説明

鳥害防止装置、鳥害防止具、鳥害防止具の配設構造、鳥害防止具の配設方法、および、鳥害防止具の回収方法

【課題】 連結された鳥害防止具の、電線回りの回転を円滑にして、錘による姿勢の保持を的確に行なうことができ、かつ、鳥害防止具どうしを外れ難くすることができる、鳥害防止装置を提供する。
【解決手段】 鳥害防止装置4は、鳥害防止具2と、その鳥害防止具2を他の鳥害防止具2と連結する連結具3とからなる。ここで、鳥害防止具2は、電線1に遊びのある状態で嵌まる、環状の取付部6、6と、それら取付部6、6間に架設されるバー材9aと、電線1の上方に配置されて電線1へ鳥がとまるのを防止するコイルバネ7aと、電線1の下方に配置される錘8とを備える。一方、連結具3は、電線1との間に遊びを有しており、電線1に沿って並設された鳥害防止具2、2を、電線1回りの個別の回転を妨げることなく連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電線に鳥がとまるのを防止する、鳥害防止装置、鳥害防止具、鳥害防止具の配設構造、鳥害防止具の配設方法、および、鳥害防止具の回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電線に沿って配置されて鳥による糞害や短絡事故を防ぐための鳥害防止具として、図19に示されるように、錘21による振り子方式の鳥害防止具20があった(例えば、特許文献1参照)。この鳥害防止具20は、電線1が通る円孔22aが明けられて左右および中央に配置された支持板22、22と、それら支持板22、22に渡された二本のバー23、23と、支持板22の下部に埋め込まれた磁石からなる錘21とから構成されていた。この鳥害防止具20は、電線1に取り付けられると、錘21により、一方のバー23が電線1の上方に位置するよう、その姿勢が保たれた。そして、隣り合う鳥害防止具20、20は、磁石(錘21)によって、順に連結された。そこで、鳥が、電線1上で休止しようとバー23に掴まると、鳥害防止具20、20が鳥の重さで回転し、このため、鳥は、バー23にとどまることことができなかった。
【0003】
【特許文献1】特開平6−121436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の鳥害防止具20にあっては、複数の鳥害防止具20、20を連続して電線1に配置し、互いに磁石(錘21)によって連結すると、それら鳥害防止具20、20は、全体が一体となるため、電線1回りに円滑に回転しない虞があった。さらに、それら鳥害防止具20、20が、全体としてよじれて、鳥害防止具20の正規の姿勢が保てなかったり、よじれによって、バー23が破壊されたりする虞もあった。また、磁石(錘21)が弱い場合には、複数の鳥害防止具20、20が一体となって回転しようとした際に、鳥害防止具20、20の互いの連結が外れて、鳥害防止具20、20どうしが離れ、その間の電線1が露出してしまう虞があった。さらに、磁石(錘21)が弱い場合には、鳥害防止具20、20を、交換等のために取り外す際に、電線1の一方において、鳥害防止具20、20を引き寄せると、鳥害防止具20、20の互いの連結が外れて、引き寄せができなくなる虞があった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、連結された鳥害防止具の、電線回りの回転を円滑にして、錘による姿勢の保持を的確に行なうことができ、かつ、鳥害防止具どうしを外れ難くすることができる、鳥害防止装置、鳥害防止具、および、鳥害防止具の配設構造を提供し、また、こうした鳥害防止装置や鳥害防止具を用いた、鳥害防止具の配設方法、および、鳥害防止具の回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る鳥害防止装置、鳥害防止具、鳥害防止具の配設構造、鳥害防止具の配設方法、および、鳥害防止具の回収方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る鳥害防止装置は、電線に取り付けられる鳥害防止具と、その鳥害防止具を他の鳥害防止具と連結する連結具とからなる。ここで、前記鳥害防止具は、電線に遊びのある状態で嵌まる取付部と、前記電線の上方に配置されて前記電線へ鳥がとまるのを防止する防止部と、その防止部を前記電線の上方に保持すべく、前記取付部および前記防止部と一体となるとともに前記電線の下方に配置される錘とを備える。一方、前記連結具は、前記電線との間に遊びを有し、かつ、前記連結具は、前記電線に沿って並設された前記鳥害防止具を、前記電線回りの個別の回転を妨げることなく連結するように、隣り合うそれぞれの鳥害防止具の前記取付部と係合する一対の係合部を備える。そして、前記係合部は、前記鳥害防止具と前記連結具とを前記電線に沿って相対的に近接させることで、前記取付部に係合するように、前記電線に沿う方向に突設されている。
【0007】
この鳥害防止装置によると、鳥害防止具は、電線に取り付けられると、錘によって姿勢が保たれて、防止部が電線の上方に保持される。そして、鳥害防止具どうしは、連結具によって、つまり、連結具の係合部が、鳥害防止具の取付部と係合することで、連結される。このとき、係合部は、電線に沿う方向に突設されて、鳥害防止具と連結具とを電線に沿って相対的に近接させることで、取付部に係合するため、この連結が容易に行なわれる。また、連結された鳥害防止具は、全体が一体となって電線回りに回転するのではなく、個別に回転するため、その電線回りの回転が円滑となり、錘による姿勢の保持が的確となる。しかも、鳥害防止具が、電線回りに個別に回転することで、鳥害防止具どうしが、回転方向に干渉することがないため、余計な力がかからず、これら鳥害防止具どうしは、外れ難くなる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項1に記載の鳥害防止装置において、前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させることで、前記取付部内に前記電線を受け入れるよう、前記取付部は、その取付部の周壁が分断されて開口する開口部を有する。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項2に記載の鳥害防止装置において、前記周壁の一部が、弾性を備えて前記開口部を閉塞する閉塞部となり、前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させて、前記閉塞部を前記電線で押して前記取付部内へ変位させることで前記開口部が形成される。これにより、鳥害防止具を電線に取り付ける際には、取付部を電線の径方向にその電線に向けて移動させて、閉塞部を電線で押して取付部内へ変位させる。この閉塞部の変位により、開口部が形成され、その開口部から、電線を取付部内に受け入れる。そして、電線が取付部内に入ると、閉塞部が弾性復帰することで、開口部が閉じる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項3に記載の鳥害防止装置において、前記開口部は、前記取付部における側方部に配置される。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項4に記載の鳥害防止装置において、前記閉塞部は、基端側を下側とし、自由端側を上側となるように設けられている。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項4または5に記載の鳥害防止装置において、前記係合部は、前記取付部と前記電線との間に挿入される挿入部からなる。そして、前記挿入部は、前記取付部の内面に、または、前記取付部の挿入側とは反対側の端面に、設けられた係止部に係止される、被係止部を有する。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項6に記載の鳥害防止装置において、前記挿入部は、前記取付部に挿入されたとき前記閉塞部の内側に位置してその閉塞部が前記取付部内に変位するのを規制する、規制壁を有する。これにより、電線に取り付けられた鳥害防止具どうしを、連結具によって連結すると、連結具における挿入部の規制壁が、鳥害防止具における閉塞部の内側に配置される。こうして、規制壁が、閉塞部が取付部内に変位するのを規制するため、鳥害防止具が電線から外れるのを的確に防ぐことができる。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項2ないし7のいずれか1項に記載の鳥害防止装置において、前記鳥害防止具は、前記電線に沿う方向の両端側に、前記取付部が配置される。そして、前記鳥害防止具は、前記取付部どうしの近接および離間を防止するように、前記取付部間に架設される架設部を備える。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項8に記載の鳥害防止装置において、前記架設部は、前記取付部の上方に配置される。そして、前記開口部は、前記両取付部において、相反する側方部に配置される。これにより、鳥害防止具を電線に取り付ける際には、両開口部を電線と対向させるように、架設部を電線とクロスさせてその電線上に載置することで、その取付作業が容易となる。
【0016】
また、請求項10に記載の発明に係る鳥害防止装置は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の鳥害防止装置において、前記鳥害防止具は、前記取付部から下方に延設されて絶縁ヤットコで把持される、把持部を備える。
【0017】
また、請求項11に記載の発明に係る鳥害防止具の配設構造は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の鳥害防止装置における鳥害防止具を電線に配設した配設構造であって、鳥害防止具が、連結具により連結されて、電線に沿って複数並設状態に配設されてなる。
【0018】
また、請求項12に記載の発明に係る鳥害防止具の配設構造は、請求項11に記載の配設構造において、前記電線には、連結された前記複数の鳥害防止具の最両端に対向して、それら鳥害防止具が電線に沿って移動するのを防止する抑制具が固定されている。
【0019】
また、請求項13に記載の発明に係る鳥害防止具の配設方法は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の鳥害防止装置における鳥害防止具を、電線に沿って複数並設状態に配設する方法であって、電線の一方において、鳥害防止具と連結具とを交互に電線に取り付けるとともに、互いの取付部と係合部とを係合させて、それら鳥害防止具と連結具とを、順次、前記電線の他方に向けて送り出す。この配設方法によると、電線への鳥害防止具の配設を、電線の一方で行なうことができ、その配設作業が容易となる。
【0020】
また、請求項14に記載の発明に係る鳥害防止具の回収方法は、請求項11に記載の鳥害防止具の配設構造における鳥害防止具を、電線から回収する方法であって、電線の一方において、順次、鳥害防止具と連結具とを引き寄せ、互いの取付部と係合部との係合を外して、前記鳥害防止具と前記連結具とを交互に前記電線から取り外す。この回収方法によると、電線からの鳥害防止具の回収を、電線の一方で行なうことができ、その回収作業が容易となる。
【0021】
また、請求項15に記載の発明に係る鳥害防止具は、電線に取り付けられる鳥害防止具であって、電線に遊びのある状態で嵌まる取付部と、前記電線の上方に配置されて前記電線へ鳥がとまるのを防止する防止部と、その防止部を前記電線の上方に保持すべく、前記取付部および前記防止部と一体となるとともに前記電線の下方に配置される錘とを備える。そこで、鳥害防止具は、前記電線に沿って並設された前記鳥害防止具を、前記電線回りの個別の回転を妨げることなく連結するように、隣り合う相手側の鳥害防止具の前記取付部と係合する係合部を備える。そして、前記係合部は、隣り合う前記鳥害防止具を前記電線に沿って相対的に近接させることで、隣り合う相手側の鳥害防止具の前記取付部に係合するように、前記電線に沿う方向に突設されている。
【0022】
この鳥害防止具によると、鳥害防止具は、電線に取り付けられると、錘によって姿勢が保たれて、防止部が電線の上方に保持される。そして、鳥害防止具どうしは、係合部が、取付部と係合することで、連結される。このとき、係合部は、電線に沿う方向に突設されて、鳥害防止具どうしを電線に沿って相対的に近接させることで、取付部に係合するため、この連結が容易に行なわれる。また、連結された鳥害防止具は、全体が一体となって電線回りに回転するのではなく、個別に回転するため、その電線回りの回転が円滑となり、錘による姿勢の保持が的確となる。しかも、鳥害防止具が、電線回りに個別に回転することで、鳥害防止具どうしが、回転方向に干渉することがないため、余計な力がかからず、これら鳥害防止具どうしは、外れ難くなる。
【0023】
また、請求項16に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項15に記載の鳥害防止具において、前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させることで、前記取付部内に前記電線を受け入れるよう、前記取付部は、その取付部の周壁が分断されて開口する開口部を有する。
【0024】
また、請求項17に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項16に記載の鳥害防止具において、前記周壁の一部が、弾性を備えて前記開口部を閉塞する閉塞部となり、前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させて、前記閉塞部を前記電線で押して前記取付部内へ変位させることで前記開口部が形成される。これにより、鳥害防止具を電線に取り付ける際には、取付部を電線の径方向にその電線に向けて移動させて、閉塞部を電線で押して取付部内へ変位させる。この閉塞部の変位により、開口部が形成され、その開口部から、電線を取付部内に受け入れる。そして、電線が取付部内に入ると、閉塞部が弾性復帰することで、開口部が閉じる。
【0025】
また、請求項18に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項17に記載の鳥害防止具において、前記開口部は、前記取付部における側方部に配置される。
【0026】
また、請求項19に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項18に記載の鳥害防止具において、前記閉塞部は、基端側を下側とし、自由端側を上側となるように設けられている。
【0027】
また、請求項20に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項18または19に記載の鳥害防止具において、前記係合部は、前記取付部と前記電線との間に挿入される挿入部からなる。そして、前記挿入部は、前記取付部の内面に、または、前記取付部の挿入側とは反対側の端面に、設けられた係止部に係止される、被係止部を有する。
【0028】
また、請求項21に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項20に記載の鳥害防止具において、前記挿入部は、前記取付部に挿入されたとき前記閉塞部の内側に位置してその閉塞部が前記取付部内に変位するのを規制する、規制壁を有する。これにより、電線に取り付けられた鳥害防止具どうしを連結すると、挿入部の規制壁が、閉塞部の内側に配置される。こうして、規制壁が、閉塞部が取付部内に変位するのを規制するため、鳥害防止具が電線から外れるのを的確に防ぐことができる。
【0029】
また、請求項22に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項16ないし21のいずれか1項に記載の鳥害防止具において、前記電線に沿う方向の両端側に、前記取付部が配置される。そして、鳥害防止具は、前記取付部どうしの近接および離間を防止するように、前記取付部間に架設される架設部を備える。
【0030】
また、請求項23に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項22に記載の鳥害防止具において、前記架設部は、前記取付部の上方に配置される。そして、前記開口部は、前記両取付部において、相反する側方部に配置される。これにより、鳥害防止具を電線に取り付ける際には、両開口部を電線と対向させるように、架設部を電線とクロスさせてその電線上に載置することで、その取付作業が容易となる。
【0031】
また、請求項24に記載の発明に係る鳥害防止具は、請求項15ないし23のいずれか1項に記載の鳥害防止具において、前記鳥害防止具は、前記取付部から下方に延設されて絶縁ヤットコで把持される、把持部を備える。
【0032】
また、請求項25に記載の発明に係る鳥害防止具の配設構造は、請求項15ないし24のいずれか1項に記載の鳥害防止具を電線に配設した配設構造であって、鳥害防止具が、取付部と係合部との係合により連結されて、電線に沿って複数並設状態に配設されてなる。
【0033】
また、請求項26に記載の発明に係る鳥害防止具の配設構造は、請求項25に記載の配設構造において、前記電線には、連結された前記複数の鳥害防止具の最両端に対向して、それら鳥害防止具が電線に沿って移動するのを防止する抑制具が固定されている。
【0034】
また、請求項27に記載の発明に係る鳥害防止具の配設方法は、請求項15ないし24のいずれか1項に記載の鳥害防止具を、電線に沿って複数並設状態に配設する方法であって、電線の一方において、鳥害防止具を順に電線に取り付けるとともに、互いの取付部と係合部とを係合させて、それら鳥害防止具を、順次、前記電線の他方に向けて送り出す。この配設方法によると、電線への鳥害防止具の配設を、電線の一方で行なうことができ、その配設作業が容易となる。
【0035】
また、請求項28に記載の発明に係る鳥害防止具の回収方法は、請求項25に記載の鳥害防止具の配設構造における鳥害防止具を、電線から回収する方法であって、電線の一方において、順次、鳥害防止具を引き寄せ、互いの取付部と係合部との係合を外して、前記鳥害防止具を順に前記電線から取り外す。この回収方法によると、電線からの鳥害防止具の回収を、電線の一方で行なうことができ、その回収作業が容易となる。
【発明の効果】
【0036】
この発明によれば、連結された鳥害防止具が、個別に回転することで、これら連結された鳥害防止具の、電線回りの回転を円滑にして、錘による姿勢の保持を的確に行なうことができ、かつ、鳥害防止具どうしを外れ難くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1〜図10は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、鉄塔とか電柱に架設される電線(架空線)である。2は、前記電線1に取り付けられる鳥害防止具である。3は、前記鳥害防止具2を他の鳥害防止具2と連結する連結具である。4は、前記鳥害防止具2と前記連結具3とからなる鳥害防止装置である。5は、前記鳥害防止具2を前記電線1に配設した配設構造である。
【0039】
鳥害防止具2は、電線1に遊びのある状態で嵌まる取付部6と、電線1の上方に配置されて電線1へ鳥がとまるのを防止する防止部7と、その防止部7を電線1の上方に保持すべく、取付部6および防止部7と一体となるとともに電線1の下方に配置される錘8とを備えている。図示実施の形態においては、前記取付部6の外形は、曲線部を備えた環状を呈しているが、電線1の外周を囲むことができるような外形であればよく、直線部によって構成された多角形状からなる非環状であっても構わないし、また、完全につながったループを形成するものでなくともよい。
【0040】
また、ここにおいて、図5に示すように、取付部6を電線1の径方向にその電線1に向けて移動させることで、取付部6内に電線1を受け入れるよう、取付部6は、その取付部6の周壁6aが分断されて開口する開口部6bを有する。詳細には、取付部6の周壁6aの一部が、弾性を備えて前記開口部6bを閉塞する閉塞部6cとなり、取付部6を電線1の径方向にその電線1に向けて移動させて、閉塞部6cを電線1で押して取付部6内へ変位させるとで前記開口部6bが形成される。
【0041】
また、鳥害防止具2は、電線1に沿う方向の両端側に(図示実施の形態においては、両端に)、前記取付部6が配置される。そして、鳥害防止具2は、取付部6、6どうしの近接および離間を防止するように、取付部6、6間に架設される架設部9を備えている。さらに、鳥害防止具2は、取付部6から下方に延設されて絶縁ヤットコ(図示せず)で把持される、把持部10を備えている。
【0042】
連結具3は、電線1との間に遊びを有する。そして、連結具3は、電線1に沿って並設された鳥害防止具2、2を、電線1回りの個別の回転を妨げることなく連結するように、隣り合うそれぞれの鳥害防止具2、2の取付部6、6と係合する一対の係合部11、11を備える。ここにおいて、係合部11は、鳥害防止具2と連結具3とを電線1に沿って相対的に近接させることで、取付部6に係合するように、電線1に沿う方向に突設されている。詳細には、係合部11は、鳥害防止具2の取付部6と電線1との間に挿入される挿入部11aからなる。そして、挿入部11aは、取付部6に対して抜け止めされるよう、取付部6の挿入側とは反対側の端面に設けられた係止部6dに係止される、被係止部11bを有している。また、挿入部11aは、取付部6に挿入されたときその取付部6に設けられた閉塞部6cの内側に位置してその閉塞部6cが取付部6内に変位するのを規制する、規制壁11cを有する。
【0043】
具体的には、鳥害防止具2は、前記取付部6と前記錘8と前記把持部10とを備えた取付体2aと、前記架設部9としてのバー材9aと、前記防止部7としてのコイルバネ7aとからなる。
【0044】
取付部6においては、図5に示すように、開口部6bは、取付部6における側方部(詳細には、両取付部6、6において、相反する側方部)に配置される。すなわち、開口部6bは、錘8とコイルバネ7aとを結ぶ平面上からずれて、電線1の側方となる位置に形成される。そして、閉塞部6cは、基端6e側を下側とし、自由端6f側を上側となるように設けられている。詳細には、閉塞部6cは、基端6eが、取付部6における下端部分に位置し、自由端6fが、取付部6における中央よりも若干上に位置する。すなわち、取付部6は、開口部6bを形成するように、中央よりも若干上にて、周壁6aが分断されて、その分断された一方の先端部が、弾性を備えた閉塞部6cの変位可能な前記自由端6fとなり、分断された他方の先端部が、変位しない支持端6gとなっている。そして、これら自由端6fと支持端6gには、互いに係合する係合爪6h、6hが設けられている。また、取付部6の周壁6aは、ループを形成する、前記支持端6gを有する周壁本体6iおよび前記閉塞部6cの他に、内部壁6jを備えている。この内部壁6jは、周壁本体6iにおける、中間位置と、支持端6g側とは反対の端部とを繋ぐ(図示実施の形態においては、湾曲して繋ぐ)ものであり、周壁本体6iよりも薄肉に形成されて、その周壁本体6iよりも変形が容易となっている。そして、この内部壁6jにより、取付部6内は、電線1(図示実施の形態においては、電線1および挿入部11a)が通る電線収容空間6kと、余剰空間6mとに分離される。つまり、電線収容空間6kは、周壁本体6iの一部と閉塞部6cと内部壁6jとで囲まれ、余剰空間6mは、周壁本体6iの残された部分(内部壁対向部6n)と内部壁6jとで囲まれる。
【0045】
また、取付部6は、その上端に、バー材9aが固定される固定部6pを有している。この固定部6pには、口元側(上方側)において開口幅が狭められた溝6qが設けられており、その溝6qの側面に、係止凹部6rが形成されている(図2参照)。
【0046】
把持部10は、取付部6の下方に位置して、その取付部6に、固着具としてのビス12により着脱可能に固定される。この把持部10は、絶縁ヤットコによる把持が容易となるよう、平状部10aを備えている。また、把持部10は、前記錘8を保持する錘保持部ともなっており、錘8が内部に収容されるよう、中空(詳細には筒状)に形成されている。
【0047】
バー材9aは、取付部6の上方に配置される。つまり、バー材9aは、その長手方向の各端に、取付部6における固定部6pに固定される被固定部9bを有している。そして、被固定部9bには、固定部6pの係止凹部6rに係止される被係止爪9cが形成されている。そこで、被固定部9bを固定部6pの溝6qに挿入すると、被係止爪9cが係止凹部6rに係止されて、バー材9aは、取付部6に仮止めされる。次いで、バー材9aは、固着具としてのビス13により、取付部6に本止めされる。また、バー材9aは、両端および中間の適宜位置に、コイルバネ7aが着脱可能に掛け止められる掛止部9dを有している。図示実施の形態においては、掛止部9dは、バー材9aから上方に若干突出してバー材9aの長手方向に延びるように形成されている。したがって、コイルバネ7aをバー材9aの長手方向に移動させることで、そのコイルバネ7aを掛止部9dに掛けることができる。こうして、バー材9aは、両取付部6、6を繋ぐ架設部として機能するだけでなく、コイルバネ7aを支持する支持材としても機能し、コイルバネ7aは、このバー材9aを介して、取付部6と一体となる。
【0048】
コイルバネ7aは、合成樹脂等の線材が、螺旋状に巻かれて形成されている。このコイルバネ7aは、その螺旋が、鳥の足が通ることがない間隔を有しており、また、鳥がコイルバネ7aに足を掛けたとしても、コイルバネ7aが倒れて、鳥がコイルバネ7a上に留まることができないようになっている。そして、このコイルバネ7aは、バー材9aに沿って、そのバー材9aの略全長に渡るように、つまり鳥害防止具2の略全長に渡るように配置される。また、コイルバネ7aが、支持材としてのバー材9aに着脱可能に取り付けられることで、コイルバネ7aに不具合がでたとき、コイルバネ7aを含めた鳥害防止具2の全体を交換する必要はなく、このコイルバネ7aのみを交換すればよい。
【0049】
連結具3は、図1および図4に示すように、筒状に形成されて、中間部3aを挟む各端部が、前記挿入部11a(係合部11)となっている。また、前記被係止部11bは、挿入部11aの先端部分において先細り状に径方向に突出して形成されている。そして、挿入部11aと中間部3aとの境界部分には、鍔状に突出した突設部3bが設けられている。したがって、この挿入部11aが鳥害防止具2の取付部6に挿入されると、その取付部6は、被係止部11bと突設部3bとに挟まれることとなる。また、中間部3aには、この中間部3aにおいて、電線1とか連結具3へ鳥がとまるのを防止する第2の防止部3cが設けられている。この第2の防止部3cは、中間部3aの上部部分から、上方に突出して形成されている。図示実施の形態においては、第2の防止部3cは、鳥が爪で掴むことが困難となるような、薄い板状に形成されている。そして、この第2の防止部3cは、絶縁ヤットコ(図示せず)で把持される第2の把持部3fともなっている。
【0050】
また、この連結具3は、両挿入部11a、11aにおいて、相反する側方部が開方された第1開放部11d、11dを有し、中間部3aにおいて、下方部および両側方部が開放されて前記第1開放部11d、11dに通ずる第2開放部3dを有している。そこで、この連結具3を電線1に取り付ける際には、連結具3を電線1と交差させた状態でその電線1に近接させるようにして、電線1を第2開放部3dから進入させる。その後、連結具3を、電線1に沿う方向を向くようにひねって、電線1を第1開放部11d、11dから連結具3内に進入させる。反対に、連結具3を電線1から取り外すには、連結具3をひねるようにして、電線1を第1開放部11d、11dから外に出し、その後、連結具3を電線1から離すようにして、電線1を第2開放部3dから外に出す。また、挿入部11aは、第1開放部11dにより、縮径方向に弾性変形可能となっている。したがって、この挿入部11aが取付部6に挿入される際に縮径することで、被係止部11bは、取付部6内を通過する。
【0051】
ところで、鳥害防止具2および連結具3には、鳥害防止具2、2どうしを連結具3によって連結した際、一方の鳥害防止具2と連結具3との、相対的な回転を規制するように、互いに掛かり合う第1の掛合部2bおよび第2の掛合部3e、が設けられている。図示実施の形態においては、第1の掛合部2bは、鳥害防止具2における取付部6の内面上部に設けられた凹部からなる。そして、第2の掛合部3eは、連結具3における一方の挿入部11aの外面上部に設けられた凸部からなる。こうして、鳥害防止具2、2どうしが連結具3によって連結されると、第1の掛合部2bと第2の掛合部3eとが掛かり合うことで、連結具3は、一方の鳥害防止具2と一体となって電線1回りに回転可能となるが、他方の鳥害防止具2とは、挿入部11aと取付部6とが互いを電線1回り方向に案内することで、相対的に回転可能となっている。そして、一方の鳥害防止具2において、防止部7が錘8により上方に保持されることで、連結具3は、第2の防止部3cが上方に保持される。
【0052】
そして、鳥害防止具2の配設構造5は、図10に示すように、鳥害防止具2、2が、連結具3により連結されて、電線1に沿って複数並設状態に配設されてなる。このとき、電線1には、連結された複数の鳥害防止具2、2の最両端(図示実施の形態においては、最両端に位置する取付部6、6の外側端面)に対向して、それら鳥害防止具2、2が電線1に沿って移動するのを防止する抑制具(図示せず)が固定されるのが好ましい。この抑制具は、例えば、自身の弾性力とかビス等の締付具による締付力等によって、電線1を挟み込むようにして、電線1に固定される。
【0053】
次に、鳥害防止具2を電線1に沿って複数並設状態に配設する、鳥害防止具2の配設方法について説明する。この配設方法は、電線1の一方において、鳥害防止具2と連結具3とを交互に電線1に取り付けるとともに、互いの取付部6と挿入部11a(係合部11)とを係合させて、それら鳥害防止具2と連結具3とを、順次、電線1の他方に向けて送り出す。詳細には、始めに、図6に示すように、電線1の一方において、一つ目の鳥害防止具2を電線1に取り付ける。そして、その鳥害防止具2を、電線1の他方に向けて送り出す。その後、図7に示すように、電線1の一方において、連結具3を電線1に取り付ける。そして、図8に示すように、連結具3を電線1の他方に向けて送り出すようにして、その連結具3を鳥害防止具2に近接させ、挿入部11aを取付部6に係合させ、さらに、電線1の一方において、二つ目の鳥害防止具2を、電線1に取り付ける。そして、図9に示すように、二つ目の鳥害防止具2を電線1の他方に向けて送り出すようにして、その鳥害防止具2を連結具3に近接させて、取付部6を挿入部11aに係合させる。こうして、一つ目の鳥害防止具2と二つ目の鳥害防止具2とを連結する。ここで、二つ目の鳥害防止具2の両方の取付部6を電線1に嵌めてから、取付部6を挿入部11aに係合させてもよいが、他に、二つ目の鳥害防止具2の、電線1の他方側に位置する取付部6のみを電線1に嵌めてから、その取付部6を挿入部11aに係合させ、その後に、もう一つの取付部6を電線1に嵌めても構わない。このようにして、電線1の一方において、鳥害防止具2と連結具3とを交互に電線1に取り付けて、それら鳥害防止具2と連結具3とを繋げ、電線1の他方に向けて送り出すことで、複数の鳥害防止具2、2が、連結された状態で電線1に沿って配設される(図10参照)。
【0054】
また、反対に、鳥害防止具2を電線1から回収する、鳥害防止具2の回収方法は、電線1の一方において、順次、鳥害防止具2と連結具3とを引き寄せ、互いの取付部6と挿入部11a(係合部11)との係合を外して、鳥害防止具2と連結具3とを交互に電線1から取り外す。ここで、取付部6と挿入部11aとの係合を外したり、鳥害防止具2を電線1から取り外すには、先ず、取付部6の周壁本体6iにおける内部壁対向部6nを切断する。そして、取付部6と挿入部11aとの係合を外す場合は、鳥害防止具2を揺すって内部壁6jを変形させることで、電線収容空間6kを広げて、係止部6dへの被係止部11bの係止を外すとともに、取付部6と挿入部11aとを離間させる。また、鳥害防止具2を電線1から取り外す場合は、取付部6と挿入部11aとを離間させた後、さらに鳥害防止具2を揺すって内部壁6jを変形させて、係合爪6h、6hどうしの係合を外すとともに、閉塞部6cの自由端6fと周壁本体6iの支持端6gとの間を開く。そこで、その開いた開口部6bから電線1を外に出すようにして、鳥害防止具2を電線1から取り外す。そして、連結具3を電線1から取り外すには、取付部6と挿入部11aとが離間した状態で、前述したように、連結具3をひねって電線1から取り外す。なお、鳥害防止具2を電線1に配設したり電線1から回収したりする際には、絶縁ヤットコを用いて、鳥害防止具2の把持部10とか連結具3の第2の把持部3fを把持して、その作業を行なうのがよい。
【0055】
この鳥害防止具2を含む鳥害防止装置4および配設構造5によると、鳥害防止具2は、電線1に取り付けられると、錘8によって姿勢が保たれて、コイルバネ7a(防止部7)が電線1の上方に保持される。そして、鳥害防止具2、2どうしは、連結具3によって、つまり、連結具3の挿入部11a(係合部11)が鳥害防止具2の取付部6と係合することで(詳細には、挿入部11aが取付部6に挿入され、挿入部11aに設けられた被係止部11bが、取付部6に設けられた係止部6dに係止されることで)、連結される。このとき、挿入部11aは、電線1に沿う方向に突設されて、鳥害防止具2と連結具3とを電線1に沿って相対的に近接させることで、取付部6に係合するため、この連結が容易に行なわれる。また、連結された鳥害防止具2、2は、全体が一体となって電線1回りに回転するのではなく、個別に回転するため、その電線1回りの回転が円滑となり、錘8による姿勢の保持が的確となる。しかも、鳥害防止具2が、電線1回りに個別に回転することで、鳥害防止具2、2どうしが、回転方向に干渉することがないため、余計な力がかからず、これら鳥害防止具2、2どうしは、外れ難くなる。このように、この鳥害防止装置4および配設構造5によると、連結された鳥害防止具2、2が、電線1回りに個別に回転することで、これら連結された鳥害防止具2、2の、電線1回りの回転を円滑にして、錘8による姿勢の保持を的確に行なうことができ、かつ、鳥害防止具2、2どうしを外れ難くすることができる。
【0056】
また、鳥害防止具2、2どうしを連結するにあたって、連結具3の挿入部11aが、取付部6と電線1との間に挿入される。このため、第2の掛合部3eが設けられていない側の挿入部11aが挿入された取付部6は、挿入部11a上を回転することとなって、電線1と擦ることがなく、その回転が円滑となる。
【0057】
また、鳥害防止具2を電線1に取り付ける際には、取付部6を電線1の径方向にその電線1に向けて移動させて、閉塞部6cを電線1で押して取付部6内へ変位させる。この閉塞部6cの変位により、開口部6bが形成され、その開口部6bから、電線1を取付部6内に受け入れることができる。そして、電線1が取付部6内に入ると、閉塞部6cが弾性復帰することで、開口部6bが閉じる。また、鳥害防止具2において、バー材9a(架設部9)が取付部6の上方に配置され、開口部6bが、両取付部6、6において、相反する側方部に配置されることから、鳥害防止具2を電線1に取り付ける際には、両開口部6b、6bを電線1と対向させるように、バー材9aを電線1とクロスさせてその電線1上に載置することで、その取付作業が容易となる。
【0058】
また、電線1に取り付けられた鳥害防止具2、2どうしを、連結具3によって連結すると、連結具3における挿入部11aの規制壁11cが、鳥害防止具2における閉塞部6cの内側に配置される。こうして、規制壁11cが、閉塞部6cが取付部6内に変位するのを規制するため、鳥害防止具2が電線1から外れるのを的確に防ぐことができる。
【0059】
また、鳥害防止具2の配設方法によると、電線1への鳥害防止具2の配設を、電線1の一方で行なうことができ、その配設作業が容易となる。同様に、鳥害防止具2の回収方法によると、電線1からの鳥害防止具2の回収を、電線1の一方で行なうことができ、その回収作業が容易となる。
【0060】
図11〜図15は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態では、第一の実施の形態とは、連結具3に替えて、鳥害防止具2自身に、連結のための係合部11が設けられる点が異なるが、他はほぼ同様であり、以下に、同一の機能を有する部位には、同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
【0061】
この鳥害防止具2は、取付部6、防止部7としてのコイルバネ7a、錘8、および架設部9としてのバー材9aの他に、係合部11を備えている。この係合部11は、電線1に沿って並設された鳥害防止具2、2を、電線1回りの個別の回転を妨げることなく連結するように、隣り合う相手側の鳥害防止具2の取付部6と係合するものである。そして、この係合部11は、隣り合う鳥害防止具2、2を電線1に沿って相対的に近接させることで、隣り合う相手側の鳥害防止具2の取付部6に係合するように、電線1に沿う方向に突設されている。詳細には、係合部11は、取付部6と電線1との間に挿入される挿入部11aからなる。そして、この挿入部11aと取付部6とが互いを電線1回り方向に案内することで、鳥害防止具2、2どうしは、相対的に回転可能となる。また、挿入部11aは、取付部6に対して抜け止めされるよう、取付部6の挿入側とは反対側の端面に設けられた係止部6dに係止される、被係止部11bを有している。また、挿入部11aは、取付部6に挿入されたときその取付部6に設けられた閉塞部6cの内側に位置してその閉塞部6cが取付部6内に変位するのを規制する、規制壁11cを有する。
【0062】
具体的には、挿入部11a(係合部11)は、鳥害防止具2における両取付部6、6のうちの一方の取付部6から延設されている。詳細には、この挿入部11aは、一方の取付部6から、電線1に沿う方向に、筒状に突設されている。より詳細には、挿入部11aは、取付部6の周壁本体6iにおける電線収容空間6kを囲む部分から、電線1に沿う方向に突設されることで、閉塞部6c側に、開放された開放部11eを有している。したがって、電線1が、閉塞部6cを押して開口部(図示せず)から取付部6内に進入するのと同時に、その電線1は、開放部11eから挿入部11a内に進入する。また、挿入部11aの外面は、取付部6の外面よりも一段下がっている。そして、前記被係止部11bは、挿入部11aの先端部分において先細り状に径方向に突出して形成されている。したがって、挿入部11aが隣り合う相手側の鳥害防止具2の取付部6に挿入されると、その相手側の鳥害防止具2の取付部6は、被係止部11bと取付部6とに挟まれることとなる。なお、挿入部11aは、開放部11eにより、縮径方向に弾性変形可能となっている。したがって、この挿入部11aが取付部6に挿入される際に縮径することで、被係止部11bは、取付部6内を通過する。
【0063】
この鳥害防止具2を電線1に配設した、鳥害防止具2の配設構造5は、図15に示すように、鳥害防止具2、2が、取付部6と挿入部11a(係合部11)との係合により連結されて、電線1に沿って複数並設状態に配設されてなる。ここで、第一の実施の形態と同様に、電線1には、連結された複数の鳥害防止具2、2の最両端に対向して、それら鳥害防止具2、2が電線1に沿って移動するのを防止する抑制具(図示せず)が固定されるのが好ましい。
【0064】
次に、鳥害防止具2を電線1に沿って複数並設状態に配設する、鳥害防止具2の配設方法について説明する。この配設方法は、電線1の一方において、鳥害防止具2を順に電線1に取り付けるとともに、互いの取付部6と挿入部11a(係合部11)とを係合させて、それら鳥害防止具2、2を、順次、電線1の他方に向けて送り出す。詳細には、始めに、図12に示すように、電線1の一方において、一つ目の鳥害防止具2を電線1に取り付ける。そして、その鳥害防止具2を、電線1の他方に向けて送り出す。次いで、図13に示すように、電線1の一方において、二つ目の鳥害防止具2を、電線1に取り付ける。そして、図14に示すように、二つ目の鳥害防止具2を電線1の他方に向けて送り出すようにして、その鳥害防止具2を一つ目の鳥害防止具2に近接させて、取付部6を挿入部11aに係合させる。こうして、一つ目の鳥害防止具2と二つ目の鳥害防止具2とを連結する。ここで、二つ目の鳥害防止具2の両方の取付部6、6を電線1に嵌めてから、取付部6を挿入部11aに係合させてもよいが、他に、二つ目の鳥害防止具2の、電線1の他方側に位置する取付部6のみを電線1に嵌めてから、取付部6を挿入部11aに係合させ、その後に、もう一つの取付部6を電線1に嵌めても構わない。このようにして、電線1の一方において、鳥害防止具2を、順次、電線1に取り付けて、それら鳥害防止具2、2を繋げ、電線1の他方に向けて送り出すことで、複数の鳥害防止具2、2が、連結された状態で電線1に沿って配設される(図15参照)。
【0065】
また、反対に、鳥害防止具2を電線1から回収する、鳥害防止具2の回収方法は、電線1の一方において、順次、鳥害防止具2を引き寄せ、互いの取付部6と挿入部11a(係合部11)との係合を外して、鳥害防止具2を順に電線1から取り外す。ここで、取付部6と挿入部11aとの係合を外したり、鳥害防止具2を電線1から取り外すには、先ず、取付部6の周壁本体6iにおける内部壁対向部6nを切断する。そして、取付部6と挿入部11aとの係合を外す場合は、鳥害防止具2を揺すって内部壁6jを変形させることで、電線収容空間6kを広げて、係止部6dへの被係止部11bの係止を外すとともに、取付部6と挿入部11aとを離間させる。また、鳥害防止具2を電線1から取り外す場合は、取付部6と挿入部11aとを離間させた後、さらに鳥害防止具2を揺すって内部壁6jを変形させて、係合爪6h、6hどうしの係合を外すとともに、閉塞部6cの自由端6fと周壁本体6iの支持端6gとの間を開く。そこで、その開いた開口部(挿入部11aが設けられた側の取付部6においては、その開いた開口部および挿入部11aの開放部11e)から電線1を外に出すようにして、鳥害防止具2を電線1から取り外す。なお、鳥害防止具2を電線1に配設したり電線1から回収したりする際には、絶縁ヤットコを用いて、鳥害防止具2の把持部10を把持して、その作業を行なうのがよい。
【0066】
この鳥害防止具2および配設構造5によると、鳥害防止具2は、電線1に取り付けられると、錘8によって姿勢が保たれて、コイルバネ7a(防止部7)が電線1の上方に保持される。そして、鳥害防止具2、2どうしは、挿入部11a(係合部11)が取付部6と係合することで(詳細には、挿入部11aが取付部6に挿入され、挿入部11aに設けられた被係止部11bが、取付部6に設けられた係止部6dに係止されることで)、連結される。このとき、挿入部11aは、電線1に沿う方向に突設されて、鳥害防止具2、2どうしを電線1に沿って相対的に近接させることで、取付部6に係合するため、この連結が容易に行なわれる。また、連結された鳥害防止具2、2は、全体が一体となって電線1回りに回転するのではなく、個別に回転するため、その電線1回りの回転が円滑となり、錘8による姿勢の保持が的確となる。しかも、鳥害防止具2が、電線1回りに個別に回転することで、鳥害防止具2、2どうしが、回転方向に干渉することがないため、余計な力がかからず、これら鳥害防止具2、2どうしは、外れ難くなる。このように、この鳥害防止具2および配設構造5によると、連結された鳥害防止具2、2が、電線1回りに個別に回転することで、これら連結された鳥害防止具2、2の、電線1回りの回転を円滑にして、錘8による姿勢の保持を的確に行なうことができ、かつ、鳥害防止具2、2どうしを外れ難くすることができる。
【0067】
また、鳥害防止具2、2どうしを連結するにあたって、挿入部11aが、取付部6と電線1との間に挿入される。このため、その挿入部11aが挿入された取付部6は、挿入部11a上を回転することとなって、電線1と擦ることがなく、その回転が円滑となる。
【0068】
また、鳥害防止具2を電線1に取り付ける際には、取付部6を電線1の径方向にその電線1に向けて移動させて、閉塞部6cを電線1で押して取付部6内へ変位させる。この閉塞部6cの変位により、開口部が形成され、その開口部から、電線1を取付部6内に受け入れることができる。そして、電線1が取付部6内に入ると、閉塞部6cが弾性復帰することで、開口部が閉じる。また、鳥害防止具2において、バー材9a(架設部9)が取付部6の上方に配置され、開口部が、両取付部6、6において、相反する側方部に配置されることから、鳥害防止具2を電線1に取り付ける際には、両開口部を電線1と対向させるように、バー材9aを電線1とクロスさせてその電線1上に載置することで、その取付作業が容易となる。
【0069】
また、電線1に取り付けられた鳥害防止具2、2どうしを連結すると、挿入部11aの規制壁11cが、閉塞部6cの内側に配置される。こうして、規制壁11cが、閉塞部6cが取付部6内に変位するのを規制するため、鳥害防止具2が電線1から外れるのを的確に防ぐことができる。
【0070】
また、鳥害防止具2の配設方法によると、電線1への鳥害防止具2の配設を、電線1の一方で行なうことができ、その配設作業が容易となる。同様に、鳥害防止具2の回収方法によると、電線1からの鳥害防止具2の回収を、電線1の一方で行なうことができ、その回収作業が容易となる。
【0071】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、防止部7は、コイルバネ7aからならなくとも、図16に示すように、バー材9aから上方に向かって針状に突出する、複数の突出片14、14からなっていてもよいなど、特定の形状、構造に限定されない。
【0072】
また、バー材9a(架設部9)は、取付部6の上方に配置されなくとも、図17に示すように、取付部6の下方に配置されてもよい。この図17においては、コイルバネ7a(防止部7)は、取付部6に着脱可能に取り付けられ、取付部6は、コイルバネ7aを支持する支持材としても機能する。そして、錘8は、バー材9aの中央から下方に延設されている。
【0073】
また、取付部6は、鳥害防止具2における両端側に配置されているが、両端側に加えて、それらの中間位置に配置されてもよい。また、取付部6は、鳥害防止具2における両端側に替えて、例えば、中央に配置されてもよい。
【0074】
また、挿入部11a(係合部11)における被係止部11bは、取付部6の挿入側とは反対側の端面に設けられなくとも、取付部6の内面に設けられてもよい。
【0075】
また、係合部11は、取付部6と電線1との間に挿入される挿入部11aからならなくとも、取付部6の外側に嵌まるものであってもよい。すなわち、係合部11と取付部6とは、雄雌の嵌合であればよく、係合部11が雄となり、取付部6が雌となる以外に、係合部11が凹状に電線1に沿う方向に突設されて雌となり、取付部6が雄となってもよい。
【0076】
また、第二の実施の形態において、鳥害防止具2は、挿入部11a(係合部11)が設けられた取付部6が、電線1の一方側に位置する向きで、配設されているが、その向きを逆にして配設されても構わない。
【0077】
また、参考例ではあるが、図18に示すように、鳥害防止具2における、コイルバネ7aとバー材9aとを用い、ベランダ等の手摺等に取り付けることで、鳥による被害を防止してもよい。なお、この図18において、符号15は、隣り合うバー材9a、9aを連結する連結部材である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】この発明の第一の実施の形態の、鳥害防止装置の斜視図である。
【図2】同じく、取付体の斜視図である。
【図3】同じく、バー材の正面図である。
【図4】同じく、連結具を示し、(a)は、正面図、(b)は、一部省略右側面図、(b´)は、一部省略左側面図である。
【図5】同じく、鳥害防止具を電線に取り付ける過程を示す、断面図である。
【図6】同じく、一つ目の鳥害防止具を電線に取り付けた状態を示す、斜視図である。
【図7】加えて、連結具を電線に取り付けた状態を示す、斜視図である。
【図8】加えて、連結具を一つ目の鳥害防止具に接続し、二つ目の鳥害防止具を電線に取り付けた状態を示す、斜視図である。
【図9】加えて、二つ目の鳥害防止具を連結具に接続した状態を示す、斜視図である。
【図10】同じく、鳥害防止構造の斜視図である。
【図11】この発明の第二の実施の形態の、鳥害防止具の斜視図である。
【図12】同じく、一つ目の鳥害防止具を電線に取り付けた状態を示す、斜視図である。
【図13】加えて、二つ目の鳥害防止具を電線に取り付けた状態を示す、斜視図である。
【図14】加えて、二つ目の鳥害防止具を一つ目の鳥害防止具に連結した状態を示す、斜視図である。
【図15】同じく、鳥害防止構造の斜視図である。
【図16】この発明の他の実施の形態の、鳥害防止具の斜視図である。
【図17】この発明のさらに他の実施の形態の、鳥害防止具の斜視図である。
【図18】参考例ではあるが、鳥害防止具の応用例を示す斜視図である。
【図19】従来の鳥害防止具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1 電線
2 鳥害防止具
3 連結具
4 鳥害防止装置
5 配設構造
6 取付部
6a 周壁
6b 開口部
6c 閉塞部
6d 係止部
6e 基端
6f 自由端
7 防止部
7a コイルバネ(防止部)
8 錘
9 架設部
9a バー材(架設部)
10 把持部
11 係合部
11a 挿入部(係合部)
11b 被係止部
11c 規制壁
14 突出片(防止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線に取り付けられる鳥害防止具と、その鳥害防止具を他の鳥害防止具と連結する連結具とからなる、鳥害防止装置であって、
前記鳥害防止具は、電線に遊びのある状態で嵌まる取付部と、前記電線の上方に配置されて前記電線へ鳥がとまるのを防止する防止部と、その防止部を前記電線の上方に保持すべく、前記取付部および前記防止部と一体となるとともに前記電線の下方に配置される錘とを備え、
前記連結具は、前記電線との間に遊びを有し、かつ、前記連結具は、前記電線に沿って並設された前記鳥害防止具を、前記電線回りの個別の回転を妨げることなく連結するように、隣り合うそれぞれの鳥害防止具の前記取付部と係合する一対の係合部を備え、
前記係合部は、前記鳥害防止具と前記連結具とを前記電線に沿って相対的に近接させることで、前記取付部に係合するように、前記電線に沿う方向に突設されていることを特徴とする鳥害防止装置。
【請求項2】
前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させることで、前記取付部内に前記電線を受け入れるよう、前記取付部は、その取付部の周壁が分断されて開口する開口部を有することを特徴とする、請求項1に記載の鳥害防止装置。
【請求項3】
前記周壁の一部が、弾性を備えて前記開口部を閉塞する閉塞部となり、前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させて、前記閉塞部を前記電線で押して前記取付部内へ変位させることで前記開口部が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の鳥害防止装置。
【請求項4】
前記開口部は、前記取付部における側方部に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の鳥害防止装置。
【請求項5】
前記閉塞部は、基端側を下側とし、自由端側を上側となるように設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の鳥害防止装置。
【請求項6】
前記係合部は、前記取付部と前記電線との間に挿入される挿入部からなり、
前記挿入部は、前記取付部の内面に、または、前記取付部の挿入側とは反対側の端面に、設けられた係止部に係止される、被係止部を有することを特徴とする、請求項4または5に記載の鳥害防止装置。
【請求項7】
前記挿入部は、前記取付部に挿入されたとき前記閉塞部の内側に位置してその閉塞部が前記取付部内に変位するのを規制する、規制壁を有することを特徴とする、請求項6に記載の鳥害防止装置。
【請求項8】
前記鳥害防止具は、前記電線に沿う方向の両端側に、前記取付部が配置され、また、
前記鳥害防止具は、前記取付部どうしの近接および離間を防止するように、前記取付部間に架設される架設部を備えることを特徴とする、請求項2ないし7のいずれか1項に記載の鳥害防止装置。
【請求項9】
前記架設部は、前記取付部の上方に配置され、
前記開口部は、前記両取付部において、相反する側方部に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の鳥害防止装置。
【請求項10】
前記鳥害防止具は、前記取付部から下方に延設されて絶縁ヤットコで把持される、把持部を備えることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の鳥害防止装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の鳥害防止装置における鳥害防止具を電線に配設した配設構造であって、
鳥害防止具が、連結具により連結されて、電線に沿って複数並設状態に配設されてなることを特徴とする、鳥害防止具の配設構造。
【請求項12】
前記電線には、連結された前記複数の鳥害防止具の最両端に対向して、それら鳥害防止具が電線に沿って移動するのを防止する抑制具が固定されていることを特徴とする、請求項11に記載の、鳥害防止具の配設構造。
【請求項13】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の鳥害防止装置における鳥害防止具を、電線に沿って複数並設状態に配設する方法であって、
電線の一方において、鳥害防止具と連結具とを交互に電線に取り付けるとともに、互いの取付部と係合部とを係合させて、それら鳥害防止具と連結具とを、順次、前記電線の他方に向けて送り出すことを特徴とする、鳥害防止具の配設方法。
【請求項14】
請求項11に記載の鳥害防止具の配設構造における鳥害防止具を、電線から回収する方法であって、
電線の一方において、順次、鳥害防止具と連結具とを引き寄せ、互いの取付部と係合部との係合を外して、前記鳥害防止具と前記連結具とを交互に前記電線から取り外すことを特徴とする、鳥害防止具の回収方法。
【請求項15】
電線に取り付けられる鳥害防止具であって、
電線に遊びのある状態で嵌まる取付部と、前記電線の上方に配置されて前記電線へ鳥がとまるのを防止する防止部と、その防止部を前記電線の上方に保持すべく、前記取付部および前記防止部と一体となるとともに前記電線の下方に配置される錘とを備え、また、
前記電線に沿って並設された前記鳥害防止具を、前記電線回りの個別の回転を妨げることなく連結するように、隣り合う相手側の鳥害防止具の前記取付部と係合する係合部を備え、
前記係合部は、隣り合う前記鳥害防止具を前記電線に沿って相対的に近接させることで、隣り合う相手側の鳥害防止具の前記取付部に係合するように、前記電線に沿う方向に突設されていることを特徴とする鳥害防止具。
【請求項16】
前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させることで、前記取付部内に前記電線を受け入れるよう、前記取付部は、その取付部の周壁が分断されて開口する開口部を有することを特徴とする、請求項15に記載の鳥害防止具。
【請求項17】
前記周壁の一部が、弾性を備えて前記開口部を閉塞する閉塞部となり、前記取付部を前記電線の径方向にその電線に向けて移動させて、前記閉塞部を前記電線で押して前記取付部内へ変位させることで前記開口部が形成されることを特徴とする、請求項16に記載の鳥害防止具。
【請求項18】
前記開口部は、前記取付部における側方部に配置されることを特徴とする、請求項17に記載の鳥害防止具。
【請求項19】
前記閉塞部は、基端側を下側とし、自由端側を上側となるように設けられていることを特徴とする、請求項18に記載の鳥害防止具。
【請求項20】
前記係合部は、前記取付部と前記電線との間に挿入される挿入部からなり、
前記挿入部は、前記取付部の内面に、または、前記取付部の挿入側とは反対側の端面に、設けられた係止部に係止される、被係止部を有することを特徴とする、請求項18または19に記載の鳥害防止具。
【請求項21】
前記挿入部は、前記取付部に挿入されたとき前記閉塞部の内側に位置してその閉塞部が前記取付部内に変位するのを規制する、規制壁を有することを特徴とする、請求項20に記載の鳥害防止具。
【請求項22】
前記電線に沿う方向の両端側に、前記取付部が配置され、また、
前記取付部どうしの近接および離間を防止するように、前記取付部間に架設される架設部を備えることを特徴とする、請求項16ないし21のいずれか1項に記載の鳥害防止具。
【請求項23】
前記架設部は、前記取付部の上方に配置され、
前記開口部は、前記両取付部において、相反する側方部に配置されることを特徴とする、請求項22に記載の鳥害防止具。
【請求項24】
前記鳥害防止具は、前記取付部から下方に延設されて絶縁ヤットコで把持される、把持部を備えることを特徴とする、請求項15ないし23のいずれか1項に記載の鳥害防止具。
【請求項25】
請求項15ないし24のいずれか1項に記載の鳥害防止具を電線に配設した配設構造であって、
鳥害防止具が、取付部と係合部との係合により連結されて、電線に沿って複数並設状態に配設されてなることを特徴とする、鳥害防止具の配設構造。
【請求項26】
前記電線には、連結された前記複数の鳥害防止具の最両端に対向して、それら鳥害防止具が電線に沿って移動するのを防止する抑制具が固定されていることを特徴とする、請求項25に記載の、鳥害防止具の配設構造。
【請求項27】
請求項15ないし24のいずれか1項に記載の鳥害防止具を、電線に沿って複数並設状態に配設する方法であって、
電線の一方において、鳥害防止具を順に電線に取り付けるとともに、互いの取付部と係合部とを係合させて、それら鳥害防止具を、順次、前記電線の他方に向けて送り出すことを特徴とする、鳥害防止具の配設方法。
【請求項28】
請求項25に記載の鳥害防止具の配設構造における鳥害防止具を、電線から回収する方法であって、
電線の一方において、順次、鳥害防止具を引き寄せ、互いの取付部と係合部との係合を外して、前記鳥害防止具を順に前記電線から取り外すことを特徴とする、鳥害防止具の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−173032(P2008−173032A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7959(P2007−7959)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【出願人】(592190545)テクノ・サクセス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】