説明

魚釣用リールの構成部材

【課題】電食が確実に防止できると共に、部品点数が少なく組み込み性に優れ、設計自由度やデザイン性を制限することのない締結構造を備えた魚釣用リールの構成部材を提供する。
【解決手段】本発明は、アルミニウム系合金、又はチタン系合金、又はマグネシウム系合金を形状加工して外側板6とし、フレーム3に対して外側板6の内面側が固定される魚釣用リールの構成部材であって、形状加工した外側板6を射出成型金型にセットして、その内面側に樹脂製の接合部30を一体形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リールの構成部材に関し、詳細には、電食を防止しながら設計自由度及びデザイン自由度の向上が図れる魚釣用リールの構成部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に魚釣用リールは、軽量化やデザイン性が求められており、締結部材(ネジ等)を含めて異種金属を組み合わせて構成されることが多い。その場合、魚釣用リールは、水(特に海水)に触れることから、電位差の異なる異種金属を組み合わせた構成にすると、電食(電気化学作用による腐食)が発生してしまう。
【0003】
そのような電食の対策として、特許文献1には、電解腐食が生じ難く、かつ耐食被膜の剥離を抑えて釣り用部品同士を締結する締結構造が提案されている。具体的には、表面に耐食被膜が形成されたマグネシウム合金製の第1の構成部品に対して、ナット部材を回転不能かつ軸方向に移動不能に装着しておき、金属製のネジ部材を第2の構成部品に形成されているネジ孔を介して前記ナット部材に螺合することで、第2の構成部品を第1の構成部品に対して締結する締結構造が開示されている。
このような締結構造によれば、両構成部品の着脱を繰り返しても、第1の構成部品の耐食被膜が剥離し難くなり電解腐食を生じ難くすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−218871号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した公知文献に開示されている締結構造では、部品点数が多いため、コストが高くなると共に組み込み性も良くない。また、部品点数が多いことから、部品間に海水が浸み込みやすく(毛細管現象により浸み込みやすい)、これにより、塩分が溜まりやすくなって、塩分による金属腐食を招きやすい。
【0006】
また、締結部材による締結位置(ナット部材が設けられる位置)についても、ナット部材を第1の構成部品に対して固定するに際し、第1の構成部品にネジ部材の螺入方向に対して垂直な面を形成してナット部材を固定する必要があり、これにより、デザイン性、及び設計自由度が制限されてしまう。
【0007】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、電食が確実に防止できると共に、部品点数が少なく組み込み性に優れ、設計自由度やデザイン性を制限することのない締結構造を備えた魚釣用リールの構成部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明は、アルミニウム系合金、又はチタン系合金、又はマグネシウム系合金を形状加工して第1の部材とし、第2の部材に対して前記第1の部材の内面側が固定される魚釣用リールの構成部材であって、前記形状加工した第1の部材を射出成型金型にセットして、その内面側に樹脂製の接合部を一体形成したことを特徴とする。
【0009】
上記した魚釣用リールの構成部材によれば、第1の部材は、アルミニウム系合金、又はチタン系合金、又はマグネシウム系合金を形状加工して形成され、その形状加工した第1の部材を射出成型金型にセットして、その内面側に樹脂製の接合部を一体形成することから、第2の部材に対する第1の部材の接合部分が樹脂製となり、従来のように第2の部材との間の接合部分に、別途、樹脂製のカラー等を介在する等して電食対策を講じる必要がなくなる。すなわち、第1の部材の内面側に樹脂製の接合部を一体形成することで、部品点数の削減が図れると共に、第1の部材と接合部との間には隙間が生じることもないので、海水が浸み込んで塩分が溜まるようなこともなく、電食を効果的に抑制することが可能となる。また、第1の部材に対して樹脂製の接合部を一体形成することから、接合部を湾曲した面等、任意の位置に形成することが可能となり、これにより、第1の部材のデザイン性や設計自由度が制限されることもない。
【0010】
上記した構成において、形状加工とは、予め所定の状態(例えば、板状体、丸棒状体)となっているアルミニウム系合金、又はチタン系合金、又はマグネシウム系合金に対して外的な加工を施すことにより、所定の形状を得るものを意味しており、具体的な加工方法としては、例えば、鍛造、プレス加工、切削加工(これらの加工を組み合わせても良い)等が該当する。
【0011】
また、上記したような魚釣用リールの構成部材(第1の部材)は、例えば、両軸受型リールの外側板とし、前記外側板をリール本体に対して、外側板と異なる金属で形成されたネジで固定した両軸受型リールに適用することが可能である。すなわち、形状加工した外側板を射出成型金型にセットして、その内面に、少なくとも1つ以上の樹脂製の接合部を一体形成すると共に、前記樹脂によって、前記接合部の基端から連続した薄肉厚部を前記外側板の内面に沿って所定範囲に亘って形成し、前記リール本体から前記接合部に対して前記ネジを螺合することで、前記リール本体に対して外側板を固定した両軸受型リールに適用することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電食が確実に防止できると共に、部品点数が少なく組み込み性に優れ、設計自由度やデザイン性を制限することのない締結構造を備えた魚釣用リールの構成部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る魚釣用リールの構成部材の第1の実施形態を示す図であり、構成部材を備えた両軸受型リールの一例を示す平面図。
【図2】図1を矢印D方向から見た図。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図。
【図4】図1に示す両軸受型リールにおいて、リール本体を構成しているフレームに外側板を固定する方法を示す図。
【図5】図1に示す両軸受型リールにおいて、右側の外側板の構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は下面図、(d)は正面図。
【図6】(a)は図5の外側板を内側から見た図、(b)は図(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は図(a)のC−C線に沿った断面図。
【図7】図6(b)の拡大図。
【図8】図6(a)のD−D線に沿った断面図。
【図9】外側板の製造方法の一例を示す図であり、射出成型金型を密着する前の状態を示す図。
【図10】外側板の製造方法の一例を示す図であり、射出成型金型を密着した状態を示す図。
【図11】外側板の製造方法の一例を示す図であり、樹脂を注入する状態を示す図。
【図12】外側板の製造方法の一例を示す図であり、射出成型金型を離間した状態を示す図。
【図13】本発明に係る魚釣用リールの構成部材の第2の実施形態を示す図であり、構成部材を備えたスピニングリールの一例を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明に係る魚釣用リールの実施形態について説明する。
図1から図8は、本発明に係る魚釣用リールの構成部材の第1の実施形態を示す図であり、そのような構成部材を、両軸受型リールの外側板(カバー部材;第1の部材)に適用した例を示している。
【0015】
図1から図4に示すように、両軸受型リールのリール本体1は、左右フレーム3a,3bを有するフレーム3と、左右フレーム3a,3bに対して固定される左右外側板5,6を有している。左右フレーム3a,3b間には、スプール軸7が軸受を介して回転自在に支持されており、スプール軸7には、釣糸が巻回されるスプール7aが一体的に固定されている。
【0016】
前記右フレーム3b(右外側板6)側には、右フレーム3b、及び右外側板6との間に設置される軸受によって回転可能に支持されるハンドル軸9が配置されており、その端部には、回転操作されるハンドル9aが取り付けられている。また、右フレーム3bから突出するスプール軸7の端部(右フレーム3bと右外側板6との間の空間)には、公知の駆動力伝達機構10が配設されており、前記ハンドル軸9に装着された駆動歯車9bと係合して、ハンドル9aの回転操作をスプール軸7に伝達するようになっている。
【0017】
これにより、ハンドル9aを回転操作すると、前記駆動力伝達機構10を介して、スプール軸7が回転駆動され、スプール7aに釣糸が巻回される。なお、スプール7aの前方には、公知のレベルワインド装置12が設けられており、釣糸は、均等にスプール7aに巻回される。また、前記ハンドル軸9と駆動歯車9bとの間には、公知のドラグ装置13が設置されており、魚が掛かって釣糸が繰り出された場合等、スプール7aに対して所望の制動力を付与できるようになっている。
【0018】
前記フレーム3には、左右フレーム3a,3b間に、釣竿に装着されるリール脚3cが一体形成されている。このようなフレーム3は、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ステンレス、FRP等によって形成されており、各左右フレーム3a,3bは、各外側板(第1の部材)に対する相手部材(第2の部材)となって、前記左右外側板5,6の内面側がネジ(SUS等によって形成される)15によって固定される。
【0019】
ここで、図5から図8を参照しながら、左右外側板の構成について説明する。なお、図面では、右外側板6の構成が示されている(左側板5については、右側板と略同様であり、詳細な説明については省略する)。
右外側板6は、相手部材となる右フレーム3bを覆うように固定される部材であり、その外表面には、外観の向上、及びリール本体に組み込まれる各種機能部品に応じて凹凸や湾曲面が形成されている。具体的には、例えば、前記ハンドル軸9を挿通させる開口6aを有する突出部6b、及びスプール軸7に対してスラスト方向の制動力を付与するための制動装置が設置される突出部6c等が形成されている。
【0020】
本実施形態では、上記のような形状を有する右外側板6は、予め板状に形成されているアルミニウム系合金をプレス加工することで形成されている。この場合、用いられるアルミニウム系合金については、5000番台から6000番台のものを用いることが好ましく、このようなアルミニウム系合金を用いることで、最終的に陽極酸化処理(アルマイト処理)を施した際に、塗装とは異なる金属色の外観を得ることができ(金属特有の高級感を出すことができる)、さらには、剛性・強度を持たせながら、金属自体の防食も可能となる。また、板状のアルミニウム系合金を、プレス成形機を用いてプレス加工することで、外側板の製造を容易に行え、コストの削減、及び素材を効率的に利用することが可能となる。
【0021】
上記のようなプレス加工処理により、右外側板6には、所定の凹凸、曲面、開口等が形成され、その後、内面側に樹脂製の接合部が一体形成される。この場合、接合部は、上記したフレーム側から螺合されるネジ15を固定する部分であり、所定の高さを有し、ネジ15が螺合される雌穴が形成されたボス部として構成されている。このようなボス部は、右外側板に少なくとも1つ以上形成されていれば良く、本実施形態では、図7に示すように、右外側板の上部略中央(雌穴30aを有するボス部30)、右外側板の後部(雌穴31b,31cを有する複合化されたボス部31)、及び右外側板の下部後方(雌穴32aを有するボス部32)の3か所に形成されている。なお、各ボス部は、右外側板の取り付けが容易になるように、スプール軸方向に沿った方向に突出形成されており、図4に示す方向でネジ15が螺合されるようになっている。
【0022】
上記のような接合部(ボス部)は、形状加工した右外側板を射出成型金型にセットし、樹脂を充填することで、その内表面に一体形成される。
ここで、図9から図12を参照して、そのようなボス部の形成方法について具体的に説明する。なお、これらの図では、図5及び図6に示す複数のボス部の内、ボス部32の部分が示されている。また、金属部材に対して樹脂製の部材を一体形成する方法について公知となっており、以下においては、特徴部分について詳細に説明する。
【0023】
最初に、凹凸等を有する所定形状にプレス加工された右外側板6に対して表面を洗浄処理した後、表面改質処理を実施する。この表面改質処理は、射出成型金型にセットした状態で、射出される樹脂との間で接合を強固に維持するために実施される処理であり、例えば、特許第4365578号等に開示されているように、金属表面にナノレベルの凹凸を形成したり、或いは、金属と樹脂の双方に拡散できるような拡散膜を形成する工程が該当する。
次に、このように表面改質処理を施した右外側板6は、射出成型金型50,51間にセットされる。この場合、一方の金型50は、右外側板6の外表面の形状に一致する内面形状を有しており、他方の金型51は、右外側板6の内表面の形状に一致する外面形状を有している。
【0024】
前記金型51には、各雌穴を具備するボス部が形成される位置に応じて凹凸部が形成されており、環状の凹部51aは、ボス部32の突出部分に対応し、環状凹部の中央に形成される凸部51bは、ボス部32の雌穴32aに対応している。なお、ボス部32は、右外側板6の側内面6fの内、下側外縁領域に形成された曲面6dに沿って形成されるようになっており、金型50,51及び前記凹凸部51a,51bには、そのような曲面6dに沿ってボス部32が形成される形状を備えている。すなわち、形成されるボス部32は、曲面6dに対して一体形成された状態で、スプール軸に沿う方向に突出した状態となっている。
【0025】
また、金型51には、前記ボス部32を形成するための樹脂が注入されるゲート55を備えている。ゲート55は、前記凹凸部51a,51bのいずれかの位置、或いは他の部位に形成されていれば良く、また、複数設けても良く、右外側板6をセットした状態で図11に示すように、樹脂60が注入される。注入される樹脂60は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポロブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(ナイロン)等を用いることが可能であり、このような樹脂60を注入することで、前記改質された金属表面との間で強固な結合が得られ、ボス部32は、内表面が曲面6dであっても剥離等することなく、強固に固定される(図12参照)。
【0026】
上記したように形成されるボス部については、図7に示すボス部30のように、複数の面、具体的には、右外側板6の上内面6eと、側内面6fから上内面に移行する曲面6gとの両面に沿って形成することも可能であり、このような複数の面に形成することで、接合強度が安定するようになる。或いは、図8に示すボス部31のように、2つのボス部(雌穴31b,31bを有する複合化されたボス部)を一体化することで、側内面6hとの間の設置面積が拡大して接合強度の向上を図ることが可能となる。
【0027】
上記した右外側板6の構成によれば、アルミニウム系合金をプレス加工し、それを射出成型金型50,51にセットして、その内面側に樹脂製のボス部30〜32を一体形成するため、相手部材であるフレーム3に対する接合部分が樹脂となり、従来のように相手部材との間の接合部分に、別途、樹脂製のカラー部材を介在する等して電食対策を講じる必要がなくなる。また、金属で形成される右外側板6の内面側に、樹脂製のボス部30〜32を一体形成したことで、部品点数の削減が図れると共に、カラー部材を配設することによる隙間が生じることもないので、海水が浸み込んで塩分が溜まるようなこともなく、電食を効果的に抑制することが可能となる。また、外側板に対して樹脂製のボス部を一体形成することから、そのようなボス部を任意の位置、例えば、スプール軸に沿った方向に突出させた状態で湾曲した面内に形成することが可能となり、これにより、外側板のデザイン性や設計自由度が制限されることもない。
【0028】
そして、上記したようなボス部30〜32を形成するに際しては、その樹脂によって、ボス部の基端から連続した薄肉厚部61を内面に沿って所定範囲に亘って形成しておくことが好ましい。このような薄肉厚部61は、金型51のボス部形成領域に隙間51dを形成したり、ある程度の遊度を持たせて両金型を密着することで、樹脂60が注入された際、ボス部の基端からその周辺に這うように形成することが可能である。
【0029】
このような薄肉厚部61を形成することで、仮に電食が生じても、その進行を抑制することが可能となる。すなわち、電食は、固有の電極電位を有する金属同士(電位が高い金属を貴金属、電位が低い金属を卑金属とする)が通電性のある液体(海水)によって局部電池を構成し、電位が低い卑金属側がイオン化して腐食することによって生じる現象である。通常、このような電食は、貴金属と卑金属の面積比によって電食の発生率が変化し、卑金属側の面積が大きければ、その分、電食の発生率が高くなってしまう。
【0030】
上記したように、例えば、フレーム3やビス15に対して、外側板を卑金属で形成するような構成の場合、上記のような樹脂製の薄肉厚部61を形成することで、卑金属の面積比を減らすことができ、電食を効果的に抑制することが可能となる。また、そのような薄肉厚部61を形成することにより、ボス部の接合強度を向上することも可能となる。
【0031】
なお、薄肉厚部61については、その肉厚や形成範囲については、特に限定されることはないが、上記したような作用効果が得られるように、肉厚は0.3〜3mm程度あれば良い。また、形成領域については、少なすぎると上記した作用効果が有効に得られなくなり、かつあまり広範に形成すると、卑金属の面積が小さくなり、電食を加速させてしまうため、ボス部の周辺に対して1〜20mmの範囲に亘って形成しておくことが好ましい。
【0032】
また、上記した構成では、ボス部30〜32が形成された右外側板6に対して陽極酸化処理を施すことが好ましい。上記したように、プレス加工する材料は、ダイキャストで形成する場合の材料(例えば、ADC12)とは異なるもの(5000番台のアルミニウム系合金)を用いることが可能であり、このようなアルミニウム系合金を用いることで、陽極酸化処理(アルマイト処理)を施した際、塗装とは異なる金属色の外観を得ることが可能となる(ダイキャストによる成型では、材料の流動性を確保するために、シリコン系の材料を含有しており、このような素材では、通常、塗装によって表面処理が施されることから、金属特有の外観を得ることはできない)。
【0033】
本発明は、上記した両軸受型リール以外に適用することが可能であり、例えば、図13に示すようなスピニングリールに適用することが可能である。
この実施形態のスピニングリールでは、リール本体(第1の部材)70をアルミニウム系合金で形成しておき、リール本体70に、側面カバー71、及び後方カバー72を、SUS系のネジ75,75aによって装着されるように構成されている。
【0034】
リール本体70には、側面カバー71を装着する際に位置決めされる位置決め凸部72が複数個所、形成されると共に、上記したネジ75が螺合される接合部(ボス部)76、及び接合部76を構成する樹脂によって薄肉厚部77が形成されている。これらのボス部76及び薄肉厚部77は、上記した図9から図12に示す方法に従って形成することが可能である。なお、図に示す構成では、リール本体70に、ネジ75aが螺合される部分としてネジ穴78を形成しているが、これらのネジ穴78をボス部76と同じように構成しても良い。また、後方カバー72を固定するネジ75についても、リール本体70側に同様なボス部(図示せず)を形成しておいても良い。
【0035】
このように、本発明は、スピニングリールの本体部材やカバー部材に適用する等、魚釣用リールの様々な部分に適用することが可能である。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
上記した実施形態では、接合部(ボス部)が一体形成される金属部材は、アルミニウム系合金として説明したが、それ以外にも、チタン系合金、又はマグネシウム系合金を用いることが可能である。これらの素材においても、軽量化、及び外観の向上が図れるとともに、上記のような接合部についても容易に形成することが可能である。また、形状加工される部材については、プレス加工し易いように、板状体であることが好ましいが、それ以外にも、丸棒状体を形状加工しても良く、形状加工については、鍛造加工(プレス加工も含まれる)や切削加工を施したものであっても良い。もちろん、最終的な外観を塗装によって形成するのであれば、上述したように定義される形状加工以外にも、鋳造(ダイキャスト)によって第1の部材(外側板6,7、リール本体70)を形成しても良い。さらに、接合部の形状については、図に示したネジ穴を有する円柱形状(ボス部)以外にも、適宜変形することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 リール本体
3 フレーム(第2の部材)
3a,3b 左右フレーム
5,6 左右側板(第1の部材)
30〜32 接合部(ボス部)
61 薄肉厚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム系合金、又はチタン系合金、又はマグネシウム系合金を形状加工して第1の部材とし、第2の部材に対して前記第1の部材の内面側が固定される魚釣用リールの構成部材であって、
前記形状加工した第1の部材を射出成型金型にセットして、その内面側に樹脂製の接合部を一体形成したことを特徴とする魚釣用リールの構成部材。
【請求項2】
前記接合部を形成する樹脂によって、前記接合部の基端から連続した薄肉厚部を前記第1の部材の内面に沿って所定範囲に亘って形成したことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールの構成部材。
【請求項3】
前記形状加工された第1の部材は曲面を有しており、
前記曲面となった内面に、前記樹脂製の接合部を一体形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用リールの構成部材。
【請求項4】
前記接合部を形成した後、第1の部材に陽極酸化処理を施したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の魚釣用リールの構成部材。
【請求項5】
アルミニウム系合金、又はチタン系合金、又はマグネシウム系合金を形状加工して外側板とし、前記外側板をリール本体に対して、外側板と異なる金属で形成されたネジで固定した両軸受型リールであって、
前記形状加工した外側板を射出成型金型にセットして、その内面に、少なくとも1つ以上の樹脂製の接合部を一体形成すると共に、前記樹脂によって、前記接合部の基端から連続した薄肉厚部を前記外側板の内面に沿って所定範囲に亘って形成し、前記リール本体から前記接合部に対して前記ネジを螺合することで、前記リール本体に対して外側板を固定したことを特徴とする両軸受型リール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−152200(P2012−152200A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16877(P2011−16877)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】