2成分組成物用の単位用量送達システム
本発明は、2種類以上の成分で作製される組成物用の送達システムを含む。一実施形態では、容器(10)は、組成物の第1の成分の第1の塊(28)を保持する外側ハウジング(12)、組成物の第2の成分の第2の塊(32)を保持する内側ハウジング(16)、および、シール(17)を備える。第1の成分は液体であり、第2の成分の塊は内側ハウジング(16)の底壁および側壁に適合する。内側ハウジング(16)が第1の塊(28)を外側ハウジング内に密封するように、外側ハウジング(12)と内側ハウジングの間に締り嵌めが存在する。内側ハウジング(16)は側壁に孔(26)を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種類以上の成分で作製される組成物用の送達システム、システムに使用する容器の組み立て、組成物を提供する方法、並びに、アプリケータおよび容器を備える送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの有用な組成物は、一定量の組成物の使用が必要とされる直前まで、通常は一緒に混合されない2種類の成分で作製される。例えば、エポキシをベースにする接着剤の成分は、その成分が互いに接触すると、混合組成物を硬化した塊に最終的に変化させる化学反応が生じるため、互いに別々に貯蔵される。そのため、エポキシをベースにする接着剤は、接着剤の成分を最初互いに隔離された状態に保存する2つの区画または別々の容器を備えるパッケージで、広く入手可能である。
【0003】
多成分組成物用のパッケージには、比較的大きく、異なる時に複数回塗布するのに十分な量の成分を備えるものがある。例えば、エポキシ接着剤は、缶、瓶、および、スクイーズチューブなどのバルク容器で通常入手可能である。接着剤の1つの成分(「A剤(Part A)」と称されることが多い)が1つのバルク容器で供給され、もう1つの成分(「B剤(Part B)」と称されることが多い)は、典型的には形状と構成が第1の容器に合致する別の容器で供給される。このようなバルク容器は、成分の包装費用が比較的低いため、広範に使用されている。
【0004】
バルク容器に貯蔵されている成分から接着剤を調製するため、各成分を一定量計量し、容器から取り出して、混合する場所に移す。混合する場所は、ミキシングウェル、ミキシングパッド、または第3の容器であってもよい。次に、使用者は、スパチュラ、ブラシ、または他の好適な用具を使用して成分を混合した後、混合された成分を塗布部位に移す。
【0005】
しかし、2つのバルク容器で多成分組成物を供給する実施は、完全に満足なものではない。例えば、使用者がバルク容器から成分を適切な割合で取り出さない場合、得られる組成物の特性は、著しく影響を受ける場合がある。更に、最初の容器内に残存する各成分の部分は、容器が開けられると、大気への暴露により、ある期間にわたって悪影響を受ける場合がある。また、使用者は、1回使用した後、ミキシングパッド、ウェル、または他の混合容器を処分するか、または、後で使用する際に備えてそれを清浄にする努力をしなければならない。更に、1つの容器の成分が不注意で、もう1つの成分のバルク容器に移されないことを確実にするように注意をしなければならないが、移されると、それはもう1つの成分を汚染するか、または、もう1つの成分の特性に悪影響を及ぼす化学反応を開始させる場合がある。
【0006】
近年、最初、互いに別々に保存される2種類の成分で作製される組成物用の「使い捨て」容器に関心が高まっている。このような容器では、典型的には、混合前に各成分の別々の量を計量する必要がない。また、これらの容器は、混合されたとき、得られる組成物の所望の特性が得られるように、成分が望ましい割合で存在することを確実にするのに役立つ。更に、成分が容器内で一緒に混合される場合、ミキシングウェル、パッド、容器、または他の種類の混合用構造の必要がない。
【0007】
最初、互いに別々に保存される2種類以上の成分で作製される組成物は、医療、および、歯科矯正を含む歯科の分野で広く使用されている。例えば、歯科で使用される多くの接着剤およびセメントは、使用直前まで一緒に混合されない2種類の成分で作製される。2成分歯科組成物の例には、リライ(Rely)X ARC歯科セメントおよびF2000プライマー/接着剤が挙げられ、これらは共に、ミネソタ州セントポールの3M社(3M Company, St.Paul, Minnesota)から入手可能である。多成分組成物用の使い捨て容器は、一人の患者に使用した後、容器をアプリケータと一緒に処分できるため、医療用および歯科用組成物の貯蔵にとりわけ好都合である。このようにして、一人の患者から別の患者に感染性の病気を移すリスクがかなり低減する。一度に比較的少量の組成物しか必要としないことが多く、より小さい「1用量」または「使い捨て」の容器は、必要なときに1バッチ分の新しく混合された組成物が入手可能となることを確実にするのに役立つ。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、2種類以上の成分で作製される組成物用の送達システム、システムに使用する容器の組み立て、組成物を提供する方法、並びに、アプリケータおよび容器を備える送達システムを含む。一実施形態では、容器は、組成物の第1の成分の第1の塊(first mass)を保持する外側ハウジング、組成物の第2の成分の第2の塊(second mass)を保持する内側ハウジング、およびシールを備える。第1の成分は液体であり、第2の成分の塊は内側ハウジングの底壁および側壁に適合する。内側ハウジングが第1の塊を第1のチャンバ内に密封するように、外側ハウジングと内側ハウジングの間に締り嵌めが存在する。内側ハウジングは第2のチャンバの側壁に孔を有する。
【0009】
後述の図面の図は、本発明の幾つかの実施形態を記載するが、他の実施形態も考えられる。この開示は、本発明を代表例として表し、限定するものではない。当業者は、本発明の原理の範囲および趣旨に入る他の多数の変更および実施形態を考案できることを理解されたい。図は一律の縮尺に従って描かれていない場合がある。図全体を通して、同様の参照番号を使用して同様の部分を示した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、組成物用の送達システムの1単位用量の容器10の外部斜視図である。図示されている実施形態では、容器10は、外側スカート14を有する外側ハウジング12、および内側ハウジング16を備える。シール17は、外側ハウジング12および内側ハウジング16を覆うように配置される。一実施形態では、容器10は、歯科処置、薬学的処置、および医療処置に使用される組成物を収容している。好適な組成物の例には、歯科接着剤、エッチング剤、シーラント、およびプライマーが挙げられる。本明細書で使用する場合、「歯科」の用語は、歯科矯正治療および歯内療法を含む全ての歯科分野を含む。
【0011】
容器10は、典型的には小容量の組成物成分を保持するため、容器10の貯蔵チャンバは非常に小さくなり得る。そのため、一実施形態では、容器10を拡大するために外側スカート14を設け、それによって取り扱いを容易にすることができる。図示されている実施形態では、外側スカート14は、使用者の指の間に具合よくフィットするような形状に作られている。図示されている実施形態では、上部セクション18および底部セクション20の周囲寸法はそれぞれ、中央セクション22の周囲寸法より大きい。例示的な実施形態では、外側スカート14は、略円筒状であり、このため各周囲寸法は円周である。例示的な実施形態では、ベース24は平坦であり、底部セクション20は、容器10が台の上などの水平面に安定に静止することを可能にするのに十分な幅がある。
【0012】
図2は、内側ハウジング16が軸25に沿って外側ハウジング12から取り出されている、組み立て前に示される図1の実施形態の外部斜視図である。内側ハウジング16は、組成物成分の外側ハウジング12から内側ハウジング16への流入を可能にするため、側壁に1つ以上の孔26を備える。外側ハウジング12および内側ハウジング16は円筒状の部材として示されているが、任意の摺動可能に嵌め合う形状を使用し得ることが考えられる。
【0013】
図3は、線3−3に沿った図1の実施形態の断面図である。容器10は、材料の少なくとも2つの塊を互いに別々に保持するように設計されている。これは、例えば、使用直前まで混合されるべきではない2種類以上の成分で作製される幾つかの歯科組成物にとりわけ有用である。組成物の第1の成分の第1の塊28は、外側ハウジング12の第1のチャンバ30内に収容される。組成物の第2の成分の第2の塊32は、内側ハウジング16の第2のチャンバ34内に収容される。例示的な実施形態では、外側ハウジング12と内側ハウジング16の上面全体に気密シール17が設けられる。例示的な実施形態では、内側ハウジング16の底面39の望ましい位置を定めるため、外側ハウジング12の第1のチャンバ30内に止め部材38が配置される。図示されている実施形態では、止め部材38は、外側ハウジング12の内面の環状リブなどの半径方向内向きの突起である。外側ハウジング12および内側ハウジング16は、好ましくは、境界面40で外側ハウジング12と内側ハウジング16の間に締り嵌めを作り出すようなサイズに作られる。
【0014】
容器10は、まず、外側スカート14を有する外側ハウジング12を提供することによって組み立てられる。例示的な実施形態では、外側ハウジング12は、材料、費用、および重量を低減するため、コア44と外側スカート14の間に中空の空間42を備える。このような実施形態では、ベース24は、1個の連続したものである必要はなく、コア44のためのベースセクションと、外側スカート14のための環状のベースセクション(容器10が円筒状である場合)からなってもよい。外側スカート14、および、従って容器10を他の形状に形成し得ることも考えられる。
【0015】
外側ハウジング12の第1のチャンバ30に、組成物の第1の成分の第1の塊28を少なくとも一部充填する。次いで、内側ハウジング16を外側ハウジング12に挿入する。一実施形態では、内側ハウジング16の底面39が止め部材38に接触すると、内側ハウジング16は適切な位置にある。止め部材38は必要ではないが、内側ハウジング16を外側ハウジング12に深く挿入し過ぎないようにするために有用である。一実施形態では、外側ハウジング12と内側ハウジング16の間の境界面40における締り嵌めは、第1のチャンバ30を密封し、材料の第1の塊28が第2のチャンバ34の中に(または、容器10から出て、外側ハウジング12の内壁と内側ハウジング16の外壁の間の境界面40に沿って)移動しないようにするのに十分である。この締り嵌めは、また、第2のチャンバ34内に収容されている材料が第1のチャンバ30の中に移動しないようにするのに十分である。
【0016】
図示されている実施形態では、内側ハウジング16は、側壁に1つ以上の孔26を有する。第2のチャンバ34に、組成物の第2の成分の第2の塊32が少なくとも一部充填され、第2のチャンバ34の底壁および側壁に形状が適合する。例示的な実施形態では、第1の塊28は液体材料からなり、第2の塊32は、例えば、液体、半液体(ゲルもしくはペーストなど)、または、固体の形態の材料からなる。固体の形態であっても、第2の塊32の材料が粉末などの流動性の形態であることが好ましい。材料の第2の塊32が、第2のチャンバ34に導入されるとき、それは、孔26並びに第2のチャンバ34の底部分を充填する。
【0017】
材料が第2のチャンバ34から逃げないようにするため、少なくとも内側ハウジング16を覆うようにシール17が設けられる。図示されているように、外側ハウジング12の上面は、内側ハウジング16の上面と同一平面上にあり、シール17は、また、外側ハウジング12の上面全体に延びている。例示的な実施形態では、シール17は、外側ハウジング12の上面に、および、内側ハウジング16の上面に結合される。例示的な実施形態では、シール17は、第1の塊28と第2の塊32を容器10内に気密に密封する。例示的な実施形態では、シール17は、1つ以上の方法で、例えば、シール17を容器10から剥離することによりシール17を除去することによって、または、手の力で物体を、好ましくはシール17の向きに実質的に垂直な軸25に沿って挿入することによりシール17を破裂させることによって、破断できる箔シールである。例示的な実施形態では、図示されているように気密に密封されている容器10は、追加の包装を必要とすることなく(即ち、容器10またはその中の成分を貯蔵するために、追加の箔で密封されるパウチを必要とせず)、十分に長い貯蔵寿命を有し、分配および貯蔵に好適な、別々の成分の塊28および32のための容器10を提供する。
【0018】
図示されている実施形態では、内側ハウジング16は円筒状であり、各孔26は円筒状の穴である。複数の孔26を備える一実施形態では、孔26は、好ましくは、内側ハウジング16の側壁の周縁部に等間隔に離間されている(例えば、各孔26が内側ハウジング16の円筒の半径に対して対称である、図3Aを参照されたい)。複数の孔26を備える代替の実施形態では、孔26は互いに平行である(例えば、図3Bを参照されたい)。孔26の他の数、形状、向き、および位置も使用できる。
【0019】
図4は、図3の実施形態の断面図であり、成分28および30の塊を混合し、分配するために、どのようにして容器10を使用するのかを示す。内側ハウジング16を、外側ハウジング12に対して下向きに押す。外側ハウジング12および内側ハウジング16は、それぞれ、好ましくは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、または、環状オレフィン共重合体などの変形可能なまたは可撓性の材料を射出成形することによって形成される。例えば、メタクリレートをベースにする歯科接着剤など、化学的安定性を改善するため、貯蔵中に酸素の存在を必要とし得る組成物がある。これらの状態では、前述のハウジング用プラスチックは、酸素移動を可能にし、その結果、貯蔵寿命が長くなり、組成物成分中での安定剤の必要量が減少し、容器10中での空気容積の必要量が小さくなるため、特に好適な材料である。
【0020】
第1の端部と第2の端部を有する組成物アプリケータなどの棒部材46を、シール17を下向きに押して貫通させ、それによってシール17を破断する。アプリケータ46から第2の塊32に、および内側ハウジング16の内面48に掛かる力によって、内側ハウジング16は外側ハウジング12に対して下向きに移動する。境界面40で内側ハウジング16と外側ハウジング12の間が密封されているため、この下向きの圧力によって、第1のチャンバ30の壁が膨張するか、または、第2のチャンバ34の壁が内側に撓むか、またはその両方が起こり、その結果、図4に示されている成分混合状態が生じる。膨張/収縮の程度は、説明の目的で図4では誇張されている。この段階で、材料の第1の塊28は、内側ハウジング16の孔26に入り、その中の材料の第2の塊32と混合する。加圧状態のため、塊28からの材料の乱流ジェットが第2のチャンバ34に入り、それによって塊28と32の両方の材料間に強力な混合効果を作り出す。第2の塊32が固体材料からなる場合、この混合を容易にするため、材料は微粉砕されていることが好ましい。ほとんどの場合、組成物の第1の成分の第1の塊28を組成物の第2の成分の第2の塊32と完全に混合するために、攪拌は必要ではない。混合は、単に、内側ハウジング16を外側ハウジング12のチャンバ30に一番下まで押し込むことによって完了し、その結果、容器10内に混合組成物49が得られる(図5を参照されたい)。
【0021】
しかし、必要に応じて、アプリケータ46を第2のチャンバ34内で攪拌し、このような混合を促進してもよい。例示的な実施形態では、アプリケータ46は、混合組成物49を所望の表面に塗布するため、細長い本体46A、および、本体46Aの第1の端部にある先端部50を備える。一実施形態では、アプリケータ46の先端部50は、略球状の形状を有するが、他の形状も可能である。好ましくは、先端部50は、混合組成物49材料が塗布される表面に混合組成物49材料を展延することを容易にする材料または構造を備えるが、必ずしもその必要はない。先端部50は、混合組成物49と適合性があり、混合組成物49を受け面に分布させる機能をする任意の好適な材料および構造を備えてもよい。好適な材料および構造には、発泡体およびスポンジ材料、または、ブラシの役割をし、先端部50の全部もしくは一部だけに適用される剛毛もしくは繊維が挙げられる。
【0022】
図5は、内側ハウジング16が外側ハウジング12の中に完全に押し下げられている、後の工程における図4の実施形態の断面図である。アプリケータ46が内側ハウジング16を外側ハウジング12の中に完全に押し下げるとき、内側ハウジング16は押込(positive)移動ピストンの役割をし、第1のチャンバ30の空気および材料の塊28を実質的に全て移動させる。その結果、第1の塊28の材料は全て、孔26を通って入り、第2の塊32の材料と混合し、それによって混合組成物49を形成する。例示的な実施形態では、混合組成物49は、2種類の成分、即ち、第1の塊28によって提供される第1の成分と第2の塊32によって提供される第2の成分で作製される均質な化合物である。このようにして、混合組成物49の第1および第2の成分の正確な割合を提供することができる。例示的な実施形態では、第2のチャンバ34は、第1の塊28と第2の塊32を合わせた容積を保持するのに十分大きい。例示的な実施形態では、混合組成物49を形成するため第1の成分と第2の成分を混合すると化学反応が起こり、それによって硬化性の混合組成物49が得られる。例えば、空気、光、熱、または化学物質への暴露を含む1つ以上の影響によって、このような組成物の硬さが増加する。
【0023】
例示的な実施形態の寸法は、以下の通りである:外側スカート14の高さは、約15mm以上、約30mm以下であり、好ましくは約22mmである。外側スカート14のベース24幅は、約10mm以上、30mm以下であり、好ましくは約20mmである。混合組成物49の容積は、約50マイクロリットル以上、約300マイクロリットル以下であり、好ましくは約120マイクロリットルである。内側ハウジング16の直径は、約3mm以上、約5mm以下であり、好ましくは約4mmである。内側ハウジング16の長さは、約8mm以上、約20mm以下であり、好ましくは約16mmである。内側ハウジング16の第2のチャンバ34の容積は、約60mm3以上、約315mm3以下であり、好ましくは約200mm3である。外側ハウジング12の内径は、約4mm以上、約7mm以下であり、好ましくは約6mmである。外側ハウジング12の第1のチャンバ30の長さは、約2mm以上、約5mm以下であり、好ましくは約3.5mmである。外側ハウジング12の第1のチャンバ30の容積は、約30mm3以上、約150mm3以下であり、好ましくは約100mm3である。内側ハウジング16は、孔26を約1個以上、約10個以下備え、好ましくは孔26を約6個備える。各孔26は、好ましくは直径約0.5mm以上、約2.0mm以下、好ましくは約1.0mmの円筒状の穴である。これらの寸法および孔の数は、例示として記載されるに過ぎない;容器10を特定の用途または目的に好適な任意のサイズに製造し得ることが考えられる。
【0024】
第1および第2の成分から混合組成物49を形成した後、先端部50に付いている混合組成物49材料を所望の表面に塗布できるように、アプリケータ46を取り出してもよい。汚染を防止するため、先端部50が他のどの表面とも接触しないことが好ましい。しかし、幾つかの場合、シール17の破片53は、内側ハウジング16の上面に残存してもよい。シール17の上面は、環境に暴露されてきたため、細菌、汚れ、または他の望ましくない汚染物質で汚染されている場合がある。図示されている実施形態では、先端部50に付いている混合組成物49をシールの破片53で拭うことなく、およびそれに付いている混合組成物49を汚染することなく先端部50を取り出すように、よく注意をしなければならない。
【0025】
図6Aは、アプリケータの代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似しており、アプリケータ54は、アプリケータ54の細長い本体46Aに沿って突起55を備える。突起55が、破断したシール17を貫通する時、突起55はシール17の破片53を内側ハウジング16の内面の壁の方に押しやり、軸25から離す。破断したシール17を貫通するように、突起55の最も幅の広い部分がアプリケータ54の先端部末端から内側ハウジング16の第2のチャンバ34の長さより離れていないように、突起55を配置する。突起55の最も幅の広い箇所の周囲寸法は、本体46Aの周囲寸法より大きい。しかし、例示的な実施形態では、突起55は、内側ハウジング16の第2のチャンバ34に入るほど十分に小さい。本体46Aが円筒状であり、突起55が中実の楕円である場合、各周囲寸法は円周である。内側ハウジング16が円筒状である一実施形態では、突起55の最も幅の広い箇所の周囲寸法は、内側ハウジング16の内径より小さい。
【0026】
図4のアプリケータ46と比較して、突起55を有するアプリケータ54は、アプリケータ54の先端部50の抜き取りと再挿入のため、シール17の破片53間に開ける面積がより大きくなり、そのため、先端部50によって運ばれる混合組成物49の汚染の可能性が最小限になる。例示的な実施形態では、突起55は、両側が先細になっている対称形の中実の楕円である。しかし、突起55は、細長い本体46Aの周囲寸法より周囲寸法が大きい任意の形状であり得ることが考えられる。他の形状には、例えば、ディスク形、半球形、球形、および円錐形が挙げられる。アプリケータ54は、本発明の容器10に関して有用であるが、アプリケータ54は、また、容器の開口部に破裂可能なシールを有する任意の容器に使用することができる。
【0027】
図6Bは、アプリケータの更に別の代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似している。例示的な実施形態では、アプリケータ37は、止め部材43を有する細長い本体41を備える。図示されているように、細長い本体41は、肩部47で頭部45と連結する。例示的な実施形態では、頭部45は、肩部47の近位のより大きい周囲寸法から、先端部51のより小さい周囲寸法まで先細りになっている。例示的な実施形態では、先端部51は、シール17の破断を容易にするため、鋭い先端を有する。例示的な実施形態では、先端部51は球状の形状に配置されたブラシ要素52を有する。
【0028】
例示的な実施形態では、アプリケータ37は略円筒状であり、先端部51ではなく肩部47を使用して内側ハウジング16を外側ハウジング12に押し込むような大きさに作られており、その場合、先細の頭部45の長さは、内側ハウジング16の第2のチャンバ34の長さ以下である。アプリケータ37では、肩部47と内側ハウジング16の上面との間の境界面は、図4のアプリケータ46の先端部50の表面積と比較して、押す力を加える表面積が大きいため、内側ハウジング16の外側ハウジング12への挿入が、より容易に達成される。例示的な実施形態では、先細の頭部45は、シールの破片53を内側ハウジング16の内壁の方に押しやるように肩部47の近位の寸法の方が大きく、先端部51の近位の寸法の方が小さい。
【0029】
混合組成物49を所望の表面に塗布するために、先端部51自体を使用してもよい。別の実施形態では、先端部51は、複数のブラシ要素52などの塗布要素を備えてもよい。例示的な実施形態では、止め要素43は、細長い本体41の周りに配置され、内側ハウジング16が外側ハウジング12の中に完全に押し込まれたとき(図5参照)、肩部47と止め部材43との距離が、内側ハウジング16の上面と外側ハウジング12の上面との距離にほぼ等しくなるように位置決めされる。このようにして、止め部材43が外側ハウジング12の上面に接触するとき、この接触は、成分の塊28および32の完全な混合が起こり混合組成物49が生成されたということを使用者に合図する。一実施形態では、内側ハウジング16を外側ハウジング12に挿入する間、圧力解放を可能にするため、本体41は中空であり、先細の頭部45に1つ以上の通気孔スロット57が配置されている。アプリケータ37に他の形状を考案することができ、それは本発明の範囲に包含される。例えば、頭部45は、図示されているものとは異なる形状を取ってもよい。更に、細長い本体41は、更に狭く、肩部47および止め部材43の役割をする更に幅の広いフランジまたは突起を備えてもよい。
【0030】
図7は、本発明の容器60の第2の実施形態を示す。図7Aは、図7の部分7Aの拡大図である。幾つかの組成物に関して、第1の塊28を第2の塊32から十分に密封するのに、境界面40における外側ハウジング12と内側ハウジング16の間の締り嵌めでは十分でない場合がある。このような場合、または、境界面40に締り嵌めがない場合、シール56を使用してもよい。図示されている実施形態では、シール56は、孔26の近位にある窪み58内に保持される。容器10のように、容器60は、第1のチャンバ30に組成物の第1の成分の第1の塊28を少なくとも一部充填することによって組み立てられる。次いで、内側ハウジング16を下に第1のチャンバ30に挿入する。第2のチャンバ34に、組成物の第2の成分の第2の塊32を少なくとも一部充填し、第2のチャンバ34の底壁および側壁に形状を適合させる。
【0031】
シール56が密封位置と非密封位置の間を移動できるように、シール56を窪み58内に移動可能に配置する。まず、内側ハウジング16を外側ハウジング12に下向きに押し込む時、シール56は窪み58の上部分まで自然に移動し、内側ハウジング16を下向きに押す時、下向きに押される。しかし、シール56は、有効であるために、孔26と外側ハウジング12の間での材料または気体の流動を防止しなければならない。止め部材38を備える一実施形態では、止め部材38に接触するまで、内側ハウジング16を挿入する。次いで、外側ハウジング12と孔26の間の領域を密封するため、内側ハウジング16を引き上げて戻し、シール56を窪み58の底部分に着座させる。内側ハウジング16を外側ハウジング12に対して押し上げるため、外側ハウジング12の底部セクションを圧搾することもできる。そのため内側ハウジング16は、この場合、止め部材38上に静止しない。シール56が孔26に着座することを容易にするため、窪み58は傾斜した壁62を備え、傾斜した壁62は、壁の上部分より壁の底部分の方が深くなっている。方向を表す用語「下」および「上」は、図示されている図に対して、説明の目的で使用するに過ぎない。実際の移動方向は、勿論、容器60の向きを変えることによって変わり得る。
【0032】
図示されている実施形態では、内側ハウジング16の上面が外側ハウジング12の上面より下になるように、最初、内側ハウジング16を押し下げる。内側ハウジング16を引き上げて戻し、シール56を着座させるとき、内側ハウジング16の上面が外側ハウジング12の上面と同じ高さになることが好ましい。次いで、内側ハウジング16と外側ハウジング12の両方の上面を覆うようにシール17を設けることができる。
【0033】
図8は、内側ハウジング16が外側ハウジング12に圧入され、成分の塊28と32の間で混合が起こり、混合組成物49が形成されている、後の工程における図7の実施形態を示す。図8Aは、図8の部分8Aの拡大図である。内側ハウジング16が外側ハウジング12の第1のチャンバ30を通って下向きに押される時、この下向きの力によってシール56が窪み58の上部分に移動する。これによって孔26が開き、第1の塊28の材料が第1のチャンバ30から第2のチャンバ34に移動して、第2の塊32の材料と混合することが可能になる。例示的な実施形態では、シール56はOリングであり、窪み58は内側ハウジング16の外面の環状の溝である。
【0034】
図9は、本発明の容器の第3の実施形態を示す。図9Aは、図9の部分9Aの拡大図である。容器61は、容器61が、シール56を窪み58内に着座させることを助けるランプ(ramp)部材63を備えること以外、図7の容器60に類似している。ランプ63は、外側ハウジング12のチャンバ30の内面に配置される単一のランプ突出部、複数のランプ突出部、または、連続的なランプ隆起を備えてもよい。複数のランプ突出部が設けられる場合、それらは外側ハウジング12の内周の周りに等間隔で配置されることが好ましい。内側ハウジング16の底面が、例えば、手の力を使用してランプ63の斜面上に移動するように、内側ハウジング16を挿入する。力を解放したとき、ランプ63の形状はばね効果を提供し、それによって、加えた力の方向と反対の方向に内側ハウジング16が押し戻され、それによって、外側ハウジング12と孔26の間の領域を密封するようにシール56が窪み58の底部分に着座する。着座効果を向上させるため、ランプ63の斜面および/またはシール56に潤滑剤をつけるか、または他の方法で処理してもよい。ランプ63が窪み58に入るまで内側ハウジング16を押し込まないことが重要である。その場合、内側ハウジング16は外側ハウジング12に対して跳ね返らない。このようなことが起こらないように、例えば、ランプ63を長くしてもよく、または、ランプ63に止め部材38と類似の止め部材を設けてもよい。このため、1つの形状を図示しているが、反応を誘導する他の形状を考案し得ることが考えられ、それは本発明の範囲に包含される。
【0035】
図10は、2用量の単位容器を示す、本発明の第4の実施形態の外部斜視図である。容器64では、単一の外側スカート66が、外側ハウジング12とそれに対応する内側ハウジング16を2組取り囲み、その中で、各組成物成分の塊がシールで分離されている。このような容器64は、例えば、2種類の混合組成物49を交互に、またはすばやく連続して塗布する場合に有用である。多数のこのような変形および構成は本発明の範囲に包含されるものと考えられる。
【0036】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者は本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく形態および詳細の変更をなし得ることを認識する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】1用量の単位容器の外部斜視図である。
【図2】内側ハウジングが外側ハウジングから取り出されている、組み立て前に示される、図1の実施形態の外部斜視図である。
【図3】線3−3に沿った図1の実施形態の断面図である。
【図3A】線A−Aに沿った図3の一実施形態の断面図である。
【図3B】線A−Aに沿った図3の別の実施形態の断面図である。
【図4】内側ハウジングが外側ハウジングに対して下向きに押されている、後の工程における図3の実施形態の断面図である。
【図5】内側ハウジングが外側ハウジングの中に完全に押し下げられている、後の工程における図4の実施形態の断面図である。
【図6A】アプリケータの代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似の図である。
【図6B】アプリケータの更に別の代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似の図である。
【図7】本発明の容器の第2の実施形態を示す図である。
【図7A】図7の部分7Aの拡大図である。
【図8】内側ハウジングが外側ハウジングの中に押し下げられている、後の工程における図7の実施形態を示す図である。
【図8A】図8の部分8Aの拡大図である。
【図9】本発明の容器の第3の実施形態を示す図である。
【図9A】図9の部分9Aの拡大図である。
【図10】2用量の単位容器を示す、本発明の第4の実施形態の外部斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種類以上の成分で作製される組成物用の送達システム、システムに使用する容器の組み立て、組成物を提供する方法、並びに、アプリケータおよび容器を備える送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの有用な組成物は、一定量の組成物の使用が必要とされる直前まで、通常は一緒に混合されない2種類の成分で作製される。例えば、エポキシをベースにする接着剤の成分は、その成分が互いに接触すると、混合組成物を硬化した塊に最終的に変化させる化学反応が生じるため、互いに別々に貯蔵される。そのため、エポキシをベースにする接着剤は、接着剤の成分を最初互いに隔離された状態に保存する2つの区画または別々の容器を備えるパッケージで、広く入手可能である。
【0003】
多成分組成物用のパッケージには、比較的大きく、異なる時に複数回塗布するのに十分な量の成分を備えるものがある。例えば、エポキシ接着剤は、缶、瓶、および、スクイーズチューブなどのバルク容器で通常入手可能である。接着剤の1つの成分(「A剤(Part A)」と称されることが多い)が1つのバルク容器で供給され、もう1つの成分(「B剤(Part B)」と称されることが多い)は、典型的には形状と構成が第1の容器に合致する別の容器で供給される。このようなバルク容器は、成分の包装費用が比較的低いため、広範に使用されている。
【0004】
バルク容器に貯蔵されている成分から接着剤を調製するため、各成分を一定量計量し、容器から取り出して、混合する場所に移す。混合する場所は、ミキシングウェル、ミキシングパッド、または第3の容器であってもよい。次に、使用者は、スパチュラ、ブラシ、または他の好適な用具を使用して成分を混合した後、混合された成分を塗布部位に移す。
【0005】
しかし、2つのバルク容器で多成分組成物を供給する実施は、完全に満足なものではない。例えば、使用者がバルク容器から成分を適切な割合で取り出さない場合、得られる組成物の特性は、著しく影響を受ける場合がある。更に、最初の容器内に残存する各成分の部分は、容器が開けられると、大気への暴露により、ある期間にわたって悪影響を受ける場合がある。また、使用者は、1回使用した後、ミキシングパッド、ウェル、または他の混合容器を処分するか、または、後で使用する際に備えてそれを清浄にする努力をしなければならない。更に、1つの容器の成分が不注意で、もう1つの成分のバルク容器に移されないことを確実にするように注意をしなければならないが、移されると、それはもう1つの成分を汚染するか、または、もう1つの成分の特性に悪影響を及ぼす化学反応を開始させる場合がある。
【0006】
近年、最初、互いに別々に保存される2種類の成分で作製される組成物用の「使い捨て」容器に関心が高まっている。このような容器では、典型的には、混合前に各成分の別々の量を計量する必要がない。また、これらの容器は、混合されたとき、得られる組成物の所望の特性が得られるように、成分が望ましい割合で存在することを確実にするのに役立つ。更に、成分が容器内で一緒に混合される場合、ミキシングウェル、パッド、容器、または他の種類の混合用構造の必要がない。
【0007】
最初、互いに別々に保存される2種類以上の成分で作製される組成物は、医療、および、歯科矯正を含む歯科の分野で広く使用されている。例えば、歯科で使用される多くの接着剤およびセメントは、使用直前まで一緒に混合されない2種類の成分で作製される。2成分歯科組成物の例には、リライ(Rely)X ARC歯科セメントおよびF2000プライマー/接着剤が挙げられ、これらは共に、ミネソタ州セントポールの3M社(3M Company, St.Paul, Minnesota)から入手可能である。多成分組成物用の使い捨て容器は、一人の患者に使用した後、容器をアプリケータと一緒に処分できるため、医療用および歯科用組成物の貯蔵にとりわけ好都合である。このようにして、一人の患者から別の患者に感染性の病気を移すリスクがかなり低減する。一度に比較的少量の組成物しか必要としないことが多く、より小さい「1用量」または「使い捨て」の容器は、必要なときに1バッチ分の新しく混合された組成物が入手可能となることを確実にするのに役立つ。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、2種類以上の成分で作製される組成物用の送達システム、システムに使用する容器の組み立て、組成物を提供する方法、並びに、アプリケータおよび容器を備える送達システムを含む。一実施形態では、容器は、組成物の第1の成分の第1の塊(first mass)を保持する外側ハウジング、組成物の第2の成分の第2の塊(second mass)を保持する内側ハウジング、およびシールを備える。第1の成分は液体であり、第2の成分の塊は内側ハウジングの底壁および側壁に適合する。内側ハウジングが第1の塊を第1のチャンバ内に密封するように、外側ハウジングと内側ハウジングの間に締り嵌めが存在する。内側ハウジングは第2のチャンバの側壁に孔を有する。
【0009】
後述の図面の図は、本発明の幾つかの実施形態を記載するが、他の実施形態も考えられる。この開示は、本発明を代表例として表し、限定するものではない。当業者は、本発明の原理の範囲および趣旨に入る他の多数の変更および実施形態を考案できることを理解されたい。図は一律の縮尺に従って描かれていない場合がある。図全体を通して、同様の参照番号を使用して同様の部分を示した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、組成物用の送達システムの1単位用量の容器10の外部斜視図である。図示されている実施形態では、容器10は、外側スカート14を有する外側ハウジング12、および内側ハウジング16を備える。シール17は、外側ハウジング12および内側ハウジング16を覆うように配置される。一実施形態では、容器10は、歯科処置、薬学的処置、および医療処置に使用される組成物を収容している。好適な組成物の例には、歯科接着剤、エッチング剤、シーラント、およびプライマーが挙げられる。本明細書で使用する場合、「歯科」の用語は、歯科矯正治療および歯内療法を含む全ての歯科分野を含む。
【0011】
容器10は、典型的には小容量の組成物成分を保持するため、容器10の貯蔵チャンバは非常に小さくなり得る。そのため、一実施形態では、容器10を拡大するために外側スカート14を設け、それによって取り扱いを容易にすることができる。図示されている実施形態では、外側スカート14は、使用者の指の間に具合よくフィットするような形状に作られている。図示されている実施形態では、上部セクション18および底部セクション20の周囲寸法はそれぞれ、中央セクション22の周囲寸法より大きい。例示的な実施形態では、外側スカート14は、略円筒状であり、このため各周囲寸法は円周である。例示的な実施形態では、ベース24は平坦であり、底部セクション20は、容器10が台の上などの水平面に安定に静止することを可能にするのに十分な幅がある。
【0012】
図2は、内側ハウジング16が軸25に沿って外側ハウジング12から取り出されている、組み立て前に示される図1の実施形態の外部斜視図である。内側ハウジング16は、組成物成分の外側ハウジング12から内側ハウジング16への流入を可能にするため、側壁に1つ以上の孔26を備える。外側ハウジング12および内側ハウジング16は円筒状の部材として示されているが、任意の摺動可能に嵌め合う形状を使用し得ることが考えられる。
【0013】
図3は、線3−3に沿った図1の実施形態の断面図である。容器10は、材料の少なくとも2つの塊を互いに別々に保持するように設計されている。これは、例えば、使用直前まで混合されるべきではない2種類以上の成分で作製される幾つかの歯科組成物にとりわけ有用である。組成物の第1の成分の第1の塊28は、外側ハウジング12の第1のチャンバ30内に収容される。組成物の第2の成分の第2の塊32は、内側ハウジング16の第2のチャンバ34内に収容される。例示的な実施形態では、外側ハウジング12と内側ハウジング16の上面全体に気密シール17が設けられる。例示的な実施形態では、内側ハウジング16の底面39の望ましい位置を定めるため、外側ハウジング12の第1のチャンバ30内に止め部材38が配置される。図示されている実施形態では、止め部材38は、外側ハウジング12の内面の環状リブなどの半径方向内向きの突起である。外側ハウジング12および内側ハウジング16は、好ましくは、境界面40で外側ハウジング12と内側ハウジング16の間に締り嵌めを作り出すようなサイズに作られる。
【0014】
容器10は、まず、外側スカート14を有する外側ハウジング12を提供することによって組み立てられる。例示的な実施形態では、外側ハウジング12は、材料、費用、および重量を低減するため、コア44と外側スカート14の間に中空の空間42を備える。このような実施形態では、ベース24は、1個の連続したものである必要はなく、コア44のためのベースセクションと、外側スカート14のための環状のベースセクション(容器10が円筒状である場合)からなってもよい。外側スカート14、および、従って容器10を他の形状に形成し得ることも考えられる。
【0015】
外側ハウジング12の第1のチャンバ30に、組成物の第1の成分の第1の塊28を少なくとも一部充填する。次いで、内側ハウジング16を外側ハウジング12に挿入する。一実施形態では、内側ハウジング16の底面39が止め部材38に接触すると、内側ハウジング16は適切な位置にある。止め部材38は必要ではないが、内側ハウジング16を外側ハウジング12に深く挿入し過ぎないようにするために有用である。一実施形態では、外側ハウジング12と内側ハウジング16の間の境界面40における締り嵌めは、第1のチャンバ30を密封し、材料の第1の塊28が第2のチャンバ34の中に(または、容器10から出て、外側ハウジング12の内壁と内側ハウジング16の外壁の間の境界面40に沿って)移動しないようにするのに十分である。この締り嵌めは、また、第2のチャンバ34内に収容されている材料が第1のチャンバ30の中に移動しないようにするのに十分である。
【0016】
図示されている実施形態では、内側ハウジング16は、側壁に1つ以上の孔26を有する。第2のチャンバ34に、組成物の第2の成分の第2の塊32が少なくとも一部充填され、第2のチャンバ34の底壁および側壁に形状が適合する。例示的な実施形態では、第1の塊28は液体材料からなり、第2の塊32は、例えば、液体、半液体(ゲルもしくはペーストなど)、または、固体の形態の材料からなる。固体の形態であっても、第2の塊32の材料が粉末などの流動性の形態であることが好ましい。材料の第2の塊32が、第2のチャンバ34に導入されるとき、それは、孔26並びに第2のチャンバ34の底部分を充填する。
【0017】
材料が第2のチャンバ34から逃げないようにするため、少なくとも内側ハウジング16を覆うようにシール17が設けられる。図示されているように、外側ハウジング12の上面は、内側ハウジング16の上面と同一平面上にあり、シール17は、また、外側ハウジング12の上面全体に延びている。例示的な実施形態では、シール17は、外側ハウジング12の上面に、および、内側ハウジング16の上面に結合される。例示的な実施形態では、シール17は、第1の塊28と第2の塊32を容器10内に気密に密封する。例示的な実施形態では、シール17は、1つ以上の方法で、例えば、シール17を容器10から剥離することによりシール17を除去することによって、または、手の力で物体を、好ましくはシール17の向きに実質的に垂直な軸25に沿って挿入することによりシール17を破裂させることによって、破断できる箔シールである。例示的な実施形態では、図示されているように気密に密封されている容器10は、追加の包装を必要とすることなく(即ち、容器10またはその中の成分を貯蔵するために、追加の箔で密封されるパウチを必要とせず)、十分に長い貯蔵寿命を有し、分配および貯蔵に好適な、別々の成分の塊28および32のための容器10を提供する。
【0018】
図示されている実施形態では、内側ハウジング16は円筒状であり、各孔26は円筒状の穴である。複数の孔26を備える一実施形態では、孔26は、好ましくは、内側ハウジング16の側壁の周縁部に等間隔に離間されている(例えば、各孔26が内側ハウジング16の円筒の半径に対して対称である、図3Aを参照されたい)。複数の孔26を備える代替の実施形態では、孔26は互いに平行である(例えば、図3Bを参照されたい)。孔26の他の数、形状、向き、および位置も使用できる。
【0019】
図4は、図3の実施形態の断面図であり、成分28および30の塊を混合し、分配するために、どのようにして容器10を使用するのかを示す。内側ハウジング16を、外側ハウジング12に対して下向きに押す。外側ハウジング12および内側ハウジング16は、それぞれ、好ましくは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、または、環状オレフィン共重合体などの変形可能なまたは可撓性の材料を射出成形することによって形成される。例えば、メタクリレートをベースにする歯科接着剤など、化学的安定性を改善するため、貯蔵中に酸素の存在を必要とし得る組成物がある。これらの状態では、前述のハウジング用プラスチックは、酸素移動を可能にし、その結果、貯蔵寿命が長くなり、組成物成分中での安定剤の必要量が減少し、容器10中での空気容積の必要量が小さくなるため、特に好適な材料である。
【0020】
第1の端部と第2の端部を有する組成物アプリケータなどの棒部材46を、シール17を下向きに押して貫通させ、それによってシール17を破断する。アプリケータ46から第2の塊32に、および内側ハウジング16の内面48に掛かる力によって、内側ハウジング16は外側ハウジング12に対して下向きに移動する。境界面40で内側ハウジング16と外側ハウジング12の間が密封されているため、この下向きの圧力によって、第1のチャンバ30の壁が膨張するか、または、第2のチャンバ34の壁が内側に撓むか、またはその両方が起こり、その結果、図4に示されている成分混合状態が生じる。膨張/収縮の程度は、説明の目的で図4では誇張されている。この段階で、材料の第1の塊28は、内側ハウジング16の孔26に入り、その中の材料の第2の塊32と混合する。加圧状態のため、塊28からの材料の乱流ジェットが第2のチャンバ34に入り、それによって塊28と32の両方の材料間に強力な混合効果を作り出す。第2の塊32が固体材料からなる場合、この混合を容易にするため、材料は微粉砕されていることが好ましい。ほとんどの場合、組成物の第1の成分の第1の塊28を組成物の第2の成分の第2の塊32と完全に混合するために、攪拌は必要ではない。混合は、単に、内側ハウジング16を外側ハウジング12のチャンバ30に一番下まで押し込むことによって完了し、その結果、容器10内に混合組成物49が得られる(図5を参照されたい)。
【0021】
しかし、必要に応じて、アプリケータ46を第2のチャンバ34内で攪拌し、このような混合を促進してもよい。例示的な実施形態では、アプリケータ46は、混合組成物49を所望の表面に塗布するため、細長い本体46A、および、本体46Aの第1の端部にある先端部50を備える。一実施形態では、アプリケータ46の先端部50は、略球状の形状を有するが、他の形状も可能である。好ましくは、先端部50は、混合組成物49材料が塗布される表面に混合組成物49材料を展延することを容易にする材料または構造を備えるが、必ずしもその必要はない。先端部50は、混合組成物49と適合性があり、混合組成物49を受け面に分布させる機能をする任意の好適な材料および構造を備えてもよい。好適な材料および構造には、発泡体およびスポンジ材料、または、ブラシの役割をし、先端部50の全部もしくは一部だけに適用される剛毛もしくは繊維が挙げられる。
【0022】
図5は、内側ハウジング16が外側ハウジング12の中に完全に押し下げられている、後の工程における図4の実施形態の断面図である。アプリケータ46が内側ハウジング16を外側ハウジング12の中に完全に押し下げるとき、内側ハウジング16は押込(positive)移動ピストンの役割をし、第1のチャンバ30の空気および材料の塊28を実質的に全て移動させる。その結果、第1の塊28の材料は全て、孔26を通って入り、第2の塊32の材料と混合し、それによって混合組成物49を形成する。例示的な実施形態では、混合組成物49は、2種類の成分、即ち、第1の塊28によって提供される第1の成分と第2の塊32によって提供される第2の成分で作製される均質な化合物である。このようにして、混合組成物49の第1および第2の成分の正確な割合を提供することができる。例示的な実施形態では、第2のチャンバ34は、第1の塊28と第2の塊32を合わせた容積を保持するのに十分大きい。例示的な実施形態では、混合組成物49を形成するため第1の成分と第2の成分を混合すると化学反応が起こり、それによって硬化性の混合組成物49が得られる。例えば、空気、光、熱、または化学物質への暴露を含む1つ以上の影響によって、このような組成物の硬さが増加する。
【0023】
例示的な実施形態の寸法は、以下の通りである:外側スカート14の高さは、約15mm以上、約30mm以下であり、好ましくは約22mmである。外側スカート14のベース24幅は、約10mm以上、30mm以下であり、好ましくは約20mmである。混合組成物49の容積は、約50マイクロリットル以上、約300マイクロリットル以下であり、好ましくは約120マイクロリットルである。内側ハウジング16の直径は、約3mm以上、約5mm以下であり、好ましくは約4mmである。内側ハウジング16の長さは、約8mm以上、約20mm以下であり、好ましくは約16mmである。内側ハウジング16の第2のチャンバ34の容積は、約60mm3以上、約315mm3以下であり、好ましくは約200mm3である。外側ハウジング12の内径は、約4mm以上、約7mm以下であり、好ましくは約6mmである。外側ハウジング12の第1のチャンバ30の長さは、約2mm以上、約5mm以下であり、好ましくは約3.5mmである。外側ハウジング12の第1のチャンバ30の容積は、約30mm3以上、約150mm3以下であり、好ましくは約100mm3である。内側ハウジング16は、孔26を約1個以上、約10個以下備え、好ましくは孔26を約6個備える。各孔26は、好ましくは直径約0.5mm以上、約2.0mm以下、好ましくは約1.0mmの円筒状の穴である。これらの寸法および孔の数は、例示として記載されるに過ぎない;容器10を特定の用途または目的に好適な任意のサイズに製造し得ることが考えられる。
【0024】
第1および第2の成分から混合組成物49を形成した後、先端部50に付いている混合組成物49材料を所望の表面に塗布できるように、アプリケータ46を取り出してもよい。汚染を防止するため、先端部50が他のどの表面とも接触しないことが好ましい。しかし、幾つかの場合、シール17の破片53は、内側ハウジング16の上面に残存してもよい。シール17の上面は、環境に暴露されてきたため、細菌、汚れ、または他の望ましくない汚染物質で汚染されている場合がある。図示されている実施形態では、先端部50に付いている混合組成物49をシールの破片53で拭うことなく、およびそれに付いている混合組成物49を汚染することなく先端部50を取り出すように、よく注意をしなければならない。
【0025】
図6Aは、アプリケータの代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似しており、アプリケータ54は、アプリケータ54の細長い本体46Aに沿って突起55を備える。突起55が、破断したシール17を貫通する時、突起55はシール17の破片53を内側ハウジング16の内面の壁の方に押しやり、軸25から離す。破断したシール17を貫通するように、突起55の最も幅の広い部分がアプリケータ54の先端部末端から内側ハウジング16の第2のチャンバ34の長さより離れていないように、突起55を配置する。突起55の最も幅の広い箇所の周囲寸法は、本体46Aの周囲寸法より大きい。しかし、例示的な実施形態では、突起55は、内側ハウジング16の第2のチャンバ34に入るほど十分に小さい。本体46Aが円筒状であり、突起55が中実の楕円である場合、各周囲寸法は円周である。内側ハウジング16が円筒状である一実施形態では、突起55の最も幅の広い箇所の周囲寸法は、内側ハウジング16の内径より小さい。
【0026】
図4のアプリケータ46と比較して、突起55を有するアプリケータ54は、アプリケータ54の先端部50の抜き取りと再挿入のため、シール17の破片53間に開ける面積がより大きくなり、そのため、先端部50によって運ばれる混合組成物49の汚染の可能性が最小限になる。例示的な実施形態では、突起55は、両側が先細になっている対称形の中実の楕円である。しかし、突起55は、細長い本体46Aの周囲寸法より周囲寸法が大きい任意の形状であり得ることが考えられる。他の形状には、例えば、ディスク形、半球形、球形、および円錐形が挙げられる。アプリケータ54は、本発明の容器10に関して有用であるが、アプリケータ54は、また、容器の開口部に破裂可能なシールを有する任意の容器に使用することができる。
【0027】
図6Bは、アプリケータの更に別の代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似している。例示的な実施形態では、アプリケータ37は、止め部材43を有する細長い本体41を備える。図示されているように、細長い本体41は、肩部47で頭部45と連結する。例示的な実施形態では、頭部45は、肩部47の近位のより大きい周囲寸法から、先端部51のより小さい周囲寸法まで先細りになっている。例示的な実施形態では、先端部51は、シール17の破断を容易にするため、鋭い先端を有する。例示的な実施形態では、先端部51は球状の形状に配置されたブラシ要素52を有する。
【0028】
例示的な実施形態では、アプリケータ37は略円筒状であり、先端部51ではなく肩部47を使用して内側ハウジング16を外側ハウジング12に押し込むような大きさに作られており、その場合、先細の頭部45の長さは、内側ハウジング16の第2のチャンバ34の長さ以下である。アプリケータ37では、肩部47と内側ハウジング16の上面との間の境界面は、図4のアプリケータ46の先端部50の表面積と比較して、押す力を加える表面積が大きいため、内側ハウジング16の外側ハウジング12への挿入が、より容易に達成される。例示的な実施形態では、先細の頭部45は、シールの破片53を内側ハウジング16の内壁の方に押しやるように肩部47の近位の寸法の方が大きく、先端部51の近位の寸法の方が小さい。
【0029】
混合組成物49を所望の表面に塗布するために、先端部51自体を使用してもよい。別の実施形態では、先端部51は、複数のブラシ要素52などの塗布要素を備えてもよい。例示的な実施形態では、止め要素43は、細長い本体41の周りに配置され、内側ハウジング16が外側ハウジング12の中に完全に押し込まれたとき(図5参照)、肩部47と止め部材43との距離が、内側ハウジング16の上面と外側ハウジング12の上面との距離にほぼ等しくなるように位置決めされる。このようにして、止め部材43が外側ハウジング12の上面に接触するとき、この接触は、成分の塊28および32の完全な混合が起こり混合組成物49が生成されたということを使用者に合図する。一実施形態では、内側ハウジング16を外側ハウジング12に挿入する間、圧力解放を可能にするため、本体41は中空であり、先細の頭部45に1つ以上の通気孔スロット57が配置されている。アプリケータ37に他の形状を考案することができ、それは本発明の範囲に包含される。例えば、頭部45は、図示されているものとは異なる形状を取ってもよい。更に、細長い本体41は、更に狭く、肩部47および止め部材43の役割をする更に幅の広いフランジまたは突起を備えてもよい。
【0030】
図7は、本発明の容器60の第2の実施形態を示す。図7Aは、図7の部分7Aの拡大図である。幾つかの組成物に関して、第1の塊28を第2の塊32から十分に密封するのに、境界面40における外側ハウジング12と内側ハウジング16の間の締り嵌めでは十分でない場合がある。このような場合、または、境界面40に締り嵌めがない場合、シール56を使用してもよい。図示されている実施形態では、シール56は、孔26の近位にある窪み58内に保持される。容器10のように、容器60は、第1のチャンバ30に組成物の第1の成分の第1の塊28を少なくとも一部充填することによって組み立てられる。次いで、内側ハウジング16を下に第1のチャンバ30に挿入する。第2のチャンバ34に、組成物の第2の成分の第2の塊32を少なくとも一部充填し、第2のチャンバ34の底壁および側壁に形状を適合させる。
【0031】
シール56が密封位置と非密封位置の間を移動できるように、シール56を窪み58内に移動可能に配置する。まず、内側ハウジング16を外側ハウジング12に下向きに押し込む時、シール56は窪み58の上部分まで自然に移動し、内側ハウジング16を下向きに押す時、下向きに押される。しかし、シール56は、有効であるために、孔26と外側ハウジング12の間での材料または気体の流動を防止しなければならない。止め部材38を備える一実施形態では、止め部材38に接触するまで、内側ハウジング16を挿入する。次いで、外側ハウジング12と孔26の間の領域を密封するため、内側ハウジング16を引き上げて戻し、シール56を窪み58の底部分に着座させる。内側ハウジング16を外側ハウジング12に対して押し上げるため、外側ハウジング12の底部セクションを圧搾することもできる。そのため内側ハウジング16は、この場合、止め部材38上に静止しない。シール56が孔26に着座することを容易にするため、窪み58は傾斜した壁62を備え、傾斜した壁62は、壁の上部分より壁の底部分の方が深くなっている。方向を表す用語「下」および「上」は、図示されている図に対して、説明の目的で使用するに過ぎない。実際の移動方向は、勿論、容器60の向きを変えることによって変わり得る。
【0032】
図示されている実施形態では、内側ハウジング16の上面が外側ハウジング12の上面より下になるように、最初、内側ハウジング16を押し下げる。内側ハウジング16を引き上げて戻し、シール56を着座させるとき、内側ハウジング16の上面が外側ハウジング12の上面と同じ高さになることが好ましい。次いで、内側ハウジング16と外側ハウジング12の両方の上面を覆うようにシール17を設けることができる。
【0033】
図8は、内側ハウジング16が外側ハウジング12に圧入され、成分の塊28と32の間で混合が起こり、混合組成物49が形成されている、後の工程における図7の実施形態を示す。図8Aは、図8の部分8Aの拡大図である。内側ハウジング16が外側ハウジング12の第1のチャンバ30を通って下向きに押される時、この下向きの力によってシール56が窪み58の上部分に移動する。これによって孔26が開き、第1の塊28の材料が第1のチャンバ30から第2のチャンバ34に移動して、第2の塊32の材料と混合することが可能になる。例示的な実施形態では、シール56はOリングであり、窪み58は内側ハウジング16の外面の環状の溝である。
【0034】
図9は、本発明の容器の第3の実施形態を示す。図9Aは、図9の部分9Aの拡大図である。容器61は、容器61が、シール56を窪み58内に着座させることを助けるランプ(ramp)部材63を備えること以外、図7の容器60に類似している。ランプ63は、外側ハウジング12のチャンバ30の内面に配置される単一のランプ突出部、複数のランプ突出部、または、連続的なランプ隆起を備えてもよい。複数のランプ突出部が設けられる場合、それらは外側ハウジング12の内周の周りに等間隔で配置されることが好ましい。内側ハウジング16の底面が、例えば、手の力を使用してランプ63の斜面上に移動するように、内側ハウジング16を挿入する。力を解放したとき、ランプ63の形状はばね効果を提供し、それによって、加えた力の方向と反対の方向に内側ハウジング16が押し戻され、それによって、外側ハウジング12と孔26の間の領域を密封するようにシール56が窪み58の底部分に着座する。着座効果を向上させるため、ランプ63の斜面および/またはシール56に潤滑剤をつけるか、または他の方法で処理してもよい。ランプ63が窪み58に入るまで内側ハウジング16を押し込まないことが重要である。その場合、内側ハウジング16は外側ハウジング12に対して跳ね返らない。このようなことが起こらないように、例えば、ランプ63を長くしてもよく、または、ランプ63に止め部材38と類似の止め部材を設けてもよい。このため、1つの形状を図示しているが、反応を誘導する他の形状を考案し得ることが考えられ、それは本発明の範囲に包含される。
【0035】
図10は、2用量の単位容器を示す、本発明の第4の実施形態の外部斜視図である。容器64では、単一の外側スカート66が、外側ハウジング12とそれに対応する内側ハウジング16を2組取り囲み、その中で、各組成物成分の塊がシールで分離されている。このような容器64は、例えば、2種類の混合組成物49を交互に、またはすばやく連続して塗布する場合に有用である。多数のこのような変形および構成は本発明の範囲に包含されるものと考えられる。
【0036】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者は本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく形態および詳細の変更をなし得ることを認識する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】1用量の単位容器の外部斜視図である。
【図2】内側ハウジングが外側ハウジングから取り出されている、組み立て前に示される、図1の実施形態の外部斜視図である。
【図3】線3−3に沿った図1の実施形態の断面図である。
【図3A】線A−Aに沿った図3の一実施形態の断面図である。
【図3B】線A−Aに沿った図3の別の実施形態の断面図である。
【図4】内側ハウジングが外側ハウジングに対して下向きに押されている、後の工程における図3の実施形態の断面図である。
【図5】内側ハウジングが外側ハウジングの中に完全に押し下げられている、後の工程における図4の実施形態の断面図である。
【図6A】アプリケータの代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似の図である。
【図6B】アプリケータの更に別の代替の実施形態を示すこと以外、図4に類似の図である。
【図7】本発明の容器の第2の実施形態を示す図である。
【図7A】図7の部分7Aの拡大図である。
【図8】内側ハウジングが外側ハウジングの中に押し下げられている、後の工程における図7の実施形態を示す図である。
【図8A】図8の部分8Aの拡大図である。
【図9】本発明の容器の第3の実施形態を示す図である。
【図9A】図9の部分9Aの拡大図である。
【図10】2用量の単位容器を示す、本発明の第4の実施形態の外部斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物用の送達システムであって、前記システムが容器を備え、前記容器が、
第1のチャンバを有する外側ハウジング、
前記組成物の第1の成分の第1の塊であって、前記第1のチャンバに収容され、前記第1の成分が液体である第1の塊、
前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封するように、前記外側ハウジングと内側ハウジングの間に締り嵌めが存在するように第1の位置で前記第1のチャンバに収容される内側ハウジングであって、第2のチャンバを有し、前記第2のチャンバの側壁に孔を有する内側ハウジングであり、前記第2のチャンバが底壁および側壁を有する内側ハウジング、
前記組成物の第2の成分の第2の塊であって、前記第2のチャンバに収容され、前記底壁および側壁に適合する第2の塊、および
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封する第1のシール、
を備える、送達システム。
【請求項2】
前記容器が、前記外側ハウジングに配置される止め部材を更に備え、前記内側ハウジングと前記止め部材との接触が前記第1の位置で生じる、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記止め部材が、環状リブである、請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記シールが、箔シールである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項5】
前記外側ハウジングが、前記第1のチャンバを取り囲む外側スカートを更に備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項6】
前記スカートが、その上部セクションにおける第1の周囲寸法を有し、前記スカートがその底部セクションにおける第2の周囲寸法を有し、前記スカートが前記上部セクションと前記底部セクションの中間のセクションにおける第3の周囲寸法を有し、前記第3の周囲寸法が前記第1の周囲寸法より小さく、前記第3の周囲寸法が前記第2の周囲寸法より小さい、請求項5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記容器が、
前記孔の近位の前記内側ハウジングの外壁に窪み、および
前記孔と前記外側ハウジングの中間の前記窪み内に位置決めされる第2のシール、
を更に備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項8】
前記窪みが、その上部セクションにおける第1の深さ、およびその底部セクションにおける第2の深さを有し、前記第1の深さが前記第2の深さより小さい、請求項7に記載の送達システム。
【請求項9】
前記第2のシールがOリングである、請求項7に記載の送達システム。
【請求項10】
前記外側ハウジングが、ランプを更に備える、請求項7に記載の送達システム。
【請求項11】
前記第1のチャンバの壁が、可撓性である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項12】
前記第2のチャンバの壁が、可撓性である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項13】
前記第2の成分が、液体である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項14】
前記第2の成分が、固体である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項15】
前記内側ハウジングが円筒状であり、前記孔が前記円筒の半径に対して対称である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項16】
アプリケータを更に備える請求項1に記載の送達システムであって、前記アプリケータが、
第1の端部と第2の端部を有する細長い本体であって、第1の周囲寸法を有する細長い本体、
前記本体の前記第1の端部にあるアプリケータ先端部、および
前記第1の端部と前記第2の端部の中間に位置決めされる最も幅の広い箇所を有する突起であって、最も幅の広い箇所の第2の周囲寸法が、前記第1の周囲寸法より大きい突起、
を備える、送達システム。
【請求項17】
各周囲寸法が円周である、請求項16に記載の送達システム。
【請求項18】
前記第2のチャンバが第1の長さ寸法を有し、前記細長い本体の前記第1の端部から前記突起の最も幅の広い箇所までの距離が、前記第1の長さ寸法以下である、請求項16に記載の送達システム。
【請求項19】
前記内側ハウジングが内径を有し、前記第2の周囲寸法が前記内径より小さい、請求項16に記載の送達システム。
【請求項20】
前記アプリケータ先端部がブラシである、請求項16に記載の送達システム。
【請求項21】
アプリケータを更に備える請求項1に記載の送達システムであって、前記アプリケータが、
第1の端部と第2の端部を有する細長い本体、
前記本体の前記第1の端部にある頭部であって、第1の端部と第2の端部を有し、前記頭部の第2の端部が前記本体の前記第1の端部の近位にあり、前記第2の端部の近位の周囲寸法の方が大きく、前記第1の端部の近位の周囲寸法の方が小さい頭部、および
前記頭部の前記第1の端部にある先端部、
を備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項22】
前記アプリケータが、
前記本体と前記頭部の間の境界面に配置される肩部、
を更に備える、請求項21に記載の送達システム。
【請求項23】
前記アプリケータが、
前記細長い本体に配置される止め部材であって、前記内側ハウジングが前記外側ハウジングの前記第1のチャンバに完全に挿入されているとき、前記肩部から止め部材までの距離が、前記内側ハウジングの上面と前記外側ハウジングの上面の間の距離にほぼ等しい止め部材、
を更に備える、請求項22に記載の送達システム。
【請求項24】
前記アプリケータが、前記先端部に配置される複数のブラシ要素を更に備える、請求項21に記載の送達システム。
【請求項25】
前記本体が中空であり、前記頭部に通気孔が配置されている、請求項21に記載の送達システム。
【請求項26】
前記第1のシールが、前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に更に密封する、請求項1に記載の送達システム。
【請求項27】
前記内側ハウジングが、前記第2のチャンバの前記側壁に複数の孔を備え、前記孔が前記側壁の周縁部に等間隔に離間されている、請求項1に記載の送達システム。
【請求項28】
前記送達システムが、歯科処置に使用される、請求項1に記載の送達システム。
【請求項29】
前記組成物が、硬化性である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項30】
第1のチャンバを有する外側ハウジングを提供する工程、
前記第1のチャンバに前記組成物の第1の成分の第1の塊を少なくとも一部充填する工程であって、前記第1の成分が液体である工程、
内側ハウジングが第1の位置に来るまで内側ハウジングを前記第1のチャンバに挿入する工程であって、前記内側ハウジングが前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封するように、前記外側ハウジングと前記内側ハウジングの間に締り嵌めが存在し、前記内側ハウジングが底壁と側壁を有する第2のチャンバを有し、前記内側ハウジングが前記第2のチャンバの側壁に孔を有する工程、
前記第2のチャンバに前記組成物の第2の成分の第2の塊を少なくとも一部充填する工程であって、前記第2の塊が前記底壁と前記側壁に適合する工程、および
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封する工程、
を含む、組成物容器を組み立てる方法。
【請求項31】
前記外側ハウジングが、止め部材を更に備え、前記内側ハウジングを前記第1のチャンバに挿入する工程が、前記内側ハウジングが前記止め部材に接触するまで前記内側ハウジングを前記第1のチャンバの中に摺動させる工程を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記内側ハウジングが、前記孔の近位の前記内側ハウジングの外壁に窪みを更に備える請求項30に記載の方法であって、
前記内側ハウジングを前記第1のチャンバに第1の方向に挿入する前に、シールを前記窪み内に位置決めする工程、
を更に含む方法。
【請求項33】
前記第1の方向と反対の第2の方向に前記内側ハウジングを引き戻し、前記孔と前記外側ハウジングの中間に前記シールを着座させる工程を更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記外側ハウジングがランプ部材を更に備え、前記内側ハウジングが前記第1の位置で前記ランプ部材と接触し、前記ランプ部材によって前記内側ハウジングが前記第1の方向と反対の第2の方向に移動し、前記孔と前記外側ハウジングの中間に前記シールを着座させる、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封する工程が、前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封する工程を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
組成物を提供する方法であって、
第1のチャンバを有する外側ハウジング、
前記組成物の第1の成分の第1の塊であって、前記第1のチャンバに収容され、前記第1の成分が液体である第1の塊、
前記第1のチャンバに収容される内側ハウジングであって、底壁と側壁を有する第2のチャンバを有し、前記第2のチャンバの側壁に孔を有する内側ハウジング、
前記組成物の第2の成分の第2の塊であって、前記第2のチャンバに収容され、前記底壁および側壁に適合する第2の塊、および
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封するシール、
を備える容器を提供する工程、
前記シールを破断する工程、並びに
前記内側ハウジングに力を加え、それによって前記内側ハウジングを前記外側ハウジングに押し込む工程であって、前記力によって生じる圧力が、前記第1の塊を、前記孔を通して前記第2のチャンバに押し込み、前記第2の塊と混合させて前記組成物を形成する工程、
を含む方法。
【請求項37】
前記力を加える工程が、アプリケータを下向きに押す工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記シールを破断する工程が、前記アプリケータで前記シールを下向きに押す工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記アプリケータが突起を備え、前記突起が前記シールの破断部分を前記内側ハウジングの内壁の方に押す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記アプリケータで前記組成物を攪拌し、前記第1の塊と前記第2の塊を更に混合する工程、
を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
実質的に全ての前記第1の塊が、前記第2のチャンバに入る、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記内側ハウジングが、前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
シールの向きに実質的に垂直な軸に沿って手の力を使用して破断できるシールを有する容器、並びに
アプリケータであって、
第1の端部と第2の端部を有する細長い本体であって、第1の周囲寸法を有する本体、
前記本体の前記第1の端部にあるアプリケータ先端部、および
前記第1の端部と前記第2の端部の中間に位置決めされる突起であって、第2の周囲寸法が前記第1の周囲寸法より大きい突起、
を備えるアプリケータ、
を備える送達システムであって、
前記アプリケータ先端部で前記軸に沿って前記シールに対して加えられる力が、前記シールを破断するのに十分であり、その結果、破断されたシールの破片が得られ、前記アプリケータを前記容器に挿入することにより、前記突起が前記破断されたシールの破片と接触し、それによって、前記破断されたシールの破片を押しやり前記軸から離す、送達システム。
【請求項44】
各周囲寸法が円周である、請求項43に記載の送達システム。
【請求項45】
前記アプリケータ先端部がブラシである、請求項43に記載の送達システム。
【請求項1】
組成物用の送達システムであって、前記システムが容器を備え、前記容器が、
第1のチャンバを有する外側ハウジング、
前記組成物の第1の成分の第1の塊であって、前記第1のチャンバに収容され、前記第1の成分が液体である第1の塊、
前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封するように、前記外側ハウジングと内側ハウジングの間に締り嵌めが存在するように第1の位置で前記第1のチャンバに収容される内側ハウジングであって、第2のチャンバを有し、前記第2のチャンバの側壁に孔を有する内側ハウジングであり、前記第2のチャンバが底壁および側壁を有する内側ハウジング、
前記組成物の第2の成分の第2の塊であって、前記第2のチャンバに収容され、前記底壁および側壁に適合する第2の塊、および
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封する第1のシール、
を備える、送達システム。
【請求項2】
前記容器が、前記外側ハウジングに配置される止め部材を更に備え、前記内側ハウジングと前記止め部材との接触が前記第1の位置で生じる、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記止め部材が、環状リブである、請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記シールが、箔シールである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項5】
前記外側ハウジングが、前記第1のチャンバを取り囲む外側スカートを更に備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項6】
前記スカートが、その上部セクションにおける第1の周囲寸法を有し、前記スカートがその底部セクションにおける第2の周囲寸法を有し、前記スカートが前記上部セクションと前記底部セクションの中間のセクションにおける第3の周囲寸法を有し、前記第3の周囲寸法が前記第1の周囲寸法より小さく、前記第3の周囲寸法が前記第2の周囲寸法より小さい、請求項5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記容器が、
前記孔の近位の前記内側ハウジングの外壁に窪み、および
前記孔と前記外側ハウジングの中間の前記窪み内に位置決めされる第2のシール、
を更に備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項8】
前記窪みが、その上部セクションにおける第1の深さ、およびその底部セクションにおける第2の深さを有し、前記第1の深さが前記第2の深さより小さい、請求項7に記載の送達システム。
【請求項9】
前記第2のシールがOリングである、請求項7に記載の送達システム。
【請求項10】
前記外側ハウジングが、ランプを更に備える、請求項7に記載の送達システム。
【請求項11】
前記第1のチャンバの壁が、可撓性である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項12】
前記第2のチャンバの壁が、可撓性である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項13】
前記第2の成分が、液体である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項14】
前記第2の成分が、固体である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項15】
前記内側ハウジングが円筒状であり、前記孔が前記円筒の半径に対して対称である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項16】
アプリケータを更に備える請求項1に記載の送達システムであって、前記アプリケータが、
第1の端部と第2の端部を有する細長い本体であって、第1の周囲寸法を有する細長い本体、
前記本体の前記第1の端部にあるアプリケータ先端部、および
前記第1の端部と前記第2の端部の中間に位置決めされる最も幅の広い箇所を有する突起であって、最も幅の広い箇所の第2の周囲寸法が、前記第1の周囲寸法より大きい突起、
を備える、送達システム。
【請求項17】
各周囲寸法が円周である、請求項16に記載の送達システム。
【請求項18】
前記第2のチャンバが第1の長さ寸法を有し、前記細長い本体の前記第1の端部から前記突起の最も幅の広い箇所までの距離が、前記第1の長さ寸法以下である、請求項16に記載の送達システム。
【請求項19】
前記内側ハウジングが内径を有し、前記第2の周囲寸法が前記内径より小さい、請求項16に記載の送達システム。
【請求項20】
前記アプリケータ先端部がブラシである、請求項16に記載の送達システム。
【請求項21】
アプリケータを更に備える請求項1に記載の送達システムであって、前記アプリケータが、
第1の端部と第2の端部を有する細長い本体、
前記本体の前記第1の端部にある頭部であって、第1の端部と第2の端部を有し、前記頭部の第2の端部が前記本体の前記第1の端部の近位にあり、前記第2の端部の近位の周囲寸法の方が大きく、前記第1の端部の近位の周囲寸法の方が小さい頭部、および
前記頭部の前記第1の端部にある先端部、
を備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項22】
前記アプリケータが、
前記本体と前記頭部の間の境界面に配置される肩部、
を更に備える、請求項21に記載の送達システム。
【請求項23】
前記アプリケータが、
前記細長い本体に配置される止め部材であって、前記内側ハウジングが前記外側ハウジングの前記第1のチャンバに完全に挿入されているとき、前記肩部から止め部材までの距離が、前記内側ハウジングの上面と前記外側ハウジングの上面の間の距離にほぼ等しい止め部材、
を更に備える、請求項22に記載の送達システム。
【請求項24】
前記アプリケータが、前記先端部に配置される複数のブラシ要素を更に備える、請求項21に記載の送達システム。
【請求項25】
前記本体が中空であり、前記頭部に通気孔が配置されている、請求項21に記載の送達システム。
【請求項26】
前記第1のシールが、前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に更に密封する、請求項1に記載の送達システム。
【請求項27】
前記内側ハウジングが、前記第2のチャンバの前記側壁に複数の孔を備え、前記孔が前記側壁の周縁部に等間隔に離間されている、請求項1に記載の送達システム。
【請求項28】
前記送達システムが、歯科処置に使用される、請求項1に記載の送達システム。
【請求項29】
前記組成物が、硬化性である、請求項1に記載の送達システム。
【請求項30】
第1のチャンバを有する外側ハウジングを提供する工程、
前記第1のチャンバに前記組成物の第1の成分の第1の塊を少なくとも一部充填する工程であって、前記第1の成分が液体である工程、
内側ハウジングが第1の位置に来るまで内側ハウジングを前記第1のチャンバに挿入する工程であって、前記内側ハウジングが前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封するように、前記外側ハウジングと前記内側ハウジングの間に締り嵌めが存在し、前記内側ハウジングが底壁と側壁を有する第2のチャンバを有し、前記内側ハウジングが前記第2のチャンバの側壁に孔を有する工程、
前記第2のチャンバに前記組成物の第2の成分の第2の塊を少なくとも一部充填する工程であって、前記第2の塊が前記底壁と前記側壁に適合する工程、および
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封する工程、
を含む、組成物容器を組み立てる方法。
【請求項31】
前記外側ハウジングが、止め部材を更に備え、前記内側ハウジングを前記第1のチャンバに挿入する工程が、前記内側ハウジングが前記止め部材に接触するまで前記内側ハウジングを前記第1のチャンバの中に摺動させる工程を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記内側ハウジングが、前記孔の近位の前記内側ハウジングの外壁に窪みを更に備える請求項30に記載の方法であって、
前記内側ハウジングを前記第1のチャンバに第1の方向に挿入する前に、シールを前記窪み内に位置決めする工程、
を更に含む方法。
【請求項33】
前記第1の方向と反対の第2の方向に前記内側ハウジングを引き戻し、前記孔と前記外側ハウジングの中間に前記シールを着座させる工程を更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記外側ハウジングがランプ部材を更に備え、前記内側ハウジングが前記第1の位置で前記ランプ部材と接触し、前記ランプ部材によって前記内側ハウジングが前記第1の方向と反対の第2の方向に移動し、前記孔と前記外側ハウジングの中間に前記シールを着座させる、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封する工程が、前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封する工程を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
組成物を提供する方法であって、
第1のチャンバを有する外側ハウジング、
前記組成物の第1の成分の第1の塊であって、前記第1のチャンバに収容され、前記第1の成分が液体である第1の塊、
前記第1のチャンバに収容される内側ハウジングであって、底壁と側壁を有する第2のチャンバを有し、前記第2のチャンバの側壁に孔を有する内側ハウジング、
前記組成物の第2の成分の第2の塊であって、前記第2のチャンバに収容され、前記底壁および側壁に適合する第2の塊、および
前記第2の塊を前記第2のチャンバ内に密封するシール、
を備える容器を提供する工程、
前記シールを破断する工程、並びに
前記内側ハウジングに力を加え、それによって前記内側ハウジングを前記外側ハウジングに押し込む工程であって、前記力によって生じる圧力が、前記第1の塊を、前記孔を通して前記第2のチャンバに押し込み、前記第2の塊と混合させて前記組成物を形成する工程、
を含む方法。
【請求項37】
前記力を加える工程が、アプリケータを下向きに押す工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記シールを破断する工程が、前記アプリケータで前記シールを下向きに押す工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記アプリケータが突起を備え、前記突起が前記シールの破断部分を前記内側ハウジングの内壁の方に押す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記アプリケータで前記組成物を攪拌し、前記第1の塊と前記第2の塊を更に混合する工程、
を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
実質的に全ての前記第1の塊が、前記第2のチャンバに入る、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記内側ハウジングが、前記第1の塊を前記第1のチャンバ内に密封する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
シールの向きに実質的に垂直な軸に沿って手の力を使用して破断できるシールを有する容器、並びに
アプリケータであって、
第1の端部と第2の端部を有する細長い本体であって、第1の周囲寸法を有する本体、
前記本体の前記第1の端部にあるアプリケータ先端部、および
前記第1の端部と前記第2の端部の中間に位置決めされる突起であって、第2の周囲寸法が前記第1の周囲寸法より大きい突起、
を備えるアプリケータ、
を備える送達システムであって、
前記アプリケータ先端部で前記軸に沿って前記シールに対して加えられる力が、前記シールを破断するのに十分であり、その結果、破断されたシールの破片が得られ、前記アプリケータを前記容器に挿入することにより、前記突起が前記破断されたシールの破片と接触し、それによって、前記破断されたシールの破片を押しやり前記軸から離す、送達システム。
【請求項44】
各周囲寸法が円周である、請求項43に記載の送達システム。
【請求項45】
前記アプリケータ先端部がブラシである、請求項43に記載の送達システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図10】
【公表番号】特表2007−528267(P2007−528267A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502868(P2007−502868)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/007012
【国際公開番号】WO2005/089954
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/007012
【国際公開番号】WO2005/089954
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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