説明

高速PCIe信号伝送装置及びその制御方法

【課題】高速PCIe信号伝送装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本発明は、高速PCIe信号伝送装置及びその制御方法に関するもので、コンピューター保存装置のデータを外部機器に伝送及び受信する装置において、前記保存装置のデータをPCIエクスプレス(以下、PCIeと言う)信号で受信し、これを光信号に変換して伝送するホストアダプタ(host adapter)と、前記ホストアダプタから光信号を受信して電気信号に変換した後、該当外部機器連結装置に伝送する光電変換手段とを含んで構成した装置及びその制御方法を提供する。
コンピューター保存装置のデータをPCIe信号に載せて光チャンネルを介して伝送することによって、近距離及び遠距離へのデータ伝送速度を向上させる効果が得られる。
また、本発明による高速PCIe信号伝送装置及びその制御方法によると、簡単な伝送装置を追加するだけで二重チャンネルまたは光信号USB方式に比べてデータ伝送効率が向上するという効果も得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速PCIe信号伝送装置及びその制御方法に関し、さらに詳しくは、データを光チャンネルを介してPCIe信号で伝送する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にPCIeは、多数のPCI装置が一つの並列バスを共有することによって発生するボトルネック現象を解決するためのもので、並列バス方式の32/64ビットPCIとは異なり2本の線路を利用して有効伝送速度2Gbps(250MBytes/s)の単方向伝送機能を提供する直列バスを使用する。従って、双方向の送受信時には、直列バス2個が組合された一つのレーン(lane)で構成され、各方向に2Gbpsの伝送速度を提供する。普通二つのPCIe装置間の連結は、1、2、4、8、12、16または32個のレーンで構成されており、例えば、16個のレーン(x16)PCIeカードの場合には、250*16=4Gbytes/sの伝送を各方向に提供することができる。
【0003】
最近、高速インタフェース技術として光チャンネル(fiber channel)が広く利用されている。前記光チャンネルは、1998年標準案が用意られた技術であり、光ファイバを介したデータ伝送とシリアルインタフェースを利用した装置の間の連結を提供する。この光チャンネルを応用した技術には、保存領域ネットワーク(SAN:storage area network)がある。
【0004】
このような保存領域ネットワークの一例が下記特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された技術は、二重役割光ディスクドライブに関するもので、デスクトップPC(Desktop PC)に装着された光ディスクドライブ(ODD:Optical Disc Drive)をノート型パソコン(Notebook PC)のような外部機器において外装型(External)光ディスクドライブとして使用できるようにすると記載されている。すなわち、特許文献1に開示された技術では、デスクトップPCに装着された光ディスクドライブに、ATAPIインタフェース(ATAPI I/F)をUSBインタフェース(USB I/F)に変換するためのブリッジボード(Bridge Board)と、USBコネクター(Connector)と、そして役割変更スイッチ(Change Role SW)とを設けることによって、ユーザがノート型パソコンのような外部機器を前記USBコネクターに連結して、前記光ディスクドライブを外装型光ディスクドライブとして使用できるようにすると記載されている。
【0006】
また、保存領域ネットワークの他の例が下記特許文献2に開示されている。
【0007】
特許文献2に開示された技術は、光USB外部装置連結システムに関するもので、USB端子を具備した外部機器とデータを交換するためのホストコンピューターのUSB駆動装置において、外部機器のUSB端子と接続されて光信号によるデータ交換のための光USB端子と、前記光USB端子を介してデータを入出力するためのUSBインタフェース部と、前記光USB端子とUSBインタフェース部との間に位置して光信号と電気信号を相互変換する光電変換部とを含み、前記光電変換部は、光導波路によりお互いに連結され相互データが光信号により伝送されることによって、USBシステムのデータ伝送速度を向上させる効果を提供すると記載されている。
【0008】
しかし、前記特許文献1、2に開示された技術においては、光チャンネルを介して高速PCIe信号にデータを載せて伝送する技術を提供せず、二重チャンネルまたは光信号USB方式だけでデータを伝送するので、データ伝送速度の向上に限界があるという問題があった。
【特許文献1】大韓民国特許公開公報第2008−0008725号(2008.01.24公開)
【特許文献2】大韓民国特許出願番号第2008−0017415号(2008.02.26出願)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、保存装置のデータをPCIe信号に載せて光チャンネルを介して伝送することによって伝送速度を向上させる装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明の実施の形態による高速PCIe信号伝送装置は、コンピューター保存装置のデータを外部機器に伝送及び受信する装置において、前記保存装置のデータをPCIエクスプレス(以下、PCIeと言う)信号で受信し、これを光信号に変換して伝送するホストアダプタ(host adapter)と、前記ホストアダプタから光信号を受信して電気信号に変換した後、該当外部機器連結装置に伝送する光電変換手段と、を含んで構成することができる。
【0011】
また、本発明の実施の形態による高速PCIe信号伝送制御方法は、コンピューター保存装置のデータを外部機器に伝送及び受信する方法において、前記保存装置のデータをPCIe信号に変換して伝送する信号変換ステップと、前記PCIe信号を受信して光信号に変換した後、光チャンネルを介して伝送する電光変換ステップと、前記光チャンネルを介して受信した光信号を電気信号に変換した後、該当外部機器に伝送する光電変換ステップと、を含む方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明による高速PCIe信号伝送装置及びその制御方法によると、コンピューター保存装置のデータをPCIe信号に載せて光チャンネルを介して伝送することによって、近距離及び遠距離へのデータ伝送速度が向上する効果を得ることができる。
【0013】
また、本発明による高速PCIe信号伝送装置及びその制御方法によると、簡単な伝送装置を追加するだけで二重チャンネルまたは光信号USB方式に比べてデータ伝送効率が向上するという效果も得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、本発明に対して簡略に説明する。コンピューター内に保存されているデータを伝送する連結標準として、一般的に最大480Mbps(60Mbyte)の伝送速度を提供するUSB(universal serial bus)が広く利用されているが、コンピューターのホストチップセット速度の制限によって40〜48Mbyteのみが伝送されるので、高品質のビデオストリーミングなどを提供(例えば、ストリーミング装備がシングルストリーミングだけでなく録画と再生のような機能も提供)するには十分ではない。従って、十分な伝送帯域幅を有し、転移(migration)をより容易にせねばならず、既存のアプリケーションとドライブを変更することなく作動できるように互換性を満たす代替連結標準が必要である。
【0015】
従って、PCIeは、このような条件を満たしているので、本発明では保存装置のデータをPCIe信号に載せて伝送すると共にディスクミラーリング(disk mirroring)、バックアップ, 永久保管及び永久保管用データ検索、保存装置間データ移動、ネットワーク内の相異するサービス間のデータ共有をも支援するために光チャンネルを介して前記PCIe信号を伝送する方法を提案しようとする。
【0016】
以下、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に行い得るように、本発明の最も好ましい実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。また、本発明の説明において同一の部分には同一の符号を付してその反復説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態による高速PCIe信号伝送装置の構成を簡略に示す図である。
【0018】
図1を参照すると、前記高速PCIe信号伝送装置は、2乃至8レーン(lane)接続によってホストアダプタ100に結合するエクスプレスカード200と、前記エクスプレスカード200から受信したPCIe信号を光信号に変換して出力する電/光変換部110及び外部機器への信号伝送のための第1コネクター120を含むホストアダプタ100と、前記ホストアダプタ100の第1コネクター120と連結されユーザ設定距離だけ離隔する第2コネクター310、前記第2コネクター310を介して受信した光信号を電気信号に変換して出力する光/電変換部320、前記光/電変換部320の出力を受信してその内容を解釈し伝送する外部機器を決めた後、一つまたは多数個の外部機器連結装置340を介してデータを伝送する信号分配部330を含む光電変換手段300とで構成される。ここで、前記信号分配部330は、接続する外部機器のコントローラーを内蔵し、FPGAなどを利用して具現されることができる。
【0019】
また、前記ホストアダプタ100及び光電変換手段300は、光チャンネル(fiber channel)を介したデータの伝送及び受信を提供する。
【0020】
また、前記光電変換手段300の第2コネクター310は、遠距離の連結だけでなくUSB形態で提供されることができるため、前記ホストアダプタ100に直接接続が可能である。
【0021】
また、外部機器連結装置340は、各種外部機器への連結が可能であるように、ディスクコネクター340a、IEEE1394インタフェース部340b及び保存手段コネクター340cを含む。
【0022】
また、前記ホストアダプタ100は伝送するデータを保存したコンピューター内に位置し、前記光電変換手段300はデータを受信する外部機器と前記ホストアダプタ100との間に位置するため、前記光電変換手段300の外部機器連結装置340は、連結しようとする外部機器の数及び種類によって、その個数が追加されることもある。
【0023】
このように構成した本発明の実施の形態による動作過程を添付図面を参照して説明する。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態による高速PCIe信号の伝送過程を示すフローチャートである。
【0025】
図2を参照すると、先ず伝送しようとするコンピューター保存装置(図示せず)のデータをPCIeカードによってPCIe信号に変換してホストアダプタ100に伝送する(S100)。この時、前記PCIeカード200は、4レーン接続によってホストアダプタ100に接続されており、前記レーン数は支援しようとする帯域幅によって調整する。例えば、支援しようとする帯域幅が1Gbytes/sの場合には4レーン接続が必要であるが、2Gbytes/sの帯域幅が必要な場合には8レーン接続で構成する。
【0026】
前記ステップ100によるPCIe信号を前記ホストアダプタ100で受信すると、これを電/光変換部110で光信号に変換した後、光チャンネルを介して伝送する(S200、S300)。
【0027】
この時、前記光チャンネルは、ポイントツーポイント(point−to−point)、調停ループ(arbitrated loop)及びクロスポイント(cross point)の三種類のトポロジー(topology)を支援するので、前記連結されたホストアダプタ100と光電変換手段300との間の連結を提供する。
【0028】
また、前記ホストアダプタ100は、光チャンネルを介して近距離または遠距離の光電変換手段300にデータをファイル単位ではなくブロック単位で伝送をするため、外部機器への高速データ伝送が可能になる。
【0029】
以後、前記光チャンネルを介して前記光電変換手段300の光/電変換部320は、受信した光信号を電気信号に再度変換(S400)した後、該当外部機器に伝送する。この時、前記電気信号に変換した後、接続する外部機器のコントローラーを内蔵した信号分配部330で電気信号の内容を解釈して伝送する外部機器を決定する(S500)。その後、外部機器連結装置340を介して一つまたは多数個の外部機器(例えば、外装ディスクドライブ、ビデオディスクドライブ(VDD)、ホームシアター(home theater)、USBメモリー、デジタルカメラ、スキャナ、プリンター、DVR、DVDなど)にデータを伝送する(S600)。これは多数の装置間の同時接続と同時使用を可能にするためである。
【0030】
以上、発明を前記実施の形態によって具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態による高速PCIe信号伝送装置の構成を簡略に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態による高速PCIe信号の伝送過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
100 ホストアダプタ
110 電/光変換部
120 第1コネクター
200 PCIeカード
300 光電変換手段
310 第2コネクター
320 光/電変換部
330 信号分配部
340 外部機器連結装置
340a ディスクコネクター
340b IEEE 1394インタフェース部
340c 保存手段コネクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューター保存装置のデータを外部機器に伝送及び受信する装置であって、
前記保存装置のデータをPCIエクスプレス(以下、PCIeと言う)信号で受信し、これを光信号に変換して伝送するホストアダプタ(host adapter)と、
前記ホストアダプタから光信号を受信して電気信号に変換した後、該当外部機器連結装置に伝送する光電変換手段と、を含むことを特徴とする高速PCIe信号伝送装置。
【請求項2】
前記ホストアダプタ及び光電変換手段は、光チャンネル(fiber channel)を介してデータを伝送及び受信することを特徴とする請求項1に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項3】
前記ホストアダプタは、
前記受信したPCIe信号を光信号に変換して出力する電/光変換部と、
前記光電変換手段への信号伝送のための第1コネクターと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項4】
前記光電変換手段は、
前記ホストアダプタから外部にユーザ設定距離だけ離隔する第2コネクターと、
前記第2コネクターを介して受信した光信号を電気信号に変換して出力する光/電変換部と、
前記光/電変換部の出力を受信しその内容を解釈して伝送する外部機器を決定した後、一つまたは多数個の外部機器連結装置を介してデータを伝送する信号分配部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項5】
前記第2コネクターは、USB形態で前記ホストアダプタに連結されていることを特徴とする請求項4に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項6】
前記信号分配部は、接続される外部機器のコントローラーを内蔵していることを特徴とする請求項4に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項7】
前記外部機器連結装置は、
前記ホストアダプタからの出力信号を外装ディスクドライブに伝送するためのディスコネクターを含むことを特徴とする請求項1に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項8】
前記外部機器連結装置は、
前記ホストアダプタからの出力信号を外部保存手段に伝送するための保存手段コネクターを含むことを特徴とする請求項7に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項9】
前記外部機器連結装置は、
前記ホストアダプタからの出力信号を外部機器に伝送するためのIEEE1394インタフェース部を含むことを特徴とする請求項7に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項10】
前記外部機器は、外装ディスクドライブ、ビデオディスクドライブ(VDD)、ホームシアター(home theater)、USBメモリー、デジタルカメラ、スキャナ、プリンター、DVR、DVDのうち何れか一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項11】
前記PCIe信号は、PCIエクスプレスカード装着によって発生する信号であることを特徴とする請求項1に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項12】
前記PCIエクスプレスカードは、2乃至16レーン(lane)接続によって前記ホストアダプタに結合することを特徴とする請求項11に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項13】
前記ホストアダプタは、伝送するデータを保存したコンピューター内に位置し、前記光電変換手段は、データを受信する外部機器と前記ホストアダプタとの間に位置することを特徴とする請求項1に記載の高速PCIe信号伝送装置。
【請求項14】
コンピューター保存装置のデータを外部機器に伝送及び受信する方法であって、
前記保存装置のデータをPCIe信号に変換して伝送する信号変換ステップと、
前記PCIe信号を受信して光信号に変換した後、光チャンネル介して伝送する電光変換ステップと、
前記光チャンネルを介して受信した光信号を電気信号に変換した後、該当外部機器に伝送する光電変換ステップと、を含むことを特徴とする高速PCIe信号伝送制御方法。
【請求項15】
前記光電変換ステップは、
前記電気信号に変換した後、その内容を解釈して伝送する外部機器を決定した後、一つまたは多数個の外部機器にデータを伝送するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の高速PCIe信号伝送制御方法。
【請求項16】
前記PCIe信号は、PCIエクスプレスカードによって発生する信号であることを特徴とする請求項14に記載の高速PCIe信号伝送制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−45763(P2010−45763A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87108(P2009−87108)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】