説明

鳥類ヘルペスウイルスをベースとした組換型鳥類用生ワクチン、特にガンボロ病用ワクチン

【課題】鳥類ヘルペスウィルス、特にマレック病ウィルス(MDV)、特にHVT ウィルス(七面鳥のヘルペスウィルス)をベースとし、これに遺伝子組み換えによって、ワクチン接種した動物を上記病原物質から効果的に保護する鳥類の病原物質の抗原ポリペプチドをコードし且つ発現する少なくとも1つの塩基配列が挿入された鳥類用の組換え生ワクチン
【解決方法】サイトメガロウィルス(CMV)即時初期(IE)プロモータの制御下でUL43遺伝子中に挿入され且つIBDVウィルスのポリペプチドVP2をコードする塩基配列を有する、マレック病ウィルス(MDV)の組換え生ウィルス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鳥類ヘルペスウィルス、特にマレック病(Marek's disease) ウィルス(MDV) 、特にHVT ウィルス(七面鳥のヘルペスウィルス)をベースとし、これに遺伝子組み換えによって、ワクチン接種した動物を上記病原物質から効果的に保護する免疫が行われるような条件で、鳥類の病原物質の抗原ポリペプチドをコードし且つ発現する少なくとも1つの塩基配列が挿入された鳥類用の組換え生ワクチンに関するものである。
本発明は、さらに、感染性喉頭器官炎ウィルス(ILTV)およびアヒルのヘルペスウィルスにも適用できる。
【背景技術】
【0002】
鳥類の病原物質、特にマレック病ウィルス(MDV)、ニューカッスル病ウィルス(NDV)、感染性喉頭器官炎ウィルス(ILTV)、ガンボロ病ウィルス(感染性滑液嚢炎ウィルスIBDV)、感染性気管支炎ウィルス(IBV)および鳥類の貧血症ウィルス(CAV) を含む病原性ウィルスに対して鳥類に予防接種を行うための鳥類の組換え生ベクターは既にいくつか提案されている。
そのために用いられる生ベクターはアヴィポックスウィルス(avipox viruses)特に鶏痘ウィルス(下記特許文献1;非特許文献1〜3参照)、血清型が2および3のマレック病ウィルス(HVT)(下記特許文献2〜5;非特許文献4〜6参照)またはILTVおよび鳥類のアデノウィルスである。
【特許文献1】欧州特許第0,517,292 号公報
【非特許文献1】H. G. Heine 達、 Arch. Virol.1993. 131. 277-292
【非特許文献2】D.B. Boyle達, Veterinary Microbiology 1994. 41. 173-181
【非特許文献3】C.D. Bayliss達, Arch. Virol. 1991. 120. 193-205
【特許文献2】国際特許第WO-A-87 04463号公報
【特許文献3】国際特許第WO-A-89 01040号公報
【特許文献4】国際特許第WO-A-93-25665号公報
【特許文献5】欧州特許第 513,921号公報
【非特許文献4】J. McMillen, Poultry Condemnation Meeting, 1994年10月, 359-363
【非特許文献5】P.J.A. Sondermeijer 達, Vaccine 1993. 11. 349-357
【非特許文献6】R.W. Morgan 達, Avian Diseases 1992. 36. 858-870、 1993, 37, 1032-1040
【0003】
これらのウィルスを予防接種に使用した場合、特定の事例でかなりの防御効果が示されることが稀にはあるが、これらの組換えウィルスによって誘導される防御レベルは変化し易く、一般には弱いか、部分的なものである。
鳥類用組み換え生ワクチンによる予防の中で最も困難なものはガンボロ病ウィルスまたはIBDVウィルスである。すなわちこれらの病気に対しては従来の不活化または弱毒化生ワクチンが効果的であるが、組換え生ワクチンで適当な効果を示すものはない。
カンボロ病ウィルスのゲノムは二重鎖RNAで構成されており、その最大断片(断片A)は115kDaのポリプロテインをコードする。このポリプロテインはさらに3つの蛋白質VP2(41kDa)、VP4(28kDa)、VP3(32kDa)に分裂する。VP4 は115kDaのポリプロテインの成熟に関与するプロテアーゼであると言われている。VP2 とVP4 との間の分裂箇所については大体の位置しか分かっていない(下記非特許文献6参照)。蛋白質VP2 は中和抗体を出す免疫源であり、ガンボロ病に対する防御を誘導する。
【非特許文献7】M. Jagadish,J. Virol. 1988, 62, 1084-1087
【0004】
免疫原性のIBDV蛋白質をコードする遺伝子を各種の生ベクターに挿入する方法は既に提案されている:特許文献6(VP2 またはポリプロテインをコードする配列をアヴィポックスに挿入) ;前記非特許文献3(C.D. Bayliss 1991, H.-G. Heine1993)および非特許文献2(D.B. Boyle 1994)(VP2を鶏痘に挿入);特許文献7(MDV ベクター);特許文献8(HVT およびILTVベクター);特許文献9〜11(HVTベクター)。
【特許文献6】欧州特許第 517,292号公報
【特許文献7】国際特許第WO-A-90 02802 号公報
【特許文献8】国際特許第WO-A-90 02803 号公報
【特許文献9】フランス国特許出願第9003105 号公報
【特許文献10】フランス国特許出願第第9011146 号公報
【特許文献11】フランス国特許出願第第9213109号公報
【0005】
上記特許文献3(国際特許第WO-A-89 01040号公報)および特許文献4(国際特許第WO-A-93-25665号公報)には、鳥類のHVT ウィルスベクターのHVT UL43遺伝子(上記2つの出願のうち1つめの出願ではBamHI 断片#16として識別されている)内のXhoI挿入部位に、IBDVウィルス本来のVP2 蛋白(ガンボロ病に対する予防接種用ポリペプチドの最重要候補として知られている)を発現させる配列が、外来のプロモータの制御下で挿入されて成る鳥類のウィルスベクターの構成が記載されている。

しかし、天然のVP2 蛋白質が得られるにもかかわらず、予防接種をした動物を病原IBDVを用いて攻撃(病原菌投与)した場合、中和抗体の誘導または防御効果は全く見られない。
【0006】
そのためこの部位を用いるという考えはそれ以上検討されず、その代わりに特許文献4(国際特許第WO-A-93-25665号公報)ではIBDVの VP2蛋白質を発現させる配列を、この場合も外来プロモータの制御下に、HVT US2 遺伝子中の唯一のStuI部位に挿入する方法が提案されている。VP2 蛋白質の発現は試験管内試験(in vitro)では見られるが、生体内(in vivo) では活性または防御効果は全く示されない。なお、このUS2 StuI部位にその他の遺伝子すなわち gC 遺伝子(上記特許では gA と呼ばれている)を有するまたは有しないそれ自身のプロモータに連結されたMDV gB遺伝子を挿入するか、即時初期(IE)HCMVプロモータに連結されたNDV のF遺伝子と一緒にgBおよびgC遺伝子を挿入するか、PRV プロモータgXに連結されたNDV HN遺伝子と一緒にgBおよびgC遺伝子を挿入することによって対応する病原ウィルスを用いた攻撃に対して防御することができるという点に注意されたい。また、ILTVウィルスのgBおよびgD遺伝子がこの同じ部位に挿入された構造でも防御効果が同様に報告されている。これらの結果は特許文献3(国際特許第WO-A-89 01040号公報)において全く防御効果が見られなかったことおよび該特許における単純な想定と相反するものである。
【0007】
一般に市販のものを含む各種プロモータは従来技術の各種構成で利用されている。すなわちPRV gXプロモータ、HCMV IE (ヒトのCMV 即時初期)プロモータ、ヘルペス単純ウィルスのα−4プロモータ、FPV P.E/L プロモータ(鶏痘プロモータ)(非特許文献7)、RSV(Rous sarcomavirus)のLTR 配列に由来する痘疹ウィルスの P7.5 (非特許文献8)およびP11 (非特許文献9)プロモータ、SV40の初期プロモータ、さらにMDV またはHVT プロモータ、例えばgB、gC、TK、RR2 などの遺伝子のプロモータがあるが、一貫したパターンは現れていない。特にHVT における構成の場合。いくつかのプロモータ配列は組換えHVT またはMDV ベクターの複製を禁止する(非特許文献10、11)。上記プロモータのいくつか、例えばSV40、LTR RSV およびPRV gXは、マレックウィルスのいくつかの遺伝子本来のプロモータ、特に血清タイプ3と同様に何らかの効力を示す。
【非特許文献8】H. Heine et al., Arch. Virol. 1993. 131. 277-292
【非特許文献9】C. Bayliss et al., Arch.Virol. 1991. 120. 193-205
【非特許文献10】D. Boyle et al., Vet. Microb. 1994.41. 173-181
【非特許文献11】D. R. Marshall et al.,J. Vir. Meth. 1992. 40. 195-204
【非特許文献12】Virology1993. 195. 638-648
【0008】
ガンボロ病ウィルス(IBDV)に対する効果的な組換え生ワクチンの需要は、不活化ワクチンに伴う技術的および経済的制約と弱毒化生ワクチンの使用に伴う安全性の問題から依然としてある。ガンボロ病の予防は特に難しいという事実を考慮すれば、ガンボロ病に対して真に効果的な組換えHVT ベクターとするワクチンは他の鳥類疾患に対しても非常に効果的なワクチンへとなる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、IBDV VP2蛋白をコードする配列が少なくとも1つ挿入された、動物をカンボロ病から完全に防御して死亡およびファブリシウスの滑液嚢炎から防御するHVT ベクターをベースとした組換え生ワクチンの開発を可能にしたものである。本発明のワクチンは、副作用を起こさずに(特に注射箇所の局所的病変がなく、ファブリシウスの滑液嚢の病変がない)生後1日のヒナにも効果的に予防接種できるだけの効力を有している。これは不活化ワクチンを用いても不可能なことであった。しかも、必要投与量は驚くほど少ない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の対象は、CMV 即時初期プロモータの制御下にUL43遺伝子に挿入された鳥類の病原体の抗原ポリペプチドをコードし且つ発現する塩基配列を少なくとも1つ含む鳥類ヘルペスウィルスをベクターとして含む鳥類用組換え生ワクチンにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の鳥類ヘルペスウィルスはマレック病ウィルスであるのが好ましく、特にHVT 、感染性喉頭器官炎ウィルスILTVまたはアヒルのヘルペスウィルスが好ましく、マレック病ウィルス、特にHVT ウィルスが好ましい。
UL43遺伝子に挿入にはこの部位を欠失させずに行う単純な挿入と、完全または部分的な欠失の後に行う挿入とを意味する。部分的な欠失を行ってから挿入するのが好ましい。
CMV 即時初期(CMV immediate early promoter, IE)プロモータとは例に挙げた断片と、同じプロモータ活性を保持するそのサブ断片を意味する。
CMV IEプロモータはヒトのプロモータ(HCMV IE) またはネズミのプロモータ(MCMV IE) あるいは由来の異なるCMV IEプロモータ、例えばラットまたはモルモット由来のプロモータにすることができる。
【0012】
マレックベクターに挿入され、発現される塩基配列は鳥類の病原物質の抗原ポリペプチドすなわち本発明で実現される好適な条件のもとで発現された時に、予防接種をした動物が病原物質から効果的に防御されるような免疫を獲得できるようなポリペプチドをコードする任意の配列にすることができる。従って、所定の病気の対象となる抗原をコードする塩基配列を本発明の条件下で挿入することができる。本発明の組換え体の特徴は卵の状態での予防接種や生後1日目のヒナの予防接種、さらに大きなヒナや成鳥の予防接種を行うことができる点にある。
本発明の典型的なケースはIBDVウィルスのVP2 ポリペプチドを適切にコードした塩基配列を挿入したものである。これによって得られる組換え生ワクチンはマレック病に対する防御に加えてガンボロ病に対して完全に防御できる。必要な場合には、別のIBDV抗原、例えばVP3 やポリプロテインVP2 +VP4 +VP3 などをコードする配列を挿入することもできるが、これらの挿入は好ましくない。
【0013】
ガンボロ病に対する組換えワクチンは1回の投与量当り10〜104PFUの範囲、特に 102〜103PFU、さらには10〜102PFU程度を投与するのが好ましい。
本発明の他の好ましいケースはマレック病ウィルスの抗原をコードする塩基配列、特にgB、gC、gDおよびgH+gL遺伝子(特許文献8、国際特許第WO-A-90 02803 号公報)、ニューカッスル病ウィルスの抗原をコードする塩基配列、特にFおよびHN遺伝子、感染性気管支炎ウィルス(IBV) の抗原をコードする塩基配列、特にSおよびM遺伝子 (非特許文献11; 非特許文献13) 、鳥類の貧血症ウィルス(CAV) の抗原をコードする塩基配列、特にVP1(52kDa)+VP2(24kD) (非特許文献14)および感染性喉頭器官炎ウィルス(ILTV)の抗原をコードする塩基配列、特にgB(特許文献8、国際特許第WO-A-90 02803 号公報)、gC、gDおよびgH+gLを挿入したものである。
【非特許文献13】M. Binns et al., J. Gen. Virol. 1985. 66. 719-726
【非特許文献14】M. Boursnell et al., Virus Research 1984. 1. 303-313
【非特許文献15】N.H.M.Noteborn et al.,J. Virol. 1991. 65. 3131-3139
【0014】
投与量はガンボロワクチンで確認されたものと同じにするのが好ましい。
本発明の有利な展開は、CMV IEプロモータを別のプロモータにヘッドツーテイル(Head-to-tail)の向きで連結し、2つの塩基配列は一方はCMV IEのプロモータの制御下に挿入し、もう一方は該プロモータに連結されたプロモータの制御下に挿入じきるようにすることである。この構成はCMV IEプロモータ、特にそのエンハンサー部分によって連結されたプロモータによって誘導される転写が活性化されるという点で特筆すべきものである。連結されるプロモータとして好ましいものはマレック1.8 RNA プロモータであり、その転写活性はこれらの条件下で4.4倍になることが分かっている。
本発明の典型的なケースは、CMV IEの制御下にIBDV VP2をコードする配列を含み、別のプロモータの制御下にもう1つの鳥類疾患の抗原、特に上記のものをコードする塩基配列を含むワクチンである。
【0015】
由来の異なるCMV IEプロモータをヘッドツーテイルの向きに並べることも可能である。
特に、マレック病、ニューカッスル病、感染性喉頭器官炎、感染性気管支炎および鳥類の貧血症に対するワクチンについては、1.8RNAプロモータをCMV IEプロモータの代わりに単独で使用することもできる。
本発明の他の対象は、異なる病原体に由来する互いに異なる配列を挿入された上記定義の組換え生ワクチンを少なくとも2種含む、混合物または混合用の多価ワクチン製剤にある。
本発明は、さらに、上記定義の組換え生ワクチンまたは多価ワクチン製剤を投与する鳥類の予防接種法に関するものである。本発明は特に卵の状態での予防接種、生後1日またはそれ以上のヒナおよび成鳥の予防接種を行うための方法を対象にする。
【0016】
以下、図を参照して非限定的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。図はUL43部位の構成図および配列リストである。
L43 部位での構成の配列リスト
配列NO. 1 オリゴヌクレオチドRD045
配列NO. 2 オリゴヌクレオチドpBRPst-
配列NO. 3 HVT のUsgI領域の配列
配列NO. 4 オリゴヌクレオチドRD048
配列NO. 5 オリゴヌクレオチドRD049
配列NO. 6 HVT のBamHI M 断片の配列
配列NO. 7 オリゴヌクレオチドMB014
配列NO. 8 オリゴヌクレオチドMB015
配列NO. 9 オリゴヌクレオチドMB070
配列NO. 10 オリゴヌクレオチドMB071
配列NO. 11 オリゴヌクレオチドCD001
配列NO. 12 オリゴヌクレオチドCD002
配列NO. 13 オリゴヌクレオチドCD003
配列NO. 14 オリゴヌクレオチドCD004
配列NO. 15 NDV HN遺伝子の配列
配列NO. 16 オリゴヌクレオチドEL071
配列NO. 17 オリゴヌクレオチドEL073
配列NO. 18 オリゴヌクレオチドEL074
配列NO. 19 オリゴヌクレオチドEL075
配列NO. 20 オリゴヌクレオチドEL076
配列NO. 21 オリゴヌクレオチドEL077
配列NO. 22 1.8 kbp RNA プロモータの配列
配列NO. 23 オリゴヌクレオチドMB047
配列NO. 24 オリゴヌクレオチドMB048
配列NO. 25 オリゴヌクレオチドMB072
【実施例】
【0017】
全てのプラスミドの作製はサムブルック(Sambrook)達の Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory. Cold. Spring Harbor. New York. 1989) に記載の分子生物学の標準的手法で行ったう。本発明で使用した全ての制限酵素断片はジェネクリーン(Geneclean) キット (BIO101 Inc. La Jolla, CA)を用いて単離した。
親ウィルスとして使用したウィルスは七面鳥ヘルペスウィルス(HVT) のFC126株で、地域家禽研究所 (Regional Poultry Research Laboratory USDA, East Lansing, Michigan)のウィッタ博士が23週齢の七面鳥群から単離されたものである(Writter R. L. et. al., Am. J. Vet. Res. 1970.31. 525-538)。このウィルスの培養条件はフランス国特許出願第90/03105号に記載のものを用いた。
【0018】
実施例1
マレック病ウィルスからのDNA抽出
7日目にMDV のRB1B株を用いて攻撃したニワトリから感染14日後に血液の全量を注射器を用いて抗凝結物質(100IU/mlのヘパリン溶液)上に回収した。次いでこの血液を室温で15分間、30gで遠心分離した。軟膜と供に血漿を除去し、無菌のPBS を用いて最終量が10mlとなるように希釈した。150 gで15分間遠心分離した後、細胞ペレットを2%の牛胎児血清(FCS) を含む199 培地(ギブコ−BRL カタログ番号042-01183M)2mlに再懸濁した。
次に、感染させたリンパ球の全DNAをR. Morgan 達の方法 (Avian Diseases1990. 34. 345-351)に従って抽出した。これはPCR 試験の鋳型として直接使用することができる。MDV ウィルスのゲノム断片をクローニングするために、RB1B株をCEC 上で培養し、リー(Lee Y.)達の方法(J. Gen. Virol. 1980. 51. 245-253)に従って精製したウィルス粒からウィルスのDNAを調製した。
【0019】
実施例2
MCMVウィルス(マウスのサイトメガロウィルス)のゲノムDNAの調製
米国タイプカルチャーコレクション(Type Culture Collection, Rockville, Maryland, USA)からMCMVウィルスのSmith 株を入手した(ATCC No. VR-194) 。このウィルスをBalb/Cマウスの胎児細胞上で培養し、このウィルスのウィルスDNAをエベリング達(Ebeling A. et al., J. Virol. 1983. 47. 421-433)の方法で精製した。
【0020】
実施例3
トランスフェクション試験のためのHVT ウィルスのゲノムDNAの調製
トランスフェクション試験に用いるウィルスDNAはモルガン(R.Morgan)達のAvian Diseases. 1990. 34. 345-351 に記載の方法でHVT ウィルスのFC126 株に感染させた二次培養CEC(CEC II) から調製した。
【0021】
組み換えウィルスの作製
実施例4
vHVT1の作製および単離
ドナープラスミドpGH010の作製と、組換えウィルスvHVT1 の単離および精製はフランス国特許出願第92.13109号に記載されている。この組換えHVT ウィルスはHVT ウィルスのRR2 遺伝子のプロモータの制御下に置かれたガンボロ病ウィルス(IBDV ウィルス) のVP2 キャプシド蛋白質をコードする遺伝子を含んでいる。この組換えウィルスではHVT RR2 遺伝子の代わりにVP2 遺伝子が挿入された。
【0022】
実施例5
ドナープラスミドpEL025の作製およびvHVT2 の単離
5.1. ドナープラスミドpEL025の作製
HVT ウィルスFC126 株(Igarashi T.et al., Virology. 1989. 70. 1789-1804)の29kbp のBamHI A 断片をベクターpBR322のBamHI 部位にクローニングしてプラスミドpRD001を得た。プラスミド pRD001 を PstI で処理して、2.8kbpと5.7kbpのPstI-PstI 断片をベクターpBR322のPstI部位にクローニングし、それぞれプラスミド pRD006 および pRD007 を得た。プラスミドpRD006をPstIとSacIで処理して340bp のPstI/SacI 断片(断片A)を得た。
【0023】
下記のオリゴヌクレオチドとpRD007鋳型を用いてPCRを行って550bp の断片(図1、図2(配列 NO.3)の339 〜831)(HVT Us 配列(Zelnik V. et al., J. Gen. Virol. 1993. 74. 2151-2162) の6491〜6980)を得た:
RD045(配列 NO.1)
5' TGCTGGTACCGTCGACAAGCTTGGATCCGTGCAGATAACACGTACTGGC 3'
pBRPst-(配列 NO.2)
5' CATGTAACTCGCCTTGATC 3'
次いで、520bp のPCR断片をKpnIおよびPstIで処理して520bp のPstI/kpnI 断片(断片B)を単離した。予め KpnI と SacI とで処理したベクター pBS-SK+(ストラタジーン社(Stratagene)に断片AとBとを両方同時に導入して、プラスミドpRD022(図3)を得た。プラスミド pRD007 をSalIとXhoIで処理して730bpのSalI/XhoI 断片(配列 NO.1の1876〜2608位置) (HVT Us 配列(Zelnik V. etal., J.Gen. Virol. 1993. 74. 2151-2162) の6491〜6980位置) を得た。この断片をベクターpBS-SK+ のSalI部位にクローニングしてプラスミドpRD027(図3)を得た。
【0024】
下記2つのオリゴヌクレオチドをハイブリダイズして合成二重鎖オリゴヌクレオチドを得た:
RD048 (配列 NO.4) 5'GATCCAGCTGAATTCAGCTA 3'
RD049 (配列 NO.5) 5`AGCTTAAGCTGAATTCAGCTG 3'
このオリゴヌクレオチドをプラスミドpRD022のBamHI 部位とHindIII 部位との間にクローニングしてプラスミドpRD023(図4)を得た。プラスミドpCMVβ(クローンテック社(Clontech)カタログ番号6177-1)(図5)をEcoRI とSalIとで理して、HCMV-IE =lacZ発現カセットを含む4500bpのEcoRI/SalI断片(断片C)を単離した。プラスミドpRD027をHindIII とXhoIで処理して、730bp のHindIII/XhoI断片(断片D)を単離した。予めEcoRI とHindIII で処理したプラスミドpRD023に断片CとDを両方同時に導入して8973bpのプラスミドpRD029(図4)を得た。このプラスミドはHVT ウィルスのgI部位(完全に欠失されている)にHCMV-IE =lacZ発現カセットを含んでいる。
【0025】
BamHI/HindIIIカセットの形のIBDV VP2遺伝子を含むプラスミドpEL004(=フランス国特許出願第92.13109号に記載のプラスミドpGH004)をBamHI とXbaIで処理し、1104bpのBamHI/XbaI断片(切り出したVP2 遺伝子)を単離した。この断片を予めXbaIとBamHI とで処理したベクターpBS-SK+ (ストラタジーン)にクローニングし、4052bpのプラスミドpEL022(図6)を得た。ベクターpBS-SK+ をEcoRV とXbaIとで処理し、再度pBS-SK*(変性物)を得た。プラスミドpEL004をKpnIとHindIII で処理して1387bpのKpnI/HindIII断片を単離した。この断片はIBDV VP2遺伝子全体を含んでいる。この断片を予めKpnIとHindIII とで処理したベクターpBS-SK*にクローニングし、4292bpのプラスミドpEL023(図7)を得た。プラスミドpEL022をBamHI とNotIで処理して1122bpのBamHI/NotI断片(断片A)を単離した。プラスミド pEL023 をBamHI とNotIで処理して333bp のBamHI/NotI断片(断片B)を単離した。予めNotIで処理してアルカリホスファターゼで処理したベクターpBS-SK+ に断片AとBを両方同時に導入して4369bpのプラスミドpEL024(図8)を得た。その後プラスミドpEL024をNotIで処理して1445bpのNotI/NotI断片を得た。この断片を予めNotIで処理してアルカリホスファターゼで処理したプラスミドpRD029にクローニングして、6904bpのプラスミドpEL025(図9)を得た。
【0026】
5.2. 組換えvHVT2 の単離と精製
プラスミドpEL025をSalIで処理して直鎖状にした後、フェノール/クロロホルム(19:1)混合物で抽出し、無水エタノールを用いて沈澱させ、再び滅菌水に入れた。24時間培養した初代CEF 細胞を混合物:300 μlのOptiMEM 培地に1μgの直鎖状プラスミドpEL025+5μgのHVT ウィルスDNA (ギブコ BRL カタログ番号041-01985H)と、100 μgのLipofectAMINE を 300μlの培地に希釈したものを用いて感染させた(培地の最終量は600 μl)。この600 μlを3ml(最終量)の培地に希釈して3×106のCECI上に播いた。混合物を細胞と接触させた状態で5時間保ち、その後取り除いて5mlの培養培地に置き換える。その後細胞を37℃で3日間培養した後、プロナーゼ処理して、新鮮なCECII と混合し(3:1で混合)、さらに再び96ウェルのプレート1個に播く。このプレートを3日間培養した後、細胞をプロナーゼ処理して、新鮮なCEFII と混合し、再び2枚の96ウェルプレートに播く(元の1つのウェルから2つの姉妹ウェルを得る)。
【0027】
96−ウェルプレートを細胞変性効果が見られるまで培養した。72時間培養後、2枚の96−ウェルプレートの一方を95%のアセトン中で30分間固定し、抗VP2 モノクロナル抗体を用いて間接蛍光抗体(IIF) 反応を行い、蛋白質VP2 を発現するプラークを選別した。IIF で陽性のプラークを示すウェルの「シスターウェル」をプロナーゼ処理し、新鮮なCEFII と混合し、限定的な希釈で96ウェルのプレートに塗布した。3日間培養した後、細胞変性効果を示したウェルをプロナーセ処理し、CEF IIと混合して、再び96−ウェルのプレートに播いた(元の1つのウェルから2つの姉妹ウェルを得る)。3日後、蛋白質VP2 を発現しているプラークを再び前回と同様IIF で2つのシスタープレートの一方について試験した。
【0028】
一般に、連続4回の単離サイクル(ウェルの回収、再播付け、IIF によるモニタリング、シスターウェルの継代培養等) を行うことによって、子孫全てが特異的な蛍光を示す組換えウィルスを得ることができる。抗VP2 モノクロナル抗体を用いたIIF によって100 %の陽性プラークを与えるような1つのウィルスプラークをvHVT2 と命名した。この組換えウィルスのゲノムDNAについて、適当なオリゴヌクレオチドおよびDNAプローブを用いた標準的なPCRおよびサザンブロット法によって分子レベルでの特徴付けを行った。この組換え体はHVT ウィルスのgI遺伝子の代わりにHCMV-IE/IBDV VP2カセットを含んでいる。
【0029】
実施例6
ドナープラスミドpEL042の作製とvHVT4 の単離
6.1. ドナープラスミドpEL042の作製
HVT ウィルスFC126 株のゲノムに由来する3.3-kbp のBamHI M 断片(Igarashiet al., Virology. 1989, 70. 1789-1804)を、ベクター pBR322 のBamHI 部位にクローニングしてプラスミドpRD002を得た。BamHI M 断片の配列はその全体が確認されている(3336bp)(図10、図11の配列 NO.6)。この配列は図10、11の配列NO. 6のHSV-1 UL43遺伝子(1306〜2511)(ストップコドンの末端)の生成物と相同な蛋白質をコードするORF を含んでいる。理論上このORF によってコードされる蛋白質の寸法は 401アミノ酸(aa)である。プラスミドpRD002をSacIとSalIで処理して2620bpのSacI/SalI 断片を単離した。この断片を予めSacIとXhoIで処理したベクターpBS-SK+ に導入して5506bpのプラスミドpMB010(図12)を得た。次いで、プラスミドpBM010をNcoIとXhoIで処理して4650bpのNcoI/XhoI 断片を単離した。この断片を下記2種類のオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせて得られた合成二重鎖オリゴヌクレオチドに導入して4698bpのプラスミドpMB016(図12)を得た:
MB014 (配列 NO.7)
5' TCGAGAATTCAGATCTGATATCAAGCTTGGTACCGTCGAC 3'
MB015 (配列 NO.8)
5' CATGGTCGACGGTACCAAGCTTGATATCAGATCTGAATTC 3'
【0030】
挿入されたオリゴヌクレオチドはUL43遺伝座の2つのフランキングアームの間への発現カセットの挿入を可能にする制限酵素部位を含んでいる。5'フランキングアームの寸法は800bp(BamHI M 断片の配列(配列 NO.6)の523 〜1323)である。3'アームの寸法は981bp(配列 NO.6の2171〜3152)である。こうして行われるHVT UL43遺伝子での欠失は1324の位置から2170の位置までである(847 塩基の欠失、つまり全体で401aa の中の282aa の欠失)。プラスミドpEL024(実施例5参照)をNotIで処理して 1445bp の NotI/NotI断片を得た。この断片を予めNotIで処理したプラスミド pCMV βに導入して5095bpのプラスミドpEL026を得た(図11)。プラスミドpEL026を EcoRI、SalIおよび XmnI で処理して2428bpのEcoRI/SalI断片を得た。この断片を予めEcoRI とSalIで処理したベクターpBS-SK+ に導入して5379bpのプラスミドpEL027(図16)を得た。プラスミドpEL027を EcoRI、SalIおよびXmnIで処理して 2428bp の EcoRI/SalI 断片を得た。この断片を予めEcoRI とSalIで処理したプラスミドpMB016に導入して7110bpのプラスミドpEL042(図17)を得た。
【0031】
6.2. 組み換えvHVT4 の単離および精製
実施例5に記載の方法に従って、KpnIで直鎖状としたプラスミドpEL042とHVTのウィルスDNA によるCEC IIの同時形質転換(cotransfection)を行った。同時形質転換の条件と、この同時形質転換で得られる組換えウィルスのプラークの単離/精製条件は実施例5の記載に準じた。抗 IBDV VP2 モノクロナル抗体を用いたIIF においてプラークが全て陽性を示すウィルスプラークをvHVT4 と名付けた。この組換えウィルスのゲノムDNAについて、適当なオリゴヌクレオチドとDNAプローブを用いた般的なPCR法およびサザンブロッティング法で分子レベルでの特徴付けを行った。
【0032】
実施例7
ドナープラスミドpEL072の作製およびvHVT6 の単離
プラスミドpCMVβ(図6)をSalIとSmaIで処理して3679bpのSalI/SmaI 断片を単離した。この断片はlacZ遺伝子並びにSV40ウィルスの後期遺伝子のポリアデニレーションシグナルを含んでいる。この断片を予めSalIとEcoRV で処理したベクターpBS-SK+ に挿入して6625bpのプラスミドpCD002(図18)を得た。このプラスミドはlacZレポータ遺伝子を含むが、この遺伝子の上流にはプロモータは存在しない。実施例2に記載の方法に従ってMCMVウィルスのウィルスゲノムDNAを調製し、2285bpのPstI/PstI 断片を単離した。この断片予めPstIで処理してアルカリホスファターゼで処理したベクターpBS-SK+ にクローニングしてプラスミドpCD004を得た。プラスミドpCD004をHpaIとPstIで処理して1389bpのHpaI/PstI 断片を得た。この断片はネズミのサイトメガロウィルス(MCMV)の即時初期遺伝子のプロモータ/エンハンサ領域を含んでいる(Dorsch-Hasler K. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. 1985. 82. 8325-8329 、WO-A-87/03905 号)。この断片を予めPstIとSmaIで処理したプラスミドpCD002にクローニングして、8007bpのプラスミドpCD009(図19)を得た。
【0033】
下記2種類のオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせて二重鎖オリゴヌクレオチドを得た:
MB070 (配列 NO.9)
5' CGAATTCACTAGTGTGTGTCTGCAGGCGGCCGCGTGTGTGTCGACGGTAC 3'
MB071 (配列 NO. 10 )
5' CGTCGACACACACGCGGCCGCCTGCAGACACACACTAGTGAATTCGAGCT 3'
この二重鎖オリゴヌクレオチドを予めKpnIとSacIで処理したベクターpBS-SK+に導入してプラスミドpEL067を得た。
プラスミド pCD009 を PstI と SpeI で処理して 1396bp のPstI/SpeI 断片を単離した。この断片を予め PstI と SpeI で処理したプラスミド pEL067 に導入して4297bpのプラスミドpEL068(図20)を得た。プラスミドpEL024(実施例5参照)をHindIII とNotIで処理して、1390bpのHindIII/NotI断片(断片A)を単離した。プラスミドpEL027(実施例6参照)をHindIII とSalIで処理して、235bpのHindIII/SalI断片(断片B)を単離した。断片AとBを両方同時に予めNotIとSalIで処理したプラスミドpEL068に導入して5908bpのプラスミドpEL070(図21)を得た。
【0034】
プラスミドpEL070を、EcoRI 、SalIおよび XmnI で処理して、3035bpのEcoRI/SalI断片を単離した。この断片を予めEcoRI とSalIで処理したプラスミドpMB016(実施例6参照)に導入して7702bpのプラスミドpEL072(図22)を得た。このプラスミドによって、HVT ウィルスのUL43遺伝子座にMCMV-IE/IBDV VP2発現カセットを挿入することが可能となる。
プラスミド pEL072 と HVTウィルスのゲノムDNAを用いて実施例5の記載に従って同時形質転換を行って vHVT6組換え体の単離および精製を行った。
【0035】
実施例8
ドナープラスミドpCD012の作製およびvHVT7 の単離
MDV gB遺伝子(ロス達が公開した配列(Ross N. et al. J. Gen. Virol.1989.70. 1789-1804)を含む MDVウィルスのRB1B株のゲノムDNAに由来する 3.9kbpのEcoRI/SalI断片を予め EcoEII およびSalIで処理したベクターpUC13 に導入してプラスミド pCD007 を得た。このプラスミドをSacIとXhoIで処理して2260bpのSacI/XhoI 断片を単離した(gB遺伝子の中央部分=断片A)。
下記のオリゴヌクレオチドと鋳型pCD007とを用いてPCRで222bp のPCR断片を作製した。:
CD001 (配列 NO. 11)
5' GACTGGTACCGCGGCCGCATGCACTTTTTAGGCGGAATTG 3'
CD002 (配列 NO. 12)
5' TTCGGGACATTTTCGCGG 3'
この断片を KpnI と XbaI で処理して190bp のKpnI/XbaI 断片(gB遺伝子の5'末端=断片B)を得た。
【0036】
下記のオリゴヌクレオチドと鋳型pCD007とを用いて別のPCRを行いて195bpのPCR断片を得た:
CD003 (配列 NO. 13)
5' TATATGGCGTTAGTCTCC 3'
CD004 (配列 NO. 14)
5' TTGCGAGCTCGCGGCCGCTTATTACACAGCATCATCTTCTG 3'
この断片をSacIとSacII で処理して162bp のSacI/SacII断片(gB遺伝子の3'末端=断片C)を得た。予めKpnIとSacIで処理したベクターpBS-SK+ に断片A、BおよびCを同時に導入して5485bpのプラスミドpCD011を得た(図21)。
プラスミドpCD011をNotIで処理して、2608bpのNotI/NotI 断片(MDV gB遺伝子の全体=断片D)を単離した。プラスミドpEL042(実施例6参照)をNotIで処理後にアルカリホスファターゼで処理し、5706bpのNotI/NotI 断片(断片E)を単離した。断片DとEをつないで8314bpのプラスミドpCD012(図22)を得た。このプラスミドによって、HVT ウィルスのUL43遺伝子座にHCMV-IE/MDV gBカセットを挿入することが可能となる。
プラスミドpCD012とHVT ウィルスのゲノムDNAを用い、実施例5の記載に従って同時形質転換してvHVT7 組換え体の単離・精製を行った。
【0037】
実施例9
ドナープラスミドpEL034の作製およびvHVT8 の単離
テイラー達の方法(Taylor J. et al., J. Virol. 1990. 64. 1441-1450) に従って、ニューカッスル病ウィルス(NDV) テキサス株のゲノムに対して相補的なDNAのライブラリーを作製した。フュージョン遺伝子(F) の末端、赤血球凝集素ノイラミニダーゼ(HN)遺伝子の全体およびポリメラーゼの遺伝子の開始点を含むpBR322クローンを同定し、pHN01 と命名した。このクローンに含まれるNDV HN遺伝子の配列を図21(配列NO. 15)に示す。プラスミドpHN01 をSphIおよびXbaIで処理して2520-bp のSpaI/XbaI 断片を単離した。この断片を予めSphIとXbaIで処理したベクターpUC19 に導入して5192-bp のプラスミドpHN02 を得た。プラスミド pHN02を ClaI と PstI で処理して 700-bp のClaI/PstI 断片(断片A)を単離した。
下記のオリゴヌクレオチドと鋳型pHN02 を用いてPCRを行って270-bpのPCR断片を作製した:
【0038】
EL071 (配列 NO. 16) 5'CAGACCAAGCTTCTTAAATCCC 3'
EL073 (配列 NO. 17) 5'GTATTCGGGACAATGC 3'
この断片をHindIII とPstIで処理して220-bpのHindIII/PstI断片(断片B)を単離した。断片Aと断片Bを両方同時に予めClaIおよびHindIII で処理したベクターpBS-SK+ に導入して3872-bp のプラスミドpEL028(図25)を得た。プラスミドpHN02 をBsphI とClaIで処理して425-bpのBsphI-ClaI断片(断片C)を単離した。
下記のオリゴヌクレオチドと鋳型pHN02 を用いて465-bpのPCR断片を作製した:
EL074 (配列 NO. 18)
5' GTGACATCACTAGCGTCATCC 3'
EL075 (配列 NO. 22)
5' CCGCATCATCAGCGGCCGCGATCGGTCATGGACAGT 3'
【0039】
この断片をBsphI とNotIで処理して390-bpのBsphI-NotI断片(断片D)を単離した。断片CおよびDを同時に予めClaIおよびNotIで処理したベクターpBS-SK+に導入して3727-bp のプラスミドpEL029bis (図26)を得た。プラスミドpEL028をClaIとSacII で処理して960-bpのClaI/SacII断片(断片E)を単離した。プラスミドpEL029bis をClaIとNotIで処理して820-bpのClaI/NotI 断片(断片F)を得た。断片EとFを両方同時に予めNotIとSacII で処理したベクターpBS-SK+ に導入して、4745-bp のプラスミドpEL030(図27)を得た。プラスミド pEL030 をNotIで処理して1780bpのNotI-NotI 断片(NDV HN遺伝子の全体)を単離した。この断片を、lacZの代わりに予めNotIで処理してアルカリホスファターゼで処理したプラスミドpCMVβに導入して5471-bp のプラスミドpEL032(図28)を得た。プラスミドpEL032をEcoRI とClaIで処理して1636-bp のEcoRI-ClaI断片(断片G)を単離した。プラスミドpEL032をClaIとSalIで処理して1182-bp のClaI/SalI 断片(断片H)を単離した。断片GおよびHを両方同時に予めEcoRI とSalIとで処理したプラスミドpMB016(実施例6参照)に導入して、7486-bp のプラスミドpEL043(図29を得た)。このプラスミドによって、HVT ウィルスのUL43遺伝子座にHCMV-IE/NDV HN発現カセットを挿入することが可能となる。
プラスミドpEL043とHVT ウィルスのゲノムDNAを用いて実施例5に記載の同時形質転換を行ってvHVT8 組換え体を単離・精製した。
【0040】
実施例10
ドナープラスミドpEL044の作製と、vHVT9 の単離
ニューカッスル病ウィルスのゲノムの相補的DNAライブラリー(実施例9参照)に由来するフュージョン遺伝子(F) の全体を含むクローンをpNDV81とした。このプラスミドは公知で、このクローン中に存在するNDV F 遺伝子の配列は既に発表されている(Taylor J. et al. J. Virol. 1990. 64. 1441-1450) 。プラスミドpNDV81をNarIおよびPstIで処理して1870-bp のNarI/PstI 断片(断片A)を単離した。
下記のオリゴヌクレオチドと鋳型pNDV81を用いてPCRを行って160-bpの断片を作製した:
EL076 (配列 NO. 20)
5'TGACCCTGTCTGGGATGA 3'
EL077 (配列 NO. 22)
5'GGATCCCGGTCGACACATTGCGGCCGCAAGATGGGC 3'
【0041】
この断片をPstIとSalIで処理して130bp のPstI/SalI 断片(断片B)を単離した。断片Aと断片Bを同時に予めClaIおよびSalIで処理したベクターpBS-SK+ に導入して4846-bp のプラスミドpEL033(図30)を得た。プラスミドpEL033をNotIで処理して1935-bp のNotI/NotI 断片(F遺伝子全体)を単離した。この断片を予めNotIで処理してアルカリホスファターゼで処理したプラスミドpCMBβに導入して5624-bp のプラスミドpEL034(lacZ遺伝子がNDV F 遺伝子で置き換えられている)を得た(図31)。プラスミドpEL034をEcoRI とKpnIで処理して866-bpのEcoRI/KpnI断片(断片C)を単離した。プラスミドpEL034をKpnIとSalIで処理して2114-bp のKpnI-SalI 断片(断片D)を単離した。断片Cと断片Dを両方同時に予めEcoRI およびSalIで処理したプラスミドpMB016(実施例6参照)に導入して7639-bp のプラスミドpEL044(図32)を得た。このプラスミドによって、HVT ウィルスのUL43遺伝子座にHCMV-IE/NDV F の発現カセットを挿入することが可能となる。
プラスミドpEL044とHVT ウィルスのゲノムDNAを用いて実施例5に記載の同時形質転換を行って組換え体vHVT9 の単離および精製を行った。
【0042】
実施例11
ドナープラスミドpEL082の作製と、vHVT10の単離
MDV の1.8-kbp RNA 遺伝子の上流に位置する配列はブラドレー達によって報告されている(Bradley G. et al., J. Virol. 1989. 63. 2534-2542) (図33および配列 NO. 22)。下記のオリゴヌクレオチドを用いて、MDV のRB1B株(実施例1参照)に感染したヒナより得られるリンパ球から抽出したDNAについてPCR増幅を行った:
MB047 (配列 NO. 23)
5'GGTCTACTAGTATTGGACTCTGGTGCGAACGC 3'
MB048 (配列 NO. 24)
5'GTCCAGAATTCGCGAAGAGAGAAGGAACCTC 3'
これで得られた163-bpのPCR断片をEcoRI とSpeIで処理した後、予めEcoRIとSpeIで処理したプラスミドpCD002(実施例7参照)に導入して、6774-bp のプラスミドpBS002(図34)を得た。プラスミドpBS002は、lacZ遺伝子の上流にクローニングされたMDV の1.8-kbp RNA 遺伝子のプロモータを含んでいる。
【0043】
下記のオリゴヌクレオチドおよび鋳型pBS002を用いてPCRを行った:
MB047 (配列 NO. 23)および
MB072 (配列 NO. 25)
5' GTGTCCTGCAGTCGCGAAGAGAGAAGGAACCTC 3'
これで得られたPCR断片をPstIとSpeIで処理して200bp のPstI-SpeI 断片を単離した。この断片を予めPstIおよびSpeIで処理したプラスミドpEL067(実施例7参照)に導入してプラスミドpEL069(図35)を得た。プラスミドpCD007(実施例8参照)をEcoRI およびXbaIで処理して2670-bp のEcoRI/XbaI断片(断片A)を単離した。プラスミドpCD011(実施例8参照)をNotIとXbaIとで処理して180-bpのNotI/XbaI 断片(断片B)を単離した。プラスミドpEL069をNotIとSpeIで処理して180-bpのNotI-SpeI 断片(断片C)を単離した。
【0044】
予めEcoRI およびSpeIで処理したプラスミドpEL067(実施例7)に断片A、BおよびCを同時に導入して5939-bp のプラスミドpEL080(図36)を得た。プラスミドpEL070(実施例7)をKpnIおよびSpeIで処理して1345-bp のKpnI/SpeI 断片(断片D)を単離した。プラスミド pEL070 も KpnI と SalI で処理して 1658-bpのKpnI/SalI 断片(断片E)を単離した。断片DおよびEを同時に予めSalIとSpeIで処理したプラスミド pEL080 に導入して8938-bp のプラスミドpEL081(図37)を得た。プラスミドpEL081をEcoRI とSalIで処理して6066-bp のEcoRI/SalI断片を得た。この断片を予めEcoRI とSalIとで処理したプラスミドpMB016(実施例6参照)に導入して、最終的に10732-bpのプラスミドpEL082(図38を得た)。このプラスミドによって、HVT ウィルスのUL43遺伝子座にVP2/MCMV-IE//1.8-kbpRNA/MDV gBの二重発現カセットを挿入することが可能となる。
プラスミドpEL082とHVT ウィルスのゲノムDNAを用いて実施例5に記載の同時形質転換を行ってvHVT10組換え体を単離・精製した。
【0045】
実施例12
ドナープラスミドpEL096の作製とvHVT22の単離
プラスミドpEL080(実施例11参照)をEcoRI とSalIで処理して3040-bp のEcoRI-SalI断片(1.8-kbp RNA/MDV gBカセット)を単離した。この断片を予めEcoRIとSalIで処理したプラスミドpMB016(実施例6参照)に導入して7733-bp のプラスミドpEL096(図39)を得た。このプラスミドによって、HVT ウィルスのUL43遺伝子座に1.8-kbp RNA/MDV gB発現カセットを挿入することが可能となる。
プラスミドpEL096とHVT ウィルスのゲノムDNAを用いて実施例5に記載の同時形質転換を行ってvHVT22組換え体を単離・精製した。
【0046】
実施例13
HVT ウィルスのUL43遺伝子座にIBV M およびS の発現カセットを挿入するためのドナープラスミドの作製
発現カセット(HCMV-IE またはMCMV-IE プロモータあるいはMCMV-IE//1.8-kbp RNA二重プロモータの制御下に置かれた遺伝子)をUL43遺伝子座に挿入するための上記方法に従って、鳥類の感染性気管支炎ウィルス(IBV) の膜(M) 蛋白質またはスパイク(S) 蛋白質を高レベルで発現する組換えHVT ウィルスを作製することができる。IBVS遺伝子がHCMV-IE プロモータまたはMCMV-IE プロモータに依存する構成、あるいはIBV M およびIBV S 遺伝子がMCMV-IE/1.8-kbp RNA 二重プロモータと一緒にUL43遺伝子座に挿入されてM遺伝子が1.8-kbp RNA プロモータの制御下にありS遺伝子がMCMV-IE プロモータの制御下にある構成にすることができる。この構成では1.8-kbp RNA プロモータがMCMV-IE プロモータのアクチベータ領域によって活性化される。
【0047】
実施例14
本発明のワクチンの調製
本発明のワクチンの調製は当業者に周知の任意の標準的方法、例えば回転瓶培養で行うことができる。ニワトリの初期胚細胞 200×106を植えつけたローラボトル(175 cm2)を37℃で24時間培養した後、このボトルに105pfu/ml の力価を有する組換えHVT ウィルスのウィルス溶液1mlを接種した。37℃で4日間培養した後、上澄み液を除去してトリプシン/ヴェルセン溶液で細胞を剥がし、その後に回収する。次いで、感染した細胞を遠心分離する。上澄みを除去し、凍結乾燥安定剤(例えばSPGAスクロース、リン酸塩、グルタメート、アルブミン)を含む溶液20mlに再懸濁する。次いで、この混合物を超音波処理し、1ml画分ずつバイヤル瓶に分配して最後に凍結乾燥する。
必要な場合には凍結乾燥でなくワクチン分配後に凍結させることもできる。
【0048】
結論
IBDVの VP2遺伝子を発現する本発明の各種組換えHVT ウィルスを用いてニワトリに予防接種を行った防御試験の結果、本発明の組換え体は病原体IBDVを用いた攻撃に対して極めて高レベルの防御を誘導する能力を有することが示された。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】HVT のUsgI領域の配列
【図2】HVT のUsgI領域の配列のつづき
【図3】プラスミドpRD022およびpRD027の作製
【図4】プラスミドpRD023およびpRD029の作製
【図5】プラスミドpCMVβ
【図6】プラスミドpEL022
【図7】プラスミドpEL023
【図8】プラスミドpEL024
【図9】プラスミドpEL025
【図10】HVT BamHI M 断片およびORF UL43の配列
【図11】HVT BamHI M 断片およびORF UL43の配列のつづき
【図12】プラスミドpMB010およびpMB016の作製
【図13】プラスミドpEL026
【図14】プラスミドpEL027
【図15】プラスミドpEL042
【図16】プラスミドpCD002
【図17】プラスミドpCD009
【図18】プラスミドpEL068
【図19】プラスミドpEL070
【図20】プラスミドpEL072
【図21】プラスミドpCD011
【図22】プラスミドpCD012
【図23】NDV HN遺伝子の配列
【図24】NDV HN遺伝子の配列のつづき
【図25】プラスミドpEL028
【図26】プラスミドpEL029bis
【図27】プラスミドpEL030
【図28】プラスミドpEL032
【図29】プラスミドpEL043
【図30】プラスミドpEL033
【図31】プラスミドpEL034
【図32】プラスミドpEL044
【図33】1.8 kbp RNA プロモータ配列
【図34】プラスミドpBS002
【図35】プラスミドpEL069
【図36】プラスミドpEL080
【図37】プラスミドpEL081
【図38】プラスミドpEL082
【図39】プラスミドpEL096

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CMV 即時初期(IE)プロモータの制御下で UL43 遺伝子中に挿入された鳥類の病原物質の抗原ポリペプチドをコードし且つ発現する少なくとも1つの塩基配列を含む鳥類ヘルペスウィルスをベクターとする鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項2】
ベクターがマレック病ウィルス(MDV およびHVT)、感染性喉頭器官炎ウィルスILTVおよびアヒルのヘルペスウィルスからなる群の中から選択される請求項1に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項3】
塩基配列がUL43遺伝子の全部または一部を欠失させた後にこの遺伝子中に挿入される請求項1または2に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項4】
CMV 即時初期プロモータがヒトのHCMV IE プロモータまたはネズミのMCMV IE プロモータである請求項1〜4のいずれか一項に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項5】
CMV 即時初期プロモータの制御下でUL43遺伝子に挿入された塩基配列がガンボロ病の抗原、マレック病の抗原、ニューカッスル病の抗原、感染性気管支炎の抗原、感染性喉頭器官炎の抗原および鳥類の貧血症の抗原より成る群の中から選択される抗原をコードする塩基配列である請求項1〜4のいずれか一項に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項6】
CMV 即時初期プロモータの制御下でUL43遺伝子に挿入された塩基配列がIBDVウィルスのポリペプチドVP2 をコードする塩基配列である請求項1〜5のいずれか一項に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項7】
CMV 即時初期プロモータとヘッドツーテイルの向きに連結された第2のプロモータを含み、この第2のプロモータは2つの塩基配列を有し、その一方はCMV 即時初期プロモータの制御下、もう一方は連結されたプロモータの制御下にUL43遺伝子に挿入されたものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項8】
連結されるプロモータがマレックの1.8RNAプロモータである請求項7に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項9】
CMV即時初期プロモータの制御下に挿入される塩基配列がIBDVウィルスのポリペプチドVP2 をコードする塩基配列であり、連結されるプロモータの制御下に挿入される塩基配列が、別の鳥類疾患の抗原をコードする塩基配列である請求項7または8に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項10】
別の鳥類疾患の抗原をコードする塩基配列がマレック病の抗原、ニューカッスル病の抗原、感染性気管支炎の抗原、感染性喉頭器官炎の抗原および鳥類の貧血症の抗原から成る群の中から選択される請求項9に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項11】
連結されたプロモータが由来の異なるCMV 即時初期プロモータである請求項7に記載の鳥類用組換え生ワクチン。
【請求項12】
UL43遺伝子に挿入される塩基配列(単数または複数)が下記の遺伝子をコードする配列群の中から選択される請求項1〜11のいずれか一項に記載の鳥類用組み換え生ワクチン:
1) ガンボロ病ウィルスのVP2 、VP3 およびVP2 +VP4 +VP3 、
2) マレック病ウィルスのgB、gC、gDおよびgH+gL、
3) 鳥類の貧血症ウィルスのVP1(52kDa)+VP2(24kDa)、
4) 感染性気管支炎ウィルスのSおよびM、
5) 感染性喉頭気管炎ウィルスのgB、gC、gDおよびgH+gL。
【請求項13】
少なくとも2種類の互いに異なる配列が挿入された請求項1〜12のいずれか一項に記載の鳥類用組換え生ワクチンを混合物または混合用として含むことを特徴とする多価ワクチン製剤。
【請求項14】
挿入される互いに異なる塩基配列が病原体に由来する請求項13に記載の多価ワクチン製剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイトメガロウィルス(CMV)即時初期(IE)プロモータの制御下でUL43遺伝子中に挿入され且つIBDVウィルスのポリペプチドVP2をコードする塩基配列を有する、マレック病ウィルス(MDV)の組換え生ウィルス
【請求項2】
上記ウィルスが七面鳥のヘルペスウィルス(HVT)である請求項1に記載の組換え生ウィルス
【請求項3】
UL43遺伝子の全部または一部を欠失させた後にこの遺伝子中に挿入される請求項1または2に記載の組換え生ウィルス
【請求項4】
CMV 即時初期プロモータがヒトのHCMV IE プロモータまたはネズミのMCMV IE プロモータである請求項1〜のいずれか一項に記載の組換え生ウィルス
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換え生ウィルスの免疫有効量と、薬学的に許容されるビヒクルとから成る組換え生ワクチン
【請求項6】
上記の免疫有効量が単位投与で10〜104pfuである請求項5に記載の組換え生ワクチン
【請求項7】
上記の免疫有効量が単位投与で102〜104pfuである請求項6に記載の組換え生ワクチン
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項に記載の組換え生ワクチンを投与することを特徴とするガンボロ病からニワトリを保護する方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2006−348044(P2006−348044A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233454(P2006−233454)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【分割の表示】特願平7−354777の分割
【原出願日】平成7年12月27日(1995.12.27)
【出願人】(503365659)
【Fターム(参考)】