説明

3D文字メールシステム

【課題】電子メールのメッセージコンテンツの表現力を増強させることを課題とする。
【解決手段】携帯電話1では、テキストデータTxDが入力され、3Dオーサリング操作が行われる。携帯電話1からテキストデータTxDと3Dオーサリング指示データDDがサーバ3に送信されると、サーバ3では、3Dグラフィックの制御情報であるシナリオデータSDが生成される。テキストデータTxDとシナリオデータSDは3Dメッセージ情報MDとしてサーバ3に蓄積される。携帯電話1から携帯電話2に3Dメッセージ情報MDへのアクセス情報が通知されると、携帯電話2はサーバ3にアクセスし、3Dメッセージ情報MDおよび必要な3Dフォントをダウンロードする。これにより携帯電話2において3D文字メールが再生される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールのコンテンツ作成および送信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話を利用した電子メールは、時間と場所を選ぶことなく手軽にメッセージを交換することができるメリットがある。そして、携帯電話を利用した電子メールでは、テキスト文字に加えて、絵文字を利用したメッセージ交換が行われている。また、携帯電話の高機能化に伴い、簡易的な画像やカラー画像を含めたメッセージ交換を行うことが可能となっている。
【0003】
下記非特許文献1では、文字が移動する動的なメッセージを交換することが可能な携帯電話が紹介されている。このように、携帯電話を利用した電子メールでは、様々な手法により表現力を増強させる試みがされている。
【0004】
また、下記非特許文献2では、電子メールのコンテンツとして2D(2次元)のアニメーションを利用することにより、3次元的なコンテンツを表現することを可能としている。
【0005】
【非特許文献1】http://www.sonyericsson.co.jp/product/docomo/so505i/planet.html
【非特許文献2】http://www.incredimail.com/
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話を利用した電子メールでは、さらにメッセージに対する表現力の多様性が求められている。携帯電話がコミュニケーション手段の1つとして大きな役割を有する中で、電子メールの表現力を強化させることの意義は大きい。
【0007】
上記非特許文献2では、視覚的には3次元的な表現力を有する文字を用いた電子メールを交換することを可能としているが、実際に交換されるコンテンツは2次元のアニメーションデータである。こうしたサービスにおいては、文字にあらかじめ設定された動きしか与えることができず、また仮に利用者が2次元アニメーションの素材自体を作成するにしても、携帯電話のような小型端末において、一般の利用者が2Dアニメーションデータを作成する作業は事実上非常に困難である。結果として個々の利用者の作成するコンテンツは非常に類似したものになってしまい、個性表現することが困難で、飽きられやすいという欠点がある。
【0008】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、電子メールメッセージの表現力を増強させると同時に、利用者が簡便に個性表現をおこなうことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、前記第1端末は、入力されたテキストメッセージを3Dフォントを用いて表現するための指示情報を生成し、テキストメッセージおよび指示情報をサーバに送信する手段、を備え、前記サーバは、3Dフォントを蓄積する手段と、受信した指示情報に基づいてテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、受信したテキストメッセージおよび生成した制御情報を3Dメッセージ情報として蓄積する手段と、を備え、前記第1端末は、さらに、前記サーバに蓄積された3Dメッセージ情報に対するアクセスパス情報を前記第2端末に送信する手段、を備え、前記第2端末は、前記第1端末から受信したアクセスパス情報に基づいて前記サーバにアクセスし、3Dメッセージ情報および対応する3Dフォントをダウンロードし、3D文字メールを再生する手段、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の3D文字メールシステムにおいて、前記第1端末は、さらに、前記サーバから3Dメッセージ情報および対応する3Dフォントをダウンロードして、3D文字メールを再生することにより、3D文字メールの再生状態を事前確認する手段、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、前記第1端末は、3Dフォントを蓄積する手段と、入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、テキストメッセージと、生成した制御情報と、テキストメッセージを表現するために使用する3Dフォントとをサーバに送信する手段と、を備え、前記サーバは、受信したテキストメッセージおよび制御情報を3Dメッセージ情報として蓄積するとともに、受信した3Dフォントを蓄積する手段、を備え、前記第1端末は、さらに、前記サーバに蓄積された3Dメッセージ情報に対するアクセスパス情報を前記第2端末に送信する手段、を備え、前記第2端末は、前記第1端末から受信したアクセスパス情報に基づいて前記サーバにアクセスし、3Dメッセージ情報および対応する3Dフォントをダウンロードし、3D文字メールを再生する手段、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、前記第1端末は、入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、テキストメッセージと、生成した制御情報とを前記第2端末に送信する手段と、を備え、前記第2端末は、前記第1端末から受信したテキストメッセージと制御情報とに基づいて3D文字メールを再生するために必要な3Dフォントを特定するとともに、特定された3Dフォントをサーバからダウンロードし、前記第1端末から受信したテキストメッセージと制御情報と前記サーバからダウンロードした3Dフォントとに基づいて3D文字メールを再生する手段、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、前記第1端末は、3Dフォントを蓄積する手段と、入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、テキストメッセージと、生成した制御情報と、テキストメッセージを表現するために使用する3Dフォントとを前記第2端末に送信する手段と、を備え、前記第2端末は、前記第1端末から受信したテキストメッセージと、制御情報と、3Dフォントに基づいて3D文字メールを再生する手段、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項3または請求項5に記載の3D文字メールシステムにおいて、前記第1端末は、さらに、入力されたテキストメッセージと、生成した制御情報と、3Dフォントに基づいて3D文字メールを再生することにより、3D文字メールの再生状態を事前確認する手段、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、前記第1端末は、入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、前記テキストメッセージおよび生成した制御情報を前記第2端末に送信する手段と、を備え、前記第2端末は、3Dフォントを蓄積する手段と、前記第1端末から受信したテキストメッセージおよび制御情報と、前記第2端末が蓄積している3Dフォントとに基づいて3D文字メールを再生する手段、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項4または請求項7に記載の3D文字メールシステムにおいて、前記第1端末は、さらに、3Dフォントを蓄積する手段と、入力されたテキストメッセージと、生成された制御情報と、前記第1端末が蓄積している3Dフォントに基づいて3D文字メールを再生することにより、3D文字メールの再生状態を事前確認する手段、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項3,5,8のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、前記第1端末は、端末本体に着脱可能な記憶媒体を備え、3D文字メールに使用する3Dフォントは、前記記憶媒体に蓄積されて供給されることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項7に記載の3D文字メールシステムにおいて、前記第2端末は、端末本体に着脱可能な記憶媒体を備え、3D文字メールに使用する3Dフォントは、前記記憶媒体に蓄積されて供給されることを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の3D文字メールシステムにおいて、前記記憶媒体には、3D文字メールのテンプレートデータが蓄積されていることを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、前記制御情報は、使用する3Dフォントのフォントタイプを指定した情報、を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、前記制御情報は、使用する3Dフォントに対するパラメータ、を含むことを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、前記第2端末に対して送信される3Dフォントは暗号化されていることを特徴とする。
【0023】
請求項15記載の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、前記第2端末に対して送信される制御情報は暗号化されていることを特徴とする。
【0024】
請求項16記載の発明は、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、前記テキストメッセージには、絵文字が含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、3D文字メールを再生するための情報として、3Dフォントとその制御情報を独立したデータとして扱い、これらデータを交換することによって、3D文字メールを再生する。このため、3D文字メールの作成および再生処理における自由度が高いシステムである。また、また、端末の限られたリソースを利用して、簡易な操作でオリジナリティあふれるメッセージコンテンツを作成することが可能である。
【0026】
また、請求項1,3,4のいずれかに記載の発明では、サーバを利用することにより、受信側端末が3Dフォントを保有する必要がない。
【0027】
また、請求項5または7に記載の発明では、サーバが不要な構成であり、3D文字メールの送信手順を簡略化させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
まず、本発明を説明するために必要な文言を定義する。この明細書において、「3Dフォント」とは、3次元の立体構造をあらわすモデルデータである。このモデルデータは、制御情報が与えられることによって、その形態や動作が決定される。本発明の「3D文字メールシステム」は、「テキストメッセージ」で用いられる文字に対して「3Dフォント」を用いることで、3次元グラフィックによる電子メールを再生可能とするものである。また、本明細書において「テキストメッセージ」には、日本語、外国語などの文字のほか、数字、記号、絵文字などが含まれる。つまり、あらかじめシステムにおいて特定のコードが与えられ、キー入力操作などによって電子メールの本文に入力可能な情報伝達データは全て「テキストメッセージ」に含まれる。
【0029】
{第1の実施の形態}
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。3D文字メールシステムは、2つの携帯電話1,2とサーバ3とを備えている。携帯電話1,2は、いずれも音声通話機能に加えてデータ通信機能を備えている。従って、携帯電話1,2は、他の携帯電話との間で電子メールを交換することが可能である。サーバ3は、携帯電話1,2とデータ通信可能なコンピュータである。サーバ3は、携帯電話のデータ通信ネットワーク上に接続されていてもよいし、そのデータ通信ネットワークに接続された他のネットワーク(インターネット等)に接続されていてもよい。
【0030】
以下において、携帯電話1が3D文字メールの作成側端末であり、携帯電話2が3D文字メールの再生側端末であるとして説明する。したがって、携帯電話1については3D文字メールを作成するために必要な機能のみを説明し、携帯電話2については3D文字メールを再生するために必要な機能のみを説明する。実際には、これら作成および再生するための機能を携帯電話1,2の双方が備えることにより、互いに3D文字メールの送受信が可能となる。
【0031】
携帯電話1,2は図に示すように、それぞれ操作部11,21、モニタ12,22、レンダリング部13,23、メール部14,24を備えている。操作部11,21は、各種のボタンから構成されており、携帯電話1,2の操作者はこの操作部11,21を操作することにより、電子メールのメッセージを入力することが可能である。また、操作部11,21を操作することにより電子メールの送信指示や受信表示指示など携帯電話1,2に対する各種の動作指示を行うことが可能である。また、モニタ12,22には入力したメッセージや相手端末から受信した電子メールの内容が表示される。レンダリング部13,23は、3Dオブジェクトを再生してモニタ12,22に出力する機能を有している。携帯電話1,2はこのレンダリング部13,23を備えることにより、3Dフォントおよび3Dフォントを制御する情報に基づいて3Dグラフィックを再生することが可能である。メール部14,24は、電子メールを作成する機能や、作成された電子メールを相手端末に送信する機能、相手端末から送信された電子メールを受信する機能等を備えている。
【0032】
携帯電話1は、さらに、3Dオーサリング指示部15を備えている。この実施の形態において、携帯電話1は、3Dフォントを自端末に保有していない。したがって、携帯電話1は、自端末で3Dグラフィックを生成することは行わない。携帯電話1は、3Dオーサリング指示部15によって、サーバ3に対して3D文字メールすなわち3Dグラフィックの生成指示を行うのである。
【0033】
一方、携帯電話2は、ブラウザ25を備えている。ブラウザ25は3D文字メールに関する情報を取得する際に利用される。
【0034】
次に、サーバ3について説明する。サーバ3は、ハードディスク等の記憶装置に、3DフォントセットFSおよびテンプレートシナリオデータTSDを蓄積している。サーバ3は複数種類の3DフォントセットFSを備えており、これによって、サーバ3は、様々なタイプの3D文字メールを生成することが可能である。テンプレートシナリオデータTSDは、3D文字メールのスタイルを決定するデータである。3D文字メールの作成者は、3DフォントセットFSの種類(つまりフォントタイプ)、3Dフォントの動き(移動、回転、速度等)、3Dフォントの色、3Dフォントの変形(モルフィング)情報、3Dフォントの拡大縮小率を、個別に自由に設定することが可能であるが、このテンプレートシナリオデータTSDを利用することで、あるテーマやモチーフに基づいて簡易に3D文字メールのスタイルを指定することが可能である。たとえば、「喜び編」という題名のシナリオテンプレートデータTSDを利用すれば、明るく楽しい雰囲気の3D文字メールを簡易に作成することができる。また、「落ち込み編」という題名のシナリオテンプレートデータTSDを利用すれば、元気を無くしている雰囲気を演出した3D文字メールを簡易に作成することが可能である。
【0035】
また、サーバ3は、3Dオーサリング部31を備えている。携帯電話1の3Dオーサリング指示部15よりオーサリング指示データDDが送信されると、3Dオーサリング部31は、受信したオーサリング指示データDDに基づいてシナリオデータSD(3Dフォントに関する制御情報)を作成する。このシナリオデータSDは、3Dオブジェクトである3Dフォントに対する設定パラメータを記述したデータである。具体的には、シナリオデータSDは、3DフォントセットFSの種類(つまりフォントタイプ)を指定する情報や、3Dフォントに対するパラメータを含んでおり、パラメータとしては、3Dフォントの動き(移動、回転、速度等)、3Dフォントの色、3Dフォントの変形(モルフィング)情報、3Dフォントの拡大縮小率が設定される。
【0036】
もし、携帯電話1の3Dオーサリング指示部15より受信したオーサリング指示データDDにテンプレートシナリオデータTSDを使用する指示が含まれていた場合には、シナリオデータSDとしてテンプレートシナリオデータTSDが利用される。
【0037】
サーバ3の備える3Dメッセージ登録部32は、携帯電話1より受信したテキストデータTxDと作成したシナリオデータSDを3Dメッセージ情報MDとして記憶装置に格納する。また、3Dメッセージ登録部32は、3Dメッセージ情報MDにアクセスするためのアクセスパス情報ADを携帯電話1に送信する機能を備える。この実施の形態では、3Dメッセージ情報MDにアクセスする方法としてwebを利用することとしている。従って、アクセスパス情報ADとしてはURLが利用される。
【0038】
次に、3D文字メールの作成から再生までの処理の流れについて説明する。まず、携帯電話1において、操作者が操作部11を操作してテキストデータTxDを入力する。さらに、操作者は各テキスト文字について3Dオーサリング指示を行う。具体的には、各テキスト文字について、どの3Dフォントを使用するのか、3Dフォントをどのように移動、回転させるのか、3Dフォントの色は何色にするのか、3Dフォントをどのように変形(モルフィング)させるのか、、3Dフォントをどのような大きさ(拡大縮小率)で表示させるのかといった設定操作を行う(この設定操作によって作成される情報をオーサリング指示データDDと呼ぶ)。あるいは、操作者は、テンプレートを使用することが可能である。たとえば、前述した「喜び編」、「落ち込み編」といったテンプレートを選択すれば、簡易にオーサリング操作を行うことが可能である。テンプレートを使用した場合には、その情報がオーサリング指示データDDに含まれる。
【0039】
以上の操作が行われると、3Dオーサリング指示部15は、入力されたテキストデータTxDとオーサリング指示データDDとをサーバ3に送信する。
【0040】
次に、サーバ3では、3Dオーサリング部31がテキストデータTxDとオーサリング指示データDDとを受信し、3Dフォントを制御するための情報としてシナリオデータSDを生成する。レンダリング機能を備えた端末であれば、このシナリオデータSDと3Dフォントとを利用することにより3Dグラフィックとしての3D文字メールを再生可能となる。
【0041】
次に、3Dオーサリング部31は、3DフォントセットFSの中から3D文字メールに使用する必要な3DフォントデータFDを選択し、選択した3DフォントデータFDおよび作成したシナリオデータSDを携帯電話1に送信する。たとえば、テキストデータTxDの中で同じ文字が重複して出現し、重複して出現する文字について同じ3Dフォントタイプが指定されている場合には、当該文字については1つの3DフォントデータFDを送信すれば充分である。
【0042】
携帯電話1では、レンダリング部13が、受信した3DフォントデータFD、シナリオデータSD、および、入力したテキストデータTxDに基づいて3D文字メールを再生する。再生された3D文字メールはモニタ12に出力される。これにより、携帯電話1の操作者は、3D文字メールの送信前に、3D文字メールの再生状態を事前確認することが可能である。操作者は、3D文字メールの再生状態を見て必要な修正を加えることが可能である。再生状態に満足するなら登録操作を行う。これにより、サーバ3に登録指示データRDが送信される。
【0043】
サーバ3では、3D文字メッセージ登録部32が登録指示データRDを受信し、3Dオーサリング部31が作成したシナリオデータSDおよび携帯電話1より受信したテキストデータTxDをハードディスク等の記憶装置に3Dメッセージ情報MDとして登録する。この際、3Dメッセージ登録部32は、3Dメッセージ情報MDをWebアクセス可能な状態で所定のディレクトリに格納する。さらに、3Dメッセージ登録部32は、3Dメッセージ情報MDに対するアクセスパス(URL)を特定し、このアクセスパス情報ADを携帯電話1に送信する。
【0044】
携帯電話1では、3Dオーサリング指示部13がアクセスパス情報ADを受信すると、この情報をメール部14に通知する。そして、メール部14は、アクセスパス情報ADをメール本文に記載した電子メールEMを携帯電話2に対して送信する。
【0045】
携帯電話2では、メール部24が電子メールEMを受信する。そして、電子メールEMに記載されているアクセスパス情報ADをブラウザ25に通知する。ブラウザ25は、アクセスパス情報ADに記述されているURLを指定してサーバ3のWWWサーバ33にアクセスする。WWWサーバ33は、指定されたURLに格納されている3Dメッセージ情報MDおよび必要な3DフォントデータFDを携帯電話2に送信する。このようにして、ブラウザ25は、3Dメッセージ情報MD(テキストデータTxD+シナリオデータSD)と、この3D文字メールの再生に必要な3DフォントデータFDをダウンロードする。
【0046】
なお、シナリオデータSDと3DフォントデータFDは暗号化された上でサーバ3から携帯電話2に送信される。これにより、携帯電話2が、3DフォントデータFDをそのまま他の用途に利用できないようにし、3Dフォントの著作権を保護するようにしている。
【0047】
次に、携帯電話2のレンダリング部23は、ダウンロードしたテキストデータTxD、シナリオデータSD、および、3DフォントデータFDに基づいて3D文字メールを再生するのである。再生した3D文字メールはモニタ22に表示される。
【0048】
このようにして、携帯電話2は、携帯電話1が作成指示した3D文字メールを再生することが可能である。本実施の形態によれば、サーバ3を利用することにより、携帯電話1,2は、いずれも自端末に3DフォントセットFSを保有することなく3D文字メールを交換することが可能である。
【0049】
本発明によれば、送信側の携帯電話1は、3DフォントデータFDとシナリオデータSDに基づいて3Dグラフィックを生成するので、オーサリング用のツールを利用することで、3D文字メールの作成を比較的容易に行うことができる。たとえば、2Dアニメーション技術を用いて3次元的なコンテンツを作成する場合に比べて作成操作が容易である。また、受信側の携帯電話2は、3DフォントデータFDとシナリオデータSDに基づいて3Dグラフィックを再生するので、3D文字メールの再生処理における自由度を高くすることができる。つまり、3Dグラフィックを2次元のアニメーションに変換したコンテンツであれば、受信側はそのアニメーションを再生することしかできないが、3Dオブジェクトである3Dフォントとその3Dオブジェクトに対する制御情報を独立したデータとして受け取るので、受信側で3Dオブジェクトの動きや形状変化を変更する仕組みを構築することが可能となるのである。
【0050】
図6は、3D文字メールの表示イメージの一例を示す図である。図は、試験に合格した旨の3D文字メールを示している。まず、画面(a)は、「やったー」という3D文字が画面右横から時計周りに回転しながら出現する状態を示している。画面(b)は、「やったー」という3D文字が画面上部に移動している状態を示している。画面(c)は、「合格」という文字が画面中央に追加表示されるとともに、「しました」という3D文字が画面右横から出現し、時計回りに移動している状態を示している。そして、画面(d)は、「しました」という3D文字が画面下部に移動して表示されている状態を示している。また、画面(c)から画面(d)へ推移するにつれて「しました」という3D文字の形状が変化(モルフィング)している。このような3D文字メールを交換することにより、これまで以上に豊かな表現力を有するメッセージ交換が可能である。
【0051】
次に、本システムを利用すれば、利用者がテンプレートシナリオデータTSDを使いながらも、いかに個性的な3Dメッセージを作成可能になるかを説明する。まず、利用者は全体のメッセージの特徴から、予め提供されたテンプレートシナリオデータTSDのうち1つを選択する。上記の例の場合はたとえば、「喜び編:回転モルフィング」というテンプレートを選択する。その後、テキストデータTxDとして
やったー
ごうかく
しました。
と入力をおこなう。
【0052】
これだけの操作で、個々の行が画面右横から表示され、それぞれが回転・モルフィングしながら定位置に落ち着く3Dアニメーションを作成することができるが、合格という文字を強調するため、一般の漢字変換と同じスタイルで「ごうかく」とひらがな入力されたものを3Dフォントの「合格」に変更する。システムではこの利用者が固有に設定したオーサリングコマンドをテンプレートシナリオTSDよりも優先して、最終的なシナリオデータSDを生成する。よって、「合格」という文字は、テンプレートシナリオで規定された回転モルフィングのデフォルトの動きには従わず、この3Dフォントに固有に与えられた動き(たとえば合の字は左から、格の字は右から現れ、お互いにぶつかったあとに画面中央に収まるなど。)で表示される。
【0053】
本システムでは2Dのアニメーションを生成するのではなく、端末側の3Dレンダリング機能を用いて再生可能な3D文字メールを生成するので、2Dアニメーションの場合のように変更箇所を反映した画像をすべて生成しなおす必要はなく、単にシナリオデータと利用するフォントの情報の変更だけで上記のような編集が可能になる。利用者はこのように与えられたテンプレートを用いながらも、それを基に必要な個所のみを自由に編集することができるので、あらかじめ定められた動きしか表示できない2Dのアニメーションを利用する場合に比べて、無限の多様性を含むメッセージを簡便に作成することが可能である。
【0054】
{第2の実施の形態}
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は、第2の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。第1の実施の形態と同様に、3D文字メールシステムは、2つの携帯電話1,2とサーバ3とを備える。以下、第1の実施の形態と異なる機能部および処理内容を中心に説明する。
【0055】
第2の実施の形態は、携帯電話1が3DフォントセットFSとテンプレートシナリオデータTSDを保有する形態である。携帯電話1は、端末本体に着脱可能な記憶媒体18に対するインタフェース17を備えており、記憶媒体18に格納された各種データにアクセス可能としている。記憶媒体18として、たとえばフラッシュメモリなどが利用可能である。一方、この実施の形態では、サーバ3は、3DフォントセットFSとテンプレートシナリオデータTSDを保有する必要はない。
【0056】
そして、携帯電話1は、3Dオーサリング部16を備えている。この実施の形態において、携帯電話1は、3Dフォントを保有しているので、自端末において、3DフォントデータFDを用いた3Dグラフィックの生成を実行する。
【0057】
次に、3D文字メールの作成から再生までの処理の流れについて説明する。まず、携帯電話1において、操作者が操作部11を操作してテキストデータTxDを入力する。さらに、操作者は各テキスト文字について3Dオーサリング指示を行う。具体的には、各テキスト文字について、どの3Dフォントを使用するのか、3Dフォントをどのように移動、回転させるのか、3Dフォントの色は何色にするのか、3Dフォントをどのように変形(モルフィング)させるのか、3Dフォントをどのような大きさ(拡大縮小率)で表示させるのかといった設定操作を行う。あるいは、操作者は、テンプレートを使用することが可能である。たとえば、前述した「喜び編」、「落ち込み編」といったテンプレートを選択すれば、簡易にオーサリング操作を行うことが可能である。
【0058】
操作者が3Dオーサリング指示を行うと、3Dオーサリング部16は、シナリオデータSDを作成するとともに、3D文字メールを生成する。生成された3D文字メールはモニタ12に表示される。操作者は、3D文字メールの再生状態を見て必要な修正を加えることが可能である。再生状態に満足するなら登録操作を行う。登録操作が行われると、3Dオーサリング部16は、入力されたテキストデータTxD、作成したシナリオデータSD、および、3D文字メールに必要な3DフォントデータFDをサーバ3に送信する。3DフォントデータFDは、3DフォントセットFSの中から選択される。
【0059】
サーバ3では、3D文字メッセージ登録部32が受信したテキストデータTxD、シナリオデータSDを3Dメッセージ情報MDとして記憶装置に格納する。また、あわせて携帯電話1より受信した3DフォントデータFDを記憶装置に格納する。この際、3Dメッセージ登録部32は、3Dメッセージ情報MDをWebアクセス可能な状態で所定のディレクトリに格納する。さらに、3Dメッセージ登録部32は、3Dメッセージ情報MDに対するアクセスパス(URL)を特定し、このアクセスパス情報ADを携帯電話1に送信する。
【0060】
携帯電話1では、3Dオーサリング部16がアクセスパス情報ADを受信すると、この情報をメール部14に通知する。そして、メール部14は、アクセスパス情報ADをメール本文に記載した電子メールEMを携帯電話2に対して送信する。
【0061】
携帯電話2では、メール部24が電子メールEMを受信する。そして、電子メールEMに記載されているアクセスパス情報ADをブラウザ25に通知する。ブラウザ25は、このアクセスパス情報ADに記述されたURLを指定してサーバ3のWWWサーバ33にアクセスする。WWWサーバ33は、指定されたURLに格納されている3Dメッセージ情報MDおよび3DフォントデータFDを携帯電話2に送信する。このようにして、ブラウザ25は、3Dメッセージ情報MD(テキストデータTxD+シナリオデータSD)と、この3D文字メールの再生に必要な3DフォントデータFDをダウンロードする。
【0062】
なお、シナリオデータSDと3DフォントデータFDは暗号化された上でサーバ3から携帯電話2に送信される。これにより、携帯電話2が、3DフォントデータFDをそのまま他の用途に利用できないようにし、3Dフォントの著作権を保護するようにしている。
【0063】
次に、携帯電話2のレンダリング部23は、ダウンロードしたテキストデータTxD、シナリオデータSD、および、3DフォントデータFDに基づいて3D文字メールを再生するのである。再生した3D文字メールはモニタ22に表示される。
【0064】
このようにして、携帯電話2は、携帯電話1が作成指示した3D文字メールを再生することが可能である。本実施の形態によれば、携帯電話1から必要な3Dフォントを送信することにより、携帯電話2は、3DフォントセットFSを保有することなく3D文字メールを再生することが可能である。
【0065】
{第3の実施の形態}
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3は、第3の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。第1,2の実施の形態と同様に、3D文字メールシステムは、2つの携帯電話1,2とサーバ3とを備える。以下、第1,2の実施の形態と異なる機能部および処理内容を中心に説明する。
【0066】
第3の実施の形態は、携帯電話1が3DフォントセットFSとテンプレートシナリオデータTSDを保有する形態である。一方、サーバ3は、3DフォントセットFSを保有している。この実施の形態において、携帯電話1は、3Dフォントを保有しているので、自端末において、3DフォントデータFDを用いた3Dグラフィックの生成を実行する。
【0067】
次に、3D文字メールの作成から再生までの処理の流れについて説明する。まず、携帯電話1において、操作者が操作部11を操作してテキストデータTxDを入力する。さらに、操作者は各テキスト文字について3Dオーサリング指示を行う。具体的には、各テキスト文字について、どの3Dフォントを使用するのか、3Dフォントをどのように移動、回転させるのか、3Dフォントの色は何色にするのか、3Dフォントをどのように変形(モルフィング)させるのか、3Dフォントをどのような大きさ(拡大縮小率)で表示させるのかといった設定操作を行う。あるいは、操作者は、テンプレートを使用することが可能である。たとえば、前述した「喜び編」、「落ち込み編」といったテンプレートを選択すれば、簡易にオーサリング操作を行うことが可能である。
【0068】
操作者が3Dオーサリング指示を行うと、3Dオーサリング部16は、シナリオデータSDを作成するとともに、3D文字メールを生成する。生成された3D文字メールはモニタ12に表示される。操作者は、3D文字メールの再生状態を見て必要な修正を加えることが可能である。再生状態に満足するなら、操作者は、メール部14に対して3D文字メールの送信指示を行う。これにより、入力されたテキストデータTxDと、作成したシナリオデータSDが添付された電子メールEMが携帯電話2に対して送信される。
【0069】
携帯電話2では、メール部24が電子メールEMを受信する。そして、電子メールEMに添付されているテキストデータTxDと、シナリオデータSDとを取得する。そして、携帯電話2では、所得したテイストデータTxDとシナリオデータSDとを解析することにより、必要なフォントデータFDを特定する。そして、ブラウザ25は、サーバ3のWWWサーバ33に対して必要なフォントデータFDを指定した取得要求を行う。なお、サーバ3が蓄積している3DフォントセットFSを取得するためのアクセス情報は固定的なものとしてもよい。この場合には、あらかじめ本システムを利用する携帯電話2がアクセス情報を保持していればよい。あるいは、携帯電話1が送信した電子メールEMにアクセス情報を記述しておくようにしてもよい。
【0070】
WWWサーバ33は、記憶装置に蓄積されている3DフォントセットFDの中から指定された3DフォントデータFDを取得し、取得した3DフォントデータFDを携帯電話2に送信する。このようにして、ブラウザ25は、3D文字メールの再生に必要な3DフォントデータFDをダウンロードする。
【0071】
なお、3DフォントデータFDは暗号化された上でサーバ3から携帯電話2に送信される。これにより、携帯電話2が、3DフォントデータFDをそのまま他の用途に利用できないようにし、3Dフォントの著作権を保護するようにしている。
【0072】
次に、携帯電話2のレンダリング部23は、携帯電話1より受信したテキストデータTxDとシナリオデータSD、および、ダウンロードした3DフォントデータFDに基づいて3D文字メールを再生するのである。再生した3D文字メールはモニタ22に表示される。
【0073】
このようにして、携帯電話2は、携帯電話1が作成指示した3D文字メールを再生することが可能である。本実施の形態によれば、サーバ3から必要な3Dフォントをダウンロードすることにより、携帯電話2は、3DフォントセットFSを保有することなく3D文字メールを再生することが可能である。
【0074】
{第4の実施の形態}
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は、第4の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。第4の実施の形態では、第1〜3の実施の形態とことなり、3D文字メールシステムは、サーバ3を必要としていない。
【0075】
第4の実施の形態においても、第2,3の実施の形態と同様、携帯電話1が3DフォントセットFSとテンプレートシナリオデータTSDを保有する形態である。携帯電話1は、端末本体に着脱可能な記憶媒体18に対するインタフェース17を備えており、記憶媒体18に格納された各種データにアクセス可能としている。
【0076】
次に、3D文字メールの作成から再生までの処理の流れについて説明する。まず、携帯電話1において、操作者が操作部11を操作してテキストデータTxDを入力する。さらに、操作者は各テキスト文字について3Dオーサリング指示を行う。具体的には、各テキスト文字について、どの3Dフォントを使用するのか、3Dフォントをどのように移動、回転させるのか、3Dフォントの色は何色にするのか、3Dフォントをどのように変形(モルフィング)させるのか、3Dフォントをどのような大きさ(拡大縮小率)で表示させるのかといった設定操作を行う。あるいは、操作者は、テンプレートを使用することが可能である。たとえば、前述した「喜び編」、「落ち込み編」といったテンプレートを選択すれば、簡易にオーサリング操作を行うことが可能である。
【0077】
操作者が3Dオーサリング指示を行うと、3Dオーサリング部16は、シナリオデータSDを作成するとともに、3D文字メールの生成を行う。生成された3D文字メールはモニタ12に表示される。操作者は、3D文字メールの再生状態を見て必要な修正を加えることが可能である。再生状態に満足するなら送信操作を行う。送信操作が行われると、メール部14は、入力されたテキストデータTxD、作成したシナリオデータSD、および、3D文字メールに必要な3DフォントデータFDを添付した電子メールEMを携帯電話2に送信する。3DフォントデータFDは3DフォントセットFSの中から選択される。
【0078】
なお、シナリオデータSDと3DフォントデータFDは暗号化された上で携帯電話1から携帯電話2に送信される。これにより、携帯電話2が、3DフォントデータFDをそのまま他の用途に利用できないようにし、3Dフォントの著作権を保護するようにしている。
【0079】
携帯電話2では、メール部24が電子メールEMを受信する。そして、電子メールEMに添付されているテキストデータTxDおよびシナリオデータSDと、この3D文字メールの再生に必要な3DフォントデータFDを取得する。
【0080】
次に、携帯電話2のレンダリング部23は、取得したテキストデータTxD、シナリオデータSD、および、3DフォントデータFDに基づいて3D文字メールを再生するのである。再生した3D文字メールはモニタ22に表示される。
【0081】
このようにして、携帯電話2は、携帯電話1が作成指示した3D文字メールを再生することが可能である。本実施の形態によれば、携帯電話1から必要な3Dフォントを送信することにより、携帯電話2は、3DフォントセットFSを保有することなく3D文字メールを再生することが可能である。
【0082】
{第5の実施の形態}
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は、第5の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。第5の実施の形態では、第1〜3の実施の形態とことなり、3D文字メールシステムは、サーバ3を必要としていない。
【0083】
第5の実施の形態においても、第2〜4の実施の形態と同様、携帯電話1が3DフォントセットFSとテンプレートシナリオデータTSDを保有する形態である。携帯電話1は、端末本体に着脱可能な記憶媒体18に対するインタフェース17を備えており、記憶媒体18に格納された各種データにアクセス可能としている。
【0084】
さらに、この実施の形態においては、携帯電話2が3DフォントセットFSとテンプレートシナリオデータTSDを保有する形態である。携帯電話2は、端末本体に着脱可能な記憶媒体28に対するインタフェース27を備えており、記憶媒体28に格納された各種データにアクセス可能としている。
【0085】
次に、3D文字メールの作成から再生までの処理の流れについて説明する。まず、携帯電話1において、操作者が操作部11を操作してテキストデータTxDを入力する。さらに、操作者は各テキスト文字について3Dオーサリング指示を行う。具体的には、各テキスト文字について、どの3Dフォントを使用するのか、3Dフォントをどのように移動、回転させるのか、3Dフォントの色は何色にするのか、3Dフォントをどのように変形(モルフィング)させるのか、3Dフォントをどのような大きさ(拡大縮小率)で表示させるのかといった設定操作を行う。あるいは、他の実施の形態と同様に、操作者は、テンプレートを使用することが可能である。
【0086】
操作者が3Dオーサリング指示を行うと、3Dオーサリング部16は、シナリオデータSDを作成するとともに、3D文字メールの生成を行う。生成された3D文字メールはモニタ12に表示される。操作者は、3D文字メールの再生状態を見て必要な修正を加えることが可能である。再生状態に満足するなら送信操作を行う。送信操作が行われると、メール部14は、入力されたテキストデータTxD、作成したシナリオデータSDを添付した電子メールEMを携帯電話2に送信する。ここで、携帯電話2が3DフォントセットFSを保有しているため、3D文字メールに必要な3DフォントデータFDは送信する必要はない。なお、シナリオデータSDは暗号化された上で携帯電話1から携帯電話2に送信される。
【0087】
携帯電話2では、メール部24が電子メールEMを受信する。そして、電子メールEMに添付されているテキストデータTxDとシナリオデータSDとを取得する。
【0088】
次に、携帯電話2のレンダリング部23は、取得したテキストデータTxD、シナリオデータSD、および、自端末の記憶媒体28に格納されている3DフォントデータFDに基づいて3D文字メールを再生するのである。再生した3D文字メールはモニタ22に表示される。
【0089】
このようにして、携帯電話2は、携帯電話1が作成指示した3D文字メールを再生することが可能である。本実施の形態によれば、携帯電話2が3Dフォントを保有することにより、携帯電話1は、3Dフォントを送信する必要はない。
【0090】
{変形例}
上記各実施の形態においては、携帯電話の電子メールにおいて3D文字メールを交換するシステムとして説明した。本発明は、他にもインスタントメッセンジャーに適用させることも可能である。上記各実施の形態における携帯電話1,2をそれぞれパソコンに置き換え、パソコン上で動作するインスタントメッセ-ンジャーにおいて3D文字メールを交換するようにしてもよい。もちろん、パソコン上で動作する一般の電子メールに適用させてもよい。また、上記各実施の形態において、受信側の携帯電話2がサーバ3にアクセスする際には、Webを利用することとしたが、サーバ3にアクセスする方法はこれに限定されるものではなく、他のプロトコルを利用してサーバ3からデータを取得するようにしてもよい。
【0091】
また、第2ないし第4の実施の形態においては、3DフォントセットFSおよびテンプレートシナリオデータTSDを着脱可能な記憶媒体18,28に格納するようにしたが、携帯電話1,2に充分な内蔵メモリを確保することができるならば、これらのデータは内蔵メモリに格納するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。
【図2】第2の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。
【図3】第3の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。
【図4】第4の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。
【図5】第5の実施の形態にかかる3D文字メールシステムを示す図である。
【図6】3D文字メールシステムの再生状態を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
1 携帯電話
2 携帯電話
3 サーバ
FS 3Dフォントセット
TSD テンプレートシナリオデータ
MD 3Dメッセージ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、
前記第1端末は、
入力されたテキストメッセージを3Dフォントを用いて表現するための指示情報を生成し、テキストメッセージおよび指示情報をサーバに送信する手段、
を備え、
前記サーバは、
3Dフォントを蓄積する手段と、
受信した指示情報に基づいてテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、
受信したテキストメッセージおよび生成した制御情報を3Dメッセージ情報として蓄積する手段と、
を備え、
前記第1端末は、さらに、
前記サーバに蓄積された3Dメッセージ情報に対するアクセスパス情報を前記第2端末に送信する手段、
を備え、
前記第2端末は、
前記第1端末から受信したアクセスパス情報に基づいて前記サーバにアクセスし、3Dメッセージ情報および対応する3Dフォントをダウンロードし、3D文字メールを再生する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記第1端末は、さらに、
前記サーバから3Dメッセージ情報および対応する3Dフォントをダウンロードして、3D文字メールを再生することにより、3D文字メールの再生状態を事前確認する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項3】
第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、
前記第1端末は、
3Dフォントを蓄積する手段と、
入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、
テキストメッセージと、生成した制御情報と、テキストメッセージを表現するために使用する3Dフォントとをサーバに送信する手段と、
を備え、
前記サーバは、
受信したテキストメッセージおよび制御情報を3Dメッセージ情報として蓄積するとともに、受信した3Dフォントを蓄積する手段、
を備え、
前記第1端末は、さらに、
前記サーバに蓄積された3Dメッセージ情報に対するアクセスパス情報を前記第2端末に送信する手段、
を備え、
前記第2端末は、
前記第1端末から受信したアクセスパス情報に基づいて前記サーバにアクセスし、3Dメッセージ情報および対応する3Dフォントをダウンロードし、3D文字メールを再生する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項4】
第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、
前記第1端末は、
入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、
テキストメッセージと、生成した制御情報とを前記第2端末に送信する手段と、
を備え、
前記第2端末は、
前記第1端末から受信したテキストメッセージと制御情報とに基づいて3D文字メールを再生するために必要な3Dフォントを特定するとともに、特定された3Dフォントをサーバからダウンロードし、前記第1端末から受信したテキストメッセージと制御情報と前記サーバからダウンロードした3Dフォントとに基づいて3D文字メールを再生する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項5】
第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、
前記第1端末は、
3Dフォントを蓄積する手段と、
入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、
テキストメッセージと、生成した制御情報と、テキストメッセージを表現するために使用する3Dフォントとを前記第2端末に送信する手段と、
を備え、
前記第2端末は、
前記第1端末から受信したテキストメッセージと、制御情報と、3Dフォントに基づいて3D文字メールを再生する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項6】
請求項3または請求項5に記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記第1端末は、さらに、
入力されたテキストメッセージと、生成した制御情報と、3Dフォントに基づいて3D文字メールを再生することにより、3D文字メールの再生状態を事前確認する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項7】
第1端末において作成された電子メールを第2端末において再生するシステムであって、
前記第1端末は、
入力されたテキストメッセージを表現する3Dフォントに関する制御情報を生成する手段と、
前記テキストメッセージおよび生成した制御情報を前記第2端末に送信する手段と、
を備え、
前記第2端末は、
3Dフォントを蓄積する手段と、
前記第1端末から受信したテキストメッセージおよび制御情報と、前記第2端末が蓄積している3Dフォントとに基づいて3D文字メールを再生する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項8】
請求項4または請求項7に記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記第1端末は、さらに、
3Dフォントを蓄積する手段と、
入力されたテキストメッセージと、生成された制御情報と、前記第1端末が蓄積している3Dフォントに基づいて3D文字メールを再生することにより、3D文字メールの再生状態を事前確認する手段、
を備えることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項9】
請求項3,5,8のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記第1端末は、端末本体に着脱可能な記憶媒体を備え、3D文字メールに使用する3Dフォントは、前記記憶媒体に蓄積されて供給されることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項10】
請求項7に記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記第2端末は、端末本体に着脱可能な記憶媒体を備え、3D文字メールに使用する3Dフォントは、前記記憶媒体に蓄積されて供給されることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記記憶媒体には、3D文字メールのテンプレートデータが蓄積されていることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記制御情報は、
使用する3Dフォントのフォントタイプを指定した情報、
を含むことを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記制御情報は、
使用する3Dフォントに対するパラメータ、
を含むことを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記第2端末に対して送信される3Dフォントは暗号化されていることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記第2端末に対して送信される制御情報は暗号化されていることを特徴とする3D文字メールシステム。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の3D文字メールシステムにおいて、
前記テキストメッセージには、絵文字が含まれることを特徴とする3D文字メールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2005−115465(P2005−115465A)
【公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−345863(P2003−345863)
【出願日】平成15年10月3日(2003.10.3)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【出願人】(303016018)株式会社石田大成社 (1)
【Fターム(参考)】