説明

高圧電位治療器

【課題】特に睡眠中に高圧電位治療を行なう場合において、被治療者に加える電圧のレベルを被治療者の状態に合わせて調整することで、治療効率を高めることを可能にする高圧電位治療器を提供すること。
【解決手段】入力電源の電圧を所定の電圧にするための電圧制御手段10と、電圧制御手段10により所定の電圧レベルに変圧された電源を高圧の直流又は交流に変換して出力する高圧電位発生手段19と、高圧電位発生手段19で生成された高圧の直流又は交流を被治療者側に出力する出力手段24と、少なくとも前記電圧制御手段10、高圧電位発生手段19及び出力手段24の作動を制御するマイコン5と、被治療者の脈拍を検知して該検知した脈拍信号を出力する脈拍センサー14を具備し、脈拍センサー14で検知した脈拍数に応じて、マイコン5の制御により、入力電源の電圧を所定の電圧に制御可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被治療者に高圧の直流または交流を加えることにより電位治療を可能とした高圧電位治療器に係り、より詳しくは、被治療者の脈拍数を参考にし、副交感神経が働いているときに高い電圧を加えることで、治療効率を高めることを可能にした高圧電位治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、頭痛、肩こり、不眠等を治療するための装置として、血液循環をよくして体質改善に効果を有する高圧電位治療器が用いられている。
【0003】
即ち、高圧電位治療器とは、被治療者の身体に高圧の電位を加える装置であり、この高圧電位治療器を用いて治療を行うことにより、被治療者は、血液循環が良くなり体質が改善され、頭痛、肩こり、不眠等を無くすることができるものである。
【0004】
ところで、被治療者の身体に高圧の電位を加えて行う電位治療は、副交感神経の働きを強め、身体に蓄積された老廃物の代謝を促進させる作用があるため、治療効率を高めるためには、心身ともにリラックスして副交感神経が働いているときに治療を行うことが望ましいといわれており、そのため、心身ともにリラックスしている睡眠中に高圧電位治療器による電位治療を行う場合がある。
【0005】
また、高圧電位治療器による治療では、例えば1時間等のまとまった治療時間が必要であるために、日中にまとまった時間をとれない者は、睡眠時間を利用して高圧電位治療を行う場合がある。
【0006】
しかしながら、その一方、従来の高圧電位治療器では、睡眠中に高圧電位治療を行なった場合には、交流特有の振動が睡眠の妨げになる場合があるため、有効な治療を行なうことが困難になることがある。
【0007】
即ち、一般的に、睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があり、更にノンレム睡眠は、眠りの浅い第1段階から眠りの深い第4段階までの4段階があり、人が眠るときは、眠りの浅いノンレム睡眠の第1段階から始まって、その後、ノンレム睡眠の第2段階乃至第4段階の深い眠りに移っていき、やがて眠りの浅いレム睡眠に入っていくと言われ、これが睡眠の1サイクルであり、この1サイクルが約90分といわれているが、従来の高圧電位治療器では、予め電圧値を設定した後にスイッチをオンにすると、治療の当初より、この予め設定した電圧値が被治療者に加えられるために、例えば1000Vを超える電圧値を設定した場合には、治療開始時の眠りの浅いときに交流特有の振動が被治療者に伝わってしまい、この振動が被治療者の睡眠の妨げになってしまうという問題点が指摘されていた。
【0008】
その一方、電圧値を低い値に設定した場合には、例えば電圧値を1,000に下げた場合には振動が被治療者に伝わることはないが、高圧電位治療では電圧値が高いほど効果が高いために、電圧値を1,000Vに設定した場合にはより高い効果を得ることが困難になってしまうという問題点がある。
【0009】
そのために、本発明者は過去において、前述の睡眠リズムに合わせて、被治療者に加える電圧を徐々に上げていくことにより、入眠当初の浅い眠りのときは交流の振動が被治療者に伝わることを防止して、睡眠の妨げになることなく、有効な高圧電位治療を行なうことを可能とした高圧電位治療器を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−40241号公報
【特許文献2】特開平9−28813号公報
【特許文献3】実公平7−13723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前述のように、人間の睡眠は、眠りの浅いノンレム睡眠の第1段階から始まって、その後、ノンレム睡眠の第2段階乃至第4段階の深い眠りに移っていき、やがて眠りの浅いレム睡眠に入っていき、これが睡眠の1サイクルであり、この1サイクルが約90分といわれているが、それぞれの段階の時間には個人差があり、個人によって各段階の時間は異なっている。
【0012】
しかしながら、前述の特開2005−40241号の高圧電位治療器では、被治療者に加える複数種類の電圧値と、それらの電圧を被治療者に加える順序及び時間を予め設定しておき、治療開始と同時に、その設定にしたがって、入力電源の電圧を所望する電圧に変換して被治療者に加えることとしており、即ち、睡眠リズムの個人差を全く考慮せずに、一律に、被治療者に加える複数種類の電圧値とそれらの電圧を被治療者に加える順序及び時間を設定していた。
【0013】
そのために、前述の特開2005−40241号の高圧電位治療器では、実際には電圧を高める時期ではないのにもかかわらず高圧を被治療者に加えてしまうおそれも十分に考えられ、必ずしも治療効率を高めることはできないという問題点が考えられた。
【0014】
そこで、本発明は、被治療者の状態に合わせて被治療者に加える電圧レベルを調整し、それにより、効果的な電位治療を可能にした高圧電位治療器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の本発明は、被治療者に対して高圧の電位を加えて電位治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に制御するための電圧制御手段と、
該電圧制御手段により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧の直流又は交流に変換して出力するための高圧電位発生手段と、
該高圧電位発生手段で生成された高圧の直流又は交流を被治療者側に出力するための出力手段と、
複数のモードを選択可能なモードスイッチを備えるとともに、該モードスイッチによるモード設定に応じて、少なくとも前記電圧制御手段、高圧電位発生手段及び出力手段の作動を制御するマイコンと、
被治療者の脈拍を検知して、該検知した脈拍信号を出力するための脈拍センサーと、を具備し、
前記脈拍センサーで検知した脈拍数に応じて、前記マイコンの制御により、前記入力電源の電圧を所定の電圧に制御可能にした、ことを特徴としている。
【0016】
また、請求項2に記載の本発明は、被治療者に対して高圧の電位又は温熱を加えて治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に制御するための電圧制御手段と、
電位治療と温熱治療とを切り替えるための切替手段と、
電位治療が選択されている場合に、前記電圧制御手段により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧の直流又は交流に変換して出力するための高圧電位発生手段と、
被治療者に電位を加えるときには前記高圧電位発生手段で生成された高圧の直流又は交流を出力し、被治療者に温熱を加えるときには前記電圧制御手段により所定電圧に制御された電源を出力するための出力手段と、
複数のモードを選択可能なモードスイッチを備えるとともに、該モードスイッチによるモード設定に応じて、少なくとも前記電圧制御手段、切替手段、高圧電位発生手段及び出力手段の作動を制御するマイコンと、
被治療者の脈拍を検知して、該検知した脈拍信号を出力するための脈拍センサーと、を具備し、
被治療者に電位を加えるときには、前記脈拍センサーで検知した脈拍数に応じて、前記マイコンの制御により、前記入力電源の電圧を所定の電圧に制御可能にした、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の高圧電位治療器では、入力電源の電圧を所定の電圧に制御するための電圧制御手段と、この電圧制御手段により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧の直流又は交流に変換して出力するための高圧電位発生手段と、この高圧電位発生手段で生成された高圧の直流又は交流を被治療者側に出力するための出力手段と、少なくとも前記電圧制御手段、高圧電位発生手段及び出力手段の作動を制御するマイコンとを有するとともに、被治療者の脈拍を検知して、この検知した脈拍信号を出力するための脈拍センサーを具備しており、脈拍センサーで検知した脈拍数に応じて、マイコンの制御により、入力電源の電圧を所定の電圧に制御可能としている。
【0018】
このように、本発明の高圧電位治療器では、脈拍センサーによって被治療者の脈拍数を監視しながら、被治療者の脈拍数に応じて、入力電源の電圧を所定の電圧にすることを可能にしているため、被治療者の副交感神経が働いているときに高い電圧を被治療者に加えて効果的な電位治療を行うことが可能である。
【0019】
即ち、人間には交感神経と副交感神経があり、日中等、人間が活発に活動して興奮状態にあるときは交感神経が働いており、睡眠時等、人間がリラックスしているときには副交感神経が働いているが、副交感神経が働いているリラックス状態のときには、血管が開いて脈拍数が少なくなっている。
【0020】
そのため、被治療者の脈拍数に応じて、入力電源の電圧を所定の電圧にすることを可能にしている本発明の高圧電位治療器では、脈拍数が少ないときに高圧を被治療者に加えることで、被治療者の副交感神経が働いているときに高い電圧を加えて効果的な電位治療を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の高圧電位治療器の実施例における回路構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の高圧電位治療器の実施例における電圧制御手段の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の高圧電位治療器の実施例における切替手段の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の高圧電位治療器の実施例における高圧電位発生手段の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明のデジタル高圧電位治療器の実施例の作用を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の高圧電位治療器では、入力された電源の電圧を所定の電圧の直流に変換するためのスイッチング電源を備えている。そして、このスイッチング電源には、入力された電源の電圧を所定の電圧に制御するための電圧制御手段が接続されている。
【0023】
また、電圧制御手段には制御手段としてのマイコンが接続されており、このマイコンは、高圧電位治療器全体の作動を制御するとともに、モードスイッチを介して設定された指示に従い、前記電圧制御手段を制御して、電圧制御手段によって変換する電圧値を制御することとしている。
【0024】
次に、電圧制御手段には、切替手段が接続されており、この切替手段は、マイコンによる制御で、電圧制御手段において所定の電圧に変圧された電源を、電位治療用に出力するか、あるいは温熱治療用に出力するかを切り替えるために用いられる。
【0025】
そして、切替手段には高圧電位発生手段が接続されており、この高圧電位発生手段においては、電圧制御手段において所定の電圧に変圧され、電位治療用に出力された電源が、高圧の直流又は交流に変換されて出力される。
【0026】
また、前記切替手段には出力手段が接続されており、この出力手段では、温熱治療を行う場合には、切替手段から温熱治療用に出力された電源を高圧ソケットに出力し、一方、電位治療を行う場合には、高圧電位発生手段から出力された電源を高圧ソケットに出力することとしている。
【0027】
更に、本発明の高圧電位治療器では、被治療者の脈拍を検知して、この検知した脈拍信号を出力するための脈拍センサーを有しており、この脈拍センサーはマイコンに接続されている。
【0028】
そして、被治療者に電位を加えるときには、脈拍センサーが被治療者の脈拍を監視し、検知した脈拍数に応じて、前記マイコンの制御により、電圧制御手段において変換される電圧値を制御することが可能となる。
【0029】
次に、前記高圧電位発生手段は、電圧制御手段から電位治療用に出力された電源を高圧のパルス信号に変換して出力するパルス発振回路を備えており、このパルス発振回路には、被治療者に交流を加えるときには前記パルス信号よりプラス側の信号及びマイナス側の信号をそれぞれ取り出し、被治療者に直流を加えるときには前記パルス信号よりマイナス側の信号を取り出すための位相制御回路が接続されている。
【0030】
そして、位相制御回路には逓倍回路が接続されており、この逓倍回路は、前記位相制御回路よりの出力を高圧に変換するために用いられる。
【0031】
また、前記逓倍回路には、前記逓倍回路により高圧に変換された信号について、そのゼロ点を合成するための出力制御回路が接続されている。
【0032】
そして、このような構成において、スイッチをオンにすると、脈拍センサーによって被治療者の脈拍数が監視され、被治療者に電位を加えるときには、前記脈拍センサーで検知した脈拍数に応じて、前記マイコンの制御により、電圧制御手段において、入力電源の電圧を所定の電圧に変圧可能としており、電圧制御手段から出力された電源の電圧は、高圧電位発生手段において、高圧の直流又は交流に変換された後に、出力手段を介して高圧ソケットに出力される。
【0033】
一方、温熱を被治療者に加えるときには、前記電圧制御回路により所定の電圧に変換された電源は、切替手段を介して出力手段に出力され、更に高圧ソケットに出力される。
【実施例1】
【0034】
本発明の高圧電位治療器の実施例について図面を参照して説明すると、図1は、本実施例の高圧電位治療器1の回路構成を説明するためのブロック図であり、図1に示す高圧電位治療器1では、電位治療の他にヒーターによる温熱治療を可能にしているとともに、電位治療の場合には、直流と交流を被治療者の選択に基づいて切り替え可能なものとしている。
【0035】
即ち、本実施例の高圧電位治療器1では、治療器全体を制御するための制御手段としてのマイコン5を備えており、このマイコン5には、モードの選択や各種設定を行うためのモードスイッチ6と、表示手段7と、音声発生手段としてのスピーカー8とが接続されており、表示手段7における表示、及びスピーカー8による音声案内等を参考にしながら、モードスイッチ6によりモードの種類、電圧値等を設定可能としている。
【0036】
そして、本実施例において設定可能なモードとしては、少なくとも、(1)電位治療のみ、(2)温熱治療のみ、(3)電位治療と温熱治療の所定時間ごとの切り替え、(4)脈拍数に応じて電圧を変化させる直流治療、(5)脈拍数に応じて電圧を変化させる交流治療を備えている。
【0037】
また、本実施例において設定可能な電圧値としては、直流電圧の場合は1,000Vから14,000V、交流の場合は1,000Vから9,000Vとしており、温熱に関しても複数段階の選択を可能としている。
【0038】
更に、例えば、脈拍数に応じて電圧を変化させる治療を選択した場合には、脈拍数に応じて、加える電圧値を設定しておくか、あるいは、自動設定を選択することで、脈拍数に対応して予め設定してある電圧が被治療者に加えられる。
【0039】
また、本実施例の高圧電位治療器では、高圧ソケット9を備えており、この高圧ソケット9に、ニクロム線及び特殊カーボンフィルム等の導電手段を内蔵した通電マット25を接続することで、通電マット25を介して、被治療者に対する電位治療及び温熱治療を可能としている。
【0040】
次に、本実施例の高圧電位治療器1の回路構成について説明すると、図1において、2はスタートスイッチであり、このスタートスイッチ2をオンにすることで、本実施例の高圧電位治療器1に電源が供給される。
【0041】
次に、図において3はスイッチング電源であり、本実施例においてこのスイッチング電源3は、交流85V〜260Vの入力を受けてこれを直流26Vに変換する。
【0042】
そして、このスイッチング電源3には、電圧調整手段としてのDC/DCコンバーター4が接続されており、このDC/DCコンバーター4において、前記直流26Vを直流5Vに変換するとともに、変換された直流5Vが、制御用電圧として前記マイコン5に入力される。
【0043】
また、前記スイッチング電源3には電圧制御手段10が接続されており、この電圧制御手段10においては、前記スイッチング電源3より供給される直流26Vの電圧が任意の値に変換される。
【0044】
ここで、前記電圧制御手段10について図2を参照して説明すると、本実施例において前記電圧制御手段10は、電圧制御回路11を有している。そして、この電圧制御回路11は、トランジスタ1101と、このトランジスタ1101のベースに接続された制御用IC1102を含んでおり、電圧制御回路11のトランジスタ1101に、前記スイッチング電源3より、メイン電源としての直流26Vが供給される。
【0045】
また、前記電圧制御手段10はラダー回路12を有しており、このラダー回路12は、前記マイコン5に接続されている。そして、マイコン5からラダー回路12に対して、0から255迄の任意の8ビットの信号が出力され、ラダー回路12においては、マイコン5からの入力が電圧レベルに変換される。
【0046】
また、ラダー回路12は前記制御用IC1102に接続されており、マイコン5からの出力に応じた電圧が、制御用IC1102を介して、ラダー回路12から前記トランジスタ1101のベース側に出力され、これにより、メイン電源としての直流26Vの電圧を所望する値に変換して出力することが可能となる。
【0047】
即ち、本実施例においては、マイコン5からラダー回路12への出力を調整することにより、ラダー回路12からトランジスタ1101のベース側に出力される電圧レベルを調整することができ、これにより、スイッチング電源2より供給される電源の電圧レベルを調整可能であり、更に、直流26Vを、交流波形に類似した波形として電圧制御回路11より出力することも可能である。
【0048】
なお、本実施例においては、DC/DCコンバーターを含む制御電圧生成手段13を、前記電圧制御手段10に備えており、この制御電圧生成手段13に前記スイッチング電源3より直流26Vを供給するとともに、制御電圧生成手段13の出力側を前記制御用IC1102に接続している。
【0049】
そして、この制御電圧生成手段13において、スイッチング電源3より供給された直流26Vを直流5Vに変換するとともに、この直流5Vを前記直流26Vに加算して直流31Vを生成し、この直流31Vを、前記制御用IC1102に供給しており、これにより、メイン電源の直流26Vを確実にトランジスタより出力可能としている。
【0050】
即ち、この制御用の直流31Vを加えない場合には、各種の抵抗等の影響により、マイコン5からの出力を最大にした場合でもトランジスタから直流26Vを出力することが困難になってしまう。そこで本実施例においては、制御用電圧として直流31Vを生成するとともにこの直流31Vを、制御用IC1102に供給し、メイン電源の直流26Vを確実に出力可能としている。
【0051】
次に、図1において14は脈拍センサーである。即ち、本実施例の高圧電位治療器1では、脈拍センサー14を備えており、この脈拍センサー14によって、被治療者の脈拍を検知及び監視可能としている。
【0052】
そして、この脈拍センサー14は前記マイコン5に接続されており、脈拍センサー14は、検知した脈拍信号をマイコン5に出力することとしている。
【0053】
そして、この構成においてマイコン5は、モード選択において、脈拍数に応じて電圧を変化させる直流治療、あるいは、脈拍数に応じて電圧を変化させる交流治療が選択された場合に、前記脈拍センサー14で検知した脈拍数に応じて、前記ラダー回路12に対して出力する信号を調整し、スイッチング電源2より供給される電源の電圧レベルを調整することとしている。
【0054】
従って、本実施例の高圧電位治療器1においては、脈拍数が少ないときに高圧を被治療者に加えることで、被治療者の副交感神経が働いているときに、高い電圧を加えて効果的な電位治療を行うことが可能である。
【0055】
例えば、マイコン5は、直流電圧が選択されている場合には、治療の開始当初は、1,000Vを被治療者に加えることが可能なようにラダー回路を制御し、その後、脈拍数が少なくなるに従って、被治療者に加える電圧を徐々に上げて最終的には14,000Vを被治療者に加えることが可能なようにし、また、交流電圧が選択されている場合には、治療の開始当初は、1,000Vを被治療者に加えることが可能なようにラダー回路を制御し、その後、脈拍数が少なくなるに従って、被治療者に加える電圧を徐々に上げて最終的には9,000Vを被治療者に加えることが可能なようにすることができる。従って、本実施例の高圧電位治療器では、被治療者の副交感神経が働いているときにより高い電圧を加えて電位治療の効果を上げることができる。
【0056】
なお、脈拍センサーには、光電式等種々の種類が存在するが、本発明において前記脈拍センサー15の種類は特に限定されず、被治療者の脈拍を検知して検知した脈拍数を出力可能であればいずれの脈拍センサーを用いてもよい。
【0057】
次に、図において15は切替手段であり、本実施例の高圧電位治療器1では、前記切替手段15によって、使用者の設定に応じて、電位治療、温熱治療の切り替えを可能にしている。
【0058】
ここで、前記切替手段15について説明すると、図3は本実施例における前記切替手段15の構成を説明するためのブロック図であり、本実施例において前記切替手段15には、電位治療のためのメイン電源を供給するための交流/直流切替回路16と、温熱治療のためのメイン電源を供給するための温熱切替回路17が備えられている。
【0059】
即ち、交流/直流切替回路16と温熱切替回路17はそれぞれ、前記電圧制御回路11に接続されており、マイコン5による制御で、前記電圧制御回路11において所定の電圧に変圧された電源が、交流/直流切替回路16と温熱切替回路17に供給され、交流/直流切替回路16は電位治療のためのメイン電源を供給し、温熱切替回路17は温熱治療のためのメイン電源を供給することを可能としている。
【0060】
そして、前記切替手段15には、前記マイコン5に接続された電位温熱制御回路18が備えられており、この電位温熱制御回路18は、使用者の設定に応じて、電位治療、温熱治療の切り替えを可能にしている。
【0061】
即ち、電位温熱制御回路18には、前記交流/直流切替回路16と温熱切替回路17が接続されており、前記電位温熱制御回路18からの信号を受けて、交流/直流切替回路16、温熱切替回路17のいずれかが作動することとしている。
【0062】
そして、交流/直流切替回路16が作動すると、前記電圧制御回路11からの出力が高圧の直流又は交流に変換された後に前記高圧ソケット9に出力されて電位治療が可能となり、一方、温熱切替回路17が作動すると、前記電圧制御回路11からの出力が温熱治療用の電源として前記高圧ソケット9に供給されて温熱治療が可能となる。なお、本実施例において、前記交流/直流切替回路16、温熱切替回路17としては、SCRを用いている。
【0063】
次に、図1において19は高圧電位発生手段である。即ち、本実施例においては、前記交流/直流切替回路16に高圧電位発生手段19が接続されており、電位治療のために前記交流/直流切替回路16が作動すると、前記電圧制御回路11からの出力は、この高圧電位発生手段19において高圧に変換される。
【0064】
ここで、前記高圧電位発生手段19について図4を参照して説明すると、図4は、前記高圧電位発生手段19の構成を説明するためのブロック図であり、図において20はパルス発振回路である。
【0065】
即ち、本実施例における前記高圧電位発生手段19では、前記交流/直流切替回路16に接続されたパルス発振回路20を備えており、交流/直流切替回路16が作動すると、電圧制御回路11から供給される直流電源は、パルス発振回路20に入力される。
【0066】
そして、パルス発振回路20はトランスを備えており、入力された直流電圧を高圧のパルス信号に変換して出力する。なお、本実施例においては、直流25Vが入力された場合には、パルス発振回路20において、これを直流3,000Vのパルスに変換可能としている。
【0067】
次に、パルス発振回路20には位相制御回路21が接続されており、この位相制御回路21は、プラス側の位相制御回路21Aとマイナス側の位相制御回路21Bを備えている。
【0068】
そして、被治療者に交流を加えるときには、プラス側の位相制御回路21Aは、前記パルス発振回路20で出力されたパルス信号から、プラス信号を取り出し、マイナス側の位相制御回路21Bは、前記パルス発振回路20で出力されたパルス信号から、マイナス信号を取り出す。
【0069】
一方、被治療者に直流を加えるときに、マイナス側の位相制御回路21Bのみが作動して、前記パルス発振回路20で出力されたパルス信号からマイナス信号を取り出す機能を有する。
【0070】
この位相制御回路21の作用について説明すると、本実施例において前記位相制御回路21は、マイコン5による制御に基づいて作動し、被治療者に交流を加えるときには、前記パルス発振回路20より出力されたパルス信号について、プラス側の信号とマイナス側の信号をそれぞれ別個に取り出すとともに、この取り出した信号を用いてプラス側の波形とマイナス側の波形を生成する。そして、波形の生成に際しては、半サイクル分の信号を16分割して合成して交流波形を生成することとしている。
【0071】
一方、被治療者に直流を加えるときには、マイナス側の位相制御回路21Bのみが作動して、前記パルス発振回路20より出力されたパルス信号についてマイナス側の信号を取り出す。なお、被治療者に直流を加える際には、必ずしもマイナス信号を取り出す必要はなくプラス信号を取り出してもよいが、一般的にマイナス信号を出力することによりマイナスイオンが放出されると言われているため、本実施例ではマイナス信号を取り出すこととしている。
【0072】
次に、図4において22は逓倍回路である。即ち、本実施例において前記位相制御回路21には、マイコン5により制御される逓倍回路22が接続されており、前記位相制御回路21において取り出された信号がそれぞれ、この逓倍回路22において、所定の倍率で逓倍される。
【0073】
なお、本実施例において前記逓倍回路22としては、複数個のダイオードと複数個のコンデンサーを組み合わせた6逓倍回路としており、従って、本実施例においては、変圧手段において高圧に変換された電源の電圧が、この逓倍回路22において約6倍の電圧に変換される。
【0074】
また、逓倍回路22は、前記プラス側の位相制御回路21Aの出力とマイナス側の位相制御回路21Bの出力をそれぞれ逓倍するためのプラス側逓倍回路22Aとマイナス側逓倍回路22Bとを備えており、交流を出力する場合には双方が機能し、直流を出力する場合にはマイナス側逓倍回路22Bが機能する。
【0075】
次に、前記逓倍回路22には、プラス側出力制御回路23Aとマイナス側出力制御回路23Bを有した出力制御回路23が接続されており、前記プラス側逓倍回路22Aにプラス側出力制御回路23Aが接続され、マイナス側逓倍回路22Bにマイナス側出力制御回路23Bが接続されている。
【0076】
そして、出力制御回路23は、被治療者に交流を加えるときに、前記マイコン5による制御に基づいて、前記6倍されたプラス波形、マイナス波形のそれぞれの信号について、ゼロ点を合成することで交流波形を生成して出力し、被治療者に直流を加えるときにはマイナス側の逓倍回路22Bの出力を出力する。
【0077】
そして、この出力制御回路23と前記切替手段15内に備えられた温熱切替回路17はそれぞれ、出力手段としての電位温熱切替回路24に接続されており、使用者のモード設定に従い、電位治療を選択している場合には、前記高圧電位発生手段19からの出力が、電位温熱切替回路24を通った後に、高圧ソケット9を介して通電マット25に出力され、一方、温熱治療を選択している場合には、温熱切替回路17からの出力が、電位温熱切替回路24を通った後に、高圧ソケット9を介して通電マット25に出力される。なお、本実施例において電位温熱切替回路24としては、高圧リレーを用いている。
【0078】
次に、このように構成される本実施例の高圧電位治療器1の作用について図5のフローチャートを用いて説明すると、例えば商用100Vが接続されている状態において、ステップ1において、モードスイッチ6によりモードの種類、電圧値等を設定した後に、ステップ2においてスタートスイッチをオンにすると、その後所定時間経過後、本実施例においては約3秒後に、設定したモード等に応じて、本実施例の高圧電位治療器1が作動を開始する。
【0079】
即ち、スイッチング電源3において、入力電源が直流に変換され、26Vが主電源として電圧制御手段10に供給されとともに、スイッチング電源3よりの出力は、電圧調整手段としてのDC/DCコンバーター4において直流5Vに変換され、この直流5Vが、制御用電圧として前記マイコン5に供給される。
【0080】
また、脈拍数に応じて電圧を変化させる治療を選択した場合には、ステップ3において、脈拍センサー14によって被治療者の脈拍の検知が開始されるとともにこの検知が継続され、即ち、被治療者の脈拍数の監視が行われ、脈拍センサー14で検知した被治療者の脈拍数がマイコン5に入力される。
【0081】
次に、電圧制御手段10に供給された主電源は、ステップ4において、電圧制御手段10において所望する電圧に調整される。即ち、前述したように、使用者の選択に応じて、あるいは、脈拍数に応じて電圧を変化させる治療を選択した場合には、被治療者の脈拍数に応じて、マイコン5からラダー回路12に対して、0から255迄の任意の8ビットの信号が出力され、このマイコン5からの入力に従ってラダー回路12から制御用ICに出力される電圧が調整される。そして、この電圧が、制御用IC1102を介してトランジスタ1101のベース側に出力され、これにより、メイン電源としての直流26Vの電圧が所望する電圧に変換される。
【0082】
従って、直流を被治療者に加えるときには、マイコン5からの出力を一定にするとよく、一方、交流を被治療者に加えるときには、マイコン5からの出力を0から255の間で変化させることにより、電圧制御回路11からの出力を交流波形に類似した波状の波形として出力することが可能である。なおこのとき、前述のように、本実施例においては、電圧制御手段10に、DC/DCコンバーターを含む制御電圧生成手段13を備えており、この制御電圧生成手段13において、スイッチング電源3より供給された直流26Vを直流5Vに変換するとともに、この直流5Vを前記直流26Vに加算して直流31Vを生成し、この直流31Vを前記制御用IC1102に供給しているため、メイン電源の直流26Vは確実にトランジスタより出力される。
【0083】
また、脈拍数に応じて電圧を変化させる治療を選択した場合には、マイコン5は、被治療者の脈拍数に応じて、マイコン5からラダー回路12に対して出力する信号を調整して、治療開始当初は低い電圧を被治療者に加え、脈拍数が少なくなるに従って、被治療者に加える電圧を徐々に上げ、最終的には、直流の場合には14,000V、交流の場合には9,000Vを被治療者に加えることが可能なようにする。
【0084】
次に、電圧制御手段10によって所望する電圧に調整された主電源は、電位温熱制御回路18の制御により、被治療者に温熱を加えるときには、温熱切替回路17及び電位温熱切替回路24を介して高圧ソケット9に出力され、被治療者に電位を加えるときには、交流/直流切替回路16を通った後に高圧電位発生手段19において高圧に変換され、その後に、電位温熱切替回路24を介して高圧ソケット9に出力される。
【0085】
即ち、被治療者に温熱を加えるときには、マイコン5からの指示によって電位温熱制御回路18が温熱切替回路17を作動させ、これにより、電圧制御手段10より出力された主電源は、ステップ5において、温熱切替回路17及び電位温熱切替回路24を介して高圧ソケット9に出力される。そしてそれにより、高圧ソケット9に接続された通電マット25を介して、被治療者に対する温熱治療が可能となる。
【0086】
一方、被治療者に電位を加えるときには、マイコン5からの指示によって電位温熱制御回路18が交流/直流切替回路16を作動させ、これにより、電圧制御手段10よりの出力は、高圧電位発生手段19に供給されるとともに、高圧電位発生手段19において高圧に変換され、その後、電位温熱切替回路24を介して高圧ソケット9に出力され、それにより、高圧ソケット9に接続された通電マット25を介して、被治療者に対する電位治療が可能となる。
【0087】
即ち、交流/直流切替回路16が作動することにより、電圧制御手段10よりの出力は、まず、パルス発振回路20に入力されるとともに、パルス発振回路20において、高圧のパルス信号に変換される(ステップ6)。具体的には、本実施例においては、直流25Vが入力された場合には、3,000Vのパルスに変換される。
【0088】
次に、交流を被治療者に加えるときには、位相制御回路21において、パルス発振回路20よりの出力からプラス信号、マイナス信号がそれぞれ取り出されるとともに、この取り出した信号によって、プラス側の波形とマイナス側の波形が生成され(ステップ11)、更に、この生成されたプラス側波形とマイナス側波形はそれぞれ、逓倍回路22において6倍に逓倍される(ステップ12)。そして、この6倍に逓倍された波形は、ステップ13において、出力制御回路23においてゼロ点が合成されて交流波形が生成され、この交流波形は、その後ステップ14で、電位温熱切替回路24及び高圧ソケット9を介して通電マット25より被治療者に加えられる。
【0089】
一方、直流を被治療者に加えるときには、位相制御回路21において、パルス発振回路20よりの出力からマイナス信号が取り出されるとともに(ステップ7)、ステップ8において、この取り出した信号が逓倍回路22において6倍に逓倍される。そして、この6倍に逓倍された波形によって直流波形が生成され(ステップ9)、この直流波形は、その後ステップ10で、電位温熱切替回路24及び高圧ソケット9を介して通電マット25より被治療者に加えられる。
【0090】
このように、本実施例の高圧電位治療器では、脈拍センサー14によって被治療者の脈拍数を監視しながら、被治療者の脈拍数に応じて、入力された電源の電圧を変化させることを可能にしているため、被治療者の脈拍数が少なく、被治療者の副交感神経が働いているときに高い電圧を被治療者に加え、それにより効果的な電位治療を行うことが可能である。
【0091】
また本実施例の高圧電位治療器では、入力電源の電圧を予め設定した電圧に制御した後に、この予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧の直流又は交流に変換して出力可能としており、更に高圧に変換する方法として逓倍回路を用いているために、大型のトランスが不要となり、これにより治療器の軽量化を達成することができる。
【0092】
更に、入力電源を高圧の交流として出力するに際して、供給された電源を高圧のパルス信号に変換して出力した後に、このパルス信号よりプラス側の信号及びマイナス側の信号をそれぞれ取り出し、この取り出したプラス側信号及びマイナス側信号を高圧に変換し、その後、高圧に変換したプラス側信号及びマイナス側信号を、ゼロ点を合成して出力することを可能にしているため、ゼロ点を維持して正確な交流波形の電圧を出力することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、被治療者の脈拍数を監視し、脈拍数が少なく副交感神経が働いているときに高い電圧を加えて効果的な電位治療を行うことを可能としているため、高圧電位治療器の全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 高圧電位治療器
2 スタートスイッチ
3 スイッチング電源
4 DC/DCコンバーター
5 マイコン
6 モードスイッチ
7 表示手段
8 音声発生手段
9 高圧ソケット
10 電圧制御手段
11 電圧制御回路
12 ラダー回路
13 制御電圧生成手段(DC/DCコンバーター)
14 脈拍センサー
15 切替手段
16 交流/直流切替回路
17 温熱切替回路
18 電位温熱制御回路
19 高圧電位発生手段
20 パルス発振回路
21 位相制御回路
22 逓倍回路
23 出力制御回路
24 電位温熱切替回路(出力手段)
25 通電マット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被治療者に対して高圧の電位を加えて電位治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に制御するための電圧制御手段(10)と、
該電圧制御手段(10)により所定の電圧レベルに変圧された電源を高圧の直流又は交流に変換して出力するための高圧電位発生手段(19)と、
該高圧電位発生手段(19)で生成された高圧の直流又は交流を被治療者側に出力するための出力手段(24)と、
複数のモードを選択可能なモードスイッチ(6)を備えるとともに、該モードスイッチ(6)によるモード設定に応じて、少なくとも前記電圧制御手段(10)、高圧電位発生手段(19)及び出力手段(24)の作動を制御するマイコン(5)と、
被治療者の脈拍を検知して該検知した脈拍信号を出力するための脈拍センサー(14)と、を具備し、
前記脈拍センサー(14)で検知した脈拍数に応じて、前記マイコン(5)の制御により、前記入力電源の電圧を所定の電圧に制御可能にした、ことを特徴とする高圧電位治療器。
【請求項2】
被治療者に対して高圧の電位又は温熱を加えて治療を行うために用いられる高圧電位治療器であって、
入力電源の電圧を所定の電圧に制御するための電圧制御手段(10)と、
電位治療と温熱治療とを切り替えるための切替手段(15)と、
電位治療が選択されている場合に、前記電圧制御手段(10)により予め設定された電圧レベルに変圧された電源を高圧の直流又は交流に変換して出力するための高圧電位発生手段(19)と、
被治療者に電位を加えるときには前記高圧電位発生手段(19)で生成された高圧の直流又は交流を出力し、被治療者に温熱を加えるときには前記電圧制御手段(10)により所定電圧に制御された電源を出力するための出力手段(24)と、
複数のモードを選択可能なモードスイッチ(6)を備えるとともに、該モードスイッチ(6)によるモード設定に応じて、少なくとも前記電圧制御手段(10)、切替手段(15)、高圧電位発生手段(19)及び出力手段(24)の作動を制御するマイコン(5)と、
被治療者の脈拍を検知して該検知した脈拍信号を出力するための脈拍センサー(14)と、を具備し、
被治療者に電位を加えるときには、前記脈拍センサー(14)で検知した脈拍数に応じて、前記マイコン(5)の制御により、前記入力電源の電圧を所定の電圧に制御可能にした、ことを特徴とする高圧電位治療器。
【請求項3】
前記高圧電位発生手段(19)は、
供給された電源を高圧のパルス信号に変換して出力するパルス発振回路(20)と、
プラス側の位相制御回路(21A)とマイナス側の位相制御回路(21B)を備えて、被治療者に交流を加えるときには前記パルス発振回路(20)から出力されたパルス信号から、プラス側の信号とマイナス側の信号をそれぞれ取り出し、被治療者に直流を加えるときには、マイナス側の位相制御回路(21B)のみが作動して、前記パルス発振回路(20)から出力されたパルス信号よりマイナス側の信号を取り出す位相制御回路(21)と、
プラス側の位相制御回路(21A)で取り出された信号を所定の倍率で逓倍するプラス側逓倍回路(22A)と、マイナス側の位相制御回路(21B)で取り出された信号を所定の倍率で逓倍するマイナス側逓倍回路(22B)を備えて、交流を出力する場合にはプラス側逓倍回路(22A)とマイナス側逓倍回路(22B)の双方が機能し、直流を出力する場合にはマイナス側逓倍回路(22B)が機能する逓倍回路(22)と、
プラス側出力制御回路(23A)とマイナス側出力制御回路(23B)を有して、被治療者に交流を加えるときには、プラス側逓倍回路(22A)で所定の倍率に逓倍されたプラス波形とマイナス側逓倍回路(22B)で所定の倍率に逓倍されたマイナス波形のそれぞれの信号についてゼロ点を合成することで交流波形を生成して出力し、被治療者に直流を加えるときには、マイナス側逓倍回路(22B)で所定の倍率で逓倍された波形を用いて直流波形を生成して出力する出力制御回路(23)と、を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高圧電位治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−24128(P2012−24128A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162671(P2010−162671)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(500012662)日本セルフメディカル株式会社 (4)
【Fターム(参考)】