魚釣用電動リール
【課題】実釣時の状況等に応じて、釣竿とリール本体の保持状態を変化させても、操作性に優れた魚釣用電動リールを提供する。
【解決手段】本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体5の左右側板5A,5B間に設けられ、釣糸が巻回されるスプール7と、リール本体5に設けられ、スプール7を回転駆動する駆動モータ8と、スプール7の回転軸7aに対して略平行となるように回転可能に支持され、駆動モータ8の出力を調整する第1操作部32及び第2操作部33を具備した支軸31とを有する。
【解決手段】本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体5の左右側板5A,5B間に設けられ、釣糸が巻回されるスプール7と、リール本体5に設けられ、スプール7を回転駆動する駆動モータ8と、スプール7の回転軸7aに対して略平行となるように回転可能に支持され、駆動モータ8の出力を調整する第1操作部32及び第2操作部33を具備した支軸31とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用電動リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚釣用電動リールは、主に深場の釣りに適用させるべく、仕掛けの放出から巻き取りに至るまで、釣竿を船縁に装着された竿掛けに置いたままの状態で行えるように構成されたものが多いが、最近では、手持ち状態で操作が行えるように、よりコンパクト化された構成も製品化されている。
【0003】
例えば、魚釣用電動リールのスプールを巻き取り操作する(モータ出力を連続的に可変操作する)ための操作部材を、様々な位置に配置することが知られている。例えば、特許文献1には、リール本体の側板に、モータ出力を連続的に可変させるレバータイプの操作部材を回動可能に支持した構成が開示されている。また、特許文献2には、制御ケースの上面から円板状の回転摘み(操作部材)の一部を露出させ、上方から親指を押し付けながら回転操作することで、モータ出力を連続的に可変させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2977978号
【特許文献2】特開2003−92959号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、最近の魚釣用電動リールでは、ルアーフィッシングに用いられる魚釣用(ベイトキャスティング)リールと同様、手持ち状態で操作することが可能なタイプも望まれているが、従来のモータ出力を調整する操作部材の配置を工夫した魚釣用電動リールでは、操作性の面でさらに改良すべき余地がある。具体的には、前記特許文献1に開示されているタイプの操作部材では、釣竿とともにリール本体を把持した手で、釣糸巻き取り操作を行うことはできない。また、特許文献2に開示されているタイプの操作部材では、片手で釣糸巻き取り操作は行えるものの、操作部分が制御ケース内に組み込まれている(露出部分が少ない)ため、揺れる船の上で置き竿状態にしたときの操作が難しく、誤作動させてしまう可能性がある。また、手持ち状態においては、釣り人の疲労度、癖、特有の誘い動作などにより、リール本体を右手と左手で持ちかえることがあるが、その場合、操作部材(操作部)に指が届き難かったり、操作しづらくなることがある。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、実釣時の状況等に応じて、釣竿とリール本体の保持状態を変化させても、操作性に優れた魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、前記リール本体に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、前記スプールの回転軸に対して略平行となるように回転可能に支持され、前記駆動モータの出力を調整する第1操作部及び第2操作部を具備した支軸と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記した構成の魚釣用電動リールでは、リール本体に、モータ出力を調整する操作部が複数設けられているため、釣竿とリール本体の保持状態を状況に応じて変化させても、モータ出力の調整を容易に行うことができ、操作性の対応に優れた構成となる。この場合、第1操作部及び第2操作部を具備した支軸は、スプールの回転軸に対して略平行な方向に回転可能に支持されていることから、第1操作部及び第2操作部は、共に釣竿の延出方向に沿った方向に回転(回動)操作することが可能となり、操作時において指が左右方向にずれることがなく、操作性が良好で把持バランスの向上が図れる。
【0009】
なお、上記した構成において、支軸は、各操作部に対応して設けられていても良いが、1つの支軸上に各操作部が配設された構成であっても良く、支軸は中間で分断されたような構成であっても良い。また、上記した第1操作部及び第2操作部は、その操作領域が、リール本体の左右方向で異なる位置に存在するものであれば良く、例えば、1つの支軸上で隣接して設置された構成、左右側板に振り分けて設置された構成、左右側板の間といずれかの側板側に設置された構成等が該当する。また、第1操作部及び第2操作部は、形状が同一であるもの、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、形状も大きさも異なるものであっても良い。すなわち、リール本体の大きさ、対称魚、使用態様等に応じて、第1操作部及び第2操作部の配置態様、構成については、適宜変形される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、実釣時の状況等に応じて、釣竿とリール本体の保持状態を変化させても、操作性に優れた魚釣用電動リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図2】図1に示した魚釣用電動リールをハンドル側から見た側面図。
【図3】図1に示した魚釣用電動リールを後方側から見た後面図。
【図4】図1に示した魚釣用電動リールの内部機構を部分的に示した平面図。
【図5】図1のA−A線に沿う断面図。
【図6】図1に示した魚釣用電動リールの内部駆動機構を側方から見た概略図。
【図7】図1のB−B線に沿う断面図。
【図8】制御ケース内に収容される制御部の構成を示すブロック図。
【図9】釣竿とともにリール本体を把持した状態で第1操作部を操作する状態を示す図。
【図10】図9を側方から見た図。
【図11】図1に示した魚釣用電動リールにおいて、サミング操作している状態を示す図。
【図12】図1に示した魚釣用電動リールにおいて、第1操作部の操作方法の一例を示す図。
【図13】図1に示した魚釣用電動リールにおいて、第1操作部の操作方法の別の例を示す図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図17】図16に示す第1操作部及び第2操作部が設けられた支軸部分の概略構成を示す図であり、(a)は図16の操作部材の構成を示す図、(b)は第2操作部の変形例を示す図。
【図18】図16に示す構成において、第2操作部を閉塞した状態を示す平面図。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図20】本発明の第6の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図21】図20のC−C線に沿う断面図。
【図22】図20のD−D線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る魚釣用電動リールの実施形態について説明する。
図1から図8は本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は平面図、図2は図1に示した魚釣用電動リールをハンドル側から見た側面図、図3は図1に示した魚釣用電動リールを後方側から見た後面図、図4は内部機構を部分的に示した平面図、図5は図1のA−A線に沿う断面図、図6は内部駆動機構を側方から見た概略図、図7は図1のB−B線に沿う断面図、そして、図8は制御ケース内に収容される制御部の構成を示すブロック図である。
なお、以下の説明において、前後方向、左右方向、上下方向は、図1及び図2に記載の方向と定義する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る魚釣用電動リール1は、左右のフレーム3a,3bに左右カバー4a,4bを取着して構成される左右側板5A,5Bを具備したリール本体5を有している。リール本体5を構成する一方の側板(右側板5B)側には、巻取り操作される手動ハンドル6が設けられており、左右側板5A,5B間には、釣糸が巻回されるスプール7が、回転軸であるスプール軸7a(図7参照)を中心に回転可能に支持されている。また、本実施形態では、図6及び図7に示すように、スプール7の前方側における左右側板5A,5B間に駆動モータ8を保持しており、スプール7は、手動ハンドル6の巻取り操作および駆動モータ8の回転駆動によって、動力伝達機構10を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。
【0014】
なお、駆動モータ8については、スプール7の内部に設置する構成であっても良いが、本実施形態のように、スプール7の前方に設置することで、スプール7の糸巻き量を確保しつつ、リール本体5を可及的にコンパクト化することが可能となる。また、動力伝達機構10については、駆動モータ8の回転駆動力を減速してスプール7側に伝達する機能(減速機構102および伝達ベルト103(図4参照)などによって果たされる)、駆動モータ8が回転駆動しても手動ハンドル6を連れ回しさせない機能や手動ハンドル6の逆回転を防止する機能(ラチェット104を含む)などを備えた公知のものによって構成することが可能である。また、そのような動力伝達機構10については、左側板5A側に配設されていても良いし、右側板5B側に配設されていても良く、或いは、左右側板それぞれに振り分けて配設されていても良い。なお、図中(特に図4)、符号116は、ハンドル6に結合されたハンドル軸、符号118は、ハンドル軸116に回転可能に支持されたドライブギヤ、符号120は、ドライブギヤ118に噛合するピニオンであり、これらは前述した動力伝達機構10を構成する。また、図中、符号125は、魚釣時にスプール7から釣糸が繰り出された際にスプール7の回転にドラグ力を付与する公知のドラグ機構であり、リール本体5とハンドル6との間には、ドラグ機構125によるドラグ力の調整を行なうための星型のドラグ調整ノブ(スタードラグ)139が設けられている。
【0015】
また、スプール7の前方の左右側板5A,5B間には、スプール7に対して均等に釣糸を巻回する機能を備えた公知のレベルワインド機構142(図6および図7参照)が設置されている。さらに、リール本体5を構成する左右側板5A,5B間のスプール7の上方には、駆動モータ8を制御する制御部100(制御基板100A,100Bを有する)を収容した箱型の制御ケース15が配設されている。本実施形態の制御ケース15は、リール本体を構成する左右側板5A,5Bの表面と面一状になるように構成されており、前後方向の長さ寸法が左右方向の長さ寸法よりも長く設定されている。
【0016】
また、リール本体5内には、前記ピニオン120を軸方向に移動させてスプール7を釣糸巻き取り状態/フリー回転状態に切り換える公知のクラッチ機構17(図4及び図6参照)が配置されている。このクラッチ機構17は、動力伝達機構10に介在されて手動ハンドル6および駆動モータ8からの動力伝達を継脱する機能を備えており、本実施形態では、右側板5B側に設置されている。このクラッチ機構17を構成するクラッチプレート17aには、動力伝達をON状態からOFF状態に切り換えるクラッチOFF切換部材18と、動力伝達をOFF状態からON状態に切り換えるクラッチON切換部材19が係合している。
【0017】
本実施形態におけるクラッチOFF切換部材18は、スプール7をサミングしながら操作が可能となるように、スプール7の後方側の左右側板5A,5B間に橋設された構成となっており、図7に示す状態から、その表面となる操作部18aに親指を載置して下方に押し下げ操作することで、クラッチ機構17をON状態からOFF状態に切り換えるよう構成されている。このクラッチOFF切換部材18は、図6に示される振り分け保持バネ200によって、図7に示すクラッチON位置とクラッチOFF位置(図示せず)との間で振り分け保持される。
【0018】
また、本実施形態におけるクラッチON切換部材19は、右側板5B側に設置されており、振り分け保持バネ200(図6参照)によって、クラッチON位置とクラッチOFF位置との間で揺動可能となるよう振り分け保持されている。この場合、クラッチON切換部材19は、クラッチON状態では、図6に示すように、右側板5Bの表面と略面一状となり、クラッチOFF状態では、右側板5Bの表面から突出するようになっている。そして、クラッチON切換部材19は、スプール7に巻回された釣糸に対して親指の腹部でサミング操作している状態から容易にON操作できるように(左側板の後端側を支点として親指が届き易いように)、巻回されている釣糸の側方でやや後方側に設置されていることが好ましい。
なお、クラッチON切換部材19は、上記のように揺動される機械式以外にも、電気式(例えば、ソレノイドを利用したもの)で構成されていても良い。また、クラッチOFF切換部材18と一体部材で構成されていても良い。
【0019】
前記リール本体5には、駆動モータ8に対して電力を供給するための給電部20が設けられている。この給電部20は、左側板5Aの前方側の下面領域に形成されており、この給電部20に対しては、着脱可能な携帯バッテリ22(図9,図10参照)を装着したり、或いは、足元に置いたバッテリや釣り船に設置されている電源部から電力供給される給電コードが装着される。
【0020】
前記制御ケース15は、図7に示すように、スプール7の上方で、その回転軸(この回転軸としては、本実施形態ではスプール7の外側に駆動モータ8が配置されているためスプール軸7aが該当するが、スプール7の内部に駆動モータ8が配置される別の形態ではスプール軸7aが存在しないためモータ8の回転軸が該当する)近傍からレベルワインド機構142および駆動モータ8を覆うような大きさを備えている。
【0021】
また、制御ケース15の後方部分には、駆動モータ8の出力を調整する操作部材30が配置されている。本実施形態の操作部材30は、制御ケース15の後方に回転可能に支持された支軸31と、この支軸31に設けられる2つの操作部32,33を備えており、それぞれを個別に操作してモータの出力を調整できるように構成されている(以下、支軸31に設けられた2つの操作部を第1操作部32,第2操作部33と称する)。
【0022】
この場合、第1操作部32は、制御ケース15の中央部分(左右側板5A,5Bの間)に設置され、第2操作部33は、右側板5B側に設置されている。具体的には、制御ケース15の後方側には、その中央領域に、制御ケース15の後端縁から前方側に向かって延び、制御ケース15の後端縁で開口した凹陥部(開放部)15Aが設けられており、この凹陥部15Aを横切るようにして前記支軸31が回転可能に支持されている。前記支軸31は、前記スプール7の回転軸(スプール軸7a)と略平行で、その両側が制御ケース15に対して回転可能に支持された状態となっており、第1操作部32は、支軸31の中央部において、凹陥部15A内に納まるように設置され、第2操作部33は、支軸31の右端部側において、右側板側5Bの上面側に露出するように設置されている。
【0023】
本実施形態の第1操作部32は、下側から回転操作可能であり、かつ、上方からリール本体を押さえ付けた状態でも操作性が良好となるように、略円筒形状に構成されており、その両端が前記支軸31によって、制御ケース15に対して回転可能に両軸支持された状態となっている。具体的には、その外表面(回転表面)が、左右側板間で、スプール7を露出させる開口領域に面するように支持されており、リール本体を把持保持した状態で、実際に操作する方向は、略前後方向D1となる成分、及び略上下方向D2となる成分を含むように支持されている(図1及び図3参照)。このため、凹陥部15Aに収容されるように設置された略円筒形状の第1操作部32に対しては、スプール7上のどの位置でサミング操作していても、その指(親指)を、支障なくスムーズに第1操作部32に当て付けることができると共に、制御ケースの表面に載置していても第1操作部32に当て付けることができ、容易に回転操作(モータの出力調整操作)することが可能となる。また、第1操作部32が左右側板5A,5Bの中央領域に位置することで、リール本体5の重心に対する把持位置のバランスが良くなり、操作性が良く、疲れ難い構成とすることが可能となり、右手、左手のどちらの手で把持しても共通の感覚が得られるようになる。
【0024】
なお、前記第1操作部32の略円筒形状とは、内部が中実であっても良いし、全体或いは部分的に空洞部があるものを含む概念である。また、その外形状については、正確な円筒形状は勿論、周囲に凹凸が形成されていたり、指でつまんだり、当て付けることが可能な突起部が形成されたものであっても良い。或いは、軸方向の中間部分が膨出していたり、窪んでいるなど、軸方向に親指の腹部が当接できて回転操作ができるような外形状を備えたものであっても良い。また、略円筒形状に構成された第1操作部32については、制御ケース15の表面から部分的に突出していても良いし(図10参照)、制御ケース(リール本体)との間で、少なくとも一端側の回転表面が略面一状にされていても良い。
【0025】
また、前記制御ケース15に、第1操作部32とスプール7との間で、第1操作部の下方を覆うように、保護カバー(誤動作防止部材)15aを設けておくことが好ましい。このような保護カバー15aを設けておくことで、釣糸を巻き取り操作する際、釣糸に付着したゴミや海水が第1操作部32に当たることを防止して、誤動作が生じることを防止することが可能となる。この場合、保護カバー15aは、制御ケースと一体部品であっても良いし、金属の薄板材などを制御ケースに接合しても良い。
【0026】
前記操作部材30を構成する第2操作部33は、制御ケース15に回転可能に支持された支軸31の右端部側に装着されている。本実施形態の第2操作部33は、第1操作部32とは異なる形状、具体的には、指で摘まんで操作できるように、レバー形状に構成されており、支軸31に装着された状態で、右側板5Aの上面側で露出するように設置されている。この第2操作部33の操作する方向は、前記第1操作部32の略前後方向D1と同じ方向となる。
【0027】
前記第1操作部32、及び第2操作部33は、共通の支軸31に装着されており、その支軸31の左端部には、各操作部の操作角度を検知する検知手段、具体的には、角度センサ130が設置されている。この角度センサ130は、制御ケース15内に設けられた収容部にシールされた状態で組み込まれており、支軸31の回転位置に応じた操作位置信号を出力する。すなわち、角度センサ130は、第1操作部32及び第2操作部33の操作位置に応じて操作信号を出力し、モータ8の出力は、第1操作部32及び第2操作部33の操作位置に応じて調整することが可能となっている。
【0028】
なお、上記したように、前記支軸31は、前記スプール7の回転軸(スプール軸7a)と略平行となるように回転可能に支持されているため、前記第1操作部32及び第2操作部33は、略前後方向(釣竿の方向;矢印D1に示す方向)に変位できるようになっている。特に、第1操作部32は、リール本体を把持した状態で操作することから、第1操作部32に親指を当接させた際、親指の位置が大きく横にずれることがなく、リール本体の重心や給電部20にかかる力(給電コードに引っ張られる力や携帯バッテリの重量負荷などで、釣竿Rの長手軸を中心に回転負荷による力)によるねじれ負荷に対し、操作性が低下したり疲れ易くなることがなくなる。この場合、第1操作部32を回転させた際の指(親指)の位置の横方向のずれを考慮すると、上記した略平行の範囲については、スプール7の回転軸に対して±30°の範囲内であれば良い。すなわち、±30°の範囲内であれば、リール本体5を把持保持した状態で、第1操作部32を自由に回転しても、指(親指T)の位置が横方向にずれ難くなり、リール本体を把持保持した際のバランスが悪くなることがなくなる。なお、支軸については、第1操作部や第2操作部の回転(回動)中心軸として定義することも可能である。すなわち、そのような回転(回動)中心軸が、スプール7の回転軸に対して±30°の範囲内となるように、第1操作部や第2操作部が支持されたものであっても良い。
【0029】
また、本実施形態のリール本体5は、釣竿とともに片手で把持して操作可能な大きさに構成されており、上記したような回転可能な第1操作部32は、リール本体5を、竿取付部5aを介して釣竿Rに装着した際に、図9に示すように、釣竿Rとともにリール本体5を把持保持した状態の手の親指Tが届く位置に配設されている。
【0030】
上記した制御ケース15には、図7に示されるように、駆動モータ8の駆動を制御する制御部100が収容されており、第1操作部32及び第2操作部33の回転操作量に応じて駆動モータ8の出力を調整するようになっている。この場合、制御部100は、各操作部32,33を前方に向けて回動操作することで、駆動モータ8の出力が上昇するように設定されている。これにより、釣糸の巻き取りをする際、サミングしている親指をそのまま前方に延ばして、第1操作部32を押し上げるような操作をすることで釣糸の巻き取り操作が行えるようになり、指の動きが単純化され、一連の探り操作をする際の操作性の向上が図れるようになる。
【0031】
上記した第1操作部32、及び第2操作部33は、共通の支軸31によって同期駆動されることとなるが、各操作部の回転操作量と駆動モータ8の出力との関係については任意である。本実施形態では、各操作部32,33の基準位置をモータの出力値0として、120°前方に回転操作した際、モータ出力がMaxになるように設定されている。すなわち、前方方向に向けて操作した際に増速とすることで、釣竿とリール本体を持つ手に負荷がかかる高速巻き取り時に、より前方を把持できるので、把持保持性が高くなり、操作性が良く、疲れ難くなる。
もちろん、各操作部32,33については、後方に向けて回転操作した際に、駆動モータ8の出力が上昇するように設定しても良い。このような構成によれば、第1操作部32では、スプール7をサミングしている親指の第一関節を折り曲げる動作をするだけで、サミング操作をONからOFFにすると同時に、第1操作部32を手前側に回転操作(駆動モータの増速回転)することができ操作性の良い構成となる。
【0032】
前記制御ケース15の表面には、繰り出された釣糸の長さ(糸長情報)などを表示する表示部(液晶表示部)16が設けられており、また、その周囲には、各種の情報が設定可能な複数の操作ボタン16a,16bが配設されている。なお、本実施形態において、操作ボタン16a,16bは、図1に示されるように、制御ケース15の上面において、表示部16と第1操作部32との間で、且つ釣竿Rとともにリール本体5を把持保持した状態で親指が届く位置とされている。
【0033】
ここで、前記制御ケース15に収容される制御部100の構成について、図8を参照して説明する。
図8は、上記した構成の魚釣用電動リールの動作を制御する制御部100の構成を示すブロック図である。
【0034】
制御ケース15に収容される制御部100は、魚釣用電動リールの動作を制御するCPU(Central Processing Unit)110、糸長を計測したり、駆動モータの出力を可変制御するための各種プログラムや設定情報などを記憶したROM(Read Only Memory)111、一時記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)112を実装した制御基板(マイクロコンピュータ)及び各種駆動回路を実装した回路基板を備えており、制御基板は、I/Oポート115を介して、各作動要素との間で信号の送受信がなされ、動作が制御されるようになっている。なお、本構成では、省スペース化のため、制御部100と表示部16とは上下方向に重なるように配置されている(図7参照)。また、制御部100は、制御基板100A、及び回路基板100Bを上下方向に配置することによって構成されている。
【0035】
前記制御基板100Aとの間では、各操作部32,33の操作量を検知する検知手段、具体的には、操作部32,33の操作角度に応じて操作位置信号を出力する前記角度センサ130、スプール7に巻回されている釣糸の繰り出し量を検知することが可能な糸長計測装置140、制御ケース15上に設けられた液晶表示部16に対して各種の情報を表示させる表示制御回路160、制御ケース15上に設けられた操作ボタン16a,16b、及び駆動モータ8の出力を停止状態から高出力値まで連続的に増減調整するモータ駆動回路170との間で信号の送受信がされるよう構成されている。そして、前記CPU110は、ROM111に格納されている所定のプログラムを実行し、これに応じて生成される制御信号を、I/Oポート115を介して上記した各作動要素に供給することで各作動要素を制御し、魚釣用電動リール全体を制御する機能を有する。
【0036】
また、前記ROM111は、CPU110によって実行される各種プログラムや、制御処理に必要とされるデータ(例えば、糸長計測装置140から入力される検知信号に基づいて糸長を計測する演算プログラム、操作部材25の操作角度とそれに対応して駆動モータ8の回転速度を可変させるデューティ比を特定する可変制御テーブル、液晶表示部16で文字や数字などの画像を表示させるための画像表示データなど)が記憶されている。また、前記RAM112は、作業領域を備えており、前記プログラムが作動している際に、処理手順やデータなどを一時的に記憶する機能を備えている。
【0037】
前記操作ボタン16a,16bは、例えば、投入した仕掛けを所望の深さで停止させる深さ情報、駆動モータ8の出力の可変範囲を変更する出力範囲設定情報など、釣り人から各種の情報を受け付ける。
【0038】
前記糸長計測装置140は、スプール7が釣糸の繰り出し/巻き取りで回転駆動された際、例えば、回転部分に装着されたマグネットと、これを検知する磁気センサによって実際の回転量や回転方向を検知し、その検知信号を生成する。
【0039】
また、前記モータ駆動回路170は、スプール7を回転駆動する駆動モータ8を駆動制御する機能を備える。具体的には、モータ駆動回路170は、例えば、前記CPU110からの制御信号(PWM信号;パルス幅変調信号)に基づいて、駆動モータに対する駆動電流通電時間率(デューティ比)を可変制御し、駆動モータ8を停止状態(OFF状態)から高速回転状態(Max状態)まで連続的に増減調節する。なお、前記CPU110からは、操作部32,33の初期位置(OFF位置)から実際の操作量を検知する角度センサ130による検知信号に基づいて、角度毎に設定されているデューティ比に関する制御信号が出力される。
【0040】
前記表示制御回路160は、前記CPU110の制御に基づいて駆動され、液晶表示部16に対して、例えば、現在の釣糸の繰り出し量、仕掛けを投入してからの時間、駆動モータ8の駆動速度(インジケータによる表示でも良い)、或いは、操作方法やメッセージなど、釣り人に対して各種情報を表示させる機能を有する。
【0041】
各操作部32,33の操作回転角を検出するための角度センサ130は、支軸31の端部に設置されており、それぞれの操作部32,33の操作角度に応じた信号を生成する機能を備えたものであれば良く、例えば、操作部材の操作量に応じた抵抗値の変化を出力するポテンショメータを備えたもの、或いは、操作量に応じたパルスを生成するエンコーダを備えたものなど、様々な構造のものを適用することが可能である。
【0042】
次に、上記した構成の魚釣用電動リールの作用、効果について、図9から図13を参照して説明する。
【0043】
上記したように、モータ8の出力を調整する操作部材30は、操作部が複数(本実施形態では第1操作部32及び第2操作部33の2つ)あるため、釣竿とリール本体の保持状態(釣竿とリール部分を右手のみで持つ場合や左手のみで持つ場合、置き竿にする場合、釣竿を持つ手とは別の手で操作する場合など)を、状況に応じて変化させても、操作性の対応に優れた構成となる。
【0044】
すなわち、本実施形態では、第1操作部32は、左右側板5A,5B間に設置されているため、釣竿Rとともにリール本体5を保持しても、図9及び図10に示すように、安定した状態でリール本体を保持しつつ、親指Tを第1操作部32に位置させることができ、モータの出力調整操作を安定して片手で行うことが可能となる。この場合、図11に示すように、親指Tでスプールをサミングしながら、片手で釣竿をシャクリ操作したり、あおり操作している状況で魚信があった場合、図12に示すように、そのまま親指Tを第1操作部32に当接させることで直ちに巻き取り操作に移行することが可能となる。また、第1操作部32は、指で転がすことが可能な略円筒形状に構成されていることから、図10及び図13に示すように、持ち竿状態のまま指の腹で転がすことが容易に行えるようになり、魚への誘い巻きなど、デリケートなタッチで巻き取り操作が行えるようになる。
【0045】
また、本実施形態では、第2操作部33を右側板側5B側に設置しているため、第1操作部32の操作時に邪魔になることはなく、また、第2操作部33は、第1操作部32とは異なる形状(レバー形状)としているため、状況に応じた使い分け操作が容易に行えるとともに、感覚による使い分け操作も容易に行えるようになる。例えば、持ち竿状態、及び釣竿を竿掛け部に設置した置き竿状態を想定したり、探りモード(微調整操作)と仕掛け回収モード(粗調整操作)を想定した際、状況に応じて、その釣り人にとって操作性に優れた操作部を選択することが可能となる。特に、本実施形態では、第2操作部33をレバー型としているため、置き竿状態における操作性が良好になる(通常、置き竿時は、船の揺れに応じて操作部も揺れることから、レバー型にした方が、そのような使い分け操作(複合操作)をする上で操作し易い構成となる)。
【0046】
また、本実施形態では、1つの共通の支軸31に、第1操作部32及び第2操作部33を設置しているため、各操作部の操作位置(操作状態)の同期が図れると共に、操作角度を検知する検知手段(角度センサ130)を1つ設置するだけで良くなり、構造を簡略化して故障がし難く、低コスト化することが可能となる。さらに、支軸31を制御ケース15に支持したため、制御ケース部分で予めユニット化することができ、様々なタイプのリール本体に容易に適用することができ、コスト削減が図れると共に、メンテナンス性の向上が図れる。
【0047】
なお、上記した構成では、第2操作部33を右側板5B側に設置したが、左側板5A側に設置しても良く、ハンドル6については、左側板5A側に設置しても良い。また、第2操作部33は、指で摘まむことが可能なレバー形式としたが、第1操作部32と同様に、略円筒状に構成しても良い。この場合、操作性が良くなるように、第1操作部32よりも大きい略円筒形状にすることが好ましい(後述する図19参照)。
【0048】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。なお、以下に例示する実施形態では、上述した第1の実施形態と同様な構成要素については、同一の参照符号を付し、詳細な説明については省略する。
【0049】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図である。
本実施形態の操作部材30Aは、制御ケース15に上述した凹陥部15Aを形成することなく、支軸31Aを制御ケース15の後方に回転可能に支持し、その両側(左側板側、及び右側板側)に第1操作部32A、及び第2操作部33Aを振り分け設置している。この場合、前記第1操作部32Aは、指で転がして操作が行える略円筒形状に構成されており、第2操作部33Aは、指で摘まんで操作が行えるレバー形状に構成されている。
なお、略円筒形状の第1操作部32Aは、その操作領域が全て露出するように設置されていても良いし、一部(例えば上半分)が制御ケース15の表面から露出するように設置されたものであっても良い。また、左側板5Aには、第1操作部32Aの一部が配置されるように切欠き部が形成されていても良い。
【0050】
さらに、制御ケース後方の中央領域には、角度センサ130が収容されており、共通の支軸31Aの操作角度を検知するようになっている。
このように、2つの操作部を共通の支軸31で左右側板側に振り分け設置したことで、リール本体のバランスの向上が図れるようになり、また、支軸31Aの中央に角度センサ130を設置したことで、構造を簡略化して両操作部32A,33Aの操作角度を検知することが可能となる。また、本実施形態の構成によれば、例えば、右手で釣竿の竿先側を握持し、左手をリール本体5の左側板側に添えた状態で釣竿をあおり操作する際、安定した操作状況を維持しながら巻き取り操作を容易に行うことが可能となる。
【0051】
図15は、本発明の第3の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図である。
本実施形態の操作部材30Bは、制御ケース後方の左側板側に突出するようにして、第1操作部32B、及び第2操作部33Bを一体化した支軸31Bを回転可能に支持している。この場合、軸方向の内側となる第1操作部32Bは、リール本体を把持した状態で容易に出力調整ができるように、制御ケース上において指で転がして操作が行える略円筒形状に構成されており、それよりも軸方向外側となる第2操作部33Bは、制御ケースから左側板5Aの上面領域に突出して、指で摘まんで操作が行えるレバー形状に構成されている。
なお、略円筒形状の第1操作部32Bは、その操作領域が全て露出するように設置されていても良いし、一部(例えば上半分)が制御ケース15の表面から露出するように設置されたものであっても良い。また、左側板5Aには、第1操作部32B、及び第2操作部33Bの一部が配置されるように切欠き部が形成されていても良い。
【0052】
また、制御ケース後方の中央領域には、角度センサ130が収容されており、共通の支軸31Bの操作角度を検知するようになっている。
このように、2つの操作部32B,33Bを隣接した状態で一体化し、これを共通の支軸31に設置したことで、より構造の簡略化が図れるようになる。また、このような操作部材30Bについては、右側板側に設置しても良い。
【0053】
図16及び図17は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、図16は、平面図、図17は、図16に示す第1操作部及び第2操作部が設けられた支軸部分の概略構成を示す図であり、(a)は図16の構成を示す図、(b)は第2操作部の変形例を示す図である。
本実施形態の操作部材30Cは、上述した第2実施形態と同様、第1操作部32C及び第2操作部33Cが左右側板に振り分け設置されているが、少なくとも一方の操作部は、別の形式の操作部に変更して着脱できるように構成されている(本実施形態では、両方の操作部が変更できるよう構成されている)。
【0054】
具体的には、前記操作部材30Cを構成する支軸31Cの両端には、空洞状に形成された操作部(それぞれ略円筒状に構成された第1操作部32C,第2操作部33Cが該当する)が嵌入されるようになっており、各操作部は、支軸31Cの各端部に嵌入された後、着脱可能な袋ナット36によって締め付け固定される。このため、袋ナット36を治具等によって外し、略円筒状に構成された第2操作部33Cを、図17(b)に示すように、レバー状に構成された第2操作部33C´とし、再び袋ナット36を締め付けることで、各操作部を、別の形態の操作部に容易に付け替えすることが可能となる。
【0055】
このような構成によれば、釣り人の好みに応じて、異なる形状、或いは大きさの操作部にすることが可能となる。なお、図18に示すように、一方の操作部を、別の操作部に付け替えるのではなく、単に取り外すようにしても良い。この場合、支軸31Cの露出する部分にリール本体(制御カバー)と略面一になる閉塞部材38を装着することで、単一操作部32Cを備えた操作部材30Cとすることができ、釣り人の好みに応じて、操作部の形状、大きさ、設置位置を選択することができる。
【0056】
図19は、本発明の第5の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図である。
本実施形態の操作部材30Dは、第1操作部32Dを略円筒形状、第2操作部33Dを第1操作部よりも大きな略円筒形状としており、これらを支軸31Dの両端に設置して左右側板に振り分けた構成を示している。
このように、釣り人によっては、レバータイプの操作部よりも、転がすタイプの操作部を好むケースもあり、釣り人の好みに応じた操作部とすることも可能である。
【0057】
なお、本実施形態においても、上記した第4実施形態のように、操作部を付け替えできるように構成されていても良い。
【0058】
図20から図22は、本発明の第6の実施形態を示す図であり、図20は平面図、図21は、図20のC−C線に沿う断面図、図22は図20のD−D線に沿う断面図である。
【0059】
上述した実施形態では、いずれの操作部材も制御ケース部分に配設されていたが、操作部材は、制御ケースと関係ない部分に配設しても良い。
本実施形態では、スプール7の後方となる左右側板5A,5Bの間に、モータの出力を調整する操作部材30EとクラッチOFF切換部材18Aを、振り分けて並列して設置している。すなわち、操作部材30Eは、左側板5Aを挿通するように回転可能に設置された支軸31Eと、支軸31Eの両端に設置された第1操作部32E及び第2操作部33Eを備えている。
【0060】
前記第1操作部32Eは、左側板5Aの内面から中央部分で終端するように突出した略円筒形状に構成されており、前記クラッチOFF切換部材18Aは、右側板5Bの内面から中央部分で終端するように設置されている(両者の先端は、当接することなく、並列して設置される)。また、第1操作部32Eは、支軸31Eとともに回転可能に支持されており、その支軸31Eの基端側にギヤ列40〜42が設置されて、最終ギヤ42の支軸に角度センサ130が装着されている。また、第2操作部33Eは、左側板5Aの外方に突出するレバー形状として構成されており、支軸31Eによって、第1操作部32Eと同期駆動されるよう構成されている。
【0061】
このように、操作部材については、リール本体を構成する側板に設置しても良く、また、本実施形態のように、側板を挟むようにして、第1操作部と第2操作部を設置することも可能である。上記したような構成によれば、スプールをサミングしている親指を後方にずらすことで、第1操作部32Eによってモータの出力を調整することが可能であり、かつ、置き竿等でモータを駆動する場合、第2操作部33Eを回動操作すれば良い。なお、第2操作部33Eについては、第1操作部32Eと同様、略円筒状に構成しても良いし、クラッチOFF操作部18Aを別の位置に設置して、第2操作部を右側板側に設置するなど、適宜変形することが可能である。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、駆動モータの出力を調整する操作部材が、複数の操作部を具備した構造であれば良く、その設置位置、設置方法、及び操作方向など、適宜変形することが可能である。また、各操作部の設置位置や形状については、リール本体の大きさ(手持ちタイプ、中型タイプ、大型タイプ)や対象魚に応じて適宜変形することが可能であり、各操作部を支持する支軸についても、各操作部に対応して設けても良く、操作部の装着方法、及び、リール本体や制御ケースに対する支持方法についても適宜変形することが可能である。また、操作部の操作角度を検知する検知手段についても、操作部毎に設置しても良い。さらに、操作部は、リール本体に3つ以上設けられていても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 魚釣用電動リール
5 リール本体
5A,5B 左右側板
6 手動ハンドル
7 スプール
7a スプール軸(回転軸)
8 駆動モータ
15 制御ケース
30,30A〜30E 操作部材
31,31A〜31E 支軸
32,32A〜32E 第1操作部
33,33A〜33E 第2操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用電動リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚釣用電動リールは、主に深場の釣りに適用させるべく、仕掛けの放出から巻き取りに至るまで、釣竿を船縁に装着された竿掛けに置いたままの状態で行えるように構成されたものが多いが、最近では、手持ち状態で操作が行えるように、よりコンパクト化された構成も製品化されている。
【0003】
例えば、魚釣用電動リールのスプールを巻き取り操作する(モータ出力を連続的に可変操作する)ための操作部材を、様々な位置に配置することが知られている。例えば、特許文献1には、リール本体の側板に、モータ出力を連続的に可変させるレバータイプの操作部材を回動可能に支持した構成が開示されている。また、特許文献2には、制御ケースの上面から円板状の回転摘み(操作部材)の一部を露出させ、上方から親指を押し付けながら回転操作することで、モータ出力を連続的に可変させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2977978号
【特許文献2】特開2003−92959号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、最近の魚釣用電動リールでは、ルアーフィッシングに用いられる魚釣用(ベイトキャスティング)リールと同様、手持ち状態で操作することが可能なタイプも望まれているが、従来のモータ出力を調整する操作部材の配置を工夫した魚釣用電動リールでは、操作性の面でさらに改良すべき余地がある。具体的には、前記特許文献1に開示されているタイプの操作部材では、釣竿とともにリール本体を把持した手で、釣糸巻き取り操作を行うことはできない。また、特許文献2に開示されているタイプの操作部材では、片手で釣糸巻き取り操作は行えるものの、操作部分が制御ケース内に組み込まれている(露出部分が少ない)ため、揺れる船の上で置き竿状態にしたときの操作が難しく、誤作動させてしまう可能性がある。また、手持ち状態においては、釣り人の疲労度、癖、特有の誘い動作などにより、リール本体を右手と左手で持ちかえることがあるが、その場合、操作部材(操作部)に指が届き難かったり、操作しづらくなることがある。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、実釣時の状況等に応じて、釣竿とリール本体の保持状態を変化させても、操作性に優れた魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、前記リール本体に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、前記スプールの回転軸に対して略平行となるように回転可能に支持され、前記駆動モータの出力を調整する第1操作部及び第2操作部を具備した支軸と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記した構成の魚釣用電動リールでは、リール本体に、モータ出力を調整する操作部が複数設けられているため、釣竿とリール本体の保持状態を状況に応じて変化させても、モータ出力の調整を容易に行うことができ、操作性の対応に優れた構成となる。この場合、第1操作部及び第2操作部を具備した支軸は、スプールの回転軸に対して略平行な方向に回転可能に支持されていることから、第1操作部及び第2操作部は、共に釣竿の延出方向に沿った方向に回転(回動)操作することが可能となり、操作時において指が左右方向にずれることがなく、操作性が良好で把持バランスの向上が図れる。
【0009】
なお、上記した構成において、支軸は、各操作部に対応して設けられていても良いが、1つの支軸上に各操作部が配設された構成であっても良く、支軸は中間で分断されたような構成であっても良い。また、上記した第1操作部及び第2操作部は、その操作領域が、リール本体の左右方向で異なる位置に存在するものであれば良く、例えば、1つの支軸上で隣接して設置された構成、左右側板に振り分けて設置された構成、左右側板の間といずれかの側板側に設置された構成等が該当する。また、第1操作部及び第2操作部は、形状が同一であるもの、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、形状も大きさも異なるものであっても良い。すなわち、リール本体の大きさ、対称魚、使用態様等に応じて、第1操作部及び第2操作部の配置態様、構成については、適宜変形される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、実釣時の状況等に応じて、釣竿とリール本体の保持状態を変化させても、操作性に優れた魚釣用電動リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図2】図1に示した魚釣用電動リールをハンドル側から見た側面図。
【図3】図1に示した魚釣用電動リールを後方側から見た後面図。
【図4】図1に示した魚釣用電動リールの内部機構を部分的に示した平面図。
【図5】図1のA−A線に沿う断面図。
【図6】図1に示した魚釣用電動リールの内部駆動機構を側方から見た概略図。
【図7】図1のB−B線に沿う断面図。
【図8】制御ケース内に収容される制御部の構成を示すブロック図。
【図9】釣竿とともにリール本体を把持した状態で第1操作部を操作する状態を示す図。
【図10】図9を側方から見た図。
【図11】図1に示した魚釣用電動リールにおいて、サミング操作している状態を示す図。
【図12】図1に示した魚釣用電動リールにおいて、第1操作部の操作方法の一例を示す図。
【図13】図1に示した魚釣用電動リールにおいて、第1操作部の操作方法の別の例を示す図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図17】図16に示す第1操作部及び第2操作部が設けられた支軸部分の概略構成を示す図であり、(a)は図16の操作部材の構成を示す図、(b)は第2操作部の変形例を示す図。
【図18】図16に示す構成において、第2操作部を閉塞した状態を示す平面図。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図20】本発明の第6の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。
【図21】図20のC−C線に沿う断面図。
【図22】図20のD−D線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る魚釣用電動リールの実施形態について説明する。
図1から図8は本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は平面図、図2は図1に示した魚釣用電動リールをハンドル側から見た側面図、図3は図1に示した魚釣用電動リールを後方側から見た後面図、図4は内部機構を部分的に示した平面図、図5は図1のA−A線に沿う断面図、図6は内部駆動機構を側方から見た概略図、図7は図1のB−B線に沿う断面図、そして、図8は制御ケース内に収容される制御部の構成を示すブロック図である。
なお、以下の説明において、前後方向、左右方向、上下方向は、図1及び図2に記載の方向と定義する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る魚釣用電動リール1は、左右のフレーム3a,3bに左右カバー4a,4bを取着して構成される左右側板5A,5Bを具備したリール本体5を有している。リール本体5を構成する一方の側板(右側板5B)側には、巻取り操作される手動ハンドル6が設けられており、左右側板5A,5B間には、釣糸が巻回されるスプール7が、回転軸であるスプール軸7a(図7参照)を中心に回転可能に支持されている。また、本実施形態では、図6及び図7に示すように、スプール7の前方側における左右側板5A,5B間に駆動モータ8を保持しており、スプール7は、手動ハンドル6の巻取り操作および駆動モータ8の回転駆動によって、動力伝達機構10を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。
【0014】
なお、駆動モータ8については、スプール7の内部に設置する構成であっても良いが、本実施形態のように、スプール7の前方に設置することで、スプール7の糸巻き量を確保しつつ、リール本体5を可及的にコンパクト化することが可能となる。また、動力伝達機構10については、駆動モータ8の回転駆動力を減速してスプール7側に伝達する機能(減速機構102および伝達ベルト103(図4参照)などによって果たされる)、駆動モータ8が回転駆動しても手動ハンドル6を連れ回しさせない機能や手動ハンドル6の逆回転を防止する機能(ラチェット104を含む)などを備えた公知のものによって構成することが可能である。また、そのような動力伝達機構10については、左側板5A側に配設されていても良いし、右側板5B側に配設されていても良く、或いは、左右側板それぞれに振り分けて配設されていても良い。なお、図中(特に図4)、符号116は、ハンドル6に結合されたハンドル軸、符号118は、ハンドル軸116に回転可能に支持されたドライブギヤ、符号120は、ドライブギヤ118に噛合するピニオンであり、これらは前述した動力伝達機構10を構成する。また、図中、符号125は、魚釣時にスプール7から釣糸が繰り出された際にスプール7の回転にドラグ力を付与する公知のドラグ機構であり、リール本体5とハンドル6との間には、ドラグ機構125によるドラグ力の調整を行なうための星型のドラグ調整ノブ(スタードラグ)139が設けられている。
【0015】
また、スプール7の前方の左右側板5A,5B間には、スプール7に対して均等に釣糸を巻回する機能を備えた公知のレベルワインド機構142(図6および図7参照)が設置されている。さらに、リール本体5を構成する左右側板5A,5B間のスプール7の上方には、駆動モータ8を制御する制御部100(制御基板100A,100Bを有する)を収容した箱型の制御ケース15が配設されている。本実施形態の制御ケース15は、リール本体を構成する左右側板5A,5Bの表面と面一状になるように構成されており、前後方向の長さ寸法が左右方向の長さ寸法よりも長く設定されている。
【0016】
また、リール本体5内には、前記ピニオン120を軸方向に移動させてスプール7を釣糸巻き取り状態/フリー回転状態に切り換える公知のクラッチ機構17(図4及び図6参照)が配置されている。このクラッチ機構17は、動力伝達機構10に介在されて手動ハンドル6および駆動モータ8からの動力伝達を継脱する機能を備えており、本実施形態では、右側板5B側に設置されている。このクラッチ機構17を構成するクラッチプレート17aには、動力伝達をON状態からOFF状態に切り換えるクラッチOFF切換部材18と、動力伝達をOFF状態からON状態に切り換えるクラッチON切換部材19が係合している。
【0017】
本実施形態におけるクラッチOFF切換部材18は、スプール7をサミングしながら操作が可能となるように、スプール7の後方側の左右側板5A,5B間に橋設された構成となっており、図7に示す状態から、その表面となる操作部18aに親指を載置して下方に押し下げ操作することで、クラッチ機構17をON状態からOFF状態に切り換えるよう構成されている。このクラッチOFF切換部材18は、図6に示される振り分け保持バネ200によって、図7に示すクラッチON位置とクラッチOFF位置(図示せず)との間で振り分け保持される。
【0018】
また、本実施形態におけるクラッチON切換部材19は、右側板5B側に設置されており、振り分け保持バネ200(図6参照)によって、クラッチON位置とクラッチOFF位置との間で揺動可能となるよう振り分け保持されている。この場合、クラッチON切換部材19は、クラッチON状態では、図6に示すように、右側板5Bの表面と略面一状となり、クラッチOFF状態では、右側板5Bの表面から突出するようになっている。そして、クラッチON切換部材19は、スプール7に巻回された釣糸に対して親指の腹部でサミング操作している状態から容易にON操作できるように(左側板の後端側を支点として親指が届き易いように)、巻回されている釣糸の側方でやや後方側に設置されていることが好ましい。
なお、クラッチON切換部材19は、上記のように揺動される機械式以外にも、電気式(例えば、ソレノイドを利用したもの)で構成されていても良い。また、クラッチOFF切換部材18と一体部材で構成されていても良い。
【0019】
前記リール本体5には、駆動モータ8に対して電力を供給するための給電部20が設けられている。この給電部20は、左側板5Aの前方側の下面領域に形成されており、この給電部20に対しては、着脱可能な携帯バッテリ22(図9,図10参照)を装着したり、或いは、足元に置いたバッテリや釣り船に設置されている電源部から電力供給される給電コードが装着される。
【0020】
前記制御ケース15は、図7に示すように、スプール7の上方で、その回転軸(この回転軸としては、本実施形態ではスプール7の外側に駆動モータ8が配置されているためスプール軸7aが該当するが、スプール7の内部に駆動モータ8が配置される別の形態ではスプール軸7aが存在しないためモータ8の回転軸が該当する)近傍からレベルワインド機構142および駆動モータ8を覆うような大きさを備えている。
【0021】
また、制御ケース15の後方部分には、駆動モータ8の出力を調整する操作部材30が配置されている。本実施形態の操作部材30は、制御ケース15の後方に回転可能に支持された支軸31と、この支軸31に設けられる2つの操作部32,33を備えており、それぞれを個別に操作してモータの出力を調整できるように構成されている(以下、支軸31に設けられた2つの操作部を第1操作部32,第2操作部33と称する)。
【0022】
この場合、第1操作部32は、制御ケース15の中央部分(左右側板5A,5Bの間)に設置され、第2操作部33は、右側板5B側に設置されている。具体的には、制御ケース15の後方側には、その中央領域に、制御ケース15の後端縁から前方側に向かって延び、制御ケース15の後端縁で開口した凹陥部(開放部)15Aが設けられており、この凹陥部15Aを横切るようにして前記支軸31が回転可能に支持されている。前記支軸31は、前記スプール7の回転軸(スプール軸7a)と略平行で、その両側が制御ケース15に対して回転可能に支持された状態となっており、第1操作部32は、支軸31の中央部において、凹陥部15A内に納まるように設置され、第2操作部33は、支軸31の右端部側において、右側板側5Bの上面側に露出するように設置されている。
【0023】
本実施形態の第1操作部32は、下側から回転操作可能であり、かつ、上方からリール本体を押さえ付けた状態でも操作性が良好となるように、略円筒形状に構成されており、その両端が前記支軸31によって、制御ケース15に対して回転可能に両軸支持された状態となっている。具体的には、その外表面(回転表面)が、左右側板間で、スプール7を露出させる開口領域に面するように支持されており、リール本体を把持保持した状態で、実際に操作する方向は、略前後方向D1となる成分、及び略上下方向D2となる成分を含むように支持されている(図1及び図3参照)。このため、凹陥部15Aに収容されるように設置された略円筒形状の第1操作部32に対しては、スプール7上のどの位置でサミング操作していても、その指(親指)を、支障なくスムーズに第1操作部32に当て付けることができると共に、制御ケースの表面に載置していても第1操作部32に当て付けることができ、容易に回転操作(モータの出力調整操作)することが可能となる。また、第1操作部32が左右側板5A,5Bの中央領域に位置することで、リール本体5の重心に対する把持位置のバランスが良くなり、操作性が良く、疲れ難い構成とすることが可能となり、右手、左手のどちらの手で把持しても共通の感覚が得られるようになる。
【0024】
なお、前記第1操作部32の略円筒形状とは、内部が中実であっても良いし、全体或いは部分的に空洞部があるものを含む概念である。また、その外形状については、正確な円筒形状は勿論、周囲に凹凸が形成されていたり、指でつまんだり、当て付けることが可能な突起部が形成されたものであっても良い。或いは、軸方向の中間部分が膨出していたり、窪んでいるなど、軸方向に親指の腹部が当接できて回転操作ができるような外形状を備えたものであっても良い。また、略円筒形状に構成された第1操作部32については、制御ケース15の表面から部分的に突出していても良いし(図10参照)、制御ケース(リール本体)との間で、少なくとも一端側の回転表面が略面一状にされていても良い。
【0025】
また、前記制御ケース15に、第1操作部32とスプール7との間で、第1操作部の下方を覆うように、保護カバー(誤動作防止部材)15aを設けておくことが好ましい。このような保護カバー15aを設けておくことで、釣糸を巻き取り操作する際、釣糸に付着したゴミや海水が第1操作部32に当たることを防止して、誤動作が生じることを防止することが可能となる。この場合、保護カバー15aは、制御ケースと一体部品であっても良いし、金属の薄板材などを制御ケースに接合しても良い。
【0026】
前記操作部材30を構成する第2操作部33は、制御ケース15に回転可能に支持された支軸31の右端部側に装着されている。本実施形態の第2操作部33は、第1操作部32とは異なる形状、具体的には、指で摘まんで操作できるように、レバー形状に構成されており、支軸31に装着された状態で、右側板5Aの上面側で露出するように設置されている。この第2操作部33の操作する方向は、前記第1操作部32の略前後方向D1と同じ方向となる。
【0027】
前記第1操作部32、及び第2操作部33は、共通の支軸31に装着されており、その支軸31の左端部には、各操作部の操作角度を検知する検知手段、具体的には、角度センサ130が設置されている。この角度センサ130は、制御ケース15内に設けられた収容部にシールされた状態で組み込まれており、支軸31の回転位置に応じた操作位置信号を出力する。すなわち、角度センサ130は、第1操作部32及び第2操作部33の操作位置に応じて操作信号を出力し、モータ8の出力は、第1操作部32及び第2操作部33の操作位置に応じて調整することが可能となっている。
【0028】
なお、上記したように、前記支軸31は、前記スプール7の回転軸(スプール軸7a)と略平行となるように回転可能に支持されているため、前記第1操作部32及び第2操作部33は、略前後方向(釣竿の方向;矢印D1に示す方向)に変位できるようになっている。特に、第1操作部32は、リール本体を把持した状態で操作することから、第1操作部32に親指を当接させた際、親指の位置が大きく横にずれることがなく、リール本体の重心や給電部20にかかる力(給電コードに引っ張られる力や携帯バッテリの重量負荷などで、釣竿Rの長手軸を中心に回転負荷による力)によるねじれ負荷に対し、操作性が低下したり疲れ易くなることがなくなる。この場合、第1操作部32を回転させた際の指(親指)の位置の横方向のずれを考慮すると、上記した略平行の範囲については、スプール7の回転軸に対して±30°の範囲内であれば良い。すなわち、±30°の範囲内であれば、リール本体5を把持保持した状態で、第1操作部32を自由に回転しても、指(親指T)の位置が横方向にずれ難くなり、リール本体を把持保持した際のバランスが悪くなることがなくなる。なお、支軸については、第1操作部や第2操作部の回転(回動)中心軸として定義することも可能である。すなわち、そのような回転(回動)中心軸が、スプール7の回転軸に対して±30°の範囲内となるように、第1操作部や第2操作部が支持されたものであっても良い。
【0029】
また、本実施形態のリール本体5は、釣竿とともに片手で把持して操作可能な大きさに構成されており、上記したような回転可能な第1操作部32は、リール本体5を、竿取付部5aを介して釣竿Rに装着した際に、図9に示すように、釣竿Rとともにリール本体5を把持保持した状態の手の親指Tが届く位置に配設されている。
【0030】
上記した制御ケース15には、図7に示されるように、駆動モータ8の駆動を制御する制御部100が収容されており、第1操作部32及び第2操作部33の回転操作量に応じて駆動モータ8の出力を調整するようになっている。この場合、制御部100は、各操作部32,33を前方に向けて回動操作することで、駆動モータ8の出力が上昇するように設定されている。これにより、釣糸の巻き取りをする際、サミングしている親指をそのまま前方に延ばして、第1操作部32を押し上げるような操作をすることで釣糸の巻き取り操作が行えるようになり、指の動きが単純化され、一連の探り操作をする際の操作性の向上が図れるようになる。
【0031】
上記した第1操作部32、及び第2操作部33は、共通の支軸31によって同期駆動されることとなるが、各操作部の回転操作量と駆動モータ8の出力との関係については任意である。本実施形態では、各操作部32,33の基準位置をモータの出力値0として、120°前方に回転操作した際、モータ出力がMaxになるように設定されている。すなわち、前方方向に向けて操作した際に増速とすることで、釣竿とリール本体を持つ手に負荷がかかる高速巻き取り時に、より前方を把持できるので、把持保持性が高くなり、操作性が良く、疲れ難くなる。
もちろん、各操作部32,33については、後方に向けて回転操作した際に、駆動モータ8の出力が上昇するように設定しても良い。このような構成によれば、第1操作部32では、スプール7をサミングしている親指の第一関節を折り曲げる動作をするだけで、サミング操作をONからOFFにすると同時に、第1操作部32を手前側に回転操作(駆動モータの増速回転)することができ操作性の良い構成となる。
【0032】
前記制御ケース15の表面には、繰り出された釣糸の長さ(糸長情報)などを表示する表示部(液晶表示部)16が設けられており、また、その周囲には、各種の情報が設定可能な複数の操作ボタン16a,16bが配設されている。なお、本実施形態において、操作ボタン16a,16bは、図1に示されるように、制御ケース15の上面において、表示部16と第1操作部32との間で、且つ釣竿Rとともにリール本体5を把持保持した状態で親指が届く位置とされている。
【0033】
ここで、前記制御ケース15に収容される制御部100の構成について、図8を参照して説明する。
図8は、上記した構成の魚釣用電動リールの動作を制御する制御部100の構成を示すブロック図である。
【0034】
制御ケース15に収容される制御部100は、魚釣用電動リールの動作を制御するCPU(Central Processing Unit)110、糸長を計測したり、駆動モータの出力を可変制御するための各種プログラムや設定情報などを記憶したROM(Read Only Memory)111、一時記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)112を実装した制御基板(マイクロコンピュータ)及び各種駆動回路を実装した回路基板を備えており、制御基板は、I/Oポート115を介して、各作動要素との間で信号の送受信がなされ、動作が制御されるようになっている。なお、本構成では、省スペース化のため、制御部100と表示部16とは上下方向に重なるように配置されている(図7参照)。また、制御部100は、制御基板100A、及び回路基板100Bを上下方向に配置することによって構成されている。
【0035】
前記制御基板100Aとの間では、各操作部32,33の操作量を検知する検知手段、具体的には、操作部32,33の操作角度に応じて操作位置信号を出力する前記角度センサ130、スプール7に巻回されている釣糸の繰り出し量を検知することが可能な糸長計測装置140、制御ケース15上に設けられた液晶表示部16に対して各種の情報を表示させる表示制御回路160、制御ケース15上に設けられた操作ボタン16a,16b、及び駆動モータ8の出力を停止状態から高出力値まで連続的に増減調整するモータ駆動回路170との間で信号の送受信がされるよう構成されている。そして、前記CPU110は、ROM111に格納されている所定のプログラムを実行し、これに応じて生成される制御信号を、I/Oポート115を介して上記した各作動要素に供給することで各作動要素を制御し、魚釣用電動リール全体を制御する機能を有する。
【0036】
また、前記ROM111は、CPU110によって実行される各種プログラムや、制御処理に必要とされるデータ(例えば、糸長計測装置140から入力される検知信号に基づいて糸長を計測する演算プログラム、操作部材25の操作角度とそれに対応して駆動モータ8の回転速度を可変させるデューティ比を特定する可変制御テーブル、液晶表示部16で文字や数字などの画像を表示させるための画像表示データなど)が記憶されている。また、前記RAM112は、作業領域を備えており、前記プログラムが作動している際に、処理手順やデータなどを一時的に記憶する機能を備えている。
【0037】
前記操作ボタン16a,16bは、例えば、投入した仕掛けを所望の深さで停止させる深さ情報、駆動モータ8の出力の可変範囲を変更する出力範囲設定情報など、釣り人から各種の情報を受け付ける。
【0038】
前記糸長計測装置140は、スプール7が釣糸の繰り出し/巻き取りで回転駆動された際、例えば、回転部分に装着されたマグネットと、これを検知する磁気センサによって実際の回転量や回転方向を検知し、その検知信号を生成する。
【0039】
また、前記モータ駆動回路170は、スプール7を回転駆動する駆動モータ8を駆動制御する機能を備える。具体的には、モータ駆動回路170は、例えば、前記CPU110からの制御信号(PWM信号;パルス幅変調信号)に基づいて、駆動モータに対する駆動電流通電時間率(デューティ比)を可変制御し、駆動モータ8を停止状態(OFF状態)から高速回転状態(Max状態)まで連続的に増減調節する。なお、前記CPU110からは、操作部32,33の初期位置(OFF位置)から実際の操作量を検知する角度センサ130による検知信号に基づいて、角度毎に設定されているデューティ比に関する制御信号が出力される。
【0040】
前記表示制御回路160は、前記CPU110の制御に基づいて駆動され、液晶表示部16に対して、例えば、現在の釣糸の繰り出し量、仕掛けを投入してからの時間、駆動モータ8の駆動速度(インジケータによる表示でも良い)、或いは、操作方法やメッセージなど、釣り人に対して各種情報を表示させる機能を有する。
【0041】
各操作部32,33の操作回転角を検出するための角度センサ130は、支軸31の端部に設置されており、それぞれの操作部32,33の操作角度に応じた信号を生成する機能を備えたものであれば良く、例えば、操作部材の操作量に応じた抵抗値の変化を出力するポテンショメータを備えたもの、或いは、操作量に応じたパルスを生成するエンコーダを備えたものなど、様々な構造のものを適用することが可能である。
【0042】
次に、上記した構成の魚釣用電動リールの作用、効果について、図9から図13を参照して説明する。
【0043】
上記したように、モータ8の出力を調整する操作部材30は、操作部が複数(本実施形態では第1操作部32及び第2操作部33の2つ)あるため、釣竿とリール本体の保持状態(釣竿とリール部分を右手のみで持つ場合や左手のみで持つ場合、置き竿にする場合、釣竿を持つ手とは別の手で操作する場合など)を、状況に応じて変化させても、操作性の対応に優れた構成となる。
【0044】
すなわち、本実施形態では、第1操作部32は、左右側板5A,5B間に設置されているため、釣竿Rとともにリール本体5を保持しても、図9及び図10に示すように、安定した状態でリール本体を保持しつつ、親指Tを第1操作部32に位置させることができ、モータの出力調整操作を安定して片手で行うことが可能となる。この場合、図11に示すように、親指Tでスプールをサミングしながら、片手で釣竿をシャクリ操作したり、あおり操作している状況で魚信があった場合、図12に示すように、そのまま親指Tを第1操作部32に当接させることで直ちに巻き取り操作に移行することが可能となる。また、第1操作部32は、指で転がすことが可能な略円筒形状に構成されていることから、図10及び図13に示すように、持ち竿状態のまま指の腹で転がすことが容易に行えるようになり、魚への誘い巻きなど、デリケートなタッチで巻き取り操作が行えるようになる。
【0045】
また、本実施形態では、第2操作部33を右側板側5B側に設置しているため、第1操作部32の操作時に邪魔になることはなく、また、第2操作部33は、第1操作部32とは異なる形状(レバー形状)としているため、状況に応じた使い分け操作が容易に行えるとともに、感覚による使い分け操作も容易に行えるようになる。例えば、持ち竿状態、及び釣竿を竿掛け部に設置した置き竿状態を想定したり、探りモード(微調整操作)と仕掛け回収モード(粗調整操作)を想定した際、状況に応じて、その釣り人にとって操作性に優れた操作部を選択することが可能となる。特に、本実施形態では、第2操作部33をレバー型としているため、置き竿状態における操作性が良好になる(通常、置き竿時は、船の揺れに応じて操作部も揺れることから、レバー型にした方が、そのような使い分け操作(複合操作)をする上で操作し易い構成となる)。
【0046】
また、本実施形態では、1つの共通の支軸31に、第1操作部32及び第2操作部33を設置しているため、各操作部の操作位置(操作状態)の同期が図れると共に、操作角度を検知する検知手段(角度センサ130)を1つ設置するだけで良くなり、構造を簡略化して故障がし難く、低コスト化することが可能となる。さらに、支軸31を制御ケース15に支持したため、制御ケース部分で予めユニット化することができ、様々なタイプのリール本体に容易に適用することができ、コスト削減が図れると共に、メンテナンス性の向上が図れる。
【0047】
なお、上記した構成では、第2操作部33を右側板5B側に設置したが、左側板5A側に設置しても良く、ハンドル6については、左側板5A側に設置しても良い。また、第2操作部33は、指で摘まむことが可能なレバー形式としたが、第1操作部32と同様に、略円筒状に構成しても良い。この場合、操作性が良くなるように、第1操作部32よりも大きい略円筒形状にすることが好ましい(後述する図19参照)。
【0048】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。なお、以下に例示する実施形態では、上述した第1の実施形態と同様な構成要素については、同一の参照符号を付し、詳細な説明については省略する。
【0049】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図である。
本実施形態の操作部材30Aは、制御ケース15に上述した凹陥部15Aを形成することなく、支軸31Aを制御ケース15の後方に回転可能に支持し、その両側(左側板側、及び右側板側)に第1操作部32A、及び第2操作部33Aを振り分け設置している。この場合、前記第1操作部32Aは、指で転がして操作が行える略円筒形状に構成されており、第2操作部33Aは、指で摘まんで操作が行えるレバー形状に構成されている。
なお、略円筒形状の第1操作部32Aは、その操作領域が全て露出するように設置されていても良いし、一部(例えば上半分)が制御ケース15の表面から露出するように設置されたものであっても良い。また、左側板5Aには、第1操作部32Aの一部が配置されるように切欠き部が形成されていても良い。
【0050】
さらに、制御ケース後方の中央領域には、角度センサ130が収容されており、共通の支軸31Aの操作角度を検知するようになっている。
このように、2つの操作部を共通の支軸31で左右側板側に振り分け設置したことで、リール本体のバランスの向上が図れるようになり、また、支軸31Aの中央に角度センサ130を設置したことで、構造を簡略化して両操作部32A,33Aの操作角度を検知することが可能となる。また、本実施形態の構成によれば、例えば、右手で釣竿の竿先側を握持し、左手をリール本体5の左側板側に添えた状態で釣竿をあおり操作する際、安定した操作状況を維持しながら巻き取り操作を容易に行うことが可能となる。
【0051】
図15は、本発明の第3の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図である。
本実施形態の操作部材30Bは、制御ケース後方の左側板側に突出するようにして、第1操作部32B、及び第2操作部33Bを一体化した支軸31Bを回転可能に支持している。この場合、軸方向の内側となる第1操作部32Bは、リール本体を把持した状態で容易に出力調整ができるように、制御ケース上において指で転がして操作が行える略円筒形状に構成されており、それよりも軸方向外側となる第2操作部33Bは、制御ケースから左側板5Aの上面領域に突出して、指で摘まんで操作が行えるレバー形状に構成されている。
なお、略円筒形状の第1操作部32Bは、その操作領域が全て露出するように設置されていても良いし、一部(例えば上半分)が制御ケース15の表面から露出するように設置されたものであっても良い。また、左側板5Aには、第1操作部32B、及び第2操作部33Bの一部が配置されるように切欠き部が形成されていても良い。
【0052】
また、制御ケース後方の中央領域には、角度センサ130が収容されており、共通の支軸31Bの操作角度を検知するようになっている。
このように、2つの操作部32B,33Bを隣接した状態で一体化し、これを共通の支軸31に設置したことで、より構造の簡略化が図れるようになる。また、このような操作部材30Bについては、右側板側に設置しても良い。
【0053】
図16及び図17は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、図16は、平面図、図17は、図16に示す第1操作部及び第2操作部が設けられた支軸部分の概略構成を示す図であり、(a)は図16の構成を示す図、(b)は第2操作部の変形例を示す図である。
本実施形態の操作部材30Cは、上述した第2実施形態と同様、第1操作部32C及び第2操作部33Cが左右側板に振り分け設置されているが、少なくとも一方の操作部は、別の形式の操作部に変更して着脱できるように構成されている(本実施形態では、両方の操作部が変更できるよう構成されている)。
【0054】
具体的には、前記操作部材30Cを構成する支軸31Cの両端には、空洞状に形成された操作部(それぞれ略円筒状に構成された第1操作部32C,第2操作部33Cが該当する)が嵌入されるようになっており、各操作部は、支軸31Cの各端部に嵌入された後、着脱可能な袋ナット36によって締め付け固定される。このため、袋ナット36を治具等によって外し、略円筒状に構成された第2操作部33Cを、図17(b)に示すように、レバー状に構成された第2操作部33C´とし、再び袋ナット36を締め付けることで、各操作部を、別の形態の操作部に容易に付け替えすることが可能となる。
【0055】
このような構成によれば、釣り人の好みに応じて、異なる形状、或いは大きさの操作部にすることが可能となる。なお、図18に示すように、一方の操作部を、別の操作部に付け替えるのではなく、単に取り外すようにしても良い。この場合、支軸31Cの露出する部分にリール本体(制御カバー)と略面一になる閉塞部材38を装着することで、単一操作部32Cを備えた操作部材30Cとすることができ、釣り人の好みに応じて、操作部の形状、大きさ、設置位置を選択することができる。
【0056】
図19は、本発明の第5の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図である。
本実施形態の操作部材30Dは、第1操作部32Dを略円筒形状、第2操作部33Dを第1操作部よりも大きな略円筒形状としており、これらを支軸31Dの両端に設置して左右側板に振り分けた構成を示している。
このように、釣り人によっては、レバータイプの操作部よりも、転がすタイプの操作部を好むケースもあり、釣り人の好みに応じた操作部とすることも可能である。
【0057】
なお、本実施形態においても、上記した第4実施形態のように、操作部を付け替えできるように構成されていても良い。
【0058】
図20から図22は、本発明の第6の実施形態を示す図であり、図20は平面図、図21は、図20のC−C線に沿う断面図、図22は図20のD−D線に沿う断面図である。
【0059】
上述した実施形態では、いずれの操作部材も制御ケース部分に配設されていたが、操作部材は、制御ケースと関係ない部分に配設しても良い。
本実施形態では、スプール7の後方となる左右側板5A,5Bの間に、モータの出力を調整する操作部材30EとクラッチOFF切換部材18Aを、振り分けて並列して設置している。すなわち、操作部材30Eは、左側板5Aを挿通するように回転可能に設置された支軸31Eと、支軸31Eの両端に設置された第1操作部32E及び第2操作部33Eを備えている。
【0060】
前記第1操作部32Eは、左側板5Aの内面から中央部分で終端するように突出した略円筒形状に構成されており、前記クラッチOFF切換部材18Aは、右側板5Bの内面から中央部分で終端するように設置されている(両者の先端は、当接することなく、並列して設置される)。また、第1操作部32Eは、支軸31Eとともに回転可能に支持されており、その支軸31Eの基端側にギヤ列40〜42が設置されて、最終ギヤ42の支軸に角度センサ130が装着されている。また、第2操作部33Eは、左側板5Aの外方に突出するレバー形状として構成されており、支軸31Eによって、第1操作部32Eと同期駆動されるよう構成されている。
【0061】
このように、操作部材については、リール本体を構成する側板に設置しても良く、また、本実施形態のように、側板を挟むようにして、第1操作部と第2操作部を設置することも可能である。上記したような構成によれば、スプールをサミングしている親指を後方にずらすことで、第1操作部32Eによってモータの出力を調整することが可能であり、かつ、置き竿等でモータを駆動する場合、第2操作部33Eを回動操作すれば良い。なお、第2操作部33Eについては、第1操作部32Eと同様、略円筒状に構成しても良いし、クラッチOFF操作部18Aを別の位置に設置して、第2操作部を右側板側に設置するなど、適宜変形することが可能である。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、駆動モータの出力を調整する操作部材が、複数の操作部を具備した構造であれば良く、その設置位置、設置方法、及び操作方向など、適宜変形することが可能である。また、各操作部の設置位置や形状については、リール本体の大きさ(手持ちタイプ、中型タイプ、大型タイプ)や対象魚に応じて適宜変形することが可能であり、各操作部を支持する支軸についても、各操作部に対応して設けても良く、操作部の装着方法、及び、リール本体や制御ケースに対する支持方法についても適宜変形することが可能である。また、操作部の操作角度を検知する検知手段についても、操作部毎に設置しても良い。さらに、操作部は、リール本体に3つ以上設けられていても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 魚釣用電動リール
5 リール本体
5A,5B 左右側板
6 手動ハンドル
7 スプール
7a スプール軸(回転軸)
8 駆動モータ
15 制御ケース
30,30A〜30E 操作部材
31,31A〜31E 支軸
32,32A〜32E 第1操作部
33,33A〜33E 第2操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、
前記リール本体に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、
前記スプールの回転軸に対して略平行となるように回転可能に支持され、前記駆動モータの出力を調整する第1操作部及び第2操作部を具備した支軸と、
を有する魚釣用電動リール。
【請求項2】
前記第1操作部と第2操作部は、前記左右の側板に振り分け設置されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
【請求項3】
前記第1操作部と第2操作部は、前記支軸の両端に設けられ、前記支軸の略中央に、前記第1操作部と第2操作部の操作角度を検知する角度センサを設置したことを特徴とする請求項2に記載の魚釣用電動リール。
【請求項4】
前記第1操作部は前記左右側板間に配設され、前記第2操作部は前記左右側板の内、いずれか一方側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
【請求項5】
前記第1操作部と前記第2操作部は、互いに異なる形状、又は大きさが異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【請求項6】
前記第1操作部と前記第2操作部の少なくとも一方は、その形状が略円筒型であることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用電動リール。
【請求項7】
前記第1操作部と前記第2操作部の少なくとも一方は、その形状がレバー型であることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用電動リール。
【請求項8】
前記第1操作部及び前記第2操作部の内、少なくとも一方の操作部は、前記支軸に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【請求項9】
前記支軸に対して着脱可能な操作部は、前記左側板側及び右側板側に対して、付け替え可能であることを特徴とする請求項8に記載の魚釣用電動リール。
【請求項10】
前記第1操作部及び前記第2操作部の内、一方の操作部は、前記リール本体と略面一になる閉塞部材によってカバーされることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【請求項11】
前記第1操作部及び第2操作部を具備する支軸は、前記左右側板間に設置される制御ケースに回転可能に支持されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【請求項1】
リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、
前記リール本体に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、
前記スプールの回転軸に対して略平行となるように回転可能に支持され、前記駆動モータの出力を調整する第1操作部及び第2操作部を具備した支軸と、
を有する魚釣用電動リール。
【請求項2】
前記第1操作部と第2操作部は、前記左右の側板に振り分け設置されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
【請求項3】
前記第1操作部と第2操作部は、前記支軸の両端に設けられ、前記支軸の略中央に、前記第1操作部と第2操作部の操作角度を検知する角度センサを設置したことを特徴とする請求項2に記載の魚釣用電動リール。
【請求項4】
前記第1操作部は前記左右側板間に配設され、前記第2操作部は前記左右側板の内、いずれか一方側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
【請求項5】
前記第1操作部と前記第2操作部は、互いに異なる形状、又は大きさが異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【請求項6】
前記第1操作部と前記第2操作部の少なくとも一方は、その形状が略円筒型であることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用電動リール。
【請求項7】
前記第1操作部と前記第2操作部の少なくとも一方は、その形状がレバー型であることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用電動リール。
【請求項8】
前記第1操作部及び前記第2操作部の内、少なくとも一方の操作部は、前記支軸に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【請求項9】
前記支軸に対して着脱可能な操作部は、前記左側板側及び右側板側に対して、付け替え可能であることを特徴とする請求項8に記載の魚釣用電動リール。
【請求項10】
前記第1操作部及び前記第2操作部の内、一方の操作部は、前記リール本体と略面一になる閉塞部材によってカバーされることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【請求項11】
前記第1操作部及び第2操作部を具備する支軸は、前記左右側板間に設置される制御ケースに回転可能に支持されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図6】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−5737(P2013−5737A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139103(P2011−139103)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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