説明

(2−アミノ)テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸の合成

本発明は、ラマトロバンの重要な合成中間体である2−アミノ−テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸合成の新規な方法を提供する。より詳細には、アミノシクロヘキサノールを酸化してアミノシクロヘキサノンを形成し、当該アミノシクロヘキサノンを縮合してテトラヒドロカルバゾールを形成し、当該テトラヒドロカルバゾールを脱保護してテトラヒドロカルバゾールのラセミ混合物を生成し、当該ラセミ混合物を光学分割して一の鏡像異性体が他のものより鏡像体過剰である生成混合物を得、当該過剰な鏡像体をアルキル化してアルキルエステルを生成し、当該アルキルエステルを加水分解して2−アミノ−テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸を生成することを含む2−アミノ−テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸の合成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年2月6日に出願された米国仮特許出願第61/150,335号と2008年12月30日に出願された米国仮特許出願第61/141,527号の利益を主張し、その内容全体は参照により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は、(2−アミノ)テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸およびその新規合成方法に関する。
【0003】
(2−アミノ)テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸は、喘息およびアレルギー性鼻炎に治療効果を有するトロンボキサンA2受容体(TP)アンタゴニストであるラマトロバンの重要な合成中間体である。
【0004】
【化1】

【0005】
米国特許第4988820号には、化合物1から出発するこの化合物の合成が開示されている。つまり、化学式1をフェニルヒドラジンと縮合および閉環してインドール2を生成する。酸を用いて、2の脱保護を行いケトン3を生成する。テトラブチルアンモニウムボロヒドリドの存在下、s−フェニルエチルアミンを用いて、ケトンの還元的アミノ化により化合物4を生成し、パラジウム触媒を用いた水素添加を行い、重要な中間体5を生成する。
【0006】
【化2】

【0007】
しかしながら、当該方法は好ましくない:出発原料1は比較的高価であり、アミノ化段階の収率はたった40%であり、還元剤として高価なテトラブチルアンモニウムボロヒドリドを必要とする。また、続く水素添加では、目的化合物5をたった70%でしか得られない。
【0008】
また、米国特許第4988820号には、化合物6から出発した、化合物5の代替合成法が記載されている。つまり、化合物6を三酸化クロムにより酸化し、ケトン7を生成する。化合物7とフェニルヒドラジンを縮合し、閉環してインドール8を生成する。次いで、HClを用いて加水分解を行いインドール9を生成する。前記中間体5は、光学分割試薬として(+)−マンデル酸を用いたラセミ体9の光学分割により得られる。
【0009】
【化3】

【0010】
しかしながら、この方法は本質的に不利である:つまり、第1段階の酸化反応は毒性がありかつ高価な重金属試薬の三酸化クロムを必要とし、(+)−マンデル酸を使用したインドール9の光学分割では化合物5をたった〜10%でしか得られない。
【0011】
米国特許5684158号は、水酸化カリウムおよびベンジルトリエチルアンモニウムクロライドのような水酸化アルカリ金属および相間移動触媒約1molの存在下で、2−アミノ−テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸エチルエステル10の合成を開示する。
【0012】
【化4】

【0013】
この反応の問題点は、反応混合物中の不溶性の物質が、反応中とても粘度の高いものとなることである。後処理において、不溶性物質を除くために、当該反応混合物を熱溶媒中で濾過しなければならず、当該粘度の高い物質により濾過がしにくい。
【0014】
したがって、2−アミノ−テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸の新規な合成方法が非常に必要とされている。
【発明の概要】
【0015】
発明の概要
本発明は、2−アミノ−テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸の新規な合成法を提供するものであり、あまり高価でない出発原料と試薬を使用し、酸化のために重金属酸化試薬を使用せず、光学分割により有効な光学分割試薬を用いる方法であり、より有効に後処理をするための代替アルキル化触媒を提供する。
【0016】
したがって、本発明の第一態様は式IV:
【0017】
【化5】

【0018】
で表されるテトラヒドロカルバゾール化合物の合成法を提供する。
【0019】
ここで、当該合成方法は:
(1)式I:
【0020】
【化6】

【0021】
式中RおよびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アシル、アルキルアリール、アルキルオキシアシル、アルキルアミノアシル、イミド基類から選択され、または、RおよびRは、それらの結合している窒素原子と共にジカルボン酸イミドを形成する;
で表されるアミノシクロヘキサノール化合物を酸化し、式II:
【0022】
【化7】

【0023】
で表されるアミノシクロヘキサノン化合物を形成する段階、
(2)前記式IIの化合物とフェニルヒドラジンとを縮合して、式III:
【0024】
【化8】

【0025】
で表されるテトラヒドロカルバゾール化合物をする段階、および、
(3)前記式IIIで表される化合物を脱保護して、前記式IVで表されるテトラヒドロカルバゾール化合物のラセミ混合物を生成する段階、を含む。
【0026】
本発明の当該態様の他の実施形態における方法は、(4)ラセミ混合物を光学分割して、一の鏡像体が他の鏡像体よりも過剰である生成混合物を得る段階をさらに含む。一実施形態によれば、(R)−鏡像体は、(S)−鏡像体より過剰に存在する。他の実施形態によれば、(S)−鏡像体は、(R)−鏡像体より過剰に存在する。
【0027】
本発明の当該態様の他の実施形態における方法は、(5)前記段階(4)の生成物をアルキル化し、式V:
【0028】
【化9】

【0029】
で表されるアルキルエステル化合物を生成する段階をさらに含む。
【0030】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、低級アルキル基から選択され、Rはエチレンであるのが好ましく、すなわち、前記式Vの化合物はプロピオン酸エステルである。
【0031】
本発明の当該態様のさらに他の実施形態における方法は、(6)式Vのエステルを加水分解して、式VI:
【0032】
【化10】

【0033】
のカルボン酸を生成する段階をさらに含む。
【0034】
本発明はまた、式IVで表されるテトラヒドロカルバゾール化合物のラセミ混合物を光学分割するためのより有効な試薬を提供する。本発明の当該態様における光学分割の方法は、(4A)式IVで表されるテトラヒドロ−カルバゾール化合物のラセミ混合物を溶媒に溶解する段階と、(4B)DBTA,カンファースルホン酸および2,3,5,6−ジ−O−イソプロピリデン−2−ケト−L−グロン酸から選択される光学分割試薬を前記溶液に加え、(R)−鏡像体が鏡像体過剰で沈殿する段階を含む。(S)−鏡像体の過剰量は溶液中に残存し、回収されうる。
【0035】
本発明の当該態様の一の実施形態において、段階(4A)および4(B)を繰り返し、前記鏡像体生成物の純度をさらに上げる。本発明の他の一実施形態において、段階(5)および(6)を段階(4A)の生成物に行い、式IVで表される化合物を高鏡像体純度で生成する。本発明の当該態様の一実施形態における方法は一の鏡像体の鏡像体過剰率を他のものに対して少なくとも90%、好ましくは少なくとも98%である式IVで表される化合物の生成混合物を提供する。
【0036】
本発明はまた、式IVの化合物をアルキル化して式Vのケトン化合物を得るのにより有効なアルキル化触媒を提供する。本発明の当該態様におけるアルキル化方法は、有機溶媒中、水素化ナトリウムの存在下、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドのような相間移動触媒を用いてまたは用いずにオメガ−アルケノン酸エステルと式IVの化合物を反応させる。好ましいオメガ−アルケノン酸エステルはアクリル酸エチルである。一の実施形態において、前記エステルは、続けて加水分解され、遊離カルボン酸を生成する。
【0037】
本発明のより完全な見解および多くの他の所望の利点は、図面および請求項を参照して以下の記載において説明され、本発明の原理および実施するために現在検討されている最良の形態を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
好ましい実施形態の詳細な説明
上記および当該開示を通して用いられているように、以下の語は、他のことを示唆されていなければ、以下の意味を有すると理解されうる:
「中間体」との語は、反応物(または先の中間体)から形成され、さらに反応して化学反応の直接確認される生成物を与える分子全てを意味する。ほとんどの化学反応は段階的であり、つまり、完結するために一以上の基本的な段階を要する。中間体は、少なくとも一つを除いて、最終生成物を形成するための段階のそれぞれの反応生成物である。
【0039】
本明細書に使用される「アシル」との語は、炭素と酸素原子間に二重結合があり(すなわち、カルボニル基)、およびRと前記炭素間に単結合を有する、式RC(=O)−で表される官能基を意味する。
【0040】
本明細書に使用される「アルキル」との語は、飽和脂肪族基のラジカルを意味し、直鎖状アルキル基および分枝状アルキル基を含む。
【0041】
本明細書に使用される「アルコキシ」との語は、酸素ラジカルの結合した、上記のアルキル基を意味する。代表的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ベンジルオキシルなどを含む。
【0042】
本明細書に使用される「アリール」との語は、単純な芳香族環に基づく、官能基または置換基のいかなるものも意味する。代表的なアリール基は、フェニル、チオフェニル、インドリルなどを含む。
【0043】
本発明は、式IIIで表される中間体化合物を経た、2−アミノ−テトラヒドロカルバゾール−プロパン酸の合成の新規な方法を提供する。ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、アシルまたはその環化体、アルキルオキシアシル、アルキルアミノアシル基類から選択され、または、RおよびRは、それらの結合している窒素原子と共にジカルボン酸イミドを形成する:
【0044】
【化11】

【0045】
式IIIを伴う中間体は、一般式IIの中間体に由来し、一般式Iの出発原料を酸化漂白して得られる。
【0046】
【化12】

【0047】
当該工程は以下の反応スキームに例示する経路で示され、式中、RおよびRは、−NRがフタルイミド基を意味する環構造であることを意味する:
【0048】
【化13】

【0049】
4−(フタルイミド)−シクロヘキサノール11を、水または有機溶媒もしくは混合有機溶媒中で漂白酸化し、TEMPOもしくはその重合体またはその他の形態の存在下で4−(フタルイミド)−シクロヘキサノン12を生成し、本段階で重金属酸化剤の使用を避ける。続く、沸騰酢酸または約50℃から約250℃、好ましくは約80℃から約200℃の他の高沸点溶媒中でのフェニルヒドラジンとの縮合および閉環によりインドール13のラセミ混合物を生成し、酸またはヒドラジンのような塩基存在下で脱保護を行い9を生成する。
【0050】
続く段階において、DBTA、カンファースルホン酸および2,3,5,6−ジ−O−イソプロピリデン−2−ケト−L−グロン酸のような光学分割試薬を使用して前記ラセミ混合物を光学分割する。ここで、これらは、従来の再結晶においてマンデル酸の代替とされた際に、マンデル酸よりもよりよい光学分割試薬であることがわかっている、特に、2,3:4,6−ジ−O−イソプロピリデン−2−ケト−L−グロン酸を光学分割試薬として使用した場合、最初の光学分割により90ee%の所望の異性体5が45%収率(入手される鏡像体に基づき、90%収率)で得られ、そのeeは再結晶によりさらに高めることができる。
【0051】
続く10へのアルキル化をベンジルトリエチル−アンモニウムクロライドのような相間移動触媒の存在下または不存在下において、有機溶媒中水素化ナトリウムを使用して行う。水素化ナトリウムの量は出発原料に基づき最高で約1モルまたは触媒量であり、好ましくは約1〜約10%molである。当該反応は約0.5時間で完了し、酢酸のような酸を用いてクエンチされる。当該反応混合物は、さらなる後処理のため室温で濾過してもよいし、しなくてもよい。
【0052】
最後の反応段階は、水と有機溶媒の混合物中、酸またはTHF中の水素化リチウムのような塩基を使用して行われる。反応が完了した後に、有機溶媒を減圧下で除去し、pHを調整することで水中から2−アミノ−テトラヒドロ−カルバゾール−プロパン酸が沈殿する。
【0053】
制限されるものではないが、以下の実施例は、以下の記載は本発明の特定の態様を示す。全ての部およびパーセントは、他に言及されない限りモルパーセントによるものであり、全ての温度は摂氏温度による。反応は解析できる等級(analytical grade)でされており、受け取られたように使用される。
【実施例】
【0054】
実施例
実施例1:4−(フタルイミド)−シクロヘキサノン
4−(フタルイミド)−シクロヘキサノール(146g)をAcOEt(1000mL)と混合し、その後、NaBr(8g)およびTEMPO(0.5g)を加えた。NaClO(10%)1000mLを一度に加え、当該反応混合物をNaHCOを用いてpH7−8に調整し、その温度を5〜20℃で維持した。反応終了後、水相を分離し、有機相を飽和食塩水(400mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、白色固体として当該生成物を得た(95%収率)。
【0055】
実施例2:3−(フタルイミド)−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール
実施例1で得られた4−(フタルイミド)−シクロヘキサノンをAcOH1000mLと混合する。フェニルヒドラジン(46g)を加え、当該反応混合物を熱し還流した。反応終了後、当該反応混合物を室温まで冷却し濾過した。その固形状物をAcOHで洗浄し、乾燥して生成物(102g)を淡黄色固体として得た。
【0056】
実施例3:3−アミノ−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール
実施例2で得られた3−(フタルイミド)−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール(70g)をメタノール400mLに混合し、ヒドラジン25mLを加えた。当該混合物を終夜攪拌し、固体を濾取した。その濾液を減圧下で蒸留し、残渣を水200mLで処理した。HCl(20%)30mLを加え、5時間攪拌した。固体を濾取し、濾液をNaOH(20%)を使用してpH11に調整した。固体を濾過し、乾燥して、固体として生成物33gを得た。
【0057】
実施例4:(R)−3−アミノ−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール
実施例3で得られたラセミ体の3−アミノ−1,2,3−テトラヒドロカルバゾールをメタノール150mLと混合した。2,3:4,6−ジ−O−イソプロピリデン−2−ケト−L−グロン酸を加えた。光学分割を行った後、固体を濾過し、その固形状物メタノールで洗浄し、乾燥して90ee%の生成物42gを得、再結晶を行い、純度>98ee%の物質を得た。
【0058】
実施例5:エチル 3−[(R)−3−アミノ−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール−9−91]プロピオネート(ヘミスルフェート)
実施例4で得られた(R)−3−アミノ−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール(0.1mol)をTHF150mLと混合した。ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.002mol)と酢酸エチル(0.25mol)を加えた。当該混合物を50℃に熱し、NaH(0.001mol)を加えた。0.5時間以内の反応終了後、AcOH(0.001mol)を加え、減圧下、溶媒を除去した。残渣を100mLの水/エタノールで処理し、HSO(10%)を用いてpH4に調整した。固体を濾過し、乾燥して、生成物を白色固体のとして得た(90%収率)。
【0059】
実施例6:3−[(R)−3−アミノ−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール−9−91]プロパン酸
実施例5で得られたエチル 3−[(R)−3−アミノ−1,2,3−テトラヒドロカルバゾール]プロピオネート(ヘミスルフェート)(10g)をTHF100mLと混合した。LiOH(10%)20mLを加え、当該混合物を3時間攪拌した。減圧下、溶媒を除去し、残渣を水50mLで処理し、その後、pH5に調整した。生成物を白色固体として単離した。
【0060】
好ましい実施形態の上述の記載は例示としてとられるべきであって、本願発明を限定するものではなく、本願発明は請求項により定義される。容易に評価されるように、上述の示唆する全ての特徴の様々な組み合わせは、請求項に示唆される本発明から離れることなく使用されうる。そのようなバリエーションは本発明の精神及び範囲から離れたものとみなされず、全てのそのような変更は以下の特許請求の範囲に含まれることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IV:
【化1】

で表されるテトラヒドロカルバゾール化合物の合成方法であって、
(1)式I:
【化2】

式中RおよびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アシル、アルキルアリール、アルキルオキシアシル、アルキルアミノアシル、イミド基類から選択され、または、RおよびRは、それらの結合している窒素原子と共にジカルボン酸イミドを形成する;
で表されるアミノシクロヘキサノール化合物を酸化し、式II:
【化3】

で表されるアミノシクロヘキサノン化合物を形成する段階;
(2)前記式IIの化合物とフェニルヒドラジンとを縮合して、式III:
【化4】

で表されるテトラヒドロカルバゾール化合物を生成する段階;および、
(3)前記式IIIで表される化合物を脱保護して、前記式IVで表されるテトラヒドロカルバゾール化合物のラセミ混合物を生成する段階;
を含む、合成方法。
【請求項2】
前記合成が、(4)前記ラセミ混合物を光学分割して、一の鏡像体を他の鏡像体よりも過剰に含む生成混合物を得る、段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生成混合物が、(S)−鏡像体より(R)−鏡像体を過剰に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生成混合物が、(R)−鏡像体より(S)−鏡像体を過剰に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記光学分割の方法が、
(4A)前記式IVで表されるテトラヒドロカルバゾール化合物のラセミ混合物を溶媒に溶解し;および
(4B)光学分割試薬を前記溶媒に添加して、前記(R)または(S)−鏡像体の鏡像体過剰なものを沈殿する、
段階を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記光学分割試薬が、DBTA、カンファースルホン酸および2,3,5,6−ジ−O−イソプロピリデン−2−ケト−L−グロン酸からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記段階(4A)および(4B)を繰り返し、前記鏡像体の生成物をさらに精製する、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記合成が、(5)前記段階(4)の生成物をアルキル化し、式V:
【化5】

式中、RおよびRは、それぞれ独立して、低級アルキル基から選択される;
で表されるアルキルエステル化合物を生成する、段階をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
がエチレンであり、前記式Vの化合物がプロピオン酸エステルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アルキル化が、アルキル化触媒を使用して行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記アルキル化触媒がオメガ−アルケノン酸エステルであり、有機溶媒中、水素化ナトリウムの存在下、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドのような相間移動触媒を用いてまたは用いずに行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記オメガ−アルケノン酸エステルが、アクリル酸エチルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記合成が、(6)前記式Vのエステルを加水分解して、式VI:
【化6】

式中、Rは低級アルキル基から選択される;
で表されるカルボン酸を生成する、段階をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記合成が、
(5A)前記段階(4A)の生成物をアルキル化し、前記式Vで表されるアルキルエステル化合物を生成する段階;および、
(6A)前記式Vのエステルを加水分解して、前記式VIのカルボン酸を高い鏡像体純度で生成する段階をさらに含み、
式中RおよびRは、それぞれ独立して、低級アルキル基類から選択される、請求項2に記載の方法。


【公表番号】特表2012−514005(P2012−514005A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543707(P2011−543707)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/069586
【国際公開番号】WO2010/078250
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511154386)キラル クエスト, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】