説明

高圧放電ランプの電極及びその製造方法並びに高圧放電ランプ

【課題】高圧放電ランプ用電極において、コイル後方側においてコイルの巻始め又は巻終り端部及び溶着による凸部が存在しないようにしてコイルをヘッド部に固定する電極構造を提供する。
【解決手段】芯棒(10)、ヘッド部(20)及びヘッド部に被覆されたコイル(30)からなる高圧放電ランプ用電極において、ヘッド部が芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)からなり、コイルが、細径部に被覆された第1のコイル(31)及び太径部に被覆された第2のコイル(32)からなり、第1のコイルはその両端部(31a、31b)が細径部の先端側に位置するように多層に被覆され、第2のコイルは第1のコイルに接するように太径部に被覆され、第1のコイルの両端部と第2のコイルの芯棒側の最外ターンの少なくとも一部が互いに溶着され、第2のコイルの太径部先端側のコイル端部(32a)側の少なくとも最外ターンの一部分が太径部に溶着される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧放電ランプの電極構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に従来の高圧放電ランプ用電極(以下、「電極」という)を示す。同図に示すように、電極は芯棒10、ヘッド部60及びコイル70からなり、ヘッド部60にコイル70が被覆され、コイル70の先端部70a及び後端部70bがヘッド部60に溶着される(例えば、特許文献1)。特許文献1では、コイルが芯棒に多層に巻回され、コイル前端部及び後端部がレーザー溶融され、後端部が芯棒に固定されるとともに前端部がドーム状に形成される。一般に、ヘッド部に被覆されるコイルは電極の温度を調整する機能を持ち、これによって始動特性及び放電中の放熱特性が決定され、結果として放電特性が決まる。
【0003】
ここで、コイル後端部は完全に溶融されてコイル端部及び溶着による凸凹部(特に、凸部)が残らないことが望ましい。コイル後方にコイル端部や溶着による凸部が残っていると、ランプ始動開始時にコイル後端を起点とする放電が、その部分から開始されやすく、飛散したタングステンが発光管内壁に付着する黒化や、スパッタ現象を引き起こしてしまう。これは、ランプ始動時に、滑らかではない溶接部端面に電流が集中し、局所的に加熱されたタングステンが放射状に飛散するように蒸発してしまうことによる。
【0004】
また、コイル端部をヘッド部に滑らかな形状で溶着する技術として、例えば特許文献2には、コイル端部をフィレット状に溶融するものが開示されている。このようにコイル端部をヘッド部にフィレット状に溶融することによって、溶融したコイル端部がなだらかに形成されて溶着による凸部が存在しなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−362861号公報
【特許文献2】特開2000−231902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2に示すように、コイル端部をヘッド部にフィレット状に溶融する技術は、密に巻かれたコイルの端部に適用するのが難しい。上記技術はコイル端部をその隣接するコイル巻回部から離してから溶融する必要があるが、この離隔の程度の管理が難しく、製造上ばらつきが大きくなる結果として始動特性のばらつきを生じてしまう。またコイル間の隙間によって、放電中のコイルの放熱特性(即ち放電特性)にもばらつきが生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、コイルを密に巻きつつも、コイル後方側にコイルの巻始め又は巻終り端部及び溶着による凸部が存在しないようにしてコイルをヘッド部に固定する電極構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面は、芯棒(10)、ヘッド部(20)及びヘッド部に被覆されたコイル(30)からなる高圧放電ランプ用電極であって、コイルの少なくとも一部分が多層巻で構成され、コイルの端部(30a、30b)よりも芯棒側に1ターン以上のコイルが巻回されている高圧放電ランプ用電極である。
ここで、コイルの巻始め端部(30a)が上層コイル部分に覆われている構成としてもよい。
【0009】
本発明の第2の側面は、芯棒(10)、ヘッド部(20)及びヘッド部に被覆されたコイル(30)からなる高圧放電ランプ用電極であって、ヘッド部が芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)からなり、コイルが、最下層の巻始め端部(30a)が細径部の先端側に位置するようにして細径部に被覆されるとともに最上層の巻終り端部(30b)が太径部上に位置するようにして、細径部及び太径部に被覆され、コイルの少なくとも一部分が太径部に溶着された高圧放電ランプ用電極である。
【0010】
本発明の第3の側面は、芯棒(10)、ヘッド部(20)及びヘッド部に被覆されたコイル(30)からなる高圧放電ランプ用電極であって、ヘッド部が芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)からなり、コイルが、細径部に被覆された第1のコイル(31)及び太径部に被覆された第2のコイル(32)からなり、第1のコイルはその両端部(31a、31b)が細径部の先端側に位置するように多層に被覆され、第2のコイルは第1のコイルに接するように太径部に被覆され、第1のコイルの両端部と第2のコイルの芯棒側の最外ターンの少なくとも一部分が互いに溶着され、第2のコイルの太径部先端側のコイル端部(32a)側の少なくとも最外ターンの一部分が太径部に溶着された高圧放電ランプ用電極である。
【0011】
本発明の第4の側面は、高圧放電ランプ用電極の製造方法であって、(S10)ヘッド部(20)を切削加工して芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)を形成する工程、(S11)細径部及び太径部の外径に対して内径が合致するコイル(30)を予め形成する工程であって、コイルの巻始め端部(30a)が下層、巻終り端部(30b)が上層となり、巻始め端部が上層で覆われるように形成する工程、(S12)コイルをヘッド部に嵌め込む工程であって、芯棒側から巻終り端部を前方にして巻始め端部が太径部に当接するまで嵌め込む工程、及び(S13)太径部先端側のコイル端部(32a)側の少なくとも最外ターンの一部分を太径部に溶着する工程を備える製造方法である。
【0012】
本発明の第5の側面は、高圧放電ランプ用電極の製造方法であって、(S20)ヘッド部(20)を切削加工して芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)を形成する工程、(S21)内径が細径部の外径に合致する多層の第1のコイル(31)を形成する工程であって、第1のコイルの両端部(31a、31b)が対向するように形成する工程、(S22)内径が太径部の外径に合致する等しい第2のコイル(32)を形成する工程、(S23)第1のコイルを細径部に嵌め込む工程であって、芯棒側から両端部を前方にして太径部に当接するまで嵌め込む工程、(S24)第2のコイルを太径部に嵌め込む工程であって、先端側から第1のコイルに当接するまで太径部に嵌め込む工程、(S25)第1のコイルの両端部と第2のコイルの芯棒側の最外ターンの少なくとも一部とを互いに溶着する工程、及び(S26)第2のコイルの太径部先端側のコイル端部(32a)側の少なくとも最外ターンの一部分を太径部に溶着する工程を備える製造方法である。
【0013】
本発明の第6の側面は、上記の高圧放電ランプ用電極からなる一対の電極(40)及び発光管(50)を備え、一対の高圧放電ランプ用電極が発光管の内部に対向配置された高圧放電ランプである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明の電極を説明する図である。
【図1B】本発明の電極を説明する図である。
【図2A】本発明の第1の実施例による電極の製造方法を説明する断面図である。
【図2B】本発明の第1の実施例による電極の製造方法を説明する断面図である。
【図2C】本発明の第1の実施例による電極の製造方法を説明する断面図である。
【図2D】本発明の第1の実施例による電極を示す断面図である。
【図3】第1の実施例の電極の製造方法を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の第2の実施例による電極の製造方法を説明する断面図である。
【図4B】本発明の第2の実施例による電極の製造方法を説明する断面図である。
【図4C】本発明の第2の実施例による電極を示す断面図である。
【図5A】本発明の第2の実施例を説明する写真である。
【図5B】本発明の第2の実施例を説明する写真である
【図5C】本発明の第2の実施例を示す写真である。
【図6】第2の実施例の電極の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の高圧放電ランプを示す図である。
【図8】従来の電極を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、コイルの巻始め又は巻終り端部及びコイルの溶着部が芯棒側の端部(以下、「後方端」という)に来ないように配置することを基本的な構成としている。最も基本的な具体例を図1Aに示す。図1Aは電極1の側方断面図である。図1Aでは、ヘッド部20に一連のコイル30が、30aを巻始め端部、30bを巻終り端部として被覆されている。コイル30は図示するような形状に予め形成され、その後ヘッド部20に装着される。そして、コイル30の少なくとも巻始めの最外ターンの一部分(例えば、巻始め端部30a)がヘッド部20に溶着される。これにより、コイル30のいずれの端部も後方端30c付近に配置されずにコイル30がヘッド部20に固定される。巻終り端部30bが後方端30cから離れることにより、そこからの放電は図8に示す従来例に比べて起こり難くなる。
【0016】
さらに、図1Aを発展させた例を図1Bに示す。図1Bの電極2では、ヘッド部20に一連のコイル30が、30aを巻始め端部、30bを巻終り端部として被覆されている。そして、コイル30の少なくとも最外ターンの少なくとも一部分(例えば、巻終り端部30b)がヘッド部20に溶着される。図1Aとの相違は巻始め端部30aが完全に上層コイルに覆われて露出せず、即ち、少なくとも巻始め端部30aからの放電が起らない構成となっている。
【0017】
このように、上記図1A又は1Bのような構成であっても、本発明の目的(即ち、コイル後方端にコイルの巻始め又は巻終り端部及び溶着による凸部が存在しないようにしてコイルをヘッド部に固定すること)を達成できるが、電極性能や生産性を考慮して最も好適な実施例を以下に説明する。
【0018】
実施例1.
図2Dに第1の実施例による電極3を示す。電極3は芯棒10、ヘッド部20及びヘッド部に被覆されたコイル30からなり、ヘッド部20は芯棒側の細径部21及び先端側の太径部22からなる。コイル30について、最下層(第1層)の巻始め端部30aが細径部21の先端側に位置するようにして細径部21に被覆されるとともに最上層(第2層)の巻終り端部30bが太径部22上に位置するように、コイル30が細径部21及び太径部22に被覆される。そして、巻終り端部30bが太径部22に溶着固定される。
【0019】
上記構成には以下の有利な効果がある。
コイル30をヘッド部20に固定するにあたり、コイル30の後方端30cにおいて巻始め端部30a又は巻終り端部30b及び溶着による凸部が存在せず、黒化やスパッタが抑制される。
また、ヘッド部20の芯棒10側に熱容量の小さいコイル30が多く被覆されることにより、始動時に電極が瞬時に加熱され易くなり、放電開始が容易となる。
さらに、細径部21と太径部22との段差によりコイル30の位置決めができ、電極性能における製造ばらつきも少ない。
【0020】
図2A−Dの参照の下、図3に電極3の製造方法のフローチャートを示す。
工程S10において、図2Aに示すように、ヘッド部20を切削加工して細径部21及び太径部22を形成する(図5A参照)。細径部21は芯棒側にテーパー部を有するのが好ましい。テーパー部の角度は電極軸Xに対して40度程度が好適であり、これにより芯棒側との折れを防止できる。また、太径部22も先端側にテーパー部を有するのが好ましい。このテーパー部の角度は電極軸に対して50度程度が好適であり、これによりアークスポットの移動が抑制されアークが安定する。実際に切削されるのは細径部21の全部及び太径部22のテーパー部分となる。
【0021】
工程S11において、図2Bに示すように、細径部21及び太径部22の形状(それぞれの外径)に対して内径が合致するコイル30を予め形成する。このコイル30の形成には、型となる専用の治具を用いる。ここで、コイル30の巻始め端部30aが下層に、巻終り端部30bが上層となり、巻始め端部30aが上層で覆われるようにする。また、図2Bに示すコイルよりも多層のコイルを形成する場合でも、巻終り端部30bが後方端30c付近に配置されないようにする必要がある。なお、工程S10と工程S11はどちらを先に行なってもよい。
【0022】
工程S12において、工程S11で形成したコイル30を、図2Cに示すように巻終り端部30bを前方にして芯棒側からヘッド部20に嵌め込む。ここで、巻始め端部30aが太径部22に当接するまで嵌め込む。
工程S13において、コイル30の少なくとも一部分(例えば、巻終り端部30b)を太径部22に溶着する。これにより、図2Dに示す電極3が製造される。
【0023】
実施例2.
図4Cに第2の実施例の電極4を示す。実施例1では一連のコイル30を用いて電極を製造するものを示したが、図2Bのように内径に段差を持つコイルを形成するのに専用の治具を要する等、コイルの製作が必ずしも容易ではない。そこで、実施例2では実施例1よりもコイルの製作を容易にしたものを示す。
【0024】
電極4は芯棒10、ヘッド部20及びヘッド部20に被覆されたコイル30からなり、コイル30は第1のコイル31及び第2のコイル32からなる。ヘッド部20は図2Aと同様に芯棒側の細径部21及び先端側の太径部22からなり、第1のコイル31が細径部21に被覆され、第2のコイル32が太径部22に被覆される。ここで、第1のコイル31の両端部31a及び31bが細径部21の先端側に位置するように多層(本実施例では2層)に被覆される。第2のコイル32は第1のコイル31に接するように配置され、第1のコイル31の両端部31a及び31bと第2のコイル32の一部分が互いに溶着される。また、第2のコイル32の先端側の端部32aが太径部22に溶着固定される。
【0025】
本実施例でも第1の実施例と同様の効果を有するが、さらに、第1及び第2のコイル31及び32の製作のために(通常の治具は必要であるが)特殊な治具を必要とせず、生産効率が高いという有利な効果がある。
【0026】
図4A−4C及び図5A−5Cの参照の下、図6に電極4の製造方法のフローチャートを示す。なお、図4A−4Cは電極の側方断面図を示し、図5A−5Cは電極上面の写真である。
工程S20において、(図3の工程S10と同様に)ヘッド部20を切削加工して細径部21及び太径部22を形成する。図5に完成したヘッド部20の写真を示す。
工程S21において、両端部31aと31bが対向する多層(本実施例では2層)の第1のコイル31を形成する。第1のコイル31の内径は細径部21の外径に合致するように巻回される。
工程S22において、通常の態様で第2のコイル32を形成する。第2のコイル32の内径は太径部22の外径に合致するように巻回される。
なお、工程S20、S21及びS22の順序は任意である。
【0027】
工程S23において、図4Aに示すように、第1のコイル31を芯棒側から細径部21に嵌め込む。ここで、両端部31a及び31bを前方にして第1のコイル31が太径部22に当接するまで嵌め込む。工程S23の終了時の写真を図5Bに示す。図5Bの写真から分かるように、両端部31a及び31bは、必ずしも図4Aに示すように下層と上層の関係になくてもよい。
【0028】
工程S24において、図4Bに示すように、第2のコイル32を先端側から太径部22に嵌め込む。ここで、第2のコイル32が第1のコイル31に当接するまで嵌め込む。
工程S25において、第1のコイル31の両端部31a及び31bと第2のコイル32の一部分とを互いに溶着固定する。
工程S26において、第2のコイル32の少なくとも一部分(例えば、先端側端部32a)を太径部22に溶着する。
なお、工程S25とS26の順序は任意である。
工程S25及びS26の終了時の側方断面図を図4Cに、上面の写真を図5Cに示す。
【0029】
図7に上記各実施例によって製造された一対の電極40を用いる高圧放電ランプを示す。高圧放電ランプは石英ガラス等の発光管50、及び発光管50内に対向配置された一対の電極40を備える。一対の電極40は上記の電極1−4のいずれかであればよい。発光管50は各電極40に接続されたモリブデン箔51及びリード52を備える。なお、発光管50の内部には少なくとも水銀及び不活性ガスが封入されている。
これにより、黒化等が少なく始動性も良く信頼性等に優れた高圧放電ランプを提供することができる。
【0030】
以上に本発明の好適な実施例を示したが、以下を注記しておく。
(1)各図は(写真を除いて)寸法通りではなく、説明の便宜上、構成要素によっては誇張又は省略されている。
(2)説明の便宜上、各図では各コイルの巻始め端部と巻終り端部は同一断面上(即ち、軸Xから同一角度上)に表されているが、軸Xから異なる角度上に存在してもよい。
(3)芯棒10は、別体であるヘッド部20に接合されてもよいし、一体となっていたヘッド部20から切削加工されてもよい。
(4)溶着加工はレーザー加工、電子ビームによる加工が採用されるが、他の溶着加工方法であってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1−4.電極
10.芯棒
20.ヘッド部
21.細径部
22.太径部
30.コイル
31.第1のコイル
32.第2のコイル
40.一対の電極
50.発光管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯棒(10)、ヘッド部(20)及び該ヘッド部に被覆されたコイル(30)からなる高圧放電ランプ用電極であって、
前記ヘッド部が前記芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)からなり、
前記コイルが、最下層の巻始め端部(30a)が前記細径部の先端側に位置するようにして前記細径部に被覆されるとともに最上層の巻終り端部(30b)が前記太径部上に位置するようにして、前記細径部及び前記太径部に被覆され、
前記コイルの少なくとも一部分が前記太径部に溶着された高圧放電ランプ用電極。
【請求項2】
芯棒(10)、ヘッド部(20)及び該ヘッド部に被覆されたコイル(30)からなる高圧放電ランプ用電極であって、
前記ヘッド部が前記芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)からなり、
前記コイルが、前記細径部に被覆された第1のコイル(31)及び前記太径部に被覆された第2のコイル(32)からなり、
前記第1のコイルはその両端部(31a、31b)が前記細径部の先端側に位置するように多層に被覆され、前記第2のコイルは前記第1のコイルに接するように前記太径部に被覆され、前記第1のコイルの両端部と前記第2のコイルの芯棒側の最外ターンの少なくとも一部が互いに溶着され、前記第2のコイルの太径部先端側のコイル端部(32a)側の少なくとも最外ターンの一部分が前記太径部に溶着された高圧放電ランプ用電極。
【請求項3】
高圧放電ランプ用電極の製造方法であって、
(S10)ヘッド部(20)を切削加工して芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)を形成する工程、
(S11)前記細径部及び太径部の外径に対して内径が合致するコイル(30)を予め形成する工程であって、該コイルの巻始め端部(30a)が下層に、巻終り端部(30b)が上層となり、該巻始め端部が該上層で覆われるように、形成する工程、
(S12)前記コイルを前記ヘッド部に嵌め込む工程であって、前記芯棒側から前記巻終り端部を前方にして前記巻始め端部が前記太径部に当接するまで嵌め込む工程、及び
(S13)前記コイルの少なくとも一部分を前記太径部に溶着する工程
を備える製造方法。
【請求項4】
高圧放電ランプ用電極の製造方法であって、
(S20)ヘッド部(20)を切削加工して芯棒側の細径部(21)及び先端側の太径部(22)を形成する工程、
(S21)内径が前記細径部の外径と等しい多層の第1のコイル(31)を形成する工程であって、該第1のコイルの両端部(31a、31b)が対向するように、形成する工程、
(S22)内径が前記太径部の外径と等しい第2のコイル(32)を形成する工程、
(S23)前記第1のコイルを前記細径部に嵌め込む工程であって、前記芯棒側から前記両端部を前方にして前記太径部に当接するまで嵌め込む工程、
(S24)前記第2のコイルを前記太径部に嵌め込む工程であって、前記先端側から前記第1のコイルに当接するまで前記太径部に嵌め込む工程、
(S25)前記第1のコイルの両端部と前記第2のコイルの芯棒側の最外ターンの少なくとも一部とを互いに溶着する工程、及び
(S26)前記第2のコイルの太径部先端側のコイル端部(32a)側の少なくとも最外ターンの一部分を前記太径部に溶着する工程
を備える製造方法。
【請求項5】
芯棒(10)、ヘッド部(20)及び該ヘッド部に被覆されたコイル(30)からなる高圧放電ランプ用電極であって、
前記コイルの少なくとも一部分が多層巻で構成され、
前記コイルの端部(30a、30b)よりも芯棒側に1ターン以上のコイルが巻回されている高圧放電ランプ用電極。
【請求項6】
請求項5の高圧放電ランプ用電極であって、前記コイルの巻始め端部(30b)が上層コイル部分に覆われている高圧放電ランプ用電極。
【請求項7】
請求項1、2、5又は6いずれか一項に記載の高圧放電ランプ用電極からなる一対の電極(40)及び発光管(50)を備え、該一対の高圧放電ランプ用電極が該発光管の内部に対向配置された高圧放電ランプ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2011−129306(P2011−129306A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285203(P2009−285203)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】