説明

2液混合容器

【課題】袋状の密封容器内に設けた2つ空間部内に2液硬化型樹脂の主剤および硬化剤を収容し、樹脂使用時に主剤および硬化剤を混合する2液混合容器であって、硬化剤の量を調節することが可能な2液混合容器を提供する。
【解決手段】袋状の密封容器内12を着脱可能な仕切り14で区分けして2つの空間部16、18を形成し、各空間部に2液硬化型樹脂の主剤20および硬化剤22をそれぞれ収容するとともに、樹脂使用時には上記仕切りを取り外して主剤および硬化剤を混合する2液混合容器において、硬化剤を収容した一方の空間部内をさらに2つの空間部24、26に区分けする着脱可能な仕切り28を設ける。そして、硬化剤を収容した空間部における上記仕切りの取付位置を調節することにより、硬化剤の量を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋状の密封容器内に設けた2つ空間部内に2液硬化型樹脂の主剤および硬化剤を収容し、樹脂使用時に主剤および硬化剤を混合する2液混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2液硬化型樹脂の主剤および硬化剤を混合する2液混合容器として、袋状の密封容器内を仕切りで区分けして2つの空間部を形成し、2つ空間部内に2液硬化型樹脂の主剤および硬化剤を収容するとともに、樹脂使用時には上記仕切りを取り外して主剤および硬化剤を混合するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−261655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2液硬化型樹脂を使用する場合、硬化剤の量を少なくして樹脂の硬化速度を遅くしたり、硬化剤の量を多くして樹脂の硬化速度を速くしたりすることが要望されることがある。
【0005】
しかし、従来の2液混合容器は、硬化剤の量を調節することができないものであった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、袋状の密封容器内に設けた2つ空間部内に2液硬化型樹脂の主剤および硬化剤を収容し、樹脂使用時に主剤および硬化剤を混合する2液混合容器であって、硬化剤の量を調節することが可能な2液混合容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するため、袋状の密封容器内を着脱可能な仕切りで区分けして2つの空間部を形成し、各空間部に2液硬化型樹脂の主剤および硬化剤をそれぞれ収容するとともに、樹脂使用時には前記仕切りを取り外して前記主剤および硬化剤を混合する2液混合容器において、硬化剤を収容した一方の空間部内をさらに2つの空間部に区分けする着脱可能な仕切りを設けたことを特徴とする2液混合容器を提供する。
【0008】
本発明の2液混合容器は、硬化剤を収容した一方の空間部内をさらに2つの空間部に区分けする着脱可能な仕切りを設けたので、硬化剤を収容した一方の空間部における上記仕切りの取付位置を調節することにより、硬化剤の量を調節することができる。
【0009】
本発明において、袋状の密封容器の材質、構造、形状に限定はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステルセロファン、ナイロンとポリエステルとの積層体等のプラスチックからなるもの、特に透明なプラスチックからなる四角形のものを好適に用いることができる。
【0010】
本発明において、密封容器内を区分けする仕切りおよび硬化剤を収容した空間部内を区分けする仕切りの材質、構造、形状に限定はないが、側部に長手方向に沿って凹部が形成された断面略U字状の被嵌合部材と、上記凹部にぴったりと嵌合する棒状の嵌合部材とからなるものを好適に用いることができる。被嵌合部材および嵌合部材の材質としては、プラスチックや金属を用いることができる。
【0011】
本発明において、2液硬化型樹脂としては、2液硬化型ウレタン接着剤、2液硬化型ウレタン塗料、2液硬化型エポキシ接着剤、2液硬化型アクリル接着剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の2液混合容器は、2液硬化型樹脂の主剤に混合する硬化剤の量を調節することにより、樹脂の硬化速度を調節することができ、したがって硬化剤の量を少なくして樹脂の硬化速度を遅くしたり、硬化剤の量を多くして樹脂の硬化速度を速くしたりするという要望に応えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
【0014】
図1は本発明に係る2液混合容器の一実施形態を示す平面図である。本例の2液混合容器10は、袋状の密封容器12内を着脱可能な仕切り14で区分けして2つの空間部16、18を形成し、一方の空間部16に2液硬化型樹脂の主剤20を収容するとともに、もう一方の空間部18に2液硬化型樹脂の硬化剤22を収容したものである。また、本例では、硬化剤22を収容した一方の空間部18内をさらに2つの空間部24、26に区分けする着脱可能な仕切り28を設けてある。
【0015】
本例において、密封容器12は、四角形の透明なナイロンとポリエステルを張り合わせたシートの周縁部を固着することにより形成されている。図中30は固着部を示す。
【0016】
また、本例において、仕切り14、28は、図2の断面図に示すように、側部に長手方向に沿って凹部32が形成された断面略U字状の被嵌合部材34と、上記凹部32にぴったりと嵌合する丸棒状の嵌合部材36とからなる。被嵌合部材34は硬質プラスチックにより形成され、嵌合部材36は可撓性を有するプラスチックにより形成されている。本例の仕切り14、28は、被嵌合部材34と嵌合部材36との間に密封容器12を介在させた状態で凹部32に嵌合部材36を嵌合させることにより、空間部16と空間部18、空間部24と空間部26とをそれぞれ液密に仕切ることができるとともに、凹部32から嵌合部材36を取り出すことにより、密封容器12から取り外すことができるものである。
【0017】
本例の2液混合容器の使用手順は、以下のとおりである。
(1)硬化剤22を収容した一方の空間部18における仕切り28の取付位置を調節することにより、中央側の空間部24内の硬化剤22の量を調節する。
(2)仕切り14を取り外すことにより、空間部24と空間部16とを併合するとともに、密封容器12を手で揉むなどして空間部16内の主剤20と空間部24内の硬化剤22とを混合する。
(3)密封容器12の隅部などに穴を空け、この穴から混合後の2液硬化型樹脂を出して使用する。ただし、別の手段で密封容器12から混合後の2液硬化型樹脂を出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る2液混合容器の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の2液混合容器の仕切りを示す断面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 2液混合容器
12 密封容器
14 仕切り
16、18 空間部
20 主剤
22 硬化剤
24、26 空間部
28 仕切り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状の密封容器内を着脱可能な仕切りで区分けして2つの空間部を形成し、各空間部に2液硬化型樹脂の主剤および硬化剤をそれぞれ収容するとともに、樹脂使用時には前記仕切りを取り外して前記主剤および硬化剤を混合する2液混合容器において、硬化剤を収容した一方の空間部内をさらに2つの空間部に区分けする着脱可能な仕切りを設けたことを特徴とする2液混合容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−274746(P2009−274746A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128369(P2008−128369)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(591086843)古河電工産業電線株式会社 (40)
【Fターム(参考)】