説明

2成分現像剤および画像形成方法

【課題】本発明の目的は、長期の使用を通して、キャリア付着することなく、安定した画像濃度が得られるハイブリッド現像方式による画像形成方法およびそれに用いられる2成分現像剤を提供することにある。
【解決手段】ハイブリッド現像方式に用いられる2成分現像材であって、トナーは、トナーのトナー粒子が樹脂および着色剤を含有し、体積平均粒径が、4.0μm〜9.0μmであり、粒径2.0μm以下であるトナー粒子の含有量が5体積%以下であり、キャリアの500V印加時の動的電流値をA1、該導電性コア材の500V印加時の動的電流値をA2としたとき、10μA≦A1≦500μA、5μA≦A2≦1000μA、0.5≦A2/A1≦8.0であることを特徴とする2成分現像剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真方式を用いた画像形成方法およびそれに用いられる現像剤に関し、特にハイブリッド現像方式による画像形成方法およびそれに用いられる2成分現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像方式としては、従来より、キャリアとトナーを用いた2成分現像方式、キャリアを使用しない一成分現像方式等がある。
【0003】
1成分現像方式は、ドット再現性は良好で、画質は優れているが、トナー担持体に担持されているトナーは、摩擦荷電部材を通過することで、帯電されるので、その通過時に強いストレスを受ける。そのため、トナーの劣化が生じやすかった。一方、2成分現像剤は、キャリアによる摩擦帯電により、トナーを帯電させるため、1成分現像方式より劣化しにくいが、キャリアが感光体に近接しているため、キャリアが現像される画像欠陥が生じやすかった。そこで、両方式の利点を生かし、トナーの帯電は2成分方式で、潜像への現像は1成分方式で行う、ハイブリッド現像方式が用いられるようになった。このハイブリッド現像方式は、特に高速の画像形成が可能で、長寿命が図れる現像方式として注目されている。
【0004】
ハイブリッドプロセスにおいては、感光体上の潜像を現像するための現像ローラ上へ、均一にトナーを供給することから、高いトナー供給性能を得るために、キャリアは低抵抗化する必要がある。キャリアは、一般的に、抵抗の低い導電性のコア材を使用するが、コア材単独では、帯電量の制御性、環境に対する安定性が悪いため、コア材の表面に絶縁性の樹脂層(コート層)を設けて、所望の帯電性を得られるようにしている。
【0005】
しかし、絶縁性のコート層を設けると、キャリアの抵抗が上がってしまうため、従来から、例えば特許第4006911号に記載のようにキャリアコート層に導電性の微粒子等を添加し、低抵抗化することが行われてきた。
【0006】
また、現像ローラから感光体への現像において選択現像されることにより、現像剤中にトナー成分の微粉が堆積しやすく、それらがキャリアの表面を汚染して帯電能が低下してしまうという欠点があった。その結果、現像に使用されなかったトナーを回収して再混合する時の帯電立ち上がり性能が低下し、現像ローラへのトナー供給性低下により、画像濃度が低下するという課題がある。
【0007】
このような課題を解決すべく、例えば、キャリアとして、コアが樹脂の被覆層で被覆されており、被覆層の厚みが0.8μm以上、1.1μmであり、キャリアの個数中心粒径/コアの個数中心粒径、が1.05未満であるものを用いた現像剤(特許文献1参照)、キャリアとしてコアの表面に臨界表面張力が25dny/cm以下である樹脂コート層を有するものを用いた現像剤(特許文献2参照)等が知られている。
【0008】
しかしながら、最近のマシンの高速化に伴い、現像機内で現像剤が受けるストレスは大幅に増大し、よりコート層の削れが大きくなり、コア材の性質が影響するようになってきた。また、現像機内のストレスによりトナー粒子のキャリア表面への汚染も増加し、画像濃度の変動が大きくなってきた。よって、キャリアの表面状態を考慮しているだけでは、キャリア抵抗の変動や、トナー粒子付着による帯電量の変動を抑えることができず、キャリア付着や画像濃度変動が発生するという課題が発生した。
【特許文献1】特開2005−326693号公報
【特許文献2】特開2006−71840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、長期の使用を通して、キャリア付着することなく、安定した画像濃度が得られるハイブリッド現像方式による画像形成方法およびそれに用いられる2成分現像剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記課題は、以下の構成により解決される。
1.トナーをその表面に担持し、搬送するトナー担持体から、該トナー担持体に対向して配設された静電潜像担持体上に該トナーを供給して該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する工程および該トナー担持体に対向して配設され、トナーと導電性コア材を含有するキャリアとからなる2成分現像剤を担持した現像剤担持体から、該トナー担持体にトナーを供給する工程を有する画像形成方法に用いられる2成分現像剤において、該トナーは、該トナーのトナー粒子が樹脂および着色剤を含有し、体積平均粒径が、4.0μm〜9.0μmであり、粒径2.0μm以下であるトナー粒子の含有量が5体積%以下であり、該キャリアの500V印加時の動的電流値をA1、該導電性コア材の500V印加時の動的電流値をA2としたとき、10μA≦A1≦500μA、5μA≦A2≦1000μA、0.5≦A2/A1≦8.0であることを特徴とする2成分現像剤。
2.前記A1が、35μA≦A1≦350μAであることを特徴とする前記1に記載の2成分現像剤。
3.前記A2/A1が、1.0≦A2/A1≦6.0であることを特徴とする前記1または2に記載の2成分現像剤。
4.トナーをその表面に担持し、搬送するトナー担持体から、該トナー担持体に対向して配設された静電潜像担持体上に該トナーを供給して該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する工程および該トナー担持体に対向して配設され、前記1〜3のいずれか1項に記載の2成分現像剤を担持した現像剤担持体から、該トナー担持体にトナーを供給する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0011】
筆者らの研究の結果、本発明の現像剤構成とすることで、長期の使用を通して、キャリア付着することなく安定した画像濃度が得られるハイブリッド現像方式による画像形成方法およびそれに用いられる2成分現像剤を提供することができ、これらの課題を解決できることを突き止めた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、トナーをその表面に担持し、搬送するトナー担持体から、該トナー担持体に対向して配設された静電潜像担持体上に該トナーを供給して該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する工程および該トナー担持体に対向して配設され、トナーと導電性コア材を含有するキャリアとからなる2成分現像剤を担持した現像剤担持体から、該トナー担持体にトナーを供給する工程を有する画像形成方法に用いられる2成分現像剤において、該トナーは、該トナーのトナー粒子が樹脂および着色剤を含有し、体積平均粒径が、4.0μm〜9.0μmであり、粒径2.0μm以下であるトナー粒子の含有量が5体積%以下であり、該キャリアの500V印加時の動的電流値をA1、該導電性コア材の500V印加時の動的電流値をA2としたとき、10μA≦A1≦500μA、5μA≦A2≦1000μA、0.5≦A2/A1≦8.0であることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、特に上記特定のキャリアと特定のトナーを組合せ含有する現像剤を用いることにより、ハイブリッド現像方式を用いて、長期に亘り高い濃度の画像が安定して得られる。
【0014】
(キャリア粒子)
本発明に係るキャリアは、導電性コア材に樹脂を被覆してなる粒子が好ましく、キャリア粒子の500V印加時の動的電流値をA1、該導電性コア材の500V印加時の動的電流値をA2としたとき、10μA≦A1≦500μA、5μA≦A2≦1000μおよび0.5≦A2/A1≦8.0である。
【0015】
本発明における動的電流値とは、磁気ブラシによる現像条件下において、測定される電流値のことである。感光体ドラムと同寸法のアルミ製電極ドラムを感光体ドラムに置き換え、現像スリーブ上に粒子を供給して磁気ブラシを形成させ、この磁気ブラシを電極ドラムと摺擦させ、このスリーブとドラムとの間に電圧(500V)を印加して両者間に流れる電流を測定することにより求めた。
【0016】
V:現像スリーブとドラム間の電圧(V)
I:測定電流値(A)
N:現像ニップ幅(cm)
L:現像スリーブ長(cm)
Dsd:現像スリーブとドラム間距離(cm)
本発明においては、V=500V、N=1cm、L=6cm、Dsd=0.06cmにて測定を行うものとする。動的電流値A1を10μA≦A1≦500μとし、0.5≦A2/A1≦8.0とするには、導電剤コアの抵抗と、被覆する樹脂中の導電剤微粒子の量を変化させることにより調整することができる。
【0017】
(導電性コア材)
本発明に係る導電性コア材としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。
【0018】
その形状は粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。また、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類および含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリアを得ることができる。
【0019】
導電性コア材の平均粒径は、30μmから80μmが好ましい。
【0020】
(樹脂)
導電性コア材を樹脂で被覆する場合の樹脂としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、スチレン樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、オレフィン樹脂(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等)、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
これらの樹脂で被覆されたキャリアは、溶媒に樹脂を溶解した塗布液を、導電性コア材に塗布することで得られる。また、導電性コア材に乾式で樹脂微粒子を溶融被覆することでもキャリアを得ることができる。樹脂としては、上記の中でもシリコーン樹脂やアクリル樹脂が好ましく用いられる。
【0022】
(トナー粒子)
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子は、トナー用樹脂および着色剤を含有する。
【0023】
トナー用樹脂としては、例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体(スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体)、スチレン−メタクリル酸系共重合体(スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体)、スチレン−α−クロロアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体または共重合体)、ポリ塩化ビニル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリビニルブチレール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】
着色剤としては、以下のものが挙げられる。着色剤のトナー樹脂に対する含有量としては、1から30質量%が好ましく、5から20質量%の範囲が特に好ましい。
【0025】
ブラックトナー用着色剤:カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等。
【0026】
イエロートナー用着色剤:C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー93等のアゾ系顔料;黄色酸化鉄、黄土等の無機系顔料;C.I.アシッドイエロー1等のニトロ系染料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料等。
【0027】
マゼンタトナー用着色剤:C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15等。
【0028】
シアントナー用着色剤:C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86等。
【0029】
トナー粒子は、さらにワックス等の離型剤、電荷制御剤、表面処理剤、等を含有してもよい。
【0030】
ワックス等の離型剤としては、パラフィンワックス、石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスや、モンタンワックス、カルナバワックス、蜜蝋、木蝋、或いはオレイルパルミトアミド、ステアリルエルカミド、2−ステアロミドエチルステアレート、エチレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド、およびシリコーン油などを挙げることができる。これらの中でも脂肪族炭化水素系ワックスが好ましく、最も好適には、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックスを使用することが好ましい。
【0031】
また、表面処理剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粉末、ポリメチルメタクリレート等の有機微粉末等が挙げられる。
【0032】
本発明に係るトナーは、体積平均粒径が4.0μm〜9.0μmであって、粒径2.0μm以下である粒子の含有率が5体積%以下である。
【0033】
本発明に係る体積平均粒径は、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
【0034】
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径とする。
【0035】
本発明に係るトナーは、粒径2.0μm以下である粒子の含有率が5体積%以下であることが必要である。
【0036】
粒径とは、上記の体積平均粒径と同様に、コールターマルチサイザー3を用いて測定したトナー個々の1次粒子径の値である。
【0037】
粒径2.0μm以下である粒子の含有率を5体積%以下とするには、例えば、分級操作などを使用することで調整することができる。
【0038】
しかし、この粒子範囲を効果的に達成するためには、粉砕法では破断により発生する微粒子が存在しやすくなるため、いわゆる重合法、特に水系媒体中で樹脂微粒子を凝集(塩析)融着させる会合法がより好ましい方法である。
【0039】
この方法では物理化学的なエネルギーを使用し、微粒子を水系媒体中で融着させるため、微粒子の残留を少なくすることができ、本発明に係るトナーを調整するにはより好ましい方法である。
【0040】
この場合、特に乳化重合会合型に於いては樹脂粒子と必要に応じて使用される着色剤粒子の会合時のエネルギー調整が重要な要素となる。
【0041】
より好ましい方法は、会合段階での塩析に使用するイオンとして多価金属イオンを使用することを挙げることができる。この理由としては明確ではないが、会合エネルギーの付与が大きくなるため、微粒子の残存がなくなるものと推定される。
【0042】
多価金属イオンとしては、アルミニウム、マグネシウムなどの2価あるいは3価の金属塩を使用することが好ましい。
【0043】
さらに、水系媒体中での会合条件にて制御する方法も挙げることができる。すなわち、塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後の時間を比較的長くすることで、この粒子を制御することができる。この理由として明確ではないが、塩析した後の時間を比較的長めとすることで、樹脂粒子や着色剤粒子を完全に会合することができ、微粒子を完全に会合することができ、結果として粒径2.0μm以下の粒子の量を減少させることができるものと推定される。
【0044】
本発明の2成分現像剤中のトナーの混合割合は、キャリアおよびトナーの合計量に対しトナーが、1から50質量%が好ましく、5から25質量%が特に好ましい。
【0045】
本発明に係る特定のトナーと、キャリアを用いることにより長期に亘り高い濃度で安定した画像が提供できる理由は、以下のように推定される。
【0046】
本発明においては、長期に亘り連続して画像形成を行った際、導電性コア材を被覆している樹脂に物理的な力が加わり膜はがれが生じた場合でも、本発明のキャリア粒子の動的電流値の関係を有している場合、キャリアの抵抗変動が抑えられ、キャリア付着の発生が抑制できる。また、特定の粒径を有するトナー粒子を有する本発明のトナーと組み合わせた場合に特に、トナー微粉の現像器内への堆積が抑制されることで、キャリア表面へのトナー粒子の付着による帯電量の変動が抑えられ、画像濃度の安定化につながるものと推測される。
【0047】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置は、現像剤担持体として機能する磁気ローラ、トナー担持体として機能する現像ローラおよび静電潜像担持体として機能する感光体を具備している。
【0048】
図1に、本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の例の概略断面図を示す。本発明の画像形成方法を図1を用いて説明する。
【0049】
2成分現像剤10が、現像剤補充部材12から、混合攪拌部材1上に供給される。攪拌された2成分現像剤10は、混合攪拌部材2を経て、磁気ローラ3上に担持される。磁気ローラ3は、現像剤を介して現像ローラ4と当接し、現像ローラ4の表面上に磁気ブラシによりトナー層11を形成し、トナー層11を担持させる。現像ローラ4上に形成されたトナー層11から、静電潜像が形成された感光体5上に、静電潜像に応じトナーが移送されトナー像が形成される。
【0050】
現像ローラ4へ、トナーを供給した後の2成分現像剤は回収磁気ローラ7により回収されて混合攪拌部材2上に回収される。
【0051】
形成されたトナー像は、紙などの記録媒体Pに転写されて画像形成が行われる。
【0052】
(磁気ローラ)
本発明に係る現像剤担持体として機能する磁気ローラはローラ表面上に、本発明に係る2成分現像剤を磁気的に吸引し、担持し得る磁気を有するローラである。磁気ローラの構造としては、例えば内側に永久磁石が配置された円筒状のローラが挙げられる。円筒状のローラの材質としては、例えばアルミニウムなどが挙げられる。
【0053】
(現像ローラ)
本発明に係るトナー担持体として機能する現像ローラは、トナーを担持し得るローラであり、電子写真方式の画像形成に用いられる種々の現像ローラを用いることができる。現像ローラの表面を構成する材質としては、SUSなどの導電性材料、導電性樹脂などが挙げられる。
【0054】
(感光体)
本発明に係る静電潜像担持体として機能する感光体は、導電性支持体上に感光層を有し、画像露光による静電潜像を保持しうるものである。
【0055】
感光層に用いられる電子写真感光体としては有機感光体(有機電子写真感光体)が好まし。
【0056】
有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0057】
(感光層)
感光層の層構成としては、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。
【0058】
機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
【実施例】
【0059】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
【0060】
<キャリアの製造>
(カーボンブラック(CB)分散液の調製)
トルエン100部に対して、20部のカーボンブラック(Mogul−L)を、粒径0.5mmのジルコニアビーズを用い、室温で4時間分散処理後、濾過し、カーボンブラック分散液を調製した。
【0061】
(キャリア1の作製)
導電性コア材として、Fe/MnO/MgOの含有比率が50/10/40である体積平均60μmのフェライト粒子および、シリコーン樹脂(商品名:SR−2411、固形分濃度:20質量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた。シリコーン樹脂の固形分に対し、シランカップリング剤(N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン)を10質量%混合し、さらに上記カーボンブラック分散液をシリコーン樹脂の固形分に対して、5質量%加えて、トルエンに溶解させた。これを導電性コア材(フェライト粒子)に対して、1質量%コーティングし、さらに250℃で2時間焼成し、冷却した後、振動ミルで10分間処理してキャリア1を得た。
【0062】
さらに、フェライト粒子のFe/MnO/MgOの含有比率を変更した導電性コア材と、カーボンブラック分散液の添加量を変化する他は、キャリア1と同様にして、表1、表2に示す動的電流値を示すキャリア2〜20を得た。
【0063】
<トナーの作製>
(トナーA)
(着色剤微粒子の製造)
アニオン系界面活性剤59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:3を200g添加し、次いで、分散装置「SCミル」(三井鉱山(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子の分散液を調整した。この着色剤分散液における着色剤微粒子の体積平均粒子径を動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、150nmであった。
【0064】
(多段樹脂微粒子の製造)
〈第一段重合〉
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3lを仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子(1H)」とする。
スチレン 480g
n−ブチルアクリレート 250g
メタクリル酸 68.0g
n−オクチルメルカプタン 16.0g
〈第二段重合〉
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7gをイオン交換水800mlに溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、前記樹脂粒子(1H)を260gと、下記単量体溶液を90℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機CLEARMIX(エム・テクニック(株)製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
スチレン 245g
n−ブチルアクリレート 120g
n−オクチルメルカプタン 1.5g
エステルワックス(融点70℃) 190g
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(1HM)」とする。
【0065】
〈第三段重合〉
さらに、過硫酸カリウム11gをイオン交換水400mlに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、
スチレン 435g
n−ブチルアクリレート 130g
メタクリル酸 33g
n−オクチルメルカプタン 8g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子を得た。これを「樹脂A−(1)」とする。
【0066】
(単層樹脂Bの製造)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム2.3gをイオン交換水3lを仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂B−(1)」とする。
スチレン 520g
n−ブチルアクリレート 210g
メタクリル酸 68.0g
n−オクチルメルカプタン 4.0g
(凝集・融着工程)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5lの反応容器に、樹脂A−(1)を固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、「着色剤分散液1」120gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mlに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5モル/lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が3.1μmになった時点で、樹脂B−(1)を固形分換算で45g添加し、さらに粒子成長反応を継続させた。所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度90℃にて加熱攪拌することにより、FPIA−2100による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、攪拌を停止した。
【0067】
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて生成した粒子分離機「MARKIII型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー用母体粒子を作製した。
【0068】
(トナーAの作製)
上記で得られたトナー母体粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%およびシリコーンオイル処理アルミナ粒子Aを1.0質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、本発明の体積平均粒径6.5μmのトナーAを作製した。
【0069】
(トナーB、C、D)
トナーAの製造方法において、凝集・融着条件を下記に変えた以外同様の方法にて、表1、表2に記載のトナーB、C、Dを得た。
【0070】
(トナーBの凝集融着方法)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5lの反応容器に、樹脂A−(1)を固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、「着色剤分散液1」120gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mlに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5モル/lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が2.0μmになった時点で、樹脂B−(1)を固形分換算で45g添加し、さらに粒子成長反応を継続させた。所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度90℃にて加熱攪拌することにより、FPIA−2100による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、攪拌を停止した。
(トナーCの凝集融着方法)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5lの反応容器に、樹脂A−(1)を固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、「着色剤分散液1」120gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mlに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5モル/lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が6.0μmになった時点で、樹脂B−(1)を固形分換算で45g添加し、さらに粒子成長反応を継続させた。所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度90℃にて加熱攪拌することにより、FPIA−2100による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、攪拌を停止した。
(トナーDの凝集融着方法)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5lの反応容器に、樹脂A−(1)を固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、「着色剤分散液1」120gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mlに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5モル/lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を30分間かけて95℃まで昇温し、95℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が3.1μmになった時点で、樹脂B−(1)を固形分換算で45g添加し、さらに粒子成長反応を継続させた。所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度90℃にて加熱攪拌することにより、FPIA−2100による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、攪拌を停止した。
【0071】
<現像剤の調製>
上記キャリア1(752g)およびトナーA(48g)をV型混合機で20分混合して、現像剤1を得た。さらに、表1、表2に示すトナー粒子とキャリア粒子を用いた他は現像剤1と同様にして、現像剤2〜22を調製した。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
<画像形成方法1>
上記2成分現像剤1を使用し、図1に示す画像形成装置を用い、以下の条件にて画像を形成した。
【0075】
磁気ローラに直流電圧VDC2:−500ボルトを印加し、現像ローラには、直流電圧VDC1:−300ボルトと交流電圧を印加した。交流電圧は、周波数:2kHz、振幅VP−P:1,600ボルト、マイナスデューティ比(トナー回収デューティ比):40%、プラスデューティ比(トナー供給デューティ比):60%の矩形波であった。現像ギャップ50は0.3mmに設定し、供給回収ギャップ56は0.6mmに設定し、磁気ローラの現像剤搬送量は50mg/cmとなるように規制部を設定した。感光体の帯電電位(非画像部)は−550ボルト、感光体に形成された静電潜像像(画像部)の電位は−60ボルトであった。現像ローラのトナー搬送量は5g/mであった。
【0076】
さらに、表1、表2に示す、現像剤を用いた他は、画像形成方法1と同様にして、画像形成方法2〜22にて画像を形成した。
【0077】
画像形成方法1〜22において、下記の評価を行った。結果を表3、表4に示す。
【0078】
(評価)
長期の使用を通して、キャリア付着することなく安定した画像濃度が得られるかどうかを、下記のキャリア付着および画像濃度の評価を行うことで評価した。
【0079】
(キャリア付着)
プリントは、画素率が10%の画像(文字画像が7%、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像)を1枚間欠モードにてA4版上質紙(64g/m)に行った。その後、ベタ画像をA3版上質紙(64g/m)で1枚プリントし、感光体へキャリアが付着することによる画像白抜けのレベルを目視にて評価して、下記のランクに従い、スタート時および50万回画像形成した後のキャリア付着を評価した。
○:発生なし
△:A4ベタに5個以下
×:A4ベタ6〜14個
××:A4ベタに15個以上
(画像濃度)
同様に、初期のベタ画像濃度および50万回画像形成した後のベタ画像濃度を測定し下記のランクに従い、画像濃度、画像濃度変化を評価した。
(画像濃度(初期))
○:反射濃度1.5以上
△:反射濃度1.0以上、1.5未満
×:反射濃度1.0未満
(画像濃度変化)
○:濃度変化0.1未満
△:濃度変化0.1以上0.5未満
×:濃度変化0.5以上
【0080】
【表3】

【0081】
【表4】

【0082】
表3、表4から、本発明の2成分現像剤は、長期の使用を通して、キャリア付着することなく安定した画像濃度が得られる画像形成方法を与えることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の例の概略断面図を示す。
【符号の説明】
【0084】
1 混合攪拌部材
2 混合攪拌部材
3 磁気ローラ
4 現像ローラ
5 感光体
7 回収磁気ローラ
10 2成分現像剤
11 トナー層
12 現像剤補充部材
P 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーをその表面に担持し、搬送するトナー担持体から、該トナー担持体に対向して配設された静電潜像担持体上に該トナーを供給して該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する工程および該トナー担持体に対向して配設され、トナーと導電性コア材を含有するキャリアとからなる2成分現像剤を担持した現像剤担持体から、該トナー担持体にトナーを供給する工程を有する画像形成方法に用いられる2成分現像剤において、該トナーは、該トナーのトナー粒子が樹脂および着色剤を含有し、体積平均粒径が、4.0μm〜9.0μmであり、粒径2.0μm以下であるトナー粒子の含有量が5体積%以下であり、該キャリアの500V印加時の動的電流値をA1、該導電性コア材の500V印加時の動的電流値をA2としたとき、10μA≦A1≦500μA、5μA≦A2≦1000μA、0.5≦A2/A1≦8.0であることを特徴とする2成分現像剤。
【請求項2】
前記A1が、35μA≦A1≦350μAであることを特徴とする請求項1に記載の2成分現像剤。
【請求項3】
前記A2/A1が、1.0≦A2/A1≦6.0であることを特徴とする請求項1または2に記載の2成分現像剤。
【請求項4】
トナーをその表面に担持し、搬送するトナー担持体から、該トナー担持体に対向して配設された静電潜像担持体上に該トナーを供給して該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する工程および該トナー担持体に対向して配設され、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2成分現像剤を担持した現像剤担持体から、該トナー担持体にトナーを供給する工程を有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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