説明

高電圧パルス電源

【課題】負荷両端に印加される電圧を一定に制御することできるパルス電源を供給する。
【解決手段】負荷に電圧を一定時間印加するため第1の半導体スイッチ5と直列に半導体素子と抵抗とから構成される回路を複数直列接続した第2の半導体スイッチ7の半導体素子を順次オンすることにより、負荷と半導体スイッチ7に並列接続された抵抗の合成抵抗を変化させることにより、負荷に印加する電圧を一定値に制御し、負荷の出力の高安定性を実現したもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数ミリ秒のパルス電圧が必要となる長パルスクライストロンなどの負荷に高電圧、高安定なパルス電力を供給する高電圧パルス電源に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、この種従来の半導体スイッチを使用した高電圧パルス電源の一例を説明するための図である。高電圧パルス電源は、負荷3例えばク数ミリ秒のパルス電圧が必要となるクライストロンにパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサ1を、パルス印加時間に比べ十分長い時間でコンデンサ1を一定電圧に充電するための直流電源2と、コンデンサ1と負荷3に一定時間パルス電圧を印加するための半導体スイッチ(本発明の第1の半導体スイッチに相当)5とで構成されている。
【0003】
一般に高電圧パルス電源では、負荷3の両端電圧として約100kV以上の電圧が必要となる。このため、半導体スイッチ5は通常絶縁耐電圧の関係から複数の半導体素子5aと並列に例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)からなる半導体素子5aに直流分担を均等化する抵抗5d及び、交流分担を均等化するコンデンサ5cと限流抵抗5bの直列接続された回路が接続される。半導体素子5aへのオン、オフ指令は制御装置6から出力され、すべての半導体素子5aが同時にオン、オフされ、負荷3に一定時間電圧が印加されるようものが公知となっている(非特許文献1参照)。
【0004】
半導体スイッチ5がオンした直後は、負荷3に半導体スイッチ5がオンする直前にエネルギー貯蔵用コンデンサ1に充電されていた電圧が印加される。
【0005】
しかしながら、数ミリ秒のパルス電力が必要となる長パルスクライストロンなどの負荷3では、半導体スイッチ5の導通期間中にエネルギー貯蔵用コンデンサ1の電圧が低下し、それに伴って負荷3の両端に掛かる電圧が低下してしまう問題が生じていた。
【非特許文献1】○○○○A Second Long Pulse Modulator For TESLA Using IGBTs; H.Pfeffer他 FERMILAB Batavia IL
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、従来よりも半導体スイッチ5を使用した高電圧パルス電源では、エネルギー貯蔵用コンデンサ1の容量を導通期間中の電圧降下が許容されるような容量とすることにより対応していた。
【0007】
しかし、上記方式では、大出力の長パルスクライストロンに適用した時、コンデンサ1の容量が非常に大きくなり、装置の大型化が避けられなかった。また、電圧降下を完全に防ぐことができないため、パルスクライストロンに安定した電圧を印加することが困難であるという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、エネルギー貯蔵用コンデンサの容量を増加させることなく負荷の出力の高安定性を実現することができる高電圧パルス電源を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に対応する発明は、直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、前記第2の半導体スイッチの半導体素子を制御装置からのオン信号により順次オンする構成としたことを特徴とする高電圧パルス電源である。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、第1の半導体スイッチ1のオン、オフにより負荷にパルス電圧一定時間印加し、パルス電圧印加後複数個直列接続された半導体スイッチの半導体素子を個々に順次オンさせることにより半導体素子に並列接続された抵抗の合成抵抗と負荷との電圧分担を変化させることで、負荷両端に印加される電圧を一定に制御することが可能となる。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項5に対応する発明は、直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、
前記第2の半導体スイッチを構成する半導体素子に、オン指令を与えるタイミングをパルス電圧印加時間からの時刻と前記第2の半導体スイッチのオンすべき半導体素子の情報をあらかじめ記憶装置に記憶させておき、パルス電圧印加開始からの時間によりパターンで前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を、前記記憶装置の記憶内容に基づき順次オンさせる制御装置を具備したことを特徴とする高電圧パルス電源である。
【0012】
請求項5に記載の発明によれば、第1の半導体スイッチをオンした後、負荷にパルス電圧が印加された時間からの電圧降下は、負荷の状態が一定であればほぼ一定値となることから、負荷と第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子に並列に接続されている抵抗との電圧分担を、負荷の電圧が一定になるようにあらかじめ計算することができ、その計算に従って、時刻tでどの素子をオンすればよいかを記憶装置に記憶しておくことで、パルス電圧印加開始からの時間によりパターンを呼び出すことで半導体素子にオン指令を送ることにより負荷両端に印加される電圧を一定にすることができる。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項6に対応する発明は、直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため
直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、
前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるタイミングを、前記エネルギー貯蔵用コンデンサの両端電圧を検出し、その検出電圧と個々の素子をオンする電圧設定値とを比較器により比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を順次オンさせる制御装置を具備したことを特徴とする高電圧パルス電源である。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるタイミングを、エネルギー貯蔵用コンデンサの両端電圧を検出し、その検出電圧と個々の第2の半導体スイッチの半導体素子をオンする設定電圧と比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を順次オンさせる。ここで、エネルギー貯蔵用コンデンサ両端に印加される電圧は、負荷の両端電圧とほぼ等しい。また、エネルギー貯蔵用コンデンサ両端電圧はほぼ一定値で安定しており、誤動作などの影響を受けにくい。従って、例えば負荷が温度や、経年変化などで状態が変化した場合でも、エネルギー貯蔵用コンデンサ両端電圧の低下に応じて半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるため、負荷両端に印加される電圧を一定にすることができる。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項7に対応する発明は、直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため
直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、
前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるタイミングを、前記負荷の両端電圧を検出し、その検出電圧と個々の素子をオンする電圧設定値とを比較器により比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を順次オンさせる制御装置を具備したことを特徴とする高電圧パルス電源である。
【0016】
請求項7に記載の発明によれば、第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるタイミングを、負荷の両端電圧を検出し、その検出電圧と個々の第2の半導体スイッチの半導体素子をオンする設定電圧と比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を順次オンさせる。従って、例えば負荷が温度や、経年変化などで状態が変化した場合でも、負荷両端電圧の低下に応じて第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるため、負荷両端に印加される電圧を一定にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、負荷両端に印加される電圧を一定に制御することが可能となり、負荷の出力の高安定を実現する高電圧パルス電源を供給することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、ここでは前述した図8の従来例と異なる点を主として説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための図であり、図中、従来装置を示す図21と同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。図1の特徴は、エネルギー貯蔵用コンデンサ1と負荷3との間に、半導体スイッチ(本発明の第2の半導体スイッチに相当)7を直列に接続したものである。
【0020】
半導体スイッチ7は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)からなる半導体素子7aと抵抗7bとを並列に接続したものを複数個直列接続したものであって、半導体スイッチ5がオンし、負荷3にパルス電圧が印加された後、制御装置6からオン指令により半導体スイッチ7の複数の半導体素子7aが順次オンするように構成したものである。
【0021】
なお、図1では負荷3にパルス電圧が印加されたことを、検出又は推定する手段については、具体的に記載していないが、公知の技術を利用することで、容易に得ることができる。
【0022】
つまり、図1において半導体スイッチ5がオンした直後は負荷3の抵抗RL
【数2】

【0023】
このように次々と半導体スイッチ7の半導体素子7aに並列に接続した抵抗7bの合成抵抗値を負荷3の両端電圧がV=V=…となるように、半導体素子7aを順次オンすることにより、負荷3の電圧を一定値に制御することが可能となる。
【0024】
図2に本発明の実施形態を説明するグラフを示す。図のように時間t1、t2、…tnの各区間においてエネルギー貯蔵用コンデンサ1の電圧波形の減衰に合わせて半導体スイッチ7の半導体素子7aを順次オンすることにより、半導体素子7aと並列接続されている抵抗7bの合成抵抗値をコンデンサ1の両端電圧の減衰分を吸収する分だけ減少させることにより、負荷3の電圧を一定に制御することができる。
【0025】
図3は図1の半導体スイッチ7を6個の半導体素子7aで構成し、負荷3の両端電圧が一定になるように制御装置6により各半導体素子7aを順次オンしていったときの波形を示している。図3に示すように半導体スイッチ7がない時、つまり前述した従来装置にあってはエネルギー貯蔵用コンデンサ1の電圧が減衰するに従って、負荷3の両端電圧が減衰しているが、本発明の方式(図3において半導体スイッチ7による補正ありの場合に相当
する)を用いることにより、負荷3の両端電圧が降下することなく一定に制御することができることが分かる。
【0026】
図2に示すようにエネルギー貯蔵用コンデンサ1の両端電圧の減衰は指数関数で減少するため、時間当たりの減衰幅は一定ではない。このため、半導体スイッチ7の半導体素子7aに並列接続する抵抗7bの値を複数種類とすれば、前述の実施形態の効果に、次のような作用効果が加わる。すなわち、半導体スイッチ7に並列接続された抵抗値の値が複数種類あるため、個々の半導体素子が分担する電圧値が異なるため、負荷3の両端に印加される電圧の降下幅に合わせて、適切な抵抗値を選択することにより(電圧減衰幅に合わせて最適化することにより)、負荷3の両端に印加される電圧を一定に制御することが可能となる。
【0027】
図4は、本発明の第2の実施形態を示す図である。図1では半導体スイッチ7を構成する半導体素子7aとしてIGBTを使用したが、ここではIGBTに代えてサイリスタ7cを設けたものである。
【0028】
この場合の動作原理は、前述した第1の実施形態と同様であり、エネルギー貯蔵用コンデンサ1の電圧減衰に合わせて、制御装置6により順次サイリスタ7cをオンしていく。
【0029】
負荷3への電圧印加は、半導体スイッチ5がオン、オフ制御されるため、半導体スイッチ7の半導体素子はオンの機能のみを有していれば良い。したがって、図4のように半導体スイッチ7を構成するサイリスタ7cであっても、本発明の高電圧パルス電源の性能を損なうことなく動作可能である。半導体スイッチ7の半導体素子をサイリスタ7cとすることにより、制御装置6に有しているゲート信号生成回路がオンのみでよいため、回路構成が簡素化され、装置自体の信頼性が向上する。
図5は、本発明の第3の実施形態を説明するための図である。この実施形態の特徴は、制御装置6内に、例えばROM(リード オンリ メモリ)からなるメモリ(記憶装置)6cを追加し、メモリ6c内に半導体スイッチ7の半導体素子7aにオン信号を送るタイミングを記憶させ、この記憶された内容に基づきパルス電圧印加開始からの時間により半導体スイッチ7を構成する半導体素子7aにオン信号を送るように構成したものである。なお、制御装置6内には、以上述べたメモリ6c以外に、パルス印加開始指令に基づき所定の動作を行う半導体スイッチ5のゲート生成回路6a及びカウンタ6bを備えている。
【0030】
一般に負荷3の状態が変化しなければ、エネルギー貯蔵用コンデンサ1の両端電圧の減衰は常に一定となる。従って、負荷3の電圧を一定にするために、パルス電圧印加開始から時刻t経過した時の、半導体スイッチ7の半導体素子7aに並列に接続された抵抗7bの合成抵抗値をどのような値にするかはあらかじめ計算でき、その抵抗値となるようにメモリ6cの内部に時刻tと、その時刻tにおけるオンすべき半導体スイッチ7を構成する半導体素子7aを記憶し、パルス電圧印加開始指令をトリガとしてメモリ6c内のデータを例えば図示しないCPUが読み出して該当する半導体素子7aに与えてオンさせることにより負荷3の両端電圧を一定に制御することが可能となる。
【0031】
図6は、本発明の第4の実施形態を説明するための図である。図6の特徴は、制御装置6に比較器6dを追加し、比較器6dの出力により半導体スイッチ7の半導体素子7aに対してオン信号を与えるタイミングとするように構成したものである。エネルギー貯蔵用コンデンサ1の両端電圧を電圧検出器11にて検出し、この検出電圧を比較器6dに入力し、
比較器6d内で該検出電圧と個々の半導体素子7aをオンする電圧設定値とを比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで比較器6dから該当する半導体素子7aに対してオン指令を与える。この結果、負荷3の両端電圧を一定に制御することが可能となる。
【0032】
本実施の形態では、温度や経年変化に伴う負荷の状態変化により、エネルギー貯蔵用コンデンサ1のパルス電圧印加中の電圧減衰曲線が変化しても、コンデンサ1の両端電圧を検出して半導体スイッチ7の個々の半導体素子7aをオンするため、負荷3の両端電圧を一定に制御することが可能となる。また、エネルギー貯蔵用コンデンサ1の両端電圧はほぼ一定値で安定しており、誤動作などの影響を受けにくい。
【0033】
図7は、本発明の第5の実施形態を説明するための図である。図7の特徴は、制御装置6内に半導体素子毎の比較器6eを設け、比較器6eには負荷3の両端電圧を電圧検出器12により検出した検出電圧を入力し、比較器6e内では該検出電圧と、個々の半導体素子7aをオンする電圧設定値とを比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで比較器6eから該当する半導体素子7aに対してオン指令を与える。このように、第5の実施形態では、電圧検出器12により直接負荷電圧を検出し、この負荷検出電圧を比較器6eに入力することにより、例えば負荷が温度や、経年変化などで状態が変化した場合でも、負荷3の両端電圧の低下に応じて半導体スイッチ7を構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるため、負荷3の両端に印加される電圧を一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の高電圧パルス電源の第1の実施形態を説明するための図。
【図2】本発明の実施の形態を説明するグラフ。
【図3】本発明の効果を確認するための解析結果を示すグラフ。
【図4】本発明の高電圧パルス電源の第2の実施形態を説明するための図。
【図5】本発明の高電圧パルス電源の第3の実施形態を説明するための図。
【図6】本発明の高電圧パルス電源の第4の実施形態を説明するための図。
【図7】本発明の高電圧パルス電源の第5の実施形態を説明するための図。
【図8】従来の高電圧パルス電源の課題を説明するための図。
【符号の説明】
【0035】
1…エネルギー貯蔵用コンデンサ、2…直流電源、3…負荷、5…半導体スイッチ、5a…半導体素子、5b…限流抵抗、5c…コンデンサ、5d…抵抗、6…制御装置、6a…ゲート生成回路、6b…カウンタ、6c…メモリ、6d…比較器、7…半導体スイッチ、7a…半導体素子、7b…抵抗、7c…サイリスタ、11…電圧検出器、12…電圧検出器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため
直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、前記第2の半導体スイッチの半導体素子を制御装置からのオン信号により順次オンする構成としたことを特徴とする高電圧パルス電源。
【請求項2】
請求項1記載の高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチがオンした直後は、前記負荷の抵抗をR、前記第2の半導体スイッチの合成抵抗を
【数1】

となるように、次々と前記第2の半導体スイッチの半導体素子と並列接続する抵抗の合成エ抵抗値を、前記負荷の両端がV=V=…となるように、前記第2の半導体スイッチの半導体素子を順次オンするように構成したことを特徴とする高電圧パルス電源。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の高電圧パルス電源において、
前記第2の半導体スイッチに並列に接続される抵抗の値を複数の抵抗値としたことを特徴とする高電圧パルス電源。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の高電圧パルス電源において、
前記第2の半導体スイッチはサイリスタで構成され、前記負荷に対してパルス電圧が印加された後に前記サイリスタを順次オンする構成としたことを特徴とする高電圧パルス電源。
【請求項5】
直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため
直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、
前記第2の半導体スイッチを構成する半導体素子に、オン指令を与えるタイミングをパルス電圧印加時間からの時刻と前記第2の半導体スイッチのオンすべき半導体素子の情報をあらかじめ記憶装置に記憶させておき、パルス電圧印加開始からの時間によりパターンで前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を、前記記憶装置の記憶内容に基づき順次オンさせる制御装置を具備したことを特徴とする高電圧パルス電源。
【請求項6】
直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため
直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、
前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるタイミングを、前記エネルギー貯蔵用コンデンサの両端電圧を検出し、その検出電圧と個々の素子をオンする電圧設定値とを比較器により比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を順次オンさせる制御装置を具備したことを特徴とする高電圧パルス電源。
【請求項7】
直流電源と負荷へパルスエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵用コンデンサと、前記コンデンサと前記負荷との間に設けられ、前記負荷に一定時間電圧を印加するため
直列接続されたオン、オフ可能な複数の半導体素子で構成され、前記各半導体素子にそれぞれ抵抗と、コンデンサと抵抗からなる電圧分担回路とを並列に接続した第1の半導体スイッチとで構成される高電圧パルス電源において、
前記第1の半導体スイッチと前記負荷との間に半導体素子と抵抗とを並列接続した回路を複数直列接続したことで構成される第2の半導体スイッチを接続し、前記第1の半導体スイッチがオンし、前記負荷にパルス電圧が印加された後、
前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子にオン指令を与えるタイミングを、前記負荷の両端電圧を検出し、その検出電圧と個々の素子をオンする電圧設定値とを比較器により比較し、検出電圧≦電圧設定値となるタイミングで前記第2の半導体スイッチを構成する個々の半導体素子を順次オンさせる制御装置を具備したことを特徴とする高電圧パルス電源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−94681(P2006−94681A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280665(P2004−280665)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】