説明

2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体及びその製造方法

【課題】2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を、安価で入手容易又は合成容易な原料を用い、簡便な方法で高収率且つ高選択的に製造することができる、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法を提供する。また、新規な2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を提供する。
【解決手段】0価または2価のルテニウムを含むルテニウム錯体触媒の存在下で、ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとを反応させて、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体及びその製造方法に係り、特に、新規な2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体と、低原子価のルテニウム錯体触媒を用いてジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとから2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を製造する製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
有用な生物活性を有するが天然には微量しか得られない天然物質、その複雑な構造ゆえに合成が困難な抗生物質など、有用性があるにも拘わらず入手困難な有機化合物が多数存在する。このような有機化合物やその合成中間体を、効率よく大量に合成する方法を提供することが、有機合成化学の大きな目標である。
【0003】
天然物質ノナクチン(Nonactin)は、アルカリ金属イオンを輸送する抗生物質を製造するために利用することができる。また、ノナクチンをアンモニウムイオン認識分子として用いて、バイオセンサを製造することもできる。2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体は、このノナクチンや人工生理活性物質等の合成中間体として使用することができ、非常に有用な化合物である。
【0004】
従来、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の合成方法としては、(1)酸又は塩基条件下での開環反応(例えば、非特許文献1)、(2)エステルエノラートとラクトンとの交差クライゼン縮合(例えば、非特許文献2)、(3)セレン化物又はヨウ化物を用いた環化反応(例えば、非特許文献3)、(4)遷移金属錯体触媒反応(例えば、非特許文献4)など、大きく分けて4種類の方法が提案されている。
【0005】
例えば、非特許文献1では、下記式に示すように、1−ブロモ−2−クロロエタンと1,3−ジカルボニルジアニオンとの環化により、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を合成している。この合成方法では、強塩基であるLDAを用いて1,3−ジカルボニルジアニオンを発生させ、このジアニオンによる1−ブロモ−2−クロロエタンの求核置換反応により環化させる。
【0006】
【化1】

【非特許文献1】ランゲ等、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、2001年 66巻 6057頁(P.Langer, E.Holtz, I.Karime and N.N.R.Saleh, J.Org.Chem., 2001, 66, 6057.)
【非特許文献2】ソラディ等、テトラヘドロン・レターズ、2000年 41巻 551頁(G.Solladie, X.J.Salom-Roig and G.Hanquet, Tetrahedron Lett., 2000, 41, 551.)
【非特許文献3】タン等、テトラヘドロン、2004年 60巻 9963頁(E.Tang, X.Huang and W.-M.Xu, Tetrahedron., 2004, 60, 9963.)
【非特許文献4】加藤等、テトラヘドロン・レターズ、2001年 42巻 4243頁(K.Kato, A.Nishimura, Y.Yamamoto and H.Akita, Tetrahedron Lett., 2001, 42, 4243.)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の合成方法(1)〜(4)では、反応工程が複雑である、大量の塩が副生成する、という問題がある。また、(4)の遷移金属錯体触媒反応では、複雑な構造の原料を用いることが多い、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決すべく成されたものであり、本発明の目的は、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を、安価で入手容易又は合成容易な原料を用い、簡便な方法で高収率且つ高選択的に製造することができる、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法を提供することにある。また、塩の副生がなく高原子効率的な製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明のもう1つの目的は、新規な2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は鋭意検討した結果、ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとの共二量化には、0価又は2価のルテニウムを含むルテニウム錯体触媒が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法は、0価または2価のルテニウムを含むルテニウム錯体触媒の存在下で、ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとを反応させて、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を製造することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体は、本発明の製造方法を検討する過程で見出された、新規な2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体である。
【発明の効果】
【0012】
以上説明した通り、本発明によれば、ルテニウム錯体触媒を用いて共二量化を行うことで、ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとから、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を、安価で入手容易又は合成容易な原料を用い、簡便な方法で高収率且つ高選択的に製造することができる。
【0013】
例えば、原料として5位に置換基を有するジヒドロフラン化合物を用いた場合には、5位に置換基が導入された2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を得ることができる。このように、本発明の製造方法によれば、有用な物質を工業的に製造することができる。
【0014】
また、従来の合成方法と異なり、本発明の製造方法を用いた場合には、反応終了後に多量の塩が副生しない。即ち、高い原子効率で目的物化合物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[本発明の概要]
本発明の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法は、0価または2価のルテニウムを含むルテニウム錯体触媒の存在下で、ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとを反応(共二量化)させて、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を製造するものである。
【0016】
このような共二量化反応の一例としては、下記の反応式(1)で表される2,3−ジヒドロフラン化合物とアクリル酸エステルとの反応が挙げられる。
【0017】
【化2】

【0018】
2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体は、天然物質ノナクチン(Nonactin) や人工生理活性物質の合成中間体として使用することができ、非常に有用な化合物である。本発明の製造方法によれば、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を、反応工程の少ない非常に簡便な方法で製造することができる。また、ジヒドロフラン化合物、アクリル酸エステルに代表されるα,β-不飽和カルボン酸エステルという、安価で入手容易又は合成容易な原料を用いる点も、本発明の製造方法の重要な特徴である。
【0019】
また、上記反応式(1)に示したように、本発明の製造方法に係る共二量化反応によれば、位置異性体の副生はなく、2E−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体だけが選択的に生成する。即ち、本発明の製造方法によれば、テトラヒドロフラン環の2位がアルキリデン基で置換され、炭素の二重結合に対しテトラヒドロフラン環の酸素と異なる側にα,β-不飽和カルボン酸エステルのカルボニル基が導入された、2E−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を高収率且つ高選択的に製造することができる。
【0020】
本発明の製造方法を検討する過程で見い出された新規な2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の化学式(A)乃至(C)を下記に示す。
【0021】
【化3】

【0022】
上記化学式(A)において、5位の官能基であるR1は、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。また、R6は、メチル基、エチル基等の低級アルキル基を表す。
【0023】
[ルテニウム錯体触媒]
周期表の第8族遷移金属元素であるルテニウムは、多様な酸化状態を取ることが可能である。本発明では、ルテニウムの酸化状態が0価又は2価のルテニウム錯体を触媒として使用する。
【0024】
ルテニウム錯体触媒の構成は、下記化学式(1)で表される。
Ru(L1l(L2m(L3n 化学式(1)
【0025】
式中、L1、L2、L3は各々中性又はアニオン性の配位子を表し、L1は単座配位子、L2は二座配位子、L3は三座配位子を表す。l、m、nは、各々0以上の整数を表し、ルテニウムの酸化状態が0価の場合は、l+2m+3n=5の関係を満たし、ルテニウムの酸化状態が2価の場合は、l+2m+3n=6の関係を満たす。
【0026】
中性配位子又はアニオン性配位子として、反応時に解離し易い配位子を含むことが好ましい。
【0027】
アニオン性配位子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素等のハロゲン原子、水素原子、シクロペンタジエニル基、シクロオクタジエニル基等のポリエニル基が挙げられる。これらの中でも、塩素原子、水素原子、シクロオクタジエニル基が好ましく、シクロオクタジエニル基が特に好ましい。
【0028】
中性配位子は、単座配位子、二座配位子、又は三座配位子のいずれであってよい。中性配位子としては、フマル酸ジメチル(略号dmfm)等のアルケン、1,5−シクロオクタジエン(略号cod)、1,3,5−シクロオクタトリエン(略号cot)等のポリエン、一酸化炭素、トリフェニルホスフィン等のホスフィン等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジメチル(dmfm)、1,5−シクロオクタジエン(cod)、1,3,5−シクロオクタトリエン(cot)が好ましい。なお、フマル酸ジメチル、一酸化炭素、トリフェニルホスフィンは単座配位子であり、1,5−シクロオクタジエンは二座配位子であり、1,3,5−シクロオクタトリエンは三座配位子である。
【0029】
上記のルテニウム錯体触媒としては、具体的には、Ru(cod)(cot)、Ru(cot)(dmfm)2、Ru(cyclooctadienyl)2、Ru3(CO)12及びRuHCl(CO)(PPh3)3等が挙げられる。この中でも、触媒活性に優れる点で、Ru(cod)(cot)、Ru(cot)(dmfm)2が好ましい。
【0030】
また、上記のルテニウム錯体触媒は、塩化ルテニウム(III)三水和物(RuCl3・3H2O)を出発原料として合成される。例えば、Ru(cod)(cot)は、塩化ルテニウム(III)三水和物と1,5−シクロオクタジエンと亜鉛粉末とをメタノール還流下で反応させることにより合成される。
【0031】
[原料化合物]
(ジヒドロフラン化合物)
ジヒドロフラン化合物としては、下記一般式(1)で表される2,3−ジヒドロフラン化合物、または下記一般式(2)で表される2,5−ジヒドロフラン化合物を用いることができる。
【0032】
【化4】

【0033】
上記の式中、R1、R2は、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
【0034】
1、R2を表すアルキル基としては、メチル基、エチル基等、炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられる。また、R1、R2を表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。反応収率の観点から、R1、R2としては、水素原子が特に好ましい。
【0035】
(α,β-不飽和カルボン酸エステル)
α,β-不飽和カルボン酸エステルとしては、下記一般式(3)で表されるα,β-不飽和カルボン酸エステルを用いることができる。
【0036】
【化5】

【0037】
上記の式中、R3は、アルキル基、又はアリール基を表す。また、R4、R5は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキシカルボニル基を表す。
【0038】
3を表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられる。R3を表すアリール基としては、フェニル基等が挙げられる。
【0039】
3としては低級アルキル基が好ましい。即ち、α,β-不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等、α,β-不飽和カルボン酸と炭素数1乃至4の低級アルコールとのエステルが好ましい。R3が低級アルキル基の場合に、特に反応収率が向上する。
【0040】
4、R5を表すアルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。R4、R5を表すアリール基としては、フェニル基等が挙げられる。R4、R5を表すアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。R4、R5としては、水素原子又はアルコキシカルボニル基が好ましい。R4、R5が水素原子又はアルコキシカルボニル基の場合に、反応収率が向上する。
【0041】
[共二量化反応の条件]
上述した共二量化反応は、反応容器に、反応原料、ルテニウム錯体触媒、及び溶媒を加え、得られた反応溶液を加熱攪拌することで進行する。反応終了後、溶媒を除去し、生成物を単離することで、目的化合物を得ることができる。
【0042】
反応溶媒としては、非プロトン性の高沸点溶媒を用いることが好ましく、高沸点の極性溶媒を用いることがより好ましい。後述する通り、本発明では反応温度が重要であり、反応温度を160℃以上とすることで反応収率が顕著に改善される。非プロトン性の高沸点溶媒を用いることで、常圧下で反応温度を高めに設定することが可能となる。ここで、高沸点溶媒とは、常圧での沸点が150℃以上の溶媒である。このような非プロトン性の高沸点溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA;沸点165℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;沸点153℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム;沸点162℃)、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン;沸点164.7℃)等が挙げられる。これらの中でも、極性溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましい。
【0043】
溶媒量は、溶媒中の触媒の濃度が0.006〜0.03モル/リットル、好ましくは0.01モル/リットル程度となるように加減する。溶媒中の触媒の濃度を、上記の範囲とすることで、反応収率が向上する。
【0044】
反応温度は、溶媒の沸点等に応じて適宜設定される。反応時間の短縮、反応収率の向上という観点から、反応温度は160℃以上が好ましいが、反応温度が180℃を超えると却って収率が低下する。このため、反応温度は160℃〜180℃の範囲がより好ましく、160℃〜170℃の範囲が更に好ましい。反応温度を上記160℃〜180℃の範囲とすることで、反応収率が顕著に改善される。
【0045】
また、反応時間は、反応原料(基質)に応じて適宜設定されるが、反応温度が160℃〜180℃の範囲では、反応時間を20〜48時間の範囲とするのが好ましい。反応容器としては、耐腐食性のガラス容器を用いることが好ましい。
【0046】
ルテニウム錯体触媒は、一般に空気中では不安定であるため、反応は不活性ガスの雰囲気下で行うのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等を用いることができる。また、反応系を均一にするために、反応溶液を機械的に攪拌することが好ましい。
【0047】
ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとのモル比は、3:1〜10:1の範囲が好ましく、5:1〜7:1の範囲がより好ましく、5:1付近が特に好ましい。反応モル比を上記の範囲とすることで、反応収率、選択性がより改善される。また、ルテニウム錯体触媒の添加量は、α,β-不飽和カルボン酸エステルに対し1モル%〜5モル%の範囲とするのが好ましく、3モル%前後がより好ましい。
【0048】
上述した共二量化反応により、位置異性体の副生はなく、2E−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体が高収率で生成する。即ち、テトラヒドロフラン環の2位がアルキリデン基で置換され、炭素の二重結合に対しテトラヒドロフラン環の酸素と異なる側にα,β-不飽和カルボン酸エステルのカルボニル基が導入された、2E−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体が高い選択性で生成する。
【0049】
目的化合物の確認、反応収率の確認は、気−液クロマトグラフィー(GLC)等、通常の分析手段を用いて行うことができる。反応終了後、反応溶液から溶媒を除去し、残渣から目的化合物を単離する。目的化合物の単離手段としては、カラムクロマトグラフィーや蒸留などが挙げられる。カラムクロマトグラフィーで粗分離した後に蒸留することで、触媒残渣の除去が容易になり、単離工程の操作性が向上する。
【実施例】
【0050】
以下に本発明を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記に示す2,3−ジヒドロフランとアクリル酸エチルとの共二量化反応を行った。
【0051】
【化6】

【0052】
アルゴン雰囲気下、2,3−ジヒドロフラン351mg(5.0mmol)、アクリル酸エチル100 mg(1.0mmol)、Ru(cod)(cot)9.4mg(0.03mmol)、及びDMA3.0mlを三方コックと磁気回転子を備えたパイレックス(登録商標)製の20mlガラス反応容器に入れ、この混合物を160℃に加熱しながら20時間攪拌した。
【0053】
反応混合物から溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:関東化学社製、シリカゲル60N、球状、中性、40-50μm; 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で粗精製した後、キューゲルロール蒸留器を用いて減圧蒸留(110℃、10Torr)し、上記反応式に示すアルキリデンテトラヒドロフラン誘導体(共二量体)93mgを得た。得られた共二量体は無色油状の液体であった。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は70%、単離収率は59%であった。位置異性体の副生は見られなかった。
【0054】
得られた共二量体の同定データを以下に示す。
Ethyl 2-(3,4,5-trihydro-2-furylidene)propanoate. IR (neat): 1692, 1646, 1455, 1304 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 4.14 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 4.08 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.99 (dt, J = 1.5, 7.8 Hz, 2H), 2.03-1.96 (m, 2H), 1.74 (t, J = 1.5, 3H), 1.21 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 170.0, 169.1, 97.5, 71.2, 59.5, 31.0, 24.7, 14.6, 11.4; MS (EI) m/z 170 (M+); Anal. Calcd for C9H14O3: C, 63.51; H, 8.29. Found: C, 63.33; H, 8.11.
【0055】
GLCによる分析条件及び収率算出方法を以下に示す。なお、GLCによる分析条件及び収率算出方法は、各実施例に共通である。
<分析条件>
GLC装置:Shimadzu GC-14B
ガラスカラム:内径3.2mm×3.0m
充填剤:Silicone OV-17(2% on Chromosorb W(AW-DMCS),60-80mesh)
<収率算出方法>
内部標準物質としてナフタレンを用い、内部標準法により定量し、収率を算出した。
【0056】
(実施例2)
触媒をRu(cod)(dmfm)2に変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行った。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は70%であった。位置異性体の副生は見られなかった。
【0057】
(実施例3)
触媒をRu(cyclooctadienyl)2に変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行った。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は50%であった。位置異性体の副生は見られなかった。
【0058】
(実施例4)
触媒をRu3(CO)12に変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行った。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は45%であった。位置異性体の副生は見られなかった。
【0059】
(実施例5)
触媒をRuHCl(CO)(PPh3)3に変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行った。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は31%であった。位置異性体の副生は見られなかった。
【0060】
(比較例1)
触媒を添加しなかった以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行ったが、反応は進行せず、共二量体は全く得られなかった。
【0061】
(比較例2)
触媒をFe3(CO)12に変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行ったが、反応は進行せず、共二量体は全く得られなかった。触媒をCo2(CO)8、RhCl(PPh3)3、IrCl(CO)(PPh3)2、又はPd(PPh3)4に変更した場合も同様であった。
【0062】
以上の結果から分かるように、0価又は2価のルテニウムを含む錯体触媒を用いた場合は、高収率且つ高選択率で共二量化反応が進行した(実施例1〜5)。特に、触媒としてRu(cod)(cot)、Ru(cot)(dmfm)2を用いた場合には、高収率で反応が進行した(実施例1,2)。一方、触媒を添加しなかった場合(比較例1)、他の錯体触媒を用いた場合(比較例2)には、共二量化反応は全く進行しなかった。
【0063】
(実施例6〜11)
表1に示すように反応原料を種々変更した以外は実施例1と同様にして、下記に示す2,3−ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとの共二量化反応を行った。但し、実施例7については、反応時間を48時間とした。なお、反応原料の分子量が異なるため添加重量は異なるが、添加モル量を実施例1と同一とした。
【0064】
【化7】

【0065】
GLCピークより算出した共二量体の反応収率を表1に示す。なお、実施例7,8,10については共二量体の単離収率を表1に示す。また、表1において、1-Npは1−ナフチル基を表す。
【0066】
【表1】

【0067】
表1から分るように、原料として5位に置換基を有するジヒドロフラン化合物を用いた場合にも、共二量化反応は進行し、5位に置換基が導入された2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を得ることができる(実施例6,7)。また、α,β-不飽和カルボン酸エステルに置換基を導入した場合にも、共二量化反応が進行した(実施例9〜11)。特に、α,β-不飽和カルボン酸エステルとして、フマル酸ジメチルを用いた場合には、比較的高い収率で共二量化反応が進行した(実施例11)。
【0068】
実施例6〜11で得られた各共二量体の同定データを、各実施例の反応式と共に、以下にまとめて示す。
【0069】
実施例6
5−フェニル−2,3−ジヒドロフランとアクリル酸エチルとの共二量化反応
【0070】
【化8】

【0071】
Ethyl 2-(5-phenyl-3,4,5-trihydro-2-furylidene)propanoate. Colorless liquid. IR spectrum (neat): 1785, 1454, 1381, 1175, 1140, 1117 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 7.32-7.19 (m, 5H), 5.31 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 4.10 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.28-3.21 (m, 1H), 3.03-2.94 (m, 1H), 2.48-2.41 (m, 1H), 2.15-1.91 (m, 1H), 1.83 (s, 3H), 1.22 (t, J = 7.3 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 169.7, 169.3, 140.5, 128.5 (2C), 127.9, 125.4 (2C), 98.0, 83.7, 59.6, 33.2, 31.2, 14.6, 11.5; MS (EI) m/z 246 (M+). Anal. Calcd for C15H18O3: C, 73.15; H, 7.37. Found: C, 73.32; H, 7.47.
【0072】
実施例7
5−ナフチル−2,3−ジヒドロフランとアクリル酸エチルとの共二量化反応
【0073】
【化9】

【0074】
Ethyl 2-(5-(1-naphtyl)-3,4,5-trihydro-2-furylidene)propanoate. Colorless liquid. IR spectrum (neat): 1700, 1639, 1553, 1490, 1414, 1302 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 7.43-7.91 (m, 7H), 6.11 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.20 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.22 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 2.74-2.66 (m, 1H), 2.19-2.11 (m, 1H), 1.99 (s, 3H), 1.31 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 169.8, 169.3, 136.1, 133.6, 129.8, 128.9, 128.2, 126.1, 125.6, 125.3, 122.8, 121.7, 98.2, 81.4, 59.7, 32.1, 30.8, 14.6, 11.6; MS (EI) m/z 296 (M+). Anal. Calcd for C19H20O3: C, 77.00; H, 6.80. Found: C, 77.15; H, 6.85.
【0075】
実施例8
2,3−ジヒドロフランとアクリル酸t−ブチルとの共二量化反応
【0076】
【化10】

【0077】
tert-Butyl 2-(3,4,5-trihydro-2-furylidene)propanoate. Colorless liquid. IR spectrum (neat): 1693, 1639, 1455, 1366 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 4.18 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.01 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.09-2.02 (m, 2H), 1.78 (s, 3H), 1.48 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 169.0, 168.7, 99.1, 79.0, 71.0, 30.9, 28.5 (3C), 24.7, 11.7; MS (EI) m/z 198 (M+). Anal. Calcd for C11H18O3: C, 66.64; H, 9.15. Found: C, 66.85; H, 9.06.
【0078】
実施例9
2,3−ジヒドロフランと桂皮酸メチルとの共二量化反応
【0079】
【化11】

【0080】
Methyl 3-phenyl-2-(3,4,5-trihydro-2-furylidene)propanoate. Colorless liquid. IR spectrum (neat): 1698, 1633, 1494, 1436 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 7.26-7.21 (m, 5H), 4.25 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.67 (s, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.12 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.14-2.07 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 171.7, 169.2, 141.7, 128.3 (2C), 127.9 (2C), 125.4, 101.7, 71.6, 51.0, 31.8, 31.2, 24.4; MS (EI) m/z 232 (M+). Anal. Calcd for C14H16O3: C, 72.39; H, 6.94. Found: C, 72.46; H, 6.96.
【0081】
実施例10
2,3−ジヒドロフランとクロチル酸メチルとの共二量化反応
【0082】
【化12】

【0083】
Methyl 2-(3,4,5-trihydro-2-furylidene)butanoate. Colorless liquid. IR spectrum (neat): 1740, 1632, 1434, 1374 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 4.14 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.06 (t, J =7.8 Hz, 2H), 2.32 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.11-2.03 (m, 2H), 0.99 (t, J = 7.3 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 170.4, 169.5, 104.1, 71.3, 50.8, 31.0, 24.4, 19.5, 13.9; MS (EI) m/z 170 (M+). Anal. Calcd for C9H14O3: C, 63.51; H, 8.29. Found: C, 63.25; H, 8.28.
【0084】
実施例11
2,3−ジヒドロフランとフマル酸ジメチルとの共二量化反応
【0085】
【化13】

【0086】
Dimethyl 2-(3,4,5-trihydro-2-furylidene)butane-1,4-dioate. Colorless liquid. IR spectrum (neat): 1747, 1714, 1644, 1435, 1376 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 4.25 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.37 (s, 2H), 3.15 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.15-2.09 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 173.0, 172.5, 168.4, 95.8, 72.0, 51.7, 51.1, 31.6, 31.1, 24.3; MS (EI) m/z 214 (M+). Anal. Calcd for C10H14O5: C, 56.07; H, 6.59. Found: C, 56.36; H, 6.61.
【0087】
(実施例12)
反応原料である2,3−ジヒドロフランを2,5−ジヒドロフランに変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行った。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は62%であった。位置異性体の副生は見られなかった。
【0088】
(実施例13)
反応原料であるアクリル酸エチルをマレイン酸ジメチルに変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行った。なお、反応原料の分子量が異なるため添加重量は異なるが、添加モル量を実施例1と同一とした。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は68%であった。位置異性体の副生は見られなかった。
【0089】
(実施例14)
反応温度を160℃から150℃、170℃、180℃に変更した以外は実施例1と同様にして共二量化反応を行った。GLCピークより算出した共二量体の反応収率は、150℃では45%、170℃では60%、180℃では51%であった。なお、160℃では70%であった(実施例1)。この結果から、反応温度は160℃付近が好適であることが分かる。
【0090】
なお、上記の実施例、比較例で使用した試薬は、2,3−ジヒドロフラン(アルドリッチ社製、純度99+%以上)、2,5−ジヒドロフラン(東京化成工業社製、一級)、アクリル酸エチル(ナカライテスク社製、一級)、アクリル酸t−ブチル(アルドリッチ社製、純度98%)、クロチル酸メチル(アルドリッチ社製、純度98%)、桂皮酸メチル(ナカライテスク社製、特級)、フマル酸ジメチル(東京化成工業社製、純度>98%)、マレイン酸ジメチル(ナカライテスク社製、一級)、N,N−ジメチルアセトアミド(低水分、ナカライテスク社製、一級)である。
【0091】
なお、Ru(cod)(cot) 触媒は、K. Itoh, H. Nagashima, T. Oshima, N. Oshima and H. Nishiyama, J. Organomet. Chem., 1984, 272, 179.に記載された方法で合成した。Ru(cot)(dmfm)2触媒は、T. Mitsudo, T. Suzuki, S.-W. Zhang, D. Imai, K. Fujita, T. Manabe, M. Shiotsuki, Y. Watanabe, K. Wada and K. Kondo, J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 1839.に記載された方法で合成した。Ru(cyclooctadienyl)2触媒は、P. Pertici, G. Vitulli and M. Paci, J. Chem. Soc., Dalton Trans., 1980, 1961.に記載された方法で合成した。RuHCl(CO)(PPh3)3触媒は、N. Ahmad, J. J. Levison, S. D. Robinson and M. F. Uttley, Inorg. Synth., 1974, 15, 48. に記載された方法で合成した。Ru3(CO)12触媒は、市販品を用いた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0価または2価のルテニウムを含むルテニウム錯体触媒の存在下で、ジヒドロフラン化合物とα,β-不飽和カルボン酸エステルとを反応させて、2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体を製造する2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項2】
前記ルテニウム錯体触媒が下記化学式(1)で表される請求項1に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
Ru(L1l(L2m(L3n 化学式(1)
式中、L1、L2、L3は各々中性又はアニオン性の配位子を表し、L1は単座配位子、L2は二座配位子、L3は三座配位子を表す。l、m、nは、各々0以上の整数を表し、ルテニウムの酸化状態が0価の場合は、l+2m+3n=5の関係を満たし、ルテニウムの酸化状態が2価の場合は、l+2m+3n=6の関係を満たす。
【請求項3】
前記中性配位子が、アルケン、ポリエン、一酸化炭素、及びホスフィンからなる群から選択される請求項2に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項4】
前記中性配位子が、フマル酸ジメチル、1,5−シクロオクタジエン、1,3,5−シクロオクタトリエン、一酸化炭素、及びトリフェニルホスフィンからなる群から選択される請求項2又は3に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項5】
前記アニオン性配位子が、ハロゲン原子、水素原子、及びポリエニル基からなる群から選択される請求項2乃至4のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項6】
前記アニオン性配位子が、塩素原子、水素原子、シクロペンタジエニル基、及びシクロオクタジエニル基からなる群から選択される請求項2乃至5のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項7】
前記ルテニウム錯体触媒は、Ru(cod)(cot)、Ru(cot)(dmfm)2、Ru(cyclooctadienyl)2、Ru3(CO)12及びRuHCl(CO)(PPh3)3からなる群から選択される請求項1に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項8】
前記反応を非プロトン性溶媒中で行う請求項1乃至7のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項9】
前記非プロトン性溶媒として沸点150℃以上の溶媒を用いる請求項8に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項10】
前記非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及び1,3,5−トリメチルベンゼンからなる群から選択される請求項8に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項11】
前記非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドである請求項8乃至11のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項12】
前記ジヒドロフラン化合物が、下記一般式(1)又は(2)で表される請求項1乃至11のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【化1】

式中、R1、R2は、互いに独立して水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
【請求項13】
前記α,β-不飽和カルボン酸エステルが、下記一般式(3)で表される請求項1乃至12のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【化2】

式中、R3は、アルキル基、又はアリール基を表す。また、R4、R5は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキシカルボニル基を表す。
【請求項14】
前記反応を160℃以上の温度下で行う請求項1乃至13のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項15】
前記反応を160℃〜180℃の範囲の温度下で行う請求項1乃至13のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項16】
前記反応を160℃〜170℃の範囲の温度下で行う請求項1乃至13のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項17】
前記ジヒドロフラン化合物と前記α,β-不飽和カルボン酸エステルとのモル比を、3:1〜10:1の範囲とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項18】
前記ルテニウム錯体触媒の添加量をα,β-不飽和カルボン酸エステルに対し1モル%〜5モル%の範囲とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体の製造方法。
【請求項19】
下記化学式(A)で表される5位が置換された2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体。
【化3】

式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を表す。また、R6は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
【請求項20】
下記化学式(B)で表される2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体。
【化4】

【請求項21】
下記化学式(C)で表される2−アルキリデンテトラヒドロフラン誘導体。
【化5】


【公開番号】特開2007−55936(P2007−55936A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243027(P2005−243027)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年3月11日 社団法人日本化学会発行の「日本化学会第85春季年会 講演予稿集 2」に発表
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】