説明

3合成3分配器

【課題】 ハイブリッドリングからなる3合成3分配器を提供する。
【解決手段】 入力された電力が1/2ずつ分配される2つの第1ハイブリッドリング10と第3ハイブリッドリング15と、入力された電力が1/3と2/3に分配される1つの第2ハイブリッドリング13とを用いて、K6端子とK9端子とを接続する第2線路12の位相量β2とK11端子とK7端子とを接続する第3線路14の位相量β3との和と、K2端子とK3端子とを接続する第1線路11の位相量β1との位相差が90°+(180°×N)に設定されている。これにより、入力端子Pi1,Pi2,Pi3に入力された電力がそれぞれ均等に1/3ずつに3分配されて出力端子Po1,Po2,Po3から出力されるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドリングを利用した3合成3分配器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図12(a)に示す構成の高周波伝送機器の一種である通称90°ハイブリッド回路の代表的回路であるハイブリッドリングが知られている。図12(a)に示すハイブリッドリング100は、四端子構造であるから2合成2分配回路として機能する。例えば、高周波電力分配比が1対1で、入出力端子に接続される外部インピーダンスが50Ω、使用周波数帯域の中心周波数Foの波長をλoとした時に、電気長を1/4λo(1/4波長)とした時の基本的なハイブリッドリング100とされている。入力端子をPi1及びPi2とし、出力端子をPo1及びPo2として図12(a)に示す様に配置した場合、Pi1〜Pi2間は第3線路103で接続され、Po1〜Po2間は第4線路104で接続され、第3線路103および第4線路104は特性インピーダンスが50Ωで電気長1/4λoの分布定数線路とされている。また、Pi1〜Po1間は第1線路101で接続され、Pi2〜Po2間は第2線路102で接続され、第1線路101および第2線路102は特性インピーダンスが約35.36Ω(50/√2Ω)で、電気長1/4λoの分布定数線路とされている。各入力端子Pi1,Pi2に印加された高周波電力は2つの出力端子Po1,Po2へ均等に合成分配され他方の入力端子には出力されないので、2合成2分配回路と見なすことができ、合成分配損失は約3.01dBとなる。入出力端子間の周波数Foにおける位相差は、Pi1〜Po1間及びPi2〜Po2間で−90°、Pi1〜Po2間及びPi2〜Po1間で−180°となる。
【0003】
また、高周波電力分配比を2対1とした時の基本的なハイブリッドリング110の構成を図12(b)に示す。入出力端子に接続される外部インピーダンスが50Ω、使用周波数帯域の中心周波数Foの波長をλoとした時に、ハイブリッドリング110は、入力端子がPi1及びPi2とされ、出力端子がPo1及びPo2とされている。ハイブリッドリング110において、Pi1〜Pi2間は第3線路113で接続され、Po1〜Po2間は第4線路114で接続され、第3線路113および第4線路114は特性インピーダンスが約70.7Ωで電気長1/4λoの分布定数線路とされている。また、Pi1〜Po1間は第1線路111で接続され、Pi2〜Po2間は第2線路112で接続され、第1線路111および第2線路112は特性インピーダンスが約40.82Ωで、電気長1/4λoの分布定数線路とされている。ハイブリッドリング110では、入出力端子間に於いて対向する端子間対斜め方向の端子間の電力分配比率が2対1となり、合成分配損失は約1.76dB対4.77dBとなる。入出力端子間の周波数Foにおける位相差は、Pi1〜Po1間及びPi2〜Po2間で−90°、Pi1〜Po2間及びPi2〜Po1間で−180°となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−224125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、複数のハイブリッドリング110からなる4合成4分配器が知られている。従来のハイブリッドリングで構成した4合成4分配回路の回路図を図13に示す。
図13に示す4合成4分配器200は、図12(a)に示す高周波電力分配比1対1の4個のハイブリッドリング201,202,203,204を使用して構成した回路構成とされており、入力端子をPi1〜Pi4とし、出力端子をPo1〜Po4として、図13に示す様に配置し結線されている。この場合、各入出力端子間の経路は1つに限られるので、各入力端子に印加された高周波電力は出力端子方向に電力比1/2の分配を繰り返して、1/4ずつ均等に電力分配される。従って、全体としては4合成4分配回路となる。例えば、入力端子Pi1に入力された高周波電力は、ハイブリッドリング201のK1,K3端子から1/2の電力で出力される。端子K1は、ハイブリッドリング202のK2端子に接続されており、K2端子に入力された高周波電力はハイブリッドリング202でさらに1/2になることから、入力端子Pi1に入力された高周波電力は出力端子Po1,Po2から1/4ずつ出力される。
【0006】
また、K3端子はハイブリッドリング204のK6端子に接続されており、K6端子に入力された高周波電力はハイブリッドリング204でさらに1/2になることから、入力端子Pi1に入力された高周波電力は出力端子Po3,Po4から1/4ずつ出力される。このように、入力端子Pi1に入力された高周波電力は1/4ずつ均等に電力分配されて出力端子Po1〜Po4から出力される。また、入力端子Pi2,Pi3,Pi4に入力された高周波電力も同様にして、1/4ずつ均等に電力分配されて出力端子Po1〜Po4から出力される。この場合の分配損失は、電力が1/4に減じることから約−6.02dBとなる。すなわち、入力端子Pi1〜Pi4から入力される高周波電力をそれぞれPw1,Pw2,Pw3,Pw4とすると、出力端子Po1〜Po4のそれぞれから(Pw1+Pw2+Pw3+Pw4)/4の合成電力が出力されるようになる。なお、入出力端子間の使用中心周波数Foにおける位相差は伝送経路によって異なるが、図14に示す図表の位相とされる。この時のハイブリッドリング201〜204の間は、線路長0、即ち位相量は0°で接続されているものとして計算している。
【0007】
例えば、出力端子Po2を例に上げて説明すると、Pi1→K1の端子間およびK4→Po2の端子間およびPi3→K5の端子間が−90°であり、Pi2→K1の端子間およびK2→Po2の端子間およびPi4→K5の端子間が−180°となる。入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1は、Pi1→K1→K2→Po2の伝送経路で出力されることから、出力端子Po2から出力される高周波電力Pw1/4の位相は−270°となる。また、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2は、Pi2→K1→K2→Po2の伝送経路で出力されることから、出力端子Po2から出力される高周波電力Pw2/4の位相は−360°となる。さらに、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3は、Pi3→K5→K4→Po2の伝送経路で出力されることから、出力端子Po2から出力される高周波電力Pw3/4の位相は−180°となる。さらにまた、入力端子Pi4に入力された高周波電力Pw4は、Pi4→K5→K4→Po2の伝送経路で出力されることから、出力端子Po2から出力される高周波電力Pw4/4の位相は−270°となる。
【0008】
ところで、3つの高周波電力を3合成3分配したい場合があるが、ハイブリッドリングからなる3合成3分配器が知られていないと云う問題点があった。
そこで、本発明はハイブリッドリングからなる3合成3分配器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、2つの入力端子K1,K5を有すると共に、該入力端子K1に入力された電力の1/2を位相−90°で出力すると共に、前記入力端子K5に入力された電力の1/2を位相−180°で出力する出力端子K2と、前記入力端子K1に入力された電力の1/2を位相−180°で出力すると共に、前記入力端子K5に入力された電力の1/2を位相−90°で出力する出力端子K6とを有する第1ハイブリッドリングと、2つの入力端子K9,K12を有すると共に、該入力端子K9に入力された電力の2/3を位相−90°で出力すると共に、前記入力端子K12に入力された電力の1/3を位相−180°で出力する出力端子K10と、前記入力端子K9に入力された電力の1/3を位相−180°で出力すると共に、前記入力端子K12に入力された電力の2/3を位相−90°で出力する出力端子K11とを有する第2ハイブリッドリングと、2つの入力端子K3,K7を有すると共に、該入力端子K3に入力された電力の1/2を位相−90°で出力すると共に、前記入力端子K7に入力された電力の1/2を位相−180°で出力する出力端子K4と、前記入力端子K3に入力された電力の1/2を位相−180°で出力すると共に、前記入力端子K7に入力された電力の1/2を位相−90°で出力する出力端子K8とを有する第3ハイブリッドリングと、前記出力端子K2と前記入力端子K3との間に接続されている第1線路と、前記出力端子K6と前記入力端子K9との間に接続されている第2線路と、前記出力端子K11と前記入力端子K7との間に接続されている第3線路とを備え、前記第2線路の位相量と前記第3線路の位相量との和と、前記第1線路の位相量との位相差が90°+(180°×N)(ただし、Nは0を含む正の整数)に設定されており、前記入力端子K1,K5,K12に入力された電力がそれぞれ均等に3分配されて前記出力端子K4,K8,K10から出力されることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、入力された電力が1/2ずつ分配される2つのハイブリッドリングと、入力された電力が1/3と2/3に分配される1つのハイブリッドリングとを用いて、第2線路の位相量と第3線路の位相量との和と、第1線路の位相量との位相差が90°+(180°×N)に設定されていることから、入力端子K1,K5,K12に入力された電力がそれぞれ均等に3分配されて出力端子K4,K8,K10から出力されるようになる。
これにより、ハイブリッドリングからなる3合成3分配器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の3合成3分配器の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の3合成3分配器の入力端子と出力端子間との位相量の一例を示す図表である。
【図3】本発明の3合成3分配器の入力端子と出力端子間との位相量の理論値を示す図表である。
【図4】本発明の3合成3分配器の設定を変えた際の入力端子と出力端子間との位相量の理論値を示す図表である。
【図5】本発明の第1実施例にかかる3合成3分配器の入力端子と出力端子間における位相量の実測値を示す図表である。
【図6】本発明の第1実施例にかかる3合成3分配器の入力端子と出力端子間における合成分配損失の実測値を示す図表である。
【図7】本発明の第1実施例にかかる3合成3分配器における端子間減衰量の実測値を示す図表である。
【図8】本発明の第1実施例にかかる3合成3分配器の各端子におけるVSWRの実測値を示す図表である。
【図9】本発明の第1実施例にかかる3合成3分配器の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例にかかる3合成3分配器の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3実施例にかかる3合成3分配器の構成を示す図である。
【図12】従来のハイブリッドリングの構成および他のハイブリッドリングの構成を示す回路図である。
【図13】従来のハイブリッドリングからなる4合成4分配器の構成を示す回路図である。
【図14】従来のハイブリッドリングからなる4合成4分配器の入力端子と出力端子間との位相量を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の複数のハイブリッドリングからなる3合成3分配器の構成を示す回路図を図1に示す。
図1に示す3合成3分配器1は、電力分配比が1対1とされ1/2ずつ均等分配される第1ハイブリッドリング10および第3ハイブリッドリング15と、電力分配比が2対1とされ1/3と2/3に不等分配される第2ハイブリッドリング13と、第1ハイブリッドリング10と第3ハイブリッドリング15間に接続された第1線路11と、第1ハイブリッドリング10と第2ハイブリッドリング13間に接続された第2線路12と、第2ハイブリッドリング13と第3ハイブリッドリング15間に接続された第3線路14とから構成されている。3合成3分配器1における入力端子はPi1,Pi2,Pi3とされ、出力端子はPo1,Po2,Po3とされている。第1ハイブリッドリング10および第3ハイブリッドリング15は、例えば図12(a)に示す構成とされ、入出力端子に接続される外部インピーダンスが50Ωとされている。使用周波数帯域の中心周波数Foの波長をλoとした場合、第1ハイブリッドリング10におけるK1〜K5間の線路およびK2〜K6間の線路は、特性インピーダンスが50Ωで電気長1/4λoの分布定数線路とされている。また、第1ハイブリッドリング10におけるK1〜K2間の線路およびK5〜K6間の線路は、特性インピーダンスが約35.36Ω(50/√2Ω)で、電気長1/4λoの分布定数線路とされている。第3ハイブリッドリング15も同様に、K3〜K7間の線路およびK4〜K8間の線路は、特性インピーダンスが50Ωで電気長1/4λoの分布定数線路とされている。さらに、第3ハイブリッドリング15におけるK3〜K4間の線路およびK7〜K8間の線路は、特性インピーダンスが約35.36Ω(50/√2Ω)で、電気長1/4λoの分布定数線路とされている。
【0013】
第2ハイブリッドリング13は、例えば電力分配比が2対1とされ1/3と2/3に不等分配される図12(b)に示す構成とされ、入出力端子に接続される外部インピーダンスが50Ωとされている。使用周波数帯域の中心周波数Foの波長をλoとした場合、第2ハイブリッドリング13におけるK9〜K12間の線路およびK10〜K11間の線路は、特性インピーダンスが約70.7Ωで電気長1/4λoの分布定数線路とされている。また、第2ハイブリッドリング13におけるK9〜K10間の線路およびK12〜K11間の線路は、特性インピーダンスが約40.82Ωで、電気長1/4λoの分布定数線路とされている。
ここでは、第1ハイブリッドリング10の2つの入力端子がK1,K5端子とされ、K1,K5端子は高周波電力Pw1,Pw2がそれぞれ入力される入力端子Pi1,Pi2にそれぞれ接続されている。また、第2ハイブリッドリング13の一方の入力端子であるK12端子が、高周波電力Pw3が入力される入力端子Pi3に接続されている。
【0014】
第1ハイブリッドリング10の2つの出力端子はK2,K6端子とされ、K2端子は位相量β1の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15の一方の入力端子であるK3端子に接続され、K6端子は位相量β2の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13の他方の入力端子であるK9端子に接続されている。また、第2ハイブリッドリング13の2つの出力端子はK10,K11端子とされ、K11端子は位相量β3の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15の他方の入力端子であるK7端子に接続され、K10端子は出力端子Po3に接続されている。さらに、第3ハイブリッドリング15の一方の出力端子であるK4端子は出力端子Po1に接続され、他方の出力端子であるK8端子は出力端子Po2に接続されている。
【0015】
ここで、入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po1から出力される電力についてみると、入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po1から出力される経路は2つあり、2つの経路からの電力が合成されて出力端子Po1から出力されることになる。2つの経路における一方の第1経路は、Pi1→K1→K2→第1線路11→K3→K4→Po1の経路であり、他方の第2経路はPi1→K1→K6→第2線路12→K9→K11→第3線路14→K7→K4→Po1の経路である。
まず、第1経路について説明すると、入力端子Pi1からK1端子に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK2端子から位相−90°のPw1/2の電力で出力される。このK2端子は、位相量β1の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K3端子に位相(−90°−β1)のPw1/2の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相(−180°−β1)のPw1/4の電力が出力される。
【0016】
次に第2経路について説明すると、入力端子Pi1からK1端子に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−180°のPw1/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相(−180°−β2)のPw1/2の電力が入力されることから、K11端子から位相(−360°−β2)のPw1/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相(−360°−β2−β3)のPw1/6の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相(−540°−β2−β3)のPw1/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po1からは、第1経路からの位相(−180°−β1)のPw1/4の電力と、第2経路からの位相(−540°−β2−β3)のPw1/12の電力とが合成されて出力されることになる。ここで、(β2+β3)の位相量とβ1の位相量との位相差を90°に設定するように、位相量β1を−90°、位相量β2,β3をともに0°に設定すると、位相が−270°のPw1/4の電力と、位相が−540°のPw1/12との電力が合成されることになる。
【0017】
第1経路と第2経路の積算電力を合成するために、電圧比に換算した後でベクトル合成して合成電圧比を求め、その合成電圧比から合成電力比を算出する。第1経路の積算電力分配比は1/4でありその平方根をとって電圧分配比を求めると√(1/4)となり、第2経路の積算電力分配比は1/12でありその平方根をとって電圧分配比を求めると√(1/12)となる。第1経路と第2経路との位相差は90°であるから、位相差が90°の2つの電圧をベクトル合成するには、各々二乗して和を求め更にその平方根を求めると、合成電圧比が得られる。この手順に従って計算を進めると、√(1/4)の二乗は1/4であり、√(1/12)の二乗は1/12となって、その和は1/3となる。その平方根は√(1/3)となり、これがベクトル合成電圧比となる。合成電圧比を二乗すれば合成電力比が求まるので、√(1/3)を二乗すると1/3が得られ、これが最終的な電力分配合成比となり、出力端子Po1からはPw1/3の合成電力が出力される。電力比1/3はdB換算で約−4.77dBとなり、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−240°となる。
【0018】
次に、入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po2から出力される電力についてみると、入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po2から出力される経路も2つあり、2つの経路からの電力が合成されて出力端子Po2から出力されることになる。一方の第1経路は、Pi1→K1→K2→第1線路11→K3→K8→Po2の経路であり、他方の第2経路はPi1→K1→K6→第2線路12→K9→K11→第3線路14→K7→K8→Po2の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、第1経路について説明すると、入力端子Pi1からK1端子に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK2端子から位相−90°のPw1/2の電力で出力される。このK2端子は、位相量β1(=90°)の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K3端子に位相−180°のPw1/2の電力が入力されることから、K8端子を介して出力端子Po2から位相−360°のPw1/4の電力が出力される。
【0019】
次に第2経路については、入力端子Pi1からK1端子に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−180°のPw1/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=0°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−180°のPw1/2の電力が入力されることから、K11端子から位相−360°のPw1/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−360°のPw1/6の電力が入力されることから、K8端子を介して出力端子Po2から位相−450°のPw1/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po2からは、第1経路からの位相−360°のPw1/4の電力と、第2経路からの位相−540°のPw1/12の電力とが合成されて出力されることになる。上記と同様にして計算すると、出力端子Po2における電力分配合成比として1/3(dB換算で約−4.77dB)が得られてPw1/3の合成電力が出力端子Po2から出力される。この時の、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−30°(=−390°)となる。
【0020】
さらに、入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po3から出力される電力についてみると、入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po3から出力される経路は1つだけとされている。この経路は、Pi1→K1→K6→第2線路12→K9→K10→Po3の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、この経路について説明すると、入力端子Pi1からK1端子に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−180°のPw1/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=0°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−180°のPw1/2の電力が入力されることから、K10端子から位相−270°のPw1/3の電力が出力される。このK10端子は出力端子Po3に接続されていることから、出力端子Po3から位相−270°のPw1/3の電力が出力される。
このように、入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1は、出力端子Po1,Po2,Po3に均等に1/3ずつに分配されて出力されるようになる。
【0021】
次に、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po1〜Po3から出力される電力について説明する。まず、出力端子Po1についてみると、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po1から出力される経路は2つあり、2つの経路からの電力が合成されて出力端子Po1から出力されることになる。第1経路は、Pi2→K5→K2→第1線路11→K3→K4→Po1の経路であり、第2経路はPi2→K5→K6→第2線路12→K9→K11→第3線路14→K7→K4→Po1の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、この経路について説明すると、第1経路では、入力端子Pi2からK5端子に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK2から位相−180°のPw2/2の電力で出力される。この端子K2は、位相量β1(=90°)の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K3端子に位相−270°のPw2/2の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−360°のPw2/4の電力が出力される。
【0022】
第2経路では、入力端子Pi2からK5端子に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−90°のPw2/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=0°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−90°のPw2/2の電力が入力されることから、K11端子から位相−270°のPw2/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−270°のPw2/6の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−450°のPw2/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po1からは、第1経路からの位相−360°のPw2/4の電力と、第2経路からの位相−450°のPw2/12の電力とが合成されて出力されることになる。上記と同様にして計算すると、出力端子Po1における電力分配合成比として1/3(dB換算で約−4.77dB)が得られてPw2/3の合成電力が出力端子Po1から出力される。この時の、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−30°(=−390°)となる。
【0023】
次に、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po2から出力される電力についてみると、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po2から出力される経路は2つあり、2つの経路からの電力が合成されて出力端子Po2から出力されることになる。第1経路は、Pi2→K5→K2→第1線路11→K3→K8→Po2の経路であり、第2経路はPi2→K5→K6→第2線路12→K9→K11→第3線路14→K7→K8→Po2の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、この経路について説明すると、第1経路では、入力端子Pi2からK5端子に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK2から位相−180°のPw2/2の電力で出力される。この端子K2は、位相量β1(=90°)の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K2端子に位相−270°のPw2/2の電力が入力されることから、K8端子を介して出力端子Po2から位相−450°のPw2/4の電力が出力される。
【0024】
第2経路では、入力端子Pi2からK5端子に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−90°のPw2/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=0°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−90°のPw2/2の電力が入力されることから、K11端子から位相−270°のPw2/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−270°のPw2/6の電力が入力されることから、K8端子を介して出力端子Po2から位相−360°のPw2/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po2からは、第1経路からの位相−450°のPw2/4の電力と、第2経路からの位相−360°のPw2/12の電力とが合成されて出力されることになる。上記と同様にして計算すると、出力端子Po2における電力分配合成比として1/3(dB換算で約−4.77dB)が得られてPw2/3の合成電力が出力端子Po2から出力される。この時の、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−60°(=−420°)となる。
【0025】
さらに、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po3から出力される電力についてみると、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po3から出力される経路は1つだけとされている。この経路は、Pi2→K5→K6→第2線路12→K9→K10→Po3の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、この経路について説明すると、入力端子Pi2からK5端子に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−90°のPw2/2の電力で出力される。このK3端子は、位相量β2(=0°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−90°のPw2/2の電力が入力されることから、K10端子から位相−180°のPw2/3の電力が出力される。このK10端子は出力端子Po3に接続されていることから、出力端子Po3から位相−180°のPw2/3の電力が出力される。
このように、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2は、出力端子Po1,Po2,Po3に均等に1/3ずつ分配されて出力されるようになる。
【0026】
次に、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po1〜Po3から出力される電力について説明する。まず、出力端子Po1についてみると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po1から出力される経路は、Pi3→K12→K11→第3線路14→K7→K4→Po1の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、この経路について説明すると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3は、第2ハイブリッドリング13のK12に入力されることから、K11端子から位相−90°の2Pw3/3の電力で出力される。この端子K11は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−90°の2Pw3/3の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−270°のPw3/3の電力が出力される。
【0027】
次に、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po2から出力される電力についてみると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po2から出力される経路はPi3→K12→K11→第3線路14→K7→K8→Po2の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、この経路について説明すると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3は、第2ハイブリッドリング13のK12に入力されることから、K11端子から位相−90°の2Pw3/3の電力で出力される。この端子K11は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−90°の2Pw3/3の電力が入力されることから、K8端子を介して出力端子Po2から位相−180°のPw3/3の電力が出力される。
【0028】
さらに、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po3から出力される電力についてみると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po3から出力される経路はPi3→K12→K10→Po3の経路である。
第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定したとして、この経路について説明すると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3は、第2ハイブリッドリング13のK12に入力されることから、K10端子から位相−180°のPw3/3の電力で出力される。この端子K10は出力端子Po3に接続されていることから、出力端子Po3から位相−180°のPw3/3の電力が出力される。
このように、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3は、出力端子Po1,Po2,Po3に均等に1/3ずつ分配されて出力されるようになる。
【0029】
本発明にかかる3合成3分配器1は、上記したように入力端子Pi1,Pi2,Pi3から入力された高周波電力Pw1,Pw2,Pw3が、それぞれ均等に3分配された合成出力(Pw1/3+Pw2/3+Pw3/3)が出力端子Po1,Po2,Po3からそれぞれ出力されるようになる。この本発明にかかる3合成3分配器1の入力端子Pi1,Pi2,Pi3と出力端子Po1,Po2,Po3との間の位相量を示す図表を図2に示している。図2に示す図表は、第1線路11の位相量β1を−90°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定した時の位相とされている。
【0030】
また、第1線路11の位相量β1を0°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に−45°に設定した時の、本発明にかかる3合成3分配器1の入力端子Pi1,Pi2,Pi3と出力端子Po1,Po2,Po3との間の位相量を示す図表を図3に示している。
図3の図表を例を挙げて説明するが、第1線路11ないし第3線路14の位相量だけが異なっていることから、主に位相量に関しての説明をする。入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po1から出力される電力についてみると、上記した第1経路では、入力端子Pi1からK1端子に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK2端子から位相−90°のPw1/2の電力で出力される。この端子K2は、位相量β1(=0°)の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K3端子に位相−90°のPw1/2の電力が入力されることから、端子K4を介して出力端子Po1から位相−180°のPw1/4の電力が出力される。
【0031】
また、上記した第2経路では、入力端子Pi1から端子K1に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−180°のPw1/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=45°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−225°のPw1/2の電力が入力されることから、K11端子から位相−405°のPw1/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3(=45°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−450°のPw1/6の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−630°のPw1/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po1からは、第1経路からの位相−180°のPw1/4の電力と、第2経路からの位相−630°(=−270°)のPw1/12の電力とが合成されて出力されることになる。上記と同様にして計算すると、出力端子Po1における電力分配合成比として1/3(dB換算で約−4.77dB)が得られてPw1/3の合成電力が出力端子Po1から出力される。この時の、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−210°となる。
【0032】
また、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po1から出力される電力についてみると、上記した第1経路では、入力端子Pi2から端子K5に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK2から位相−180°のPw2/2の電力で出力される。この端子K2は、位相量β1(=0°)の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K3端子に位相−180°のPw2/2の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−270°のPw2/4の電力が出力される。
【0033】
また、上記した第2経路では、入力端子Pi2から端子K5に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−90°のPw2/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=45°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−135°のPw2/2の電力が入力されることから、K11端子から位相−315°のPw2/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3(=45°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−360°のPw2/6の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−540°のPw2/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po1からは、第1経路からの位相−270°のPw2/4の電力と、第2経路からの位相−540°(=−180°)のPw2/12の電力とが合成されて出力されることになる。上記と同様にして計算すると、出力端子Po1における電力分配合成比として1/3(dB換算で約−4.77dB)が得られてPw2/3の合成電力が出力端子Po1から出力される。この時の、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−240°となる。
【0034】
さらに、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po1から出力される電力についてみると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3は、第2ハイブリッドリング13のK12端子に入力されることから、K11端子から位相−90°の2Pw3/3の電力で出力される。このK11端子は、位相量β3(=45°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−135°の2Pw3/3の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−315°のPw3/3の電力が出力される。
【0035】
このように、入力端子Pi1,Pi2,Pi3に入力された高周波電力Pw1,Pw2,Pw3は、出力端子Po1に1/3ずつ均等に分配されて出力されるようになる。また、説明は省略するが、入力端子Pi1,Pi2,Pi3に入力された高周波電力Pw1,Pw2,Pw3は、出力端子Po2,Po3にそれぞれ1/3ずつ均等に分配されて出力されるようになる。すなわち、第1線路11の位相量β1を0°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に−45°に設定した時も、入力端子Pi1,Pi2,Pi3から入力された高周波電力Pw1,Pw2,Pw3が、それぞれ均等に3分配された合成出力(Pw1/3+Pw2/3+Pw3/3)が出力端子Po1,Po2,Po3からそれぞれ出力されるようになる。また、入力端子Pi1,Pi2,Pi3と出力端子Po1,Po2,Po3との間の位相量も図3に示すようになる。
上記の説明では、第1線路11の位相量β1と、第2線路12の位相量β2と第3線路14の位相量β3との和との位相差が90°に設定されており、この設定時において本発明にかかる3合成3分配器1は、3合成3分配器として動作する。また、この位相差を270°とした時も、本発明にかかる3合成3分配器1は、3合成3分配器として動作する。ただし、入力端子Pi1,Pi2,Pi3と出力端子Po1,Po2,Po3との間の位相量はさらに−180°遅れるようになる。このように、本発明にかかる3合成3分配器1においては、第1線路11の位相量β1と、第2線路12の位相量β2と第3線路14の位相量β3との和との位相差を90°+(180°×N)(ただし、Nは0を含む正の整数)に設定した時に、3合成3分配器として動作するようになる。
【0036】
ここで、上記した式のNを2として第1線路11の位相量β1を−450°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定した時の、本発明にかかる3合成3分配器1の入力端子Pi1,Pi2,Pi3と出力端子Po1,Po2,Po3との間の位相量を示す図表を図4に示している。
図4の図表を例を挙げて説明するが、第1線路11ないし第3線路14の位相量だけが異なっていることから、主に位相量に関しての説明をする。入力端子Pi1に入力された高周波電力Pw1が出力端子Po1から出力される電力についてみると、上記した第1経路では、入力端子Pi1からK1端子に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK2端子から位相−90°のPw1/2の電力で出力される。この端子K2は、位相量β1(=450°)の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K3端子に位相−540°のPw1/2の電力が入力されることから、端子K4を介して出力端子Po1から位相−630°のPw1/4の電力が出力される。
【0037】
また、上記した第2経路では、入力端子Pi1から端子K1に入力された高周波電力Pw1は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−180°のPw1/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=0°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−180°のPw1/2の電力が入力されることから、K11端子から位相−360°のPw1/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−360°のPw1/6の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−540°のPw1/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po1からは、第1経路からの位相−630°(=−270°)のPw1/4の電力と、第2経路からの位相−540°(=−180°)のPw1/12の電力とが合成されて出力されることになる。上記と同様にして計算すると、出力端子Po1における電力分配合成比として1/3(dB換算で約−4.77dB)が得られてPw1/3の合成電力が出力端子Po1から出力される。この時の、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−240°となる。
【0038】
また、入力端子Pi2に入力された高周波電力Pw2が出力端子Po1から出力される電力についてみると、上記した第1経路では、入力端子Pi2から端子K5に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK2から位相−180°のPw2/2の電力で出力される。この端子K2は、位相量β1(=450°)の第1線路11を介して第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されており、K3端子に位相−630°のPw2/2の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−720°のPw2/4の電力が出力される。
【0039】
また、上記した第2経路では、入力端子Pi2から端子K5に入力された高周波電力Pw2は、第1ハイブリッドリング10のK6端子から位相−90°のPw2/2の電力で出力される。このK6端子は、位相量β2(=0°)の第2線路12を介して第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されており、K9端子に位相−90°のPw2/2の電力が入力されることから、K11端子から位相−270°のPw2/6の電力が出力される。このK11端子は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−270°のPw2/6の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−450°のPw2/12の電力が出力される。
このように、出力端子Po1からは、第1経路からの位相−720°(=0°)のPw2/4の電力と、第2経路からの位相−450°(=−90°)のPw2/12の電力とが合成されて出力されることになる。上記と同様にして計算すると、出力端子Po1における電力分配合成比として1/3(dB換算で約−4.77dB)が得られてPw2/3の合成電力が出力端子Po1から出力される。この時の、合成電力の位相は、第1経路と第2経路の各々の電圧と位相から−30°となる。
【0040】
さらに、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3が出力端子Po1から出力される電力についてみると、入力端子Pi3に入力された高周波電力Pw3は、第2ハイブリッドリング13のK12端子に入力されることから、K11端子から位相−90°の2Pw3/3の電力で出力される。このK11端子は、位相量β3(=0°)の第3線路14を介して第3ハイブリッドリング15のK7端子に接続されており、K7端子に位相−90°の2Pw3/3の電力が入力されることから、K4端子を介して出力端子Po1から位相−270°のPw3/3の電力が出力される。
【0041】
このように、入力端子Pi1,Pi2,Pi3に入力された高周波電力Pw1,Pw2,Pw3は、出力端子Po1に1/3ずつ均等に分配されて出力されるようになる。また、説明は省略するが、入力端子Pi1,Pi2,Pi3に入力された高周波電力Pw1,Pw2,Pw3は、出力端子Po2,Po3にそれぞれ1/3ずつ均等に分配されて出力されるようになる。すなわち、第1線路11の位相量β1を−450°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定した時も、入力端子Pi1,Pi2,Pi3から入力された高周波電力Pw1,Pw2,Pw3が、それぞれ均等に3分配された合成出力(Pw1/3+Pw2/3+Pw3/3)が出力端子Po1,Po2,Po3からそれぞれ出力されるようになる。また、入力端子Pi1,Pi2,Pi3と出力端子Po1,Po2,Po3との間の位相量も図4に示すようになる。
【0042】
本発明の3合成3分配器1を実現した第1実施例の3合成3分配器2の構成を図9に示す。
図9に示す第1実施例の3合成3分配器2は、矩形の基板2a上にプリントパターンにより構成されている。基板2aはプリント基板とされ、裏面の全面がアース面とされている。基板2aの表面に第1ハイブリッドリング10、第2ハイブリッドリング13と第3ハイブリッドリング15とがプリントパターンにより形成されている。ハイブリッドリング10,13,15の線路パターンは円形状に形成されており、第1ハイブリッドリング10におけるK1〜K2間の線路、K5〜K6間の線路、K1〜K5間の線路およびK2〜K6間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされている。同様に、第2ハイブリッドリング13におけるK9〜K10間の線路、K11〜K12間の線路、K9〜K12間の線路およびK10〜K11間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされており、第3ハイブリッドリング15におけるK3〜K4間の線路、K7〜K8間の線路、K3〜K7間の線路およびK4〜K8間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされている。
【0043】
また、第1ハイブリッドリング10のK2端子からPa端子の引出線がプリントパターンにより形成され、第3ハイブリッドリング15のK3端子からPb端子の引出線がプリントパターンにより形成されて、同軸ケーブル等からなる第1線路11によりPa端子とPb端子とが接続されている。この場合、Pa端子からPb端子までを90°に相当する長さの線路では短すぎて接続することができず、第1線路11を約450°に相当する長さの線路としている。また、端子K6とK9および端子K11と端子K7とはプリントパターンにより直結されている。さらに、端子K1から入力端子Pi1の引出線がプリントパターンにより形成され、同様に、端子K5から入力端子Pi2の引出線が、端子K12から出力端子Pi3の引出線が、端子K4から出力端子Po1の引出線が、端子K8から出力端子Po2の引出線が、端子K10から出力端子Po3の引出線がプリントパターンにより形成されている。
【0044】
このように、図9に示す本発明の第1実施例にかかる3合成3分配器2は、第1線路11を約450°の位相に相当する長さの同軸ケーブルで構成してPa端子とPb端子とが位相量450°の線路で接続され、第2線路12が省略されてK6端子とK9端子とが直結されると共に、第3線路14が省略されてK11端子とK7端子とが直結されている。この第1実施例の3合成3分配器2において、各入出力端子間の位相量を実測した値の図表を図5に、入力端子と出力端子間における合成分配損失の実測値の図表を図6に、端子間減衰量の実測値の図表を図7に、各端子におけるVSWR(電圧定在波比)の実測値の図表を図8に示す。この場合、設計周波数は620MHzとされており、板厚が約1mm、誘電率が約2.6の両面銅張りの基板2aの表面に、外周が約80mmの各ハイブリッドリングの線路パターンを形成し、Pa〜Pb間を約450°相当の線路長の同軸ケーブルからなる第1線路11で結んだ時の実測値である。
いる。
【0045】
第1実施例の3合成3分配器2における各入出力端子間の図5に示す位相量実測値の図表と、第1線路11の位相量β1を−450°、第2線路12と第3線路14の位相量β2と位相量β3とを共に0°に設定した時の各入出力端子間の位相量理論値を示す図4の図表とを対比して参照する。図4に示す各入出力端子間の位相量は理論値であり、図4に示す各入出力端子間の位相量と一致するはずであるが、二つの図表を比較すると、おおよそ50°だけ位相量に差異があるものの、相対位相差はほぼ一致している。この差異は、各入出力端子からの引き出し線路長によるものと考えられることから、各入出力端子間の位相量実測値は理論値に一致しているといえる。
【0046】
また、第1実施例の3合成3分配器2における各端子間の図6に示す端子間減衰量の実測値の図表を参照すると、第1実施例の3合成3分配器2における各端子間の端子間減衰量は、Po1〜Po2の端子間において最も良好な約46.3dBが得られており、端子間減衰量は悪くてもPo1〜Po3の端子間において最も良好な約46.3dBが得られており合成分配損失偏差が少なく、合成分配損失がほぼ理論値に一致していることが分かる。
また、第1実施例の3合成3分配器2における入出力端子間の図7に示す合成分配損失の実測値の図表を、入出力端子間の合成分配損失の理論値である4.77dBと対比して参照すると、第1実施例の3合成3分配器2における入出力端子間の合成分配損失偏差が少なく、合成分配損失がほぼ理論値に一致していることが分かる。
さらに、第1実施例の3合成3分配器2における各端子の図8に示すVSWRの実測値を参照すると、第1実施例の3合成3分配器2における各端子のVSWRは、入力端子Pi1において最も良好な約1.08が得られており、VSWRは悪くても入力端子Pi2における約1.16とされており、各端子において良好なVSWRが得られていることが分かる。
【0047】
次に、本発明の3合成3分配器1を実現した第2実施例の3合成3分配器3の構成を図10に示す。
図10に示す第2実施例の3合成3分配器3は、背中合わせに配置した2枚の矩形のプリント基板からなる基板3a上にプリントパターンにより構成されている。基板3aの表側のプリント基板は、裏面の全面がアース面とされており、その表面に第1ハイブリッドリング10と第3ハイブリッドリング15とがプリントパターンにより形成されている。また、基板3aの裏側のプリント基板は、裏面の全面がアース面とされており、その表面に第2ハイブリッドリング13がプリントパターンにより形成されている。このような表側のプリント基板の裏面と、裏側のプリント基板の裏面とが電気的に接続されて貼着されることにより第2実施例の3合成3分配器3が構成されている。これらのハイブリッドリング10,13,15の線路パターンは円形状に形成されており、第1ハイブリッドリング10におけるK1〜K2間の線路、K5〜K6間の線路、K1〜K5間の線路およびK2〜K6間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされている。同様に、第2ハイブリッドリング13におけるK9〜K10間の線路、K11〜K12間の線路、K9〜K12間の線路およびK10〜K11間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされており、第3ハイブリッドリング15におけるK3〜K4間の線路、K7〜K8間の線路、K3〜K7間の線路およびK4〜K8間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされている。
【0048】
また、第1ハイブリッドリング10のK2端子は、プリントパターンにより形成された第1線路11により、第3ハイブリッドリング15のK3端子に接続されている。この場合、K2端子からK3端子までは90°に相当する長さの第1線路11により接続されている。また、端子K6とK9および端子K11と端子K7とは基板3aを貫通して形成されているスルーホール3b,3cによりそれぞれ直結されている。このスルーホール3b,3cは、基板3aを構成している背中合わせに配置した2枚のプリント基板のアース面と接触しないように形成されている。さらに、端子K1から入力端子Pi1の引出線がプリントパターンにより形成され、同様に、端子K5から入力端子Pi2の引出線が、端子K12から出力端子Pi3の引出線が、端子K4から出力端子Po1の引出線が、端子K8から出力端子Po2の引出線が、端子K10から出力端子Po3の引出線がプリントパターンにより形成されている。
このように、図10に示す本発明の第2実施例にかかる3合成3分配器3は、第1線路11を約90°の位相に相当する長さのプリントパターンで構成してK2端子とK3端子とが位相量90°の線路で接続され、第2線路12が省略されてK6端子とK9端子とが直結されると共に、第3線路14が省略されてK11端子とK7端子とが直結されている。
【0049】
次に、本発明の3合成3分配器1を実現した第3実施例の3合成3分配器4の構成を図11に示す。
図11に示す第3実施例の3合成3分配器4は、背中合わせに配置した2枚の矩形のプリント基板からなる基板4a上にプリントパターンにより構成されている。基板4aの表側のプリント基板は、裏面の全面がアース面とされており、その表面に第1ハイブリッドリング10と第3ハイブリッドリング15とがプリントパターンにより形成されている。また、基板4aの裏側のプリント基板は、裏面の全面がアース面とされており、その表面に第2ハイブリッドリング13がプリントパターンにより形成されている。このような表側のプリント基板の裏面と、裏側のプリント基板の裏面とが電気的に接続されて貼着されることにより第3実施例の3合成3分配器4が構成されている。これらのハイブリッドリング10,13,15の線路パターンは円形状に形成されており、第1ハイブリッドリング10におけるK1〜K2間の線路、K5〜K6間の線路、K1〜K5間の線路およびK2〜K6間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされている。同様に、第2ハイブリッドリング13におけるK9〜K10間の線路、K11〜K12間の線路、K9〜K12間の線路およびK10〜K11間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされており、第3ハイブリッドリング15におけるK3〜K4間の線路、K7〜K8間の線路、K3〜K7間の線路およびK4〜K8間の線路は、図1に示す電気長の分布定数線路とされている。
【0050】
また、第1ハイブリッドリング10のK2端子は、プリントパターンにより第3ハイブリッドリング15のK3端子に直結されている。また、端子K6からは45°に相当する長さの第2線路12のプリントパターンが引き出されており、この第2線路12の先端は基板4aを貫通して形成されているスルーホール4cにより第2ハイブリッドリング13のK9端子に接続されている。さらに、端子K7からは45°に相当する長さの第3線路14のプリントパターンが引き出されており、この第3線路14の先端は基板4aを貫通して形成されているスルーホール4bにより第2ハイブリッドリング13のK11端子に接続されている。なお、スルーホール4b,4cは、基板4aを構成している背中合わせに配置した2枚のプリント基板のアース面と接触しないように形成されている。さらにまた、端子K1から入力端子Pi1の引出線がプリントパターンにより形成され、同様に、端子K5から入力端子Pi2の引出線が、端子K12から出力端子Pi3の引出線が、端子K4から出力端子Po1の引出線が、端子K8から出力端子Po2の引出線が、端子K10から出力端子Po3の引出線がプリントパターンにより形成されている。
このように、図11に示す本発明の第3実施例にかかる3合成3分配器4は、第1線路11が省略されてK2端子とK3端子とが直結され、第2線路12を約45°の位相に相当する長さのプリントパターンで構成してK6端子とK9端子とが位相量45°の第2線路12で接続されると共に、第3線路14を約45°の位相に相当する長さのプリントパターンで構成してK11端子とK7端子とが位相量45°の第3線路14で接続されている。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上説明した本発明にかかる3合成3分配器においては、3つの入力電力を均等に3分配して3つの出力端子から出力することができる。本発明にかかる3合成3分配器は、3台の送信機からの送信電力を均等に3台のアンテナに3分配して供給したり、3台のアンテナからの受信電力を均等に3台の受信機に3分配して供給することができるようになる。また、本発明にかかる3合成3分配器においては、第1線路11の位相量β1と、第2線路12の位相量β2と第3線路14の位相量β3との和との位相差が90°に設定されるが、位相差は厳密に90°とされる必要はなく、約90°の位相差とされていれば3合成3分配されるようになる。
なお、第2実施例および第3実施例の3合成3分配器の端子間減衰量特性、合成分配損失特性およびVSWR特性は、第1実施例の3合成3分配器の上記した特性とほぼ同様の実測値が得られる。
【符号の説明】
【0052】
1 3合成3分配器、2 3合成3分配器、2a 基板、3 3合成3分配器、3a 基板、3b,3c スルーホール、4 3合成3分配器、4a 基板、4b スルーホール、4c スルーホール、10 ハイブリッドリング、11 第1線路、12 第2線路、13 第2ハイブリッドリング、14 第3線路、15 第3ハイブリッドリング、100 ハイブリッドリング、101 第1線路、102 第2線路、103 第3線路、104 第4線路、110 ハイブリッドリング、111 線路、112 線路、113 線路、114 線路、200 4合成4分配器、201〜204 ハイブリッドリング、K1〜K12 端子、Pi1,Pi2,Pi3 入力端子、Pi1〜Pi4 入力端子、Po1,Po2,Po3 出力端子、Po1〜Po4 出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの入力端子K1,K5を有すると共に、該入力端子K1に入力された電力の1/2を位相−90°で出力すると共に、前記入力端子K5に入力された電力の1/2を位相−180°で出力する出力端子K2と、前記入力端子K1に入力された電力の1/2を位相−180°で出力すると共に、前記入力端子K5に入力された電力の1/2を位相−90°で出力する出力端子K6とを有する第1ハイブリッドリングと、
2つの入力端子K9,K12を有すると共に、該入力端子K9に入力された電力の2/3を位相−90°で出力すると共に、前記入力端子K12に入力された電力の1/3を位相−180°で出力する出力端子K10と、前記入力端子K9に入力された電力の1/3を位相−180°で出力すると共に、前記入力端子K12に入力された電力の2/3を位相−90°で出力する出力端子K11とを有する第2ハイブリッドリングと、
2つの入力端子K3,K7を有すると共に、該入力端子K3に入力された電力の1/2を位相−90°で出力すると共に、前記入力端子K7に入力された電力の1/2を位相−180°で出力する出力端子K4と、前記入力端子K3に入力された電力の1/2を位相−180°で出力すると共に、前記入力端子K7に入力された電力の1/2を位相−90°で出力する出力端子K8とを有する第3ハイブリッドリングと、
前記出力端子K2と前記入力端子K3との間に接続されている第1線路と、前記出力端子K6と前記入力端子K9との間に接続されている第2線路と、前記出力端子K11と前記入力端子K7との間に接続されている第3線路とを備え、
前記第2線路の位相量と前記第3線路の位相量との和と、前記第1線路の位相量との位相差が90°+(180°×N)(ただし、Nは0を含む正の整数)に設定されており、前記入力端子K1,K5,K12に入力された電力がそれぞれ均等に3分配されて前記出力端子K4,K8,K10から出力されることを特徴とする3合成3分配器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−257018(P2012−257018A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128076(P2011−128076)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)