説明

3次元立体形状織物及びその製造方法

本発明は、多層織物において、前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面層を構成する経糸だけからなる表面部と、表面層を構成する経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた表面接結部が順次繰り返し形成された表面層と;基本的に裏面層を構成する経糸だけからなる裏面部と、裏面層を構成する経糸及び前記中間層を構成する経糸から形成された裏面接結部が順次繰り返し織られ、裏面部の表面には前記中間層を構成する経糸が緯糸と交差せず製織された裏面層と;中間層を構成する経糸だけで織られて前記表面接結部及び裏面接結部に順次繰り返し連結された中間層を含み、前記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛させることにより形成される3次元立体形状織物及びその製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元的立体形状の発現が可能な織物及びその製造方法に関するものであり、新規な製織方法によって一つの織機及び1工程での製織が可能で、且つ平面形状と3次元立体形状間の形状変化が可能な、特にブラインド用として応用が可能な織物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
織物とは、ある原料から製造されて、製織(weaving)、編成(knitting)、折畳み(plaiting)または編組(braiding)の方法によって構成され、また繊維の連結(interlock)によってフェルト織物が作られたものを指す。織物の基本的な標準種類は、織布、編成布、フェルト、折畳み布、不織布、積層布、成形布に分けることができる。
【0003】
狭義の織物(woven)とは、垂直方向の経糸と水平方向の緯糸が直角に交差して織物を構成するものであり、下着と上着に最も多く使われる。一方、編成布は、1組の糸が輪を作り、これら輪が前後左右方向に組み合わされ編成を構成する。編成布は迅速に製編され、着用すると伸縮性がよく弾力性がある。また、フェルトは、1束の繊維を、熱、湿気、圧力、打撃を加えて連結させフェルトを構成し、糸はここには使われない。また、折畳み布、編組布、レースは複数の糸がある一方向に走行し、1組の糸が交差して目的とする形を成す。不織布は、接着材料の塗布、または表面の化学作用による繊維の付着、または熱によって熱可塑性繊維のウェブまたはシートの付着によって織物を構成する。また、積層布は、1枚または2枚の織物に発泡体(foam)を接着して織物を構成する。一般的に、柔軟且つふかふかの触感を出す。最後に、成形布は、押出される前の原平面よりも表面積が大きい。成形製品(衣類)は、柔らかくて弾力性があったりまたはパイル(pile)状あるいは平板状である。この製品は、着用感が良く且つ身体の機能にもよく応じ、形状維持に優れる。
【0004】
2次元状の織物は、その側面を活用したり使用したりできない。そのため、縫製やその他の接合法によって3次元的立体形状を付与するようになった。
【0005】
これを応用した産業用部分で、米国特許第3,384,519号には生地85,86の間に可動式ブレード(blade)87を置き、溶融または接合により生地と接着させたブラインドが提案された(図13参照)。前記方法は、ブレードが水平に移動するとメッシュ型織物を通して光が内部に入って来、再度ブレードが垂直に移動すると光を遮断して光量を調節でき、これは織物の柔らかさとメッシュ構造により光の遮蔽を制御するという長所はあるが、ブレードと織物が粘着剤あるいは接着剤によって接合するという理由から室内環境汚染源になり得、さらに長期間使用する場合には、紫外線による粘着剤の物性低下によって接合状態が低下したり分離してしまうという問題点がある。
【0006】
これを克服するために、韓国特許発明第699769号では、ロールスクリーン及びロールブラインドにおいて、前記ブラインドは経糸及び緯糸の連結手段によって一つの生地に製織し、前記ブラインドは風通しと光調節用の前面メッシュ型カーテン地12及び裏面メッシュ型カーテン地13と、光を遮断できる遮光カーテン地14を一体に形成し、前記の前面メッシュ型カーテン地12、裏面メッシュ型カーテン地13、遮光カーテン地14は、前方連結目15及び後方連結目16と一緒に製織される製織連結緯糸17によって一体結合できるように構成されたブラインドと、前記生地に製織されるブラインドの製織連結緯糸17は、経糸と一体に織られて結合されると共に、遮光カーテン地14と、前面メッシュ型カーテン地12と、後方メッシュ型カーテン地13を反復的に連結して固定する手段と;前記製織連結緯糸17は、後方連結目16で作られた後、前方連結目15に形成される凹部溝18を通過させながら製織される手段と;前記の前方連結目15と一体に結合される製織連結緯糸17の端部は、再度後方連結目16の経糸と反復的に製織されつつ、数個の連結目を形成する手段;にて前記遮光カーテン地を前面メッシュ型カーテン地と後面メッシュ型カーテン地間に製織できるように構成される経糸及び緯糸の連結方法で製織されるブラインドが提案された(図14参照)。
【0007】
しかし、前記構成は多層織物であって前方メッシュ型カーテン地と後面メッシュ型カーテン地が、結局は緯糸で全て連結されるため、緯糸を除去しないと3次元的立体形状発現を実現できなく、さらに、前方連結目15が形成されるためには前面メッシュ型カーテン地12、遮光カーテン地14及び緯糸17が、後方連結目16が形成されるためには裏面メッシュ型カーテン地13、遮光カーテン地14及び緯糸17が一体に形成されるものであって、前面メッシュ型カーテン地12、裏面メッシュ型カーテン地13、遮光カーテン地14、前方連結目15及び後方連結目16が全て一緒に製織されるものではない。
【0008】
前記特許の最も大きな問題点は、製織の基本理論から外れていることである。製織とは、織機を用いて経糸と緯糸を交差させて織物を織ることである。製織をするにおいては、整経機に経糸を巻き、これを通経した後、織機で前記経糸を上下に移動して開口を形成し、この間を緯糸が出たり入ったりして経糸と緯糸が相互交差した形態の織物が完成する。このような観点から、前記特許が完成されるためには、緯糸が上下運動(開口運動)を行わなければならないが、現実では存在しない製織方法のため、不完全だと言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような問題点を解決するために、本発明の目的は、粘着剤または接着剤を用いず、織物だけで3次元的立体形状の具現が可能な織物、及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、3次元的立体形状の具現が可能な織物であって、立体形状の変化によってデザインまたは深色性が変化し得る織物及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、細繊度糸で立体形状の具現が可能な織物及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、立体形状の変化によって遮光制御が可能な織物及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、産業用途として使用される場合、例えばブラインドとして使用できるように織物の柔軟性を確保しつつ形態安定性が維持される織物及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するために、本発明は多層織物において、前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と、表面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた表面接結部が順次繰り返し形成された表面層と;基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と、裏面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた裏面接結部が順次繰り返し形成された裏面層と;中間層を構成する経糸だけで織られて前記表面接結部及び裏面接結部に順次繰り返し連結された中間層を含み、前記裏面部の表面には前記中間層を構成する経糸が緯糸と交差せずに製織されて外部に露出し、製織後、前記の露出された経糸を剪毛(shearing)させることにより形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0015】
また本発明は、前記中間層の第1中間層と第2中間層が表面接結部と連結し、前記表面接結部の同一垂直上に存在する裏面接結部の次の順番の裏面接結部に連結される3次元立体形状織物を提供する。
【0016】
また本発明は、前記表面経糸と第1中間層を形成する経糸が一緒に織られて第1表面接結部を形成し、第1中間層を形成する経糸は単独で織られて中間層を形成し、裏面経糸と一緒に織られて第2裏面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0017】
また本発明は、前記裏面部は第1中間層の経糸が緯糸と交差せずに織られ、前記裏面部領域では裏面経糸だけが関与して織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0018】
また本発明は、前記第1中間層の連結経糸が第3表面接結部が始まる地点で第3裏面接結部の始点と第3表面接結部を相互連結し、その後、表面経糸と一緒に第3表面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0019】
また本発明は、前記第1表面接結部と同一な垂直位置において裏面層では第1裏面接結部が形成され、前記第1裏面接結部は裏面経糸と第2中間層の経糸から形成され、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られて、この領域では裏面層の経糸だけで緯糸と交差して裏面層を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0020】
また本発明は、第2中間層の連結経糸が、第2裏面接結部が始まる地点で表面層の第2表面接結部を形成するために表面経糸と一緒に織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0021】
また本発明は、第2表面接結部を形成した第2中間層の経糸が中間層を形成するために織られ、再度裏面経糸と一緒に第3裏面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0022】
また本発明は、多層織物において、前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層はそれぞれ表面部及び裏面部と接結部から形成され、綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、表面部及び裏面部は基本的にそれぞれ1/3、2/4で織られ、表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、裏面層の第1及び第3接結部は2/4/6/8で、第2接結部は2/4/5/7で織られ、第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られて前記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛することにより形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0023】
また本発明は、多層織物の製造方法において、表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、表面経糸と中間経糸が綜絖に従って開口運動を行って表面接結部を形成するために緯糸と交差する表面接結部形成段階;裏面経糸と中間経糸が開口運動を行って裏面接結部を形成するために緯糸と交差する裏面接結部形成段階;前記接結部が全て形成されたら、表面経糸だけが関与して表面部を形成するために緯糸と交差する表面部形成段階;前記中間層を形成するために中間経糸だけが緯糸と交差する中間層形成段階;裏面層では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部を織る裏面部形成段階を含み;前記段階が予め設計された長さ分だけ順次繰り返し、前記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0024】
また本発明は、前記中間層が第1中間層と第2中間層を含み;前記表面接結部形成段階は表面経糸と第1中間経糸が綜絖に従って開口運動を行い第1表面接結部を形成するように緯糸と交差する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0025】
また本発明は、前記裏面接結部形成段階で裏面経糸と第2中間経糸が開口運動を行って第2裏面接結部を形成するように緯糸と交差する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0026】
また本発明は、前記中間層形成段階で第1中間層を形成するために第1中間経糸だけが緯糸と交差する第1中間層形成段階を含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0027】
また本発明は、前記表面接結部形成段階で第2表面接結部を形成するために前記第2中間経糸と表面経糸で織られる第2表面接結部形成段階を含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0028】
また本発明は、前記裏面接結部形成段階で第2裏面接結部を形成するために第1中間経糸及び裏面経糸で織られる第2裏面接結部形成段階をさらに含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0029】
また本発明は、多層織物の製造方法において、表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、表面経糸と第1中間層を形成する経糸が一緒に織られて第1表面接結部を形成し、第1中間層を形成する経糸は単独で織られて第1中間層を形成する段階;前記第1表面接結部と同一な垂直位置において裏面層では第1裏面接結部を形成し、前記第1裏面接結部は裏面経糸と第2中間層の経糸から形成され、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られて、この領域では裏面層の経糸だけで緯糸と交差して裏面層を形成する段階;前記第2中間層の連結経糸は、第2裏面接結部が始まる地点で表面層の第2表面接結部を形成するために表面経糸と一緒に織られ、その後、第2中間経糸だけで第2中間層を形成する段階;前記第1中間層を形成した経糸は、裏面層を形成する経糸と一緒に織られて第2裏面接結部を形成し、前記第1中間層の経糸は緯糸と交差せずに織られ、前記領域では裏面層の経糸だけが関与して裏面部を形成する段階;前記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0030】
また本発明は、綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、表面部及び裏面部は基本的にそれぞれ1/3、2/4で織られ、表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、裏面層の第1及び第3接結部は2/4/6/8で、第2接結部は2/4/5/7で織られ、第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られた3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0031】
また本発明は、多層織物において、前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と、表面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた表面接結部が順次繰り返し形成された表面層と;基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と、裏面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた裏面接結部が順次繰り返し形成された裏面層と;中間層を構成する経糸だけで織られて前記表面接結部及び裏面接結部に順次繰り返し連結された中間層を含み、前記裏面部及び表面部の表面には前記中間層を構成する経糸が緯糸と交差せずに製織されて外部に露出し、製織後、前記の露出された経糸を剪毛させることにより形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0032】
また本発明は、前記中間層の第1中間層と第2中間層が表面接結部と連結し、前記表面接結部の同一垂直上に存在する裏面接結部の次の順番の裏面接結部に連結される3次元立体形状織物を提供する。
【0033】
また本発明は、前記表面経糸と第1中間層を形成する経糸が一緒に織られて第1表面接結部を形成し、第1中間層を形成する経糸は単独で織られて中間層を形成し、その後、裏面経糸と一緒に織られて第2裏面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0034】
また本発明は、前記裏面部が第1中間層の経糸が緯糸と交差せずに織られ、前記裏面部領域では裏面経糸だけが関与して織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0035】
また本発明は、前記第1中間層の連結経糸が第2裏面接結部と第3裏面接結部間の裏面部任意の地点で第2表面接結部及び第3表面接結部間の表面部に上昇して第3表面接結部が始まる地点まで緯糸と交差せずに製織される3次元立体形状織物を提供する。
【0036】
また本発明は、前記第1表面接結部と同一な垂直位置において裏面層では第1裏面接結部が形成され、前記第1裏面接結部は裏面経糸と第2中間層の経糸から形成され、その後、裏面部は裏面経糸だけで織られ、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0037】
また本発明は、前記第2中間経糸が第1裏面接結部と第2裏面接結部間の裏面部任意の地点で表面層に移動して、第1表面接結部及び第2表面接結部間の任意の表面部で第2表面接結部が始まる地点まで緯糸と交差せずに織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0038】
また本発明は、第2表面接結部を形成した第2中間層の経糸が第2中間層を形成するために織られ、再度裏面経糸と一緒に第3裏面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0039】
また本発明は、多層織物の製造方法において、表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、表面経糸と中間経糸が綜絖に従って開口運動を行って表面接結部を形成するために緯糸と交差する表面接結部形成段階;裏面経糸と中間経糸が開口運動を行って裏面接結部を形成するために緯糸と交差する裏面接結部形成段階;前記接結部が全て形成されたら、表面経糸だけが関与して表面部を形成するために緯糸と交差する表面部形成段階;前記中間層を形成するために中間経糸だけが緯糸と交差する中間層形成段階;裏面層では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部を織る裏面部形成段階;前記裏面接結部を形成した中間経糸が、その後、裏面部で緯糸と交差せずに織られ、次の裏面接結部が始まる前に裏面部の任意の地点で表面層に移動する段階を含み;前記段階が予め設計された長さ分だけ順次繰り返され、前記裏面層及び表面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0040】
また本発明は、前記中間層が第1中間層と第2中間層を含み;前記表面接結部形成段階は表面経糸と第1中間経糸が綜絖に従って開口運動を行って第1表面接結部を形成するように緯糸と交差する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0041】
また本発明は、前記裏面接結部形成段階が、裏面経糸と第2中間経糸が開口運動を行って第2裏面接結部を形成するように緯糸と交差する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0042】
また本発明は、前記中間層形成段階が、第1中間層を形成するために第1中間経糸だけが緯糸と交差する第1中間層形成段階をさらに含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0043】
また本発明は、前記表面接結部形成段階が、第2表面接結部を形成するために前記第2中間経糸と表面経糸で織られる第2表面接結部形成段階をさらに含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0044】
また本発明は、前記裏面接結部形成段階が、第2裏面接結部を形成するために第1中間経糸及び裏面経糸で織られる第2裏面接結部形成段階をさらに含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0045】
また本発明は、多層織物の製造方法において、表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、前記表面経糸と第1中間層を形成する経糸が一緒に織られて第1表面接結部を形成し、第1中間層を形成する経糸は単独で織られて第1中間層を形成する段階;前記第1表面接結部と同一な垂直位置において裏面層では第1裏面接結部を形成し、前記第1裏面接結部は裏面経糸と第2中間層の経糸から形成され、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られて、この領域では裏面層の経糸だけで緯糸と交差して裏面部を形成し、前記第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られて前記裏面部の任意の地点で表面層に上昇する段階;前記第2中間層の連結経糸は、第1表面接結部及び第2表面接結部間の任意の地点で裏面部から上昇して緯糸と交差せずに織られて、第2裏面接結部が始まる地点で表面層の第2表面接結部を形成するために表面経糸と一緒に織られ、その後、第2中間経糸だけで第2中間層を形成する段階;前記第1中間層を形成した経糸は、裏面層を形成する経糸と一緒に織られて第2裏面接結部を形成し、前記第1中間層の経糸は緯糸と交差せずに織られ、次の裏面接結部を形成する領域まで裏面経糸だけが関与して裏面部を形成する段階;前記裏面層及び表面層の外部に露出された中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0046】
また本発明は、綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、表面部及び裏面部は基本的にそれぞれ1/3、2/4で織られ、表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、裏面層の第1及び第3接結部は2/4/6/8で、第2接結部は2/4/5/7で織られ、第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られた3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0047】
また本発明は、多層織物において、前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と、表面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた表面接結部が順次繰り返し形成された表面層と;基本的に裏面経糸及び前記中間層を構成する経糸から形成された裏面部及び裏面接結部が順次繰り返し織られた裏面層と;中間層を構成する経糸だけで織られて前記表面接結部及び裏面接結部に順次繰り返し連結された中間層を含み、前記表面層には前記中間層を構成する経糸が別の緯糸と交差して織物の表面に露出した突出部が形成され、製織後、前記突出部を除去することで3次元立体形状発現が具現される3次元立体形状織物を提供する。
【0048】
また本発明は、前記中間層の第1中間層と第2中間層が表面接結部と連結し、前記表面接結部の同一垂直上に存在する裏面接結部の次の順番の裏面接結部に連結される3次元立体形状織物を提供する。
【0049】
また本発明は、前記表面層の表面部が他の経糸の関与なく表面経糸だけで製織され、その後、第2表面接結部は表面経糸と第2中間経糸で織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0050】
また本発明は、前記第2中間層が第2中間経糸だけで織られ、前記第2中間経糸は表面経糸と一緒に織られて第2表面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0051】
また本発明は、前記接結部を形成した第2中間経糸が表面層の上部に露出し、別途の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0052】
また本発明は、前記突出部を形成した経糸が裏面層に移動して第2裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部(B区間)及び第3裏面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0053】
また本発明は、前記裏面部(A区間)及び第2裏面接結部が裏面経糸及び第1中間経糸で織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0054】
また本発明は、前記第1中間層が第1中間経糸だけで織られ、第3表面接結部は表面経糸及び第1中間経糸で織られる3次元立体形状織物を提供する。
【0055】
また本発明は、前記接結部を形成した第1中間経糸が表面層の上部に露出し、別途の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0056】
また本発明は、前記突出部を形成した経糸が裏面層に移動して第3裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部及び裏面接結部を形成する3次元立体形状織物を提供する。
【0057】
また本発明は、多層織物において、前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層はそれぞれ表面部及び裏面部と接結部から形成されて、綜絖番号として表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られ、表面層は1/3で織られ、表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/6/8で、第2裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/5/7で、第3裏面接結部までは裏面部と前記接結部が再度2/4/6/8で形成され、このような過程が順次繰り返されて前記表面層の外部に露出された突出部を除去することにより形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0058】
また本発明は、織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸が低融点糸で織られた3次元立体形状織物を提供する。
【0059】
また本発明は、前記低融点糸が分子構造の改質、共重合、ブレンド(blending)、紡糸工程の制御、複合紡糸によって意図的に融点を低くして約摂氏120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加える場合、表面が微細に融着し得る物性を有する原糸で織られた3次元立体形状織物を提供する。
【0060】
また本発明は、織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸が低融点糸と難燃糸が混合した原糸または低融点部と難燃部からなる複合繊維で織られた3次元立体形状織物を提供する。
【0061】
また本発明は、前記低融点部(糸)と難燃部(糸)の比率が15:85〜50:50重量%の3次元立体形状織物を提供する。
【0062】
また本発明は、前記剪毛前または後に、または前記裏面層の外部に露出した突出部を除去する前または後に織物の形態安定性をより向上させたり、堅性を補強するために製織された織物を熱でさらに処理してなる3次元立体形状織物を提供する。
【0063】
また本発明は、前記熱処理は摂氏120〜190℃の温度範囲内で行われる3次元立体形状織物を提供する。
【0064】
また本発明は、前記表面層と裏面層がメッシュ構造で織られた3次元立体形状織物を提供する。
【0065】
また本発明は、前記中間層が前記表面層と裏面層よりもさらに密な構造で製織された3次元立体形状織物を提供する。
【0066】
また本発明は、前記表面層及び裏面層で経糸または緯糸が0.2〜2mmの間隔で製織された3次元立体形状織物を提供する。
【0067】
また本発明は、多層織物の製造方法において、表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、表面経糸だけで織られる表面部形成段階;中間経糸だけから織られる中間層形成段階;前記中間経糸と裏面経糸で織られる裏面部形成段階;前記表面経糸と中間経糸で織られる表面接結部形成段階;前記中間経糸と裏面経糸で織られる裏面接結部形成段階;及び前記中間経糸が表面層の外部に露出して別の緯糸と織られて突出部を形成する段階を含み、前記段階が予め設計された長さ分だけ順次繰り返され、前記表面層の外部に露出された突出部を除去する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0068】
また本発明は、表面経糸と第2中間経糸で第2表面接結部を形成する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0069】
また本発明は、前記中間層が第1中間層と第2中間層から形成され、それぞれの中間層は第1中間経糸及び第2中間経糸で織られる3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0070】
また本発明は、前記第2中間経糸が表面層の上部に露出し、別途の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で突出部を形成する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0071】
また本発明は、前記突出部を形成した第2中間経糸が裏面層に移動して第2裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部(B区間)及び第3裏面接結部を形成する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0072】
また本発明は、裏面経糸及び第1中間経糸で裏面部(A区間)及び第2裏面接結部を形成する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0073】
また本発明は、第3表面接結部が表面経糸及び第1中間経糸で織られる3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0074】
また本発明は、前記接結部を形成した第1中間経糸が表面層の上部に露出し、別の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で形成される3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0075】
また本発明は、前記突出部を形成した経糸が裏面層に移動して第3裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部及び裏面接結部を形成する3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0076】
また本発明は、多層織物の製造方法において、前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層はそれぞれ表面部及び裏面部と接結部から形成され、綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、第1中間層及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られ、表面層は1/3で織られ、表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/6/8で、第2裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/5/7で、第3裏面接結部までは裏面部と前記接結部が再度2/4/6/8で形成され、このような過程が順次繰り返されて前記表面層の外部に露出された突出部を除去することにより形成される3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0077】
また本発明は、織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸が低融点糸である3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0078】
また本発明は、前記低融点糸が分子構造の改質、共重合、ブレンド、紡糸工程の制御、複合紡糸によって意図的に融点を低くして約摂氏120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加えると、表面が微細に融着し得る物性を有した原糸である3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0079】
また本発明は、織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸が低融点糸と難燃糸が混合した原糸または低融点部と難燃部からなる複合繊維で織られた3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0080】
また本発明は、前記低融点部(糸)と難燃部(糸)の比率が15:85〜50:50重量%である3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0081】
また本発明は、前記剪毛前または後に、または突出部除去段階前または後に織物の形態安定性をより向上させたり、堅性を補強するために製織された織物に熱処理段階をさらに含む3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0082】
また本発明は、前記熱処理段階が摂氏120〜190℃の温度範囲内で行われる3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0083】
また本発明は、前記表面層と裏面層がメッシュ構造で織られた3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0084】
また本発明は、前記中間層が前記表面層と裏面層よりもさらに密な構造で製織された3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0085】
また本発明は、前記表面層及び裏面層で経糸または緯糸が0.2〜2mmの間隔で製織された3次元立体形状織物の製造方法を提供する。
【0086】
また本発明は、前記方法によって製造された3次元立体形状織物を提供する。
【0087】
また本発明は、前記織物及び前記方法によって製造された織物を利用した衣類を提供する。
【0088】
また本発明は、前記織物及び前記方法によって製造された織物を利用した素材を提供する。
【0089】
また本発明は、前記織物及び前記方法によって製造された織物を利用したブラインドを提供する。
【発明の効果】
【0090】
上述のように、本発明の実施例にかかる織物及び製造方法は、従来の織物の製織方法で製織しながらも、2次元的形状に過ぎなかった織物を3次元的立体形状に形状変化できるという効果がある。
【0091】
また、本発明の実施例による織物及び製造方法は、2次元形状と3次元形状に変換させることで、織物のデザイン、深色性、遮光効果をそれぞれ違ったものにできるという効果がある。
【0092】
また、本発明の実施例による織物及び製造方法は、粘着剤や接着剤を使用せず、且つ表面コーティング工程を経ずに形態安定性を維持でき、たった1回織るだけで3次元立体形状の具現が可能だという長所がある。
【0093】
また、本発明の実施例による織物及び製造方法は、織物特有の柔軟性を維持しつつ形態安定性が確保できるため、産業用素材や衣類用素材として活用できる。
【0094】
また、本発明の実施例による織物及び製造方法は、接着方式ではない製織方式で表面層と裏面層の接結部を形成することにより、環境にやさしく、また表面層と裏面層の連結状態が半永久的に持続し得るという長所がある。
【0095】
また、本発明の実施例による織物を遮光材として使用する場合は、低融点糸を使用して製織した後、一定温度で熱処理することで、コーティング等の方法を用いなくとも遮光材として重要な特徴であるドレープ性に優れるとともに、本来の素材感を失わず、温度及び湿度による変形がない素材を提供できる有用な発明である。
【0096】
また、本発明の実施例による織物は、難燃性に優れ、燃焼時に有毒ガスが発生しない有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の好ましい一実施例による織物の経糸進行方向にかかる断面図
【図2】図1の実施例による織物の製織方法を示した断面概念図
【図3】図1の実施例による織物の製織方法を綜絖番号で示した断面概念図
【図4】図1の実施例による織物の製織方法を示した剪毛後の断面概念図
【図5】図1の実施例による織物の製織順序図
【図6】図1の実施例による織物の製織順序図
【図7】本発明の好ましい他の一実施例による織物の製織方法を示した断面概念図
【図8】本発明の好ましい実施例にかかる織物の立体形状発現図
【図9】本発明のまた別の一実施例による織物の経糸進行方向にかかる断面図
【図10】図9による織物の連結経糸の除去状態図
【図11】図9による織物の表面概念図
【図12】本発明の好ましい一実施例にかかる使用状態図
【図13】従来技術によるブラインドの斜視図
【図14】従来技術によるブラインドの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0098】
以下、本発明に添付した図面を参照しながら本発明の好ましい一実施例を詳しく説明する。先ず、図面中、同一な構成要素または部品はできるだけ同一な参照符号を表していることに留意する必要がある。本発明を説明するにおいて、関連する公知機能あるいは構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を不明瞭としないために省略する。
【0099】
本明細書で使用される用語「約」、「実質的に」等は、言及された意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示された場合は、その数値でまたはその数値に近接した意味で使用され、本発明の理解を助けるために正確または絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防ぐために使用する。
【0100】
本明細書で「織物」とは、狭義の織物、編成物、フェルト、プレート、不織布、接着織物、モルド織物全てを意味する用語として使用する。但し、本発明の一実施例を説明するにおいては、狭義の織物(woven)を例に挙げて説明する。よって、本発明による織物の製織方法を説明するにおいて、経糸と緯糸が共に交差して織られることは当然のことであり、本明細書で「経糸のみ織られる」という表現は、当然緯糸と交差することを意味する。但し、具体的に緯糸と交差しないという表現がある場合は、この限りでない。
【0101】
図1〜図3は、本発明の好ましい一実施例にかかる織物の断面構造を表したものであり、経糸の進行として説明する。
【0102】
図1に示されたように、本発明による織物は3層構造から形成できる。実際には図1のように製織されるが、理解し易いように図2及び図3のように表面層100と裏面層200を離隔させて説明する。
【0103】
本発明による織物は、表面層100、裏面層200、前記表面層100と裏面層200を連結する中間層300から形成される。前記表面層100は表面接結部110と表面部120が、裏面層200には裏面接結部210と裏面部220が形成できる。前記表面部120及び裏面部220は、それぞれ表面層及び裏面経糸(以下「表面経糸」及び「裏面経糸」とする)だけで製織され、また表面接結部110及び裏面接結部210は前記表面経糸と裏面経糸及び中間層を構成する経糸から形成できる。一方、前記中間層300は相互異なる経糸からなる第1中間層310と第2中間層320から形成できる(以下「第1中間経糸」及び「第2中間経糸」とする)。
【0104】
基本的に、表面部120と裏面部220は、他の経糸の関与なく独立した経糸(表面経糸及び裏面経糸)で製織される。図2に図示されたA区間からそれぞれの経糸が関与する層を中心に製織の原理を説明すると、表面経糸と第1中間層310を形成する経糸(第1中間経糸)が一緒に織られ、第1表面接結部111を形成する。その後、第1中間経糸は単独で織られて中間層300中の第1中間層310を形成した後、裏面経糸と一緒に織られて裏面層200に第2裏面接結部213を形成する。その後、第1中間経糸は緯糸と交差せずに織られ、前記領域(B区間の裏面部)で裏面経糸だけが関与して裏面部220を形成する。その後、第3表面接結部115が始まる地点で前記緯糸と交差せずに織られた第1中間経糸(連結経糸,311)は、第3裏面接結部215の始点と第3表面接結部115を相互連結し、表面経糸と一緒に第3表面接結部115を形成する。以降の過程は第1表面接結部111を形成した後と同一である。
【0105】
一方、前記第1表面接結部111と相互異なる層の同一な位置において裏面層200では第1裏面接結部211が形成される。基本的に裏面層200は裏面経糸だけで製織されるため、これは表面層と同一である。前記第1裏面接結部211は裏面経糸と第2中間経糸から形成される。その後、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られ、この領域では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部220を形成する(A区間)。その後、前記緯糸と交差せずに織られた第2中間経糸(連結経糸,321)は、第2裏面接結部213が始まる地点で表面層100の第2表面接結部113を形成するために表面経糸と一緒に織られる。このとき、連結経糸321は第2表面接結部113と第2裏面接結部213を連結する役割をする。ここで、前記第2表面接結部113と第2裏面接結部213は、相互異なる層に同一な垂直位置で織られ得る。第2表面接結部113を形成した第2中間経糸は、中間層(ここではB領域の第2中間層)を形成するために前記第2中間経糸だけで織られ、再度裏面経糸と一緒に第3裏面接結部215を形成する。以降の製織はA領域と同様に行われる。
【0106】
図3は、綜絖番号により本発明の織物の製織方法を単純化したものであり、表面経糸を1/3、裏面経糸を2/4、第1中間経糸を5/7、第2中間経糸を6/8とするとき、表面部120及び裏面部220は基本的にそれぞれ1/3、2/4で織られ、表面層の第1及び第3接結部111,115は1/3/5/7で、第2接結部113は1/3/6/8で織られる。裏面層の第1及び第3接結部211,215は2/4/6/8で、第2接結部213は2/4/5/7で織られる。また、第1中間層310及び第2中間層320は、それぞれ5/7と6/8で織られる。
【0107】
図2及び図3を参照して本発明による織物を実際の製織の順序に従い説明する。A区間の第1表面接結部111から始める。すなわち、表面経糸と第1中間経糸が綜絖に従って開口運動を行って、第1表面接結部を形成するために緯糸と1回交差する(第1表面接結部形成段階)。その後、裏面経糸と第2中間経糸が開口運動を行って第2裏面接結部を形成するために緯糸と交差する(第1裏面接結部形成段階)。前記第1表面接結部形成段階と第1裏面接結部形成段階は、予め設計された接結部の長さ(例えば1cm)に従い順次繰り返され、それぞれの接結部を全て織るまで継続する。
【0108】
前記接結部111,211が全て形成されると、表面経糸だけが関与してA区間の表面部120を形成するために緯糸と交差し(表面部形成段階)、第1中間層を形成するために第1中間経糸だけが緯糸と交差する(第1中間層形成段階)。また、裏面層では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部220を織り始める(裏面部形成段階)。前記表面部形成−第1中間層形成−裏面部形成の順序が順次繰り返し続けると共に、予め設計された長さ分だけそれぞれの第2接結部の直前まで継続する。
【0109】
次に、B区間を説明すると、A区間と関与する経糸だけに違いがあるだけで、製織方法は同一である。第2表面接結部113は、前記第2中間経糸と表面経糸が(第2表面接結部形成段階)、第2裏面接結部213は第1中間経糸及び裏面経糸で織られる(第2裏面接結部形成段階)。その後、表面部は表面経糸で(表面部形成段階)、第2中間層320は第2中間経糸で(第2中間層形成段階)、裏面部は裏面経糸で(裏面部形成段階)、前記A区間と同様に順次繰り返して製織される。
【0110】
前記では、経糸と緯糸の1回の交差だけを基本に説明したが、経緯糸の繊度や組織の構成によって、その回数は各層ごとに異なり得、また表面層から形成される順序を説明したが、中間層や裏面層から始まり得ることは当然である(図5及び図6参照)。
【0111】
前記のような方式で製織された織物は、連結経糸311,321によって表面層と裏面層が結合しているため3次元的立体形状を発現できない。よって、3次元的立体形状の発現のためには前記連結経糸311,321を除去しなければならない。図4は、連結経糸311,321を除去した状態の織物を表したものである。前記連結経糸が除去されることにより、表面層100と裏面層200は中間層300で相互交差された形態で連結され、3次元的立体的形状の発現が可能になる。これを接結部で説明すると、第1表面接結部111は第2裏面接結部213と第1中間層310で連結され、第2表面接結部113は第3裏面接結部215と第2中間層320で連結される。このような構造は、連続的に反復し得る。
【0112】
図7は、本発明の好ましい他の一実施例にかかる織物の製織方法を表した概念図である。本実施例は、前記で説明した実施例と基本的な製織原理は同一である。しかし、連結経糸311,321の接結地点に違いがある。A区間を始点として説明する。第1裏面接結部211を形成した第2中間経糸は、裏面部220が形成される区間aで緯糸と交差せずに製織されることは、前記で説明した実施例と同一である。前記の図1の実施例では、第2中間経糸が第2裏面接結部213が始まる地点で表面経糸と一緒に第2表面接結部113を形成するように表面層100に移動するが、本実施例では裏面部220だけが形成される区間の任意の地点で表面層100に移動し、前記表面層に移動した第2中間経糸は表面部120の区間bで緯糸と交差せずに製織される。その後、第2表面接結部113が形成される領域では表面経糸と一緒に製織されることは前記実施例と同一である。また、第1中間経糸もやはり同一な方式で製織される。
【0113】
よって、本実施例によって製織された織物は、表面層及び裏面層共に緯糸と交差しない経糸が表面に露出することになる。この点で裏面層にのみ緯糸と交差しない経糸が露出する前記実施例と違いがある。
【0114】
前記実施例によって製織された織物は、連結経糸311,321によって表面層と裏面層が結合しているため、3次元的立体形状を具現するためには前記連結経糸311,321を除去しなければならない。本実施例による織物の場合は、連結経糸を除去する際に切断された連結経糸が繊維のランダム移動現象によって織物の内部に入り込むという短所を防止できるという長所がある。
【0115】
前記連結経糸を除去する方法は様々な方法によって行えるが、一例として、剪毛法によって行うことができる。すなわち、裏面層200で緯糸と交差せず、露出した経糸を切断した後、吸入式で除去することもできる。
【0116】
図8は、本発明の好ましい一実施例による織物の使用状態を表した概略図であり、図1は織物に立体的形状を発現しない状態を表した図であるのに対し、図8は表面層を上昇させて織物に立体的形状を発現した場合を表したものである。
【0117】
一方、前記剪毛段階を行う前、または後に織物の形態安定性をより向上させたり堅性を補強するために熱処理工程を行うことができる。好ましくは剪毛段階を行う前に熱処理で織物に堅性を付与できる。これは熱処理前に剪毛段階を行う場合、多層織物が密着した状態でカットのような過激な作用が織物に加えられるため、織物が損傷するケースが発生するためである。
【0118】
このために、前記経糸及び/または緯糸に低融点糸を使用して製織できる。前記低融点糸は、分子構造の改質、共重合、ブレンド、紡糸工程の制御、複合紡糸等によって意図的に融点を低くし、約摂氏120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加える場合、表面が微細に融着し得る物性を有する原糸であれば何でも良い。具体的に、韓国特許発明第289414号で提案されたテレフタル酸またはこのエステル形成誘導体とエチレングリコールとネオペンチルグリコールを共重合させて製造したコポリエステル系バインダー繊維を使用することもできる。また、複合紡糸によって製造された低融点糸として、前記低融点糸はコア(core)部が支持の役割をし、シース(sheath)部が熱処理時に融着する部分であり、韓国特許発明第587122号で提案された低融点成分と高融点成分からなり、前記低融点成分が繊維方向に繊維表面の少なくとも一部を連続的に形成し、ガラス転移温度が60℃以上で且つ50〜70モル%がポリエチレンテレフタレート単位からなっている共重合ポリエステル80〜99重量%とポリオレフィン1〜20重量%との混合物で構成されている熱融着性複合繊維を使用することもできる。
【0119】
一方、経糸及び/または緯糸を低融点糸と難燃糸を混合して使用することもでき、低融点部と難燃部から形成された複合繊維(シース−コア型、分割型、多重海島型等)や、或いは低融点糸と難燃糸の混紡糸であり得る。この場合、産業用素材として、特にカーテン地やブラインド用として活用できる。このとき、前記低融点部と難燃部または低融点糸と難燃糸の比率は約15:85〜50:50重量%が好ましい。難燃部(糸)が前記比率未満で含まれると難燃効果が低下し、前記範囲を超過して含まれると熱処理時に低融点部(糸)が融着する程度が低く織物に堅質の付与効果が微々だという短所がある。
【0120】
図9〜図11は、本発明の好ましいまた別の実施例を表したものであり、前述の製織方法と基本的に表面層、裏面層を形成し、これらの間に中間層を形成する原理は同一だが、製織中に中間層の経糸の進行に違いがある。
【0121】
先ず、A区間の進行を説明すると、表面層100の表面部120は異なる経糸の関与なく表面経糸だけで製織され、その後、第2表面接結部113は表面経糸と第2中間経糸で織られる。一方、第2中間層320は第2中間経糸だけで織られるものは前記実施例と同一である。その後、第2中間層320の連結経糸321は表面層上に露出されて突出部400を形成するが、図9の部分拡大図のように2本の緯糸が連結経糸321を上下から包み込む形態からなる。前記緯糸と交差した連結経糸321は、その後、裏面経糸と一緒にB区間の裏面層200の一部を形成し、第3裏面接結部215でも裏面経糸と一緒に織られる。一方、再度A区間の裏面層200は裏面経糸と第1中間経糸が一緒に織られて区間を形成し、第2裏面接結部213もやはり裏面経糸と第1中間経糸から形成する。その後、前記第1中間経糸はB区間で第1中間層310を形成し、表面経糸と会って第3表面接結部115を形成し、別途の緯糸と表面に突出した状態で露出400した後、第3裏面接結部215以降で裏面経糸と会って裏面層を一緒に形成する。すなわち、本実施例で裏面層200の裏面部220は、裏面経糸と第1または第2中間経糸が関与して裏面部220と裏面接結部210を形成し、他の区間では第2または第1中間経糸が関与して交代で、反復的に裏面層を形成する。
【0122】
図10は、綜絖番号に従って本発明による織物の製織方法を単純化したものであり、表面層100の経糸を1/3、裏面層200の経糸を2/4、第1中間層310の経糸を5/7、第2中間層320の経糸を6/8とすると、表面層は基本的に1/3で織られ、表面層の第1及び第3接結部111,115は1/3/5/7で、第2接結部113は1/3/6/8で織られる。一方、裏面層では第1裏面接結部211までは裏面部と前記接結部が2/4/6/8で、第2裏面接結部213までは裏面部と前記接結部が2/4/5/7で、第3裏面接結部215までは裏面部と前記接結部が再度2/4/6/8で形成され、このような過程が順次繰り返される。第1及び第2中間層は、それぞれ5/7と6/8で織られる。
【0123】
一方、本実施例による織物も前記連結経糸311,321によって表面層と裏面層が相互分離しない。よって、前記連結経糸を除去しなければならないが、前記の通り剪毛工程によって除去される場合もあるが、前記表面層に露出した経糸400を除去することによって、より簡単に連結経糸を除去できる。すなわち、前記表面層に露出した連結経糸は、緯糸によって固定されており、前記緯糸は幅方向を連続的に前記連結経糸と一緒に露出されている(図11参照)。前記表面に露出された緯糸を上昇させて除去すると、前記緯糸に一緒に交差されている連結経糸も一緒に上昇し、それぞれの接結部で切断が起こり前記緯糸と一緒に連結経糸は全て除去できる。
【0124】
本発明による織物は、前記表面層、裏面層、中間層はそれぞれ組織の密度が異なって製織され得る。例えば、表面層と裏面層をメッシュ構造で織り、中間層をこれよりも更に密な構造から形成すると、前記織物で立体的形状が発現しない場合(図1のような場合)には織物を境に内外部が相互露出しない構造だが、図8のように立体的形状を発現する場合、中間層が表面層及び裏面層に対して垂直形態に移動し、これにより表面層と裏面層のメッシュ構造によって織物の内外部が相互露出され得る構造が実現する。これは、遮光や保安素材として活用できることを意味し、衣類素材としても新たな機能を発現できる。このために、表面層及び裏面層で経糸と緯糸の間隔を0.2〜2mmに位置させると更に好ましい効果を発現できる。また、本発明による織物は前記表面層、裏面層、中間層の組織構造やデザインが違ったものを製織できることは勿論である。
【0125】
以上で説明した本発明は、前述の実施例及び添付の図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様に置換、変形及び変更ができることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において明白である。
【符号の説明】
【0126】
100 表面層
110 表面接結部
120 表面部
200 裏面層
210 裏面接結部
220 裏面部
300 中間層
310,320 第1, 第2中間層
400 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層織物において、
前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、
基本的に表面経糸だけからなる表面部と、表面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた表面接結部が順次繰り返し形成された表面層と;
基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と、裏面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた裏面接結部が順次繰り返し形成された裏面層と;
中間層を構成する経糸だけで織られて前記表面接結部及び裏面接結部に順次繰り返し連結された中間層を含み、
前記裏面部の表面には前記中間層を構成する経糸が緯糸と交差せずに製織されて外部に露出し、製織後、前記の露出された経糸を剪毛させることにより形成される3次元立体形状織物。
【請求項2】
前記中間層の第1中間層と第2中間層は、
表面接結部と連結し、前記表面接結部の同一垂直上に存在する裏面接結部の次の順番の裏面接結部に連結される請求項1に記載の3次元立体形状織物。
【請求項3】
前記表面経糸と第1中間層を形成する経糸が一緒に織られて第1表面接結部を形成し、第1中間層を形成する経糸は単独で織られて中間層を形成し、その後、裏面経糸と一緒に織られて第2裏面接結部を形成する請求項2に記載の3次元立体形状織物。
【請求項4】
前記裏面部は第1中間層の経糸が緯糸と交差せずに織られ、前記裏面部領域では裏面経糸だけが関与して織られる請求項3に記載の3次元立体形状織物。
【請求項5】
前記第1中間層の連結経糸は、第3表面接結部が始まる地点で第3裏面接結部の始点と第3表面接結部を相互連結し、その後、表面経糸と一緒に第3表面接結部を形成する請求項4に記載の3次元立体形状織物。
【請求項6】
前記第1表面接結部と同一な垂直位置において、裏面層では第1裏面接結部が形成され、前記第1裏面接結部は裏面経糸と第2中間層の経糸から形成され、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られる請求項5に記載の3次元立体形状織物。
【請求項7】
前記第2中間層の連結経糸は、第2裏面接結部が始まる地点で表面層の第2表面接結部を形成するために表面経糸と一緒に織られる請求項6に記載の3次元立体形状織物。
【請求項8】
第2表面接結部を形成した第2中間層の経糸は、第2中間層を形成するために織られ、再度裏面経糸と一緒に第3裏面接結部を形成する請求項7に記載の3次元立体形状織物。
【請求項9】
多層織物において、
前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層はそれぞれ表面部及び裏面部と接結部から形成され、
綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、
表面部及び裏面部は基本的にそれぞれ1/3、2/4で織られ、
表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、
裏面層の第1及び第3接結部は2/4/6/8で、第2接結部は2/4/5/7で織られ、
第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られて、
前記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛することにより形成される3次元立体形状織物。
【請求項10】
多層織物の製造方法において、
表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
表面経糸と中間経糸が綜絖に従って開口運動を行って表面接結部を形成するために緯糸と交差する表面接結部形成段階;
裏面経糸と中間経糸が開口運動を行って裏面接結部を形成するために緯糸と交差する裏面接結部形成段階;
前記接結部が全て形成されたら、表面経糸だけが関与して表面部を形成するために緯糸と交差する表面部形成段階;
前記中間層を形成するために中間経糸だけが緯糸と交差する中間層形成段階;
裏面層では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部を織る裏面部形成段階を含み;
前記段階が予め設計された長さ分だけ順次繰り返し、
前記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項11】
前記中間層は第1中間層と第2中間層を含み;
前記表面接結部形成段階は表面経糸と第1中間経糸が綜絖に従って開口運動を行い第1表面接結部を形成するように緯糸と交差する請求項10に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項12】
前記裏面接結部形成段階は、裏面経糸と第2中間経糸が開口運動を行って第2裏面接結部を形成するように緯糸と交差する請求項11に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項13】
前記中間層形成段階は、第1中間層を形成するために第1中間経糸だけが緯糸と交差する第1中間層形成段階を含む請求項12に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項14】
前記表面接結部形成段階は、第2表面接結部を形成するために前記第2中間経糸と表面経糸で織られる第2表面接結部形成段階を含む請求項13に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項15】
前記裏面接結部形成段階は、第2裏面接結部を形成するために第1中間経糸及び裏面経糸で織られる第2裏面接結部形成段階をさらに含む請求項14に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項16】
多層織物の製造方法において、
表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、
表面経糸と第1中間層を形成する経糸が一緒に織られて第1表面接結部を形成し、第1中間層を形成する経糸は単独で織られて第1中間層を形成する段階;
前記第1表面接結部と同一な垂直位置において裏面層では第1裏面接結部を形成し、前記第1裏面接結部は裏面経糸と第2中間層の経糸から形成され、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られて、この領域では裏面層の経糸だけで緯糸と交差して裏面層を形成する段階;
前記第2中間層の連結経糸は、第2裏面接結部が始まる地点で表面層の第2表面接結部を形成するために表面経糸と一緒に織られ、その後、第2中間経糸だけで第2中間層を形成する段階;
前記第1中間層を形成した経糸は、裏面層を形成する経糸と一緒に織られて第2裏面接結部を形成し、前記第1中間層の経糸は緯糸と交差せずに織られ、前記領域では裏面経糸だけが関与して裏面部を形成する段階;
前記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項17】
綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、
表面部及び裏面部は基本的にそれぞれ1/3、2/4で織られ、
表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、
裏面層の第1及び第3接結部は2/4/6/8で、第2接結部は2/4/5/7で織られ、
第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られた請求項16に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項18】
多層織物において、
前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、
基本的に表面経糸だけからなる表面部と、表面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた表面接結部が順次繰り返し形成された表面層と;
基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と、裏面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた裏面接結部が順次繰り返し形成された裏面層と;
中間層を構成する経糸だけで織られて前記表面接結部及び裏面接結部に順次繰り返し連結された中間層を含み、
前記裏面部及び表面部の表面には前記中間層を構成する経糸が緯糸と交差せずに製織されて外部に露出し、製織後、前記の露出された経糸を剪毛させることにより形成される3次元立体形状織物。
【請求項19】
多層織物の製造方法において、
表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
表面経糸と中間経糸が綜絖に従って開口運動を行って表面接結部を形成するために緯糸と交差する表面接結部形成段階;
裏面経糸と中間経糸が開口運動を行って裏面接結部を形成するために緯糸と交差する裏面接結部形成段階;
前記接結部が全て形成されたら、表面経糸だけが関与して表面部を形成するために緯糸と交差する表面部形成段階;
前記中間層を形成するために中間経糸だけが緯糸と交差する中間層形成段階;
裏面層では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部を織る裏面部形成段階;
前記裏面接結部を形成した中間経糸が、その後、裏面部で緯糸と交差せずに織られ、次の裏面接結部が始まる前に裏面部の任意の地点で表面層に移動する段階を含み;
前記段階が予め設計された長さ分だけ順次繰り返され、
前記裏面層及び表面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項20】
多層織物の製造方法において、
表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、
前記表面経糸と第1中間層を形成する経糸が一緒に織られて第1表面接結部を形成し、第1中間層を形成する経糸は単独で織られて中間層を形成する段階;
前記第1表面接結部と同一な垂直位置において裏面層では第1裏面接結部を形成し、前記第1裏面接結部は裏面経糸と第2中間層の経糸から形成され、第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られてこの領域では裏面層の経糸だけで緯糸と交差して裏面部を形成し、前記第2中間経糸は緯糸と交差せずに織られて前記裏面部の任意の地点で表面層に上昇する段階;
前記第2中間層の連結経糸は、第1表面接結部及び第2表面接結部間の任意の地点で裏面部から上昇して緯糸と交差せずに織られて、第2裏面接結部が始まる地点で表面層の第2表面接結部を形成するために表面経糸と一緒に織られ、その後、第2中間経糸だけで第2中間層を形成する段階;
前記第1中間層を形成した経糸は、裏面層を形成する経糸と一緒に織られて第2裏面接結部を形成し、前記第1中間層の経糸は緯糸と交差せずに織られ、次の裏面接結部を形成する領域まで裏面経糸だけが関与して裏面部を形成する段階;
前記裏面層及び表面層の外部に露出された中間層の連結経糸を剪毛する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項21】
綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、
表面部及び裏面部は基本的にそれぞれ1/3、2/4で織られ、
表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、
裏面層の第1及び第3接結部は2/4/6/8で、第2接結部は2/4/5/7で織られ、
第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られた請求項20に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項22】
多層織物において、
前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、
基本的に表面経糸だけからなる表面部と、表面経糸及び前記中間層を構成する経糸で織られた表面接結部が順次繰り返し形成された表面層と;
基本的に裏面経糸及び前記中間層を構成する経糸から形成された裏面部及び裏面接結部が順次繰り返し織られた裏面層と;
中間層を構成する経糸だけで織られて前記表面接結部及び裏面接結部に順次繰り返し連結された中間層を含み、
前記表面層には前記中間層を構成する経糸が別の緯糸と交差して織物の表面に露出した突出部が形成され、
製織後、前記突出部を除去することで3次元立体形状発現が具現される3次元立体形状織物。
【請求項23】
前記中間層の第1中間層と第2中間層は、
表面接結部と連結し、前記表面接結部の同一垂直上に存在する裏面接結部の次の順番の裏面接結部に連結される請求項22に記載の3次元立体形状織物。
【請求項24】
前記表面層の表面部は他の経糸の関与なく表面経糸だけで製織され、その後、第2表面接結部は表面経糸と第2中間経糸で織られる請求項23に記載の3次元立体形状織物。
【請求項25】
前記第2中間層は第2中間経糸だけで織られ、前記第2中間経糸は表面経糸と一緒に織られて第2表面接結部を形成する請求項24に記載の3次元立体形状織物。
【請求項26】
前記接結部を形成した第2中間経糸は、表面層の上部に露出し、別途の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で形成される請求項25に記載の3次元立体形状織物。
【請求項27】
前記突出部を形成した経糸は、裏面層に移動して第2裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部(B区間)及び第3裏面接結部を形成する請求項26に記載の3次元立体形状織物。
【請求項28】
前記裏面部(A区間)及び第2裏面接結部は、裏面経糸及び第1中間経糸で織られる請求項27に記載の3次元立体形状織物。
【請求項29】
前記第1中間層は第1中間経糸だけで織られ、第3表面接結部は表面経糸及び第1中間経糸で織られる請求項28に記載の3次元立体形状織物。
【請求項30】
前記接結部を形成した第1中間経糸は表面層の上部に露出し、別途の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で形成される請求項29に記載の3次元立体形状織物。
【請求項31】
前記突出部を形成した経糸は、裏面層に移動して第3裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部及び裏面接結部を形成する請求項30に記載の3次元立体形状織物。
【請求項32】
多層織物において、
前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層はそれぞれ表面部及び裏面部と接結部から形成されて、
綜絖番号として表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、
第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られ、
表面層は1/3で織られ、表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、
裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/6/8で、第2裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/5/7で、第3裏面接結部までは裏面部と前記接結部が再度2/4/6/8で形成され、このような過程が順次繰り返されて前記表面層の外部に露出された突出部を除去することにより形成される3次元立体形状織物。
【請求項33】
織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸は低融点糸で織られた請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の3次元立体形状織物。
【請求項34】
前記低融点糸は分子構造の改質、共重合、ブレンド、紡糸工程の制御、複合紡糸によって意図的に融点を低くして約摂氏120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加える場合、表面が微細に融着し得る物性を有する原糸で織られた請求項33に記載の3次元立体形状織物。
【請求項35】
織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸は、低融点糸と難燃糸が混合した原糸または低融点部と難燃部からなる複合繊維で織られた請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の3次元立体形状織物。
【請求項36】
前記低融点部(糸)と難燃部(糸)の比率は15:85〜50:50重量%である請求項35に記載の3次元立体形状織物。
【請求項37】
前記剪毛前または後に、または前記裏面層の外部に露出した突出部を除去する前または後に織物の形態安定性をより向上させたり、堅性を補強するために製織された織物を熱でさらに処理してなる請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の3次元立体形状織物。
【請求項38】
前記熱処理は摂氏120〜190℃の温度範囲内で行われる請求項37に記載の3次元立体形状織物。
【請求項39】
前記表面層と裏面層がメッシュ構造で織られた請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の3次元立体形状織物。
【請求項40】
前記中間層は前記表面層と裏面層よりもさらに密な構造で製織された請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の3次元立体形状織物。
【請求項41】
前記表面層及び裏面層で経糸または緯糸が0.2〜2mmの間隔で製織された請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の3次元立体形状織物。
【請求項42】
多層織物の製造方法において、
表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
表面経糸だけで織られる表面部形成段階;
中間経糸だけから織られる中間層形成段階;
前記中間経糸と裏面経糸で織られる裏面部形成段階;
前記表面経糸と中間経糸で織られる表面接結部形成段階;
前記中間経糸と裏面経糸で織られる裏面接結部形成段階;及び
前記中間経糸が表面層の外部に露出して別の緯糸と織られて突出部を形成する段階を含み、
前記段階が予め設計された長さ分だけ順次繰り返され、
前記表面層の外部に露出された突出部を除去する段階を含む3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項43】
表面経糸と第2中間経糸で第2表面接結部を形成する請求項42に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項44】
前記中間層は、第1中間層と第2中間層から形成され、それぞれの中間層は第1中間経糸及び第2中間経糸で織られる請求項43に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項45】
前記第2中間経糸は表面層の上部に露出し、別途の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で突出部を形成する請求項44に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項46】
前記突出部を形成した第2中間経糸は、裏面層に移動して第2裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部(B区間)及び第3裏面接結部を形成する請求項45に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項47】
裏面経糸及び第1中間経糸で裏面部(A区間)及び第2裏面接結部を形成する請求項46に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項48】
第3表面接結部は、表面経糸及び第1中間経糸で織られる請求項47に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項49】
前記接結部を形成した第1中間経糸は表面層の上部に露出し、別の2本の緯糸が前記経糸の上と下に織られて前記経糸を包み込む形態で形成される請求項48に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項50】
前記突出部を形成した経糸は、裏面層に移動して第3裏面接結部の形成が完了した地点から裏面経糸と一緒に裏面部及び裏面接結部を形成する請求項49に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項51】
多層織物の製造方法において、
前記織物は表面層、裏面層、及び前記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
前記中間層は第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層はそれぞれ表面部及び裏面部と接結部から形成され、
綜絖番号として、表面層の経糸を1/3、裏面層の経糸を2/4、第1中間層の経糸を5/7、第2中間層の経糸を6/8とするとき、
第1及び第2中間層はそれぞれ5/7と6/8で織られ、
表面層は1/3で織られ、表面層の第1及び第3接結部は1/3/5/7で、第2接結部は1/3/6/8で織られ、
裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/6/8で、第2裏面接結部までは裏面部と前記接結部が2/4/5/7で、第3裏面接結部までは裏面部と前記接結部が再度2/4/6/8で形成され、このような過程が順次繰り返されて前記表面層の外部に露出された突出部を除去することにより形成される3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項52】
織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸は低融点糸である請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項53】
前記低融点糸は分子構造の改質、共重合、ブレンド、紡糸工程の制御、複合紡糸によって意図的に融点を低くして約摂氏120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加えると、表面が微細に融着し得る物性を有した原糸である請求項52に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項54】
織物に使用される経糸、緯糸または経糸及び緯糸は、低融点糸と難燃糸が混合した原糸または低融点部と難燃部からなる複合繊維で織られた請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項55】
前記低融点部(糸)と難燃部(糸)の比率は15:85〜50:50重量%である請求項54に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項56】
前記剪毛前または後に、または突出部除去段階前または後に織物の形態安定性をより向上させたり、堅性を補強するために製織された織物に熱処理段階をさらに含む請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項57】
前記熱処理段階は摂氏120〜190℃の温度範囲内で行われる請求項56に記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項58】
前記表面層と裏面層がメッシュ構造で織られた請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項59】
前記中間層は前記表面層と裏面層よりもさらに密な構造で製織された請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項60】
前記表面層及び裏面層で経糸または緯糸が0.2〜2mmの間隔で製織された請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の3次元立体形状織物の製造方法。
【請求項61】
請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の方法によって製造された3次元立体形状織物。
【請求項62】
請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の織物、または請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の方法によって製造された織物から形成された衣類。
【請求項63】
請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の織物、または請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の方法によって製造された織物から形成された素材。
【請求項64】
請求項1〜9、18、22〜32のいずれかに記載の織物、または請求項10〜17、19〜21、42〜51のいずれかに記載の方法によって製造された織物から形成されたブラインド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公表番号】特表2010−523838(P2010−523838A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502943(P2010−502943)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002049
【国際公開番号】WO2008/127030
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509284082)ウーングジン ケミカル カンパニー,リミテド (7)
【出願人】(509284071)ユーイル コーポレーション カンパニー,リミテド (5)
【Fターム(参考)】