説明

3次元Webサイト生成方法

【課題】 ・3次元Webサイトを作成するには、CGの知識が必要であり、知識の獲得に時間がかかる。
・苦難の末にCGの知識を獲得しても、3次元イメージを作成するのに恐ろしく時間がかかる。
【解決手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
3Dイメージを作成する作業と3次元Webサイト作成する作業を完全に分離し、3次元Webサイト作成は、作成された3Dイメージを選択し、どのように配置するかなどの3次元空間の表現方法を記述したテキストファイル(3次元表現ファイル)を作成する。このことにより、3次元Webサイト作成は、CGの知識を必要とせず質の高い3次元Webサイトを作成ことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容易に3次元Webサイトを作成するための生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、VRML等の3Dグラフィックス記述言語を用いて作成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−31527
【0004】
特許文献1で提案されている技術は、Webページを自動生成するオーサリングソフトウェアをユーザに供与するためのコンピュータシステムである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
・VRML等の3Dグラフィックス記述言語は、CG(コンピュータグラフィックス)の知識が必要であり、知識の獲得に時間がかかる。
・苦難の末にCGの知識を獲得しても、3次元イメージを作成するのに恐ろしく時間がかかる。
本発明は、以上のような欠点を無くすために、なされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
インターネット上のサーバーに
・3次元イメージ
・3次元イメージの表現方法、又は一連の動きを記述したデータ(表現パターン)
・3次元空間の表現を記述したテキストファイル(3次元表現ファイル)
を有し、クライアント端末に
・3次元表現ファイルを基に、3次空間と2次元オブジェクト(文字列など)の描画機能を持つWebブラウザーより構成される3次元Webサイト生成方法である。
【0007】
3次元表現ファイルは、3次元イメージをどのように使って、3次元空間を表現するかを記述するテキストファイルである。
3次元表現ファイルの基本的な内容として
・3次元空間を表現した3次元イメージの指定
・3次元イメージの配置位置と配置方法を現す情報
・発生イベントに対応する3次元イメージと表現パターンを関連付けた情報
・文字列、ポップアップウィンドウなどの2次元オブジェクトの表示方法
を記述する。
【0008】
表現パターンの基本的な内容として
・表面の材質、光源、カメラ位置などを設定したレンダリング情報
・一連の動き(アニメーション)を設定した情報
を記述したデータである。
【発明の効果】
【0009】
3次元イメージ、表現パターンは、3次元イメージ作成者が3Dモデリングソフト等により作製したデータであり、3次元イメージ作成者がインターネット上のサーバーにアップロードする。このことにより、3次元イメージを作成する時間が省略できる。
【0010】
3次元表現ファイルは、3次元Webサイト作成者が記述するテキストファイルであり、3次元Webサイト作成者がインターネット上のサーバーにアップロードする。3次元表現ファイルの基本的な内容は、CGの知識を必要としないので、3次元Webサイト作成者は、CGの知識をもつ必要がなく、短期間に精度の高い3次元Webサイトを作成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る3次元Webサイト生成方法の関連図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
インターネット上のサーバーに
・3次元空間を表現した3次元イメージ(空間オブジェクト)
・空間オブジェクトに配置するための3次元イメージ(配置オブジェクト)
・3次元イメージの表現方法、又は一連の動きを記述したデータ(表現パターン)
・3次元空間の表現を記述したテキストファイル(3次元表現ファイル)
を有し、3次元Webサイトを閲覧するためのクライアント端末に
・3次元表現ファイルの解析機能
・3次元空間の描画機能
・2次元空間の描画機能
を持つWebブラウザー
より構成される3次元Webサイト生成方法である。
【0013】
本発明は、以上のような構成であり、3次元イメージ作成者は、3次元イメージ、表現パターンを3Dモデリングソフト等を使って作成し、インターネット上のサーバーにアップロードする。
【0014】
3次元Webサイトの作成者は、3次元表現ファイルをテキストエディター等を使って作成し、インターネット上のサーバーにアップロードする。3次元表現ファイルは、HTMLファイルに相当するものである。
【0015】
3次元Webサイトの閲覧者は、Webブラウザーに3次元表現ファイルのURLを設定し実行する。Webサーバーは、サーバー上の3次元表現ファイルをWebブラウザーに送信する。Webブラウザーは、3次元表現ファイルを解析し、必要な3次元イメージ、表現パターンをダウンロードする。Webブラウザーは、3次元イメージ、表現パターンを3次元描画プログラムに渡す。3次元描画プログラムは渡された3次元イメージ、表現パターンに基づいて、3次元空間を描画し、3次元表現ファイルの2次元オブジェクトを表示する。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図1を用いて説明する。
・3次元イメージ作成者Aは3Dモデリングソフト等を用いて3DイメージAと表現パターンAを作成し、サーバーSにアップロードする。
・3次元イメージ作成者Bは3Dモデリングソフト等を用いて3DイメージBを作成し、サーバーSにアップロードする。
・3次元イメージ作成者Cは3Dモデリングソフト等を用いて3DイメージCと表現パターンCを作成し、サーバーSにアップロードする。
・Webサイトの作成者Wは3次元表現ファイルWを作成し、サーバーSにアップロードする。
・3次元Webサイトの閲覧者Xは、Webブラウザーに3次元表現ファイルWのURLを指定する。
・Webブラウザーは、サーバーSの3次元表現ファイルWを基に3次元空間を表現する。
【0017】
3次元表現ファイルWの内容を具体例を用いて説明する。
1)名前の定義付け
・港区芝公園=港区芝公園の3次元空間(3DイメージA)を定義
・4丁目 =港区芝公園4丁目の3次元座標(x,y,z)を定義
・4丁目手前=港区芝公園4丁目の手前の3次元座標(x−3m,y,z)を定義
・朝の光景 =表現パターンAを定義
・東京タワー=3DイメージBを定義
・人物 =3DイメージCを定義
・挨拶をする=表現パターンCを定義
2)3次元空間の指定(HTML風に表現すると)
・〈base href=″http://サーバーS/″〉
・〈body background=″港区芝公園″ onLoad=″朝の光景″〉
ページの読み込みが完了したときに3DイメージAを表現パターンAでレンダリングする。
3)3次元空間に3Dイメージを配置
・〈img src=″東京タワー″ 位置=″4丁目″〉
3DイメージBを3次元座標のx,y,zに配置する。
4)3Dイメージに表現パターンと発生イベントを関連付ける
・〈img src=″人物″ 位置=″4丁目手前″ onClick=″挨拶をする″〉
3DイメージCをクリックしたときに、3DイメージCの表現パターンC(アニメーション)を実行する。
5)文字列の表示
・〈文字列=″案内係り″ 位置=″x,y″〉
文字列を2次元座標(画面)のx,yに表示する。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、3Dイメージ作成者と3次元Webサイト作成者が完全に分離されたシステムなので、3Dイメージを提供する側と3Dイメージを利用して3次元Webサイトを作成する側の間で新しいビジネスが生まれることが容易に想像出来る。
例えば、カーナビなどに地図情報を提供している企業が、空間オブジェクト(3Dイメージ)を作成し、建築会社が建築物の配置オブジェクト(3Dイメージ)を提供し、不動産企業が3次元Webサイト(3次元表現ファイル)を作成すれば、春夏秋冬の日当たり状況などを簡単にシュミレーションできる。また建築物の配置オブジェクトは、内部に入れば、空間オブジェクトになるので、家電、家具メーカがそれぞれの自社製品を配置オブジェクトとして提供すれば、部屋のレイアウトなども簡単にシュミレーションできる。
【符号の説明】
【0019】
A 3Dイメージ作成者その1
B 3Dイメージ作成者その2
C 3Dイメージ作成者その3
S インターネット上のサーバー
W 3次元Webサイト作成者
X 3次元Webサイトの閲覧者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上のサーバーに
・3次元イメージ
・表現パターン
・3次元表現ファイル
を有し、クライアント端末に
・3次元表現ファイルの解析機能
・3次元空間の描画機能
・2次元空間の描画機能
を持つWebブラウザー
より構成される3次元Webサイト生成方法である。
【請求項2】
Webブラウザーの3次元空間描画機能が
3Dモデリングソフトの3次元描画プログラムをインプロセスまたは、アウトプロセスとして実行する請求項1の3次元Webサイト生成方法。
【請求項3】
Webブラウザーの機能が
3Dモデリングソフト自身にWebブラウザーの機能を持つ請求項1の3次元Webサイト生成方法。
【請求項4】
インターネット上のサーバーに
座標位置、配置方法、表現パターンに別名を定義した一覧表を持つ請求項1の3次元Webサイト生成方法。
【請求項5】
インターネット上の特定サーバーに
・3次元イメージ
・表現パターン
・3次元表現ファイル
を有し、クライアント端末が
・特定サーバーへのアクセス機能
・3次元空間の描画機能
・2次元空間の描画機能
を持つ専用端末より構成される3次元Webサイト生成方法である。

【図1】
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【公開番号】特開2012−3735(P2012−3735A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153412(P2010−153412)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(510186384)
【Fターム(参考)】