説明

(Y,Gd)含有ナノ粒子及び表面結合有機リガンドを用いたルミネッセント材料

本発明は、少なくとも一つの有機リガンド分子に結合した(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料を含んだ、発光デバイス用のルミネッセント材料に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ルミネッセント材料、とりわけ蛍光光源、とりわけLED用のコンバーター材料の分野に向けられる。
蛍光変換されたLED(pcLED)について、適用した蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトルを、半導体の発光スペクトル及びLEDの使用が意図される目的の適用に対して適合させることが要求される。しかしながら、とりわけ活性剤Eu+3に基づいた赤色発光蛍光体の分野において、このような適合は多大な困難性を伴ってのみ達成され、それはEu+3蛍光体の吸収限界を可視光範囲へシフトさせるための手段がほんのわずかしか存在しないためである。
本発明の目的は、半導体の種々の発光波長及びpcLEDの適用エリアに適合できる、pcLED用のルミネッセント材料を提供することである。
この目的は、本発明の請求項1に記載するルミネッセント材料により解決される。従って、表面が少なくとも一つの有機リガンド分子に結合した、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料を含むルミネッセント材料が提供される。
【0002】
そうすることにより、ほとんどの適用に対して、以下の少なくとも一つの利点が達成できる:
−より高いフォトルミネッセンス効果
−より強い吸収
−近UV及び青色スペクトル範囲における吸収(選択した有機リガンドに対して)。
用語“結合した”は、共有結合、静電結合、水素結合、複合結合(例えば、配位金属複合結合)及び/又はいかなる他の適切な結合及び/又は力を介して、ナノ粒子材料及び少なくとも一つの有機分子が互いに結合することを意味し、記載し及び/又は含む。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料のd50サイズは、2nmから100nmである。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料のd50サイズは、4nmから50nmである。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料のd50サイズは、5nmから20nmである。
【0003】
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料は、(Y,Gd)-オキシド材料である。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料は、(Y1-xGdx)BO3、(Y1-xGdx)2O3、(Y1-xGdx)VO4、(Y1-xGdx)NbO4、(Y1-xGdx)2O2S、(Y1-xGdx)3Al5O12、(Y1-xGdx)2SiO5、(Y1-xGdx)PO4及びこれらの混合物を含む群から選択される。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料は、少なくとも一つの三価のドーパント材料でドープされる。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの群から選択される少なくとも一つのドーパント材料でドープされる。
本発明の態様により、少なくとも一つのドーパント材料(群)が、発光できる活性物質として機能する。
【0004】
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料におけるドーパント材料のドーピングレベル(dotation level)は0.5から50モル%である。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料におけるドーパント材料のドーピングレベルは1から25モル%である。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料におけるドーパント材料のドーピングレベルは2から10モル%である。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、多座配位(multidentate)及び/又はキレート材料である。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、N及び/又はOドナー分子である。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、300nmから500nmの範囲で吸収する。
【0005】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、320nmから480nmの範囲で吸収する。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、350nmから450nmの範囲で吸収する。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における発光材料(群)の発光状態より上の、3000cm-1から13000cm-1である三重項状態を有する。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における発光材料(群)の発光状態より上の、4000cm-1から10000cm-1である三重項状態を有する。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における発光材料(群)の基底状態より上の、20000cm-1から50000cm-1である三重項状態を有する。
【0006】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における発光材料(群)の発光状態より上の、25000cm-1から45000cm-1である三重項状態を有する。
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子は、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における発光材料(群)の発光状態より上の、30000cm-1から40000cm-1である三重項状態を有する。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における有機リガンド分子(群)と発光材料(群)の比率は、0.01:1から0.9:1である。
本発明の態様により、(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における有機リガンド分子(群)と発光材料(群)の比率は、0.1:1から0.5:1である。
【0007】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の式Iを有する:
【化1】

(式中、R1、R2及び/又はR3は、以下を含む群から独立して選択される;水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテル)。
【0008】
一般的な基の定義
明細書及び特許請求の範囲全体を通して、一般的な基が使用され、例えばアルキル、アルコキシ、アリールが使用される。他に定義しない限り、以下は、本明細書で開示される化合物中に見られる一般的な基として適用して良い好ましい基である;
アルキル:直鎖及び分枝C1-C8-アルキル、
長鎖アルキル:直鎖及び分枝C5-C20-アルキル、
アルケニル:C2-C6-アルケニル、
シクロアルキル:C3-C8-シクロアルキル、
アルコキシ:C1-C6-アルコキシ、
長鎖アルコキシ:直鎖及び分枝C5-C20アルコキシ、
アルキレン:以下から成る群より選択される:
メチレン;1,1-エチレン;1,2-エチレン;1,1-プロピリデン;1,2-プロピレン;1,3-プロピレン;2,2-プロピリデン;ブタン-2-オール-1,4-ジイル;プロパン-2-オール-1,3-ジイル;1,4-ブチレン;シクロヘキサン-1,1-ジイル;シクロヘキサン-1,2-ジイル;シクロヘキサン-1,3-ジイル;シクロヘキサン-1,4-ジイル;シクロペンタン-1,1-ジイル;シクロペンタン-1,2-ジイル;及びシクロペンタン-1,3-ジイル、
【0009】
アリール:300より低い分子量を有するホモ芳香族化合物から選択される;
アリーレン:以下から成る群より選択される:1,2-フェニレン;1,3-フェニレン;1,4-フェニレン;1,2-ナフタレニレン;1,3-ナフタレニレン;1,4-ナフタレニレン;2,3-ナフタレニレン;1-ヒドロキシ-2,3-フェニレン;1-ヒドロキシ-2,4-フェニレン;1-ヒドロキシ-2,5-フェニレン;及び1-ヒドロキシ-2,6-フェニレン、
ヘテロアリール:以下から成る群より選択される:ピリジニル;ピリミジニル;ピラジニル;トリアゾリル;ピリダジニル;1,3,5-トリアジニル;キノリニル;イソキノリニル;キノキサリニル;イミダゾリル;ピラゾリル;ベンズイミダゾリル;チアゾリル;テノイル;オキサゾリジニル;ピロリル;カルバゾリル;インドリル;及びイソインドリル、ここでヘテロアリールは、選択されたヘテロアリールの環におけるいかなる原子を介して化合物に結合されても良い、
【0010】
ヘテロアリーレン:以下から成る群より選択される:ピリジンジイル;キノリンジイル;ピラゾジイル;ピラゾールジイル;トリアゾールジイル;ピラジンジイル;及びイミダゾールジイル、ここでヘテロアリーレンは、選択したヘテロアリーレンの環におけるいかなる原子も介して化合物中の架橋として機能し、より特に好ましくは以下のものである:ピリジン-2,3-ジイル;ピリジン-2,4-ジイル;ピリジン-2,5-ジイル;ピリジン-2,6-ジイル;ピリジン-3,4-ジイル;ピリジン-3,5-ジイル;キノリン-2,3-ジイル;キノリン-2,4-ジイル;キノリン-2,8-ジイル;イソキノリン-1,3-ジイル;イソキノリン-1,4-ジイル;ピラゾール-1,3-ジイル;ピラゾール-3,5-ジイル;トリアゾール-3,5-ジイル;トリアゾール-1,3-ジイル;ピラジン-2,5-ジイル;及びイミダゾール-2,4-ジイル、-C1-C6-ヘテロシクロアルキル、ここで-C1-C6-ヘテロシクロアルキルのヘテロシクロアルキルは、以下から成る群より選択される:ピペリジニル;ピペリジン;1,4-ピペラジン;テトラヒドロチオフェン;テトラヒドロフラン;1,4,7-トリアザシクロノナン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカン;1,4-ジアザ-7-チアシクロノナン;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノナン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン;1,4-ジオキサン;1,4,7-トリチア-シクロノナン;ピロリジン;及びテトラヒドロピラン、ここでヘテロシクロアルキルは、選択したヘテロシクロアルキルの環におけるいかなる原子を介して、-C1-C6-アルキルに結合しても良い、
【0011】
ヘテロシクロアルキレン:以下から成る群より選択される:ピペリジン-1,2-イレン;ピペリジン-2,6-イレン;ピペリジン-4,4-イリデン;1,4-ピペラジン-1,4-イレン;1,4-ピペラジン-2,3-イレン;1,4-ピペラジン-2,5-イレン;1,4-ピペラジン-2,6-イレン;1,4-ピペラジン-1,2-イレン;1,4-ピペラジン-1,3-イレン;1,4-ピペラジン-1,4-イレン;テトラヒドロチオフェン-2,5-イレン;テトラヒドロチオフェン-3,4-イレン;テトラヒドロチオフェン-2,3-イレン;テトラヒドロフラン-2,5-イレン;テトラヒドロフラン-3,4-イレン;テトラヒドロフラン-2,3-イレン;ピロリジン-2,5-イレン;ピロリジン-3,4-イレン;ピロリジン-2,3-イレン;ピロリジン-1,2-イレン;ピロリジン-1,3-イレン;ピロリジン-2,2-イリデン;1,4,7-トリアザシクロノン-1,4-イレン;1,4,7-トリアザシクロノン-2,3-イレン;1,4,7-トリアザシクロノン-2,9-イレン;1,4,7-トリアザシクロノン-3,8-イレン;1,4,7-トリアザシクロノン-2,2-イリデン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1,4-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1,8-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-2,3-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-2,5-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1,2-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-2,2-イリデン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-1,4-イレン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-1,7-イレン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-1,2-イレン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-2,3-イレン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-2,2-イリデン;1,4,7,10,13ペンタアザシクロペンタデカ-1,4-イレン;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカ-1,7-イレン;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカ-2,3-イレン;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカ-1,2-イレン;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカ-2,2-イリデン;1,4-ジアザ-7-チア-シクロノン-1,4-イレン;1,4-ジアザ-7-チア-シクロノン-1,2-イレン;1,4-ジアザ-7チア-シクロノン-2,3-イレン;1,4-ジアザ-7-チア-シクロノン-6,8-イレン;1,4-ジアザ-7-チア-シクロノン-2,2-イリデン;1,4-ジアザ-7-オキサシクロノン-1,4-イレン;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノン-1,2-イレン;1,4ジアザ-7-オキサ-シクロノン-2,3-イレン;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノン-6,8-イレン;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノン-2,2-イリデン;1,4-ジオキサン-2,3-イレン;1,4-ジオキサン-2,6-イレン;1,4-ジオキサン-2,2-イリデン;テトラヒドロピラン-2,3-イレン;テトラヒドロピラン-2,6-イレン;テトラヒドロピラン-2,5-イレン;テトラヒドロピラン-2,2-イリデン;1,4,7-トリチア-シクロノン-2,3-イレン;1,4,7-トリチア-シクロノン-2,9-イレン;及び1,4,7-トリチア-シクロノン-2,2-イリデン、
【0012】
ヘテロシクロアルキル:以下から成る群より選択される:ピロリニル;ピロリジニル;モルホリニル;ピペリジニル;ピペラジニル;ヘキサメチレンイミン;1,4-ピペラジニル;テトラヒドロチオフェニル;テトラヒドロフラニル;1,4,7-トリアザシクロノナニル;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカニル;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカニル;1,4-ジアザ-7-チアシクロノナニル;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノナニル;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカニル;1,4-ジオキサニル;1,4,7-トリチアシクロノナニル;テトラヒドロピラニル;及びオキサゾリジニル、ここでヘテロシクロアルキルは、選択したヘテロシクロアルキルの環におけるいかなる原子を介して化合物と結合しても良い、
アミン:基-N(R)2(式中各Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;C1-C6-アルキル-C6H5;及びフェニル、ここでRが両方ともC1-C6-アルキルである場合、両方のRは共に、該ヘテロ環に対するアルキル置換基を形成するいかなる残りのアルキル鎖と共に、-NC3から-NC5のヘテロ環を形成しても良い)、
【0013】
ハロゲン:以下から成る群より選択される:F;Cl;Br及びI、
ハロゲンアルキル:以下から成る群より選択される:モノ、ジ、トリ、ポリ及びペルハロゲン化した直鎖及び分枝C1-C8-アルキル、
擬ハロゲン:以下から成る群より選択される:-CN、-SCN、-OCN、N3、-CNO、-SeCN
スルホネート:基-S(O)2OR(式中、Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;C1-C6-アルキル-C6H5;Li;Na;K;Cs;Mg;及びCa)
スルフェート:基-OS(O)2OR(式中、Rは以下から選択される:水素、C1-C6-アルキル;フェニル;C1-C6-アルキル-C6H5;Li;Na;K;Cs;Mg;及びCa)
スルホン:基-S(O)2R(式中Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;C1-C6-アルキル-C6H5及び以下の群から選択される(スルホンアミドを得るための)アミン:-NR'2(式中R'は独立して以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;C1C6-アルキル-C6H5;及びフェニル(式中両方のR'がC1-C6-アルキルである場合、両方のR'は共に、ヘテロ環に対するアルキル置換基を形成するいかなる残りのアルキル鎖と共に、-NC3から-NCSヘテロ環を形成しても良い)))
【0014】
カルボキシレート誘導体:基-C(O)OR(式中Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;C1-C6-アルキル-C6H5;Li;Na;K;Cs;Mg;及びCa)
カルボニル誘導体:基-C(O)R(式中、Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;C1-C6-アルキル-C6H5及び以下から選択される(アミドを得るための)アミン:-NR'2(式中、R'は、独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;C1-C6-アルキル-C6H5;及びフェニル(式中両方のR'がC1-C6-アルキルである場合、両方のR'は共に、ヘテロ環に対するアルキル置換基を形成するいかなる残りのアルキル鎖と共に、-NC3から-NC5ヘテロ環を形成しても良い)))
ホスホネート:基-P(O)(OR)2(式中、各Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;C1-C6-アルキル-C6H5;Li;Na;K;Cs;Mg;及びCa)、
ホスフェート:基-OP(O)(OR)2(式中、各Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;C1-C6-アルキル-C6H5;Li;Na;K;Cs;Mg;及びCa)、
【0015】
ホスフィン:基-P(R)2(式中、各Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;及びC1-C6-アルキル-C6H5)、
ホスフィンオキシド:基-P(O)R2(式中、Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;フェニル;及びC1-C6-アルキル-C6H5;及び以下の群から選択される(ホスホンアミデートを得るための)アミン:-NR'2(式中、各R'は独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;C1-C6-アルキル-C6H5;及びフェニル(式中両方のR'がC1-C6-アルキルである場合、両方のR'は共に、ヘテロ環に対するアルキル置換基を形成するいかなる残りのアルキル鎖と共に、-NC3から-NC5ヘテロ環を形成しても良い)))、
ポリエーテル:-(O-CH2-CH(R))n-OH及び-(O-CH2-CH(R))n-Hを含む群から選択される(式中Rは以下から独立に選択される:水素、アルキル、アリール、ハロゲン、及びnは1から250である)。
【0016】
他に定義しない限り、以下は、本明細書で開示する化合物中で見出される基として適用して良い、より好ましい基の限定である:
アルキル;直鎖及び分枝C1-C6-アルキル、
長鎖アルキル:直鎖及び分枝C5-C10アルキル、好ましくは直鎖C6-C8アルキル、
アルケニル:C3-C6アルケニル、
シクロアルキル:C6-C8-シクロアルキル、
アルコキシ:C1-C4-アルコキシ、
長鎖アルコキシ:直鎖及び分枝C5-C10アルコキシ、好ましくは直鎖C6-C8アルコキシ、
アルキレン:以下から成る群より選択される:メチレン;1,2-エチレン;1,3-プロピレン;ブタン-2-オール-1,4-ジイル;1,4-ブチレン;シクロヘキサン-1,1-ジイル;シクロヘキサン-1,2-ジイル;シクロヘキサン-1,4-ジイル;シクロペンタン-1,1-ジイル;及びシクロペンタン-1,2-ジイル、
アリール;以下から成る群より選択される:フェニル;ビフェニル;ナフタレニル;アンスラセニル;及びフェナンスレニル、
アリーレン:以下から成る群より選択される:1,2-フェニレン;1,3-フェニレン;1,4-フェニレン;1,2-ナフタレニレン;1,4-ナフタレニレン;2,3-ナフタレニレン及び1-ヒドロキシ-2,6-フェニレン、
【0017】
ヘテロアリール:以下から成る群より選択される:
ピリジニル;ピリミジニル;キノリニル;ピラゾリル;トリアゾリル;イソキノリニル;イミダゾリル;及びオキサゾリジニル、ここで、ヘテロアリールは、選択されたヘテロアリールの環におけるいかなる元素を介して化合物に結合しても良い、
ヘテロアリーレン;以下から成る群より選択される:ピリジン2,3-ジイル;ピリジン-2,4-ジイル;ピリジン-2,6-ジイル;ピリジン-3,5-ジイル;キノリン-2,3-ジイル;キノリン-2,4-ジイル;イソキノリン-1,3-ジイル;イソキノリン-1,4-ジイル;ピラゾール-3,5-ジイル;及びイミダゾール-2,4-ジイル、
ヘテロシクロアルキル:以下から成る群より選択される:
ピロリジニル;モルホリニル;ピペリジニル;ピペリジニル;1,4-ピペラジニル;テトラヒドロフラニル;1,4,7-トリアザシクロノナニル;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカニル;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカニル;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカニル;及びピペラジニル、ここでヘテロシクロアルキルは、選択したヘテロシクロアルキルの環におけるいかなる元素を介して化合物と結合してよく、
ヘテロシクロアルキレン:以下から成る群より選択されるもの:
ピペリジン-2,6-イレン;ピペリジン-4,4-イリデン;1,4-ピペラジン-1,4-イレン;1,4-ピペラジン-2,3-イレン;1,4-ピペラジン-2,6-イレン;テトラヒドロチオフェン-2,5-イレン;テトラヒドロチオフェン-3,4-イレン;テトラヒドロフラン-2,5-イレン;テトラヒドロフラン-3,4-イレン;ピロリジン-2,5-イレン;ピロリジン-2,2-イリデン;1,4,7-トリアザシクロノン-1,4-イレン;1,4,7-トリアザシクロノン-2,3-イレン;1,4,7-トリアザシクロノン-2,2-イリデン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1,4-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1,8-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-2,3-イレン;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-2,2-イリデン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-1,4-イレン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-1,7-イレン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-2,3-イレン;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカ-2,2-イリデン;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカ-1,4-イレン;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカ-1,7-イレン;1,4-ジアザ-7-チア-シクロノン-1,4-イレン;1,4-ジアザ-7-チア-シクロノン-2,3-イレン;1,4-ジアザ-7-チア-シクロノン-2,2-イリデン;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノン-1,4-イレン;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノン-2,3-イレン;1,4-ジアザ-7-オキサ-シクロノン-2,2-イリデン;1,4-ジオキサン-2,6-イレン;1,4-ジオキサン-2,2-イリデン;テトラヒドロピラン-2,6-イレン;テトラヒドロピラン-2,5-イレン;及びテトラヒドロピラン-2,2-イリデン、-C1-C6-アルキル-ヘテロシクロアルキル、ここで-C1-C6-ヘテロシクロアルキルのヘテロシクロアルキルは、以下から成る群より選択される:ピペリジニル;1,4-ピペラジニル;テトラヒドロフラニル;1,4,7-トリアザシクロノナニル;1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカニル;1,4,7,10,13-ペンタアザシクロペンタデカニル;1,4,7,10-テトラアザシクロドデカニル;及びピロリジニル、ここでヘテロシクロアルキルは、選択したヘテロシクロアルキルの環におけるいかなる元素を介して-C1-C6-アルキルと結合して良く、
【0018】
アミン:基-N(R)2(式中各Rは独立に以下から選択される;水素;C1-C6-アルキル;及びベンジル)、
ハロゲン:以下から成る群より選択される:F及びCl、
スルホネート:基-S(O)2OR(式中Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;Na;K;Mg;及びCa)、
スルフェート:基-OS(O)2OR(式中Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;Na;K;Mg;及びCa)、
スルホン:基-S(O)2R(式中Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;ベンジル及び以下の基から選択されるアミン:-NR'2(式中各R'は独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;及びベンジル))、
カルボキシレート誘導体:基-C(O)OR(式中Rは以下から選択される:水素;Na;K;Mg;Ca;C1-C6-アルキル;及びベンジル)、
カルボニル誘導体:基:-C(O)R(式中Rは以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;ベンジル及び以下の基から選択されるアミン:-NR'2(式中各R'は独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;及びベンジル))、
ホスホネート:基-P(O)(OR)2(式中各Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;ベンジル;Na;K;Mg;及びCa)、
ホスフェート:基-OP(O)(OR)2(式中各Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;ベンジル;Na;K;Mg;及びCa)、
ホスフィン:基-P(R)2(式中各Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;及びベンジル)、
ホスフィンオキシド:基-P(O)R2(式中Rは独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;ベンジル及び以下の基から選択されるアミン:-NR'2(式中各R'は独立に以下から選択される:水素;C1-C6-アルキル;及びベンジル))、
ポリエーテル:-(O-CH2-CH(R))n-OH及び-(O-CH2-CH(R))n-H(式中、Rは独立に以下から選択され:水素、メチル、ハロゲン、及びnは5から50、好ましくは10から25である)を含む基から選択される。
【0019】
M、Mn(nは整数である):金属(荷電された又は荷電されていない)(式中2つの金属Mn及びMmは、他に記載しない限り、独立に互いから選択される)。

本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造IIを有する;
【化2】

(式中、R1及び/又はR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)。
【0020】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造IIIを有する;
【化3】

(式中R1は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)。
【0021】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造IVを有する;
【化4】

(式中、R1及び/又はR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)。
【0022】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造Vを有する;
【化5】

(式中、R1及び/又はR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)。
【0023】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造VIを有する;
【化6】

(式中R2は、単結合、メチル、アルキル、メチルアリール、アリール、ヘテロアリール、メチルヘテロアリール、アルケニル、ビニル、アルキニル、メチルアルキニル、ケトアリール、メチルケトアリール、ケト、ケトヘテロアリール、メチルケトヘテロアリール、ケトアルケニル、メチルケトアルケニル、ケトアルキニル、メチルケトアルケニル、ハロゲンメチル、ハロゲンメチルアリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ハロゲンアルキル、ハロゲンヘテロアリール、ハロゲンメチルヘテロアリール、ハロゲンアルケニル、ハロゲンビニル、ハロゲンアルキニル、ハロゲンメチルアルキニル、ハロゲンケトアリール、ハロゲンメチルケトアリール、ハロゲンケト、ハロゲンケトヘテロアリール、ハロゲンメチルケトヘテロアリール、ハロゲンケトアルケニル、ハロゲンメチルケトアルケニル、ハロゲンケトアルキニル、ハロゲンメチルケトアルケニルを含む群より選択され、
及び式中R1及び/又はR3は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)。
【0024】
R1及びR3に対する表示及び/又は注釈の方法は、各芳香環おいて唯一の置換残基が存在することを意味し又は意図するのではなく;むしろ式が全ての可能な置換基(モノ-、ジ-から5置換基)が、この注釈により意味されるように読まれなければならないことに注意しなければならない。これは、この出願において言及される全てのさらなる構造に対しても意図される。
【0025】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造VIIを有する;
【化7】

(式中、R1、R2及び/又はR3は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)
【0026】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造VIIIを有する:
【化8】

(式中R1及び/又はR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択され、及びX、Y及びZは、C、N、O、Sを含む群より独立に選択される。)
【0027】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造IXを有する:
【化9】

IX
(式中R1及び/又はR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択され、及びX及びYは、C、N、O、Sを含む群より独立に選択される。)
【0028】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造Xを有する:
【化10】

(式中R1は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択され、及びW、X、Y及びZは、C、N、O、Sを含む群より独立に選択される。)。
【0029】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造XIを有する:
【化11】

(式中R1、R2及び/又はR3は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択され、及びX、Y及びZは、C、N、O、Sを含む群より独立に選択される。)。
【0030】
結合
【化12】

は、全ての可能なシス/トランス異性体が、構造XIにより保護される事を示すことを意図することに注意すべきである。
【0031】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造XIIを有する:
【化13】

(式中R1、R2、R3及び/又はR4は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)。
【0032】
本発明の態様により、少なくとも一つの有機リガンド分子(群)は、以下の構造XIIIを有する:
【化14】

(式中R1、R2、R3及び/又はR4は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、擬ハロゲン、ホルミル、カルボキシ-及び/又はカルボニル誘導体、アルキル、長鎖アルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリーレン、ハロゲンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ハロゲンヘテロアリール、アルケニル、ハロゲンアルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキニル、ケト、ケトアリール、ハロゲンケトアリール、ケトヘテロアリール、ケトアルキル、ハロゲンケトアルキル、ケトアルケニル、ハロゲンケトアルケニル、ホスホアルキル、ホスホネート、ホスフェート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホリル、ホスホアリール、スルホニル、スルホアルキル、スルホアレニル、スルホネート、スルフェート、スルホン、アミン、ポリエーテルを含む群から独立に選択される。)。
【0033】
本発明は更に、発光デバイス、とりわけ上記のようなルミネッセント材料を含んだLEDに関する。
本発明は更に、上記のようなルミネッセント材料の、生物学的用途、好ましくはバイオ-及び/又は免疫アッセイにおける使用に関する。
驚くべき事に、本発明で記載するようなルミネッセント材料が、生物化学用途、例えばバイオ-及び/又は免疫アッセイにおける“ラベリング”物質として使用して良いことが見出された。
【0034】
本発明の一用途により、ルミネッセント材料は、ある生物化学的分子をラベルするためのマーカーとして、又は本発明の他の用途により細胞部分をラベルするためのマーカーとして使用できる。
ラベリングは、本発明の一用途により、リンカー分子を介して起こり、又は本発明の一用途により、物理的な接着により起こっても良い。
本発明によるルミネッセント材料及び/又は発光デバイスは、以下の1以上のシステム及び/又は用途の広い範囲で使用して良い:
−オフィス照明システム、
−家庭アプリケーションシステム、
−店舗照明システム、
−家庭照明システム、
−アクセント照明システム、
−スポット照明システム、
−劇場照明システム、
−光ファイバーアプリケーションシステム、
−投射系、
−自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、
−画素化したディスプレイシステム、
−断片化したディスプレイシステム、
−警告信号システム、
−医療照明アプリケーションシステム、
−標識サインシステム、及び
−装飾照明システム、
−携帯システム、
−自動車用途、
−グリーンハウス照明システム。
【0035】
前記要素、加えて請求した要素及び記載した態様において本発明に従い使用される要素は、適切な分野における公知の選択基準が制限されることなく適用できるように、これらのサイズ、形状、材料選択及び技術概念に関するいかなる特別な例外に向けられることはない。
【0036】
図面の簡単な説明
本発明のさらなる詳細、特徴及び利点は、従属項、図並びに以下の図及び実施例に関する記載で開示され、これらは、例示的な方法で、本発明におる発光デバイスにおいて使用されるEu-含有材料のいくつかの態様を、更に本発明の態様によるLEDを示す。
【0037】
実施例1
図1から図3は、(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料及びこの(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料を用いたルミネッセント材料に関する。この実施例で使用する(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料は、以下のように製造されたGdVO4:Eu(5%)である。
GdCl3(9.5mmol)及びEuCl3(0.5mmol)を375mlのH2Oに溶解した。次いで室温でNaVO4を50ml添加し、100℃で約30分加熱して“乳状の”溶液を得た。得られた沈殿を回収し、水及びアセトンで洗浄し、60℃で乾燥した。収量は、2,5162gであった。
図1は、GdVO4:Eu材料のXRDスペクトルを示す。粒子のd50サイズは10nmである。
図2は、図1の材料の励起スペクトル(破線)及び発光スペクトルを示す。励起スペクトル(破線)は、約290-300nmで最大を示し、発光スペクトルはいくつかの鋭いバンドを有し、最も突出したバンドは625nmにおけるものである。
【0038】
次いで、GdVO4:Eu材料を、エタノール中に懸濁し、2-テノイルトリフルオロアセチルアセトン(構造を参照されたい)及びNaOMeのエタノール溶液を添加した。懸濁液を、1時間還流して加熱した。冷却後、得られた沈殿を回収し、エタノールで2回洗浄した。収量は、0,1075gの明るい黄色の粉末であった。
【化15】

テノイルトリフルオロアセチルアセトン(Thenoyltrifluoracetylacetone) (TTFA)
図3は、GdVO4:Eu/TTFA材料の励起スペクトル(破線)及び発光スペクトルを示す。
このスペクトルから、ルミネッセント材料は、約380nmの領域でさらなる励起バンドを示すことが明確に見いだせる。このさらなる励起バンドは、有機リガンドの存在に起因し、有機リガンドは近UVで吸収し、吸収したエネルギーをEu3+中心に移す。
【0039】
上記詳細な態様における要素の特定の態様及び様式は単なる例示である;参照により取り込まれた特許出願及びこの出願における他の教示と、これら教示の置き換え及び置換が同様に明確に取り込まれる。当業者が認識するであろうように、本明細書で記載したものの変形、変更及び他の実施は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく当業者が実施できる。従って、前の記載は、なる例示であり、制限することを意図しない。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びこの均等物として定義される。さらに、説明及び請求項で使用する参照は、請求する本発明の範囲を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の第一の例による(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料のXRDスペクトルを示す。
【図2】図2は、図1の材料の励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。
【図3】図3は、図1及び2の(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料を適用した本発明の第一の態様によるルミネッセント材料の励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの有機リガンド分子に結合した(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料を含んだ、発光デバイス用のルミネッセント材料。
【請求項2】
(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料のサイズが、2nmから100nmである、請求項1に記載のルミネッセント材料。
【請求項3】
(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料が、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの群から選択される少なくとも一つのドーパント材料でドープされる、請求項1又は2に記載のルミネッセント材料。
【請求項4】
(Y,Gd)-含有ナノ粒子材料におけるドーパント材料のドーピングレベルが、0,5%から50%である、請求項1から3のいずれか1項に記載のルミネッセント材料。
【請求項5】
少なくとも一つの有機リガンド分子が、多座配位及び/又はキレート材料である、請求項1から4のいずれか1項に記載のルミネッセント材料。
【請求項6】
少なくとも一つの有機リガンド分子が、N及び/又はOドナー材料である請求項1から5のいずれか1項に記載のルミネッセント材料。
【請求項7】
少なくとも一つの有機リガンド分子が、300nmから500nmの範囲で吸収し、及び/又は(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における発光材料(群)の発光状態より上の、3000cm-1から13000cm-1である三重項状態を有する請求項1から6のいずれか1項に記載のルミネッセント材料。
【請求項8】
(Y,Gd)含有ナノ粒子材料における有機リガンド分子(群)と発光材料(群)の比率が0.01:1から0.9:1である、請求項1から7のいずれか1項に記載のルミネッセント材料。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載するルミネッセント材料を含んだ発光デバイス、特にLED。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載するルミネッセント材料及び/又は請求項9に記載する発光デバイスを含んだシステムであって、以下の用途の1以上で使用されるシステム:
−オフィス照明システム、
−家庭アプリケーションシステム、
−店舗照明システム、
−家庭照明システム、
−アクセント照明システム、
−スポット照明システム、
−劇場照明システム、
−光ファイバーアプリケーションシステム、
−投射系、
−自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、
−画素化したディスプレイシステム、
−断片化したディスプレイシステム、
−警告信号システム、
−医療照明アプリケーションシステム、
−標識サインシステム、及び
−装飾照明システム、
−携帯システム、
−自動車用途、
−グリーンハウス照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−529085(P2009−529085A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557859(P2008−557859)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050565
【国際公開番号】WO2007/102094
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】