説明

高圧冷凍システムにおける圧力除去装置の取付

複数の圧力除去装置が冷媒回路内に設けられ、各圧力除去装置は、外気と流体的に連通するコンパートメント内に配設される。解放された高圧蒸気がコンパートメントの後壁に導かれるように、各圧力除去装置が配向される。さらに、解放された蒸気を部分的に内包し、一方向のみに蒸気を排出するように各圧力除去装置に対してカバーが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式冷凍システムに関し、特に、二酸化炭素(CO2)冷凍システムにおける高圧力除去装置を取り付ける方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍トラック、貨物トレーラおよび冷凍コンテナなどの移動冷凍システムにおいて、圧縮機がシステム内の冷媒を圧縮するように作動する間、かなりの圧力がシステムの吐出側(すなわち、高圧側)に集中する。そのため、蒸気圧縮回路は、圧力を安全に内包するように構成される。しかし、圧力が安全レベルを越える箇所において問題が生じる場合がある。したがって、過度の圧力が生じる前に圧力を除去する手段を設ける必要がある。
【0003】
1つの確立された対策として、冷凍システムの高圧側に3つのレベルの安全策が講じられる。3つのレベルは、以下に示す優先順で連続して適用される。第1のレベルは、ソフトウエア上で実行され、圧力変換器の読み取り値に基づく。すなわち、所定の圧力レベルが検知されると、冷媒流を制限し、圧縮機やシステムを停止するか、あるいは一時的にシステムを停止して圧力が許容範囲まで降下した後に再始動する処置が講じられる。
【0004】
第2のレベルは、システムを停止するか、システムを一時的に停止して一定時間後に再始動するように、検知された圧力に応じる機械的な圧力スイッチによって実行される。
【0005】
第3のレベルは、所定の圧力レベルを越えた場合に、少なくとも部分的に冷媒を周囲環境に解放するように、応答可能に開く機械的な圧力除去装置によって実行される。
【0006】
最近では、一般的に使用される冷媒が漏洩などにより大気へ放出されることによる環境への影響が問題となっている。この問題に対処する1つの方法として、フレオン(商標登録)などの従来の冷媒に替えて、より害の少ない冷媒として二酸化炭素(CO2)などを用いることが挙げられる。しかし、このような冷媒を用いた場合、実質的に高圧の作動が要求されるため、CO2を圧縮するように圧縮機を特別に設計しなければならない。回路における圧力が高い場合は、連続的に圧力を検知し、過度の圧力が生じた場合に安全な方法で圧力を除去することが重要である。このため、システムの作動中、高圧側の作動圧力を有効に制御する前述の3つのレベルの安全策が見出された。
【0007】
冷媒としてCO2を使用する場合、作動中に過度の圧力が生じることに加えて、移動中および貯蔵中にもシステム内の圧力が過度になることがあることが分かっている。すなわち、充填された状態でシステムが休止している間、夏に倉庫などで過度の周囲温度に曝された場合、あるいは日中の直射日光に曝された場合に、圧力が望ましくないレベルまで上昇することがある。このような状態下では、高圧側の圧力を除去する場合には上記の3つのレベルの安全策が有益であるが、従来の冷媒を用いたシステムと異なり、CO2型のシステムは低圧側においても過度の圧力の影響を受けやすい。
【0008】
米国特許出願第号(ドケット番号:210_1136PCT)に記載されているように、上記問題に対処する方法および装置が見出されている。上記米国出願は、本譲受人に譲渡され、本願とともに出願されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
圧力除去装置が開となる2500psi(17.2MPa)程度の相対的に高い圧力のため、解放された高圧蒸気の周辺にいる人が危険にさらされる恐れがある。すなわち、高圧および低温のため、目や耳に対して凍傷や他の損傷が及ぶ恐れがある。
【0010】
したがって、周囲にいる人に危害を及ぼさないように、圧力除去装置を所定の位置および向きに選択的に配設する方法および装置が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によると、少なくとも1つの圧力除去装置が開放されたときに、冷媒が外側環境に流出する可能性がなく、システムのいかなる部分にも捕捉されないように、少なくとも1つの圧力除去装置がシステム内に有利に配設される。
【0012】
本発明の一実施例を以下に簡単に説明する図面に示しているが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、種々の変更および修正がなされることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の二酸化炭素蒸気圧縮システムの概略図。
【図2】本発明のコンテナ冷凍システムの正面部分の概略図。
【図3A】本発明による除去装置の断面図。
【図3B】本発明による除去装置の断面図。
【図3C】本発明による除去装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、二酸化炭素(CO2)冷媒蒸気圧縮システム10は、モータ12によって駆動される圧縮装置11と、冷媒熱放出形熱交換器13と、冷媒熱吸収形熱交換器14(蒸発器ともいう)と、を備え、これらは全て、冷媒ライン16,17,18によって直列の冷媒流配列として接続されて閉ループの冷媒回路を構成する。さらに、冷媒蒸気圧縮システム10は、冷媒熱放出形熱交換器13の下流でかつ蒸発器14の上流で冷媒回路の冷媒ライン4に設けられたフィルタドライヤー19およびフラッシュタンクレシーバ21を備え、さらに、フラッシュタンクレシーバ21の下流でかつ蒸発器14の上流で冷媒回路の冷媒ライン4に設けられた蒸発器膨張装置22を備える。この蒸発器膨張装置22は蒸発器14に対応して動作可能である。
【0015】
圧縮装置11は、冷媒を圧縮し冷媒回路を通して循環させるように機能する。これについては以下に詳細に説明する。図1に示すように、圧縮装置11は、少なくとも第1の低圧圧縮段(ステージ)11Aおよび第2の高圧圧縮段11Bを有する単一の多段(マルチステージ)圧縮機としてよく、例として、スクロール圧縮機や往復圧縮機などがある。第1の圧縮段11Aからの部分的に圧縮された冷媒は、多段圧縮装置11の圧縮機構内に位置する第2の圧縮段11Bへと送られる。しかし、他の実施例では、圧縮装置11は、例えば、一対のスクロール圧縮機や往復圧縮機などの一対の圧縮機11A,11Bを備えていてもよく、該圧縮機は、第1の圧縮機11Aの吐出アウトレットポートと第2の圧縮機11Bの吸引インレットポートとを冷媒流的に連通するように接続する冷媒ラインを備えてもよいことを理解されたい。単一の多段圧縮機からなる場合は、双方の圧縮段は、圧縮装置11の圧縮機構と駆動関係で動作可能に対応する単一のモータ12によって駆動される。一対の圧縮機が圧縮装置11を構成する場合、各圧縮機は、圧縮機構と駆動関係で動作可能に対応する専用のモータによって他方の圧縮機から独立して駆動される。
【0016】
冷媒蒸気圧縮システム10は、冷媒ライン24を有する圧縮機無負荷回路23と、冷媒ライン24に配設されたアンロード(無負荷)バルブ27と、をさらに備える。冷媒ライン24は、圧縮プロセスにおける中間圧力ポイントと、蒸発器14の下流および圧縮装置11の吸引インレットポート26の上流における冷媒ライン18のポイントとを相互に接続する。アンロードバルブ27は、圧縮機無負荷回路23の冷媒ライン24を通る冷媒流を制御するように動作可能である。図1の冷媒蒸気圧縮システムの例示的な実施例では、圧縮装置11は、少なくとも低圧圧縮段11Aおよび高圧圧縮段11Bを有する単一の圧縮機であり、圧縮機無負荷回路23の冷媒ライン24は、位置28において圧縮装置11に接続され圧縮プロセスの中間圧力ポイントに開口しており(つまり、圧縮装置11の吸引インレットにおける冷媒圧力よりも高く、かつ圧縮装置11の吐出アウトレットにおける冷媒圧力よりも低い冷媒圧力で)、吸引圧力で冷媒ライン18に接続される。
【0017】
CO2冷媒蒸気圧縮システム10は、未臨界(臨界未満)サイクルで作動するように構成される。したがって、冷媒熱放出形熱交換器13は、冷媒凝縮熱交換器として作用するように構成される。圧縮装置11から排出された高温高圧の冷媒蒸気は、冷却媒体と熱交換関係で上記熱交換器を通って冷媒蒸気から冷媒液へと凝縮される。冷媒熱放出形熱交換器13(本明細書において、気体冷却器あるいは凝縮器とも呼ぶ)は、例えば、フィンおよび円管チューブ熱交換器コイルあるいはフィンおよび平坦な小チャネルチューブ熱交換器などフィン付管式(フィンチューブ)熱交換器としてもよい。移動式冷凍システムの用途においては、通常の冷却媒体は環境空気であり、該空気は、凝縮器13と動作可能に対応するファン31によって冷媒と熱交換器関係で凝縮器13を通過する。
【0018】
蒸発器14は、冷媒蒸発熱交換器を構成し、該熱交換器は、例えば、フィンおよび円管チューブ熱交換器コイルあるいはフィンおよび平坦な小チャネルチューブ熱交換器など通常のフィンチューブ熱交換器としてもよい。膨張装置22を通って膨張した冷媒は、加熱流体と熱交換器関係で上記熱交換器を通過し、これにより、冷媒が蒸発し、通常、加熱される。冷媒と熱交換器関係で蒸発器14を通流する加熱流体は、空気としてもよく、該空気は、蒸発器14と動作可能に対応するファン32によって冷媒と熱交換器関係で蒸発器14を通過し、冷却され、除湿され、次いで、温度と湿度が制御された気候制御環境に供給される。この気候制御環境には、移動冷凍システムに対応する貯蔵庫に置かれた冷蔵または冷凍された食物などの腐敗性の積み荷が含まれる。
【0019】
通常運転時では、圧縮装置11は、モータ12により駆動され、二酸化炭素を第1の圧縮段11Aにより中間圧力まで圧縮し、第2の圧縮段11Bにより高圧まで圧縮する。この高圧は、通常、300psi〜2250psi(2MPa〜15.5Mpa)の範囲であり、凝縮器13、フィルタドライヤー19およびフラッシュタンクレシーバ21を有し、膨張装バルブ22(ここで、圧力は実質的に減圧される)で終端をなす高圧側全体に亘って維持される。膨張装置22と吸引インレット26の間のセクションは、低圧側であり、蒸発器14と、アンロードバルブ27の下流側と、を含む。
【0020】
通常は、電子膨張バルブである膨張装置22は、圧縮装置11の吸引側におけるセンサ(図示せず)により検知された冷媒の吸引温度および圧力に応じて、冷媒ライン33を通って蒸発器14へと流れる冷媒を制御する。冷凍システムによってより高い質量流量が要求される場合に膨張装置22を通る冷媒流を補完するように、バイパスバルブ34が設けられる。
【0021】
アンロードバルブ27は、冷媒ライン12を通る冷媒の流れを制御するように制御装置(図示せず)によって選択的に作動する。アンロードバルブ27は、例えば、固定オリフィスソレノイドバルブなどの固定流量断面積型のバルブであり、吐出アウトレット29において検知された冷媒の吐出温度および圧力に応じて選択的に作動する。したがって、圧縮装置11は、アンロードバルブ27の選択的な開閉により冷媒蒸気圧縮システム10の冷凍能力の制御に必要なように、負荷が軽減される。アンロードバルブ27が開である場合、冷媒蒸気は、高圧圧縮機ステージ11Bによってさらに圧縮されるように前方へと流れず、圧縮プロセスの中間ステージから流出し、圧縮機無負荷バイパスライン24を通って冷媒ライン18へと進む。無負荷回路冷媒ライン24を通る冷媒蒸気は、高圧圧縮段11Bを迂回して、圧縮装置11の吸引側に直接戻る。これにより、圧縮装置11の負荷が軽減される。圧縮機無負荷回路23に亘る圧縮装置11の負荷軽減は、高圧圧縮機吐出冷媒温度に応じて、あるいは能力減少や圧縮機の電力減少のために行われる。
【0022】
前述のような作動中、通常、システムの高圧側において過度の圧力が生じないように防ぐ処置がなされる。これは、通常、システムをシャットダウンするなど適切な処理を行うように、検知された高い圧力に応じたソフトウエアによるアプローチを第1に含む3段階の連続的に実行されるシステムにより行われる。仮に何らかの理由で高圧側において適切に圧力が低減されない場合、これに応答して、高圧スイッチ36は、システムをシャットダウンするなど適切な処置を行う。高圧状態が依然として持続する場合は、圧縮機吐出ポート29と膨張バルブ22との間の高い圧力を除去するリリーフバルブ37により第3レベルの安全策が実行される。除去装置は、通常、高圧の冷媒蒸気の一部または全てを容易に大気に放出する圧力リリーフバルブやラプチャーデスク(破裂板)の形態をなす。
【0023】
圧縮装置11が作動している間、低圧側は相対的に低い圧力(すなわち、100psiから1055psi(0.7MPa〜7.3MPa)の範囲)に維持されるため、システムの作動中に実行される3つのレベルの処置は、システムの高圧側にだけに関するものである。
【0024】
しかし、システム低圧側における問題は、作動中でなくシステムがシャットダウンし、相対的に高い温度に曝される間に生じる。
【0025】
種々の構成要素、特にアンロードバルブ27および膨張装置22の作動について説明する。
【0026】
信頼性および安全性のため、アンロードバルブ27は、システムがシャットダウンしたときにバルブ27が閉となる常閉バルブである。同時に、作動中、第1および第2の段11A,11Bは、双方とも非作動であり、したがって、閉状態である。アンロードバルブ27の上流側を含む第1の段11Aと第2の段11Bの間の回路の部分は、二酸化炭素冷媒が捕捉された閉鎖領域であり、図を参照して前述した高圧現象の影響を受けやすい。図示を目的として、上記部分を図1に点線38で示す。
【0027】
システムがシャットダウンしたとき、膨張装置22およびバイパスバルブ34は、冷媒が蒸発器コイルおよび圧縮機の吸引側へと移動すること(信頼性に影響を与え、圧縮機の寿命を減少させる)を防止するように閉位置にある。したがって、高圧現象を受けやすい閉鎖領域である別のセクションが膨張装置と吸引インレット26の間に存在する。図示を目的として、このセクションを点線39で示す。最後に、吐出アウトレット29および膨張装置22における閉鎖状態のため、点線40で示すセクションは閉鎖領域となり、高温に曝されたときに上昇した圧力の影響を受けやすくなる。しかし、このセクションは高圧側であり、高圧スイッチ36およびリリーフバルブ37による高い圧力を除去する対応策が既になされていることを理解されたい。したがって、このセクションにはさらに特別な対応策は必要とされない。しかし、線38,39で示すセクションには、通常備わっていない付加的な対応策が要求される。したがって、アンロードバルブ27の上流のライン43上に高圧除去装置41が配置され、吸引インレット26の上流のライン44上に高圧除去装置42が配置される。除去装置41,42は、過度の温度に曝されたときに破裂し、高圧のガスを大気への放出するラプチャーデスク(破裂板)の形態をなしていてもよい。このように、高圧除去装置41は、回路における符号38で示すセクションにおける過度の圧力を除去するように機能し、除去装置42は、回路における符号39で示すセクションに存在し得る過度の圧力を除去するように機能する。例えば、除去装置41,42が除去するように設計された適切な圧力レベルは、1300psiから2500psi(9Mpa〜17.2Mpa)の範囲である。
【0028】
高圧除去装置42に加えて、符号39で示すセクションには、除去装置42に先行する高圧スイッチ46が含まれることが望ましく、この高圧スイッチ46は除去装置42が開となる前に開となる。
【0029】
3段階の処置を用いる場合、第1および第2の好ましい処置は、CO2冷媒を大気に解放することを含まず、圧力除去装置を用いる第3の処置により、閉ループシステムからCO2の蒸気が解放される。この場合、2つの潜在的な問題が生じる可能性がある。第1に、コンテナと接触する冷媒回路部分(すなわち、コンテナ内の空気が冷凍システムの蒸発器と流体的に関係する)が存在するため、一方の除去装置からCO2蒸気を解放することによりCO2蒸気がコンテナに流入すると、コンテナに進入する人が危険にさらされることとなる。さらに、そのようなCO2蒸気の解放は、コンテナ内のカーゴ(積み荷)にとっても有害である。したがって、圧力除去装置からのCO2蒸気をコンテナ内でなく、大気へと解放することが望ましい。
【0030】
第2に、蒸気の圧力が相対的に高く、迅速に解放が行われることが望ましいため、かなりの量の高圧蒸気が高速の圧力噴流として突然排出され、その周辺に人が存在する場合、人がけがを負う恐れがある。そのため、本発明では、この問題を防止する対策を講じている。
【0031】
次に図2を参照すると、冷凍システム47の一部が図示されている。この冷凍システムは、冷凍されるコンテナに取り付けられ、かつ前述の蒸気圧縮システム10を有する。冷凍システム47は、冷凍システム47の後方部分に蒸発器14および凝縮器13を有している。そのため上記構成要素を図示していない。凝縮器13は、冷媒蒸気の凝縮のため外気の循環を許容するように配設され、蒸発器14は、空気を冷却するためにコンテナからの空気が循環するように配設される。
【0032】
冷凍システム47の前方でかつ下方の部分にはコンパートメント48が設けられており、該コンパートメントは、底壁49、上壁51、側壁52,53および後壁54を有する。コンパートメント48は、コンテナの内部から流体的に分離されているが、周囲環境にさらされている。つまり、前方カバー(図示せず)が存在する場合であっても、コンパートメント48内への外気の自由な流れを許容するとともに、コンパートメント48から周囲への空気や蒸気の流れを許容するように、コンパートメント48は構成されている。
【0033】
コンパートメント48は、凝縮器13および蒸発器14を除く図1に示す全ての構成要素を実質的に含んでいる。図2を参照すると、圧縮機11、フラッシュタンク21およびフィルタドライヤー19がコンパートメント48内の設置位置に配設されている。
【0034】
コンパートメント48内には図1に示した3つの圧力除去装置37,41,42が配設される。図2では、上記圧力除去装置はカバー56,57,58(図2,3A−3C)によって隠れているため図示されていない。各カバー56,57,58および対応する高圧除去装置37,41,42はコンパートメント48に配設される。特に、図3A,3B,3Cに示すように、カバー56,57,58は全て後壁54に取り付けられる。したがって、上記除去装置から解放されたCO2蒸気はコンパートメント48に放出され、次いで周囲へと流れる。
【0035】
カバー56,57,58は、除去装置からの噴流を制限または内包するように構成される。すなわち、蒸気が流れるようにリリーフバルブより下方の領域だけが開放された状態で、各カバー56,57,58は各リリーフバルブを囲う4つの壁部を有している。図示の目的で、カバー56,57,58の1つの壁部(手前側)を取り除いている。
【0036】
カバー56,57,58の構造に加えて、リリーフバルブ37,41,42の位置および向きは、バルブの開放端が壁部54,50に向けられ、解放される蒸気の噴流が後壁54に導かれるように配向される。したがって、例えば、一部の圧力除去装置が作動しているときに、人が図2に示すコンパートメントと対面していても、放出されたガスは第1に壁部54へと流れ、次いで、対応するカバーの下方に位置する開口を通って下方へと流れる。
【0037】
図示した本発明の実施例について説明してきたが、当業者であれば特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲および精神を逸脱することなく種々の変更がなされることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列の流れ関係で配された、冷媒であるCO2蒸気を圧縮する圧縮機、熱放出形熱交換器、膨張装置、および冷凍されるコンテナから流れる空気と熱交換関係で配設された熱吸収形熱交換器を有する冷媒回路と、
圧力が所定のレベルを超えたときに圧力を除去するように上記冷媒回路に配設された少なくとも1つの圧力除去装置と、
を備え、
少なくとも1つの圧力除去装置は、外気と流体的に連通するコンパートメントに位置することを特徴とする蒸気圧縮システム。
【請求項2】
コンパートメントは、底壁、上壁、側壁および後壁を有し、この後壁に少なくとも1つの圧力除去装置が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項3】
冷媒蒸気が解放されたときに該冷媒蒸気が後壁へと向かうように、少なくとも1つの圧力除去装置が配向されることを特徴とする請求項2に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項4】
少なくとも1つの圧力除去装置は、カバーの底部のみが蒸気の流れに対して開放した状態で、四方がカバーによって囲まれていることを特徴とする請求項2に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項5】
前記後壁にカバーが取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項6】
少なくとも1つの圧力除去装置は、圧縮機の吸引インレットの近傍に配設されることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項7】
少なくとも1つの圧力除去装置は、ラプチャーデスクを含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項8】
少なくとも1つの圧力除去装置は、圧力リリーフバルブを含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項9】
冷媒回路は、バルブを有する無負荷回路を含み、
少なくとも1つの圧力除去装置は、バルブと圧縮機の中間段との間に配設されることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項10】
バルブは常閉バルブであることを特徴とする請求項9に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項11】
少なくとも1つの圧力除去装置は、3つの圧力除去装置を含み、全ての圧力除去装置がコンパートメント内に位置することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公表番号】特表2011−510255(P2011−510255A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543097(P2010−543097)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/051313
【国際公開番号】WO2009/091398
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(591003493)キャリア コーポレイション (161)
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION