説明

高性能HVACフィルタ

メルトブローン不織布媒体含有層及びナノ繊維フィルタ媒体層のひだ付きフィルタ媒体積層体を含む、ひだ付きHVACタイプフィルタが提供される。メルトブローン不織布媒体含有層は上流面及び下流面を有し、下流面はナノ繊維フィルタ媒体層に積層される。メルトブローン不織布媒体は、30g/m未満の非常に低い坪量及び1mm未満の厚さを更に有し、支持スクリム層を含むフィルタ媒体積層体は、200g/m未満の坪量及び3mm未満の厚さを有し、フィルタ媒体積層体は、少なくとも1cm当たりひだ1つのひだ密度にひだ付けされると共に、1.1水柱cm(0.45水柱インチ)未満の初期圧力低下と、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して70%超過の微小粒子効率とを有し、ナノ繊維フィルタ媒体は支持裏材上にナノ繊維のウェブを含み、ナノ繊維は、1.0ミクロン未満の直径と0.8ミクロンのPLS粒子に対して30%超過の効率とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高性能微粒子HVACフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
微粒子物質の一部又は全てを気流及びガス流から長期間にわたって除去することが、よく必要とされている。例えば、電動式車両の車室内に取り入れられる気流、コンピュータディスクのドライブ内の空気、HVACの空気、航空機の機内換気、クリーンルームの換気、電動式車両のエンジン又は発電機器への空気、ガスタービンに向けられるガス流、及び様々な燃焼炉への気流は、常に濾過するか別の方法で除去することが必要な微粒子物質を含む場合が多い。これらの用途全て、及びその他の列挙されていないものは、非常に様々な粒子除去の必要性、優先度、及び要件を有する。車室用エアフィルタの場合、乗客の快適さ及び/又は美観のために、微粒子物質を除去することが望ましい。クリーンルームでは、多くの場合は圧力低下に関わらず、非常に高度な粒子除去が必要とされる。工業プロセス又はエンジンからの製造ガス若しくは排ガスなどの他の例では、粒子を除去することが望ましいものの、ポンプ及び他の機器に対する高い逆圧が機器の故障やユーザ及び労働者の負傷に結び付く可能性があるため、圧力低下がより優先される。
【0003】
エアフィルタ設計の基本的原理及び問題のいくつかの一般的解釈は、以下のタイプの濾材、即ち面荷重媒体、及び深部媒体(depth media)を考察することによって理解することができる。これらのタイプの媒体はそれぞれ、十分に研究されており、またそれぞれは広く利用されてきた。それらに関する特定の原理が、例えば、米国特許第5,082,476号、同第5,238,474号、及び同5,364,456号に記載されている。
【0004】
フィルタの「寿命」は、典型的には、フィルタ全体にわたる選択された限界圧力低下に従って規定される。フィルタ全体にわたる圧力上昇は、その用途又は設計に対する規定のレベルでの寿命を規定する。この圧力上昇は粒子負荷の結果であり、効率が等しいシステムでは、より長い耐用期間は通常、より高い能力に直接関連する。効率とは、媒体が微粒子を通過させずに捕捉する性質である。典型的には、濾材がガス流から微粒子を除去する際の効率が高いほど、一般に濾材は「寿命」の圧力差により速く近付く(他の変数が一定に保たれると仮定して)ことが明白であろう。HVACシステムでは、次々にフィルタを交換する必要性を回避するために、長期の寿命を通して比較的高い効率と高い耐荷力とを得ようとする、矛盾した要求がある。面荷重フィルタを用いた場合、逆パルス(backpulsing)などによって濾材を周期的に清浄化することができない限り、一般にこれは不可能である。深部荷重フィルタ(depth loading filter)を用いた場合、必要な効率を得るために、濾材を荷電することが求められる場合が多いが、電荷は時間と共に消散するか又は遮断されるので、この解決策は、高性能フィルタに必要なものなどの長期用途(例えば、ASHRAE規格52.2−1999によるMERV12及びMERV14の用途)には適さない場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概して、高性能で耐用期間の長い微粒子濾過は、住居環境、車両環境、オフィス環境、医療環境、又は重要な製造環境で一般に求められている。これらの用途では、頻繁なフィルタの切り替えはコストがかかり、及び/又は切り替え損ねる場合がある。そのため、特にフィルタを切り替え損ねた場合に、比較的低い圧力低下を維持する能力と併せて長期間にわたって最小限の効率レベルで性能を発揮することができるフィルタを設計することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、メルトブローン不織布媒体含有層及びナノ繊維フィルタ媒体層のひだ付きフィルタ媒体積層体を含む、ひだ付きHVACフィルタである。メルトブローン不織布媒体含有層は上流面及び下流面を有し、下流面はナノ繊維フィルタ媒体層に積層される。メルトブローン不織布媒体は、30g/m未満の非常に低い坪量及び1mm未満の厚さを更に有し、支持スクリム層を含むフィルタ媒体積層体は、200g/m未満の坪量及び3mm未満の厚さを有し、フィルタ媒体積層体は、少なくとも1cm当たりひだ1つのひだ密度にひだ付けされると共に、1.1水柱cm(0.45水柱インチ)未満の初期圧力低下と、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して70%超過の微小粒子効率とを有し、ナノ繊維フィルタ媒体は支持裏材上にナノ繊維のウェブを含み、ナノ繊維は、1.0ミクロン未満の直径と0.8ミクロンのPSL粒子に対して30%超過の効率とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の複数のひだ付きフィルタを使用するフィルタの斜視図。
【図2】本発明のひだ付きフィルタの側面図。
【図3】本発明のひだ付きフィルタ媒体積層体の切欠斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のひだ付きフィルタは、HVAC用途における低コスト使用向けに設計されたひだ付きフィルタ媒体積層体である。本発明のひだ付きフィルタは、1.1水柱cm(0.45水柱インチ)未満、好ましくは1cm(0.4インチ)未満(以下に規定するように測定)の変化が少ない媒体圧力低下を有する、フィルタ媒体積層体から形成される。フィルタ媒体積層体は、一般に、60%超過、好ましくは65%又は70%超過の微小粒子効率(本明細書に規定されるように、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して)を有するべきである。ひだ付きフィルタ媒体積層体を含む完成品のフィルタは、有用な意図される寿命を通して70%超過、好ましくは75%超過の最小平均微小粒子効率を維持しながら、また、ひだ付きフィルタ全体について1.1水柱cm(0.45水柱インチ)未満(以下に規定されるように)、好ましくは1cm(0.4インチ)未満又は0.89cm(0.35インチ)以下の圧力低下を維持しながら、最高3か月まで、一般には3〜24か月の長期間にわたって使用される、HVAC用途における使用向けに設計されている。図3に示されるフィルタは、ナノ繊維媒体含有層35が特定のメルトブローン不織布フィルタ媒体含有層36の下流側14であるようにして配置された、メルトブローン不織布フィルタ媒体含有層(又はその複数層)36及びナノ繊維フィルタ媒体含有層35(又はその複数層)のひだ付きフィルタ媒体積層体30を含む。
【0009】
特定のメルトブローン不織布媒体は、支持ウェブを所望により備える1つ以上のメルトブローンウェブで形成することができるが、上流面及び下流面を有する。フィルタ媒体積層体において、粒子を含んだ空気は最初に特定のメルトブローン不織布媒体の上流面に衝突し、該上流面は、メルトブローン不織布フィルタ媒体の深さ内で粒子を捕捉する。濾過効率は、最初に、メルトブローンウェブ(1つ又は複数)を荷電して、エレクトレット粒子を捕捉できるようにすることによって高めることができる。しかし、メルトブローンフィルタ媒体は、より長期の使用の間にもしエレクトレット電荷が消散するとき、長期にわたってその最小効率が、必要な性能及び粒子保持能力を提供するのに十分であるようなものとなる。メルトブローン不織布フィルタ媒体層36の下流面は、ナノ繊維フィルタ媒体層35に積層される。ナノ繊維フィルタ媒体層35は、フィルタを逆パルスする(back pulse)必要なしに、又は別の方法で清浄化する必要なしに、より長期間の使用を通してフィルタ性能を比較的一定に保つように設計される。特定の組み合わせにより、比較的短期間の使用後にフィルタ交換を必要とする容認できないレベルまで、面荷重ナノ繊維フィルタの圧力低下が増大することが防止される。所望のレベルまでひだ付けできるようにするため、フィルタ媒体積層体は、200g/m未満、好ましくは150g/mの坪量を有するべきである。フィルタ媒体積層体はまた、3mm未満、又は2mm若しくは1.5mm未満の厚さ33を有するべきである。薄く坪量が比較的低いこのフィルタ媒体積層体は、次に、少なくとも1cm当たりひだ1つ又は1cm当たりひだ1〜5つ又は1cm当たりひだ2〜5つのひだ密度、及び0.5〜10cm又は1〜5cmのひだ深さまでひだ付けされる。これにより、本発明のフィルタのための長期のHVAC用途に対して必要な濾過効率及び耐荷力がもたらされる。
【0010】
使用される特定のメルトブローンフィルタ媒体層は、一般に、30g/m未満、好ましくは25g/m未満又は20g/m未満の坪量、及び1mm未満、好ましくは0.6mm未満の厚さで、1水柱cm(0.4水柱インチ)未満、好ましくは0.8cm(0.3インチ)又は更には0.5cm(0.2インチ)未満(以下に規定される)の変化が少ない媒体圧力低下と、30%超過、好ましくは40%超過(本明細書に規定されるように、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して)の微小粒子効率とを有する。メルトブローンフィルタ媒体はまた、一般に、6ミクロン未満、好ましくは5ミクロン又は4.5ミクロン未満の有効繊維径(EFD)(デイビース、C.N.(Davies, C.N.)、「空中に浮遊する塵及び微粒子の分離(The Separation of Airborne Dust and Particulates)」、Inst.of Mech.Eng.、ロンドン、Proceedings 1B、1952年に記載の方法に従って計算される)を有することによって特徴付けられる。これは、薄く坪量の低いメルトブローンウェブ又は積層体であるが、その下流面上でナノ繊維媒体と組み合わされたとき、長期にわたって大きな耐荷力と一定した高性能の濾過効率とを提供する。
【0011】
ナノ繊維フィルタ媒体層も比較的薄く、一般に、支持裏材上に少なくとも1つのナノ繊維のウェブを含み、ナノ繊維は、1.0ミクロン未満、好ましくは0.5ミクロン又は0.3ミクロン未満の平均直径を有する。ナノ繊維フィルタ媒体は、一般に、0.8ミクロンのPSL粒子に対して30%又は40%超過の効率を有する。
【0012】
使用される好ましいメルトブローン媒体はメルトブローンウェブであり、その繊維は、ほぼ非導電性のポリマーで形成され、所望により、荷電性能促進添加剤を用いて荷電することができる。ポリマーは、非導電性の熱可塑性樹脂、即ち、1014Ω−cm超過、より好ましくは1016Ω−cmの固有抵抗を有する樹脂であることができる。荷電した場合、ポリマーは、一過性でない、即ち長寿命の捕獲電荷を保有する能力を有するはずである。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドであることができる。好ましいポリマーとしては、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、又は線状低密度ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びポリエステルが挙げられる。ポリマー又はポリマーブレンドの主要成分は好ましくはポリプロピレンであるが、これは、ポリプロピレンの高い固有抵抗、本発明の空気濾過媒体に有用な直径を有するメルトブローン繊維を形成する能力、十分な電荷安定性、疎水性、及び耐湿性が理由である。
【0013】
本明細書で規定される性能促進添加剤は、エレクトレット濾過媒体の濾過性能を促進する添加剤である。可能な性能促進添加剤としては、ジョーンズ(Jones)らの米国特許第5,472,481号及びルソー(Rousseau)らの米国特許第5,908,598号に記載されているものが挙げられる。性能促進添加剤としては、フッ素性化学物質添加剤、即ち、フルオロケミカルピペラジン、ペルフルオロアルコールのステアレートエステルなどの、少なくとも1つのペルフルオロ化部分を含有する熱的に安定な有機化合物又はオリゴマー、及び/あるいは、トリアジン基又はヒンダード若しくは芳香族アミン化合物のものに加えて、少なくとも1つの窒素原子を含有する熱的に安定な有機トリアジン化合物又はオリゴマー、最も好ましくは、テトラメチルピペリジン環由来のものなど、ヒンダードアミンを含有する化合物が挙げられる。好ましくは、ヒンダードアミンはトリアジン基と関連付けられる。あるいは、ニシウラ(Nishiura)らの米国特許第5,057,710号に開示されているような、窒素又は金属を含有するヒンダードフェノール荷電促進剤を使用することができる。
【0014】
ポリマー及び性能促進添加剤は、溶融する前に固体の状態でブレンドするか、別個に溶融し、液体の状態で互いにブレンドすることができる。あるいは、添加剤とポリマーの一部分とを固体の状態で混合し、溶融して、比較的添加剤濃度の高い溶融ブレンドを形成し、それを次に、添加剤を含有していないポリマーと組み合わせることができる。メルトブローンウェブは、メルトブローンウェブの重量基準で、約0.2〜10重量%、より好ましくは約0.2〜5.0重量%、最も好ましくは約0.5〜2.0重量%の性能促進添加剤を含有することができる。
【0015】
メルトブローンウェブと共に、溶融ブレンドは、メルトブローン繊維ダイを介して捕集面上に押し出され、熱可塑性超極細繊維のウェブに形成される。超極細繊維は、ウェブ形成プロセスの間又はウェブ形成プロセス後のどちらかで、それらの交錯点において互いに一体的に固着される。メルトブローンウェブは、当該技術分野において周知のメルトブローイング工程及び装置を使用して作製することができる。繊維メルトブローイングは、ヴァン・ウェンテ(Van Wente)の「超微細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fibers)」、Ind.Eng.Chem.、48巻、1342〜46頁(1956年)に最初に記載された。一般に、本発明のフィルタ媒体を製造するのに使用されるメルトブローイング工程は従来のものであるが、上述のような有効繊維径(EFD)を有する微細繊維フィルタウェブを製造するために、条件が修正される。有効繊維径は、コレクタからダイまでの距離を減少させることによって、有孔コレクタ面内の真空を使用することによって、ポリマー流量を低下させることによって、又はダイから出る溶融流を減衰するのに使用される気圧、温度、若しくは量を変えることによって、減少させることができる。また、減衰空気の相対角度を変える、ダイ先端と減衰空気の交点との間の距離を変える、あるいはダイオリフィス径及び/又は直径対長さの比を変えるなど、ダイ及び減衰空気羽根の設計を変更することができる。これらの因子及びその他が、例えば、WO92/18677A(ボダギ(Bodaghi)ら)にて考察されている。繊維は、水を噴霧する、揮発性液体を噴霧する、あるいは冷気又は二酸化炭素若しくは窒素などの極低温ガスと接触させるなどの冷却プロセスによって、捕集する前に急冷することができる。
【0016】
メルトブローン繊維は、不織布ウェブとして回転式ドラム又は移動ベルト上で捕集される。コレクタからダイまでの距離は、一般に8〜25cm、好ましくは10〜20cmであり、コレクタは好ましくは有孔なので、真空と共に使用して余分な空気を除去することができる。
【0017】
不織布ウェブ材料が捕集される前、又はその後に、それを静電荷電することもできる。静電荷電方法の例としては、米国特許第5,401,446号(ツァイ(Tsai)ら)、第4,375,718号(ワズワース(Wadsworth)ら)、第4,588,537号(クラース(Klaase)ら)、及び第4,592,815号(ナカオ(Nakao))に記載されているものが挙げられる。これは、アンガジバンド(Angadjivand)らの米国特許第5,496,507号に記載されているような、コロナ放電、電界印加、又はハイドロチャージングによる荷電を含む。この荷電方法は、事前成形ウェブに対して行うことができ、それによって帯電繊維を均一なウェブ構造体に形成する際の困難性が回避される。
【0018】
帯電メルトブローンウェブを形成するのに使用される材料は、望ましくは、導電性を増大させるか、ないしは別の形で物品が帯電を受け入れ保持する能力を妨げる可能性がある、帯電防止剤などの材料を実質的に含まない。更に、エレクトレットフィルタ媒体には、γ線への曝露、UV照射、熱分解、酸化など、導電性を増大させ得る不必要な処理を施すべきではない。したがって、好ましい一実施形態では、エレクトレットフィルタ媒体は、γ照射又は他のイオン化照射に曝露することなく作製され使用される。
【0019】
本発明のフィルタのナノ繊維層(1つ又は複数)は、固着させて組み合わさったネットを形成することができる微細繊維の不規則な分布を含む。微細繊維又はナノ繊維は、一般に1ミクロン未満、好ましくは約0.001〜0.5ミクロンの直径を有することができる。ナノ繊維のウェブによる濾過性能は、主に、微粒子の通過に対する微細繊維バリアの結果として得られる。剛性、強度、ひだ付け可能性の構造的性質は、別個の裏材、又はメルトブローン不織布フィルタ媒体含有層の面であることができる、微細ナノ繊維が接着される基材によって提供される。微細繊維が組み合わさった網状組織は、繊維間の空間が比較的小さい。層内のそのような繊維間空間は、典型的には、繊維間で約0.01〜約25ミクロン、又は多くの場合約0.1〜約10ミクロンの範囲である。フィルタ製品は、適切な低い圧力低下を有するが高い強度の基板上に微細繊維層を含む。微細繊維は、5ミクロン未満、多くの場合3ミクロン未満の厚さを加える。特定用途における微細繊維は、微細繊維全体に基材フィルタ媒体を加えたものに、約1〜10個分又は1〜5個分の微細繊維直径の厚さを加える。これらの微細繊維フィルタは、入射微粒子が基板まで通り抜けるか、又は微細繊維層を通過するのを阻止し、メルトブローン媒体なしで、捕捉粒子のかなりの面荷重を獲得し、微細繊維表面上にダストケーキ(dust cake)を迅速に形成し得る。短期間の間、この面荷重は微粒子除去の初期の、また全体的な、高い効率を維持することができるが、HVAC用途において次第に受容できない増大した圧力低下になる。
【0020】
微細繊維又はナノ繊維を形成するのに使用されるポリマーは、添加剤ポリマー、縮合ポリマー、あるいはこれらの混合物又はブレンド、例えば、高温で調整又は処理された第1のポリマー及び第2の異なるポリマー(ポリマータイプ、分子量、若しくは物理的性質の点で異なる)であることができる。ポリマーブレンドは、反応させ、単一の化学種に形成することができ、又はアニーリングプロセスによって物理的に組み合わせてブレンド組成物とすることができる。ブレンドポリマー系に使用される材料としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−10、ナイロン(6−66−610)コポリマー、及び他の概ね脂肪族の線状ナイロン組成物が挙げられる。また、単一のポリマー材料は、ナイロンポリマー、ポリ塩化ビニリデンポリマー、ポリフッ化ビニリデンポリマー、ポリビニルアルコールポリマーなど、特に、疎油性及び疎水性の強い添加剤と組み合わせたとき、微細繊維表面上のコーティングに形成される添加剤材料を有する微細繊維又はナノ繊維をもたらすことができる、それらの列挙した材料などの、添加剤と組み合わせることができる。同様に、類似のナイロンのブレンド、類似のポリ塩化ビニルポリマー、ポリ塩化ビニリデンポリマーのブレンドなど、類似のポリマーのブレンドが有用である。
【0021】
微細繊維又はナノ繊維材料は、特定のメルトブローン不織布フィルタ媒体含有層、又は別個の高い強度で低い圧力低下の基材の上に形成され、それに接着され、この基材は、天然繊維及び合成繊維の基材であることができるが、好ましくは、一般に圧力低下が非常に低く、40〜150g/mの坪量を有するスパンボンド合成布地である。
【0022】
微細繊維又はナノ繊維フィルタ媒体は、静電紡糸プロセスによって形成することができる。微細繊維形成ポリマー溶液は、回転式の放射装置又はエミッタまでポンプ給送される。エミッタは、一般に、周辺部の周りで離間した複数の穴を有する回転部分から成る。回転部分は静電界中で回転し、溶液の液滴は、静電界によって、空気が通過することができるグリッド上の支持媒体に向かって加速される。好適な静電圧源及びグリッドとエミッタとの間の接続によって、高圧静電位がエミッタとグリッドとの間で維持される。繊維が到達し支持基材上で捕集されるグリッドに向かって引きつけられる薄い繊維として、液体をそこから放射させる放射装置から出てくるポリマーには、グリッドとエミッタとの間の静電位によって電荷が付与される。溶液中のポリマーの場合、繊維がグリッドまで動く間に繊維から溶媒が蒸発する。微細繊維又はナノ繊維は、グリッドにおいて基材繊維に結合する。
【0023】
本発明のフィルタ媒体積層体は、別個の積層体又は層として形成される場合、接着剤、熱接合、超音波などによって積層することができる。
【0024】
本発明のフィルタ積層体は、標準的なひだ付け方法及び機器によって、波形化してひだ付き構造体にすることができる。このひだ付け可能性及び操作性は、本発明の溶解形成された熱可塑性繊維ウェブ及びナノ繊維支持ウェブの強度が比較的高いことによる。一般に、本発明のフィルタ積層体は、自己支持形であるのに十分な引張り強度を有し、それは一般に、少なくとも約5ニュートン、好ましくは少なくとも10ニュートンの少なくとも一方向での引張り強度である。
【実施例】
【0025】
フィルタ媒体積層体材料の調製
フィルタ積層体1(以下、「ウェブ」)
ウェブ調製
ポリプロピレン系のメルトブローン超極細繊維(BMF)ウェブを、例えば、工業エンジニアリング化学(Industrial Engineering Chemistry)、48巻、1342頁以下参照(1956年)に記載のウェンテ(Wente)の「超微細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fibers)」、又はウェンテらによる1954年5月25日公開の海軍調査研究所(Naval Research Laboratories)の調査票No.4364、名称「超微細有機繊維の製造(Manufacture of Superfine Organic Fibers)」に記載されているものと類似のメルトブローイング工程を使用して調製した。押出成形機は、204℃(400°F)、232℃(450°F)、260℃(500°F)、282℃(540°F)、302℃(575°F)、321℃(610°F)、338℃(640°F)、352℃(665°F)、363℃(685°F)、及び368℃(695°F)でそれぞれ維持される10個の温度制御領域を有していた。押出成形機をダイに接続する流管は302℃(575°F)で維持され、BMFダイは316℃(600°F)で維持された。一次空気を、約349℃(660°F)、40.7キロパスカル(kPa)(5.9psi)、及び0.076cmの隙間幅で維持して、均一なウェブを製造した。ポリプロピレン樹脂(トータル(Total)(テキサス州ヒューストン(Houston))から入手)はBMFダイから送られた(0.6g/穴/分)。結果として得られたウェブを、コレクタから17.8cm(7.0インチ)に位置付けられた有孔回転式ドラムコレクタ上で捕集した。コレクタドラムは、BMFウェブを捕集しながら所望により電源をオン又はオフにすることができる真空システムに接続し、それによって、真空がコレクタドラムに適用されたとき、中実度がより高いウェブを調製できるようにした。このプロセスを使用して得られたBMFウェブにより、17g/mの坪量及び4.5ミクロンの繊維EFDを有するウェブが得られた。
【0026】
米国特許第4,749,348号(クラース(Klaase)ら)に記載されているようなドラム式荷電器を実質的に使用するコロナ荷電プロセスを使用して、BMFウェブを荷電した。それに加えて、約550kPaの水圧を使用して、米国特許第5,496,507号(アンガジバンド(Angadjivand)ら)に記載されているようなハイドロチャージングプロセスを実質的に使用して、BMFウェブを荷電した。
【0027】
試験されるひだ付きフィルタ媒体積層体(図3に図示)は、ナノ繊維35(繊維径0.25ミクロン、「ウルトラウェブ(ULTRAWEB)」の商用名でドナルドソン(Donaldson)(ミネソタ州セントポール(St. Paul))から入手可能)を取り、それをスパンボンドポリエステル34(J−90の商用名でジョンズ・マンヴィル(Johns Manville)から入手可能、90g/m)上に形成することによって作製した。次に、ナノ繊維フィルタ媒体を、ホットメルト接着剤(坪量8.0g/mで噴霧されるタイプ)を用いて、上述のポリプロピレンメルトブローン超極細繊維ウェブ36(坪量17g/m及びEFD4.3ミクロン)に積層した。ポリエステルカバーウェブ37(「リーメイ(REEMAY)2004」の商用名でBBAファイバーウェブ(BBA Fiberweb)(サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville))から入手可能、坪量14g/m)を、上述の構造体の上に重ね合わせた。フィルタ媒体積層体は、129g/mの総坪量を有していた。図2を参照すると、この多層積層体をひだ付けして、57.2cm(22.5インチ)の長さ23及び27.9cm(11.0インチ)の奥行き22を有する、ひだ付きフィルタのひだパック(pleat pack)11にした。図3を参照すると、フィルタ媒体は、2.54cm(1インチ)のひだ高さ21及び5mm(0.2インチ)のひだ間隔31を有していた。次に、ひだ付きフィルタのひだパック(pleat pack)を組み立てて、図1に示されるような、Vバンクフィルタ10内の複数のV字状構造体にした。Vバンクフィルタは、長さ12(61cm(24インチ))×幅13(61cm(24インチ))の設置面積を有する。
【0028】
上述のVバンクフィルタを、HVACオフィスビル用空調ユニット内に据え付け、空気流方向14を用いて毎日使用して試験した。後述する規則的な時間間隔で、VバンクフィルタをHVACハウジングから除去し、以下の修正されたASHRAE規格52.2の最小効率報告値(Minimum Efficiency Reporting Value、MERV)方法を使用して試験して、Vバンクフィルタの寿命MERV定格を決定した。
【0029】
吸気は、ブロワモータ(東芝(Toshiba)(ニューヨーク州ニューヨーク(New York))から入手可能な7.5h.p.電動モータ、モデル57Y29L−F2AYH)及びブロワファン(グリーンヘック(Greenheck)(ウィスコンシン州スコフィールド(Schofield))から入手可能なモデル1PW−SD−4、取出し角度90°)を使用して、フィルタを介して濾過した。次に、濾過された空気を、垂直に位置付けられた直径30.5cm(12インチ)×長さ182cm(72インチ)の鋼管に沿って配向した。管は、バンドクランプを使用して、直径30.5cm(12インチ)の鋼製の90°エルボ継手(曲げ半径53.3cm(21インチ))に取り付け、それを次に、水平に配置した直径30.5cm(12インチ)×長さ213cm(84インチ)の鋼管に取り付けた。この管の中央には、パラゴン・コントロールズ(Paragon Controls)(カリフォルニア州サンタローザ(Santa Rosa))製のピトー管アレイ流量制御装置を配した。これを、曲げ半径が53.3cm(21インチ)である別の直径30.5cm(12インチ)の鋼製の90°エルボ継手に繋げた。
【0030】
このエルボからの出口は、垂直に位置付けられた四角錘状の鋼製プレナム(長さ183cm(6フィート)、頂部で35.6cm(14インチ)×35.6cm(14インチ)四方、基部で66cm(26インチ)×66cm(26インチ)四方)に繋がる。後述の粒子発生器が、プレナムの頂部とぴったり重なって粒子を導入した。上流側粒子プローブ(15cm(6インチ)の90°曲げ半径を有する内径1.3cm(0.5インチ)の銅管)を、プレナムの基部付近(底部から51cm(20インチ))に設置した。プレナムの基部を、58cm(22.75インチ)×58cm(22.75インチ)の開口部を有する水平プレートを保持する、81cm(32インチ)×81cm(32インチ)の開口部に接続した。実施例に記載されるようなVバンクフィルタを、上流面をプレナムに向けてこの開口部内に設置した。粒子プローブ(15cm(6インチ)の90°曲げ半径を有する内径1.3cm(0.5インチ)の銅管)を、水平プレートから76cm(30インチ)下流に設置した。粒子プローブ管を、粒子カウンタ(ハック・ウルトラ・アナリティクス(Hach Ultra Analytics)(オレゴン州グランツパス(Grant's Pass))から入手可能なHIAC/ロイコ(HIAC/Royko)、モデル5230)に取り付けた。粒子カウンタを、90°の二方弁(QCI(ニューハンプシャー州ティルトン(Tilton))製のモデル503227L−VTC)を介して上流側プローブから下流側プローブに切り替えた。
【0031】
課題の微粒子は、粒子発生器を使用して発生させた。試験される溶液を、ネブライザ(BGI社(BGI Inc.)(マサチューセッツ州ウォルサム(Waltham)から入手可能なコリジョン6ジェットネブライザ)内に設置した。ネブライザを、15cm(6インチ)の90°曲げ半径を有する内径1.3cm(0.5インチ)の銅管を介して、硫酸カルシウム(シグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee))から入手可能な、2〜5mmの顆粒状の「ドライアライト(DRIERITE)」)を充填した、ガラス管乾燥カラム(長さ61cm(24インチ)×7.6cm(3インチ))に取り付けた。乾燥カラムを、内径1.3cm(0.5インチ)の銅管を介して、荷電ネブライザ(長さ41cm(16インチ)×直径7.5cm(3.0インチ)、3Mモデル3B4G、ミネソタ州メープルウッド(Maplewood))に取り付けた。次いで、荷電ネブライザを、20cm(8インチ)の90°曲げ半径を有する内径1.3cm(0.5インチ)の銅管を介して、上述のプレナムの頂部とぴったり重ねて接続した。
【0032】
ウェブ2
ウェブ調製
ポリプロピレン系のブローン超極細繊維(BMF)ウェブを、例えば、工業エンジニアリング化学(Industrial Engineering Chemistry)、48巻、1342頁以下参照(1956年)に記載のウェンテ(Wente)の「超微細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fibers)」、又はウェンテらによる1954年5月25日公開の海軍調査研究所(Naval Research Laboratories)の調査票No.4364、名称「超微細有機繊維の製造(Manufacture of Superfine Organic Fibers)」に記載されているものと類似のメルトブローイング工程を使用して調製した。押出成形機は、205℃(401°F)、232℃(450°F)、266℃(510°F)、288℃(550°F)、321℃(610°F)、338℃(640°F)、349℃(660°F)、360℃(680°F)、366℃(690°F)、及び374℃(705°F)でそれぞれ維持される10個の温度制御領域を有していた。押出成形機をダイに接続する流管は302℃(575°F)で維持され、BMFダイは319℃(606°F)で維持された。一次空気を、約349℃(660°F)、44.8キロパスカル(kPa)(6.5psi)、及び0.076cmの隙間幅で維持して、均一なウェブを製造した。ポリプロピレン樹脂(トータル(Total)(テキサス州ヒューストン(Houston))から入手)はBMFダイから送られた(0.6g/穴/分)。結果として得られたウェブを、コレクタから25.4cm(10インチ)に位置付けられた有孔回転式ドラムコレクタ上で捕集した。コレクタドラムは、BMFウェブを捕集しながら所望により電源をオン又はオフにすることができる真空システムに接続し、それによって、真空がコレクタドラムに適用されたとき、中実度がより高いウェブを調製できるようにした。このプロセスを使用して得られるBMFウェブにより、17g/mの坪量及び4.1ミクロンの繊維EFDを有するウェブが得られた。
【0033】
米国特許第4,749,348号(クラース(Klaase)ら)に記載されているようなドラム式荷電器を実質的に使用するコロナ荷電プロセスを使用して、BMFウェブを荷電した。それに加えて、約550kPaの水圧を使用して、米国特許第5,496,507号(アンガジバンド(Angadjivand)ら)に記載されているようなハイドロチャージングプロセスを実質的に使用して、BMFウェブを荷電した。
【0034】
試験されるひだ付きフィルタ媒体(図3に図示)を作製し、ウェブ1に関して上述したように試験した。
【0035】
ウェブ3
ウェブ調製
ポリプロピレン系のブローン超極細繊維(BMF)ウェブを、例えば、工業エンジニアリング化学(Industrial Engineering Chemistry)、48巻、1342頁以下参照(1956年)に記載のウェンテ(Wente)の「超微細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fibers)」、又はウェンテらによる1954年5月25日公開の海軍調査研究所(Naval Research Laboratories)の調査票No.4364、名称「超微細有機繊維の製造(Manufacture of Superfine Organic Fibers)」に記載されているものと類似のメルトブローイング工程を使用して調製した。押出成形機は、205℃(401°F)、232℃(450°F)、254℃(490°F)、282℃(540°F)、293℃(560°F)、302℃(575°F)、324℃(615°F)、343℃(650°F)、357℃(675°F)、及び368℃(695°F)でそれぞれ維持される10個の温度制御領域を有していた。押出成形機をダイに接続する流管は302℃(575°F)で維持され、BMFダイは319℃(606°F)で維持された。一次空気を、約349℃(660°F)、44.8キロパスカル(kPa)(6.5psi)、及び0.076cmの隙間幅で維持して、均一なウェブを製造した。ポリプロピレン樹脂(トータル(Total)(テキサス州ヒューストン(Houston))から入手)はBMFダイから送られた(0.3g/穴/分)。結果として得られたウェブを、コレクタから21.6cm(8.5インチ)に位置付けられた有孔回転式ドラムコレクタ上で捕集した。コレクタドラムは、BMFウェブを捕集しながら所望により電源をオン又はオフにすることができる真空システムに接続し、それによって、真空がコレクタドラムに適用されたとき、中実度がより高いウェブを調製できるようにした。このプロセスを使用して得られたBMFウェブにより、21g/mの坪量及び3.0ミクロンの繊維EFDを有するウェブが得られた。
【0036】
米国特許第4,749,348号(クラース(Klaase)ら)に記載されているようなドラム式荷電器を実質的に使用するコロナ荷電プロセスを使用して、BMFウェブを荷電した。それに加えて、約550kPaの水圧を使用して、米国特許第5,496,507号(アンガジバンド(Angadjivand)ら)に記載されているようなハイドロチャージングプロセスを実質的に使用して、BMFウェブを荷電した。
【0037】
試験方法
圧力低下
ひだ付けされていないフィルタ媒体及び積層体の圧力低下を、以下の手順を使用して測定した。上述のものを含むフィルタ媒体積層体の29.2cm×29.2cm(11.5インチ×11.5インチ)の平らなサンプルを、フレームにセットし、ハウジングに挿入した。ハウジングは35.6cm×35.6cm(14インチ×14インチ)であり、2つの圧力センサ(ドワイヤー・インスツルメンツ(Dwyer Ins)(インディアナ州ミシガンシティ(Michigan City))から入手可能、0.0〜0.5粒子検出)を、1つはフィルタ媒体積層体の「上流」側、もう1つはフィルタ媒体積層体の「下流」側で、ハウジング内に設置した(フィルタ媒体積層体の各側から10.2cm(4.0インチ))。それに加えて、2つの粒子検出器(モデル1230、HIACロイコ123(HIAC Royco 123)(メリーランド州シルバースプリングス(Silver Springs))から入手可能)を同様に載置した(媒体積層体の各側から17.8cm(7.0インチ)、フィルタ媒体積層体から30.5cm(12インチ)下流)。層流要素(モデル50MC2−2、メリアム・インスツルメンツ(Merriam Instruments)(オハイオ州クリーブランド(Cleveland))から入手可能)を、フィルタ媒体積層体の「上流」側(122cm(48インチ))に取り付けた。コンプレッサからの空気流供給は、850L/分(30立方フィート/分)に設定した。水性KCl溶液(10%)を、アトマイザー及び中和器(モデル3054、KR−85、TSI社(TSI Inc)(ミネソタ州ショアビュー(Shoreview)))を使用して噴霧して、微小粒子を作製した。フィルタ媒体積層体の圧力低下(850L/分(30フィート/分)における)を、コンプレッサを10〜15分間作動させた後に測定する(表1)。メーカーの取扱説明書に従って粒子検出器を設定することにより、フィルタ媒体積層体の微小粒子(0.3〜1ミクロン)効率を測定した。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【0041】
ウェブ特徴付けの手順
ウェブ厚さ
レーザー変位センサ(IDEC(カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale))から入手可能、モデル番号MX1B−B12R6S)を使用して、ステンレス鋼プレートとステンレス鋼ディスク(直径100mm(3.94インチ)、230g)との間の距離を測定した。センサは、センサからディスクの頂点までの距離を測定するレーザー変位センサである。これが「ゼロ設定」値である。
【0042】
次に、ディスクをステンレス鋼プレートから持ち上げた。試験されるウェブ材料をステンレス鋼プレート上に設置し、ステンレス鋼ディスクを試験されているサンプル上に設置して、サンプルをプレートとディスクとの間に挟んだ。レーザー変位センサを使用して、センサとディスクの頂点との間の距離を測定した。次式を使用してウェブ厚さを計算した。
【0043】
(センサからサンプルを有するディスクまでの距離)−(「ゼロ設定」値)=ウェブ厚さ
有効繊維径(EFD)
メルトブローンウェブのEFDは、デイビース、C.N.(Davies, C.N.)のProc.Inst.Mech.Engrs.、ロンドン、1B、185頁(1952年)に記載されている方法に従って決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メルトブローン不織布媒体含有層及びナノ繊維フィルタ媒体層のひだ付きフィルタ媒体積層体を含むひだ付きHVACフィルタであって、前記メルトブローン不織布媒体含有層が上流面及び下流面を有し、前記下流面が前記ナノ繊維フィルタ媒体層に積層され、前記メルトブローン不織布媒体が30g/m未満の坪量及び1mm未満の厚さを有し、前記フィルタ媒体積層体が200g/m未満の坪量及び3mm未満の厚さを有し、前記フィルタ媒体積層体が、少なくとも1cm当たりひだ1つのひだ密度にひだ付けされると共に、1.1水柱cm(0.45水柱インチ)未満の初期圧力低下と、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して70%超過の微小粒子効率とを有し、前記ナノ繊維フィルタ媒体が支持裏材上にナノ繊維のウェブを含み、前記ナノ繊維が、1.0ミクロン未満の直径と0.8ミクロンPSL粒子に対して30%超過の効率とを有する、ひだ付きHVACフィルタ。
【請求項2】
前記ひだ付きフィルタ媒体積層体が、1cm当たりひだ1〜5つのひだ密度を有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項3】
前記ひだ付きフィルタ媒体積層体が、1cm当たりひだ2〜5つのひだ密度を有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項4】
前記メルトブロー不織布媒体が、厚さ1mm未満であり、6ミクロン未満のEFDを有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項5】
前記メルトブロー不織布媒体が、厚さ0.6mm未満であり、5ミクロン未満のEFDを有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項6】
前記メルトブロー不織布媒体が、厚さ0.6mm未満であり、20g/m未満の坪量を有する、請求項5に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項7】
前記フィルタ媒体積層体が、3mm未満の厚さを有する、請求項2に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項8】
前記フィルタ媒体積層体が、2mm未満の厚さを有する、請求項7に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項9】
前記ひだ付きフィルタ媒体積層体が、0.5〜10cmのひだ深さを有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項10】
前記ひだ付きフィルタ媒体積層体が、1〜5cmのひだ深さを有する、請求項9に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項11】
前記フィルタ媒体積層体が、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して60%超過の濾過効率を有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項12】
前記フィルタ媒体積層体が、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して65%超過の濾過効率を有する、請求項11に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項13】
前記フィルタ媒体積層体が、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して70%超過の濾過効率を有する、請求項12に記載のひだ付き加工HVACフィルタ。
【請求項14】
前記ひだ付きフィルタが、1cm(0.4インチ)未満の総圧力低下を有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項15】
前記メルトブローンフィルタ媒体が、0.8cm(0.3インチ)未満の圧力低下を有する、請求項14に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項16】
前記フィルタ媒体積層体が、1.1cm(0.45インチ)未満の圧力低下を有する、請求項15に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項17】
前記ひだ付きフィルタが、0.89cm(0.35インチ)未満の総圧力低下を有し、前記フィルタ媒体積層体が、1cm(0.40インチ)未満の圧力低下を有する、請求項15に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項18】
前記ひだ付きフィルタが、0.8cm(0.30インチ)未満の総圧力低下を有し、前記フィルタ媒体積層体が、1cm(0.40インチ)未満の圧力低下を有する、請求項15に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項19】
前記メルトブローンフィルタ媒体が、20g/m未満の坪量を有する、請求項17に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項20】
フィルタが、0.3〜1.0ミクロンの粒子に対して75%超過の微小粒子効率を有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項21】
前記メルトブローンフィルタ媒体が帯電媒体である、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項22】
前記ナノ繊維媒体支持体がスパンボンドウェブである、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項23】
前記ナノ繊維媒体支持体が、40〜150g/mの坪量を有するスパンボンドウェブである、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項24】
前記ナノ繊維媒体が、1.0ミクロン未満の平均直径を有する繊維で形成される、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項25】
前記ナノ繊維媒体が、0.5ミクロン未満の平均直径を有する繊維で形成されると共に、5ミクロン未満の厚さを有する、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項26】
前記メルトブローンフィルタ媒体繊維が、非導電性ポリオレフィン樹脂又は非導電性ポリオレフィンブレンドから形成される、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項27】
前記メルトブローンフィルタ媒体が、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、又はそれらのブレンドの帯電繊維で形成される、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項28】
前記メルトブローンフィルタ媒体が、支持ウェブを更に含む、請求項1に記載のひだ付きHVACフィルタ。
【請求項29】
前記フィルタ媒体支持ウェブが、前記不織布フィルタウェブの少なくとも1つの面に取り付けられる、請求項28に記載の高性能フィルタ媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−544468(P2009−544468A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521902(P2009−521902)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/073761
【国際公開番号】WO2008/011450
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】