説明

3次元形状化装置及び同装置用砂盤装置

【課題】 入力されるデータに基づいて、3D表面を砂盤に形成し得る3D形状化装置を提供する。
【解決手段】 3D形状化装置は、データ処理装置と砂盤装置とからなる。データ処理装置は、入力される地形データから3次元マップデータを作成し、その3次元マップデータに基づいて砂盤に3次元的表面を形成するための3次元砂盤データに変換し、その3次元砂盤データに基づいて後記砂盤駆動部を駆動させる制御信号をその砂盤駆動部に与える。砂盤装置は、砂盤と、その下側に設けられた砂盤駆動部とを有し、砂盤は、一定長を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、昇降自在に保持してなり、砂盤駆動部は、データ処理装置からの制御信号に基づいて砂盤の選択されたロッドを高さ方向の指定された位置まで移動させ、又は原位置に復帰させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元画像データに基づいて3次元表面を形成する3次元形状化装置及び同装置に用いられる砂盤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
起伏を付けたジオラマを作り、そこに模型戦車などを置いて、図上演習を行うことがある。そのジオラマを作るには、従来、砂を盛り上げて模擬地形を作成する、砂盤と称されるものが用いられてきた。
【特許文献1】特になし。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の砂盤は、底板の周囲に枠板を接続してなる箱の中に砂を収容して構成され、その砂を手や手動利器で移動して、地表面の自然形態とほぼ近似する凹凸面や傾斜面などを形成して模擬地形を作成するものであった。場合によってはその砂盤の上面に建物や橋梁や車両などに見立てた小道具を置いて、実環境に近づける努力が払われている。
従って、模擬地形の作成に手間がかかる割には、実地形を忠実に反映する模擬地形の作成は容易でなかった。そのため、砂盤上での演習が迫真性に乏しいという難点があった。まして、従来の砂盤に形成した模擬地形から実際の地形や環境を正しく認識することは、困難であった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする第1の課題は、入力される3次元画像データ(以下、3次元を3Dという場合がある。)に基づいて、その3D画像に忠実に近似する形状を有する3D表面を砂盤に形成することができる3D形状化装置を提供することにある。
【0005】
本発明の第2の課題は、入力される3D地形データに基づいて、表示装置(以下、モニタという場合がある。)に2次元的に表示される3D画像に忠実に近似する凹凸面を有する3D模擬地形を砂盤に作成することができる3D形状化装置を提供することにある。
【0006】
本発明の第3の課題は、上記第1の発明及び第2の発明に係る3D形状化装置を実現するための砂盤装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記第1の課題を解決するため、本発明に係る3D形状化装置は、(1)データ処理装置と砂盤装置とからなる。(2)前記データ処理装置は、外から入力する地形データから3次元マップデータを作成するとともに、その3次元マップデータに基づいて前記砂盤に3次元的表面を形成するための3次元砂盤データに変換し、その3次元砂盤データに基づいて前記砂盤駆動部を駆動させる制御信号をその砂盤駆動部に与えるものである。(3)前記砂盤装置は、砂盤と、その下側に設けられた砂盤駆動部とを有し、(a)前記砂盤は、一定長を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、昇降自在に保持してなるものである。(b)前記砂盤駆動部は、前記データ処理装置からの制御信号に基づいて前記砂盤の選択されたロッドを高さ方向の指定された位置まで移動させ、又は原位置に復帰させるものである。以上を特徴としている(請求項1)。
【0008】
上記構成により、入力する地形データに基づき3Dマップデータが作成され、その3Dマップデータから砂盤駆動部を制御駆動するための3D砂盤データに変換され、これに基づいて砂盤駆動部が駆動されて地形データの原地形とほぼ同じ模擬地形が砂盤に形成される。
【0009】
上記第2の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載の3次元形状化装置において、データ処理装置が、入力される地形データから3次元マップデータを作成するとともに、その3次元マップデータに基づいて砂盤に3次元的表面を形成するためのを表示装置による2次元表示のための2次元データに変換し、さらに、前記3次元マップデータを表示装置による2次元表示のための2次元データに変換し、前記3次元砂盤データに基づいて砂盤駆動部を駆動させる制御信号を前記砂盤駆動部に与え、かつ、前記2次元データに基づいて前記表示装置に地形画像を表示させる制御信号を与えるものであることを特徴としている(請求項4)。
【0010】
上記構成により、入力する地形データに基づき3Dマップデータが作成され、その3Dマップデータから2次元表示のための2次元データと砂盤駆動のための3D砂盤データに変換され、前者に基づいて表示画面に所定の地形が3次元的な表示方法で表示され、後者に基づいて表示された地形と同じ模擬地形が砂盤駆動部を介して砂盤に形成される。
【0011】
本発明の3D形状化装置は、データ処理装置が、外から入力される地形データを格納する地形データ格納部と、その地形データ格納部から地形データを読み出す地形データ読み出し部と、その地形データ格納部から読み出した地形データから3次元マップデータを作成する3次元グラフィック・エンジン部と、前記3次元マップデータを格納する3次元マップデータ格納部と、前記3次元マップデータを砂盤に3次元的表面を形成するための3次元砂盤データに変換するデータ変換部と、変換された3次元砂盤データを格納する砂盤データ格納部と、前記3次元マップデータを表示装置による2次元表示のための2次元データに変換するグラフィック・エンジン部と、変換された2次元データを格納する表示データ格納部と、前記3次元砂盤データに基づいて砂盤駆動部を駆動させる制御信号を与える砂盤制御部と、前記2次元データに基づいて前記表示装置に地形画像を表示させる制御信号を与える表示制御部とを有することを特徴としている(請求項7)。
【0012】
3D形状化装置は、砂盤が、上面に開放された筐体の中に、一定長を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、昇降自在に保持して構成されているほかに、前記ロッド群の上側に載せて周縁が前記筐体に固着されている可撓性と弾性を有するカバーシートを備えていることが好ましい(請求項2,5)。
このようなカバーシートを備えた場合は、砂盤のロッドの上端部のみで表示される表面よりも滑かな表面が形成され、実際の地形環境に近似する。
【0013】
上記カバーシートを備えた3D形状化装置は、データ処理装置に、外から入力される地形データ又は表示装置による2次元表示のための2次元データに基づいて、砂盤のカバーシートに映像を投射するプロジェクタが接続されていることが望ましい(請求項3,6)。
このようなプロジェクタを備えた場合は、砂盤のロッド群により形成された3次元的表面を滑かに表出するカバーシートの上面に、地形画像その他の画像を投射することができる。
【0014】
請求項7の地形データ読み出し部は、データ処理装置に付属する操作部を表示装置に表示されている地形画像を見ながらの操作により、地形データの読み出し範囲を指定することができるものであることが望ましい(請求項8)。
上記構成により、一定の地形の内、表示画面に表示させ又は砂盤に形成させたい領域を操作により広狭任意に設定することができる。
【0015】
請求項7の発明のデータ変換部は、3Dマップデータ格納部から読み出された3Dマップデータに含まれる位置データを、それぞれ前記砂盤を構成するロッド群の各ロッドを指定するためのロッド位置データと、当該ロッド位置データにより指定されたロッドの高さ方向の移動量を設定するためのロッド高さデータとに変換して、各ロッドに1対1に対応するロッド位置データとロッド高さデータとを内容とする3D模擬地形データを作成するものであり、砂盤制御部は、前記データ変換部から入力する3D模擬地形データのロッド位置データに基づいて、前記砂盤駆動部の所定位置のロッドに対応するアクチュエータを選択する選択信号及び前記3D模擬地形データのロッド高さデータに対応する高さ制御信号を前記砂盤駆動部に与えるものであることが望ましい(請求項9)。
上記構成により、砂盤には、地形の各地点の地理的特徴を備えた模擬地形を形成することができる。
【0016】
データ処理装置に外から地形データを入力する手段は、地形データを記録した記録媒体から地形データを読み取る地形データ読取機、地形を撮像して地形データを取得する撮像機、又はソフトウエアにより3D地形データを作成するコンピュータ・グラフィックのいずれであってもよい(請求項10)。
【0017】
請求項7の発明の砂盤制御部は、ロッド高さデータに対応する高さ制御信号として、出力すべきパルス数を指定する信号を出力するものであり、砂盤駆動部は、アクチュエータとして各ロッドに対応して設けられたステッピングモータを用い、前記制御部から与えられるパルス指定信号に基づいて所定数のパルスを前記ステッピングモータに与え、前記各ロッドは前記パルス数に対応する当該ステッピングモータの回転量により移動量が規定されるものであることを特徴としている(請求項11)。
【0018】
第3の課題を解決するため、本発明の砂盤装置は、砂盤と砂盤駆動装置からなり、前記砂盤は、一定の長さを有し、軸心にねじ孔が設けられた多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、かつ昇降自在に、しかし、回転不能に保持してなり、前記砂盤駆動装置は、前記各ロッドの下側に前記ロッドのねじ孔にねじ合わせてた状態で回転自在に支持されたねじ棒と、外部から入力するパルス信号により回転され、前記ねじ棒に回転力を与えるステッピングモータとから構成されていることを特徴としている(請求項12)。
【0019】
本発明の砂盤装置は、砂盤と砂盤駆動装置からなり、前記砂盤は、一定の長さを有し、下端部に永久磁石又は磁性材料を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、かつ昇降自在に保持してなり、前記砂盤駆動装置は、前記各ロッドに対応して設けられ、そのロッドの落下収容が可能な筒状のガイド部材と、そのガイドの外周面に所定間隔をもって配置され、砂盤制御部からの制御信号により所定位置まで順次通電される電磁コイルと、当該ロッドが所定位置まで移動されたときに、ロッドを押し付けて停止させるストッパとで構成することもできる(請求項13)。
【0020】
そのストッパは、電磁ソレノイドのプランジャの先端に摩擦係数の大きいクッションを設けてなり、クッションがロッド側に向けて取付けられていることが望ましい(請求項14)。
【0021】
ロッド群の各ロッドは、上昇されたロッドと、これに隣接する上昇されていないロッドとで、物体の偶角を表現できる距離に近接して配設されていることが望ましい(請求項15)。
【0022】
ロッドの先端に電気的に発光する発光体が設けられ、各発光体はロッド位置データに基づいてコンピュータにより発光されることが望ましい(請求項16)。
【0023】
その発光体は、データ処理装置のコンピュータに制御により発光位置が制御されるようにしても良い(請求項17)。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明によれば、砂盤を構成するロッド群の内、地形画像の所定の画素に対応するロッドが、その画像の凹凸に対応する高さに移動されるので、砂盤には、地形画像に忠実な形態(凹凸面)を有する表面が形成される。
【0025】
請求項4の発明によれば、一つの地形データを処理して、表示画面に地形を3次元的表示方法で表示するとともに、その表示された地形と同じ形態の3D模擬地形を砂盤に形成することができる。
【0026】
請求項2及び請求項5の発明によれば、砂盤に滑らかで自然な外観を有する3D表面が形成される。
【0027】
請求項3及び請求項6によれば、滑らかで自然な外観を有する3D表面に地形画像又はそれに関連する画像を投射して、一層迫真性に富んだ表面又は模擬地形を形成することができる。
【0028】
請求項8の発明によれば、地形データで表される地形の中から、表示画面に表示させ又は砂盤に形成させたい領域を任意に広くしたり、狭くしたりすることができる。
【0029】
請求項10の発明によれば、地形データの入力は、3D地形データを記録した記録媒体から3D地形データを読み取る地形データ読取機、地形を撮像して3D地形データを取得する撮像機、又はソフトウエアにより3D地形データを作成するCGのいずれからでも良いので、発生源を問わず3D地形データを得て、砂盤にその3D地形データにより表示される3D地形画像に忠実に近似する地形を有する3D模擬地形を作成することができる。従って、従来の砂盤と異なり、極めて短時間に実地形に近似する模擬地形を形成することができる。しかも、3D地形データさえあれば、何の苦労もなく、模擬地形を反復的に又は交換的に形成することができる。
【0030】
請求項11の発明によれば、小型のステッピングモータを用いて正確迅速にロッドの昇降制御を行うことができる。
【0031】
請求項12,13の発明によれば、比較的簡単な構成で、砂盤のロッドの選択及びその駆動を行うことができる。
【0032】
請求項15の発明によれば、従来の砂盤では不可能であった、建物、造型物、車両等の角部を有するものに類似する立体物を、ロッドのみで砂盤に形成することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の好ましい実施の形態について図面に基づいて説明する。
本発明の3D形状化装置は、3D画像データから広く3D表面を有する立体物を形成することに応用することができるが、この明細書では、理解を容易にするため、地形データから3D模擬地形を形成する装置に応用した例について説明する。
【0034】
図1は、本発明の3D形状化装置の使用状態を示す斜視図、図2は同装置の構成を概括的に示すブロック図、図3は図2のデータ処理装置の詳細な構成を示すブロック図、図4は表示装置の表示内容の一例及びその変化例を示す正面図、図5は図3(b)の表示内容に対応して砂盤に形成された3D模擬地形の一例を示す斜視図である。
【0035】
本発明の3D形状化装置は、図1及び図2に示すように、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)Aと、砂盤装置Bとで構成されている。パソコンAは、CPUを中心に構成されているデータ処理装置1と、その操作部2と、画像データ入力装置3と、表示装置(モニタ)4とを有する。
【0036】
砂盤装置Bについては、後に詳述するが、概念を簡単に説明しておくと、砂盤装置Bは、砂盤駆動部5と、砂盤6とから構成されていて、砂盤6は、矩形又は円形の外周壁の内側底板に、多数のロッド(全体をロッド群といい、単一のロッドを単にロッド、又はコントロールロッドいう場合がある。)を一定の形状・面積を有する平面に沿ってx軸方向及びy軸方向に一定のピッチでマトリックス状に配置し、z軸方向(高さ方向)に移動自在に保持して構成されている。そして、その砂盤6の下側にそれぞれのロッドを独立して、制御に従い所定の高さまで移動させ、再び原位置まで復帰させる砂盤駆動部5が備えてある。
【0037】
データ処理装置1は、外部から入力される地形データを所定のプログラムにより処理して、モニタ4に前記地形データに対応する地形画像を表示するためのデータを生成するとともに、前記砂盤6に前記地形データに対応する3D模擬地形を形成するためのデータ及び制御信号を生成するものである。
【0038】
外部からデータ処理装置1に地形データを入力する手段は、一定範囲の地形の各地点の位置情報(x1,y1,z1〜xn,yn,zn)を含む3D地形データをデータ処理装置1に入力するものである。このような入力手段を例示すると、次の3種類の既知の機械又は装置を用いることができる。
【0039】
すなわち、その一は、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された特定の地形の3D地形データを読み取って地形データ格納部201に与える地形データ読取機。この地形データ読取機は、図1に例示するように、パソコン本体1の中に備えられたCDドライバ3により構成することができる。地形データ読取機から読み取られた3D地形データは、パソコン本体1内の半導体メモリその他の記憶部200のワーキングエリアで構成される地形データ格納部201に記憶される。
【0040】
その二は、任意の地形を撮像してその地形データをデータ処理装置1に入力するCCDカメラなどの周知のデジタル撮像機。これを用いる場合は、そのデジタル撮像機がケーブルなどでパソコン本体1に接続され、デジタル撮像機からパソコン本体1に与えられる画像の中から、パソコン本体1に設けられているビデオキャプチャーなどの処理ソフトにより一つの地形画像データが取り込まれ、パソコン本体1内の記憶部200の地形データ格納部201に記憶される。デジタル撮像機には、航空機から地上にレーザービームを発射し、その反射波を用いて位置データ(x,y)と測距結果に基づく高さデータ(z)を取得する航空撮影機も含まれる。
【0041】
その三は、周知の図形作成・処理用CG(コンピュータ・グラフィック)である。この場合も、そのCGはパソコン本体1に接続され、CGで作成された特定の地形の3D地形データが取り込まれ、パソコン本体1内の記憶部200の地形データ格納部201に記憶される。
【0042】
データ処理装置1は、図2に示すように、制御部100と記憶部200を有する。
制御部100は、いずれもソフトウェアにより構成される、3Dグラフィック・エンジン部101と、グラフィック・エンジン部102と、データ読み出し部103と、データ変換部104と、表示制御部105と、砂盤制御部106と、演算部107とを有する。
【0043】
また、記憶部200は、この3D形状化装置の機能を実現するためのシステムプログラムを格納しているほかに、外部から入力される地形データを格納する地形データ格納部201と、3Dマップデータ格納部202と、表示データ格納部203と、砂盤データ格納部204とを含む。
【0044】
制御部100は、地形データが入力されると、これを地形データ格納部201に格納し、3Dグラフィック・エンジン部101に与える。3Dグラフィック・エンジン部101は、地形データを用いて地形を表すための3Dマップ作成処理を行い、処理結果である3Dマップデータを3Dマップデータ格納部202に格納するようになっている。
【0045】
グラフィック・エンジン部102は、3Dグラフィック・エンジン部101に接続されていて、3Dグラフィック・エンジン部101が作成した地形の3次元画像を表示装置4の表示画面上に表示するため、2次元表示用コンピュータ画像データに変換する処理を行う。その処理結果は、表示データ格納部203に格納されるようになっている。
【0046】
制御部100の表示制御部105は、地形データに基づく3次元地形画像を表示する表示装置4に接続されている。グラフィック・エンジン部102より得られた2次元表示用コンピュータ画像データは、この表示制御部105による制御に基づいて表示装置4に与えられて、画面表示をするようになっている。
【0047】
制御部100のデータ読み出し部103は、要求に基づき3Dマップデータ格納部202に格納されている3Dマップデータを読み出して、グラフィック・エンジン部102とデータ変換部103に与える。そして、操作部2のキーボード2a又はマウス2bなどの操作により、読み出し範囲を拡大又は縮小することができる。これに従い、モニタ4に表示される地形の領域又は砂盤6に形成される3D模擬地形の領域が拡縮されるようになっている。このモニタ4は、砂盤6のロッド群により形成される3D模擬地形により表示される領域(面積)の大小の程度を確認するためのものである。
【0048】
すなわち、アイコンをマウス4でクリックした後、又は、キーボード3から3D形状化対象領域を特定するための指令を入力した後、カーソルを移動して、図4(a)に鎖線Wで示すように、原地形画像の中の領域指定のための始点と終点を指示すると、その指定された領域の3Dマップデータがグラフィック・エンジン部102により2次元表示用コンピュータ画像データに変換され、表示データ格納部203に格納されて、図4(b)に示すように、拡大されて(又は縮小されて)、モニタ4に表示されるようになっている。このように3D形状化対象領域を特定された3Dマップデータは、データ変換部104にも与えられる。
【0049】
データ変換部104は、表示画像に対応する3D地形データを、砂盤Dを構成するロッド群の中の特定のロッドをその高さ方向の所定位置まで移動させるための、3D模擬地形データ(砂盤データともいう。)に変換するためのものである。
【0050】
そして、データ変換部104が3D地形データに基づいて砂盤6の所定のロッドを選択して、そのロッドに高さ方向の所定位置まで移動させるための3D模擬地形データに変換する際は、モニタ4に表示される地形の画素数と砂盤のロッド群により表される画素数(ロッド数)との対応関係が1対1である場合と、非1対1である場合とで、その変換方式が異なる。
【0051】
地形の画素数とロッド数との対応関係が1対1である場合は、データ変換部103は、データ読み出し部により3Dマップデータ格納部202から読み出して与えられた3Dマップデータのうち、x,y座標値をそのまま砂盤のロッド群の各ロッドのXY座標値に変換するように構成される。しかし、3Dマップデータのうち、高さ情報であるz座標値は数千(m)に達することもあるので、そのまま用いることは不可能である。そこで、3Dマップデータのz座標値は、立体化対象領域の標高の大小により選択決定される一定の縮尺率、例えば、1/1000、あるいは1/10000を乗じて、当該XY座標のロッドの高さデータZに変換するように構成される。縮尺率は表示画面に表示されているものの中から、操作部2により選択することができるようになっている。
このようにして、表示画面に表示された地形の各地点(画素)に対応する砂盤データ(X1 ,Y1 ,Z1 〜Xn ,Yn ,Zn )が得られて、砂盤データ格納部204に格納される。
【0052】
地形の画素数とロッド数との対応関係が非1対1である場合は、データ変換部103は、演算部107を用いて、地形のx軸方向及びy軸方向の所定距離の間の領域、すなわち、3Dマップデータのx軸方向及びy軸方向に一定間隔ずつ離間されたx,y座標値の互いに隣接する4個の間を単位エリアとして、それぞれ順次隣接する単位エリアに対して新たに位置データ(X1 ,Y1 )〜(Xk ,Yk )を作成するとともに、当該単位エリア内のそれぞれの高さデータの平均値を求め、その平均値に選択された一定の縮尺率を乗じて当該エリアの高さデータ(Z)とするように、変換処理を行う。こうして、表示画面に表示される地形について、それぞれ等しい面積に分割された各単位エリアに対応する砂盤のロッド群の新たな位置データ(X1 ,Y1 ,Z1 )〜(Xk ,Yk ,Zk )が付与され、砂盤データ格納部204に格納されることとなる。
【0053】
砂盤制御部106は、データ変換部104から砂盤データを入力すると、砂盤駆動部5に、砂盤6のロッド群のロッドの内、その砂盤データに含まれるXY座標値により駆動対象ロッドを決定し、そのロッドに結合してあるアクチュエータ(移動手段)に対して、そのロッドをその砂盤データに含まれる高さデータ(Z)に基づいて、それで表される高さまで上昇させるために、アクチュエータを制御するように構成されている。
【0054】
砂盤駆動部5は、各ロッドに対応して配置され、砂盤制御部106から与えられる制御信号に基づいて動作するアクチュエータを有し、そのアクチュエータの動作量に応じて、当該ロッドが所定高さまで上昇されるようになっている。
【0055】
上記構成に基づく本発明の動作を説明する。今、例えば、D地形データ読取機から入力され、地形データ格納部201に格納された地形データに基づいて3Dグラフィック・エンジン部101により3Dマップデータが作成され、3Dマップデータ格納部202に格納される。引き続き、データ読み出し部103により指定された立体化対象領域の3Dマップデータが読み出され、一つには、グラフィック・エンジン部102の作用によりモニタ4による画面表示用のデータに変換され、表示データ格納部203に格納され、その表示データに基づいてその地形画像がモニタ4に表示される。他方、立体化対象領域の3Dマップデータは、データ変換部104により、砂盤6のロッド群のを各ロッドを選択的に駆動するための砂盤データに変換され、その砂盤データは砂盤データ格納部204に格納される。
【0056】
モニタ4に、図4(a)に例示するように、ある地域の地形画像が3次元的表示方法により表示されている場合に、操作部2のマウス2bの操作により、同図(a)に矩形鎖線で囲んで示すように、立体化対象領域を特定すると、同図(b)に示すように、その特定された範囲がモニタ4に表示される。そして、キーボード2aから又はマウス操作により立体化指令を入力すると、砂盤制御部206が動作し、砂盤データ格納部204から砂盤データを読み出して制御信号を砂盤駆動部5に与えるので、砂盤駆動部の選択されたロッドに対応するアクチュエータが制御的に動作され、ロッド群の当該位置に存在するロッドは、図5に例示するように、それぞれ高さデータにより規定された高さに移動されて、図4(b)に示されている地形画像に対応する3D模擬地形が形成される。
【0057】
図5に示す例は、ロッド群の上面が露出されているので、地形の凹凸面はロッドの先端のみで表現されており、表面の連続性に欠ける嫌いがあり、作成された模擬地形のどの部分が平野、山脈、河川、海原であるかが明確でない。また、光の反射具合によっては、地形の形状が不明瞭になる場合もある。
そこで、本発明の好ましい実施の形態においては、ロッド群の上面に地形が滑らかに連続する、自然な立体地形感が得られるように、工夫が施されている。すなわち、その一つには、図1に示すように、ロッド群の上面を被覆する、可撓性と弾性を有するカバーシート(符合省略)を備えるとともに、そのカバーシート(以下、シートという。)の周辺をロッド群を保持している筐体の周壁端部に固定し、下側に設けたバキューム装置により、そのシートと筐体の間の空気を吸引して、シートをロッド群の上面に密着させることにより、シートにロッド群の上端部に沿って連続させている。そして、そのシートの上面に、上方に設置したプロジェクター7から3D地形データ読取機から得られた地形画像を投影している。これにより、図1に示すように、連続するシートの上面には地形画像が投影されるため、ロッド群の上面には、凹凸面や傾斜面が滑らかに連続する実地形と同一の外観を有する模擬地形が形成される。
【0058】
続いて、砂盤装置の幾つかの実施例について、図6以下の図面に基づいて説明する。
[第1実施例]
図6は、砂盤装置の第1の実施例の一部を示す斜視図、図7は同砂盤装置の作用説明図、図8は砂盤駆動装置の一部の斜視図、図9はロッドの選択、停止の動作原理の説明図、図10は適用例を示す斜視図、図11は、第1実施例の全体を示す概念図である。
【0059】
この機構は、3Dマップデータ(1セットの数値データ)から3D表面形状を形成するように設計されている。その表面は他の数値データにより反復的に形状を変えることができる。可撓性の弾性シート12が一揃いのコントロールロッド14の上に載せられ、その端縁が筐体11に固定されている。筐体11は気密性を有し、これにバキュームポンプ(図示せず)が取り付けられている。筐体の中をそのバキュームポンプにより減圧すると、シート12が引き下げられ、コントロールロッドの上端部に密着し、その結果、各ロッドに下向きの力を加えるようになっている。
【0060】
筐体11の中には、砂盤駆動装置の一構成要素としてエレベータ13が取り付けられている。このエレベータ13は、コンピュータ制御による液圧駆動システム又は電気的駆動システム(図示せず)による指令に基づいて上下移動可能である。2セットの流体チューブ15,16のいずれか又は全ては、コントロールロッドのいずれか又は全てを一定の位置に停止するために、膨張させることができる。
【0061】
図7は、この実施例の砂盤の作用を示す一連の動きを示している。コントロールロッドの停止と停止解除の一連の制御及びエレベータ13の昇降制御により、弾性シート12を望みどおりの面形状にすることができる。形状化された表面を形成するには、図7に示すように、まず全ての流体チューブ15,16が収縮され、エレベータ13が上方のスタート位置に移動される。その後、ポート33を経てエアを吸引することにより、筐体11内が減圧される。次に、選択された流体チューブを膨張させて、選択されたロッドをその位置にロックする。この例では、チューブ26と31が膨張され、ロッド20と25を移動不能にする。次いで、エレベータが下方に移動され、ロックされていないロッドはエレベータ13とともに移動する。この位置決めは図7(b)に示されている。この時点で、流体チューブ27,29及び30は膨張され、それにより、コントロールロッド21,23及び24がロックされる。その後、エレベータはさらに下方に移動され、ロックされていないロッド22が、図7(c)に示すように、さらに低い位置に移動する。この時、所望の形状が得られ、全ての流体チューブが膨張されて、立体化された表面がその位置に固定される。
【0062】
全てのチューブの流体圧力を抜いて全てのロッドを解放することにより、立体化された表面が消去され、新たな形状を作成することができる。そのときは、エレベータが全てのロッドとともにスタート位置に上昇復帰される。その後、新しいプログラムが実行される。
【0063】
図8は、コントロールロッドを保持する方法の一例を示す。ガイド34に数セットの孔37が設けられ、各セットの孔の中にコントロールロッド36が挿通されている。各セットのコントロールロッドに近接して、膨張されていない流体チューブ35が備えられている。その流体チューブ35に流体が流し込まれると、チューブが膨張し、その直径が拡大するため、コントロールロッドの側面を押圧する。そのロッドはガイドの側面に押圧され、その結果、摩擦が増大するためガイド内を上下することが阻止される。チューブ内の圧力が一旦下がると、そのチューブは収縮してそのチューブに接触していた全てのロッドが再び解放され、ガイド内の上下移動が可能になる。
【0064】
X−Yマトリックスに配置されたロッド群の個々のロッドの特定を可能にするため、図9に示すように、2セットの直交する流体チューブ41,42が用いられている。図9には、ロッド43のマトリックスが示されている。チューブ42はXデータに従って膨張され、ロッド41はYデータに従って膨張される。個々のロッドを解放するには、それに対応するXチューブとYチューブを収縮させなければならない。一旦解放されると、そのロッドの縦方向の位置Zはエレベータ13の位置によって決定される。
【0065】
コントロールロッドの位置を指定する一方法は、一度に1列を「書き込む」ことである。列がXで、行がYで指定されるとして、特定の行Ynが収縮された場合は、全列のロッドが移動される。そして、例えば、X2 ,X7 ,X20,X25…は同時に収縮可能である。これにより、全ロッドがエレベータの位置により決定される新しい位置に降下することができる。全ロッドは再びロックされることができ、プロセスが他の行のために、さらに他の行のために次々と繰り返される。
【0066】
エレベータの位置は、3Dマップデータの中のZの値により決定される。マトリックスの全体が一旦、エレベータの位置により定められるZの特定値に指定されると、エレベータは再び下方移動が可能になり、一連のZ位置に関する処理が繰り返される。一度、表面が書き込まれると、ロッド群はその最終位置にロックされる。
【0067】
上記実施例の適用範囲は広い。その一つは、等高線を3次元的に有する地図である。図10は、コンピュータ制御による調整可能な表面と結合された投影システムの基本的構成を示す。この場合、プロジェクタ51は、調整可能な表面55の上に地形的特徴を有する画像を投射する。一例として、砂盤の表面に山57や湖53を形成するようにプログラムを作成することができ、また、建物54や飛行場56などをその砂盤の表面の上に投影することができる。
【0068】
図11は、上記構成の形状再生可能な砂盤用の砂盤駆動装置5の構成を概略的に示すブロック図である。表面特性とともに形成されるべき輪郭を表す入力データ(3D画像データ)がデータ処理装置を構成するパソコン(パーソナルコンピュータ)62に入力される。パソコンには与えられたイメージデータを3Dマップデータに変換した後、プロジェクタ61及びモニタ63に展開するプログラムが装備されている。パソコン62は、さらに3Dマップデータに基づいて形状再生可能な表面に与える位置決めデータ(砂盤データ)を生成し、そのデータを砂盤駆動装置5のプログラマブル・ロジック・コントローラ64に与える。砂盤駆動装置は、前記プログラマブル・ロジック・コントローラ64のほか、エレベータ制御部65、真空ポンプ66及びエアコンプレッサ67などを有する。プログラマブル・ロジック・コントローラ64は、その位置決めデータをエレベータ制御部65、真空ポンプ66及びエアコンプレッサ67に送る。エアコンプレッサ67は、図示されていない貯蔵タンクを経て圧縮空気をマニホールド68と69に与える。電磁弁(のセット)73と74はパイプ(のセット)75と70を経て前記マニホールド68と69に接続されている。パイプ76と77はラテックスゴムなどの可撓性を有する弾性材料で作られており、コントロールロッドのロック機構の一部を構成している。プログラマブル・ロジック・コントローラ64は、コネクタ72と71を介して電磁弁73と74に電気信号を与えるようになっている。
【0069】
上記砂盤の概念を部品の鋳造又は射出形成に適用する場合は、形状再生可能な砂盤は、図12に例示するようなカニ甲殻の形態に製造される。この例では、二つの形状再生可能な表面78,79がハウジング76と77に取り付けられている。ハウジングは突き合わせられ、その間の空間に液体状又はペースト状の適当な材料を満たして、硬化させることにより、所望の形状を有する部品を成形することができる。
【0070】
[第2実施例]
図13は、砂盤装置の第2の実施例の一部を示す斜視図である。この砂盤装置を構成する砂盤は、筐体11の中の上側に配置された一揃いのメモリロッド14と、その下側に配置された一揃いのコントロールロッド19とを有し、メモリロッド14の上にシート12が載置され、そのシートは筐体11の上端部に密着固定されている。筐体内が減圧されると、シート12はメモリロッド14の上端部に引き下げられて、所定の3D形状を形成するようになっている。メモリロッド14は、直交する流体チューブ17と18により高さ方向の所定の位置にロック可能である。コントロールロッド19は、直交する流体チューブ15と16により高さ方向の所定の位置にロック可能である。筐体11の中に取り付けられたエレベータ13は、砂盤制御部106からの制御信号に基づき、コンピュータ制御による流体駆動システム又は電気的駆動システムにより昇降可能である。エレベータ13は、流体圧による締め付けチューブ15と16を昇降させる。コントロールロッド19を選択的に締め付け、エレベータを移動することにより、パターンが書き込まれる。このパターンは、エレベータを上昇させ、かつ、メモリロッドのロックを解除することにより、コントロールロッドからメモリロッドに転写される。メモリロッドは再びロックされる。その後、エレベータを下げると、コントロールロッド19に別のパターンを書き込むことができる。その第2のパターンはメモリロッドに転写され、シート12のパターンが更新される。
コンロトールロッド19のロック機構は、先の実施例の場合と同じである。
【0071】
図14は、コントロールロッド19にパターンを形成する機構の一実施態様を示す。ラテックス・ゴム製のシート31がハウジング32の端部に固着されていて、そのハウジングはポート33を介して吸気されることができる。コントロールロッド34は固定板35の孔と可動板36の孔の中を通されて一定の位置に保持されている。可動板36には、直交する2セットの流体チューブ37が備えられている。1セットは断面で示され、他のセットは可動板36の下側部分に直交するように配置されている。
【0072】
可動板36は、昇降機構38により上げ下げが可能である。その昇降機構は、流体駆動方式でも電気駆動方式でも構わない。
【0073】
図15は、二つのパターンを連続的に書き込む場合の一連の動きを示す。コントロールロッドのロック及びロック解除の一連の制御を行い、エレベータ(36と38)の動きを制御することによりシート31に所望の形状を形成することができる。
【0074】
ある形状化された表面を形成するには、まず全ての流体チューブから空気が抜かれ、全てのコントロールロッドのロックが解除されるとともに、エレベータが図15(a)に示すように最下位のスタート位置に移動される。その後、筐体から適量のエアを吸引して減圧される。次に、流体チューブが膨張されて、ロッドがその位置にロックされる。次いで、エレベータが高い位置に移動されて、ロックされたロッドがエレベータとともに上昇し、シートが高い位置に押される。図15(b)はこの時の状態を示す。このとき、選択された流体チューブが収縮され、それにより、選択されたロッドのロックが解除され、そのロックを解除されたロッドは、重力とシートから加わる力との結合力により筐体の床まで落下することができる。続いて、全てのコントロールロッドが再びロックされる。この状態は、図15(c)に示されている。
【0075】
その後、エレベータが図15(d)に示す位置までさらに上昇される。次に、選択されたコントロールロッドが解放され、筐体の床に落下する。この状態は、図15(e)に示されている。この選択されたロッドのロック、上昇及び解放のための処理は、所望のパターンが得られるまで、繰り返される。
【0076】
全てのチューブ内の圧力を解放し、ロッドを解放することにより、新しい形状を書き込むことができる。続いて、エレベータがスタート位置まで下方に移動され、新しいプログラムの実行が可能になる。
【0077】
図16は、第2の実施例の他の実施態様を示す。この場合は、第2のパターンの書き込み中に一つのパターンを検討することができる。シート59は筐体55の上端部に固着されている。コントロールロッド57はロック機構53に保持されている。ロック機構は持ち上げ機構54により上げ下げ可能である。1セットのメモリロッド56がコントロールロッド57の上側に整列して設けてある。メモリロッドは直交するロック機構50と51により所定の位置に保持される。
【0078】
下側のコントロールロッド57に一旦パターンが書き込まれた後、持ち上げ機構54により上昇させ、かつ、上側のメモリロッド56を一時的に解放することにより、そのパターンをメモリロッドに転写することができる。メモリロッドはコントロールロッドの上に落下して、同じ形状を再現する。その後、メモリロッドはその場にロックされ、コントロールロッドは下方に移動されて、他の書き込みのサイクルに供される。
【0079】
図17は、二つの形状を連続的に書き込むために用いられる場合の一連の動きを示す。同図(a)は全てのロッドがロックを解除されているときの下側のコントロールロッド及び上側のメモリロッドの位置を示す。コントロールロッドの選択的ロック及びロック解除と、エレベータの上昇により、図15に順次示すように、コントロールロッドにパターンが書き込まれる。この段階で、ロッド群は図17(b)に示す位置にある。その後、コントロールロッドは、全体で上昇され、メモリロッドと接触する。メモリロッドはロックを解除されて、弾性シートを押し上げ、所望の形状を形成することができる。その後、メモリロッドはもう一度ロックされる。この状態は、図17(c)に示されている。次に、コントロールロッドがロックを解除され、図17(d)に示すように、最下位まで下げられる。続いて、図17(e)に示すように、コントロールロッドに新しいパターンが書き込まれる。その後、上側のメモリロッドのロックが解除されて最下位の位置に復帰することかできる。続いて、エレベータが上昇されて、図17(g)に示すように、その新規パターンがメモリロッドに転写される。その後、コントロールロッドは解放され、図17(h)に示すように、最下位に下げられる。この時点で、コントロールロッドに他のパターンの書き込みが可能であり、サイクルが繰り返される。
【0080】
図18は、砂盤の第2の実施例により3D表面を形成するために用いられる砂盤駆動装置の概略的な構成を示すブロック図である。表面形状を規定する3Dマップデータ、等高線地図が書き込まれる場合の高さデータがパソコン72にロードされる。このデータは正視画像を含み、成形された表面の上にプロジェクタ71により投影可能なものであり、モニタ73でも見ることができる。その3Dマップデータから変換された砂盤データは、砂盤駆動装置のプログラマブル・コントローラ74に与えられる。プログラマブル・コントローラ74はエアコンプレッサ77,真空ポンプ76、そして、エレベータコントローラ75に適当な信号を与える。その信号は電磁弁78にも送られ、コンプレッサからマニホールド97を介して流体ラインへの圧縮空気の通路を制御するようになっている。これらのラインは、コントロールロッドとメモリロッドの位置指定をするために用いられる、ロック機構の一部を構成する直交する2セットのゴムチューブに結合されている。
【0081】
流体駆動方式のロックは、ここでは、ロッドの締め付け機能を実現するものとして既述されたが、機械的ロック、磁気的ロックなど他の多くの代替物がある。図示の例では、コントロールロッド及びメモリロッドが垂直状態に配設されたが、他の配置例が可能である。また、等高線表面を形成するゴムシートは、ロッドを保持するので、この砂盤は、水平に設置したり、例えば、壁掛けにすることもできる。
【0082】
次に、砂盤装置(砂盤及び砂盤駆動装置)の第3の実施例について図19ないし図23を参照しながら説明する。図19は砂盤の一部の横断面図、図20は1つのロッドに対応する断続装置の側面図、図21はロッド指定手段の一部を示す回路図である。図19において、砂盤6Eは、筐体に上下に離間して設けられた支持板81の、水平方向に一定の等間隔を持って形成された上下に貫通する多数の孔に角形の軸受82を設け、その上下一対の軸受に、横断面ほほぼ角形に形成されているロッド83を昇降自在に、しかし、回転不能に支持してなっている。各ロッドは、X−Yマトリックスに配設され、かつ各ロッドは、上端部を除くほかの外周に雄ねじが切られている。
【0083】
砂盤駆動装置は、一つのモータ84と、そのモータの回転軸に固着されたタイミングプーリ85と、図示されていないもう一つプーリの間に掛け回されたタイミングベルト86とを有する。また、各行又は各列に沿って延びる伝動軸87が図示されていない軸受けにより回転自在に支持され、その一端部にはタイミングプーリ88が固着されていて、タイミングベルト86と噛み合わされている。そして、各伝動軸87には、各ロッド83に近い位置においてウォームギヤ89が固着され、そのウォームギヤに断続装置810を構成するウォーホイール811が噛み合わされている。断続装置810は、そのウォームホイール811を回転自在に支持するハウジング(図示せず)と、同じハウジング内に回転自在に支持された遊星歯車812と、ハウジング内に設けられ、ウォームホイール811の回転力を遊星歯車812に伝達させる状態と、伝達させない状態とに選択的に動作する電磁クラッチ813とで構成されている。そして、各ロッド83には、上下の支持板81の間においてナット状の駆動歯車814が、一定の高さで回転自在に支持されている。この駆動歯車814は、内周に雌ねじを、外周に歯車を有するものであり、雌ねじにロッド83の雄ねじが螺合され、外周の歯車は遊星歯車812に噛み合わされている。
【0084】
従って、モータ84が回転されている間に、一つのロッドに対応する電磁クラッチ813が通電されて、ウォームホイール811と遊星歯車812が動力的に結合されると、駆動歯車814が一定方向に回転されるため、ロッド83が駆動歯車814の回転数に応じて高さ方向の所定の位置まで移動される。モータ84が一方向に回転されるときはロッドは上昇し、モータが反射方向に回転されるときはロッドは下降する。その移動量は、電磁クラッチ813への通電時間により決定される。従って、この実施例の場合のデータ処理装置1の砂盤制御部106は、与えられる砂盤データの中の高さデータに基づいて、電磁クラッチ813の通電時間を規定するように構成される。
【0085】
そして、各ロッド83に対応する電磁クラッチ813は、図21に示すように、X軸方向の導線Lx1,Lx2,Lx3と、Y軸方向の導線Ly1,Ly2,Ly3…の各交点に対応して設けられるので、凹凸表面を形成するために移動されるべきロッド83の位置を特定するには、先の実施例の砂盤の場合と同様に、位置データに基づいて所定のXY導線に通電すればよい。
【0086】
先の実施例は、ロッドの駆動源として一つのモータを用い、電磁クラッチにより駆動力供与先を選択した例である。この場合は、駆動源を最小数にすることができるが、ロッドの数と等しい数の断続装置810を必要とする。これに対して、図22は、各ロッドに対して一つの小型ステッピングモータを備え、電磁クラッチを不要にした例である。図22は一つのロッドの駆動ユニットを示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)のb−b断面図ある。この場合は、モータ90により回転されるウォームギヤ91を、上下の支持板92a,92bに貫通して一定の位置で回転自在に支持されたねじ棒93の下端部に固着されたウォーホイール94に噛み合わせ、ねじ棒93の上部を、ロッド95の軸芯に設けてあるねじ孔95aに螺合させるとともに、そのロッドの外側断面形状を角形にし、かつ、各上側支持板92aの貫通孔96も同様の角形とすることにより、ロッドは回転不能にかつ昇降自在に支持されている。各ロッド95の下端部には、抜け防止用の外向きフランジ97が設けてある。
【0087】
上記構成により、砂盤制御部106から砂盤データの中の位置データに基づいてプログラマブル・コントローラが所定のロッド95を選択し、そのロッドに対応するモータ90に砂盤データの中の高さデータに対応する数のパルスを与えることにより、その選択されたロッドを所定の高さまで移動させることができる。また、与えられるパルスの位相によりモータ90の回転方向が規定されるので、ロッドの上昇と下降を制御することができる。
【0088】
さらに、図22の実施例は、ロッドを移動させるエネルギーとして、モータ及びねじ対偶による電気機械エネルギーを利用するものであったが、図23に示すように、電磁エネルギーを利用するものを用いることもできる。すなわち、X−Yマトリックスに配設される各ロッド98の下端部付近に永久磁石(又は磁性材料。以下、同じ。)99を固着して支持板910に昇降自在に支持するとともに、そのロッドの下方に、落下するロッドが収容される筒状のガイド911を設け、そのガイドの外周面に複数のコイル912を一定間隔を持って固定してある。砂盤駆動装置が稼働する前は、全てのロッドが最下位に落下されていて、そのロッドの上端部は支持板910の上面とほぼ等しい位置にある。凹凸表面を形成する場合は、選択されたロッドに対応するコイルには、砂盤データの中の高さデータに基づいて、最下位のコイル9121 からその高さに対応する所定の位置にあるコイル912k まで、順次通電されるようになっている。通電されたコイルの内側には磁界が発生し、ロッドの磁石99に磁気的吸引力を作用して、そのロッドを持ち上げる。従って、ロッド98は所定の高さまで移動される。同時に通電されるコイルの数は、ロッドの重量に打ち勝つ吸引力が発生するように適宜設定される。
【0089】
ロッドが所定の位置まで上昇されたときは、支持板910とガイド911との間に設けた電磁ソレノイドなどで構成されたストッパ913を動作させて、ロッドが重力により落下することが防止されている。ソレノイドのプランジャの先端にゴムなどの摩擦係数の大きいクッションを設けておくと、止めた時にロッドが保護され、小さい力で落下防止できる。そのストッパの先端に設けた弾性部材で押して止めることにより、また、このようなストッパを用いることにより、ロッドが所定位置まで上昇された後は、コイルへの通電を止めて、電力消費を節約することができる。
【0090】
本発明をカバーシートを用いない状態で使用する場合は、メモリロッドを有しない場合はコントロールロッド、メモリロッドを有する場合はメモリロッドの相互間隔を可及的に小さくすることが望ましい。例えば、ロッドの支持板から上方に突出する部分の径を大きくしたり、あるいは各駆動手段をミニ化するなどして、間隔を小さくすることができる。こうすることにより、ロッドのみで緻密な凹凸形状の表現が可能になるから、従来の砂盤では表現不可能であった、例えば、建物、山岳、河川、海岸等の急峻な地形を砂盤に識別しやすく表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
この3D形状化形成装置は、ジオラマ作成や、製品模型の作成、都市計画又は都市再構築計画、道路建設計画又は道路変更計画、環境設計などに利用することができる。さらに、机上演習や机上戦術のための陸上地形のほか、海底資源探査のための海底地形、災害救助訓練のための山岳その他各種の地形、津波波形、宇宙天体の表面形状などの模擬製作にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の3D形状化装置の使用状態を示す斜視図。
【図2】同装置の構成を概括的に示すブロック図。
【図3】図2のデータ処理装置の詳細な構成を示すブロック図。
【図4】表示装置の表示内容の一例及びその変化例を示す正面図。
【図5】図3(b)の表示内容に対応して砂盤に形成された3D模擬地形の一例を示す斜視図。
【図6】砂盤装置の第1の実施例の一部を示す斜視図。
【図7】同砂盤装置の作用説明図。
【図8】砂盤駆動装置の一部の斜視図。
【図9】ロッドの選択、停止の動作原理の説明図。
【図10】適用例を示す斜視図。
【図11】第1実施例の全体を示す概念図。
【図12】砂盤の概念を部品の鋳造又は射出形成に適用する場合の形状再生可能な砂盤の例示。
【図13】砂盤装置の第2の実施例の一部を示す斜視図。
【図14】コントロールロッドにパターンを形成する機構の一実施態様を示す。
【図15】二つのパターンを連続的に書き込む場合の一連の動きを示す。
【図16】第2の実施例の他の実施態様を示す。
【図17】二つの形状を連続的に書き込むために用いられる場合の一連の動きを示す。
【図18】砂盤の第2の実施例により3D表面を形成するために用いられる砂盤駆動装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図19】砂盤の一部の横断面図。
【図20】1つのロッドに対応する断続装置の側面図。
【図21】ロッド指定手段の一部を示す回路図。
【図22】一つのロッドの駆動ユニットを示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)のb−b断面図。
【図23】電磁エネルギーを利用する砂盤駆動装置の一つのロッドに対応する駆動ユニットの断面図。
【符号の説明】
【0093】
図1〜図5において
A パソコン
1 データ処理装置
2 操作部
3 画像データ入力装置
4 表示装置(モニタ)
B 砂盤装置
5 砂盤駆動装置
6 砂盤
7 プロジェクタ
図6〜図12において
11 筐体
12 シート(カバーシート)
13 エレベータ
14 ロッド(コントロールロッド)
15,16 流体チューブ
35 流体チューブ
36 ロッド
41,42 流体チューブ
43 ロッド
51,61 プロジェクタ
62 パソコン(データ処理装置)
63 モニタ
図13〜図18において
11 筐体
12 シート
13 エレベータ
14 メモリロッド
19 コントロールロッド
15,16,17,18 流体チューブ
31 シート
51,52 流体チューブ
56 メモリロッド
57 コントロールロッド
59 シート
71 プロジェクタ
73 モニタ
図22,図23において
90 ステッピングモータ
91 ウォームギヤ
92a,92b 支持板
93 ねじ棒
94 ウォームホイール
95 ロッド
98 ロッド
99 永久磁石
910 支持板
911 ガイド
9121 〜912n コイル
913 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置と砂盤装置とからなり、
前記データ処理装置は、入力される地形データから3次元マップデータを作成するとともに、その3次元マップデータに基づいて前記砂盤に3次元的表面を形成するための3次元砂盤データに変換し、その3次元砂盤データに基づいて後記砂盤駆動部を駆動させる制御信号をその砂盤駆動部に与えるものであり、
前記砂盤装置は、砂盤と、その下側に設けられた砂盤駆動部とを有し、
前記砂盤は、一定長を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、昇降自在に保持してなるものであり、
前記砂盤駆動部は、前記データ処理装置からの制御信号に基づいて前記砂盤の選択されたロッドを高さ方向の指定された位置まで移動させ、又は原位置に復帰させるものであること、
ことを特徴とする3次元形状化装置。
【請求項2】
砂盤は、上面に開放された筐体の中に、一定長を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、昇降自在に保持して構成されているほかに、前記ロッド群の上側に載せて周縁が前記筐体に固着されている可撓性と弾性を有するカバーシートを備えていることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状化装置。
【請求項3】
データ処理装置には、入力される地形データ又は表示装置による2次元表示のための2次元データに基づいて、砂盤のカバーシートに映像を投射するプロジェクタが接続されていることを特徴とする請求項2に記載の3次元形状化装置。
【請求項4】
データ処理装置は、入力される地形データから3次元マップデータを作成するとともに、その3次元マップデータに基づいて砂盤に3次元的表面を形成するための3次元データに変換し、さらに、前記3次元マップデータを表示装置による2次元表示のための2次元データに変換し、前記3次元砂盤データに基づいて砂盤駆動部を駆動させる制御信号を前記砂盤駆動部に与え、かつ、前記2次元データに基づいて前記表示装置に地形画像を表示させる制御信号を与えるものであることを特徴する請求項1に記載の3次元形状化装置。
【請求項5】
砂盤は、上面に開放された筐体の中に、一定長を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、昇降自在に保持して構成されているほかに、前記ロッド群の上側に載せて周縁が前記筐体に固着されている可撓性と弾性を有するカバーシートを備えていることを特徴とする請求項4に記載の3次元形状化装置。
【請求項6】
データ処理装置には、外から入力する地形データ又は表示装置による2次元表示のための2次元データに基づいて、砂盤のカバーシートに映像を投射するプロジェクタが接続されていることを特徴とする請求項5に記載の3次元形状化装置。
【請求項7】
データ処理装置は、外から入力される地形データを格納する地形データ格納部と、その地形データ格納部から地形データを読み出す地形データ読み出し部と、その地形データ格納部から読み出した地形データから3次元マップデータを作成する3次元グラフィック・エンジン部と、前記3次元マップデータを格納する3次元マップデータ格納部と、前記3次元マップデータを砂盤に3次元的表面を形成するための3次元砂盤データに変換するデータ変換部と、変換された3次元砂盤データを格納する砂盤データ格納部と、前記3次元マップデータを表示装置による2次元表示のための2次元データに変換するグラフィック・エンジン部と、変換された2次元データを格納する表示データ格納部と、前記3次元砂盤データに基づいて砂盤駆動部を駆動させる制御信号を与える砂盤制御部と、前記2次元データに基づいて前記表示装置に地形画像を表示させる制御信号を与える表示制御部とを有することを特徴とする請求項1又は4に記載の3次元形状化装置。
【請求項8】
地形データ読み出し部は、データ処理装置に付属する操作部を表示装置に表示されている地形画像を見ながらの操作により、地形データの読み出し範囲を指定することができるものである請求項4に記載の3次元形状化装置。
【請求項9】
データ変換部は、3次元マップデータ格納部から読み出された3次元マップデータに含まれる位置データを、それぞれ砂盤を構成するロッド群の各ロッドを指定するためのロッド位置データと、当該ロッド位置データにより指定されたロッドの高さ方向の移動量を指定するためのロッド高さデータとに変換して、各ロッドに1対1に対応するロッド位置データとロッド高さデータとを内容とする3次元模擬地形データを作成するものであり、
砂盤制御部は、前記データ変換部から入力する3次元模擬地形データのロッド位置データに基づいて、砂盤駆動部の所定位置のロッドを選択してそのロッドを前記3次元模擬地形データのロッド高さデータに対応する高さまで移動させる制御信号を前記砂盤駆動部に与えるものである、
ことを特徴とする請求項7に記載の3次元形状化装置。
【請求項10】
データ処理装置に外から地形データを入力する手段は、地形データを記録した記録媒体から地形データを読み取る地形データ読取機、地形を撮像して地形データを取得する撮像機、又はソフトウエアにより3次元地形データを作成するコンピュータ・グラフィックのいずれかであることを特徴とする請求項1、4又は7に記載の3次元形状化装置。
【請求項11】
砂盤制御部は、ロッド高さデータに対応する高さ制御信号として、出力すべきパルス数を指定する信号を出力するものであり、砂盤駆動部は、アクチュエータとして各ロッドに対応して設けられたステッピングモータを用い、前記砂盤制御部から与えられるパルス数指定信号に基づいて所定数のパルスを前記ステッピングモータに与え、前記各ロッドは前記パルス数に対応する当該ステッピングモータの回転量により移動量が規定されるものであることを特徴とする請求項7に記載の3次元形状化装置。
【請求項12】
砂盤と砂盤駆動装置からなり、
前記砂盤は、一定の長さを有し、軸心にねじ孔が設けられた多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、かつ昇降自在に、しかし、回転不能に保持してなり、
前記砂盤駆動装置は、前記各ロッドの下側に前記ロッドのねじ孔にねじ合わせてた状態で回転自在に支持されたねじ棒と、外部から入力するパルス信号により回転され、前記ねじ棒に回転力を与えるステッピングモータとから構成されている、
ことを特徴とする砂盤装置。
【請求項13】
砂盤と砂盤駆動装置からなり、
前記砂盤は、一定の長さを有し、下端部に永久磁石又は磁性材料を有する多数のロッドを縦長状態で一定の形状・面積を有する平面に沿ってマトリックス状に配置し、かつ昇降自在に保持してなり、
前記砂盤駆動装置は、前記各ロッドに対応して設けられ、そのロッドの落下収容が可能な筒状のガイド部材と、そのガイドの外周面に長手方向に所定間隔をもって配置され、制御信号により所定位置まで順次通電される電磁コイルと、当該ロッドが所定位置まで移動されたときに、そのロッドを押し付けて停止させるストッパとで構成されていることを特徴とする砂盤装置。
【請求項14】
ストッパは、電磁ソレノイドのプランジャの先端に摩擦係数の大きいクッションを設けてなり、クッションがロッド側に向けて取付けられていることを特徴とする請求項13に記載の砂盤装置。
【請求項15】
ロッド群の各ロッドができるだけ小さい間隔をもって配設されていることを特徴とする請求項12又は14に記載の砂盤装置。
【請求項16】
ロッドの先端に電気的に発光する発光体が設けられ、各発光体はロッド位置データに基づいてコンピュータにより発光されることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の砂盤装置。
【請求項17】
発光体は、データ処理装置のコンピュータに制御により発光位置が制御されることを特徴とする請求項16に記載の砂盤装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−3715(P2007−3715A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182421(P2005−182421)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(301055240)株式会社リアルビズ (4)
【Fターム(参考)】