説明

鳥類止着防止細線取付け治具

【課題】架空線に対して固定した状態で常に鳥類止着防止細線を架空線の上方位置に離隔して並行に配索することができる鳥類止着防止細線取付け治具の提供。
【解決手段】架空線Bに取付けられる本体部位は円環状部材20として構成されており、円環状部材20の円環内方位置に架空線Bに固定して取付けられる固定具30が配設されており、本体部位の円環状部材20には、その円環上を移動可能に円弧状部材40が配設されており、円弧状部材40には、架空線Bに並行に配索される鳥類止着防止細線Aを円弧状部材40に固定する細線固定手段と、円弧状部材40を円環状部材20の円環上の任意の位置で円環状部材20に固定することのできる円弧状部材移動固定手段とを備え、円弧状部材により鳥類止着防止細線Aが架空線Bの上方位置に配索された状態として取付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥類止着防止細線取付け治具に関する。詳しくは、地上に立設される電柱、鉄塔、建造物等の配索支持構成物間の空中に架け渡される架空線は、電力供給用・通信用等の電線と、該電線の軸方向に沿って張り渡されて該電線を支持する支持線とから成り、前記架空線の電線及び支持線より断面が細く、かつ鳥類が止まることのできない細さの鳥類止着防止細線を、前記架空線の上方位置に離隔して並行に配索するために前記架空線に取り付けられる鳥類止着防止細線取付け治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地上に立設される電柱、鉄塔、建造物等の配索支持構成物間の空中に架け渡される架空線に止まるスズメ、ムクドリ、ハト、カラス等の鳥類は、糞害、騒音等といった被害を及ぼし、近隣住民の生活上の支障を来たすおそれがあった。ここで、一般に架空線は、電力供給用・通信用等の電線と、該電線の軸方向に沿って張り渡されて該電線を支持する支持線とから構成されており、鳥類は、この架空線の電線又は支持線に足をのせて掴んで止まる。
【0003】
この架空線に対し鳥類が止まることを防止するための技術として様々な技術開示がなされており、例えば、特許文献1及び特許文献2のような技術が知られている。この特許文献1は、放射状に突出する針部が設けられた針状部材を架空線に沿って連続して嵌め合わせる構成のものである。この針状部材の構成によって、鳥類が架空線に止まるのを防止するものである。ところが、特許文献1においては、構造が複雑であるため、材料コストがかることが懸念されるし、針状部材を一つ一つ取付ける作業コストの増加のおそれがある。また、針状部材の構造においては、冬季の降雪時に雪が積もりやすいといった問題が懸念される。
【0004】
また、特許文献2は、一対の半環状の板状部材と、その半環状の板状部材の内周側には、中心に向かって延在する弾性係合片が全周に亘って複数配設されている。この半環状の板状部材内に架空線を取り込んだ状態で合着して取り付ける構成のものである。この板状部材の単一の配設では、軸方向隣接位置に容易に鳥類が止まってしまうことから、架空線に沿って所定間隔を隔てて複数配設する構成とすることで、鳥類が架空線に止まるのを防止するものである。ところが、特許文献2においては、板状部材を複数配設する必要がありコスト増加のおそれがある。また、板状部材は架空線に挿通する構成であるため軸方向に摺動しやすく、風にあおられて、当初配設位置からずれてしまうおそれがある。
【0005】
更に、特許文献3に示すように、架空線の支持線による電線の支持構成においては、支持線に対し所定間隔を隔ててワイヤーハンガーを設置し、支持線の下方の離隔した位置で電線を吊って支持する構成のものがある。このような構成においては、上記特許文献1及び特許文献2のような装置は、取付形態に制約が伴うといった懸念がある。
そこで、鳥類が架空線に止まるのを防止するものとして、架空線の電線及び支持線より断面が細く、かつ鳥類が止まることのできない細さの鳥類止着防止細線を、架空線の上方位置に離隔して並行に配索することで、架空線に鳥が止まるのを防止する技術が知られている。そのような構成の例として、特許文献4から特許文献6が知られている。
【0006】
この特許文献4においては、架空線を遊嵌状に貫通させる貫通孔と、貫通孔の周壁部分から外方に放射状に延出させた複数の支持腕と、貫通孔の周壁部分の一部に貫通孔内へ架空線を嵌入させるための開口部とを備えた部材を一対架空線に対峙させて配設し、一つの支持腕間には、撓み防止部材を架け渡し、残りの支持腕には鳥類止着防止細線を張り渡す技術について開示されている。ところが、架空線を遊嵌状に貫通させた状態のため、風にあおられて、当初配設位置からずれてしまうおそれがある。
また、特許文献5及び特許文献6においては、架空線を保持する部位と、鳥類止着防止細線を架空線の上方に離隔して架設するために延出した部位を備えた構成の技術が開示されている。ここで、特許文献5においては、断面が円形状の架空線を把持する構成のものであるところ、架空線の種類は多岐にわたり、自己支持型の架空線には非円形のものも多く存在することに鑑み、架空線の支持線を把持する構成の技術開示として特許文献6がある。この特許文献6においては、自己支持型の架空線の構成として支持線が必ず上方に配置することを前提とした技術開示がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−225738号公報
【特許文献2】特開2008−131901号公報
【特許文献3】特開2007−68306号公報
【特許文献4】特開平10−155408号公報
【特許文献5】特許第3212907号公報
【特許文献6】特許第3894330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、自己支持型の架空線で断面が非円形の一例として、支持線を本体に沿わす格好で一体化したいわゆるSSケーブル(Self−supportingケーブルの頭文字をとってSSケーブルと称している。)が知られている。一般に、このSSケーブルの構造は、電線本体と、鋼線等の支持線から構成されており、支持線を電線本体に沿わす格好で間隔をおいて並行に配置し、これら外周を共通してポリエチレン塩化ビニル等の合成樹脂からなるプラスチックシースで一体的に被覆した構成のものである。このSSケーブルは断面が非円形のため、強風に対してより抵抗の高い断面構造であることから、強風時に上下左右に踊るように揺動するダンシング現象が知られている。このダンシング現象防止のため、このSSケーブルに所定間隔ごとに捻りを加えて張り渡すことで防止することが知られている。(例えば、10mにつき1回程度のねじりを入れて張り渡す)そのため、SSケーブルのような架空線の場合、軸方向において支持線が上方に配置構成されない状態も存在し、特許文献6の技術開示によっては、鳥類止着防止細線を、架空線の上方位置に離隔して並行に配索することができない場合がある。また、特許文献6は、鳥類止着防止細線を巻きつけて張り渡す構成のものであり、装着性に煩わしさの懸念がある。また、中間支持具が構成されることで撓み防止を図っていることから裏づけられるように、鳥類止着防止細線が撓みやすいという懸念もある。
【0009】
而して、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、地上に立設される電柱、鉄塔、建造物等の配索支持構成物間の空中に架け渡される架空線は、電力供給用・通信用等の電線と、該電線の軸方向に沿って張り渡されて該電線を支持する支持線とから成り、前記架空線の電線及び支持線より断面が細く、かつ鳥類が止まることのできない細さの鳥類止着防止細線を、前記架空線の上方位置に離隔して並行に配索するために前記架空線に取り付けられる鳥類止着防止細線取付け治具において、架空線に対して固定した状態で常に鳥類止着防止細線を架空線の上方位置に離隔して並行に配索することができる鳥類止着防止細線取付け治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の鳥類止着防止細線取付け治具は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、地上に立設される電柱、鉄塔、建造物等の配索支持構成物間の空中に架け渡される架空線は、電力供給用・通信用等の電線と、該電線の軸方向に沿って張り渡されて該電線を支持する支持線とから成り、前記架空線の電線及び支持線より断面が細く、かつ鳥類が止まることのできない細さの鳥類止着防止細線を、前記架空線の上方位置に離隔して並行に配索するために前記架空線に取り付けられる鳥類止着防止細線取付け治具であって、前記架空線に取付けられる本体部位は円環状部材として構成されており、該円環状部材の円環内方位置に前記架空線に固定して取付けられる固定具が配設されており、前記本体部位の円環状部材には、その円環上を移動可能に円弧状部材が配設されており、該円弧状部材には、前記架空線に並行に配索される鳥類止着防止細線を該円弧状部材に固定する細線固定手段と、該円弧状部材を前記円環状部材の円環上の任意の位置で該円環状部材に固定することのできる円弧状部材移動固定手段とを備え、該円弧状部材により前記鳥類止着防止細線が前記架空線の上方位置に配索された状態として取付けることができることを特徴とする。
【0011】
この第1の発明によれば、架空線に取付けられる本体部位は円環状部材として構成されている。この本体部位の円環状部材には、その円環上を移動可能な円弧状部材が配設されている。この円弧状部材には、細線固定手段、円弧状部材移動固定手段が構成されている。この円弧状部材移動固定手段によって円弧状部材を円環状部材の円環上の任意の位置で円環状部材に固定して、細線固定手段によって架空線に並行に配索される鳥類止着防止細線を円弧状部材に固定する構成となっている。これにより、架空線に対して固定した状態で鳥類止着防止細線を常に架空線の上方位置に離隔して並行に配索することができる。また、鳥類止着防止細線は鳥類が止まることのできない細さで構成されているため、風への影響を受けにくい。また、降雨時に雨水などが溜まり易い構成でもなく、降雪時に雪が積雪しやすい構成でもない。また、コストの抑制も図れる。
【0012】
次に、第2の発明は、第1の発明の鳥類止着防止細線取付け治具において、前記円弧状部材に設ける細線固定手段と円弧状部材移動固定手段とは、単一の操作により連動してその固定作動が行われる構成となっていることを特徴とする。
【0013】
この第2の発明によれば、円弧状部材に設ける細線固定手段と円弧状部材移動固定手段は、単一の操作により連動してその固定作動が行われる構成であるため、架空線に対する鳥類止着防止細線の設置を容易にすることができる。
【0014】
次に、第3の発明は、第2の発明の鳥類止着防止細線取付け治具において、前記単一の操作による連動固定は、前記円環状部材に対し径方向へ押圧する押圧部材との接触面の摩擦力によって前記円弧状部材の前記円環状部材に対する固定と、前記鳥類止着防止細線の固定をすることを特徴とする。
【0015】
この第3の発明によれば、円環状部材に対し径方向へ押圧する押圧部材との接触面の摩擦力によって円弧状部材の円環状部材に対する固定と、鳥類止着防止細線の固定をする構成である。これにより単一の操作による連動固定がなされており、より一層架空線に対する鳥類止着防止細線の設置を容易とすることができる。また、複雑な構造ではなく、押圧部材によるものであるため、材料コストの抑制を図ることができる。
【0016】
次に、第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれかの鳥類止着防止細線取付け治具において、前記本体部位の円環状部材は、二分割構成されて分離接続可能に配設されており、該分割された箇所から架空線を該円環状部材の外方位置から内方位置の固定具位置に挿入可能とされていることを特徴とする。
【0017】
この第4の発明によれば、本体部位の円環状部材は、二分割構成となっており、分割された箇所から架空線を円環状部材の外方位置から内方位置の固定具位置に挿入可能とされているため、取付性がより一層容易となっている。また、この二分割構成の円環状部材は、分離接続可能な構成のため、架空線を円環状部材の内方位置の固定具位置に挿入した後に再び接続した構成とすることで鳥類止着防止細線取付け治具の不意の脱落を防止することができる。
【0018】
次に、第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれかの鳥類止着防止細線取付け治具において、前記本体部位に構成される前記固定具は、少なくとも前記支持線に対して位置を固定する構成とされていることを特徴とする。
【0019】
この第5の発明によれば、本体部位に構成される前記固定具は、少なくとも支持線に対して位置を固定する構成とされているため、例えば、架空線が非円形であり、支持線が上方位置に配設されていないような場合でも、鳥類止着防止細線を架空線の上方位置に離隔して並行に配索することができる。すなわち、架空線全体に対して固定するものでなくてもよく、支持線に対して位置を固定するものであればよく、種々架空線に対応可能な鳥類止着防止細線取付け治具とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記各発明の手段をとることにより、地上に立設される電柱、鉄塔、建造物等の配索支持構成物間の空中に架け渡される架空線は、電力供給用・通信用等の電線と、該電線の軸方向に沿って張り渡されて該電線を支持する支持線とから成り、前記架空線の電線及び支持線より断面が細く、かつ鳥類が止まることのできない細さの鳥類止着防止細線を、前記架空線の上方位置に離隔して並行に配索するために前記架空線に取り付けられる鳥類止着防止細線取付け治具において、架空線に対して固定した状態で鳥類止着防止細線を常に架空線の上方位置に離隔して並行に配索することができる鳥類止着防止細線取付け治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具が架空線に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具の分解斜視図である。
【図3】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具において架空線への固定前状態を円環状部材側から見た拡大斜視図である。
【図4】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具において架空線への固定前状態を固定具側から見た拡大斜視図である。
【図5】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具において架空線への固定後状態を円環状部材側から見た拡大斜視図である。
【図6】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具において架空線への固定後状態を固定具側から見た拡大斜視図である。
【図7】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具において鳥類止着防止細線の固定前状態を拡大して示した斜視図である。
【図8】実施例1に係る鳥類止着防止細線取付け治具において鳥類止着防止細線の固定後状態を拡大して示した斜視図である。
【図9】架空線の各形態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0023】
始めに、実施例1の鳥類止着防止細線取付け治具の構成について、図1〜図8を用いて説明する。図1に図示されるように、本実施例の鳥類止着防止細線取付け治具10は、地上に立設される電柱、鉄塔、建造物等の配索支持構成物間の空中に架け渡される架空線Bの電線C及び支持線Dより断面が細く、かつ鳥類が止まることのできない細さの鳥類止着防止細線Aを、架空線Bの上方位置に離隔して並行に配索するために架空線Bに取り付けられるものである。
【0024】
ここで、図9には、架空線の各種形態が図示されている。この図9に図示される架空線Bは、種々の形態があるが、概略、電力供給用・通信用等の電線Cと、この電線Cの軸方向に沿って張り渡されて電線Cを支持する支持線Dと、から構成されている。この架空線Bのうち、自己支持型とされる、いわゆるSSケーブル(Self−supportingケープルの頭文字をとってSSケーブルと称している。)の構成は、電線C本体と、鋼線等の支持線Dを本体に沿わす格好で間隔をおいて並行に配置し、これら外周を合成樹脂で一体的に被覆されたものである。図9(a)に図示されるように、電線C本体と支持線Dが隣接して断面視で見て、だるま形(8字形)のシルエットに似た形状に構成されたものがある。また、図9(b)(c)に図示されるように、断面視で見て、平行形の形状に構成されたものもある。また、図9(d)に図示されるように、支持線D周りに電線C本体を巻きつける巻きつけ形の構成のものもある。
これ以外に、図9(e)に図示されるように、支持線Dに対し所定間隔を隔ててワイヤーハンガーHを設置し、支持線Dの下方の離隔した位置で電線Cを吊って支持する吊り支持形の構成のものがある。本実施例における、鳥類止着防止細線取付け治具10は、種々の架空線Bに対応して設置が可能なものであるが、ここでは、図9(a)に図示されるように、いわゆるSSケーブルの構成の中で、だるま形(8字形)のものを例示して説明する。
また、鳥類止着防止細線Aは、架空線Bの電線C及び支持線Dより断面が細く、かつスズメ、ムクドリ、ハト、カラス等の鳥類が止まることのできない細さ(実用的な細さとして0.5mmから2mm程度)の絶縁性を有するロープであれば種々の構成のものを適用できる。例えば、素材が天然繊維又は合成繊維によって構成される繊維ロープとして、例えば、テグス糸やガラス繊維ロープが適用できる。
【0025】
図2に図示されるように、鳥類止着防止細線取付け治具10は、合成樹脂を射出成形によって形成されるものであり、概略、円環状部材20、固定具30、円弧状部材40から構成されている。
【0026】
円環状部材20について説明する。
図2に図示されるように、この円環状部材20は、その円環上において、後述する円弧状部材40を移動可能に支持するものである。この円環状部材20は、リング本体22、開閉リング24の二分割構成とされており、開閉リング24がリング本体22に対して回動可能に構成されている。ここで、開閉リング24が閉鎖状態となって両部材が接続された状態となると、リング本体22と一体となって円環状の軌道面を構成し、円弧状部材40が円環全周を移動可能な構成とされている。一方、開閉リング24がリング本体22に対して回動して開放状態とされると、その分割箇所から架空線B(図1参照)を円環状部材20の内方側に取り込みんで、円環状部材20の内方位置に配置構成される固定具30に挿入可能な構成とされている。
【0027】
円環状部材20における、リング本体22、開閉リング24の二分割構成の分割割合は種々適用できる。図2に図示されるように、本実施例においては、リング本体22は、円環状部材20の約三分の二の円弧範囲で形成されており、外周面が一様に平坦に形成された軌道面22aを有している。また、内周面には、中心に向かって第1支柱部22b、第2支柱部22c、第3支柱部22dが形成されており、これら支柱は、交差する位置で連結されている。第1支柱部22bには、後述する固定具30の第1固定板32がリング本体22の軸方向に隣接して一体に形成されている。第2支柱部22cには、後述する開閉リング24が回動可能に軸支連結されるヒンジ部22eが形成されている。第3支柱部22dには、後述する開閉リング24が閉鎖状態を保持するストッパー片26が配設されている。
開閉リング24は、円環状部材20の残る三分の一の円弧範囲の部位が形成されており、リング本体22と同様に外周面が一様に平坦に形成された軌道面24aを有している。また、開閉リング24の一端側は、リング本体22と軸支連結されるヒンジ部24bが形成されており、他端側は、リング本体22の第3支柱部22dに構成されるストッパー片26と係合する係合部24cが中心方向に延出形成されている。すなわち、開閉リング24は、第2支柱部22cと第3支柱部22d間の円周上を形成する部位として配設されている。したがって、開閉リング24の開放により円環状部材20の第2支柱部22cと第3支柱部22d間に架空線Bを取り込むことのできる構成となっている。
【0028】
固定具30について説明する。
図1に図示されるように、この固定具30は、鳥類止着防止細線取付け治具10を架空線Bの軸方向位置、周方向位置を固定するために構成されるものである。
図2に図示されるように、この固定具30は、第1固定板32と第2固定板34の板状部材を、架空線B(図1参照)の径方向から挟持して、固定ボルト36と固定ナット38からなる締結手段によって締付け固定する構成とするものである。第1固定板32は、上述したとおりリング本体22と一体的に形成されており、中心部に固定ボルト36が挿通可能な第1ボルト挿通孔32aが貫通形成されている。また、第1固定板32のうち、リング本体22の軸方向と平行、かつ、リング本体22の軸中心に近い側の片には、架空線B(図1参照)を挟持可能な円弧面形状に湾曲形成された第1挟持面32bが形成されている。この第1固定板32に対向する構成として、第2固定板34が構成されている。この第2固定板34の中心部には、固定ボルト36が挿通可能な矩形の第2ボルト挿通孔34aが貫通形成されている。この矩形の第2ボルト挿通孔34aの各内周面は、固定ボルト36に形成されたストッパー部位36bと対応するストッパー面34cとして形成されており、両者が係合することで固定ボルト36の回転が規制されるものである。これにより、固定ボルト36は、第2固定板34の第2ボルト挿通孔34aに挿通された状態で回転規制され、この状態で固定ナット38を回しても、固定ボルト36は空回りが防止されるため締結操作が容易とされている。また、第2固定板34には、第1固定板32と対向して第2挟持面34bが形成されている。この第2挟持面34bは、架空線B(図1参照)の形態に考慮して円弧面形状の大きさに湾曲形成されている。
【0029】
円弧状部材40について説明する。
図1に図示されるように、この円弧状部材40は、上記した円環状部材20の円環上に支持されるものである。この円弧状部材40には、架空線Bに並行に配索される鳥類止着防止細線Aを円弧状部材40に固定する細線固定手段を備えている。また、円弧状部材40を円環状部材20の円環上の任意の位置で円環状部材20に固定することのできる円弧状部材移動固定手段を備えている。
【0030】
図2に図示されるように、この円弧状部材40は、円環状部材20の外周面に沿った円弧状基部40aが形成されており内周面は、円弧状部材20のリング本体22の軌道面22a及び、開閉リング24の軌道面24aに嵌めこまれて両部材の径方向外方に外れない状態で周方向に摺動可能な形状に形成されている。この円弧状基部40aの外周面には、径方向外方に放射状に突出した第1細線固定部位42と、第2細線固定部位44、44が形成されている。
【0031】
図2に図示されるように、第1細線固定部位42は、円柱状部位が放射状に突出形成されている。第1細線固定部位42の外周面は、第1細線取付ナット50の内周面に形成される雌ネジ部位50aに螺合可能な雄ネジ部位42aが形成されている。また、第1細線固定部位42の内周面は、後述する第1押圧ピン46が挿通する第1押圧ピン挿通路42bが形成されている。この第1押圧ピン挿通路42bは、円弧状基部40aの内周面まで貫通形成されている(図8参照)。また、第1細線固定部位42の軸方向中間部には、後述する鳥類止着防止細線A(図7参照)が取り込まれる細線導入溝42cが形成されている。この細線導入溝42cは、第1細線固定部位42の軸中心に向かって切込み形成されると共に、円弧状基部40aに向かって屈曲して切込み形成されている。第1押圧ピン46は、上記第1押圧ピン挿通路42bの内周面に対応する外周面形状として形成されており、上端には、第1細線取付ナット50の嵌合凹部50cと嵌め合い可能な嵌合凸部46aが形成されている。また、上記した、第1細線取付ナット50の外周面形状は、締結操作の際に把持し易いように、扁平な板状の把持部50bが一体として形成されている。
【0032】
図2に図示されるように、第2細線固定部位44、44は、円柱状部位が放射状に突出形成されている。第2細線固定部位44、44の外周面は、第2細線取付ナット52、52の内周面に形成される雌ネジ部位52a、52aに螺合可能な雄ネジ部位44a、44aが形成されている。また、第2細線固定部位44、44の内周面は、後述する第2押圧ピン48、48が挿通する第2押圧ピン挿通路44b、44bが形成されている。この第2押圧ピン挿通路44b、44bは、有底の穴形状として形成されている(図8参照)。また、第2細線固定部位44、44の軸方向中間部には、後述する鳥類止着防止細線A(図7参照)が取り込まれる細線導入溝44c、44cが形成されている。この細線導入溝42c、44cは、第2細線固定部位44、44の軸中心に向かって切込み形成されると共に、円弧状基部40aに向かって屈曲して切込み形成されている。第2押圧ピン48、48は、上記第2押圧ピン挿通路44b、44bの内周面に対応する外周面形状として形成されており、上端には、第2細線取付ナット52、52の嵌合凹部52c、52cと嵌め合い可能な嵌合凸部48a、48aが形成されている。また、上記した、第2細線取付ナット52、52の外周面形状は、締結操作の際に把持し易いように、扁平な板状の把持部52b、52bが一体として形成されている。
【0033】
上記のように構成される鳥類止着防止細線取付け治具10の鳥類止着防止細線Aの取り付け方法について、鳥類止着防止細線取付け治具10の架空線Bへの固定、鳥類止着防止細線Aの円弧状部材40への固定、及び、円弧状部材40の円環状部材20の円環上の任意位置への固定について説明する。
【0034】
〔鳥類止着防止細線取付け治具10の架空線Bへの固定〕
図3及び図4に図示されるように、円環状部材20のストッパー片26の係合を解除して開閉リング24の係合部24cとリング本体22の第3支柱部22dが分離可能な状態とする。そして、開閉リング24をリング本体22に対して径方向外方に回動させて開放状態とする。このとき、固定具30の第1固定板32と第2固定板34は離間した状態とされている。この状態で、円環状部材20の分割箇所から架空線Bを円環状部材20の内方側に取り込みんで、円環状部材20の内方位置に配置構成される固定具30に挿入する。その後、第1固定板32と第2固定板34によって、架空線Bの支持線Dを挟み込んで固定ボルト36と固定ナット38によって締付け固定する。
次に図5及び図6に図示されるように、開閉リング24をリング本体22に対して径方向内方側に回動させて閉鎖状態とする。そして、開閉リング24の係合部24cとリング本体22の第3支柱部22dが隣接した状態でストッパー片26をはめ込んで固定する。
【0035】
〔鳥類止着防止細線Aの円弧状部材40への固定(細線固定手段)、及び、円弧状部材40の円環状部材20の円環上の任意位置への固定(円弧状部材移動固定手段)〕
まず、図7に図示されるように、円弧状部材40を円環状部材20の円環上において、第1細線固定部位42または、第2細線固定部位44、44が架空線Bに対して上方位置に配置構成されるように移動させる。
次に、鳥類止着防止細線Aを円弧状部材40に形成されている第1細線固定部位42の細線導入溝42cに挿入する。この状態で、第1細線取付ナット50にはめ込まれた第1押圧ピン46を第1細線固定部位42の第1押圧ピン挿通路42b内に挿入して、第1細線取付ナット50を締付けていく。そうすると、第1押圧ピン46の先端部は、鳥類止着防止細線Aを円弧状部材40の円弧状基部40aに向かって押し込みながら進入し、円環状部材20のリング本体22の軌道面22a(開閉リング24の軌道面24a(図2参照)の場合もある。)に当接する。
図8に図示されるように、更に第1細線取付ナット50を締付けていくと、円環状部材20に対し径方向へ押圧する第1押圧ピン46と鳥類止着防止細線Aの接触面の摩擦力、及び、鳥類止着防止細線Aとリング本体22の軌道面22a(開閉リング24の軌道面24a(図2参照)の場合もある。)の間の摩擦力によって、円弧状部材40の円環状部材20に対する固定(円弧状部材移動固定手段)と、鳥類止着防止細線Aの円弧状部材40への固定(細線固定手段)が同時になされる。
【0036】
同様に、第2細線固定部位44の構成について説明する。図7に図示されるように、鳥類止着防止細線Aを円弧状部材40に形成されている第2細線固定部位44の細線導入溝44cに挿入する。この状態で、第2細線取付ナット52にはめ込まれた第2押圧ピン48を第2細線固定部位44の第2押圧ピン挿通路44b内に挿入して、第2細線取付ナット52を締付けていく。そうすると、第2押圧ピン48の先端部は、鳥類止着防止細線Aを円弧状部材40の円弧状基部40aに向かって押し込みながら進入する。ここで、この第2押圧ピン挿通路44bは、有底の穴形状として形成されている。そのため、第2押圧ピン48の先端部は、第2押圧ピン挿通路44bの底部44dに当接する。
そして図8に図示されるように、更に第2細線取付ナット52を締付けていくと、第2押圧ピン48と第2押圧ピン挿通路44bの底部44dの間に鳥類止着防止細線Aが挟み込まれて両部材の接触面の摩擦力によって、鳥類止着防止細線Aの固定がなされる。
【0037】
このように、本実施例1の鳥類止着防止細線取付け治具10によれば、架空線Bに取付けられる本体部位は円環状部材20として構成されている。この本体部位の円環状部材20には、その円環上を移動可能な円弧状部材40が配設されている。この円弧状部材40には、細線固定手段、円弧状部材移動固定手段が構成されている。この円弧状部材移動固定手段によって円弧状部材40を円環状部材20の円環上の任意の位置で円環状部材20に固定して、細線固定手段によって架空線Bに並行に配索される鳥類止着防止細線Aを円弧状部材40に固定する構成となっている。これにより、架空線Bに対して固定した状態で鳥類止着防止細線Aを常に架空線Bの上方位置に離隔して並行に配索することができる。また、鳥類止着防止細線Aは、鳥類が止まることのできない細さで構成されているため、風への影響を受けにくい。また、降雨時に雨水などが溜まり易い構成でもなく、降雪時に雪が積雪しやすい構成でもない。また、コストの抑制も図れる。
【0038】
また、円弧状部材40に設ける細線固定手段と円弧状部材移動固定手段は、単一の操作により連動してその固定作動が行われる構成であるため、架空線Bに対する鳥類止着防止細線Aの設置を容易にすることができる。
【0039】
また、円環状部材20に対し径方向へ押圧する第1押圧ピン46との接触面の摩擦力によって円弧状部材40の円環状部材20に対する固定と、鳥類止着防止細線Aの固定をする構成である。これにより単一の操作による連動固定がなされており、より一層架空線Bに対する鳥類止着防止細線Aの設置を容易とすることができる。また、複雑な構造ではなく、第1押圧ピン46によるものであるため、材料コストの抑制を図ることができる。
【0040】
また、本体部位の円環状部材20は、二分割構成となっており、分割された箇所から架空線Bを円環状部材20の外方位置から内方位置の固定具30の位置に挿入可能とされているため、取付性がより一層容易となっている。また、この二分割構成の円環状部材20は、分離接続可能な構成のため、架空線Bを円環状部材20の内方位置の固定具30の位置に挿入した後に再び接続した構成とすることで鳥類止着防止細線取付け治具10の不意の脱落を防止することができる。
【0041】
また、本体部位に構成される前記固定具30は、少なくとも支持線Dに対して位置を固定する構成とされているため、例えば、架空線Bが非円形であり、支持線Dが上方位置に配設されていないような場合でも、鳥類止着防止細線Aを架空線Bの上方位置に離隔して並行に配索することができる。すなわち、架空線B全体に対して固定するものでなくてもよく、支持線Dに対して位置を固定するものであればよく、種々架空線Bに対応可能な鳥類止着防止細線取付け治具10とすることができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について実施例1について説明したが、本発明の鳥類止着防止細線取付け治具は、本実施の形態に限定されず、その他各種の形態で実施することができるものである。例えば、本実施例の鳥類止着防止細線取付け治具10は、架空線Bへの固定する構成として、第1固定板32と、第2固定板34の別体構成によって架空線Bの径方向から挟持する構成のものについて示した。しかしながらこの構成に特に限定されることはなく、本発明における鳥類止着防止細線取付け治具は、架空線の軸方向位置、周方向位置を固定するものであれば、種々の機構を適用できるものであり、例えば、第1固定板と、第2固定板がヒンジ機構で連結されているものであってもよい。
【0043】
また、本実施例の鳥類止着防止細線取付け治具10は、鳥類止着防止細線Aの取り付ける構成として第1細線固定部位42、第2細線固定部位44、44の3つ構成について示した。しかしながら、これに限定されず、本発明の鳥類止着防止細線取付け治具は、鳥類止着防止細線を架空線の上方位置に離隔して並行に配索することができる構成であれば、少なくとも一つの細線固定部位が構成されているものでもよい。また、3つ構成以外に、2つ構成でもよいし、3つ以上の構成であってもよい。
【0044】
また、本実施例の鳥類止着防止細線取付け治具10は、円環状部材20に対し径方向へ押圧する第1押圧ピン46と鳥類止着防止細線Aの接触面の摩擦力、及び、鳥類止着防止細線Aとリング本体22の軌道面22a(開閉リング24の軌道面24a(図2参照)の場合もある。)の間の摩擦力によって、円弧状部材40の円環状部材20に対する固定(円弧状部材移動固定手段)と、鳥類止着防止細線Aの円弧状部材40への固定(細線固定手段)が同時になされる構成について示した。しかしながら、これに限定されず、本発明の鳥類止着防止細線取付け治具は、円弧状部材の円環状部材に対する固定(円弧状部材移動固定手段)と、鳥類止着防止細線の円弧状部材への固定(細線固定手段)の両固定手段を具備しているのであれば、別々の異なる機構によって、それぞれ操作する構成であってもよい。たとえば、上記実施例において第1細線固定部位42から細線導入溝42cの形成を止めて、円弧状部材移動固定手段のみの機能構成とし、第2細線固定手段44を細線固定手段の機能のみで構成してもよい。
【0045】
また、本実施例の鳥類止着防止細線取付け治具10は、架空線Bへの固定する構成として、固定具30が架空線Bの支持線Dに対して位置を固定する構成について示した。しかしながら、これに限定されず、本発明の鳥類止着防止細線取付け治具は、少なくとも前記支持線に対して位置を固定する構成とされていればよく、固定具が架空線全体に対して固定する構成のものであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 鳥類止着防止細線取付け治具
20 円環状部材
22 リング本体
22a 軌道面
22b 第1支柱部
22c 第2支柱部
22d 第3支柱部
22e ヒンジ部
24 開閉リング
24a 軌道面
24b ヒンジ部
24c 係合部
26 ストッパー片
30 固定具
32 第1固定板
32a 第1ボルト挿通孔
32b 第1挟持面
34 第2固定板
34a 第2ボルト挿通孔
34b 第2挟持面
34c ストッパー面
36 固定ボルト
36b ストッパー部位
38 固定ナット
40 円弧状部材
40a 円弧状基部
42 第1細線固定部位
42a 第1細線固定部位の雄ネジ部位
42b 第1押圧ピン挿通路
42c 細線導入溝
44 第2細線固定部位
44a 第2細線固定部位の雄ネジ部位
44b 第2押圧ピン挿通路
44c 細線導入溝
44d 底部
46 第1押圧ピン
46a 嵌合凸部
48 第2押圧ピン
48a 嵌合凸部
50 第1細線取付ナット
50a 第1細線取付ナットの雌ネジ部位
50b 把持部
50c 嵌合凹部
52 第2細線取付ナット
52a 第2細線取付ナットの雌ネジ部位
52b 把持部
52c 嵌合凹部
A 鳥類止着防止細線
B 架空線
C 電線
D 支持線
H ワイヤーハンガー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に立設される電柱、鉄塔、建造物等の配索支持構成物間の空中に架け渡される架空線は、電力供給用・通信用等の電線と、該電線の軸方向に沿って張り渡されて該電線を支持する支持線とから成り、
前記架空線の電線及び支持線より断面が細く、かつ鳥類が止まることのできない細さの鳥類止着防止細線を、前記架空線の上方位置に離隔して並行に配索するために前記架空線に取り付けられる鳥類止着防止細線取付け治具であって、
前記架空線に取付けられる本体部位は円環状部材として構成されており、該円環状部材の円環内方位置に前記架空線に固定して取付けられる固定具が配設されており、
前記本体部位の円環状部材には、その円環上を移動可能に円弧状部材が配設されており、
該円弧状部材には、前記架空線に並行に配索される鳥類止着防止細線を該円弧状部材に固定する細線固定手段と、該円弧状部材を前記円環状部材の円環上の任意の位置で該円環状部材に固定することのできる円弧状部材移動固定手段とを備え、該円弧状部材により前記鳥類止着防止細線が前記架空線の上方位置に配索された状態として取付けることができることを特徴とする鳥類止着防止細線取付け治具。
【請求項2】
請求項1に記載の鳥類止着防止細線取付け治具であって、
前記円弧状部材に設ける細線固定手段と円弧状部材移動固定手段とは、単一の操作により連動してその固定作動が行われる構成となっていることを特徴とする鳥類止着防止細線取付け治具。
【請求項3】
請求項2に記載の鳥類止着防止細線取付け治具であって、
前記単一の操作による連動固定は、前記円環状部材に対し径方向へ押圧する押圧部材との接触面の摩擦力によって前記円弧状部材の前記円環状部材に対する固定と、前記鳥類止着防止細線の固定をすることを特徴とする鳥類止着防止細線取付け治具。
【請求項4】
請求項1から請求項3にいずれかに記載の鳥類止着防止細線取付け治具であって、
前記本体部位の円環状部材は、二分割構成されて分離接続可能に配設されており、該分割された箇所から架空線を該円環状部材の外方位置から内方位置の固定具位置に挿入可能とされていることを特徴とする鳥類止着防止細線取付け治具。
【請求項5】
請求項1から請求項4にいずれかに記載の鳥類止着防止細線取付け治具であって、
前記本体部位に構成される前記固定具は、少なくとも前記支持線に対して位置を固定する構成とされていることを特徴とする鳥類止着防止細線取付け治具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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