説明

高圧放電ランプ

本発明のランプでは、W−Nb引き込み線部分(18,19,20)と、専用に適合させたAl23−希土類酸化物系ベースのガラスはんだ(21)と共に、長さLAの短いセラミック支持要素(17)を有する封止システムが使用される。W部分は、1mmの長さLWにわたって支持部に収容されている。またW部分の長さLWと直径DUWとから形成されるアスペクト比LW/DUWは少なくとも10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載された高圧放電ランプを出発点とする。このようなランプは、例えばセラミック放電容器を有する一般照明用の高圧放電ランプである。
【0002】
従来の技術
US-A 6 012 303にはセラミック製の構成部材を接合するためのAl23−Y23ベースのガラスはんだが記載されている。
【0003】
US-A 6 774 547からはセラミック製放電ランプ容器用の引き込み線が公知であり、ここでは細いワイヤからなる複数の束が使用されている。これらのワイヤは、全体がMoまたはWから作製されている。
【0004】
本発明の説明
本発明の課題は、可能な限り長寿命な高圧放電ランプを提供することである。別の課題は、間隙がなく、長時間にわたって安定であり、かつ化学的に安定した高耐圧高圧ランプ閉塞部を作製可能な方法を提供することであり、ここでこれらの閉塞部は、複数の動作条件において典型的にはT≧850℃である温度Tに達する幾何学領域において、実質的に毛細管を完全に埋めている。これによって明らかに間隙を有し、また密閉の閉塞領域において典型的には<850℃の温度に達する従来の構成(≧20μm)に匹敵する寿命が達成される。
【0005】
これによってさまざまな利点と共にランプ特性、寿命、ランプ出力の変化の幅および安定性が格段に改善されることになる。
【0006】
上記の課題は、請求項1に特徴部分に記載した特徴的構成によって解決される。
【0007】
殊に有利な実施形態は、従属制球項に記載されている。
【0008】
詳細に述べると本発明は、中央部分および2つの端部領域を備えるセラミック製放電容器を有する高圧放電ランプに関する。上記の端部領域はそれぞれ封止部分によって閉塞されており、電極が封止部分に固定される。これらの電極は、放電容器によって取り囲まれた放電容積体に延びており、ここではハロゲンを含む充填物、殊にメタルハライドまたはハロゲンを含む充填物が上記の放電容積体に入れられている。封止部分の領域にはつぎの構成要素が含まれている。
【0009】
− 電気引き込み線。この電気引き込み線は、上記の電極を保持しかつ前方部分がタングステンからまた後方部分がニオブまたは類似の金属からなり、Al23を含有するセラミック、有利にはPCA製の支持部分に収容されており、
− 前方のW部分は最大350μm,有利には最大250μmの直径DUWを有するワイヤであり、
− 上記の封止部分は、2〜8mmの全長を有し、
− 前方のW部分は、少なくとも1mmの長さLWにわたって上記の封止部分に収容されており、
− W部分の長さと、W部分の直径とから形成されるアスペクト比LW/DUWは、少なくとも10,有利には15〜20であり、
− 上記の封止部分に使用されるガラスはんだは、Nbセラミックの系に適合されかつ少なくとも2つの酸化物、すなわち30〜90モル%,有利には少なくとも60モル%の割合Al23の混合物からなる。以下ではSE成分と称する残りは、希土類イットリウムY,ネオジムNd,ツリウムTm,ジスプロシウムDyの少なくとも1つの酸化物である。ガラスはんだという概念には、微細結晶およびアモルフォスの凝固構造、すなわち、しばしば溶融セラミックと称される材料も含まれる。
【0010】
また上記のはんだは、添加物、すなわち有利にはMgO,Ho2O3およびCe2O3のグループからなりかつ10モル%までの少なくとも1つの別の酸化物を含むことができ、これによって溶融温度の適合性が改善され、また充填物の成分に対するはんだの耐性が改善される。その割合は、SE割合に含まれ、Al22の割合が少なくなることはない。またSiO2の割合は、できる限り少なく、有利にはゼロとすべきである。
【0011】
ニオブに類似の材料とは、ニオブと類似の熱膨張係数を有する材料のことであり、すなわち、例えばタンタルまたはタンタルとニオブの合金またはモリブデンおよびバナジウムからなる有利に調整した合金のことである。殊に熱膨張係数は、ニオブの熱膨張係数の10%以下しか偏差しようないようにすべきである。
【0012】
上記の封止部分には有利にはセラミック製の短い毛細管が含まれており、上記の引き込み線はこの毛細管に含まれている。ここで有利には、毛細管の端部また引き込み線の毛細管は、これらの部分の間にある間隙が同じガラスはんだで封止され、これによって作製がより一層簡単になる。しかしながらこれは驚くべきことである。それは金属とセラミックとの間に滑らかな接続部(Gleitverbindung)が、すなわち延性の圧力接続部(Druckverbindung)が形成されるからである。これまでこの目的に対してむしろ金属製のはんだが有利であった。これに対して2つのセラミック製の構成部材は、はめ合わせられる固有の境界面を介して接合される。上記のガラスはんだは、驚いたことにも2つの接合方式を十分満足の行くように成し遂げることができるのである。上記の端部領域は、別個のストッパか、または一体化され放電容積体に配置されている端部部材とすることが可能である。
【0013】
実験によって示されたのは、上記のガラスはんだの半径方向における全体的な溶融長さRELが70μm以下、また殊に有利にはREL≦50μmである場合に上記の封止部の殊に長い寿命が達成されることである。ここでこれは、セラミックと金属との間の間隙における単純な間隙幅のことであり、また2つのセラミック部分間の間隙における間隙幅のことでもある。
【0014】
有利であるのは、上記のガラスはんだが、関連する酸化物の共融混合物である場合である。それはこの場合にこの混合物の融点が殊に低くなるからである。
【0015】
所望のような細いワイヤの場合にも大きな電流負荷に耐えられるようにするために有利であるのは、上記の引込み線を複数の束から構成する場合である。
【0016】
殊に有利な実施形態では、上記の端部ピースは電極の方に向かって円錐形に延びている。これによって自動的に保証されるのは、そこに含まれる毛細管のストッパが得られることである。このストッパは、そうでなければ例えば端部ピースにおける突出部によって実現しなければならないものである。すなわち、上記の円錐形をした端部ピースの最も狭いところの直径は、上記の毛細管の外径にほぼ等しいかまたはわずかに小さくなければならない。
【0017】
上記の支持部は、別の実施例において択一的に外側部分が、例えばストッパ先端部(Anschlagnase)または類似の形を有し、これによって位置決めが保証される。この逆に上記の端部領域が、支持部に対するストッパを有することができる。
【0018】
本発明は、詳細にはセラミックランプ構造に関連しており、ここでは毛細管間隙容積が、閉塞領域において最小化される。こうすることにより、セラミック高圧放電ランプを、格段に少ない色分散、小さな構造長で、また殊にわずかな充填材料ドーピングで作製できる。またこれによって環境に一層負荷をかけることなく照明の収量を上げることができる。また改善されたディミング特性(Dimm-Verhalten)を有するセラミック高圧放電ランプを実現することができる。
【0019】
セラミック放電容器を有するセラミック高圧ランプではこれまで延長した端部形状、いわゆる毛細管閉塞部が使用されており、これはSiO2−Al2O3−SE23(SEは、Dy,Ho,Tm,Laなどの希土類である)の組成を有するガラスはんだによって閉塞される。これらの毛細管の長さは、ふつう10〜25mmである。
【0020】
これまで引き込み線システムは主に、Nb部分,Mo部分およびW部分の、また場合によっては導電性サーメットからなる別の部分の組み合わせから構成されており、ここで導電性サーメットも同様にMo,WおよびAl2O3からなる。これに対してここでは、熱膨張係数を周囲のセラミック材料に適合させたNbを十分に長く埋め込めば、約800〜950℃の動作温度において長時間安定で高圧耐性がありかつ液状のメタルハライド混合物に対して化学的に安定な端部の閉塞が得られる。封止部におけるNb部分の溶融長さは、LAの5〜50%である。しかしながら本発明の機知に富んだ点は、選択した寸法において上記のNbが封止に貢献するだけでなく、放電部から離れた後方のタングステン部分の重要な部分にも貢献することである。したがってアスペクト比は、本発明の重要なパラメタなのである。
【0021】
従来技術において示されたのは、充填物の種々異なる湿り具合と毛細管現象とにより、引き込み線の種々異なる領域において、所定のメタルハライド(例えば充填物にCe,PrおよびNdの使用した際)の分離作用および殊に欠乏作用が発生し、これらによって色変動が増大し、ひいては例えば照明装置におけるランプグループの色定数の悪化に結び付くことである。殊にHgフリーの充填物を含む放電容器ではしばしば引き込み線の領域における気相輸送現象(Gasphasentransport-Phaenomen)および材料取り巻き現象(Materialumlagerungseffekten)が発生して、システムの寿命が、Hgを含有する充填物に比べてはるかに短くなる。上記の従来技術のセラミックメタルハライドランプをディミングする場合、上記の毛細管は、充填物の難揮発性のメタルハライド成分に対する冷却トラップとして作用して、その蒸気圧は大きく低下する。この際にはディミングされた動作の際の色再現および色安定性が犠牲になる。このために毛細管はできるだけ回避すべきである。
【0022】
本発明は、わずかに2〜8mmと引き込み線長さLAが格段に短いセラミック放電容器を使用するという手段に基づいており、ここでは内部から外部に至る大きな温度勾配は意図的に受け入れることとする。
【0023】
端部領域の引き込み線開口部を充填するため、実質的にNb部分およびW部分からなる複数の構成要素からなる構成と、長手方向に成形された全材料(Vollmaterial)、例えば小管ないしは例えば凹みによって構造化されたPCA製のロッド材料が使用される。ここでこれは、押し出し成形、スラリー鋳造または射出成形などの簡単なセラミック作製方法によって得ることができ、また溶接接合法を介して接合することが可能である。従来技術とは異なり、モリブデン製の中間部分などの別の材料を省略することができる。
【0024】
接合された引き込み線システムは、引き込み線開口部で保持され、埋め込み材料の専用のガラスはんだで閉塞する際に埋め込まれる。ここでこの埋め込み材料には実質的にSiO2付加混合物がなく、またこの埋め込み材料は熱膨張率が実質的にPCAセラミックおよびNbに適合されている。ここではこのはんだの典型的な溶融温度は、1700℃である。ここで重要であるのは、この溶融温度が、周囲のセラミックの溶融温度よりも少なくとも150℃低いことである。これはしばしばPCA,すなわちAl23からなり、その溶融温度は約2050℃である。
【0025】
上記の埋め込み材料は、1500℃〜1900℃の温度範囲で溶融可能な混合物から構成することができ、またこの埋め込み材料により、熱プロセス処理において残りの間隙が完全に充填される。ここで上記の混合物は、Al2O3と、酸化物Y2O3,Nd2O3,Tm2O3,Dy2O3のうちの少なくとも1つとの(例えば事前焼結した)粉末材料混合物からなり、場合によっては、典型的には30〜90モル%、有利には60〜80モル%のMgOが添加される。
【0026】
Ho2O3,Ce2O3の成分を混ぜることも可能であり、これによって例えばAl2O3と別のSE2O3(SE=希土類)との混合物または例えば典型的には<1850℃の比較的溶融温度の低いターナリ混合物が得られる。
【0027】
本発明はつぎのような知識に基づく。すなわち、引き込み線および支持要素などの構成部分の絶対的な膨張と、引き込み線システム内でのガラスはんだなどの埋め込み材料の直径および長さを所定の範囲で調整して、長時間安定で密閉性を保ちかつ腐食に耐性のある引き込み線が得られるようにしなければならないという知識に基づく。これにより、ランプ動作時に加熱および冷却サイクルを繰り返して熱膨張係数の異なる材料の絶対的な膨張によって埋め込み材料に応力が形成される際に、W部分とガラスはんだとの間の封止の前方部分において、良好に制御可能で臨界未満の間隙形成だけが行われ、その一方で熱的にあまり負荷がかけられていない封止部分では、W部分とガラスはんだとの間であっても気密な封止が得られるのである。すなわち重要であるのは、軸方向に見ると、Nb部分だけではなくかなりの割合のW部分も封止の長さに貢献するのである。
【0028】
ここで重要なのは、溶融開口部およびガラスはんだにおける充填部の絶対的な寸法の選択と、残りの間隙の幅RELを調整することであり、ここでこれらの間隙は、熱プロセス中に固有の高温埋め込み材料で充填される。原理的には内側の間隙および外側の間隙を異なるはんだで充填することができるが、有利には同じガラスはんだで行う。
【0029】
ここで判明したのは、埋め込まれるNbおよびWワイヤのワイヤ太さDUNおよびDUWは、≦0.35mm,有利には≦0.25mmの範囲にあるとよいことである。埋め込み材料によって充填される例えば金属製の要素とセラミック製の要素との間の間隙幅RELは、REL≦70μmとすべきであり、有利にはREL≦50μmである。上記の支持要素は、少なくとも50モル%までAl2O3からなるべきであり、有利には65%以上である。有利なのは、セラミック材料のPCAであり、これは、場合によってはそれ自体公知のようにドーピングされる。
【0030】
W部分の埋め込み領域では、Wワイヤ長LWは少なくとも1mmであり、比較的ワイヤ直径DUWが大きい場合は、約2mmになる。重要であるのは、少なくとも10のアスペクト比LW/DUWである。
【0031】
電流負荷能力(Iload_max[A/mm2])を高めるためにはワイヤ束を使用して、電流に耐える複数の束n_strに電流路を分割する。
【0032】
したがって上記の封止部の構成は、外側から内側に向かってつぎのように構造化される。
【0033】
上記の埋め込み部の長手方向の大きさは2〜8mmであり、実質的に支持要素の埋め込み長さLAによって決まる。
【0034】
上記の引き込み線開口部には外部からNbピン/またはピン束が、支持要素の長さLAの5以上最大50%まで挿入される。束の場合には中間スペースは、例えばPCA管のNb個別ワイヤの場合、密に焼成されたまたは事前焼成された材料のAl2O3で充填される(毛細管の形態の成形体として充填される前)。この電流供給部には、ほぼ同じ直径のWワイヤまたはワイヤ束が突合せ溶接される。このためにはさまざまな接合法を使用することが可能である。
【0035】
上記のWワイヤないしはワイヤ束にはW電極が有利にはレーザ溶接で溶接される。ここでこれは、全体システムが、端部領域の開いた引き込み線開口部によってはめ込まれ、電極ピンが完全に燃焼室に突き出るように行われる。電極ピン直径が、埋め込みのための決定したワイヤ太さよりも大きい場合、上記のピンは完全に、埋め込み材料によって充填される容積体の外部に位置決めしなければならない。この場合に上記の電極ピンは、上記のルールに相応する太さを有するワイヤにより、埋め込み材料によって充填される領域に関連して機械的に接合される。
【0036】
上記の引き込み線システムを位置決めした後、このシステムは、ガラスはんだ、例えばAl23/Y23混合物を溶かすことによって埋め込まれる。ここでこれは、上記の間隙をほぼ完全に充填し、これによって毛細管の内部および外部空間に対し、毛細管におけるデッドスペースが完全に閉塞されるように行われる。これにより、埋め込まれた部分と、バーナ端部に直接接触する周囲のセラミックとの間の内部的な熱接触が形成されて維持される。上記の埋め込み材料は、ランプ動作時における液状のメタルハライド溶融物との反応に対して極めて不活性であり、数千の切換サイクルを越える停止時間および25000時間までの全体寿命が可能になる。この原理は、メタルハライドだけに当てはまるのではなく、活発な充填材料である純粋なハロゲンを使用する充填物にも当てはまる。しかしながらこれは例えばナトリウム高圧ランプのナトリウムのような活発な充填材料にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】高圧放電ランプを示す図である。
【図2】図1の放電ランプの詳細を示す図である。
【図3】放電ランプ容器の別の実施例を示す図である。
【図4】放電ランプ容器のさらに別の実施例を示す図である。
【図5】放電ランプ容器のさらに別の実施例を示す図である。
【図6】放電ランプ容器のさらに別の実施例を示す図である。
【図7】放電ランプ容器のさらに別の実施例を示す図である。
【図8】放電ランプ容器のさらに別の実施例を示す図である。
【図9】放電ランプ容器のさらに別の実施例を示す図である。
【0038】
以下では、いくつかの実施例に基づいて本発明を詳しく説明する。
【0039】
本発明の有利な実施形態
図1には出力150Wのメタルハライドランプが略示されている。このランプは、ランプ軸を定める円筒状の石英ガラス製外管1から構成されており、この外管は両側が圧潰(2)されており、ソケットが付けられている(3)。軸方向に配置されたAl23セラミック製の放電容器4は、中央部が膨らませられており、また2つの円筒状端部6を有する。この放電容器は、シート8を介してソケット部分3に接続されている2つの電流供給部7によって外管1に保持されている。電流供給部7は、引き込み線9に溶接されており、これらの引き込み線はそれぞれ、放電容器の端部6における支持部11にはめ込まれている。
【0040】
2つの引き込み線9は、支持部11において外側に突き出ており、放電側で電極14を保持する。これらの電極14は、タングステン製の電極シャフト15と、放電側の端部に伸ばされたコイル16とからなる。引き込み線9は電極シャフト15ならびに外側の電流供給部7にそれぞれ突合せ溶接されている。
【0041】
放電容器の充填物は、例えばアルゴンである内部の点火ガスの他に、水銀およびメタルハライドの添加物からなる。例えば水銀を有しないメタルハライド充填物を使用することにも可能であり、この際には点火ガスに対して高圧のキセノンが選択される。
【0042】
図2には端部領域6の詳細が示されている。封止システムは、放電容器に一体化して付けられた端部ピース13からなり、その中央の孔には最大8mmの長さLAの短い毛細管17が配置されている。この毛細管の中央には引き込み線18が配置されており、放電部の方を向いている前方の部分19はW製であり、また放電部とは反対側の後方の部分20はニオブ製である。有利には2つの部分は約200μmの同じ直径を有する。これらは互いに突合せ溶接されている。これらの引き込み線は毛細管内にあり、またこの毛細管は、端部ピースにおいてガラスはんだ21によって封止されている。このガラスはんだは、間隙の全長を埋めている。
【0043】
図3には、毛細管23を含む別個の端部ピース22が示されている。ここではW部分の長さLWおよび毛細管23の全長LAが示されている。毛細管の長さは重要である。それは、引き込み線と毛細管との間で許容される封止は、重要な量だからである。さらに図3には、ガラスはんだ21において溶融部の半径方向の長さRELが、REL1からREL4の間隙幅を有する4つの間隙とどのように関係しているか示されている。すなわち、端部ピースと、毛細管との間にある封止部の2つの部分長REL1およびREL2と、毛細管と引き込み線との間にある封止部の2つの部分長REL3およびREL4とが示されているのである。ここで理想的なケースでは当然のことながらREL1=REL2=REL3=REL4である。すべての間隙は、70μm以下の幅とすべきであり、可能であれば50μm以下である。
【0044】
図4には別の実施例が示されており、ここでは引き込み線は、2つのワイヤ、すなわち心線25からなり、これらの心線は外側が共通のベース26に接続されている。支持要素27は、これが中実でありまた外側に輪28を有するように形成される。これらの輪は、引き込み線の個々の管を収容することができる。しかしながらここでも、心線の接続軸芳香に見て、4つの部分長REL1〜REL4からなるガラスはんだ部分が重要である。
【0045】
図5には、端部ピース30が円錐形に延びて、その中にある毛細管31に対するストッパが自動的に得られる実施例が示されている。ここでは半径方向の長さは、溶融長さの外側の端部29において計られる。すなわちこの半径方向の長さがその最大値に達する箇所において計られるのである。
【0046】
つぎの表1には、種々異なる出力における寸法の複数の実施例が示されている。
【0047】
図6,7および8には、ストッパを有する実施例が1つずつ示されている。図6では、半径方向において内側に示されかつ周囲を取り囲む縁部35が、放電部を向いた側の端部30の端部に取り付けられており、この縁部に支持部31が載置される。図7では支持部31それ自体が、放電部を向いた側の端部に、半径方向に見て外側に示した周囲にわたって分散させた複数のほぞ32を有する。これらのほぞは、端部30の外側の端部におけるストッパとして使用される。図8では支持部31は、放電部を向いた側の端部に、外側に向かって厚くした部分34を有する。この部分34は、円錐形に延びる端部ピース30に対する横方向のストッパとして使用される。
【0048】
充填物として有利であるのは、水銀を有するまたはこれを有しないメタルハライドの混合物だけではない。例えば写真光学な用途向けの高圧放電ランプは、水銀およびほとんどの場合に臭素であるハロゲンも含んでいる。このランプは、ビデオプロジェクションに殊に有利である。ここで水銀は、50バー以上の極めて高い圧力下で純粋なキセノンによって置き換えることも可能である。別の実施形態では、別のハライドの他にZnを使用する。これは例えばUS 6 853 140に記載されているように行われ、そこではZnJ2として使用されている。
【0049】
軸に平行な凹みの代わりに支持部36において、図9に示したように、螺旋状に巻かれた切り込み37を使用することができ、この切り込みにおいて上記の引き込み線(図示せず)がワイヤとしてまたは心線のうちの1つとして案内される。これによって引き込み線に対する密な区間の長さが長くなる。当然のことながら、上記の凹みの経路長を延長する別の構成も有利である。
【0050】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部分と2つの管状の端部領域とを備えるセラミック製の放電容器を有する高圧放電ランプであって、
前記端部領域はそれぞれ封止部分によって閉塞されており、
電極が前記封止部分に固定されており、
該電極は、放電容器によって取り囲まれた放電容積体に延びており、
ハロゲン、例えばメタルハライドを含む充填物が前記の放電容積体に入れられている形式の高圧放電ランプにおいて、
前記の封止部分にそれぞれつぎの構成要素が含まれており、
− 前記の電極を保持し、また前方部分がタングステンからまた後ろ側部分がニオブに類似の材料からなり、さらにセラミックの支持部に入れられている引き込み線と、
− 前記の前方のW部分は、最大350μm,有利には最大250μmの直径DUWを有するワイヤであり、
− 前記の支持部は、2〜8mmの埋め込み長さにわたる全長LAを有しており、
− 前記の前方のW部分は少なくとも1mmの長さLWにわたって支持部分に収容されており、
− 前記のW部分の長さと、W部分の直径とから形成されるアスペクト比LW/DUWは少なくとも10であり、
− 封止のため、前記の端部領域と支持部との間の間隙に、また支持部と引き込み線との間の間隙にそれぞれガラスはんだが入れられており、
各ガラスはんだは、少なくとも2つの酸化物の混合物からなり、すなわち30〜90モル%のAl23からなり、残りが希土類イットリウムY,ネオジムNd,ツリウムTm,ジスプロシウムDyの少なくとも1つの酸化物からなることを特徴とする
高圧放電ランプ。
【請求項2】
前記のはんだは、MgO,Ho2O3およびCe2O3のグループからなる別の少なくとも1つの酸化物の添加物を含む、
請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項3】
前記の支持部は、毛細管であり、
前記の引き込み線は当該毛細管に含まれているか、または凹みを有するロッドであり、
当該凹みは、例えば軸平行に延びているかまたは螺旋状に巻かれている、
請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項4】
ただ1つのガラスはんだ位置が使用される、
請求項3に記載の高圧放電ランプ。
【請求項5】
前記のガラスはんだの半径方向の溶融長さRELは、70μm以下であり、有利にはREL≦50μmである、
請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項6】
前記のガラスはんだは、関係する酸化物の共融混合物である、
請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項7】
前記の引き込み線は、複数の心線からなる、
請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項8】
前記の端部ピースは、電極に向かって円錐形に延びており、
当該端部ピースの内径を狭めて、当該端部ピースが前記の支持要素に対するストッパを形成するようにした、
請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項9】
前記の支持要素または端部ピースは、当該の端部ピースにおける支持要素の位置決めのため、ストッパ成形体を有する、
請求項1に記載の高圧放電ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−537962(P2009−537962A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511459(P2009−511459)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054653
【国際公開番号】WO2007/135012
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(504458493)オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (168)
【氏名又は名称原語表記】Osram Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, D−81543 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】