説明

3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの選択された塩、それらの製造法、並びにそれらの除草剤および植物成長剤としての使用

本発明は3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの選択された塩、それらの製造法、並びに単独のまたは薬害軽減剤および/または他の除草剤と組合せた除草剤として、特にマメ科植物における望ましくない有害植物の選択的防除、あるいは非農耕地における望ましくない有害植物の非選択的防除のための除草剤として、さらに植物成長調節剤としてのそれらの使用に関し、特定の作物植物において望ましくない有害植物(例えば広葉/イネ科の雑草)を防除するための、あるいはレディミックスまたはタンクミックスとして同時および/または連続施用される作物保護剤としてのそれらの使用は知られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの選択された塩、それらの製造法、並びに単独のまたは薬害軽減剤および/または他の除草剤と組合せた除草剤として、特にマメ科植物における望ましくない有害植物の選択的防除、あるいは非農耕地またはプランテーション作物における非選択的防除のための除草剤として、さらに植物成長調節剤としてのそれらの使用に関し、特定の作物植物において望ましくない有害植物(例えば広葉/イネ科の雑草)を防除するための、あるいはレディミックスまたはタンクミックスとして同時および/または連続施用される作物保護剤としてのそれらの使用は知られている。
【背景技術】
【0002】
刊行物(特許文献1)は特定の除草的に有効なN−アジニル−N'−(het)アリールスルホニル尿素を開示しており、それはさらに3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[ピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの群を包含する。特許文献1はまた、その中で挙げられた幾つかの化合物のNa塩、とりわけ個々の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[ピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミド、例えば3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[4,6−ジメトキシピリミジンピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドのNa塩を開示している。これらの除草剤の有害植物に対する有効性は高い水準である;しかしながら、それは一般に施用量、それぞれの製剤形態、防除される有害植物または有害植物スペクトル、気候条件および土壌条件などに依存する。他の基準は除草剤の作用期間または分解速度である。適当ならば、除草剤の長期使用または地理的に制限された使用で生じる有害植物の感受性の変化もまた考慮される。それぞれの植物の活性喪失は例えば除草剤の選択性を狭めるため高い施用量の除草剤ではある程度までしか補うことができず、または高い施用量でも活性の改善は観察されない。特許文献2はまた、特許文献1に記載されている幾つかの除草的に活性なN−アジニル−N'−(het)アリールスルホニル尿素、特に3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[ピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの群の非選択的使用、さらにマメ科植物における雑草を防除するための選択的使用を開示している。
【0003】
驚くべきことに、今般、特定の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの選択された塩は特に除草剤および/または植物成長調節剤として使用するのに適していることを見い出した。ここで、それらの利点は生物活性だけとは限らず、改善された物理化学的特性、例えば溶解度、貯蔵安定性および他の除草剤や製剤化補助剤との混和性にまで及ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US 5,476,936
【特許文献2】WO 2005/092104
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は特定の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの農薬的に活性な塩を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は一般式(I)
【化1】

[式中、カチオンMは
(a) リチウムまたはカリウムイオン、あるいは
(b) アルカリ土類金属イオン、好ましくはカルシウムまたはマグネシウム、あるいは
(c) 遷移金属イオン、好ましくはマンガン、銅、亜鉛または鉄、あるいは
(d) 場合により1、2、3または全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、アシル化ヒドロキシ(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、上記の基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換され、それぞれ窒素原子上の2個の置換基は一緒になって場合により未置換または置換された環を形成するアンモニウムイオン、あるいは
(e) ホスホニウムイオン、あるいは
(f) スルホニウムイオン、あるいは
(g) オキソニウムイオン、あるいは
(h) 環系に1〜10個の炭素原子を有し、場合により単縮合または多縮合しており、そして/または(C1−C4)−アルキルにより一置換または多置換される飽和または不飽和/芳香族の含窒素複素環式イオン性化合物であり、そして
nは1、2または3である]の化合物を提供する。
【0007】
より好ましくは、カチオンMは
(a) リチウムまたはカリウムイオン、あるいは
(b) アルカリ土類金属イオン、好ましくはカルシウムまたはマグネシウム、あるいは
(c) 遷移金属イオン、好ましくはマンガン、銅、亜鉛または鉄、あるいは
(d) 場合により1、2、3または全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、アシル化ヒドロキシ(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、上記の基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換され、それぞれ窒素原子上の2個の置換基は一緒になって場合により未置換または置換された環を形成するアンモニウムイオン、あるいは
(e) 第4ホスホニウムイオン、好ましくはテトラ−((C1−C4)−アルキル)ホスホニウムまたはテトラフェニルホスホニウムであり、前記(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により一置換または多置換され、あるいは
(f) 第3スルホニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムまたはトリフェニルスルホニウムであり、前記(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により一置換または多置換され、あるいは
(g) 第3オキソニウムイオン、好ましくはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムであり、前記(C1−C4)−アルキル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により一置換または多置換され、あるいは
(h) 次の複素環式化合物、例えばピリジン、キノリン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、イミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の群からのカチオンであり、そして
nは1、2または3である式(I)の化合物である。
【0008】
好ましくは、カチオンMはカリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、NH4+イオン、(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、ビス−N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリス−N,N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、ジイソプロピルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、2−(2−ヒドロキシエタ−1−オキシ)エタ−1−イルアンモニウムイオン、ジ(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムイオンまたはトリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、1−フェニルエチルアンモニウムイオン、2−フェニルエチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、モルホリニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、エタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、コリニウムイオン、クロロコリニウムイオンまたはアセチルコリニウムイオンであり、そしてnは1または2である式(I)の化合物である。
【0009】
より好ましくは、カチオンMはカリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンまたはNH4+イオンである式(I)の化合物である。特に好ましくは、カチオンMはカリウムイオン、リチウムイオンまたはNH4+イオンであり、そしてnは1または2である式(I)の化合物である。
【0010】
特に好ましくは、カチオンMはカリウムイオンまたはリチウムイオンであり、そしてnは1である式(I)の化合物である。
【0011】
非常に特に好ましくは、カチオンMはカリウムイオンであり、そしてnは1である式(I)の化合物である。
【0012】
式(I)および後に続くすべての式において、アルキル、アルコキシのような炭素を含有する基はそれぞれ直鎖状または分枝鎖状であり、例えばメチル、エチル、n−またはi−プロピル、n−、i−、t−または2−ブチルである。
【0013】
シクロアルキルは好ましくは3〜6個の炭素原子を有する炭素環式飽和環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0014】
本発明はまた、本発明の式(I)の化合物に包含されるすべての立体異性体およびそれらの混合物を提供する。式(I)はそれらの特異的な三次元形状により定義されるすべての可能な立体異性体、例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、ZおよびE異性体を包含する。
【0015】
例えば1個またはそれ以上のアルケニル基が存在する場合、ジアステレオマー(ZおよびE異性体)が存在しうる。例えば1個またはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、エナンチオマーおよびジアステレオマーが存在しうる。立体異性体は製造中に生成した混合物から慣用の分離法により得ることができる。光学的に活性な出発物質および/または補助物質を使用して立体選択的反応により選択的に立体異性体を製造することもできる。したがって、本発明はまた、それらの特異的な立体異性体を図示しないが一般式(I)に包含されるすべての立体異性体およびそれらの混合物に関する。
【0016】
“アルキル”のような一般用語に含まれる上記例の基または様々な範囲の基は全部を列挙しているわけではない。一般用語はまた、下記で述べる好ましい化合物の基の基範囲、特に表にまとめた実施例の特定基を含む基範囲の定義を包含する。
【0017】
上記で述べた一般または好ましい基の定義は式(I)の最終生成物、それぞれの製造に必要な出発物質または中間体にあてはまる。これらの基の定義は必要に応じて互いに組合せることができ、すなわち与えられた好ましい範囲の間の組合せを含む。
【0018】
本発明はまた、相当する遊離酸(中性化合物)を適当な塩基と反応させてN-M+基がNHにより置換される一般式(I)を得る、本発明の塩、特に一般式(I)の化合物の塩を製造する方法を提供する。
【0019】
本発明の式(I)の塩はそれ自体知られている方法により上記のようにして製造することができる;EP 521500およびWO 2000/044227(第24〜27頁)に記載の工程段階を参照。
【0020】
例えば、反応は反応条件下で不活性である溶媒の存在下で行なわれる。適当な溶媒は無機溶媒、例えば水、あるいは有機溶媒、例えばメタノール またはエタノールのようなアルコール、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテル、アセトンまたはMIBK(メチルイソブチルケトン)のようなケトン、DMFのようなアミド、アセトニトリルのようなニトリル、およびDMSOのようなスルホキシドである。反応温度は一般に0℃〜溶媒の沸点である。場合によっては、一般式(I)の生成物はろ過により実質的に定量的な収率および良好な純度で、または溶解性が高い場合は溶媒を留去した後に直接単離することができる。
【0021】
上記の反応により合成することができる一連の本発明の式(I)の化合物はさらに並列的に製造することができ、これは手動、半自動または全自動で行なうことができる。この場合、例えば反応の手順、生成物または中間体の後処理または精製を自動化することができる。全体として、これは例えばS. H. DeWittの“Annual Reports in Combinatorial Chemistry and Molecular Diversity:Automated Synthesis”, 第1巻, Verlag Escom, 第69〜77頁(1997年)に記載のような手順を意味すると理解される。
【0022】
マイクロ波合成を行なうために、マイクロ波装置、例えばCEM社(Mikrowellen−Analysentechnik, Carl−Friedrich−Gaus−Str. 9,47475 Kamp−Lintfort, Germany)製の“Discover”型を使用することができる。
【0023】
並列型反応手順および後処理のために、例えばStem社(Woodrolfe Road, Tollesbury, Essex, England)、H+P Labortechnik社(Bruckmannring 28, 85764 Oberschleisheim, Germany)またはRadleys社(Shirehill, Saffron Walden, Essex, CB 11 3AZ, England)により供給されるような多くの商業的に入手できる装置を使用することができる。本発明の一般式(I)の化合物または製造中に得られる中間体の並列型精製のために、とりわけクロマトグラフィー装置、例えばISCO社(4700 Superior Street, Lincoln, NE 68504, USA)製のものを使用することができる。
【0024】
記載した装置は個々の工程段階は自動化されるが工程段階の間に手動操作を行なう必要があるモジュール手順を可能にする。これは当該自動化モジュールが例えばロボットにより操作される部分的または完全に統合された自動化システムの使用により回避することができる。そのような自動化システムは例えばZymark社(Zymark Center, Hopkinton, MA 01748, USA)から得ることができる。
【0025】
記載した方法の他に、本発明の一般式(I)の化合物は固相法により完全にまたは部分的に製造することができる。このために、当該手順に適合させた合成の個々の中間体またはすべての中間体は合成樹脂に結合している。固相合成法は技術文献、例えばBarry A. Buninの“The Combinatorial Index”, Academic Press(1998年)に詳しく記載されている。
【0026】
固相合成法の使用は文献で知られている多くの方法を可能にし、それは手動で、または自動化して行なうことができる。例えば“ティーバッグ法”(HoughtenのUS 4,631,211;HoughtenらのProc. Natl. Acad. Sci., 82, 5131〜5135(1985年))はIRORI社(11149 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA)製の装置を使用して部分的に自動化することができる。固相平行合成法の自動化は例えばArgonaut Technologies社(887 Industrial Road, San Carlos, CA 94070, USA)またはMultiSynTech社(Wullener Feld 4, 58454 Witten, Germany)製の装置により上手く行なわれる。
【0027】
本明細書に記載した方法による製造はライブラリーと呼ばれる物質コレクションの形態で本発明の塩、特に式(I)の化合物を与える。本発明はまた、少なくとも2種の本発明の化合物、特に式(I)の化合物からなるライブラリーを提供する。
【0028】
本発明の式(I)の化合物は広範スペクトルの経済的に重要な単子葉および双子葉の有害植物に対して優れた除草活性を有する。活性な化合物はまた、地下茎からのシュート、根茎および他の多年生器官を発生して防除するのが困難な多年生雑草に対して有効に作用する。これに関して、当該物質が播種前、発芽前または発芽後に施用されるかどうかは重要ではない。
【0029】
本発明の式(I)の化合物が発芽前に土壌表面に施用される場合、雑草種子の発芽が完全に防止されるか、または雑草は子葉期に達するまで成長するが、そこで成長は停止して結局は3〜4週間後に完全に死滅する。
【0030】
活性な化合物が発芽後に植物の葉の部分に施用される場合も、処理後急速に成長が劇的に停止し、雑草植物は施用時の成長段階に留まるか、または一定期間後に完全に死滅し、結果として作物にとって有害な雑草による競合が非常に早い段階で継続的に排除される。
【0031】
本発明の式(I)の化合物は単子葉および双子葉植物の雑草に対して優れた除草活性を示すが、幾つかの経済的に重要な作物の植物、例えばマメ科植物に対する被害は全くないか、あるとしてもごく僅かである。
【0032】
本発明の式(I)の化合物はマメ科植物で優れた選択性を示し、マメ科植物で典型的に発生する有害植物に対する優れた活性は活性化合物の施用量が低くても驚くほど維持される。特に、マメ科植物の作物で発生し、防除しにくいことが多い有害植物、例えばAmaranthus、Echinochloa、Sorghum、Ipomoea、Pharbitis、Solanum、Setaria、Brachiaria、Lolium、EuphorbiaおよびAbutilon属の種は非常に有効に防除される。
【0033】
これらの理由で、本発明の式(I)の化合物はマメ科植物において望ましくない植物の成長を選択的に防除するのに非常に適しているが、さらに例えば永久作物およびプランテーション作物において、あるいは道端、広場、工業用地、空港または線路で、あるいはバーンダウン施用時に望ましくない植物の成長を非選択的に防除するのに適している。
【0034】
また、本発明の式(I)の化合物は幾つかの作物に対して著しい成長調節特性を示す。これらは植物代謝を調節するように介入するので、例えば乾燥および成長阻害を誘発することにより植物成分の標的制御のために、また収穫を容易にするために使用することができる。その上、これらは望ましくない植物成長を一般的に調節および阻害するのにも適している。植物成長の阻害は倒伏を減少または完全に防止することができるため、多くの単子葉および双子葉作物において重要な役割を果たす。
【0035】
それらの除草および植物成長調節特性のため、本発明の式(I)の化合物は知られている、またはまだ開発中の遺伝子操作植物の作物における有害植物を防除するのに使用することもできる。一般に、トランスジェニック植物は特に有利な特性、例えば特定の農薬、特に特定の除草剤に対する耐性、植物病害またはその病原体、例えば特定の昆虫または微生物、例えば真菌、細菌またはウイルスに対する耐性を有する。他の特別な特性は例えば収穫物の量、質、貯蔵安定性、組成および特定成分に関するものである。例えば、デンプン含量が高い、またはデンプンの質が変化したトランスジェニック植物、あるいは収穫物の脂肪酸組成が異なるものが知られている。
【0036】
同様に、それらの除草および植物成長調節特性のため、活性な化合物は知られている、またはまだ開発中の突然変異株選択により得られる植物の作物における有害植物を防除するのに使用することもできる。
【0037】
経済的に重要なマメ科トランスジェニック作物または突然変異株選択により得られるマメ科作物、特に大豆における本発明の式(I)の化合物の使用が好ましい。
【0038】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物は本発明の式(I)の化合物の植物毒性に対して耐性のある、または遺伝子操作により耐性にされた、または突然変異株選択により得られる有用植物の作物における除草剤として使用することができる。同様に、本発明の式(I)の化合物は好ましくは例えばWO 2007/024782に記載のような遺伝子操作により耐性にされた植物と突然変異株選択により得られた植物の異種交配種である有用植物の作物における除草剤として使用することができる。
【0039】
知られている植物と比較して改質された特性を有する新規な植物を生成するための慣用の方法には例えば従来の育種方法および突然変異体の発生がある。
【0040】
別法として、改質された特性を有する新規な植物は遺伝子組換え法により生成することができる(例えばEP−A−0221044、EP−A−0131624を参照)。例えば、次の幾つかのケースが開示されている:
・植物中で合成されたデンプンを改質するための作物の遺伝子組換えによる改質(例えばWO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、
・グルホシネート型(例えばEP−A−0242236、EP−A−242246を参照)またはグリホサート型(WO 92/00377)またはスルホニル尿素型(EP−A−0257993、US−A−5013659)の特定の除草剤に対して耐性のあるトランスジェニック作物、
・特定の害虫に対して植物を耐性にするバチルスチューリンゲンシス毒(Bacillus thuringiensis toxins;Bt毒)を産生する能力のあるトランスジェニック作物、例えば綿(EP−A−0142924、EP−A−0193259)、
・改質された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物(WO 91/13972)。
【0041】
改質された特性を有する新規なトランスジェニック植物を生成することができる多くの分子生物学的方法は原則として知られている:例えばSambrookらのMolecular Cloning, A
Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY(1989年);またはWinnackerの“Gene und Klone”[Genes and Clones], VCH Weinheim, 第2版(1996年);またはChristouの“Trends in Plant Science”, 1, 423〜431(1996年)を参照。
【0042】
このような組換え操作を行なうために、核酸分子をプラスミドに導入してDNA配列の組換えによる突然変異生成または配列変化を可能にすることができる。上記の標準的な方法を使用して、例えば塩基交換を行なう、部分配列を除去する、あるいは天然または合成配列を加えることができる。DNAフラグメントを互いに結合させるために、アダプターまたはリンカーをフラグメントに取り付けることができる。
【0043】
遺伝子産物の活性が低下した植物細胞は例えば少なくとも1個の適当なアンチセンスRNA、センスRNAを発現して共抑制効果を発揮することにより、または少なくとも1個の適当に構成されたリボザイムを発現して前記遺伝子産物の転写産物を特異的に切断することにより生成することができる。このために、存在するフランキング配列をすべて含む遺伝子産物の全コード配列を含むDNA分子、さらにコード配列の一部だけを含むDNA分子を共に使用することができるが、これらの部分は細胞でアンチセンス効果を引き起こすのに十分な程長い必要がある。また、遺伝子産物のコード配列と高度な相同性を有するが、完全に同一ではないDNA配列を使用することもできる。植物において核酸分子を発現させる場合、合成タンパク質を植物細胞の望ましい区画に局在化させることができる。だが、局在化を特定の区画で行なうために、例えばコード領域を確実に特定の区画に局在化させるDNA配列と結合させることができる。このような配列は当業者に知られている(例えばBraunらのEMBO J. 11, 3219〜3227(1992年);WolterらのProc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 846〜850(1988年);SonnewaldらのPlant J. 1, 95〜106(1991年)を参照)。トランスジェニック植物細胞は知られている方法により再生させて無傷植物(whole plant)を得ることができる。原則として、トランスジェニック植物は何れかの望ましい植物種の植物、すなわち単子葉および双子葉植物の両方である。このようにして、相同(=天然)遺伝子または遺伝子配列の過剰発現、抑制または阻害、あるいは異種(=外来)遺伝子または遺伝子配列の発現により改質された特性を有するトランスジェニック植物を得ることができる。
【0044】
本発明の式(I)の化合物は好ましくはスルホニル尿素、グルホシネート−アンモニウムまたはグリホサート−イソプロピルアンモニウムおよび類似活性化合物からなる群より選択される除草剤に対して耐性のあるトランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種/ハイブリッドにおいて使用することができる。
【0045】
本発明の式(I)の化合物がトランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種において使用される場合、他の作物で観察される有害植物に対する効果に加えて、それぞれのトランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種での施用に特異的な効果、例えば防除することができる雑草スペクトルの変化または特に拡大、施用に使用することができる施用量の変化、好ましくはトランスジェニック作物が耐性を示す除草剤との良好な組合せ能力、そしてトランスジェニック作物の成長および収穫量への影響が生じることが多い。したがって、本発明はまた、トランスジェニック作物または突然変異株選択により得られる作物またはその異種交配種において有害植物を防除するための除草剤としての本発明の式(I)の化合物の使用を提供する。
【0046】
本発明の化合物は慣用の製剤、例えば水和剤、乳剤、散布液、粉剤または粒剤の形態で施用することができる。したがって、本発明はまた、本発明の式(I)の化合物を含有する除草性で植物の成長を調節する組成物を提供する。
【0047】
本発明の式(I)の化合物は一般的な生物学的および/または物理化学的パラメーターに応じて様々な方法で製剤化することができる。適当な製剤には例えば水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶液剤、乳剤(EC)、エマルション(EW)、例えば水中油型および油中水型エマルション、噴霧液、懸濁製剤(SC)、油または水を基剤とする分散製剤、油剤、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子粉衣剤、散布および土壌施用のための粒剤;微粒剤、噴霧粒剤、コーティング粒剤および吸着粒剤の形態の粒剤(GR)、顆粒水和剤(WG)、顆粒水溶剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤およびワックスがある。
【0048】
これらの個々の製剤タイプは原則として知られており、例えばWinnacker−Kuechlerの“Chemische Technologie”[Chemical technology], 第7巻, C. Hanser Verlag Munich, 第4版(1986年);Wade van Valkenburgの“Pesticide Formulations”, Marcel Dekker, N.Y.(1973年);K. Martensの“Spray Drying” Handbook, 第3版, G. Goodwin Ltd. London(1979年)に記載されている。
【0049】
必要な製剤化補助剤、例えば不活性物質、界面活性剤、溶媒および他の添加剤もまた知られており、例えばWatkinsの“Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers”, 第2版, Darland Books, Caldwell N.J.;H.v. Olphenの“Introduction to Clay Colloid Chemistry”, 第2版, J. Wiley & Sons, N.Y.;C. Marsdenの“Solvents Guide”, 第2版, Interscience, N.Y.(1963年);McCutcheonの“Detergents and Emulsifiers Annual”, MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.;SisleyおよびWoodの“Encyclopedia of Surface Active Agents”, Chem. Publ. Co. Inc., N.Y.(1964年);Schoenfeldtの“Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte” [Surface−active ethylene oxide adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart(1976年);Winnacker−Kuechlerの“Chemische Technologie” [Chemical Technology], 第7巻, C. Hanser Verlag Munich, 第4版(1986年)に記載されている。
【0050】
これらの製剤に基づいて、他の農薬的に活性な物質、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤および殺菌剤、さらに薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤と本発明の式(I)の化合物の混合剤を例えばレディミックスまたはタンクミックスの形態で製造することもできる。
【0051】
水和剤は水中に均一に分散させることができ、活性化合物に加えて希釈剤または不活性物質の他にイオン性および/または非イオン性界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えばポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエトキシル化脂肪族アルコール、ポリエトキシル化脂肪族アミン、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、リグノスルホン酸ナトリウム、ナトリウム2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホネート、ナトリウムジブチルナフタレンスルホネートまたはナトリウムオレイルメチルタウリネートを含有する製剤である。水和剤を製造するために、除草性活性化合物は例えばハンマーミル、ファンミル(fan mill)およびエアジェットミルのような慣用の装置で微粉砕され、同時にまたは続いて製剤化補助剤と混合される。
【0052】
乳剤は1種またはそれ以上のイオン性および/または非イオン性界面活性剤(乳化剤)を加えて有機溶媒、例えばブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン、さらに比較的高い沸点の芳香族化合物または炭化水素、または有機溶媒の混合物中に活性化合物を溶解することにより製造される。使用できる乳化剤の例はカルシウムドデシルベンゼンスルホネートのようなカルシウムアルキルアリールスルホネート、または非イオン性乳化剤、例えば脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド−エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル、またはポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
【0053】
粉剤は活性化合物を微細な固体物質、例えばタルク、天然クレー、例えばカオリン、ベントナイトおよびピロフィライト、または珪藻土と一緒に粉砕することにより得られる。
【0054】
懸濁製剤は水または油を基剤とすることができる。それらは場合により例えば他のタイプの製剤について上記ですでに挙げたような界面活性剤を加えて慣用の工業用ビーズミルで湿式粉砕することにより製造することができる。
【0055】
エマルション、例えば水中油型エマルション(EW)は例えば水性有機溶媒、必要に応じて例えば他のタイプの製剤について上記ですでに挙げたような界面活性剤を使用して撹拌器、コロイドミルおよび/または静的ミキサーにより製造することができる。
【0056】
粒剤は活性化合物を吸着性の粒状不活性物質上に噴霧することにより、あるいは粘着剤、例えばポリビニルアルコール、ナトリウムポリアクリレートまたは鉱油を使用して活性化合物の濃縮物を担体、例えば砂、カオリナイトまたは粒状不活性物質の表面に塗布することにより製造することができる。また、適当な活性化合物を粒状肥料の製造において慣用の方法で、必要に応じて肥料との混合物として造粒することもできる。
【0057】
顆粒水和剤は一般に固体の不活性物質を使用することなく噴霧乾燥、流動床造粒、ディスク造粒、高速ミキサーを使用する混合および押出のような慣用の方法により製造される。
【0058】
ディスク、流動床、押出機および噴霧による粒剤の製造については、例えば“Spray−Drying Handbook”, 第3版, G. Goodwin Ltd., London(1979年);J.E. Browningの“Agglomeration”, Chemical and Engineering 1967, 第147頁以下;“Perry's Chemical Engineer's Handbook”, 第5版, McGraw−Hill, New York, 第8〜57頁(1973年)に記載の方法を参照。
【0059】
作物保護組成物の製造に関する詳細については、例えばG.C. Klingmanの“Weed Control as a Science”, John Wiley and Sons, Inc., New York, 第81〜96頁(1961年)およびJ.D. Freyer, S.A. Evansの“Weed Control Handbook”, 第5版, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 第101〜103頁(1968年)を参照。
【0060】
農薬製剤は一般に0.1〜99質量%、好ましくは0.1〜95質量%、特に好ましくは0.5〜90質量%の本発明の式(I)の活性化合物を含有する。水和剤では、活性化合物の濃度は例えば約10〜90質量%であり、100質量%までの残りは慣用の製剤化成分で構成される。乳剤の場合、活性化合物の濃度は約1〜90質量%、好ましくは5〜80質量%である。粉剤タイプの製剤は1〜30質量%の活性化合物、好ましくは通常5〜20質量%の活性化合物を含有し;噴霧液剤は約0.05〜80質量%、好ましくは2〜50質量%の活性化合物を含有する。顆粒水和剤において、活性化合物の含量は活性化合物が液体または固体のどちらの形態で存在するか、またどの造粒補助剤、充填剤などが使用されるかに部分的に依存する。顆粒水和剤では、活性化合物の含量は例えば1〜95質量%、好ましくは10〜80質量%である。
【0061】
さらに、活性化合物の前記製剤はそれぞれ慣用の粘着付与剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤、不凍剤、溶剤、充填剤、担体、着色剤、消泡剤、蒸発抑制剤、並びにpHおよび粘度の調整剤を含有することができる。
【0062】
使用される増量剤が水である場合、補助溶媒として例えば有機溶媒を使用することもできる。適当な液体溶媒は本質的に芳香族化合物、例えばキシレン、トルエン、アルキルナフタレン、塩素化芳香族化合物または塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、クロロエチレンまたは塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサンまたはパラフィン、例えば鉱油留分、鉱油および植物油、アルコール、例えばブタノールまたはグルコール、そのエーテルおよびエステル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強力な極性溶媒、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド、さらに水である。
【0063】
適当な固体担体は例えばアンモニウム塩および地中の天然鉱物、例えばカオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、および地中の合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナおよびケイ酸塩であり;粒剤に適した固体担体は例えば破砕および断片化天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石およびドロマイト、さらに無機および有機ミールの合成顆粒、有機材料、例えば大鋸屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸およびタバコの茎の顆粒であり;適当な乳化剤および/または発泡剤は例えば非イオン性およびアニオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキル硫酸塩、アリールスルホネート、さらにタンパク加水分解物であり;適当な分散剤は例えばリグノ亜硫酸塩廃液およびメチルセルロースである。
【0064】
カルボキシメチルセルロースや粉末、顆粒またはラテックス形態の天然および合成ポリマー、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアセテート、さらに天然リン脂質、例えばセファリンおよびレシチン、および合成リン脂質のような増粘剤を製剤中で使用することができる。
【0065】
本発明の式(I)の化合物の除草作用は例えば界面活性剤により、好ましくは脂肪アルコールポリグリコールエーテル群の湿潤剤により改善することができる。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは好ましくは脂肪アルコール基に10〜18個の炭素原子を、そしてポリグリコールエーテル部分に2〜20個のエチレンオキシド単位を含有する。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは非イオン性形態またはイオン性形態、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)またはアンモニウム塩、あるいはアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩として使用することができる脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩、例えばC12/C14−脂肪アルコールジグルコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant社)として存在することができる;例えばEP−A−0476555、EP−A−0048436、EP−A−0336151またはUS−A−4,400,196、さらにProc. EWRS Symp. “Factors Affecting Herbicidal Activity and Selectivity”,227〜232(1988年)を参照。非イオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテルは例えば2〜20個、好ましくは3〜15個のエチレンオキシド単位を含有する例えば(C10−C18)−、好ましくは(C10−C14)−脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えばイソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル)、例えばGenapol(登録商標)X−シリーズのもの、例えばGenapol(登録商標)X−030、Genapol(登録商標)X−060、Genapol(登録商標)X−080またはGenapol(登録商標)X−150(すべてClariant社製)である。
【0066】
本発明はさらに、脂肪アルコール基に好ましくは10〜18個の炭素原子、またポリグリコールエーテル部分に2〜20個のエチレンオキシド単位を含有し、非イオン性またはイオン性形態(例えば脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)として存在することができる脂肪アルコールポリグリコールエーテル群からの上記湿潤剤と本発明の式(I)の化合物の混合剤を包含する。好ましくは3〜15個のエチレンオキシド単位を有するC12/C14−脂肪アルコールジグルコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant社)およびイソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル、例えばGenapol(登録商標)X−シリーズのもの、例えばGenapol(登録商標)X−030、Genapol(登録商標)X−060、Genapol(登録商標)X−080およびGenapol(登録商標)X−150(すべてClariant社製)である。さらに、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば非イオン性またはイオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)はまた、多くの他の除草剤、とりわけイミダゾリノン群の除草剤の浸透剤および活性促進剤として使用するのに適していることが知られている(例えばEP−A−0502014を参照)。
【0067】
さらに、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば非イオン性またはイオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)はまた、多くの他の除草剤、とりわけイミダゾリノン群の除草剤の浸透剤および活性促進剤として使用するのに適していることが知られている(例えばEP−A−0502014を参照)。
【0068】
本発明の混合除草剤の除草作用は植物油を使用することにより促進することもできる。植物油なる用語は油性植物種の油、例えば大豆油、菜種油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、亜麻仁油、ヤシ油、パーム油、アザミ油またはヒマシ油、特に菜種油、さらにそれらのエステル交換製品、例えば菜種油メチルエステルまたは菜種油エチルエステルのようなアルキルエステルを意味すると理解される。
【0069】
植物油は好ましくはC10−C22−、好ましくはC12−C20−脂肪酸のエステルである。C10−C22−脂肪酸エステルは例えば不飽和または飽和C10−C22−脂肪酸、特に偶数の炭素原子を有するもの、例えばエルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸、特にC18−脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸のエステルである。
【0070】
C10−C22−脂肪酸エステルの例はグリセロールまたはグルコールを例えば油性植物種の油中に含まれるC10−C22−脂肪酸と反応させることにより得られるエステル、あるいは例えば上記グリセロール−またはグルコール−C10−C22−脂肪酸エステルのC1−C20−アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノール)でのエステル交換により得られるC1−C20−アルキル−C10−C22−脂肪酸エステルである。エステル交換は例えばRoempp Chemie Lexikon, 第9版, 第2巻, 第1343頁, Thieme Verlag Stuttgartに
記載のような既知方法により行なうことができる。
【0071】
好ましいC1−C20−アルキル−C10−C22−脂肪酸エステルはメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステルおよびドデシルエステルである。好ましいグルコール−およびグリセロール−C10−C22−脂肪酸エステルはC10−C22−脂肪酸、特に偶数の炭素原子を有するもの、例えばエルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸、特にC18−脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の均一または混合グルコールエステルおよびグリセロールエステルである。
【0072】
本発明の除草剤組成物において、 植物油は例えば商業的に入手できる油含有製剤化添加剤、特に菜種油を基剤とするもの、例えばHasten(登録商標)(Victorian Chemical社(豪)、以後Hastenと呼ぶ、主成分:菜種油エチルエステル)、Actirob(登録商標)B(Novance(仏)、以後ActirobBと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)、Rako−Binol(登録商標)(Bayer AG(独)、以後Rako−Binolと呼ぶ、主成分:菜種油)、Renol(登録商標)(Stefes(独)、以後Renolと呼ぶ、植物油成分:菜種油メチルエステル)またはStefes Mero(登録商標)(Stefes(独)、以後Meroと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)の形態で存在することができる。
【0073】
他の態様において、本発明は好ましくは商業的に入手できる油含有製剤化添加剤、特に菜種油を基剤とするもの、例えばHasten(登録商標)(Victorian Chemical社(豪)、以後Hastenと呼ぶ、主成分:菜種油エチルエステル)、Actirob(登録商標)B(Novance(仏)、以後ActirobBと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)、Rako−Binol(登録商標)(Bayer AG(独)、以後Rako−Binolと呼ぶ、主成分:菜種油)、Renol(登録商標)(Stefes(独)、以後Renolと呼ぶ、植物油成分:菜種油メチルエステル)またはStefes Mero(登録商標)(Stefes(独)、以後Meroと呼ぶ、主成分:菜種油メチルエステル)の形態である菜種油のような上記植物油との混合剤を包含する。
【0074】
無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルーおよび有機色素、例えばアリザリン色素、アゾ色素および金属フタロシアニン色素のような着色剤、並びに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩のような微量栄養素を使用することができる。
【0075】
本発明の式(I)の化合物はそのままで、または他の農薬的に活性な化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤と組合せた製剤の形態で、例えば最終製剤またはタンクミックスとして使用することができる。
【0076】
混合製剤またはタンクミックス中において本発明の式(I)の化合物の組合せ相手として適当なのは例えばその作用が例えばアセト乳酸シンターゼ、アセチル−補酵素Aカルボキシラーゼ、PS I、PS II、HPPDO、フィトエンデサチュラーゼ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、グルタミンシンテターゼ、セルロース生合成、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンテターゼの阻害に基づく知られている、好ましくは除草活性な化合物である。作用機構が知られていない、または異なる場合もある、このような化合物、さらに他の使用可能な化合物は例えばWeed Research 26, 441〜445(1986年)、あるいは英国作物保護協議会により出版された“The Pesticide Manual”, 第12版(2000年)、第13版(2003年)または第14版(2006/2007年)、または相当する“e−Pesticide Manual”、バージョン4(2006年)(以後“PM”とも略される)およびその中で引用された文献に記載されている。“一般名称”のリストはインターネットで“The Compendium of Pesticide Common Names”から入手することもできる。文献から知られており、式(I)の化合物と組合せることができる除草剤の例は下表1の活性化合物(注:化合物は国際標準化機構(ISO)に従って一般名称により、または化学名により、適当ならば慣用のコード番号と共に示される)である:
アセトクロル;アシベンゾラル−S−メチル;アシフルオルフェン(−ナトリウム);アクロニフェン;AD−67;AKH7088、すなわち[[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ]酢酸および[[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ]酢酸メチル;アラクロール;アロキシジム(−ナトリウム);アメトリン;アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン;アミノシクロピラクロル(CAS 858956−08−8);アミノピラリド;アミトロール;ペラルゴン酸アンモニウム;AMS、すなわちスルファミン酸アンモニウム;アンシミドール;アニロホス;アシュラム;アトラジン;アビグリシン;アザフェニジン、アジムスルフロン(DPX−A8947);アジプロトリン;バルバン;BAS516H、すなわち5−フルオロ−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン;ベフルブタミド(UBH−509)、ベナゾリン(−エチル);ベンカルバゾン;ベンフルラリン;ベンフレセート;ベンスルフロン(−メチル);ベンスリド;ベンタゾン;ベンズフェンジゾン;ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ;ベンゾフルオル;ベンゾイルプロパ(−エチル);ベンズチアズロン;ビアラホス;ビフェノックス;ビスピリバック(−ナトリウム)(KIH−2023);硼砂;ブロマシル;ブロモブチド;ブロモフェノキシム;ブロモキシニル;ブロムロン;ブミナホス;ブソキシノン;ブタクロール;ブタフェナシル;ブタミホス;ブテナクロル(KH−218);ブチダゾール;ブトラリン;ブトロキシジム;ブチレート;カフェンストロール(CH−900);カロキシジム;カルベタミド;カルフェントラゾン(−エチル);カテキン;CDAA、すなわち2−クロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセトアミド;CDEC、すなわち2−クロルアリルジエチルジチオカルバメート;クロルメスロン;クロメトキシフェン;クロランベン;クロラジホップ−ブチル;クロルブロムロン;クロルブファム;クロルフェナク;クロルフェンプロップ;クロルフルレコール(−メチル);クロルフルレノール(−メチル);クロリダゾン;クロリムロン(−エチル);クロルメコート(−クロリド);クロルニトロフェン;クロルフタリム(MK−616);クロロトルロン;クロロクスロン;クロルプロファム;クロルスルフロン;クロルタール−ジメチル;クロルチアミド;クロルトルロン、シニドン(−メチルおよび−エチル)、シンメチリン;シノスルフロン;クレフォキシジム、クレトジム;クロジナホップおよびそのエステル誘導体(例えばクロジナホップ−プロパルギル);クロフェンセット;クロマゾン;クロメプロップ;クロプロップ;クロプロキシジム;クロピラリド;クロピラスルフロン(−メチル);クロランスラム(−メチル);クミルロン(JC940);シアナミド;シアナジン;シクロエート;シクロスルファムロン(AC104);シクロキシジム;シクルロン;シハロホップおよびそのエステル誘導体(例えばブチルエステル、DEH−112);シペルコート;シプラジン;シプラゾール;ダイムロン;2,4−D;2,4−DB;ダラポン;ダミノジド;ダゾメット;n−デカノール;デスメジファム;デスメトリン;ジ−アレート;ジカンバ;ジクロベニル;ジクロルミド;ジクロルプロップ(−P)(塩);
ジクロホップおよびそのエステル、例えばジクロホップ−メチル;ジクロホップ−P(−メチル);ジクロスラム、ジエタチル(−エチル);ジフェノクスロン;ジフェンゾコート(−メチルスルフェート);ジフルフェニカン;ジフルフェンゾピル(−ナトリウム);ジメフロン;ジメピペレート、ジメタクロル;ジメタメトリン;ジメタゾン;ジメテナミド(SAN−582H);ジメテナミド−P;ジメチルアルシン酸;ジメチピン;ジメトラスルフロン;ジメキシフラム;ジニトラミン;ジノセブ;ジノテルブ;ジフェナミド;ジプロペトリン;ジコート塩;ジチオピル;ジウロン;DNOC;エグリナジン−エチル;EL77、すなわち5−シアノ−1−(1,1−ジメチルエチル)−N−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;エンドタル;エポプロダン;EPTC;エスプロカルブ;エタルフルラリン;エタメトスルフロン−メチル;エテフォン;エチジムロン;エチオジン;エトフメセート;エトキシフェンおよびそのエステル(例えばエチルエステル、HN−252);エトキシスルフロン、エトベンザニド(HW52);F5231、すなわちN−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオルプロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル]−フェニル]エタンスルホンアミド;フェンクロラゾール(−エチル);フェンクロリム;フェノプロップ;フェノキサン、フェノキサプロップおよびフェノキサプロップ−Pおよびそれらのエステル、例えばフェノキサプロップ−P−エチルおよびフェノキサプロップ−エチル;フェノキシジム;フェントラザミド;フェヌロン;硫酸第一鉄;フラムプロップ(−メチルまたは−イソプロピルまたは−イソプロピル−L);フラムプロップ−M(−メチルまたは−イソプロピル);フラザスルフロン;フロアズレート(JV−485);フロラスラム;フルアジホップおよびフルアジホップ−Pおよびそれらのエステル、例えばフルアジホップ−ブチルおよびフルアジホップ−P−ブチル;フルアゾレート;フルカルバゾン(−ナトリウム);フルセトスルフロン;フルクロラリン;フルフェナセット;フルフェンピル(−エチル);フルメトラリン;フルメツラム;フルメツロン;フルミクロラック(−ペンチル)、フルミオキサジン(S−482);フルミプロピン;フルオメツロン、フルオロクロリドン、フルオロジフェン;フルオログリコフェン(−エチル);フルポキサム(KNW−739);フルプロパシル(UBIC−4243);フルプロパノエート;フルピルスルフロン(−メチル)(−ナトリウム);フルレノール(−ブチル);フルリドン;フルロクロリドン;フルロキシピル(−メプチル);フルルプリミドール;フルルタモン;フルチアセット(−メチル)(KIH−9201);フルチアミド;フルキソフェニム;ホメサフェン;ホラムスルフロン;ホルクロルフェヌロン;ホサミン;フリルオキシフェン;ジベレリン酸;グルホシネート(−アンモニウム);グリホサート(−イソプロピルアンモニウム);ハロサフェン;ハロスルフロン(−メチル);ハロキシホップおよびそのエステル;ハロキシホップ−P(=R−ハロキシホップ)およびそのエステル;HC−252;ヘキサジノン;HNPC−C9908、すなわちメチル2−[[[[[4−メトキシ−6−(メチルチオ)−2−ピリミジニル]アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]ベンゾエート;イマザメタベンズ(−メチル);イマザモックス;イマザピック;イマザピル;イマザキンおよび塩、例えばアンモニウム塩;イマゼタピル;イマゾスルフロン;イナベンフィド;インダノファン;ヨードスルフロン−メチル(−ナトリウム);イオキシニル;イソカルバミド;イソプロパリン;イソプロツロン;イソウロン;イソキサベン;イソキサクロルトール;イソキサフルトール;イソキサピリホップ;カルブチラート;ラクトフェン;レナシル;リヌロン;マレイン酸ヒドラジド(MH);MBTA;MCPA;MCPB;メコプロップ(−P);メフェナセト;メフルイジド;メピコート(−クロリド);メソスルフロン(−メチル);メソトリオン;メタム;メタミホップ;メタミトロン;メタザクロル;メタベンズチアズロン;メタム;メタゾール;メトキシフェノン;メチルアルソン酸;メチルシクロプロペン;メチルダイムロン;メチルイソチオシアネート;メタベンズチアズロン;メトベンズロン;メトブロムロン;(アルファ−)メトラクロル;メトスラム(XRD511);メトクスロン;メトリブジン;メトスルフロン−メチル;モリネート;モナリド;モノカルバミドジヒドロゲンスルフェート;モノリヌロン;モヌロン;モノスルフロン;MT128、すなわち6−クロロ−N−(3−クロロ−2−プロペニル)−5−メチル−N−フェニル−3−ピリダジンアミン;MT5950、すなわちN−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)−フェニル]−2−メチルペンタンアミド;ナプロアニリド;ナプロパミド;ナプタラム;NC310、すなわち4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール;ネブロン;ニコスルフロン;ニピラクロフェン;ニトラリン;ニトロフェン;ニトロフェノレート混合物;ニトロフルオルフェン;ノナン酸;ノルフルラゾン;オルベンカルブ;オルトスルファムロン;オキサベトリニル;オリザリン;オキサジアルギル(RP−020630);オキサジアゾン;オキサスルフロン;オキサジクロメフォン;オキシフルオルフェン;パクロブトラゾール;パラコート(−ジクロリド);ペブレート;ペラルゴン酸;ペンジメタリン;ペノクスラム;ペンタクロロフェノール;ペンタノクロル;ペントキサゾン;ペルフルイドン;ペトキサミド;フェニソファム;フェンメジファム;ピクロラム;ピコリナフェン;ピノキサデン;ピペロホス;ピリブチカルブ;ピリフェノップ−ブチル;プレチラクロル;プリミスルフロン(−メチル);プロベナゾール;プロカルバゾン−(ナトリウム);プロシアジン;プロジアミン;プロフルラリン;プロホキシジム;プロヘキサジオン(−カルシウム);プロヒドロジャスモン;プログリナジン(−エチル);プロメトン;プロメトリン;プロパクロール;プロパニル;プロパキザホップおよびそのエステル;プロパジン;プロファム;プロピソクロル;プロポキシカルバゾン(−ナトリウム)(MKH−6561);プロピザミド;プロスルファリン;プロスルホカルブ;プロスルフロン(CGA−152005);プリナクロール;ピラクロニル;ピラフルフェン(−エチル)(ET−751);ピラスルホトール;ピラゾリネート;ピラゾン;ピラゾスルフロン(−エチル);ピラゾキシフェン;ピリバムベンズ−イソプロピル(ZJ0702);ピリバムベンズ−プロピル(ZJ0273);ピリベンゾキシム;ピリブチカルブ;ピリダフォル;ピリデート;ピリフタリド;ピリミノバック(−メチル)(KIH−6127);ピリミスルファン(KIH−5996);ピリチオバク(−ナトリウム)(KIH−2031);ピロキサスルホン(KIH−485);ピロキソホップおよびそのエステル(例えばプロパルギルエステル);ピロクスラム;キンクロラック;キンメラック;キノクラミン、キノホップおよびそのエステル誘導体、キザロホップおよびキザロホップ−Pおよびそれらのエステル誘導体、例えばキザロホップ−エチル;キザロホップ(P−テフリルおよび−エチル);レンリジュロン;リムスルフロン(DPX−E9636);S275、すなわち2−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−プロピニルオキシ)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール; セクブメトン;セトキシジム;シズロン;シマジン;シメトリン;シントフェン;SN106279、すなわち2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレニル]オキシ]−プロパン酸および2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレニル]オキシ]−プロパン酸メチル;スルコトリオン;スルフェントラゾン(FMC−97285、F−6285);スルファズロン;スルホメツロン(−メチル);スルホセート(ICI−A0224);スルホスルフロン;スルフフェナシク(CAS 372137−35−4);TCA(−ナトリウム);テブタム(GCP−5544);テブチウロン;テクナセン;テフリルトリオン;テンボトリオン;テプラロキシジム;テルバシル;テルブカルブ;テルブクロル;テルブメトン;テルブチラジン;テルブトリン;TFH450、すなわちN,N−ジエチル−3−[(2−エチル−6−メチルフェニル)スルホニル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド;テニルクロル(NSK−850);チアフルアミド、チアザフルロン;チアゾピル(Mon−13200);チジアジミン(SN−24085);チジアズロン;チエンカルバゾン(−メチル);チフェンスルフロン(−メチル);チオベンカルブ;Ti−35;チオカルバジル;トプラメゾン;トラルコキシジム;トリ−アレート;トリアスルフロン;トリアジフラム;トリアゾフェナミド;トリベヌロン(−メチル);トリクロピル;トリジファン;トリエタジン;
トリフロキシスルフロン(−ナトリウム)、トリフルラリン;トリフルスルフロンおよびエステル(例えばメチルエステル、DPX−66037);トリメツロン;トリネキサパック;トリトスルフロン;チトデフ;ユニコナゾール;ベルノレート;WL110547、すなわち5−フェノキシ−1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1H−テトラゾール;D−489;ET−751;KIH−218;KIH−485;KIH−509;KPP−300;LS82−556;NC−324;NC−330;DPX−N8189;SC−0774;DOWCO−535;DK−8910;V−53482;PP−600;MBH−001;TH−547;SYN−523;IDH−100;SYP−249;HOK−201;IR−6396;MTB−951;NC−620。
【0077】
大豆作物で使用される好ましい組合せ相手は大豆において選択的な化合物、例えば:
(a) 大豆において有害な単子葉および双子葉植物に対して選択的である除草剤、例えばトリフルラリン、メトリブジン、クロマゾン、ペンジメタリン、メトラクロル、フルメツラム、ジメテナミド、リヌロン、エタルフルラリン、フルフェナセト、ノルフルラゾン、ベルノレート、クロルトルロン、クロロトルロン、クロランスラムおよびそのエステル、例えばメチルエステル、イマゼタピル、イマザモクス、イマザキン;または
(b) 大豆において有害な双子葉植物に対して選択的である除草剤、例えばスルフェントラゾン、ベンタゾン、チフェンスルフロンおよびそのエステル、特にメチルエステル、オキシフルオルフェン、ラクトフェン、ホメサフェン、フルミクロラクおよびそのエステル、例えばペンチルエステル、アシフルオルフェンおよびそのナトリウム塩、2,4−DBおよびそのエステルおよび塩、フルミオキサジン、ベナゾリン、2,4−Dおよびそのエステルおよび塩、クロリムロンおよびそのエステルおよび塩、例えばクロリムロン−エチル;または
(c) 大豆において有害な単子葉植物に対して選択的である除草剤、例えばセトキシジム、シクロキシジム、クレトジム、キザロホップ−Pおよびそのエステル、例えばエチルまたはテフリルエステル、フェノキサプロプ−Pおよびそのエステル、例えばエチルエステル、フルアジホップ−Pおよびそのエステル、例えばブチルエステル、ハロキシホップおよびハロキシホップ−Pおよびそれらのエステル、例えばメチルまたはエトチルエステル、プロパキザホップ、アラクロル;または
(d) 例えば大豆において特定の目的のために使用することができる非選択的除草剤、例えばグルホシネート、グリホサート、パラコート(塩)、例えばパラコートジクロライドである。
【0078】
他の好ましい組合せ相手はベノザリン、フェノキサプロプ、ラクトフェン、クロルトルロン、フルフェナセト、メトリブジン、ベンフレセート、フェントラザミド、メフェナセト、ジクロホップ、イオキシニル、ブロモキシニル、アミドスルフロン、フルルタモン、ジフルフェニカン、エトキシスルフロン、フルカルバゾン、プロポキシカルバゾン、スルコトリオン、メソトリオン、イソプロツロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、ホラムスルフロン、アニロフォス、オキサジクロメフォン、オキサジアルギル、イソキサフルトール、リヌロンである。雑草の非選択的防除の分野で施用される適当な混合相手は他の非選択的除草剤、好ましくはグルホシネートおよびグリホサート、またはそれらの塩である。
【0079】
特に重要なのはマメ科植物における有害植物の選択的な防除である。本発明の式(I)の化合物はマメ科植物において非常に良好か十分な選択性を示すが、原理上は植物毒性が生じることもあり、特に選択性が低い他の除草剤との混合物の場合はそうである。これに関して、本発明の式(I)の化合物またはそれらの組合せと他の除草剤または農薬および薬害軽減剤を含有する本発明の塩、特に式(I)の化合物の混合剤は特に重要である。解毒的に有効な量で使用される薬害軽減剤は使用される除草剤/農薬の植物毒性的副作用を軽減する。
【0080】
薬害軽減剤は好ましくは下記化合物からなる群より選択される:
A) 式(S−I)
【化2】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
nAは0〜5、好ましくは0〜3の自然数であり;
RA1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、ニトロまたは(C1−C4)−ハロアルキルであり;
WAは1〜3個のヘテロ環原子NまたはOを有し、少なくとも1個の窒素原子および多くても1個の酸素原子が環中に存在する部分的に不飽和または芳香族の5員の複素環からなる群からの未置換または置換された二価の複素環基、好ましくは(WA1)〜(WA4)
【化3】

からなる群からの基であり、
【0081】
mAは0または1であり;
RA2はORA3、SRA3またはNRA3RA4、あるいは少なくとも1個の窒素原子と好ましくはOおよびSからなる群からの3個までのヘテロ原子を有し、窒素原子を通して(S−I)のカルボニル基に結合しており、未置換であるか、または(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシおよび場合により置換されたフェニルからなる群からの基により置換された飽和または不飽和の3〜7員の複素環、好ましくは式ORA3、NHRA4またはN(CH3)2、特に式ORA3の基であり;
RA3は水素、あるいは好ましくは全部で1〜18個の炭素原子を有する未置換または置換された脂肪族炭化水素基であり;
RA4は水素、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルコキシ、あるいは置換または未置換フェニルであり;
RA5はH、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−ハロアルキル)、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C8)−アルキル、シアノまたはCOORA9であり、ここでRA9は水素、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−ハロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−ヒドロキシアルキル、(C3−C12)−シクロアルキルまたはトリ−(C1−C4)−アルキルシリルであり;
RA6、RA7、RA8は同一または異なって水素、(C1−C8)−アルキル、(C1−C8)−ハロアルキル、(C3−C12)−シクロアルキル、あるいは置換または未置換フェニルである]の化合物、好ましくは:
a) ジクロロフェニルピラゾリン−3−カルボン酸型の化合物、好ましくはエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−5−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボキシレート(S1−1)(“メフェンピル−ジエチル”、Pestic. Man.を参照)のような化合物、およびWO 91/07874に記載のような関連化合物;
b) ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体、好ましくはエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−2)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−3)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)ピラゾール−3−カルボキシレート(S1−4)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−フェニルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−5)のような化合物、並びにEP−A−333131およびEP−A−269806に記載のような関連化合物;
c) トリアゾールカルボン酸型の化合物、好ましくはフェンクロラゾール(−エチルエステル)、すなわちエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロメチル−(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(S1−6)のような化合物、並びにEP−A−174562およびEP−A−346620に記載のような関連化合物;
d) 5−ベンジル−または5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸型、あるいは5,5−ジフェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸型の化合物、好ましくはエチル5−(2,4−ジクロロベンジル)−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−7)またはエチル5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−8)のような化合物およびWO 91/08202に記載のような関連化合物、あるいはエチル5,5−ジフェニル−2−イソキ
サゾリンカルボキシレート(S1−9)(“イソキサジフェン−エチル”)またはn−プロピル5,5−ジフェニル−2−イソキサゾリンカルボキシレート(S1−10)、または特許出願WO−A−95/07897に記載のようなエチル5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−11);
【0082】
B) 式(S−II)
【化4】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RB1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、ニトロまたは(C1−C4)−ハロアルキルであり;
nBは0〜5、好ましくは0〜3の自然数であり;
RB2 はORB3、SRB3またはNRB3RB4、あるいは少なくとも1個の窒素原子と好ましくはOおよびSからなる群からの3個までのヘテロ原子を有し、窒素原子を通して(S−II)のカルボニル基に結合しており、未置換であるか、または(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシまたは場合により置換されたフェニルからなる群からの基により置換された飽和または不飽和の3〜7員の複素環、好ましくは式ORB3、NHRB4またはN(CH3)2、特に式ORB3の基であり;
RB3は水素、あるいは好ましくは全部で1〜18個の炭素原子を有する未置換または置換された脂肪族炭化水素基であり;
RB4は水素、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルコキシ、あるいは置換または未置換フェニルであり;
TBは未置換であるか、あるいは1または2個の(C1−C4)−アルキル基により、または[(C1−C3)−アルコキシ]カルボニルにより置換された(C1−またはC2)−アルカンジイル鎖である]のキノリン誘導体、好ましくは:
a) 8−キノリンオキシ酢酸型の化合物(S2)、好ましくは1−メチルヘキサ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(一般名“クロキントセット−メキシル”(S2−1)(Pestic. Man.を参照)、1,3−ジメチルブタ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−2)、4−アリルオキシブチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−3)、1−アリルオキシプロパ−2−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−4)、エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−5)、メチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−6)、アリル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−7)、2−(2−プロピリデンイミノキシ)−1−エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−8)、2−オキソプロパ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−9)、並びにEP−A−86750、EP−A−94349およびEP−A−191736またはEP−A−0
492366に記載のような関連化合物、さらにWO−A−2002/034048に記載のようなそれらの水和物および塩;
b) (5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸型の化合物、好ましくは(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジエチル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジアリル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸メチルエチルのような化合物、およびEP−A−0 582 198に記載のような関連化合物;
【0083】
C) 式(S−III)
【化5】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RC1は(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−ハロアルケニル、(C3−C7)−シクロアルキル、好ましくはジクロロメチルであり;
RC2、RC3は同一または異なって水素、(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C2−C4)−ハロアルケニル、(C1−C4)−アルキルカルバモイル−(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニルカルバモイル−(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ジオキソラニル−(C1−C4)−アルキル、チアゾリル、フリル、フリルアルキル、チエニル、ピペリジル、置換または未置換フェニルであるか、あるいはRC2およびRC3は一緒になって置換または未置換複素環式環、好ましくはオキサゾリジン、チアゾリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジンまたはベンゾキサジン環を形成する]の化合物、好ましくは:
発芽前の薬害軽減剤(土壌に作用する薬害軽減剤)として頻繁に使用されるジクロロアセトアミド型の活性化合物、例えば“ジクロルミド”(Pestic.Man.を参照)(=N,N−ジアリル−2,2−ジクロロアセトアミド)、“R−29148”(=3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチル−1,3−オキサゾリジン;Stauffer社)、“R−28725”(=3−ジクロロアセチル−2,2,−ジメチル−1,3−オキサゾリジン;Stauffer社)、“ベノキサコル”(Pestic.Man.を参照)(=4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾキサジン)、“PPG−1292”(=N−アリル−N−[(1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]ジクロロアセトアミド;PPG Industries社)、“DKA−24”(=N−アリル−N−[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド;Sagro−Chem社)、“AD−67”または“MON4660”(=3−ジクロロアセチル−1−オキサ−3−アザ−スピロ[4,5]デカン;Nitrokemia社またはMonsanto社)、“TI−35”(=1−ジクロロアセチルアゼパン;TRI−Chemical RT社)、“ジクロノン”(ジシクロノン)または“BAS145138”または“LAB145138”(=3−ジクロロアセチル−2,5,5−トリメチル−1,3−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン;BASF社)および“フリラゾール”または“MON13900”(Pestic. Man.を参照)(=(RS)−3−ジクロロアセチル−5−(2−フリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン);
【0084】
D) 式(S−IV)
【化6】

[式中、XDはCHまたはNであり;
RD1はCO−NRD5RD6またはNHCO−RD7であり;
RD2はハロゲン、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、ニトロ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルコキシカルボニルまたは(C1−C4)−アルキルカルボニルであり;
RD3は水素、(C1−C4)−アルキル、(C2−C4)−アルケニルまたは(C2−C4)−アルキニルであり;
RD4はハロゲン、ニトロ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−ハロアルコキシ、(C3−C6)−シクロアルキル、フェニル、(C1−C4)−アルコキシ、シアノ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルフィニル、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルコキシカルボニルまたは(C1−C4)−アルキルカルボニルであり;
RD5は水素、(C1−C6)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C5−C6)−シクロアルケニル、フェニル、または窒素、酸素および硫黄からなる群からのvD個のヘテロ原子を含有する3〜6員のヘテロシクリルであり、ここで最後に挙げた7個の基はハロゲン、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシ、(C1−C2)−アルキルスルフィニル、(C1−C2)−アルキルスルホニル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシカルボニル、(C1−C4)−アルキルカルボニルおよびフェニル、環状基の場合はさらに(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルからなる群からのvD個の置換基により置換され;
RD6は水素、(C1−C6)−アルキル、(C2−C6)−アルケニルまたは(C2−C6)−アルキニルであり、ここで最後に挙げた3個の基はハロゲン、ヒドロキシ、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオからなる群からのvD個の基により置換され、あるいは
RD5およびRD6はそれらを有する窒素原子と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル基を形成し;
RD7は水素、(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C1−C6)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキルであり、ここで最後に挙げた2個の基はハロゲン、(C1−C4)−アルコキシ、ハロゲン−(C1−C6)−アルコキシおよび(C1−C4)−アルキルチオ、環状基の場合はさらに(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルからなる群からの vD個の置換基により置換され;
nDは0、1または2であり;
mDは1または2であり;
vDは0、1、2または3である]のN−アシルスルホンアミドおよびそれらの塩、好ましくは例えばWO 97/45016から知られている下記式(S−V)
【化7】

[式中、RD7は(C1−C6)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキルであり、ここで最後に挙げた2個の基はハロゲン、(C1−C4)−アルコキシ、ハロゲン−(C1−C6)−アルコキシおよび (C1−C4)−アルキルチオ、環状基の場合はさらに(C1−C4)−アルキルおよび(C1−C4)−ハロアルキルからなる群からのvD個の置換基により置換され;
RD4はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、CF3であり;
mDは1または2であり;
vDは0、1、2または3である]のN−アシルスルホンアミド型の化合物;さらに
【0085】
例えばWO 99/16744から知られている下記式(S−VI)、
【化8】

のアシルスルファモイルベンズアミド、例えば
RD5 = シクロプロピルおよび(RD4) = 2−OMe (“シプロスルファミド”、S3−1)、
RD5 = シクロプロピルおよび(RD4) = 5−Cl−2−OMe(S3−2)、
RD5 = エチルおよび(RD4) = 2−OMe(S3−3)、
RD5 = イソプロピルおよび(RD4) = 5−Cl−2−OMe(S3−4)、そして
RD5 = イソプロピルおよび(RD4) = 2−OMe(S3−5)である化合物;さらに
【0086】
例えばEP−A−365484から知られている式(S−VII)
【化9】

[式中、RD8およびRD9は互いに独立して水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、(C3−C6)−アルケニル、(C3−C6)−アルキニルであり、
RD4はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、CF3であり、
mDは1または2である]のN−アシルスルファモイルフェニル尿素型の化合物、特に
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、
1−[4−(N−4,5−ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、
1−[4−(N−ナフトイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素;
【0087】
G) ヒドロキシ芳香族物質および芳香族−脂肪族カルボン酸誘導体の類からの活性化合物、例えばWO 2004084631、WO 2005015994、WO 2006007981、WO 2005016001に記載のような3,4,5−トリアセトキシ安息香酸エチル、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシサリチル酸、4−フルオロサリチル酸、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボキサミド、2−ヒドロキシ桂皮酸、2,4−ジクロロ桂皮酸;
H) 1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン類からの活性化合物、例えばWO 2005112630に記載のような1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン、1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−チオン、1−(2−アミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン塩酸塩、1−(2−メチルスルホニルアミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロ−キノキサリン−2−オン;
I) 有害植物に対する除草作用に加えて、さらにイネのような作物で薬害軽減作用を示す活性化合物、例えば除草剤モリネートによる被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“ジメピペレート”または“MY−93”(Pestic. Man.を参照)(=S−1−メチル−1−フェニルエチルピペリジン−1−チオカルボキシレート)、除草剤イマゾスルフロンによる被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“ダイムロン”または“SK23”(Pestic. Man.を参照)(=1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−p−トリル尿素)、幾つかの除草剤による被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“クミルロン”=“JC−940”(=3−(2−クロロフェニルメチル)−1−(1−メチル−1−フェニルエチル)尿素;JP−A−60087254を参照)、幾つかの除草剤による被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“メトキシフェノン”または“NK049”(=3,3'−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン)、幾つかの除草剤による被害に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“CSB”(=1−ブロモ−4−(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS登録番号54091−06−4;Kumiai社);
【0088】
K) WO−A−1998/38856に記載のような式(S−IX)
【化10】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RK1、RK2は互いに独立してハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ニトロであり、
AKはCOORK3またはCOORK4であり、
RK3、RK4は互いに独立して水素、(C1−C4)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニル、シアノアルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、フェニル、ニトロフェニル、ベンジル、ハロベンジル、ピリジニルアルキルまたはアルキルアンモニウムであり、
nK1は0または1であり、
nK2、nK3は互いに独立して0、1または2である] の化合物、好ましくはメチル(ジフェニルメトキシ)アセテート(CAS登録番号:41858−19−9);
【0089】
L) WO A−98/27049に記載のような式(S−X)
【化11】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
XLはCHまたはNであり;
nLはX=Nの場合、0〜4の整数であり、そして
X=CHの場合、0〜5の整数であり、
RL1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−ハロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ、(C1−C4)−ハロアルコキシ、ニトロ、(C1−C4)−アルキルチオ、(C1−C4)−アルキルスルホニル、(C1−C4)−アルコキシカルボニル、場合により置換されたフェニル、場合により置換されたフェノキシであり、
RL2は水素または(C1−C4)−アルキルであり、
RL3は水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルまたはアリールであり、ここで上記の炭素を含有する基はそれぞれ未置換であるか、またはハロゲンおよびアルコキシからなる群からの1個またはそれ以上の、好ましくは3個までの同一または異なる基により置換される]の化合物またはその塩;
【0090】
M) 3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン類からの活性化合物、例えばWO−A−1999000020に記載のような1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−エチル−3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン(CAS登録番号:219479−18−2)、1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン(CAS登録番号:95855−00−8);
【0091】
N) WO−A−2007023719およびWO−A−2007023764に記載のような式(S−XI)または(S−XII)
【化12】

[式中、記号および添え字は次の意味を有する:
RN1はハロゲン、(C1−C4)−アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF3、OCF3であり、Y、Zは互いに独立してOまたはSであり、
nNは0〜4の整数であり、
RN2は(C1−C16)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C3−C6)−シクロアルキル、アリール、ベンジル、ハロベンジルであり、
RN3は水素、(C1−C6)アルキルである]の化合物;
【0092】
O) 1,8−ナフタル酸無水物、
O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート(ジスルホトン)、
4−クロロフェニルメチルカルバメート(メフェネート)、
O,O−ジエチルO−フェニルホスホロチオエート(ジエトレート)、
4−カルボキシ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4−酢酸(CL−304415、CAS登録番号:31541−57−8)、
2−プロペニル1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン−4−カルボジチオエート(MG−838、CAS登録番号:133993−74−5)、
メチル[(3−オキソ−1H−2−ベンゾチオピラン−4(3H)−イリデン)メトキシ]アセテート(WO−A−98/13361から;CAS登録番号:205121−04−6)、
シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル(シオメトリニル)、
1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル(オキサベトリニル)、
4'−クロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノンO−1,3−ジオキソラン−2−イルメチルオキシム(フルキソフェニム)、
4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(フェンクロリム)、
ベンジル2−クロロ−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート(フルラゾール)、
2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(MG−191)からなる群からの1種またはそれ以上の化合物であり、それらの立体異性体および農業で慣用の塩を含む。
【0093】
他の知られている活性化合物、例えば殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、鳥忌避剤、植物栄養素および土壌構造改良剤との混合物もまた可能である。
【0094】
幾つかの薬害軽減剤はすでに除草剤として知られており、したがって有害植物に対する除草作用に加えて、さらに作物の保護作用を示す。
【0095】
除草剤(混合物)と薬害軽減剤の重量比は一般に除草剤の施用量および当該薬害軽減剤の効力に依存し、広い範囲内で変動し、例えば200:1〜1:200、好ましくは100:1〜1:100、特に20:1〜1:20の範囲である。式(I)の化合物またはそれらの混合物と同様にして、薬害軽減剤は他の除草剤/農薬と一緒に製剤化して提供することができ、除草剤と一緒に最終製剤またはタンクミックスとして使用することができる。
【0096】
本発明の式(I)の化合物の必要な施用量はとりわけ温度、湿度および使用される除草剤の種類のような外的条件に応じて変動する。それは広い範囲内で変動し、例えば0.001〜10000g/haまたはそれ以上の活性物質であるが、好ましくは0.5〜5000g/ha、特に好ましくは0.5〜1000g/ha、そして非常に特に好ましくは0.5〜500g/haである。
【0097】
本発明の活性化合物は例えば次の植物に関連して使用することができる:
双子葉植物の雑草:Abutilon、Amaranthus、Ambrosia、Anoda、Anthemis、Aphanes、Atriplex、Bellis、Bidens、Capsella、Carduus、Cassia、Centaurea、Chenopodium、Cirsium、Convolvulus、Datura、Desmodium、Emex、Erysimum、Euphorbia、Galeopsis、Galinsoga、Hibiscus、Ipomoea、Kochia、Lamium、Lepidium、Lindernia、Matricaria、Mentha、Mercurialis、Mullugo、Myosotis、Papaver、Pharbitis、Plantago、Polygonum、Portulaca、Ranunculus、Raphanus、Rorippa、Rotala、Rumex、Salsola、Senecio、Sesbania、Sida、Sinapis、Solanum、Sonchus、Sphenoclea、Stellaria、Taraxacum、Thlaspi、Trifolium、Urtica、Veronica、Viola、Xanthium属。
双子葉植物の作物:Arachis、Cucumis、Cucurbita、Daucus、Glycine、Gossypium、Linum、Lycopersicon、Nicotiana、Pisum、Solanum、Vicia属。
単子葉植物の雑草:Aegilops、Agropyron、Agrostis、Alopecurus、Apera、Avena、Brachiaria、Bromus、Cenchrus、Commelina、Cynodon、Cyperus、Dactyloctenium、Digitaria、Echinochloa、Eleocharis、Eleusine、Eragrostis、Eriochloa、Festuca、Fimbristylis、Heteranthera、Imperata、Ischaemum、Leptochloa、Lolium、Monochoria、Panicum、Paspalum、Phalaris、Phleum、Poa、Rottboellia、Sagittaria、Scirpus、Setaria、Sorghum属。
単子葉植物の作物:Allium、Ananas、Asparagus、Avena、Hordeum、Oryza、Panicum、Saccharum、Secale、Sorghum、Triticale、Triticum、Zea属。
【0098】
しかしながら、本発明の活性化合物の使用はこれらの属に決して制限されず、同様に他の植物まで及ぶ。
【0099】
本発明の塩、特に式(I)の化合物はまた、例えば工業地域および線路、さらに植林の有無に関らず道路および領域において雑草を完全に防除するのに適している。同様に、本発明の活性化合物は多年生作物、例えば森林、装飾樹植栽地、果樹園、ブドウ園、柑橘類、ナッツ園、バナナ農園、コーヒー農園、茶園、ゴム園、アブラヤシ農園、ココア農園、ソフトフルーツ植栽地およびホップ畑、芝生、芝土および放牧地において雑草を防除するために、さらに1年生作物において雑草を選択的に防除するために使用することができる。
【0100】
本発明の式(I)の化合物は土壌および植物の地上部で使用すると強力な除草活性および幅広い活性スペクトルを示す。
【0101】
本発明の活性化合物の製造および使用を次の実施例により詳しく説明する。
【0102】
A. 合成例
カリウム {[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
10.6g(0.025モル)の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドを750mlのアセトニトリルに取り、透明な溶液が生成するまで加熱した。攪拌しながら、2.9g(0.025モル)のカリウムt−ブトキシドを加えた。16時間の撹拌後、均質な懸濁液が生成し、この懸濁液を減圧下で濃縮した。沈殿した固体を吸引ろ過し、少量のアセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。これにより10.0gのカリウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0216モル、HPLCによる含有量:98%、理論量の86.6%)を得た。融点:162〜164℃。
【0103】
リチウム {[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
10.6g(0.025モル)の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドを750mlのアセトニトリルに取り、透明な溶液が生成するまで加熱した。攪拌しながら、2.1g(0.025モル)のリチウムt−ブトキシドを加えた。16時間の撹拌後、均質な懸濁液が生成し、この懸濁液を減圧下で濃縮した。沈殿した固体を吸引ろ過し、少量のアセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。これにより11.3gのリチウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0216モル、HPLCによる含有量:96.4%、理論量の100.0%)を得た。融点:194〜196℃。
【0104】
2−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)エタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
5.8g(0.0137モル)の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドを300mlのアセトニトリルに取り、透明な溶液が生成するまで加熱した。攪拌しながら、1.3g(0.0124モル)のジエタノールアミンを滴加すると、白色の固体がすぐに沈殿した。混合物を室温で16時間攪拌した。固体を吸引ろ過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥した。これにより6.2gの2−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)エタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0116モル、HPLCによる含有量:98.9%、理論量の93.6%)を得た。1H−NMR (400 MHz, [D6]−DMSO):δ=2.96 (t, 4H);3.62 (br. t, 4H);3.80 (s, 6H);4.16 (m, 2H);4.40 (m, 2H);5.09 (br. s, 2H);5.68 (s, 1H);7.52 (m, 1H);7.87 (m, 1H);8.64 (m, 1H);8.1−8.9 (br., 1H)ppm。
【0105】
プロパン−2−アミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
5.8g(0.0137モル)の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドを300mlのアセトニトリルに取り、透明な溶液が生成するまで加熱した。攪拌しながら、800mg(13.5ミリモル)のイソプロピルアミンを滴加すると、白色の固体がすぐに沈殿した。混合物を室温で16時間攪拌した。固体を吸引ろ過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥した。これにより5.2gのプロパン−2−アミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0105モル、HPLCによる含有量:98.0%、理論量の77.9%)を得た。1H−NMR (400 MHz, [D6]−DMSO):δ=1.15 (d, 6H);3.28 (m, 1H);3.79 (s, 6H);4.16 (m, 2H);4.39 (m, 2H);5.65 (s, 1H);7.48 (m, 1H);7.5−7.8 (br., 1H);7.83 (m, 1H);8.61 (m, 1H)ppm。
【0106】
アンモニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
10.6g(0.025モル)の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドを750mlのアセトニトリルに取り、透明な溶液が生成するまで加熱した。攪拌しながら、1.7gの26%アンモニア水溶液(0.026モル)を滴加すると、白色の固体がすぐに沈殿した。混合物を室温で16時間攪拌し、次に注意しながら減圧下で濃縮した。白色の固体を吸引ろ過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥した。これにより9.1gのアンモニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0206モル、HPLCによる含有量:100%)、理論量の82.5%)を得た。1H−NMR (400 MHz, [D6]−DMSO):δ=3.84 (s, 6H);4.18 (m, 2H);4.43 (m, 2H);5.83 (br. s, 1H);6.5−9.5 (br., 4H);7.64 (br., 1H);8.01 (br., 1H);8.70 (m, 1H)ppm。
【0107】
2−ヒドロキシ−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
9.0g(0.020モル)のナトリウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニドを600mlのメタノール中で懸濁した。攪拌しながら、2.8g(0.020モル)の塩化コリニウムおよび100mlの水を加えた。次に混合物を透明な溶液が生成するまで加熱した。混合物を室温で16時間攪拌し、その間に溶液が濁った。混合物を減圧下で濃縮乾固し、イソプロパノールに取った。白色の固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。これにより11.1gの2−ヒドロキシ−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0187モル、HPLCによる含有量:99.2%、理論量の93.3%)を塩化ナトリウムとの混合物として得た。融点:126〜130℃(分解)。
【0108】
2−クロロ−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
9.0g(0.020モル)のナトリウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニドを600mlのメタノール中で懸濁した。攪拌しながら、3.2g(0.020モル)の塩化2−クロロ−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムおよび100mlの水を加えた。次に混合物を透明な溶液が生成するまで加熱した。混合物を室温で16時間攪拌し、その間に沈殿が生成した。混合物を減圧下で濃縮乾固し、イソプロパノールに取った。白色の固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。これにより9.5gの2−クロロ−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0153モル、HPLCによる含有量:98.5%、理論量の76.7%)を塩化ナトリウムとの混合物として得た。融点:120〜126℃(分解)。
【0109】
2−(アセチルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
9.0g(0.020モル)のナトリウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニドを600mlのメタノール中で懸濁した。攪拌しながら、3.7g(0.020モル)の塩化2−(アセチルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムおよび100mlの水を加えた。次に混合物を透明な溶液が生成するまで加熱した。混合物を室温で16時間攪拌し、その間に溶液が濁った。混合物を減圧下で濃縮乾固し、イソプロパノールに取った。白色の固体を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。これにより9.2gの2−(アセチルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0131モル、HPLCによる含有量:90.2%、理論量の65.3%)を塩化ナトリウムとの混合物として得た。融点:>138℃(分解)。
【0110】
2−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)エタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
10.0g(0.0217モル)の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドを600mlのアセトニトリルに取り、透明な溶液が生成するまで加熱した。攪拌しながら、3.23g(0.0217モル)のトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンを滴加した。混合物を室温で16時間攪拌し、徐々に白色の固体が沈殿した。固体を吸引ろ過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥した。これにより9.2gの2−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)エタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(0.0160モル、HPLCによる含有量:100%、理論量の74.0%)を得た。1H−NMR (400MHz, [D6]−DMSO):δ=2.7−3.2 (br. s, 6H);3.5−3.7 (br. s, 6H);3.84 (br. s, 6H);4.18 (m, 2H);4.43 (m, 2H);4.5−5.2 (br. 3H);5.84 (br. s, 1H);7.65 (br. s, 1H);8.0 (br. s, 1H);8.7 (br. m, 1H)ppm。
【0111】
2−ヒドロキシエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド
5.0g(10.84ミリモル)の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドを300mlのアセトニトリルに取り、透明な溶液が生成するまで加熱した。攪拌しながら、0.66g(10.84ミリモル)の2−アミノエタノールを滴加した。混合物を室温で16時間攪拌し、徐々に白色の固体が沈殿した。固体を吸引ろ過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥した。これにより4.2gの2−ヒドロキシエタンアミニウム{[3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)ピリジン−2−イル]スルホニル}[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]アザニド(8.3ミリモル、HPLCによる含有量:95.5%、理論量の76.2%)を得た。1H−NMR (400MHz, [D6]−DMSO):δ=2.82 (t, 2H);3.54 (br. t, 2H);3.78 (s, 6H);4.16 (m, 2H);4.39 (m, 2H);5.05 (br. s, 1H);5.64 (s, 1H);7.1−7.5 (br., 3H);7.48 (m, 1H);7.83 (m, 1H);8.61 (m, 1H)ppm。
【0112】
下表1に記載の化合物は直接上記のようにして、または上記例と同様にして得られる。
【0113】
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
B. 製剤例
a) 粉剤は10重量部の本発明の式(I)の化合物および不活性物質としての90重量部のタルクを混合し、その混合物をハンマーミルで粉砕することにより得られる。
b) 容易に水に分散しうる水和剤は25重量部の本発明の式(I)の化合物、不活性物質としての64重量部のカオリン含有石英、10重量部のリグノスルホン酸カリウム、並びに湿潤剤および分散剤としての1重量部のナトリウムオレイルメチルタウリドを混合し、その混合物をピン付きディスクミルで粉砕することにより得られる。
c) 容易に水に分散しうる分散製剤は20重量部の本発明の式(I)の化合物を6重量部のアルキルフェノールポリグリコールエーテル(Triton(登録商標)X207)、3重量部のイソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)および71重量部のパラフィン系鉱油(沸点範囲:例えば約255〜277℃)と混合し、その混合物をボールミルで5ミクロン以下の粉末度まで粉砕することにより得られる。
d) 乳剤は15重量部の式(I)の化合物、溶剤としての75重量部のシクロヘキサノンおよび乳化剤としての10重量部のオキシエチル化ノニルフェノールから得られる。
e) 顆粒水和剤は75重量部の本発明の式(I)の化合物、10重量部のリグノスルホン酸カルシウム、5重量部のラウリル硫酸ナトリウム、3重量部のポリビニルアルコールおよび7重量部のカオリンを混合し、その混合物をピン付きディスクミルで粉砕し、その粉末を造粒液としての水に噴霧して流動床で造粒することにより得られる。
f) 顆粒水和剤はまた、25重量部の本発明の式(I)の化合物、5重量部のナトリウム2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホネート、2重量部のナトリウムオレイルメチルタウリド、1重量部のポリビニルアルコール、17重量部の炭酸カルシウムおよび50重量部の水をコロイドミルで均質化および予備粉砕し、次にその混合物をビーズミルで粉砕し、得られた懸濁液を噴霧塔で単一ノズルにより噴霧および乾燥することにより得られる。
【0116】
C. 生物学的試験
1. 発芽後の除草作用
単子葉および双子葉雑草の種子または地下茎片をプラスチックポット(ジフィーポット)に入れた砂壌土に置き、覆土し、温室に入れて良好な限定された成長条件下、すなわち22℃/14℃の昼/夜リズムで育成した。2〜4葉期に、植物を本発明の様々な化合物の試験水溶液により所定の用量で処理した。4週間後、下記のスキームに従って試験を評価した:
0=無防除;100=完全防除
【0117】
使用した対照はすでにUS 5,476,936から知られている3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドのNa+塩である。
【0118】
【表3】

【0119】
3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドのナトリウム塩はすでに少なくとも単子葉雑草(Eleusine indica)に関する限り良好な防除作用を有する;しかしながら、本発明により特許請求される3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの塩、すなわち本明細書で例示した化合物I−1、I−2、I−5、I−14、I−35、I−38、I−39およびI−40を使用すると、これを有意に超える。文献から知られているナトリウム塩と本発明の塩の差は特に双子葉雑草Ambrosia elatiorに対する有効性を評価した場合に顕著であり、それは3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドのナトリウム塩により比較的弱く防除されるが、本発明の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの塩は少なくとも75%(I−5)、他のすべての場合でも少なくとも80%の防除を示す。
【0120】
2. 発芽前の除草作用
単子葉および双子葉雑草の種子または地下茎片をボール紙製のポットに入れた砂壌土に置き、覆土した。次に水和剤または乳剤の形態で製剤化した本発明の化合物を様々な用量の水性懸濁液または乳濁液として100〜800L/haの水(換算)の施用量で覆土表面に施用した。
処理後、ポットを温室に入れ、雑草にとって良好な成長条件下に置いた。3〜4週間の試験期間が経過した後、試験植物の発芽後の植物または発芽の被害を未処理対照と比較して目視で評価した。その結果からわかるように、本発明の化合物は広範スペクトルのイネ科雑草および広葉雑草に対して良好な発芽前の除草活性を示す。例えば、表1の化合物No. I−1、I−2、I−5、I−14、I−35、I−38、I−39、I−40はMatricaria inodora、Papaver rhoeas、Stellaria mediaおよびViola tricolorのような有害植物に対して発芽前法により1ヘクタールあたり0.08kg以下の活性物質の施用量で施用すると非常に良好な除草活性を示した。
【0121】
3. 作物植物との適合性
温室での別の試験において、比較的多数の作物植物および雑草の種子を砂壌土に置いて覆土した。幾つかのポットを直ちにセクション1に記載のようにして処理し、他のポットを植物が2〜3枚の本葉を出すまで温室に置き、次にセクション2に記載のようにして様々な用量の本発明の化合物を噴霧した。温室に置いて施用してから4〜5週間後の目視評価により、たとえ高い活性化合物量で本発明の塩を発芽前法および発芽後法により施用してもマメ科植物に被害を与えないことがわかった。これらの作物において、本発明の塩は高い選択性を示し、そのためマメ科植物において望ましくない植物を防除するのに適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、カチオンMは
(a) リチウムまたはカリウムイオン、あるいは
(b) アルカリ土類金属イオン、あるいは
(c) 遷移金属イオン、あるいは
(d) 場合により1、2、3または全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、アシル化ヒドロキシ(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、上記の基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換され、それぞれ窒素原子上の2個の置換基は一緒になって場合により未置換または置換される環を形成するアンモニウムイオン、あるいは
(e) ホスホニウムイオン、あるいは
(f) スルホニウムイオン、あるいは
(g) オキソニウムイオン、あるいは
(h) 環系に1〜10個の炭素原子を有し、場合により単縮合または多縮合しており、そして/または(C1−C4)−アルキルにより一置換または多置換される飽和または不飽和/芳香族の含窒素複素環式イオン性化合物であり、そして
nは1、2または3である]
の3−(5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルバモイル]ピリジン−2−スルホンアミドの農薬的に活性な塩。
【請求項2】
カチオンMは
(a) リチウムまたはカリウムイオン、あるいは
(b) カルシウムまたはマグネシウムイオン、あるいは
(c) マンガン、銅、亜鉛または鉄イオン、あるいは
(d) 場合により1、2、3または全4個の水素原子が(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルキル、アシル化ヒドロキシ(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C4)−アルキル、(C1−C6)−メルカプトアルキル、フェニルおよびベンジルからなる群からの同一または異なる基により置換され、上記の基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、ニトロ、シアノ、アジド、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−ハロアルキル、(C3−C6)−シクロアルキル、(C1−C6)−アルコキシ、(C1−C6)−ハロアルコキシおよびフェニルからなる群からの1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換され、それぞれ窒素原子上の2個の置換基は一緒になって場合により未置換または置換された環を形成するアンモニウムイオン、あるいは
(e) テトラ−((C1−C4)−アルキル)ホスホニウムイオンまたはテトラフェニルホスホニウムイオンであり、前記(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により一置換または多置換され、あるいは
(f) トリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムまたはトリフェニルスルホニウムイオンであり、前記(C1−C4)−アルキル基およびフェニル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により一置換または多置換され、あるいは
(g) トリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムイオンであり、前記(C1−C4)−アルキル基は場合によりハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、(C1−C2)−アルキル、(C1−C2)−ハロアルキル、(C3−C4)−シクロアルキル、(C1−C2)−アルコキシおよび(C1−C2)−ハロアルコキシからなる群からの同一または異なる基により一置換または多置換され、あるいは
(h) 次の複素環式化合物、例えばピリジン、キノリン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、イミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の群からのカチオンであり、そして
nは1、2または3である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
カチオンMはカリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、NH4+イオン、(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、ビス−N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリス−N,N,N−(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、ジイソプロピルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、2−(2−ヒドロキシエタ−1−オキシ)エタ−1−イルアンモニウムイオン、ジ(2−ヒドロキシエタ−1−イル)アンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリ−((C1−C4)−アルキル)スルホニウムイオン、トリ−((C1−C4)−アルキル)オキソニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、1−フェニルエチルアンモニウムイオン、2−フェニルエチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、モルホリニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エニウムイオン、ジエタノールアミンイオン、エタノールアミンイオン、トリエタノールアミンイオン、コリニウムイオン、クロロコリニウムイオンまたはアセチルコリニウムイオンであり、そしてnは1または2である請求項1記載の化合物。
【請求項4】
カチオンMはカリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンまたはNH4+イオンであり、そしてnは1または2である請求項1記載の化合物。
【請求項5】
カチオンMはカリウムイオンであり、そしてnは1である請求項1記載の化合物。
【請求項6】
請求項1記載の化合物を製造する方法。
【請求項7】
少なくとも1種の請求項1〜5の何れかの項記載の化合物を望ましくない植物および/またはそれらの生息地で作用させることからなる望ましくない植物の成長を防除する方法。
【請求項8】
望ましくない植物を防除するための少なくとも1種の請求項1〜5の何れかの項記載の化合物の使用。
【請求項9】
請求項1〜5の何れかの項記載の化合物および慣用の増量剤および/または界面活性剤を含有する除草剤組成物。

【公表番号】特表2011−515351(P2011−515351A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500080(P2011−500080)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001822
【国際公開番号】WO2009/115237
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】