも可能である。
【0044】
本方法のさらなる改善は、コンタクト−コネクション領域に隣接する領域に対して突出し、かつ蒸着コーティングによってガラス層を塗布する前に少なくとも1つのコンタクト−コネクション領域に塗布される中間層の構造体によって被覆された導電性材料を提供する。これによってコンタクト−コネクション領域上に導電性の隆起した構造体が形成される。この工程は、例えば、中間層を導電性材料の層と共にフォトリソグラフィ構造化することによって実行され得、この場合、該導電性材料の層は、中間層と共にコンタクト−コネクション領域を囲繞する領域から除去される。次に、有利には、その厚さが塗布された導電性材料の厚さにほぼ相当するようにガラス層を蒸着コーティングによって塗布することができるので、コンタクト−コネクション領域上のガラス層が除去された後に、実質的に平坦な表面が現れる。
【0045】
本発明のさらに別の改善によれば、まず、少なくとも1つの開口部を有するガラス層がコンタクト−コネクション領域の上かまたは有利には横方向にずらして直接堆積され、次いで、ガラス層のこの少なくとも1つの開口部は導電性材料で充填される。これはまた次の1つまたは複数の導体構造体の塗布のためのベースとして実質的に平坦な表面を形成する。
【0046】
さらには、蒸着コーティングによってガラス層が塗布される間に、基板は50℃〜200℃、好適には80℃〜120℃の温度範囲に保たれることが有利であることが証明されている。とりわけ、この基板の加熱によって機械的応力の形成が妨げられる。ガラス層のモルフォロジのためには徐々に加熱することも有利である。つまり、これらの基板温度では、特に孔隙のないガラス層を製造することが可能であった。
【0047】
最大でも10−4mBarの範囲、好適には10−5mBar以下の範囲に保たれる蒸着コーティング・チャンバ内の基準圧は、必要とされる層の品質にとって同様に好ましい。
【0048】
さらに、低孔密度を有する連続したガラス層を基板上に形成するには、被覆される基板の表面が50μmより小さい表面粗さを有しているのが便宜的である。
【0049】
本発明の方法のさらに別の有利な改善は、1分当たり少なくとも0.5μmの層厚の堆積速度の蒸着コーティングによって塗布されるガラス層を提供する。この速い堆積速度は、ガラス層の層品質を劣化させることなく容易に達成され得、短い製造時間で実施することを可能にする。対照的に、例えば、スパッタリングなどの他の真空蒸着法で達成される堆積速度は、1分当たり数ナノメートルに過ぎない。
【0050】
さらに、導体構造体の塗布は有利には、凹状に構造化された中間層を塗布する工程と、次に該中間層で被覆されたベース上に導電性材料を堆積する工程を含む。この場合、ベースは1つまたは複数の塗布されたガラス層を有する基板およびそこに配置された導体構造体を有する基板および/または複数の基板を含む。この中間層はフォトリソグラフィを用いて構造化されてもよいか、あるいは構造化印刷法によって製造されてもよい。
【0051】
基板自体、例えば、相互接続の形態で既に導体構造体を有しているかもしれない。これら相互接続は構造化されたガラス層を堆積させる工程の前に直接基板に塗布されてもよい。特に、次には、基板に直接塗布された相互接続上にコンタクト−コネクション領域を設け、かつ次いで該コンタクト−コネクション領域を後で絶縁性ガラス層に塗布される導体構造体に接触させることが可能である。このような方法で、ガラス層を堆積させ、次いで少なくとも1つの導体構造体をガラス層に塗布する工程をちょうど一回実行した後に、高周波用途に適した多層相互接続系を、あるいは高周波用途に適した多層導体構成を形成することが可能となる。当然、このコンテクストでは、ガラス層を堆積させる工程および導体構造体を塗布する工程を繰り返し実行することによって、特に電気構成要素もそこに組み込んだ3次元相互接続系のさらなる層を形成することがさらに可能である。
【0052】
本発明のさらに別の実施形態は、基板の第1の側上に1つまたは複数の能動半導体領域を有する半導体基板を含む基板を提供する。一例として、この基板は集積半導体回路を含んでよい。この場合、前記少なくとも1つの導体構造体は、それが塗布される間に能動半導体領域の接続場所に接続され得るので、導体構造体との、故に導体構成とも電気的接触が得られる。
【0053】
これまで、例えば、LTCCモジュールにおいては、セラミックは半導体ビルディング・ブロックのキャリアを形成するように、個々の半導体ビルディング・ブロックをモノリシック形態でセラミック内の空洞に集積する方針が取られてきた。対照的に、本発明により逆の方針を取ることが可能となるので、導体構成はチップに直接塗布され、故にチップは導体構成のキャリアとして機能する。
【0054】
本発明のさらなる実施形態は少なくとも1つのバイアを有する基板を提供する。次いで、少なくとも1つの導体構造体は、それが塗布されている間に、基板を通るバイアに接続され得る。特に、本発明のこの実施形態によって、基板の一方の側上の構造体を基板の別の側上の高周波導体構成に接続することができる。
【0055】
単層あるいは多層導体構成が基板上に完成すると、先に塗布された層を被覆するようにさらなる最終ガラス層を蒸着コーティングによって堆積させることがさらに可能である。基板上で導体構成のコンタクト−コネクションを可能にするために、少なくとも1つのバイアを最終ガラス層を介して形成することが有利には可能である。このガラス層はその下にある導体構成のガラス層と同じ方法で形成され得る。このさらなる層は、外部に対して導体構成を絶縁する絶縁層として機能することができる。
【0056】
本発明の構成要素を経済的に製造するために、複数の構成要素が同時に加工されるように、基板がまだウェハに接合されている間に基板を被覆することも有利である。
【0057】
本出願と同日に本出願人によって出願された「PrOcess fOr prOducing a cOmpOnent with a cOnductOr arrangement suitaBle fOr radiO−frequency appLicatiOns」と題された国際特許出願は、蒸着コーティングによって堆積されるガラス層が絶縁層として使用される高周波導体構成を有する構成要素およびその製造方法を開示している。特に本発明のガラス材料は上記出願の方法および構成要素にも使用することができ、この点に関し上記出願の開示の内容が本願明細書に参照によって明示的に組み入れられている。
【0058】
本願明細書および上記に参照した本出願人の名による「PrOcess fOr prOducing a cOmpOnent having a cOnductOr arrangement which is suitaBle fOr radiO−frequency appLicatiOns」と題する組み入れられた国際特許出願に記載された方法および構成要素は、本発明のガラス材料の使用に特に適している。しかし、当然、本発明のガラス材料を用いて、高周波用途のために類似の構成要素または他のタイプの構成要素を形成することも可能である。したがって、本発明の1つの態様は一般に、そのような素子の高周波特性を改善するために、高周波導体構造体または高周波基板用の絶縁層を形成する本発明のガラス材料の使用に関する。
【0059】
以下の説明においては、本発明が例示的実施形態に基づき、かつ図面を参照してより詳細に説明され、そこでは同一または類似の要素には同じ参照番号を付し、種々の実施形態の特徴は相互に組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】基板の対抗する側に2つの導体構成を有する本発明のさらなる実施形態を示す断面図である。
【図3A】本発明の方法の一実施形態に関連する工程を示す断面図である。
【図3B】本発明の方法の一実施形態に関連する工程を示す断面図である。
【図3C】本発明の方法の一実施形態に関連する工程を示す断面図である。
【図3D】本発明の方法の一実施形態に関連する工程を示す断面図である。
【図3E】本発明の方法の一実施形態に関連する工程を示す断面図である。
【図3F】本発明の方法の一実施形態に関連する工程を示す断面図である。
【図3G】本発明の方法の一実施形態に関連する工程を示す断面図である。
【図4A】図3B〜3Eに示した本発明の方法の処理工程の一変形例である。
【図4B】図3B〜3Eに示した本発明の方法の処理工程の一変形例である。
【図4C】図3B〜3Eに示した本発明の方法の処理工程の一変形例である。
【図4D】図3B〜3Eに示した本発明の方法の処理工程の一変形例である。
【図4E】図3B〜3Eに示した本発明の方法の処理工程の一変形例である。
【図5】ウェハにまだ接合された状態で導体構成を備えた本発明の構成要素の実施形態を示す断面図である。
【図6】ウェハにまだ接合された状態で導体構成を備えた本発明の構成要素の実施形態を示す断面図である。
【図7】ウェハにまだ接合された状態で導体構成を備えた本発明の構成要素の実施形態を示す断面図である。
【図8】RF測定構造体用の層構成を示す略図である。
【図9】開放共平面導波路CPW1/2用の層構成を示す略図である。
【図10】埋め込み共平面導波路CPW3用の層構成を示す略図である。
【図11】測定した試験片の特性を示す表であり、測定値は以下の図12〜23に示す。
【図12】試験片G1ACPW2_2(ガラス8329)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図13】試験片G1ACPW2_2(ガラス8329)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図14】試験片G1ACPW2_2(ガラス8329)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図15】試験片G1ACPW3_2(ガラス8329)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図16】試験片G1ACPW3_2(ガラス8329)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図17】試験片G1ACPW3_2(ガラス8329)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図18】試験片G2ACPW2_6(ガラスG018−189)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図19】試験片G2ACPW2_6(ガラスG018−189)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図20】試験片G2ACPW2_6(ガラスG018−189)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図21】試験片G2ACPW3_2(ガラスG018−189)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図22】試験片G2ACPW3_2(ガラスG018−189)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【図23】試験片G2ACPW3_2(ガラスG018−189)の散乱パラメータの大きさおよび位相プロファイルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は本発明の構成要素の第1の実施形態の簡略化した断面図であり、全体を参照番号10で示し、第1の側3および該第1の側3と反対にある側5を含んだ基板1を有しており、同様に高周波導体構成は基板の第1の側3上に配置され、かつ参照番号4によって全体が示されている。導体構造体61〜64を含む層6が基板1上に配置されている。この導体構造体61〜64は、例えば、相互接続であってよい。さらに、導体構造体61〜64のいくつかは受動電気構成要素として形成されてもよい。コンタクト−コネクション領域71〜74が基板1の第1の側3上のこれら導体構造体61〜64上に形成されている。層6の導体構造体が塗布された後、絶縁ガラス層9が蒸着コーティングによって構造化された形態で基板の第1の側3上に堆積されるので、このガラス層はコンタクト−コネクション領域71〜74上に開口部8を有する。この開口部8は導電性充填物19によって充填されるので、各場合において導電性充填物と組み合わされた開口部が絶縁ガラス層9を貫通するバイアを形成する。さらなる導体構造体111、112、113を有する層11が前記ガラス層9に塗布される。この導体構造体111、112、113はそれぞれ、少なくとも1つのバイアと接触するので、この導体構造体111、112、113は層6の導体構造体61〜64に電気的に接続される。したがって、基板は多層導体構成を有し、個々の層6および11は優れた高周波特性を有する絶縁ガラス層9によって分離される。
【0062】
用途に応じて、ガラス層9は0.05μm〜5mmの範囲の厚さを有してよく、便宜的には0.05μm〜1mmの範囲の厚さを有するガラス層が蒸着コーティングによって形成される。
【0063】
導体構造体111、112、113の外側絶縁として働くさらなる最終的な蒸着コーティングガラス層13が、導電構造体111、112、113を含む層11上に堆積される。これら導体構造体のコンタクト−コネクションを可能にするために、さらに、導電構造体111、112、113と接触するさらなるバイア15が最終的な蒸着コーティングガラス層13内に存在している。加えて、構成要素10が、例えば、SMT回路基板に固定かつ接続されるために、溶着ビード17がバイア15に塗布される。
【0064】
層9、13を形成するために、本発明のガラス材料を含むターゲットを電子ビーム蒸着法によって蒸着し、基板1上に堆積させることが好ましい。
【0065】
絶縁層9、13を形成するのに用いられるガラス材料は、層厚が0.05μm〜5mmの範囲の塗布層として、1GHzを超える少なくともある周波数範囲において50×10−4以下の損失係数tanδを有する、特に本発明のガラスである。
【0066】
上記のガラス8329および特にG018−189がその優れた高周波特性のために、この目的に特に適している。
【0067】
図2は本発明の構成要素10のさらなる実施形態の断面図である。この実施形態は、2つの対向する側3および5の各々の上に高周波導体構成41および42をそれぞれ有する。この導体構成41および42は図1に示した実施形態の導体構成4と類似する構造である。
【0068】
詳細には、再度各場合において導体構成41および42は、蒸着コーティングによって塗布されたガラスのガラス層9を有し、これは開口部の下に設けられたコンタクト−コネクション領域と電気的に接触するスルー・コンタクトのための導電性材料が存在する開口部を有する。それら部分に関してバイアと接触する導体構造体を有する層6は、各場合において導体構成41および42のガラス層9上に配置されている。図1に示した実施形態においても同様に、ガラス層9上の導体構造体はさらなる最終的な蒸着コーティングガラス層13で被覆され、ここでは構成要素の接続用のバイア15が存在している。
【0069】
図3A〜3Gは断面図を用いて、本発明の方法の一実施形態に従って本発明の構成要素の製造に関連する工程を示している。
【0070】
図3Aは第1の処理工程後の基板1を示し、特に適した相互接続のような導体構造体61〜64を含んだ層6が高周波導体構成が塗布される側の上に形成されている。これらの導体構造体は、例えば、図3Aには示していない基板の電子部品のコンタクト場所であってよいか、あるいはそのようなコンタクト場所に接続されてよい。
【0071】
次に、さらなる処理工程では、ガラス層が堆積され、このガラス層は表面の下のコンタクト−コネクション領域71〜74の上に開口部を有する。この目的のために、まず図3Bの下部に示すように、さらなる工程では対応するコンタクト−コネクション領域71〜74を被覆する構造体21を有する構造化された中間層が塗布される。これは適したフォトレジスト・コーティングのフォトリソグラフィ構造化によって実現されるのが好ましい。しかし、代替的には、構造体21を形成するために、例えば、表面の印刷などの別の方法を用いることも可能である。
【0072】
次に、図3Cに示すように、ガラス層9が蒸着コーティングによって塗布され、このガラス層は中間層の構造体21によって被覆されるコンタクト−コネクション領域71〜74と、ベースの表面を囲繞する領域の両方を被覆する。このコンテクストでは、ガラス層9の厚さは構造化された中間層の厚さより薄いことが好ましい。次に、中間層の構造体21を被覆しているか、あるいは構造化された中間層上に位置するガラス層9の領域90がガラス層によって持ち上げられた状態で、この中間層が除去される。
【0073】
図3Dはこの工程後の基板を示しており、したがってここでは下の表面のコンタクト−コネクション領域71〜74上に開口部8を備えたガラス層9を有している。次に、図3Eに示すように、開口部8が、例えば、導電性材料19によって充填され得る。次に、図3Fに示すように、導体構造体111、112、113および受動構成要素23を含む層11がガラス層9に塗布され得る。構成要素23は、例えば、コンデンサ、抵抗器、コイル、バリスタ、PTC、NTC、またはフィルタ素子を含んでよい。特に、コンデンサおよびコイルは、相互の上に設けられ、かつ蒸着コーティングガラス層を介して相互に絶縁された個々の層の導体構造体によって実現されてもよい。一例として、個々の層11の個々の層6の導体構造体およびその上に位置する、個々の層11のさらなる導体構造体をこの目的に用いることができる。
【0074】
例えば、さらなる凹状に構造化された中間層の塗布および導電性材料の堆積によって導体構造体を塗布することができ、導体構造体111、112、113が開口部8内の導電性材料19と接触するので、それぞれ関連するコンタクト−コネクション領域71〜74との電気的接続または電気的接触も形成される。
【0075】
導体構造体は、例えば、異なる材料を用いた複数の工程において実行される導体構造体の塗布によって、異なる導電性材料または半導体材料を含む構造体を有してもよい。これによって、さらなる機能性を導体構成に組み込むことも可能となり、例えばこれによって半導体−金属コンタクトまたは熱電コンタクトが形成される。
【0076】
図3Eに示した導電性材料19を用いたガラス層9を貫通するバイアの形成および図3Fに示した導体構造体の塗布は、1回の工程で実行されてもよい。一例として、導体構造体19は電気めっきで形成され得るので、最初に堆積される材料はコンタクト−コネクション領域71〜74を始点として、開口部8を充填し、次にガラス層9の表面上で成長を続けて、その材料はそこで導体構造体を形成し、また意図される場合、受動構成要素23を形成してよい。蒸着コーティングまたはスパッタリングによって導体構造体111、112、113を形成することも可能であり、この場合コンタクト−コネクション領域71〜74および開口部8の縁部を被覆することも可能であるので、対応する導体構造体はコンタクト−コネクション領域71〜74と電気的に接触する。
【0077】
次に、中間層上に堆積された導電性材料がまた持ち上げられ、かつガラス層9の表面を含む意図される導体構造体および任意の塗布された構成要素が適所に残された状態で、中間層が再度除去され得る。
【0078】
続いて、導体構成のさらなる層を形成するために、例えばガラスG018−189などの本発明によるガラス材料を用いて基板の上に蒸着コーティングすることにより、コンタクト−コネクション領域上に開口部を有する構造化ガラス層を堆積させる図3B〜3Fに示した工程と導体構造体を塗布する工程を繰り返すことができる。この場合、後の段階で塗布される導体構造体は先の段階で塗布された導体構造体のコンタクト−コネクション領域に接触され得る。
【0079】
この目的のために、図3F〜3Gに示すように、再度、構造体21を有する中間層が被覆された基板1の表面の対象とするコンタクト−コネクション領域75、76に塗布され、該コンタクト−コネクション領域は便宜的には塗布された導体構造体またはバイアの上にも位置する。次に、該ガラス層91内の開口部を通るバイアを有するさらなる絶縁ガラス層91が、コンタクト−コネクション領域75、76上に形成され、この形成は図3C〜3Eに関して記載した処理工程と同様に実行される。
【0080】
図4A〜4Eは図3B〜図3Eに関して示した本発明の方法の処理工程の一変形例を示している。本発明の方法のこの変形例は導電性材料に基づいており、それぞれのコンタクト−コネクション領域に隣接する領域に対して突出し、かつ中間層の構造体によって被覆され、蒸着コーティングによってガラス層を塗布する前にコンタクト−コネクション領域に塗布される。次に、この導電性材料がバイアを形成する。
【0081】
詳細には、図4Aに関して示すように、まず図3Aのように準備された基板1を始点として、導電層25が形成され、次にフォトリソグラフィで構造化可能な中間層27が形成される。
【0082】
図4Bは中間層27のフォトリソグラフィ構造化後の基板を示している。この層は意図されるコンタクト−コネクション領域71〜74を被覆する構造体21が適所に残るように構造化されている。次に、図4Cに示すように、導電層25がコンタクト−コネクション領域71〜74を囲繞している被覆されていない領域から除去される。これは例えば、エッチングなどの当該技術では標準的な方法で実行され得る。したがって、コンタクト−コネクション領域71〜74は、それぞれのコンタクト−コネクション領域と隣接する領域に対して隆起しているか、あるいは突出し、かつ各場合において中間層27の構造体21によって被覆された導電性材料によって被覆される。
【0083】
次に、図4Dに示すように、絶縁ガラス層9が本発明によるガラス材料の蒸着を用いて蒸着コーティングによって塗布され、ガラス層9の厚さは隆起した導電性材料19の厚さにほぼ相当するように選択されるのが好ましい。最終的に、中間層の構造体21は、例えば、適した溶剤を用いて除去され、この工程では構造体21を被覆するガラス層9の領域90が持ち上げられる。その結果、それぞれのコンタクト−コネクション領域上に開口部を含み、かつ該開口部に設けられる導電性材料の形態でバイアを含んだガラス層を有する基板が得られる。この処理状態を図4Eに示す。導電性材料19の厚さに匹敵するガラス層9の厚さを適切に選択した結果、導電性材料の表面およびガラス層9の表面はほぼ同じ高さになるので、結果として平坦な表面が得られる。次に、図3F〜3Gに関して説明したように、この工程が継続されてよく、この場合、図4A〜4Eに関して説明したのと同じ方法あるいは同様の方法で、バイアを用いて、図3Gの第2のガラス層91および任意のさらなるガラス層を製造することができる。
【0084】
本発明の方法の有利な改善によれば、構成要素10はまだウェハに接合されたままで、基板を被覆することによって形成される。この点で、図5〜7は被覆されたウェハ2の種々の実施形態を示しており、構成要素はウェハから個々の基板1を分離することによって得られる。
【0085】
図5は本発明の一実施形態を示しており、ここでは半導体ウェハ2はひと続きのガラスおよび相互接続層を備えている。この目的に使用されるウェハ材料は、シリコンであることが好ましく、これはこの材料が蒸着コーティングガラスの熱膨張係数と非常によくマッチする熱膨張係数を有していることによる。まだウェハに接合されている間に一旦基板が被覆され、かつ一旦図5に示した処理状態が形成されると、高周波用途に適した導体構造体を有する構成要素10を最終的に得るために、個々の基板1が、意図される分離軸線29に沿って分割されることによって分離される。
【0086】
第1の側3上で、ウェハ2は接続場所35に接続された個々の能動半導体領域33を有する。
【0087】
本発明のこの実施形態では、導体構成4はウェハ2の第2の側5上、あるいはウェハ2の基板1の第2の側5上に設けられ、この第2の側は能動半導体領域33を有する第1の側とは反対側に存在する。
【0088】
わかりやすくするために導体構成4が簡略化した形態で示されており、特に、導体構造体はすべて参照番号100で示されている。導体構成4の個々の層は有利には図3A〜3Gおよび/または図4A〜4Eに関して説明したように形成されてよい。特に、図5に示した導体構成4も多層形態で形成され、したがってこの目的のために構造化ガラス層を堆積させ、かつ導体構造体100を塗布する工程が相応して多数回にわたって実行され、かつ後の段階で塗布される導体構造体100が、先の段階で塗布された導体構造体100のコンタクト−コネクション領域に接触される。
【0089】
さらに、接続場所35に電気的に接続される基板1を貫通するバイア37が、ウェハ2内に導かれる。このバイアは好適には、第2の側5からエッチ・ストップとして同時に機能する好適な金属性の接続場所35までピットをウェハにエッチングすることによって形成されてよい。次に、受動層39がエッチ・ピットの壁上に形成され、このエッチ・ピットは導電性材料43で充填される。側3上で被覆されていない、バイア37の導電性材料43は、導体構成4の導体構造体100のためにコンタクト−コネクション領域として働く。
【0090】
さらに、バイアを有する第2の側5の表面の領域は、導体構成4の導体構造体100のいくつかのためにコンタクト−コネクション領域として使用される。したがって、これら導体構造体100が予め堆積されたガラス層9を塗布する間にコンタクト−コネクション領域と接触される場合、したがって、この導体構造体も基板1の第1の側上の接続場所35に電気的に接続される。このようにして、導体構成を介して能動半導体領域33を提供することおよび能動半導体領域からの電気信号を導体構成4の導体構造体100に放出することが可能となる。
【0091】
ウェハからの分離により次に得られる構成要素を封止かつ保護するために、図5に示した実施形態も側3上に蒸着コーティングガラスおよび可塑性カバー31の付加的な封止層14を備えている。
【0092】
図6は本発明のさらなる実施形態を示し、同様にウェハに接合されている基板が導体構成4で被覆されている。本発明のこの実施形態は図5に示した実施形態と類似している。図6に示した実施形態では、個々の基板1に割当てられた能動半導体領域33を有する半導体ウェハ2も使用されている。図5に示した実施形態のように、導体構成4の第1のガラス層9に導体構造体100を塗布する間に、能動半導体領域33の接続場所35が導体構造体100に接続される。
【0093】
しかし、図5に示した実施形態とは異なり、導体構成4のガラス層9、91、92、93、および13は、基板1の第1の側3上に蒸着コーティングによって塗布され、この上には能動半導体領域33も設けられている。導体構成4の低部のガラス層9内のバイア15はコンタクト場所35に直接塗布され、したがってコンタクト場所35は第1のガラス層9上の対応する導体構造体100に対する基板1のコンタクト−コネクション領域を形成する。
【0094】
一例として図5および6に示すように、被覆されたウェハ2の分離によって得られる構成要素10は、例えば、10GHzを超える周波数、特に、約40GHz以上の範囲の周波数用の高周波伝送/受信モジュールとして設計されてよい。
【0095】
図7は本発明のウェハにまだ接合された状態の高周波導体構成4を備えた基板1のさらに別の実施形態を示している。この場合、ガラス層9、91、92、93、13および導体構造体100を含んだ導体構成4は、基板1が同様にバイア37を有するウェハに塗布されている。基板1および導体構成4を有する構成要素10はウェハから分離された後、構成要素10の外部コンタクト場所に接続され得るさらなる構成要素用の高周波再配線基板として働く。この目的のため、表面実装技術を用いてさらなる構成要素を設けかつ接続できるように、外部コンタクト場所は、例えば、溶着ビード17を備えている。この場合、基板1は能動構成要素を有していない。したがって、基板ウェハ2はガラスまたは可塑物などの絶縁材料から製造されてもよい。ウェハまたは基板1の構成要素10の材料として使用されるのに特に適したガラスはBOrOflOat(登録商標)33ガラスであり、これは好適な蒸着コーティングガラスの熱膨張係数に実質的に一致する熱膨張係数を有している。
【0096】
RF特性の特徴を示すために、図8は測定した試験用構造体の厚さを含む概略的な層構成を示す。図9および10は開放および埋め込み共平面導波路の実現された構造体を示している。下に示した散乱パラメータS12、S21、S11およびS22の測定値はこれら構造体に基づいて実現された。図12〜23に示す選択された測定用の試験片の記号は、図11に示した表に記載している。
【0097】
図12〜14は散乱パラメータS11およびS22、S12およびS21の大きさ、およびアルミニウムの相互接続間の絶縁体としてガラス8329を用いた開放共平面導波路の散乱パラメータS12およびS21の位相プロファイルを示す。散乱パラメータS12およびS21は伝送減衰とも呼ばれ、散乱パラメータS11およびS22は反射減衰と呼ばれる。
【0098】
図12はこの試験片において−20dB〜−40dBから最大で50GHzの範囲では、信号の反射S11およびS22が著しく低いことを明白に示している。さらに、図13に示した測定値からは、最大で50GHzの範囲では散乱パラメータS12およびS21の減衰の値は−2dBより小さく低いことが明らかである。それぞれの周波数における電気信号の伝送に対する値を表している散乱パラメータS12およびS21は、最大で50GHzの範囲を示す。散乱パラメータS21の線形位相のプロファイルは、最大で50GHzの範囲では分散が非常に低いということである。
【0099】
図12〜14に関して示した測定値はまた、以下のさらなる試験片で実行された測定によって検証され得る:
図15〜17はガラス8329を用いた埋め込み共平面導波路の測定値を示す。
【0100】
図18〜20はガラス8329を用いた開放共平面導波路の測定値を示す。
【0101】
図21〜23はガラスG018−189を用いた埋め込み共平面導波路の測定値を示す。
【0102】
上記測定値から、RFガラスG018−189を用いたときに散乱パラメータS12およびS21の減衰がより低い方に向かうことが明らかとなった。
【符号の説明】
【0103】
1 基板
2 半導体ウェハ
3 1の第1側
4、41、42 導体構成
5 1の第2側
6 1の上の導電構造物を有する層
61〜64 6の導体構造体
71〜74 コンタクト−コネクション領域
8 コンタクト−コネクション領域71〜74の9の開口部
9、91〜93 蒸着コーディングガラス層
10 構成要素
11 導体構造物を有する層
100、111、112、113 導体構造体
13 最終的な蒸着コーディングガラス層
14 蒸着コーディングガラスの封止層
15 バイア
17 溶着ビード
19 導電性材料
21 中間層のレジスト構造体
23 受動電気構成要素
25 導電層
27 フォトリソグラフィで構造化可能な中間層
29 分離軸線
31 可塑性カバー
33 能動半導体領域
35 33の接続場所
37 1を貫通するバイア
39 受動層
43 37の導電性充填物
75、76 コンタクト−コネクション領域
90 レジスト構造体上の蒸着コーティングガラス層の領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1GHzを超える少なくともある周波数範囲において70×10−4以下の損失係数tanδを有し、塗布層(9、91、92、93、13)として特に0.05μm〜5mmの範囲、好適には0.05μm〜1mmの範囲の層厚を有する、高周波基板または高周波導体構成用の絶縁層を形成するガラス材料であって、重量百分率で以下の組成を有する:
SiO71±5、
26±5、
Al1±0.2、
O 1±0.2、
LiO 0.5±0.2、
NaO 0.5±0.2。
【請求項2】
ガラス材料を含み、かつ1GHzを超える少なくともある周波数範囲において70×10−4以下の損失係数tanδを有し、特に0.05μm〜5mmの範囲、好適に0.05μm〜1mmの範囲の層厚を有する高周波基板または高周波導体構成用の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項3】
約40GHzの範囲の周波数において50×10−4以下の損失係数tanδを有する請求項1に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項4】
40GHzの周波数において30×10−4以下の損失係数tanδを有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項5】
蒸着されたガラス材料の堆積によって形成される請求項1乃至4の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項6】
電子ビーム蒸着法によって蒸着されたガラス材料の堆積によって形成される請求項1乃至5の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項7】
1300℃より低い動作点において形成される請求項1乃至6の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項8】
1GHzを超える少なくともある周波数範囲において5以下の相対誘電率εを有する請求項1乃至7の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項9】
40GHzの周波数において、5以下の相対誘電率ε、特に5より小さい相対誘電率εを有する請求項1乃至8の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項10】
20℃〜300℃の温度範囲において2.9×10−6/K〜3.5×10−6/Kの範囲でα20〜300の熱膨張係数を有する請求項1乃至9の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項11】
20℃〜300℃の温度範囲において熱膨張係数α20〜300=(3.2±0.2)×10−6/Kを有する請求項1乃至10の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項12】
絶縁層が基板材料の熱膨張係数とは20℃〜300℃の温度範囲において1×10−6/K未満だけ異なる熱膨張係数を有する、基板材料に塗布される請求項1乃至11の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項13】
耐酸性クラス2までの耐酸性を有する請求項1乃至12の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項14】
耐アルカリ性クラス3までの耐アルカリ性を有する請求項1乃至13の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13)。
【請求項15】
重量百分率で以下の組成を有するガラス材料から形成される請求項1乃至14の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13):
SiO40〜90、
10〜40、
Al0〜5、
O 0〜5、
LiO 0〜3、
NaO 0〜3。
【請求項16】
重量百分率で以下の組成を有するガラス材料から形成される請求項1乃至15の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13):
SiO60〜90、
105〜305、
Al0〜3、
O 0〜3、
LiO 0〜2、
NaO 0〜2。
【請求項17】
重量百分率で以下の組成を有するガラス材料から形成される請求項1乃至16の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13):
SiO71±5、
26±5、
Al1±0.2、
O 1±0.2、
LiO 0.5±0.2、
NaO 0.5±0.2。
【請求項18】
重量百分率で以下の組成を有するガラス材料から形成される請求項1乃至17の何れか1項に記載の絶縁層(9、91、92、93、13):
SiO84±5、
11±5、
Al0.5±0.2、
O 0.3±0.2、
LiO 0.3±0.2、
NaO 2±0.2。
【請求項19】
高周波導体構成(4、41、42)を有する構成要素(10)を形成する方法であって、
特に請求項1に記載のガラス材料を用いて、少なくとも1つの開口部(8)を有する、特に請求項1乃至18の何れか1項に記載の構造化されたガラス層(9、91、92、93、13)を基板(1)上のコンタクト−コネクション領域(71〜74)の上に堆積させる工程と、
前記コンタクト−コネクション領域(71〜74)と電気的に接触する、少なくとも1つの導体構造体(100、111、112、113)を前記ガラス層(9、91、92、93)に塗布する工程とから構成される方法。
【請求項20】
前記ガラス層がガラス材料の蒸着によって堆積される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの導体構造体と接触する少なくとも1つの受動電気構成要素が、前記ガラス層(9、91、92、93)に塗布される請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
先の段階で塗布された導体構造体のコンタクト−コネクション領域に後の段階で塗布される導体構造体を接触させた状態で、構造化されたガラス層を堆積させる前記工程と、少なくとも1つの導体構造体(111、112、113)を塗布する前記工程が多数回にわたって実行される請求項19乃至21の何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの開口部(8)を有する構造化されたガラス層(9、91、92、93、13)を蒸着コーティングによってコンタクト−コネクション領域(71〜74)の上に堆積させる前記工程が、
前記コンタクト−コネクション領域を被覆する構造化された中間層(21)を塗布する工程と、
蒸着コーティングによって前記基板および該基板上に存在する前記中間層(21)にガラス層(9、91、92、93、13)を塗布する工程であり、該ガラス層(9、91、92、93、13)の厚さは前記構造化された中間層(21)の厚さより薄いことが好ましい工程と、
前記構造化された中間層(21)上に位置する前記ガラス層(9、91、92、93、13)のそれら領域(90)がガラス層によって持ち上げられた状態で、前記構造化された中間層(21)を除去する工程とから構成される請求項19乃至22の何れか1項に記載の方法。
【請求項24】
蒸着コーティングによって前記ガラス層を塗布する前に、前記コンタクト−コネクション領域に隣接する領域に対して突出する導電性材料(19)が、前記少なくとも1つのコンタクト−コネクション領域(71〜74)に塗布され、且つこの材料(19)が前記構造化された中間層(21)によって被覆される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記構造化された中間層(21)が印刷またはフォトリソグラフィ構造化によって形成される請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
導体構造体の塗布が、少なくとも凹状に構造化された中間層を塗布する工程および導電性材料を堆積させる工程を含んだ請求項19乃至25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
構造化されたガラス層(9、91、92、93、13)を堆積させる工程の前に、少なくとも1つの導体構造体、特に相互接続が前記基板に塗布される請求項19乃至26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
請求項1乃至17の何れか1項に記載のガラス材料を用いて最終ガラス層(13)を堆積し、かつ該最終ガラス層(13)に少なくとも1つのバイア(15)を形成する工程
を含む請求項19乃至27の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記基板(1)が能動半導体領域(33)を有する半導体基板を含み、前記少なくとも1つの導体構造体(100、111、112、113)が、それが塗布されている間に、前記能動半導体領域(33)の接続場所(3、5)に接続される請求項19乃至28の何れか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの導体構造体(100、111、112、113)が、それが塗布されている間に前記基板(1)を通るバイア(37)に接続される請求項19乃至29の
何れか1項に記載の方法。
【請求項31】
蒸着コーティングによって前記ガラス層(9、91、92、93、13)を塗布する間に、前記基板(1)が50℃〜200℃、好適には80℃〜120℃に保たれる請求項19乃至30の何れか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記ガラス層(9、91、92、93)が、1分当たり少なくとも0.1μmの層厚の堆積速度の蒸着コーティングによって塗布される請求項19乃至31の何れか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記ガラス層(9、91、92、93、13)内の前記少なくとも1つの開口部(8)が導電性材料(19)で充填される請求項19乃至32の何れか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記基板(1)がまだ前記ウェハに接合されている間に被覆される請求項19乃至33の何れか1項に記載の方法。
【請求項35】
蒸着コーティングによるガラス層(9、91、92、93、13)の塗布がプラズマ・イオン支援堆積法(PIAD)によって行われる請求項19乃至34の何れか1項に記載の方法。
【請求項36】
特に請求項19乃至35の何れか1項に記載の方法を用いて形成される、高周波導体構成(4、41、42)を有する構成要素(10)であって、
少なくとも1つのコンタクト−コネクション領域(71〜74)を有する基板(1)と、
前記基板(1)の少なくとも一方の側(3、5)上にあって、バイアを有する少なくとも1つの開口部(8)を備えたガラス層であり、該ガラス層は特に請求項1乃至17の何れか1項に記載のガラス材料の蒸着によって堆積され、かつ該バイアは前記コンタクト−コネクション領域(71〜74)と電気的に接触するガラス層と、
前記バイアと接触する、前記ガラス層(9、91、92、93)上の少なくとも1つの導体構造体(100、111、112、113)とを備えた構成要素(10)。
【請求項37】
前記少なくとも1つの導体構造体(100、111、112、113)に接続された少なくとも1つの受動電気構成要素(23)を前記ガラス層(9、91、92、93、13)上に含む請求項36に記載の構成要素。
【請求項38】
蒸着コーティングによって塗布され、かつ各々該ガラス層に塗布された導体構造体(100、111、112、113)を含む少なくとも2つのガラス層(9、91、92、93、13)を有する多層導体構成(4、41、42)を備え、第1のガラス層上の導体構造体がバイア(15)を介して第2のガラス層上の導体構造体と電気的に接触する請求項36及び37の何れか1項に記載の構成要素。
【請求項39】
前記基板(1)が、前記基板(1)の第1の側(3)上に、前記導体構造体に接続された少なくとも1つの能動半導体領域(33)を有する半導体基板を含む請求項36乃至38の何れか1項に記載の構成要素。
【請求項40】
1GHzを超える少なくともある周波数範囲において70×10−4以下の損失係数tanδを有し、塗布層(9、91、92、93、13)として特に0.05μm〜5mmの範囲、好適には0.05μm〜1mmの範囲の層厚を有する、高周波基板または高周波導体構成用の絶縁層を形成するガラス材料の使用。
【請求項41】
前記材料が、特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する塗布層(9、91、92、93、13)として、約40GHzの範囲の周波数において50×10−4以下の損失係数tanδを有する請求項2に記載のガラス材料の使用。
【請求項42】
前記材料が、特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する塗布層(9、91、92、93、13)として、40GHzの周波数において30×10−4以下の損失係数tanδを有する請求項40及び41の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項43】
層(9、91、92、93、13)を堆積させるために、前記ガラス材料を蒸着することのできる請求項40乃至42の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項44】
電子ビーム蒸着法によって前記ガラス材料を蒸着することのできる請求項40乃至43の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項45】
前記ガラス材料が1300℃より低い動作点を有する請求項40乃至44の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項46】
前記ガラス材料が、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、1GHzを超える少なくともある周波数範囲において5以下の相対誘電率εを有する請求項40乃至45の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項47】
前記ガラス材料が、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、40GHzの周波数において、5以下の相対誘電率ε、特に5より小さい相対誘電率εを有する請求項40乃至46の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項48】
前記ガラス材料が、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、20℃〜300℃の温度範囲において2.9×10−6/K〜3.5×10−6/Kの範囲でα20〜300の熱膨張係数を有する請求項40乃至47の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項49】
前記ガラス材料が、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、20℃〜300℃の温度範囲において熱膨張係数α20〜300=(3.2±0.2)×10−6/Kを有する請求項40乃至48の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項50】
前記ガラス材料が、塗布層として特に0.05μm〜5mmの範囲の層厚を有する、基板材料の熱膨張係数とは20℃〜300℃の温度範囲において1×10−6/K未満だけ異なる熱膨張係数を有する請求項40乃至49の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項51】
前記ガラス材料が、塗布層として、耐酸性クラス2までの耐酸性を有する請求項40乃至50の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項52】
前記ガラス材料が、塗布層として、耐アルカリ性クラス3までの耐アルカリ性を有する請求項40乃至51の何れか1項に記載のガラス材料の使用。
【請求項53】
重量百分率で以下の組成を有する請求項40乃至52の何れか1項に記載のガラス材料の使用:
SiO40〜90、
10〜40、
Al0〜5、
O 0〜5、
LiO 0〜3、
NaO 0〜3。
【請求項54】
重量百分率で以下の組成を有する請求項40乃至53の何れか1項に記載のガラス材料の使用:
SiO60〜90、
105〜305、
Al0〜3、
O 0〜3、
LiO 0〜2、
NaO 0〜2。
【請求項55】
重量百分率で以下の組成を有する請求項40乃至54の何れか1項に記載のガラス材料の使用:
SiO71±5、
26±5、
Al1±0.2、
O 1±0.2、
LiO 0.5±0.2、
NaO 0.5±0.2。
【請求項56】
重量百分率で以下の組成を有する請求項40乃至55の何れか1項に記載のガラス材料の使用:
SiO84±5、
11±5、
Al0.5±0.2、
O 0.3±0.2、
LiO 0.3±0.2、
NaO 2±0.2。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−153927(P2010−153927A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86382(P2010−86382)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【分割の表示】特願2004−508402(P2004−508402)の分割
【原出願日】平成15年5月23日(2003.5.23)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany