説明

高速液体クロマトグラフ、及び該装置を用いるリサイクル分析方法

【課題】
試料の一部の成分のみを対象として、別途の回収操作を行わずに、リサイクルを可能とする高速液体クロマトグラフを提供する。
【解決手段】
リサイクル分析を行う高速液体クロマトグラフにカラムスイッチ機構を組込み、リサイクル対象成分を第二のカラムにスイッチした後、第二のカラムにスイッチしたリサイクル対象成分を第二の移動相を用いて複数回、第二のカラムに通じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラムスイッチ機構とリサイクル機構とを備える高速液体クロマトグラフ(以下、HPLCとも表記する。)及び該装置を用いるリサイクル分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HPLCのリサイクル分析は、単離困難な試料成分を精度良く単離することが出来るため、有機物の精製や分析化学の分野において用いられている。HPLCのリサイクル分析は、以下のように行われる。
【0003】
図13は従来の、リサイクル機構を備えるHPLC500の一例を示す説明図である。図13中、501は移動相貯槽であり、内部の移動相503は、配管505、流路切換えバルブ507、配管509を経由して送液ポンプ511により吸引される。流路切換えバルブ507のポート507aと507bとは常に流通可能になっている。移動相503は、送液ポンプ511によって試料導入装置513に送られる。試料導入装置513から導入される試料は、移動相503と共にカラム515に送られる。試料中の各成分は、移動相503とカラム515に充填されている充填材の固定相との分配係数の差に起因して、異なる速度でカラム515から溶出される。分配係数に応じて溶出される各成分が含まれる移動相503は、カラム515を出た後、検出器517に送られ、ここで各成分が検出される。検出器517によって検出される各成分を含む移動相503は配管519を経て回収又はリサイクルされる。
【0004】
各成分を含む移動相を回収する場合は、流路切換えバルブ507の流路を点線で示す流路508に切換えることにより、配管519と配管521との間の流通を可能とさせて、一方、配管519と配管509との間の実線で示す流路510の流通を遮断させる。これにより、各成分を含む移動相は、配管519から配管521へと送られ、各成分を含む移動相は回収液525として回収槽523に回収される。この回収液525は通常廃液とされる、または、不図示のフラクションコレクター等を用いることにより保持時間毎に溶出成分が収集されても良い。
【0005】
各成分を含む移動相503をリサイクルする場合は、流路切換えバルブ507を切換えにより、配管519と配管509との間が、実線で示される流路510で連結されることにより、これら配管519と配管509との間の流通が可能になる。一方、配管519と配管521との間の流通を遮断させる。これにより、各成分を含む移動相はバルブ507によって配管509へと送られ、再びカラム515に導入されて、各成分間の分離が繰返される。
【0006】
リサイクル分析は、試料中の各成分の分離度を高めるのに有効である。図7は従来のリサイクル分析の結果の一例を示すクロマトグラムである。保持時間約3分に現れる1本のピーク(2成分を含有)は、リサイクルを繰返すとピークが2本に分裂していき、各成分の単離が可能となる。
【0007】
リサイクル分析においては各成分のピークは保持時間毎に繰返し現れる。例えば、保持時間が約3分である成分のピークはリサイクル分析を行うと、2巡目のピークが約6分、3巡目のピークが約9分に現れる。
【0008】
図8はある試料のHPLC分析結果の一例を示すクロマトグラムである。このクロマトグラムには、保持時間約3分のピーク群と保持時間約6分のピーク群とが現れている。
【0009】
図9は、図8の試料のリサイクル分析を約6分間行った分析結果を示すクロマトグラムである。このクロマトグラムにおいては、保持時間約3分のピーク群の2巡目のピーク群と保持時間約6分のピーク群の1巡目のピーク群とが重なっている。このような試料の場合は、リサイクルを行うことにより保持時間の異なる成分が混合するため、所望のピークを分離することが出来ない。この問題を解決するため、リサイクルの対象成分のみを分離回収した後、この回収した対象成分を別途リサイクルすることが行われる。この方法による場合は、リサイクルの対象成分の回収操作が煩雑になる。また、リサイクルの対象成分の回収洩れを生じさせることもあり、成分回収量を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平05−223803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、試料中の一部成分のみを対象として、別途の回収操作を行わずに、リサイクル分析を可能とする事である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、リサイクル分析を行うHPLCに、カラムスイッチ機構を組込むことで上記課題を解決することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。上記課題を解決する本発明は以下に記載するものである。
【0013】
〔1〕
第一移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第一送液ポンプと、試料導入装置と、第一カラムと、第一流路切換えバルブ群と、第一検出器と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第一移動相の流路において、第一カラムと第一検出器との間に第二カラムを介装する流路に切換える第一移動相の流路と、
第二移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第一流路切換えバルブ群と、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第二移動相の流路において、第二送液ポンプと第二検出器との間に第二カラムを介装する流路に切換える第二移動相の流路と、
を有し、
前記第一流路切換えバルブ群には、前記第二カラムに通過する移動相を第一移動相あるいは第二移動相のいずれか一方に切換える流路切換えバルブを備え、且つ第一流路切換えバルブ群は同時に各バルブが切り換り、
且つ、
前記第二流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第二カラムと、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群とを循環する閉流路に切換える機構を備えることを特徴とすることを高速液体クロマトグラフ。
【0014】
〔2〕
第一移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第一送液ポンプと、試料導入装置と、第一流路切換えバルブ群と、第一検出器と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第一移動相の流路において、試料導入装置と第一検出器との間に第一カラムを介装する流路に切換える第一移動相の流路と、
第二移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第一流路切換えバルブ群と、第二カラムと、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第二移動相の流路において、第二送液ポンプと第二カラムとの間に第一カラムを介装する流路に切換える第二移動相の流路と、
を有し、
前記第一流路切換えバルブ群には、前記第一カラムに通過する移動相を第一移動相あるいは第二移動相のいずれか一方に切換える流路切換えバルブを備え、且つ第一流路切換えバルブ群は同時に各バルブが切り換り、
且つ、
前記第二流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第一流路切換えバルブ群と、第二カラムと、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群とを循環する閉流路に切換える機構を備えることを特徴とすることを高速液体クロマトグラフ。
【0015】
上記〔1〕又は〔2〕に記載の発明は以下の発明を含む。
【0016】
〔3〕
第二送液ポンプと第二カラムとの流路間に試料導入装置を介装する〔1〕又は〔2〕に記載の高速液体クロマトグラフ。
【0017】
〔4〕
第一流路切換えバルブ群が5以上の開口部を有する1のバルブで構成される〔1〕又は〔2〕に記載の高速液体クロマトグラフ。
【0018】
〔5〕
第二流路切換えバルブ群が4以上の開口部を有する1のバルブで構成される〔1〕又は〔2〕に記載の高速液体クロマトグラフ。
【0019】
〔6〕
〔1〕又は〔2〕に記載の高速液体クロマトグラフを用いて、リサイクルの対象成分を第二カラムに導入した後、第二カラムに導入したリサイクルの対象成分を第二移動相を用いて複数回第二カラムに通じるリサイクル分析方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のHPLCを用いれば、従来リサイクル中に保持時間が重なり混合していた試料であっても単離させることが出来る。そのため、様々な物質の分離、精製に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のHPLCの一例を示す説明図である。
【図2】(a)及び(b)ともに、図1のHPLCにおける第一移動相の流路を示す説明図である。
【図3】(a)―(c)はいずれも、図1のHPLCにおける第二移動相の流路を示す説明図である。
【図4】ある試料のHPLC分析結果の一例を示すクロマトグラムである。
【図5】図4の試料をカラムスイッチを行ってHPLC分析し、第一検出器により検出された結果を示すクロマトグラムである。
【図6】図4の試料をカラムスイッチを行ってリサイクル分析し、第二検出器により検出された結果を示すクロマトグラムである。
【図7】ある試料のリサイクル分析結果の一例を示すクロマトグラムである。
【図8】ある試料のHPLC分析結果の一例を示すクロマトグラムである。
【図9】図8の試料のリサイクルを行ったHPLC分析結果を示すクロマトグラムである。
【図10】本発明のHPLCの他の例を示す説明図である。
【図11】(a)及び(b)ともに、図10のHPLCにおける第一移動相の流路を示す説明図である。
【図12】(a)―(c)はいずれも、図10のHPLCにおける第二移動相の流路を示す説明図である。
【図13】従来の、リサイクル機構を備えるHPLCの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のHPLCと該装置を用いる分析方法について、2つの実施態様を挙げて説明する。
【0023】
<第一の実施態様>
先ず、本発明の、カラムスイッチ機構とリサイクル機構とを備える高速液体クロマトグラフ(以下、単に本発明のHPLCともいう。)について説明する。
【0024】
図1は本発明のHPLCの一例を示す説明図である。このHPLCの流路は、第一移動相13の流れる流路と第二移動相35が流れる流路とを有し、両流路間には第一流路切換えバルブを介装することにより、両流路を関連づけている。第一移動相13の流れる流路は、第一移動相貯槽11から回収槽57に向って、順次配管15と、第一送液ポンプ17と、試料導入装置19と、第一カラム21と、第一流路切換えバルブ23と、配管25と、第一検出器27と、配管28と、で構成されている。前記第一流路切換えバルブ23の切換えにより、前記第一移動相13の流れる流路において、第一カラム21と配管25との間に、第一流路切換えバルブ23を介して、配管29と、第二カラム31と、配管55と、が介装される流路に切換える事が出来るように構成されている。
【0025】
また、第二移動相35の流れる流路は、第二移動相貯槽33から回収槽57に向って、順次配管37と、第二流路切換えバルブ39と、配管41と、第二送液ポンプ43と、配管45と、第一流路切換えバルブ23と、配管47と、第二検出器49と、配管51と、第二流路切換えバルブ39と、配管53と、で構成されている。前記第一流路切換えバルブ23の切換えにより、前記第二移動相35の流れる流路において、配管45と配管47との間に第一流路切換えバルブ23を介して、配管29と、第二カラム31と、配管55と、が介装される流路に切換える事が出来るように構成されている。更に、第二流路切換えバルブ39を切換えることにより、配管51と配管41とを流通可能とし、且つ配管51と配管53との流通を遮断して、リサイクルを行う事が出来るように構成されている。
【0026】
図2(a)及び(b)は、図1のHPLCにおける第一移動相の流路を示す説明図である。図2(a)及び(b)の流路のうち、実線で示す流路は第一移動相の流路を示し、この流路は後述する(1)カラムスイッチを行わない分析の場合に使用する。
【0027】
図2(a)中、11は第一移動相貯槽であり、内部の第一移動相13が、配管15を経由して第一送液ポンプ17により吸引される。第一移動相13は、第一送液ポンプ17によって試料導入装置19に送られる。第一移動相13は、試料導入装置19から導入される試料と共に、第一カラム21の入口に送られる。第一カラム21の出口から出た第一移動相13は第一流路切換えバルブ23のポート23aと23fとを通って第一検出器27に送られる。第一検出器27を出た移動相13は配管28を経て回収槽57に送られ、回収液59となる。
【0028】
図2(b)は、図2(a)の第一流路切換えバルブ23を切換えた場合における第一移動相の流路を示している。第一カラム21の出口から出た第一移動相13は第一流路切換えバルブ23のポート23aと23bとを通り、配管29を経由して、第二カラム31の入口へと送られる。第二カラム31の出口から出た第一移動相13は配管55を経由して、第一流路切換えバルブ23のポート23eと23fとを通り、配管25を経由して、第一検出器27に送られる。第一検出器27を出た移動相13は配管28を経て回収槽57に送られ、回収液59となる。
【0029】
図3(a)―(c)は、図1のHPLCにおける第二移動相の流路を示す説明図である。図3(a)―(c)の流路のうち、実線で示す流路は第二移動相の流路を示している。
【0030】
図3(a)では、第二送液ポンプ43により吸引された第二移動相35は配管37を経て第二流路切換えバルブ39に送られる。第二流路切換えバルブ39のポート39aと39dとは常に流通可能になっている。第二移動相35は配管41、第二送液ポンプ43、配管45を経て第一流路切換えバルブ23に送られる。第一流路切換えバルブ23はポート23cと23bとが流通可能になっている。その後、第二移動相35は配管29を経て第二カラム31の入口に送られる。第二カラムの出口から出た第二移動相35は配管55を経て第一流路切換えバルブ23に送られる。第一流路切換えバルブ23はポート23eと23dとが流通可能になっている。第一流路切換えバルブ23を出た第二移動相35は配管47を経て第二検出器49へと送られる。その後、配管51を経て第二流路切換えバルブ39へ送られる。第二流路切換えバルブ39はポート39cと39bとが流通可能になっている。第二流路切換えバルブ39を出た第二移動相35は配管53を経て回収槽57に送られ、回収液59となる。
【0031】
図3(b)は、図3(a)の第一流路切換えバルブ23を切換えた場合における第二移動相の流路を示している。第一流路切換えバルブ23はポート23cと23dとが流通可能になっている。第一流路切換えバルブ23を出た第二移動相35は配管47を経て第二検出器49へと送られる。第二検出器49を出た第二移動相35は配管51を経て第二流路切換えバルブ39へと送られる。第二流路切換えバルブ39のポート39cと39dとが流通可能になっている場合(図3bの流路)はリサイクル流路を構成する。即ち、配管41と、第二送液ポンプ43と、配管45と、第一流路切換えバルブ23と、配管47と、第二検出器49と、配管51と、第二流路切換えバルブ39とから成る閉流路のリサイクル流路が構成される。一方、第二流路切換えバルブ39のポート39cと39bとが流通可能になっている場合(不図示)は、第二移動相35は配管53を経て回収槽57に送られ、回収液59となる。
【0032】
図3(c)は、図3(a)の第二流路切換えバルブ39を切換えた場合における第二移動相の流路を示している。第二流路切換えバルブ39はポート39cと39dとが流通可能になっている。これにより、配管41と、第二送液ポンプ43と、配管45と、第一流路切換えバルブ23と、配管29と、第二カラム31と、配管55と、第一流路切換えバルブ23と、配管47と、第二検出器49と、配管51と、第二流路切換えバルブ39とから成る閉流路のリサイクル流路が構成される。
【0033】
第一流路切換えバルブ23は、ポート23aと23fとの間、ポート23eと23dとの間、ポート23cと23bとの間が流通可能となっている場合には、ポート23fと23eとの間、ポート23dと23cとの間、ポート23bと23aとの間の流通は遮断されるように構成されている。同様に、ポート23fと23eとの間、ポート23dと23cとの間、ポート23bと23aとの間が流通可能となっている場合には、ポート23aと23fとの間、ポート23eと23dとの間、ポート23cと23bとの間の流通は遮断されるように構成されている。即ち、第一移動相の流路が図2(a)の流路となる場合には、第二移動相の流路は図3(a)又は図3(c)の流路となる。第一移動相の流路が図2(b)の流路となる場合には、第二移動相の流路は図3(b)の流路となる。
【0034】
次に、本発明のHPLCを用いる分析方法について説明する。
【0035】
本発明のHPLCは(1)カラムスイッチを行わない分析、(2)特定成分についてカラムスイッチを行う分析、(3)上記(2)の特定成分につきリサイクルを行う分析、を行うことが出来る。以下に、本発明のHPLCを用いて行う上記(1)―(3)について説明する。
【0036】
(1)カラムスイッチを行わない分析
カラムスイッチを行わない分析は、第一移動相を用いて分析を行う。この際、第一移動相の流路は図2(a)の実線で示す流路としておく。試料導入装置19から導入された試料は、第一移動相13と共に第一カラム21に送られる。第一カラム21内において試料は固定相に保持される。その後も第一移動相13は供給され続ける。第一カラム21内では、試料中の各成分は、移動相と固定相との分配係数の差に起因して各成分が異なる速度で第一カラム21中の固定相から溶出されていく。各成分が分配される第一移動相13はカラム21を出た後、第一流路切換えバルブ23を経て第一検出器27に送られる。第一検出器27によって検出される各成分を含む第一移動相13は配管28を経て回収槽57に送られ、回収液59が回収される。この回収液59は廃液とされる、または、不図示のフラクションコレクター等により保持時間毎に収集される。この際、第二移動相35の流路は後述する図3(a)の流路又は図3(c)の流路となっている。本分析では第二移動相35は使用しないので流通させる必要はない。
【0037】
このカラムスイッチを行わない分析(1)は、通常の分析を行う場合、又はリサイクルを行う分析を行う前に、予め各成分の溶出時間を測定する場合に用いる。
【0038】
(2)特定成分についてカラムスイッチを行う分析
先ず、予め上記(1)の分析を行い、特定成分(カラムスイッチの対象成分)の保持時間を確認しておく。次に図2(a)の実線で示す流路で、試料導入装置19から試料を導入する。カラムスイッチを行わない分析(1)で得られる特定成分の保持時間を参考に第一流路切換えバルブ23の切換え操作を行う。特定成分以外の成分(特定成分よりも保持時間の短い成分)は、図2(a)の実線で示す流路により、回収槽57へと送られる。この際、第二移動相35は図3(a)又は図3(c)の実線で示す流路を流れている。
【0039】
特定成分が第一カラム21から溶出する直前に、第一流路切換えバルブ23を切換えて、第一移動相の流路を図2(b)の実線で示す流路とする。これにより特定成分は第二カラム31へと送られ、第二カラム31内に保持される。この際、第二移動相35は図3(b)の実線で示す流路を流れている。
【0040】
第一カラム21から特定成分の溶出が終ったら、第一流路切換えバルブ23を切換えて、図2(a)の実線で示す流路とする。これにより、特定成分以外の成分(特定成分よりも保持時間の長い成分)は回収槽57へと送られる。この際、第二移動相35は図3(a)の実線で示す流路を流れており、第二移動相35により、第二カラム31から、特定成分の溶出が行われる。第二カラム31から溶出された特定成分は、第二検出器49により検出される。第二検出器49を出た第二移動相は第二流路切換えバルブ39を経て回収槽57へ送られ、回収液59とされる。
【0041】
この場合は、第二カラム31で特定成分(複数成分からなる)が各成分に分離され、更にリサイクルを必要としない場合である。
【0042】
(3)上記(2)の特定成分につきリサイクルを行う分析
上記(2)の第二カラム31にストックされた特定成分を溶出させる際に、第二流路切換えバルブ39を切換えて配管51と配管41とを流通可能とさせ、図3(c)の実線で示す流路とする。これにより、配管41と、第二送液ポンプ43と、配管45と、第一流路切換えバルブ23と、配管29と、第二カラム31と、配管55と、第一流路切換えバルブ23と、配管47と、第二検出器49と、配管51と、第二流路切換えバルブ39とから成る閉流路のリサイクル流路が構成される。
【0043】
第二検出器49の出力結果を参照し、特定成分を構成する各成分が十分に分離されてリサイクルが不要となった場合には、第二流路切換えバルブ39を切換えて図3(a)の流路とする。これにより、各成分が溶出された第二移動相35は配管53を経由して回収槽57へ送られ、回収液59となる。
【0044】

<第二の実施態様>
先ず、本発明の、カラムスイッチ機構とリサイクル機構とを備える高速液体クロマトグラフ(以下、単に本発明のHPLCともいう。)の他の実施態様について説明する。
【0045】
図10は本発明のHPLCの他の例を示す説明図である。第一移動相113の流路において、第一移動相貯槽111から回収槽149に向って、順次配管115と、第一送液ポンプ117と、配管119と、試料導入装置121と、配管123と、第一流路切換えバルブ125と、配管133と、第一検出器135と、配管137と、が介装されている。前記第一流路切換えバルブ125の切換えにより、前記第一移動相113の流路において、配管123と配管133との間に、第一流路切換えバルブ125と、配管127と、第一カラム129と、配管131と、第一流路切換えバルブ125と、を介装する流路に切換える事が出来るように構成されている。
【0046】
また、第二移動相155の流路において、第二移動相貯槽153から回収槽149に向って、順次配管157と、第二流路切換えバルブ159と、配管161と、第二送液ポンプ163と、配管165と、第一流路切換えバルブ125と、配管167と、第二カラム169と、配管171と、第二検出器173と、配管175と、第二流路切換えバルブ159と、配管177と、が介装されている。前記第一流路切換えバルブ125の切換えにより、前記第二移動相155の流路において、配管165と配管167との間に第一流路切換えバルブ125と、配管127と、第一カラム129と、配管131と、第一流路切換えバルブ125と、を介装する流路に切換える事が出来るように構成されている。更に、第二流路切換えバルブ159を切換えることにより、配管175と配管161とを流通可能とし、且つ配管175と配管177との流通を遮断して、リサイクルを行う事が出来るように構成されている。
【0047】
図11(a)及び(b)は、図10のHPLCにおける第一移動相の流路を示す説明図である。図11(a)及び(b)の流路のうち、実線で示す流路は第一移動相の流路を示している。
【0048】
図11(a)中、111は第一移動相貯槽であり、内部の第一移動相113が、配管115を経由して第一送液ポンプ117により吸引される。第一移動相113は、第一送液ポンプ117によって配管119を経て試料導入装置121に送られる。第一移動相113は、試料導入装置121から導入される試料と共に、配管123を経て第一流路切換えバルブ125に送られる。第一移動相113は、第一流路切換えバルブのポート125aと125bとを通って第一カラム129の入口に送られる。第一カラム129の出口から出た第一移動相113は第一流路切換えバルブ125のポート125eと125fとを通って第一検出器135に送られる。第一検出器135を出た移動相113は配管137を経て回収槽149に送られ、回収液151となる。
【0049】
図11(b)は、図11(a)の第一流路切換えバルブ125を切換えた場合における第一移動相の流路を示している。試料導入装置121を出た第一移動相113は配管123を経て、第一流路切換えバルブ125のポート125aと125fとを通り、配管133を経由して、第一検出器135へと送られる。第一検出器135を出た移動相113は配管137を経て回収槽149に送られ、回収液151となる。
【0050】
図12(a)―(c)は、図10のHPLCにおける第二移動相の流路を示す説明図である。図12(a)―(c)の流路のうち、実線で示す流路は第二移動相の流路を示している。
【0051】
図12(a)では、第二送液ポンプ163により吸引された第二移動相155は配管157を経て第二流路切換えバルブ159に送られる。第二流路切換えバルブ159のポート159aと159dとは常に流通可能になっている。第二移動相155は配管161、第二送液ポンプ163、配管165を経て第一流路切換えバルブ125に送られる。第一流路切換えバルブ125はポート125cと125dとが流通可能になっている。その後、第二移動相155は配管167を経て第二カラム169の入口に送られる。第二カラム169を出た第二移動相155は配管171を経て第二検出器173へと送られる。その後、配管175を経て第二流路切換えバルブ159へ送られる。第二流路切換えバルブ159はポート159cと159bとが流通可能になっている。第二流路切換えバルブ159を出た第二移動相155は配管177を経て回収槽149に送られ、回収液151となる。
【0052】
図12(b)は、図12(a)の第一流路切換えバルブ125を切換えた場合における第二移動相の流路を示している。第一流路切換えバルブ125はポート125cと125bとが流通可能になっている。第一流路切換えバルブ125を出た第二移動相155は配管127を経て第一カラム129へと送られる。第一カラム129を出た第二移動相155は配管131を経て第一流路切換えバルブ125へと送られる。第一流路切換えバルブ125はポート125eと125dとが流通可能になっている。その後、第二移動相155は配管167を経て第二カラム169へと送られる。第二カラム169を出た第二移動相155は配管171、第二検出器173、配管175を経て第二流路切換えバルブ159に送られる。第二流路切換えバルブ159はポート159cと159bとが流通可能になっている。第二移動相155は配管177を経て回収槽149に送られ、回収液151となる。
【0053】
図12(c)は、図12(a)の第二流路切換えバルブ159を切換えた場合における第二移動相の流路を示している。第二流路切換えバルブ159はポート159cと159dとが流通可能になっている。これにより、配管161と、第二送液ポンプ163と、配管165と、第一流路切換えバルブ125と、配管167と、第二カラム169と、配管171と、第二検出器173と、配管175と、第二流路切換えバルブ159とから成る閉流路のリサイクル流路が構成される。
【0054】
第一流路切換えバルブ125は、ポート125aと125fとの間、ポート125eと125dとの間、ポート125cと125bとの間が流通可能となっている場合には、ポート125fと125eとの間、ポート125dと125cとの間、ポート125bと125aとの間の流通は遮断されるように構成されている。同様に、ポート125fと125eとの間、ポート125dと125cとの間、ポート125bと125aとの間が流通可能となっている場合には、ポート125aと125fとの間、ポート125eと125dとの間、ポート125cと125bとの間の流通は遮断されるように構成されている。即ち、第一移動相の流路が図11(a)の流路となる場合には、第二移動相の流路は図12(a)又は図12(c)の流路となる。第一移動相の流路が図11(b)の流路となる場合には、第二移動相の流路は図12(b)の流路となる。
【0055】
次に、このHPLCを用いる分析方法について説明する。
【0056】
このHPLCは(4)カラムスイッチを行わない分析、(5)特定成分についてカラムスイッチを行う分析、(6)上記(5)の特定成分につきリサイクルを行う分析、を行うことが出来る。以下に、このHPLCを用いて行う上記(4)―(6)について説明する。
【0057】
(4)カラムスイッチを行わない分析
カラムスイッチを行わない分析は、第一移動相を用いて分析を行う。この際、第一移動相の流路は図11(a)の実線で示す流路としておく。試料導入装置121から導入された試料は、第一移動相113と共に第一カラム129に送られる。第一カラム129内において試料は固定相に保持される。その後も第一移動相113は供給され続ける。第一カラム129から溶出された各成分を含む第一移動相113は第一カラム129を出た後、第一検出器135に送られる。第一検出器135によって検出される各成分を含む第一移動相113は配管137を経て回収槽149に送られ、回収液151が回収される。この回収液151は廃液とされる、または、不図示のフラクションコレクター等により保持時間毎に収集される。この際、第二移動相155の流路は後述する図12(a)の流路又は図12(c)の流路となっている。本分析では第二移動相155は使用しないので流通させる必要はない。
【0058】
(5)特定成分についてカラムスイッチを行う分析
先ず、予め上記(4)の分析を行い、特定成分(カラムスイッチの対象成分で複数成分の混合物)の保持時間を確認しておく。次に図11(a)の実線で示す流路で、試料導入装置121から試料を導入する。特定成分の保持時間を参考に第一流路切換えバルブ125の切換え操作を行う。特定成分以外の成分(特定成分よりも保持時間の短い成分)は、図11(a)の実線で示す流路により、回収槽149へと送られる。この際、第二移動相155は図12(a)又は図12(c)の実線で示す流路を流れている。
【0059】
特定成分が第一カラム129から溶出する直前に、第一流路切換えバルブ125を切換えて、第一移動相の流路を図11(b)の実線で示す流路に切り換える。これにより、第二移動相155は図12(b)の実線で示す流路に切り換わる。特定成分は第一カラム129から第二移動相155により溶出される。特定成分を含む第二移動相155は配管131、第一流路切換えバルブ125を経て第二カラム169に送られ、カラム内に保持される。
【0060】
特定成分の溶出が終ったら、第一流路切換えバルブ125を切換えて、図11(a)の実線で示す流路とする。これにより、特定成分以外の成分(特定成分よりも保持時間の長い成分)は回収槽149へと送られる。この際、第二移動相155は図12(a)の実線で示す流路を流れており、第二移動相155により、第二カラム169から、特定成分の溶出が行われる。第二カラム169から溶出された特定成分は、第二検出器173により検出される。第二検出器173を出た第二移動相155は第二流路切換えバルブ159を経て回収槽149へ送られ、回収液151とされる。この場合は、第二カラム169で特定成分中の各成分が十分分離されている場合である。
【0061】
(6)上記(5)の特定成分につきリサイクルを行う分析
上記(5)の第二カラム169にストックされた特定成分を溶出させる際に、第二流路切換えバルブ159を切換えて配管175と配管161とを流通可能とさせ、図12(c)の実線で示す流路とする。これにより、配管161と、第二送液ポンプ163と、配管165と、第一流路切換えバルブ125と、配管167と、第二カラム169と、配管171と、第二検出器173と、配管175と、第二流路切換えバルブ159とから成る閉流路のリサイクル流路が構成される。
【0062】
第二検出器173の出力結果を参照し、各成分が十分に分離されてリサイクルが不要となった場合には、第二流路切換えバルブ159を切換えて図12(a)の流路とする。これにより、各成分が溶出された第二移動相155は配管177を経由して回収槽149へ送られ、回収液151となる。
【0063】
図1及び図10中、第二流路には試料導入装置は介装されていないが、介装されていても良い。第二流路に試料導入装置が介装されている場合、第一流路と第二流路とが独立した2台のHPLCとして使用できる。図1中、第一流路にはリサイクル機構は備えていないが、リサイクル機構を備えていても良い。これにより、2種類のリサイクル対象成分を同時にリサイクルすることが出来る。
【0064】
図中、第一流路切換えバルブは6方バルブを使用しているが、複数のバルブを組合わせて構成しても良い(この場合の複数のバルブを総称して第一流路切換えバルブ群という)。同様に、第二流路切換えバルブは複数のバルブを組合わせて構成しても良い(この場合の複数のバルブを総称して第二流路切換えバルブ群という)。これらの場合は、バルブ群は各バルブ群を構成する各バルブを同時に切換える必要がある。同時に切換えない場合は、流路が一時的に遮断され、内部が高圧となる結果、装置が破損するおそれがある。従って同時とは、このような流路の遮断が許される範囲内の時間を指す。
【0065】
第一移動相と第二移動相とは同一組成であっても良いし、異なる組成であっても良い。第一移動相と第二移動相とが同一の組成である場合には、第一移動相貯槽と第二移動相貯槽とは同一の貯槽であっても良い。また、第一送液ポンプと第二送液ポンプとは同一の送液速度であっても、異なる送液速度であっても良い。第一検出器と第二検出器とは同一の検出方式であっても、異なる検出方式であっても良い。第一カラムと第二カラムとは同一のカラムを用いても良いし、異なるカラムを用いても良い。カラムとしては、逆相系カラムや順相系カラム、またGPCカラムやイオン交換カラム等の一般的にHPLCに用いられるカラムが使用できる。移動相は使用するカラムの種類に応じて公知の物が適宜選択される。
【実施例】
【0066】
以下、本発明のHPLCによる具体的な試料の分離結果を説明する。
【0067】
第一送液ポンプ:SSC−3461(センシュー科学製)、第二送液ポンプ:L−2130(日立ハイテク製)、第一検出器:SSC−5410(センシュー科学製)、第二検出器:L−2450(日立ハイテク製)、試料導入装置:RHEODYNE7125(RHEODYNE製)、第一及び第二カラム:ODS10φ×150mm(センシュー科学製)を用いて図1の装置を構成した。
【0068】
この装置を用いて、第一及び第二移動相として水/アセトニトリル(1/1)混液を用いて、複数成分含有試料(p―ヒドロキシ安息香酸(メチル、エチル、ブチル、n−ブチル、イソプロピル)、カフェイン、レソルシノール、t−ブチルヒドロキノン、各2mg/mL)の分離を行った。カラム温度は40℃とした。移動相の流速は3mL/min.としたところ、第一カラム及び第二カラムの圧力はそれぞれ3.3MPa、3.4MPaとなった。第一及び第二検出器の検出波長は254nmとした。
【0069】
先ず、図2(a)の実線で示す流路において、リサイクルを行わないHPLC分析を行い、図4に示すクロマトグラムを得た。各成分のうち、保持時間約8分に現れる2本のピークの分離が不十分であった。そのため、この2成分を対象としてリサイクルを行った。なお、この試料を従来の図13に示すHPLCでリサイクルを行うと保持時間約2分の成分や保持時間約4分の成分のピークと重なって保持時間約8分の成分の分離が行えない。
【0070】
図2(a)の実線で示す流路において保持時間0〜7分までの成分を溶出させた。保持時間7〜9分では流路を図2(b)の実線で示す流路に切換えてカラムスイッチを行った。その後、保持時間9分以降では図2(a)の実線で示す流路に切換えた。図5は本発明のHPLCを用いて、図4と同じ試料をカラムスイッチを行ってHPLC分析し、第一検出器で検出されたクロマトグラムである。保持時間7〜9分の成分はカラムスイッチを行っているため、第一検出器では検出されていない。第二カラムにストックされた保持時間7〜9分の成分は、図3(c)の実線で示す流路によってリサイクル分析を行った。そのクロマトグラムを示すのが図6である。
【0071】
このクロマトグラムによれば、保持時間16分から8分毎にピークが現れている。なお、保持時間16分のピークは第一カラムを通過し、更に第二カラムを1回通過した成分のピークである(これを1巡目とする)。このクロマトグラムによれば、保持時間約56分(6巡目)で2成分の分離が達成されている。
【符号の説明】
【0072】
100・・・本発明のHPLC
11・・・第一移動相貯槽
13・・・第一移動相
17・・・第一送液ポンプ
19・・・試料導入装置
21・・・第一カラム
23・・・第一流路切換えバルブ
23a〜f・・・バルブのポート
27・・・第一検出器
31・・・第二カラム
33・・・第二移動相貯槽
35・・・第二移動相
39・・・第二流路切換えバルブ
39a〜d・・・バルブのポート
43・・・第二送液ポンプ
49・・・第二検出器
57・・・回収槽
59・・・回収液
15、25、28、29、37、41、45、47、51、53、55・・・配管
200・・・本発明のHPLC
111・・・第一移動相貯槽
113・・・第一移動相
117・・・第一送液ポンプ
121・・・試料導入装置
125・・・第一流路切換えバルブ
125a〜f・・・バルブのポート
129・・・第一カラム
135・・・第一検出器
149・・・回収槽
151・・・回収液
153・・・第二移動相貯槽
155・・・第二移動相
159・・・第二流路切換えバルブ
159a〜d・・・バルブのポート
163・・・第二送液ポンプ
169・・・第二カラム
173・・・第二検出器
115、119、123、127、131、133、137、157、161、165、167、171、175、177・・・配管
500・・・従来のリサイクル機構を備えたHPLC
501・・・移動相貯槽
503・・・移動相
507・・・流路切換えバルブ
507a、507b、507c、507d・・・バルブのポート
511・・・送液ポンプ
513・・・試料導入装置
515・・・カラム
517・・・検出器
523・・・回収槽
525・・・回収液
505、509、519、521・・・配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第一送液ポンプと、試料導入装置と、第一カラムと、第一流路切換えバルブ群と、第一検出器と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第一移動相の流路において、第一カラムと第一検出器との間に第二カラムを介装する流路に切換える第一移動相の流路と、
第二移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第一流路切換えバルブ群と、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第二移動相の流路において、第二送液ポンプと第二検出器との間に第二カラムを介装する流路に切換える第二移動相の流路と、
を有し、
前記第一流路切換えバルブ群には、前記第二カラムに通過する移動相を第一移動相あるいは第二移動相のいずれか一方に切換える流路切換えバルブを備え、且つ第一流路切換えバルブ群は同時に各バルブが切り換り、
且つ、
前記第二流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第二カラムと、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群とを循環する閉流路に切換える機構を備えることを特徴とすることを高速液体クロマトグラフ。
【請求項2】
第一移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第一送液ポンプと、試料導入装置と、第一流路切換えバルブ群と、第一検出器と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第一移動相の流路において、試料導入装置と第一検出器との間に第一カラムを介装する流路に切換える第一移動相の流路と、
第二移動相の流路の一端側から他端側に向って、順次第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第一流路切換えバルブ群と、第二カラムと、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群と、
を介装するとともに、
前記第一流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、前記第二移動相の流路において、第二送液ポンプと第二カラムとの間に第一カラムを介装する流路に切換える第二移動相の流路と、
を有し、
前記第一流路切換えバルブ群には、前記第一カラムに通過する移動相を第一移動相あるいは第二移動相のいずれか一方に切換える流路切換えバルブを備え、且つ第一流路切換えバルブ群は同時に各バルブが切り換り、
且つ、
前記第二流路切換えバルブ群の流路切換えバルブの切換えにより、第二流路切換えバルブ群と、第二送液ポンプと、第一流路切換えバルブ群と、第二カラムと、第二検出器と、第二流路切換えバルブ群とを循環する閉流路に切換える機構を備えることを特徴とすることを高速液体クロマトグラフ。
【請求項3】
第二送液ポンプと第二カラムとの流路間に試料導入装置を介装する請求項1又は2に記載の高速液体クロマトグラフ。
【請求項4】
第一流路切換えバルブ群が5以上の開口部を有する1のバルブで構成される請求項1又は2に記載の高速液体クロマトグラフ。
【請求項5】
第二流路切換えバルブ群が4以上の開口部を有する1のバルブで構成される請求項1又は2に記載の高速液体クロマトグラフ。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の高速液体クロマトグラフを用いて、リサイクルの対象成分を第二カラムに導入した後、第二カラムに導入したリサイクルの対象成分を第二移動相を用いて複数回第二カラムに通じるリサイクル分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−52973(P2011−52973A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199346(P2009−199346)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(307024705)株式会社 センシュー科学 (5)