説明

2本の平形チューブ状ウェブの端部を接合する装置および方法

本発明は、2本の平形チューブ状ウェブ(3、6)の端部を接合する装置に関する。このチューブ状ウェブ(6)の1つの端部には、その側部部分に、このチューブ状ウェブの端部の上側の壁面層(14)と下側の壁面層(15)とを互いに分離する切断線が設けられる。本発明の装置は次の特徴を含む。すなわち、本発明の装置は、一方のチューブ状ウェブの端部の上側および下側の壁面層をガイドする手段(16、17)であって、前記上側および下側の壁面層をもう一方のチューブ状ウェブ(3)の端部の壁面の部分と接触させることができるガイド用手段(16、17)と、一方のチューブ状ウェブ(6)の端部の上側および下側の壁面層を、もう一方のチューブ状ウェブ(3)の端部の壁面の部分と接合する手段とを備える。ガイド用の手段(16、17、31、32、34、35)はチューブ状ウェブの縦軸の方向に少なくとも部分的に動かすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本の平形チューブ状ウェブの端部を接合する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ状の材料を加工する装置は、通常、チューブ状ウェブの形の被加工材料が巻き付けられているリールから、この材料を引き出す。チューブ状のウェブは、このような加工装置に、大抵の場合連続的に、しかし場合によっては間欠周期的に供給される。リールが保有し得る全チューブ状材料を加工した後に、新しいチューブ状ウェブの始端を加工装置に導入または差し通す必要が生じないようにするために、一般的に、最初のチューブ状ウェブの終端を、同様にリールとして用いることができる新しいチューブ状ウェブの始端と接合する。この方法によって、リール交換のために、チューブ状材料の加工装置の運転を中断する必要がなくなるか、あるいはごく僅かな時間だけ中断すれば済むようになる。
【0003】
この場合、チューブ状ウェブの接合は、任意の接合方式によって、例えば、接着によって行われる。プラスチック製のチューブ状ウェブの場合は、通常、溶接が主要な接合方式である。
【0004】
特にプラスチック製の上記のチューブ状ウェブは、FFS原理に従って作動する装置において加工されることが多い。ここで「FFS」は、「成形、充填およびシール(Form、Fill and Seal;ドイツ語ではFormen、Fuellen、Schliessen)」を表す。このような装置が、例えば、独国特許第199 36 660 C1号に記載されている。
【0005】
特殊な種類のチューブ状ウェブは側方の折り込み部を有するウェブである。このような側方折り込みチューブは、主として上記のFFS機械において加工される。しかし、この際、2本のチューブ状ウェブの端部を接合する場合に、両方のチューブ状ウェブの接合後に側方の折り込み部が連通することが重要である。これは、例えば両方のチューブ状ウェブを互いに重ね合わせて接合すると確実には達成されない。また他の用途の場合には、チューブの内側が、接合位置の領域においても貫通していることが重要である。従って、2本のチューブ状ウェブの端部の接合位置を、このようなチューブ状ウェブの加工装置において問題なく使用し得るようにするためには、このチューブ状ウェブを、特別な方法によって接合しなければならない。
【0006】
このために、欧州特許出願公開第1 304 214 A1号は、側方折り込み部の内側の端部を開裂する切断線を端部に切り込み、引き続いて、開裂されたこの領域の中に、もう一方の端部を押し込むかあるいは差し込むことを提案している。この押し込みまたは差し込みは、一方のチューブ状シートの端部領域のそれぞれの側方折り込み部の層をそれぞれ有する両側の壁面層が、もう一方の端部をその間に挟み込むように行われる。挟み込まれたもう一方の端部領域の側方折り込み部の中に、分離用の層を押し込むかあるいは差し込み、続いて、その端部を横断溶接継手によって相互に接合する。この方法で、接合位置全域においても連通する側方折り込み部が確保される。
【0007】
欧州特許出願公開第1 201 585 A1号は、側方折り込み部を有しない2本のチューブ状ウェブの端部の接合方法を示している。この方法に従って接合されるチューブ状ウェブは、接合位置の領域においても内部が貫通しており、そのため、ローラ交換に際して新しいチューブ状ウェブを機械に差し通すために、チューブ状ウェブ加工機械の運転を中断する必要は生じない。欧州特許出願公開第1 201 585 A1号は、この方法を実施するための装置を開示しており、この装置は、互いに隣接して配置される複数個のリールまたはローラを備えた支持ユニットを含む。このリールに巻き付けられたチューブ状ウェブの端部は、その側端の領域において切り込まれているので、このチューブ状ウェブの上下の壁面層は互いに分離されている。この上下の壁面層の間にベルトが延びており、このベルトは、チューブ状ウェブの縦軸に対して横方向に延在しかつこの方向に可動である。このベルトはエンドレスに回転するのではなく、加工される当該チューブ状ウェブが対応するリールから引き出される範囲において中断している。ベルトの両端は補助フレームを介して接続されるが、この補助フレームは、ベルトの中断領域に、加工される当該チューブ状ウェブのみが存在するように構成される。ここで、新しいチューブ状ウェブの始端を、丁度引き出し完了したばかりのチューブ状ウェブの端部と接合しなければならない場合、最初に、加工機械へのチューブ状ウェブの搬送が中断され、引き出されたチューブ状ウェブがベルトに平行に切断される。その結果、チューブ状ウェブの端部がベルトの中断領域を橋渡しすることになる。引き続いて、ベルトが駆動され、チューブ状ウェブの端部が、別のリールのチューブ状ウェブの端部の上下の壁面層の間に押し込まれて、新旧のチューブ状ウェブの縦軸が互いに一直線上に並ぶまでに至る。旧チューブ状ウェブのこの横方向移動によって、また、ベルトの中断のために、新しいチューブ状ウェブの端部が旧チューブ状ウェブの端部と直接接触することになる。この場合、新しいチューブ状ウェブの端部の上側の壁面層は、旧チューブ状ウェブの端部の上側の壁面の上に載る形になり、新しいチューブ状ウェブの端部の下側の壁面層は、旧チューブ状ウェブの端部の下側の壁面の上に載る形になる。最後に、プラスチック製のチューブ状ウェブを、2本のチューブ状ウェブの端部の互いに重なり合う領域に上下から導かれる溶接ジョーによって相互に溶接する。この場合、旧チューブ状ウェブの端部の上下の壁面をも同様に互いに溶接することを避けるために、分離用の薄板を備えた内部装着工具の使用が予定される。この方法によって、チューブの内部の貫通性が接合位置においても保存される。
【0008】
上記のように、新しいチューブ状ウェブの端部の上下の壁面層の間にベルトが挟まっているが、このベルトは、新旧のチューブ状ウェブの端部を接合する前に、チューブ状ウェブの縦軸に対して横方向に走行する動きを実行する。しかし、ベルトは、この横方向の動きにおいて、上下の壁面層を部分的に同伴して引っ張り、その結果、続いてその壁面層が旧チューブ状ウェブの端部の外壁面上に円滑に載らない可能性が生じる。これは、両端部の接合に欠陥を生じさせることになり、従って、接合位置の亀裂またはチューブ状ウェブ加工機械における他の障害をもたらす可能性がある。全体として、上記の装置は、接合工程における不確実性と、品質価値が低い接合とを生じさせる可能性があることを認めなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、2本の平形チューブ状ウェブの端部の接合装置であって、接合工程を確実に遂行でき、しかも品質的に改善されたチューブ状ウェブの接合が得られる装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この本発明の目的は、請求項1の前段部分の特徴に加えて、請求項1の特徴部分の特徴をも含む装置によって達成される。
【0011】
本発明の装置によれば、一方のチューブ状ウェブの端部の上下の壁面層を、それぞれ、ガイド用の手段によって、チューブ状ウェブの縦軸の方向に少なくとも部分的に動かすことができる。
【0012】
一方のチューブ状ウェブの端部の上下の壁面層を、ガイド用の手段によってチューブ状ウェブの縦軸の方向に少なくとも部分的に動かすことができることによって、この両壁面層がもう一方のチューブの壁面上に円滑に、かつ、平坦に載ることが可能になり、その結果、一方のチューブ状ウェブの壁面層と、もう一方のチューブ状ウェブの壁面とが互いに面平行の状態で延びることになる。この装置は、好ましくは、新しいチューブ状ウェブの壁面層が、使用完了するチューブ状ウェブの外壁面上に載るように構成される。しかし、使用完了するチューブ状ウェブの端部を上下の壁面層に分割し、もしくは、開裂し、従って、この壁面層が次のチューブ状ウェブの外壁面上に載り得るようにすることも当然可能である。壁面層の動きは、チューブ状ウェブの縦方向に可動なガイド手段によって行うことができる。代替的に、チューブ状ウェブの縦軸に対して基本的に横方向の軸の回りに回転し得る例えば把持器または吸引器のような補助手段を設けることも可能である。この軸は、移動の際に、一方のチューブ状ウェブの端部の上下の壁面層を規定する切断面の端部にあることが好ましく、それによって、上下の壁面層を、チューブ状ウェブの縦方向の動きの一部分をも必然的に含む折り返しの動きによって、他方のチューブ状ウェブの壁面上に載せることができる。
【0013】
本発明の有利な実施形態においては、チューブ状ウェブの端部を、保持手段によって固定位置に保持できる。この保持手段は、締め付けジョーとして、しかし、吸引器としても形成できるが、別の保持手段も考えられる。従って、壁面層が載せられるもう一方のチューブ状ウェブの後退が避けられる。この時間の間は、チューブ状ウェブ加工機械における生産工程は停止するのが望ましい。しかし、生産の中断を避けるためのウェブ貯留部分を設けることも可能である。
【0014】
本発明の好ましい実施形態においては、ガイド用の手段が、チューブ状ウェブの縦方向に平行に可動な方向転換手段を含む。この点が、構造的に特に単純な、従ってコスト的に有利な本発明の実施形態である。この方向転換手段を、隙間を形成する薄板またはプレートとして構成すると特にコスト的に有利である。上側または下側の壁面層は、この薄板またはプレートが動く際に、隙間の境界となるそれぞれの端部に接しながら沿って導かれ、その壁面層が、もう一方のチューブ状ウェブの端部の上に折り返される。製作を簡単化するために、薄板またはプレートを1つの構造部品、例えば、1枚の薄板プレートとして構成することができる。この1枚の薄板プレートに1つの隙間を形成する長孔を設け、これを通ってチューブ状ウェブが移動する。別の実施形態においては、方向転換手段をロールまたはローラとして構成できる。この場合、各ロールまたはローラが、それぞれ、一方のチューブ状ウェブの端部の上側または下側の壁面層の上を転がり回転し、その結果、この壁面層が、もう一方のチューブ状ウェブの外壁面に、後者が間違って動かされることなく当てがわれる。この方向転換手段は、押圧手段と呼称することも可能であり、接合工程が完了するまでの間、従って、例えば、接合部製作用に用いた接着剤が硬化してしまうまで、あるいは、プラスチック製のチューブ状ウェブを使用する場合、溶接またはシール接合が完了するまでの間、壁面層と接触したままである。この方法で、接合にまだ負荷を掛けられない場合に、チューブ状ウェブの端部が再度互いに剥離してしまうことが避けられる。
【0015】
本発明による装置においては、側方の折り込み部を有するチューブ状ウェブを加工することが好ましい。この場合、一方のチューブ状ウェブの端部に、側方折り込み部の内側の端部に沿って切り込みを入れることが望ましい。欧州特許出願公開第1 201 585 A1号による装置が、端部を接合するために側方折り込み部を有するチューブ状ウェブを用いるとすると、この側方折り込み部の切り込みによって前の側方折り込み部の層がひらりと開く可能性があり、従って接合工程に障害を及ぼすかあるいは妨害さえしてしまう結果をもたらす。従って、本発明による装置は、側方折り込みチューブの端部の接合に特に適している。
【0016】
冒頭に述べたFFS機械で加工される側方折り込みチューブは、多くの場合プラスチック製である。この場合、プラスチック製チューブの端部は通常溶接継手によって接合される。側方折り込み部の層の溶接がFFS機械における障害にならないようにするため、本発明の1つの有利な実施形態においては、側方折り込み部の中に差し込むことができる分離手段、例えば分離用の薄板が設けられる。さらに、外壁面の溶接をも避ける内部工具を設けることも可能である。溶接継手は、フォイルチューブの縦軸に対して横方向に延びることが好ましい。この場合、溶接継手は、あるいは接着継手も、一方のチューブ状ウェブの上側および下側の壁面層をもう一方のチューブ状ウェブの外壁面と接触させる際に閉じ込められる可能性がある空気の流出を可能にするために、断続的にすることができる。また、他の接合継手、例えば接着継手も、空気の流出を可能にするために断続化することができる。
【0017】
本発明のさらに有利な実施形態を、以下の具体的な説明と共に、従属請求項および図面から読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1および図2は、本発明に関わる装置1を示す。この図では、接合の製作に必要な固有の構造部品のみが表現されている。リール2が示されているが、チューブ状ウェブ3が、このリール2から引き出されて、チューブ状ウェブ3の縦軸4に沿って延びる搬送方向「z」の方向において、チューブ状ウェブ加工機械に供給される。この場合、チューブ状ウェブ3は、特に、2枚のサイドプレートに回転可能に支承される2つのローラ31および32の間を通って導かれる。この2枚のサイドプレートのうち、観察者の方向から見ることができる前方のプレート33が図示されている。リール2は、図示されていない搬送車またはキャリッジの上に載せられているが、この搬送車またはキャリッジは、同様に図示されていない機械フレームの内部において、チューブ状ウェブ3の縦軸4に対して横方向に可動である。キャリッジまたは搬送車には、さらに、チューブ状ウェブ6が巻きつけられているリール5が載っている。チューブ状ウェブ6には、事例的に、側方の折り込み部7が別の線で表現されている。
【0019】
リール2に巻き付けられたチューブ状ウェブは、図示の状態においてはほとんど完全に引き出されており、従って、チューブ状ウェブ加工機械における加工のために、新しいリール5を使用しなければならない。この場合、チューブ状ウェブ3の終端をチューブ状ウェブ6の始端と接合する必要がある。図3に見られるように、装置1は、このため、機械フレームと連結されかつ互いに対して可動な1対の締め付けジョー8、9を有しており、この締め付けジョー8、9でチューブ状ウェブ3を固く保持できる。搬送車またはキャリッジには、もう1対の締め付けジョー10、11が連結されており、同様にチューブ状ウェブをその間に挟み込む。この2つの締め付けジョーの対の間に、切断刃13を担持する切断刃支持器12が配置され、この切断刃によって、チューブ状ウェブ3が縦軸4に対して横方向に切断される。
【0020】
この時点においては、チューブ状ウェブ6は、2つの端部の接合工程のための待機位置にあり、それが図4に表現されている。チューブ状ウェブ6の先端部26は側端部の領域で切り込まれており、その結果、この端部26は上側の壁面層14と下側の壁面層15とから構成される。この上側の壁面層14および下側の壁面層15は、サイドプレートに支承される方向転換ローラ16または17に部分的に巻き付いている。壁面層14、15はさらに付加的に締め付けジョーの対20、21および22、23によって保持され、従って、それは、基本的に、チューブ状ウェブ6の縦軸に直角に延びる平面内に延在する。チューブ状ウェブ6は補足的に締め付けジョーの対24、25によって保持される。
【0021】
チューブ状ウェブ3が切断された後、チューブ状ウェブ3および6の縦軸が互いに一直線に並ぶように、搬送車またはキャリッジが動かされる。この状況が図5に示される。搬送車またはキャリッジの図示の位置への横方向移動によって、切断刃支持器12に装着される鉤部品27とサイドプレート18、19に装着される鉤部品28とが、鉤部品27、28が互いに係合できる位置に達する。ここで、機械のフレーム内に可動に支持される切断刃支持器12が、チューブ状ウェブ3の縦軸4の方向に、例えば、空気シリンダの作用によって動かされ、その際に、サイドプレート18、19、従って、ローラ16および17を同伴して一緒に動かす。その間に、壁面層14および15は、方向転換ローラ16および17の回りを回って行き、この2つのローラによって、チューブ状ウェブ3の外壁面上に載せられるか、あるいはこの外面上に押し付けられる。この部分においては、ローラの代わりに、スリットを有する薄板プレートをも使用し得ることに再度留意されたい。この場合はスリットの境界端がローラの機能を果たす。締め付けジョーの対20、21および22、23は、確かに最初は壁面層14、15を図4の位置に保持するが、この締め付けジョーは、壁面層を締め付けジョーの隙間から引き出すことが可能であるような力でのみ、壁面層を押圧しているだけである。切断刃支持器12の移動は、図6の運転位置に達するまで行われる。この運転位置においては、ローラ16、17はまだ壁面層14、15と接触している。これに続く溶接工程の間に、壁面層の個々の層が溶接されないようにするため、図示されていない分離用の薄板を側方の折り込み部7の中に差し込むことができる。この分離用薄板は、側方折り込み部の内部に恒常的に留まることが望ましく、これによって、分離用薄板が、チューブ状ウェブをリールから引き出す際の付加的なガイド手段および安定化手段になる。
【0022】
ここで、図7に示すように、揺動可能なアームを介して機械の骨格に支持される溶接ジョー29、30が、チューブ状ウェブの端部が重なり合う領域に沈下し、引き続いてこの重なり合う領域の層を相互に溶接する。2つの溶接ジョーの代わりに、適切な相手側の層と、溶接を実行するために協同作用する単一の溶接ジョーを用いることもできる。
【0023】
溶接後に、溶接ジョー29、30は元の位置に揺動され、切断刃支持器12はローラ16、17と共にその当初位置に再度戻される。このため、サイドプレート18、19に、例えば、バネの力を加えることができる。最後に、締め付けジョーの対8、9および24、25がチューブ状ウェブから離されて、この時点で、チューブ状ウェブ6がチューブ状ウェブ加工機械に供給されるようになる。リール2は、新しい装荷ずみのリールと交換できるが、その際、新しいリールに巻き付けられているチューブ状ウェブの始端を、図4の待機位置に準備することができる。リール5のチューブ状ウェブ6が完全にまたはほとんど引き出されると、チューブ状ウェブの2つの端部の上記の接合を、すぐに再度実行できる。
【0024】
図8は、本発明による装置の代替的な実施形態を示す。この場合、上側の壁面層14および下側の壁面層15は、ローラで方向転換されるのではなく、隙間36を区切る薄板帯材34および35の端部において方向転換される。チューブ状ウェブ6はこの隙間36を通って導かれる。薄板帯材は図示されていない連結要素によって相互に連結される。薄板帯材35、36およびこの連結要素は1枚の薄板プレートの形の構成部品とすることができる。下側の薄板帯材35には鉤部品28が装着される。1枚の薄板プレートを使用すると、鉤部品および薄板プレートも一体型として構成することが当然考えられ、この場合には、薄板プレートの一部を簡単に折り曲げて鉤部品28を形成することができる。隙間36の境界となる薄板帯材34および35の端部は、上下の壁面層14、15を可能な限り損傷することなく導き得るために角を丸めることが望ましい。
【0025】
最後に、欧州特許出願公開第1 201 585 A1号に記載される装置に対して、本発明の上記の実施形態は、著しく単純化された構造を有しており、従ってコスト的に有利であり、メンテナンスが少なく、故障が起こりにくいことを注記しておく必要がある。この理由は、次のような事実に求めることができる。すなわち、欧州特許出願公開第1 201 585 A1号に記載される装置においては、旧チューブ状ウェブの端部が、その進行方向に対して横方向に動かされるという点である。しかし、旧チューブ状ウェブの端部の、その進行方向に対して横方向への移動を可能にするには、異なる複数の方向転換手段が必要である。最初に、チューブ状ウェブをベルトの走行方向に向けることを可能にするために、斜めの方向転換バー、もしくは、方向転換ローラが設けられる。さらに、横方向への移動の場合、チューブ状ウェブの長さの調整を可能にするためのウェブの貯留部分を形成するいくつかの方向転換手段が設けられる。このような装置は、その構造が複雑になり、調達コストが高く、運転におけるメンテナンスの必要度が高く、かつ、故障が生じやすいことが欠点となる。本発明の上記の実施形態の場合は、逆に、チューブ状ウェブ加工機械に導かれるチューブ状ウェブは定置位置に残留したまま、新リールが引き出し位置に動かされるので、長さ調整のための方向転換手段を省略できる。図に示した実施例には2つのリールが示されているが、本発明の別の実施形態においては、2個以上のリールも、リール軸の方向に互いに並べて配備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】2本の平形チューブ状ウェブの端部を接合する装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II線から見た側面図である。
【図3】図2と同様の図であるが、保持手段が付加的に表現されている。
【図4】一方のチューブ状ウェブの先端部に対する予備処理ステーションの側面図である。
【図5】壁面層を折り返す前の装置の側面図である。
【図6】壁面層を折り返した後の装置の側面図である。
【図7】両チューブ状ウェブの端部を溶接している間の装置の側面図である。
【図8】本発明による装置の代替的な実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 2本のチューブ状ウェブの端部を接合する装置
2 リール
3 チューブ状ウェブ
4 チューブ状ウェブの縦軸
5 リール
6 チューブ状ウェブ
7 側方の折り込み部
8、9、10、11 締め付けジョー
12 切断刃支持器
13 切断刃
14 上側の壁面層
15 下側の壁面層
16、17 ローラ
18、19 サイドプレート
20、21、22、23、24、25 締め付けジョー
26 チューブ状ウェブ6の先端部
27、28 鉤部品
29、30 溶接ジョー
31、32 ローラ
33 プレート
34、35 薄板帯材
36 隙間
z チューブ状ウェブの搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の平形チューブ状ウェブ(3、6)の端部を接合する装置(1)であって、その2本のうちの一方のチューブ状ウェブ(6)の端部は、その側部領域に、このチューブ状ウェブ(6)の端部(26)の上側の壁面層(14)と下側の壁面層(15)とを互いに分離する切断線を有しており、さらに、前記装置(1)は、次の特徴、すなわち、
前記一方のチューブ状ウェブ(6)の端部の上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)をガイドする手段(16、17、31、32、34、35)であって、前記上側の壁面層(14)および前記下側の壁面層(15)を、もう一方の前記チューブ状ウェブ(3)の端部の壁面の領域と接触させることができるガイド用手段(16、17、31、32、34、35)と、
前記一方のチューブ状ウェブ(6)の端部(26)の上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)を前記もう一方のチューブ状ウェブ(3)の端部の壁面の領域と接合する手段(28、30)と、
を含む装置(1)において、
前記一方のチューブ状ウェブ(6)の端部(26)の上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)を、ガイド用の手段(16、17、31、32、34、35)によって、前記チューブ状ウェブ(3、6)の縦軸(4)の方向に少なくとも部分的に動かすことができることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)を動かす時に、前記チューブ状ウェブ(3、6)、または、その一部分(14、15)、或いは、前記チューブ状ウェブ(3、6)と、その一部分(14、15)とを固定位置に保持する保持手段(8〜11、24、25)を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガイド用の手段(16、17、31、32、34、35)が方向転換手段を含み、前記ガイド用の手段(16、17、31、32、34、35)によって、前記一方のチューブ状ウェブの端部の上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)を、前記もう一方のチューブ状ウェブの端部の外壁面上に当てることができ、かつ、前記ガイド用の手段(16、17、31、32、34、35)は前記チューブ状ウェブの縦軸に平行に可動であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記方向転換手段が、隙間(36)を形成する1対の薄板(34、35)またはプレートであり、前記上側の壁面層(14)および前記下側の壁面層(15)が前記隙間(36)を通して導かれることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記方向転換手段がローラ(16、17、31、32)またはロールであり、その回転軸が、前記チューブ状ウェブの縦方向に対して横方向に、かつ前記チューブ状ウェブが規定する平面に平行に延びることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記ガイド用の手段(16、17、31、32、34、35)が切断刃支持器(12)を含み、前記切断刃支持器(12)はチューブ状ウェブを横方向に切断する切断刃(13)を担持し、かつ、前記切断刃支持器(12)は前記チューブ状ウェブの縦方向に可動であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記切断刃支持器(12)を前記方向転換手段(16、17、34、35)と作動連結させることができ、従って、前記方向転換手段を前記切断刃支持器(12)の動きによって動かすことができることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ガイド用の手段(16、17、31、32、34、35)によって、前記一方のチューブ状ウェブの端部の上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)を、前記もう一方のチューブ状ウェブの端部の領域と、前記両チューブ状ウェブの端部が接合してしまうまで接触保持させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記チューブ状ウェブ(3、6)が側方の折り込み部(7)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記側方の折り込み部の中に差し込むことができる分離手段、例えば、分離用の薄板を備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記接合手段が、前記チューブ状ウェブ(3、6)の構成部分を加熱することができる少なくとも1つの溶接ジョー(19、30)を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
2本の平形チューブ状ウェブ(3、6)の端部を接合する方法であり、その2本のうちの一方のチューブ状ウェブの端部は、その側部領域に、このチューブ状ウェブの端部の上側の壁面層(14)と下側の壁面層(15)とを互いに分離する切断線を有しており、さらに、前記方法は、次の特徴、すなわち、
前記一方のチューブ状ウェブ(6)の上側の壁面層(14)と下側の壁面層(15)との間に、もう一方の前記チューブ状ウェブ(3)の端部を挿入する段階と、
前記一方のチューブ状ウェブ(3)の端部の上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)を前記もう一方のチューブ状ウェブ(6)の端部の壁面の領域と接合する段階と、
を含む方法において、
前記一方のチューブ状ウェブ(6)の端部の上側の壁面層(14)および下側の壁面層(15)を、前記チューブ状ウェブ(3、6)の縦軸(4)の方向に少なくとも部分的に動かすことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−536775(P2008−536775A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506982(P2008−506982)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003453
【国際公開番号】WO2006/111332
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(590002909)ヴィントメーラー ウント ヘルシャー コマンディトゲゼルシャフト (33)
【Fターム(参考)】