説明

高増粘性糊料組成物及びそれを用いた粘度コントロール方法

【課題】多糖類を用いた増粘性糊料組成物について、特定食塩濃度を有する液状組成物に含有すると、所望の粘度が得られなかったり、また、所望粘度が得られた場合、得られた液状組成物の各温度域での粘度変化が少ないため、食品のため、口の中に残ったり、飲み込み難いなどの食感低下を生じるという欠点を克服し、相乗的に優れた増粘性を示す高増粘性糊料組成物を提供する。
【解決手段】(A)キサンタンガム、(B)ローカストビーンガム及び(C)グァガムを含有する糊料組成物であって、(A)成分と(B)成分の合計量と(C)成分との比が質量比で95:5〜85:15、かつ(A)成分は(B)成分よりも多く含有させる高増粘性糊料組成物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含水低粘性物質に添加し、これに高粘性を付与するか、あるいはこれをゲル化させるための高増粘性糊料組成物及びこれを特定の食塩濃度環境化で用いた粘度コントロール方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品や化粧品の分野において、低粘性物質の粘度を向上させたり、ゲル化を行わせるために、増粘用糊料が用いられている。
このような、増粘用糊料としては、冷菓を製造するための安定剤として、10〜30重量%のキサントモナスガムと10〜30重量%のローカストビーンガムと40〜80重量%のグァガムとの組み合せが(特許文献1参照)、ビーフカレー、チキンカレー、ハヤシビビーウ、ドライカレー等のカレー類、その他牛肉丼、鳥釜飯、焼飯、チキンライス、焼きソバ等の各種調理添加食品の増粘及び粘度低下防止や、肉や野菜などの固相部とラード、サラダ油などの油相部との均質な混合維持、さらに糊状感など、食感低下抑制用として、キサンタンガム又はこれとローカストビーンガム及び又はグァールガム及び又はタラガム及び又はカラヤガム及び又は、ペクチン及び又は 紅藻類抽出物の1種以上を併用した調理用添加食品素材(特許文献2参照)、キサンタンとグアー、解重合されたガラクトマンナン及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の多糖類、及びさらにローカストビーンガムを含むゲル化組成物(特許文献3参照)、また、ガラクトマンナン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ペクチン、カラギーナン、ジェランガム、寒天、大豆水溶性多糖類、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、カラヤガムから選ばれた少なくとも1種の多糖類を増粘剤として用いたときにみられる、液切れ性が悪く、食品に添加した場合、糊状感やべたつき感を示すという欠点を改善するために水分散性セルロースを配合した増粘安定剤(特許文献4参照)が提案されている。
【0003】
そして、上記の特許文献1ないし3には、キサンタンガム、ローカストビーンガム及びグァガムの配合割合が質量比で、特許文献1には、10〜30:10〜30:80〜40、特許文献2には、2:1:1、特許文献3には、20〜80:<20:80〜20とする増粘性糊料が実施例として示され、特許文献4には、液切れ性が悪く、食品に添加した場合、糊状感やべたつき感を示すという欠点を有するものの例としてグァガムとキサンタンガムとを質量比3:1で混合した比較例が示されている。
【0004】
したがって、キサンタンガムとグァガムとを組み合わせた増粘剤はこれまで知られていたが、これらの増粘剤は、粘度向上効果がキサンタンガム単独の場合とほとんど変わらない上に、上記したように、液切れ性が悪く、かつ食品に添加した場合、糊状感やべたつき感を生じ、食品としての品質をそこなうという欠点を有している。また、これらを解決するためにさらにローカストビーンガムを組み合わせることが行われているが、粘度向上効果が見られるものの、増粘剤を用いる対象の温度や塩濃度によって、粘度のど越し性や飲み込み性の面で未だ満足できるものではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開昭55−102360号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】特開昭52−136932号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献3】特開平6−279749号公報(請求項4、5、その他)
【特許文献4】特開2008−50376号公報(請求項1、0002、比較例7等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、キサンタンガムとローカストビーンガム及びグァガムの組み合せからなる増粘性糊料組成物について、NaClの存在下においても、十分増粘効果を発揮するが、特定温度下では粘度が低下するので、食品に添加した場合にこれまでの増粘剤に見られた飲み込み難くかったり、のどに詰まりそうであるような感じを生じるという欠点を克服し、相乗的に優れた増粘性を示し、しかも特NaCl存在下で特定温度で粘性が変化する高増粘性糊料組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、キサンタンガム、グァガム及びローカストビーンガムとの組み合せを有効成分とする増粘性糊料組成物における欠点を克服し、相乗的な効果を奏する新規な増粘性糊料組成物を開発するために、鋭意研究を重ねた結果、上記の増粘性糊料組成物に、各成分の配合割合を特定の範囲とすることにより、従来のグァガムの配合割合が多い糊料組成物を用いたときに伴う高い増粘効果は得られ、しかもそれを食品に添加した場合に食品が飲み込み難くかったり、のどに詰まりそうであるような感じを生じるという食感の劣化が抑制され、しかも著しい増粘性の向上がみられるが、特定の温度において粘性が変化することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次のとおりである。
(1)(A)キサンタンガム、(B)ローカストビーンガム及び(C)グァガムを含有する糊料組成物であって、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量と前記(C)成分との比が質量比で95:5〜85:15、かつ前記(A)成分は前記(B)成分よりも多く含有することを特徴とする高増粘性糊料組成物。
(2)前記(1)に記載の高増粘性糊料組成物を添加することにより配合された液状組成物。
(3)前記(2)に記載の液状組成物の食塩濃度を0.01%以上に調整し、25℃〜35℃で温度域に維持することを特徴とする粘度コントロール方法。
【0009】
そして、本発明の高増粘性糊料組成物については、その組成及び配合割合を選択することによって、温度75℃、食塩濃度0.8%の水溶液100gに0.5gを溶解し、60分間撹拌後、30℃まで冷却して調製した試験液を、B型粘度計[東京計器(株)製、回転速度30rpm、No.4ローター使用]で測定したときの温度25℃〜30℃における粘度を0.9mPa・s以上にでき、しかも31℃〜35℃における粘度を、0.6mPa・s以下にすることができるので有利である。
【0010】
通常、低粘性物質に対する増粘効果は、添加する増粘剤の量に依存するが、これまでの多糖類を有効成分とする増粘用糊料組成物の場合は、高粘度を与えるためには、3〜10質量%又はそれ以上配合しなければならないが、このように多量の糊料組成物を配合して増粘された製品では、多糖類由来の異味、異臭に起因する不快感を生じるのを避けることができず、問題があった。
【0011】
しかし、本発明の高増粘性糊料組成物は、高粘度に調製することができるので、少ない配合量で、所望の高粘度を与えることができるため、上記のような問題を解決することができる。
【0012】
本発明において、(A)成分として用いられるキサンタンガムは、トウモロコシのようなデンプンを細菌により発酵させて得られる水溶性の天然多糖類で、D‐グルコースがβ‐1,4結合した主鎖とこの主鎖のアンヒドログルコースにD‐マンノース、D‐グルクロン酸からなる側鎖が結合した構造を有する物質である。分子量200万ないし5000万程度のものが知られているが、本発明においては、いずれの分子量のものも用いることができる。
【0013】
次に、(B)成分として用いるローカストビーンガムは、主に地中海沿岸地域に生息するカロブの木の豆の胚乳を分離粉砕した多糖類であり、ガラクトースとマンノースを主成分とするものである。
【0014】
また、(C)成分として用いるグァガムは、マメ科植物グァの種子の胚乳部に含有される粘液物質であり、主成分はガラクトマンナンであり、ガラクトースとマンノースが約1:2の割合で結合したものである。
【0015】
前記(A)キサンタンガム、(B)ローカストビーンガム及び(C)グァガムの配合割合は、前記(A)成分と(B)成分との合計量と前記(C)成分とを質量比で95:5〜85:15の範囲である。この範囲よりも(C)成分の含有量が多くなると、低粘性物質の粘度を高くすることが難しくなるし、(C)成分の含有量がこの範囲よりも少なくなると、特定温度における粘度コントロール性が失われるので好ましくない。さらに前記(A)成分と(B)成分との配合割合は必ず(A)成分が(B)成分よりも多く配合割れる必要がある。(A)成分と(B)成分とが同量又は(B)成分の方が多いと、低粘性物質に例えば糊料組成物を0.5質量%添加してもB型粘度が10,000mPa(6rpm)以上の粘度を得ることができない。このことは、所望の粘度を得るために多量の糊料組成物を必要とすることを示し、糊料組成物の配合量が多くなると、低粘性物質の味や臭いなどに変化をもたらすので好ましくない。
低粘性物質を少ない添加量で高い粘度とすること、特定温度での粘度コントロール性、及び糊料組成物を添加した際に低粘性物質の味や臭いなどの変質防止性の面から、好ましい配合割合は、(A)成分と(B)成分の合計量と(C)成分との配合比が93:7〜88:12、さらに好ましくは90:10で、しかも前記(A)成分と(B)との合計量中、(A)成分の配合割合が51〜60質量%、さらに好ましくは52〜58質量%の範囲である。
【0016】
特に好ましい範囲の割合で混合することで、高い増粘性が得られる糊料を調整可能性、しかも0.01%以上の食塩濃度下、特定温度、例えば35℃において、それ以外の温度域での粘度よりも30%以上粘度を低下(粘度コントロール性)させるという特徴を得ることが出来る。
【0017】
本発明の高増粘性糊料組成物としては、できるだけ少ない使用量で低粘性物質に高粘度、例えば10,000mPa・s以上の粘度を付与し得るのが望ましいので、それを製造するに当り、温度75℃のイオン交換水100gに試料0.5gを溶解し、60分間撹拌後、25℃まで冷却して試験液を調製し、24時間後にB型粘度計で測定したときの粘度が10000mPa・s(6rpm)以上になるように、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を前記配合割合の中から適宜配合割合を選択するのが有利である。
【0018】
次に、本発明の高増粘性糊料組成物によって増粘し得る低粘性物質としては、室温において液状又はペースト状の形態をとるものであればよく、特に制限はない。このような低粘性物質には、液状食品、液状化粧品、液状医薬品、液状工業製品などが含まれる。
【0019】
この中の液状食品の例としては、コーヒー、紅茶、緑茶、ココア、汁粉、ジュース、豆乳、生乳、加工乳、乳酸菌飲料、カルシウム強化飲料、食物繊維含有飲料などの飲料類、コーヒーホワイトナー、ホイッピングクリーム、カスタードクリーム、ソフトクリームなどの乳製品類、スープ、シチュー、ソース、タレ、ドレッシング、練り辛子、練りわさびなどの液状料理、調味料類、フルーツソース、フルーツプレパレーションなどの果肉加工品類、流動食類、液状又はペースト状サプリメント類、液状又はペースト状ペットフード類を挙げることができる。
【0020】
上記の液状医薬品の例としては、経口用製剤、経鼻用製剤、点滴用製剤、経管用製剤、軟膏、薬用化粧品、ビタミン含有保健剤、薬用育毛剤、薬用歯磨き剤、浴用剤、駆虫剤、腋臭防止剤、口内清涼剤、生体材料、貼布剤、皮膚塗布剤などを挙げることができる。
【0021】
上記の液状化粧品の例としては、皮膚用化粧品(化粧水、乳液、美容液、パック、モイスチャークリーム、マッサージクリーム、コールドクリーム、クレンジングクリーム、洗顔料、バニシングクリーム、エモリエントクリーム、ハンドクリーム、制汗・デオドラント剤、日焼け止め用化粧料など)、仕上用化粧品(ファンデーション、おしろい、口紅、リップクリーム、ほほ紅、サンスクリーン化粧料、まゆ墨、マスカラ等まつげ用化粧料、マニキュアや除光液など)、頭髪用化粧品(シャンプー、ヘアリンス、ヘアトニック、ヘアトリートメント、ポマード、チック、ヘアクリーム、香油、整髪料、ヘアスタイリング剤、ヘアスプレー、染毛料、育毛剤や養毛剤など)、その他ハンドクリーナーのような洗浄剤、浴用化粧品、ひげそり用化粧品、芳香剤、歯磨き剤、軟膏、貼布剤などを挙げることができる。
【0022】
上記の液状工業製品の例としては、顔料、塗料、インク類、消臭・芳香剤、抗菌・防カビ剤、接着剤、コーティング剤、シーリング剤、放熱剤、各種オイル(切削油、潤滑油等)、パンク補修剤、タイヤ、自転車や自動車用チューブ、界面活性剤(分散剤)、衛生材料、湿潤材料、吸湿材料、吸着材料、表面保護剤、培養材料、洗剤、液体石けんなどを挙げることができる。
【0023】
次に、本発明方法に従い、低粘性物質を増粘し、その粘度をコントロールするには、本発明の高増粘性糊料組成物を、低粘性物質に対し、所望の粘度を得るのに必要な量で添加し、加熱しながらよく撹拌し、均一に分散させる。
【0024】
この際の添加量は、低粘性物質に対し、どの程度の粘度向上を必要とするかに応じて適宜選ばれるが、添加により製品の品質がそこなわれないように、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下の範囲が選ばれる。例えば、蜂蜜程度の粘度(B型粘度(6rpm)で1000mPa・s程度)を付与するには、0.1〜1質量%の範囲内で選ばれ、また、10000mPa・s程度の高粘度を付与するには、0.5〜10質量%の範囲が選ばれる。
【0025】
加熱温度としては、60〜90℃、好ましくは80〜85℃の範囲の温度が用いられる。この加熱により、粘度はいったん低下するが、これを室温例えば30℃以下に冷却すると、粘度は著しく増大する。単に室温下で混合しただけでも、従来の糊料組成物を用いた場合に比べ、優れた粘度向上が認められるが、いったん80℃以上に加熱して、再度冷却すると、著しい増粘効果が奏される。
【0026】
本発明方法に従って粘度をコントロールする際の手順としては、(A)成分〜(C)成分の3成分を同時に混合する方法で得られる糊料組成物を製造したのち、これを水に溶解して一度に低粘性物質に加えるのが有利である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の高増粘性糊料組成物は、多糖類を用いているにもかかわらず、低粘性物質の著しい高粘度化が可能となるため、例えばこれまでの糊料組成物の使用量と同程度の使用量で10000mPa・s(B型粘度。6rpm)以上の粘度を有する増粘物が得られる。さらに、特定の温度域で粘度を低下させることができるため、口解け性やのど越しなどの食感を変化させることが可能となるため、食品や医療品などの安全性や取扱い性が向上するなどの効果を奏する。また、特定温度下で変形させることができるため、リチウムイオン電池などの各種電池や自動車用バッテリーなどのシーリング剤や接着剤として用いると、通常使用温度ではしっかり蓋とケースとを密封し、リサイクル時又は修理時などでは特定温度に維持することで粘度を低下させ、蓋とケースとを分離できるなどの優れた効果を奏する。これらの効果は、他の工業用低粘性物質でも同様であり、例えば、塗料、インク類、消臭・芳香剤、抗菌・防カビ剤、接着剤などでは、通常、固形状態であるものを使用時に液状状態にすることで、搬送性や取扱い性が向上したり、これまでよりも有効成分を多く含有させることができるので、性能向上が期待でき。また、これまでの低粘性物質に対し要求される粘度であれば、従来の糊料組成物を用いた場合の使用量に比べで少なくてすむため、多糖類に起因する異味異臭を抑制できる。したがって、例えば、食品や医薬品などの分野においては、味を阻害しないという優れた効果を奏する。さらに、本発明に従えば、その使用量は少量で高粘度化が可能であることから、例えば低粘性物質中の成分量を増加させたり、他の成分を追加することが可能となるため、製品の高機能化のほか、商品全体量の削減などによる省資源化の効果を奏する。
また、本発明方法に従えば、いったん加熱し、その後冷却することにより、より高い増粘効果が得られるため、特に加工過程で加熱するようなゼリーやプリンなどの食品分野に好適に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0029】
B型粘度(mPa・s)
得られたサンプルのB型粘度を測定した。なお、B型粘度の測定は、B型粘度計(東京計器社製、No.4またはNo.3ローターを用い、回転速度60rpm、6rpm、1分間測定)を用い、25℃、35℃の2点で測定した。また、25℃に対する35℃の粘度減少率を求めた。
実施例1
【0030】
(A)キサンタンガム50g、(C)グアガム10g及び(B)ローカストビーンガムを40gをアイボーイ広口びん(250ml用)に入れ、ハンドシェイクにより15分間混合し、増粘性糊料組成物を得た。これを糊料組成物の濃度が0.5質量%となるように75℃まで加熱した食塩濃度0.8%水溶液100mlに溶解し、1000rpmで60分間撹拌して自然冷却により25℃まで降温しサンプルを調製した。
24時間後に、このようにして得た各サンプルの温度をウォーターバスで25℃に調節し、B型粘度を測定した。次いでウォーターバスの温度を35℃まで上げて、1時間維持したのち、再度B型粘度を測定した。このようにして得たサンプルのB型粘度(60rpm)を表1に、B型粘度(6rpm)を表2に示す。
比較例1
【0031】
(A)キサンタンガム50gと(B)ローカストビーンガム50gとをアイボーイ広口びん(250ml用)に入れ、ハンドシェイクにより5分間混合し、増粘性糊料組成物を得た。これを糊料組成物の濃度が0.5質量%となるように75℃まで加熱した蒸留水100mlに溶解し、1000rpmで60分間撹拌して自然冷却により25℃まで降温しサンプルを調製した。
24時間後に、このようにして得た各サンプルの温度をウォーターバスで25℃に調節し、B型粘度を測定した。次いでウォーターバスの温度を35℃まで上げて、1時間維持したのち、再度B型粘度を測定した。このようにして得たサンプルのB型粘度(60rpm)を表1に、B型粘度(6rpm)を表2に示す。
比較例2
【0032】
実施例1において、増粘性糊料組成物を(A)キサンタンガム50g、(B)ローカストビーンガム50gとし、(C)成分を使用せず、かつハンドシェイクにより5分間混合した以外は全て実施例1と同様にして増粘性糊料組成物を調製し、サンプルを得た。このもののB型粘度(60rpm)を表1に、B型粘度(6rpm)を表2に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
この表から分るように、本発明の糊料組成物を低粘性物質に含有すると、粘度が高くかつ、環境に関わらず特定温度において、粘度を低下させることができるものである。このような物性を有することから、食品や医療品、工業用製品に応用すると、温度により物性、例えば、形状や安全性などの面が向上した製品が得られることが推察される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の高増粘性糊料組成物は、食品や化粧品の分野における低粘性物質の粘度を向上させ、かつ、特定温度で粘度変化(コントロール)するための添加剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)キサンタンガム、(B)ローカストビーンガム及び(C)グァガムを含有する糊料組成物であって、該(A)成分と該(B)成分の合計量と該(C)成分との比が質量比で95:5〜85:15、かつ該(A)成分は該(B)成分よりも多く含有することを特徴とする高増粘性糊料組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の高増粘性糊料組成物を添加することにより配合された低粘性物質。
【請求項3】
請求項2に記載の低粘性物質の食塩濃度を0.01%以上に調整し、25℃〜35℃で温度域に維持することを特徴とする粘度コントロール方法。

【公開番号】特開2012−70764(P2012−70764A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−9500(P2012−9500)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【分割の表示】特願2010−210209(P2010−210209)の分割
【原出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000108454)ソマール株式会社 (81)
【Fターム(参考)】