説明

5−アルキルチオアルキルアミノ−1−フェニル−ピラゾールを製造する方法

本発明は、式(I)の5−アルキルチオエチルアミノ−1−フェニル−ピラゾール及び5−メチルアミノ−1−フェニルピラゾール中間体を製造する方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−アルキルチオエチルアミノ−1−フェニル−ピラゾール及び5−メチルアミノ−1−フェニルピラゾール中間体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5−アルキルチオエチルアミノ−1−フェニル−ピラゾールは、国際公開第03/074493号において、外部寄生虫駆除剤及び作物殺虫剤として記載されている。
【0003】
国際公開第03/074493号に記載されているように、これらの化合物を5−アミノピラゾール又は5−メチルアミノピラゾールから製造することができる。記載されている方法の短所は、収率が低いこと、及び高純度の試料の製造に必要とされる精製処理が困難且つ高価であることである。
【特許文献1】国際公開第03/074493号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今回、驚くべきことに、高純度で高収率の生成物を得、副産物を減少させることにより、大量の精製を容易にする、式(I)によるいくつかの5−アルキルチオアルキルアミノ−1−フェニル−ピラゾールを製造するための確実且つ簡単な方法を見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、5−アミノ−1−フェニル−ピラゾール(II):
【0006】
【化1】

【0007】
[式中、R、R及びnは、以上に定められている通りである]と、
アルキルチオアルキルクロリド(III):
−S−(CH−Cl(III)、
好ましくは2−アルキルチオエチルクロリド(R−S−CH−CH−Cl)[式中、R及びmは、以上に定められている通りである]とを、
塩基性カリウム塩又はカリウム塩の混合物を含む塩基の存在下、好ましくは、例えば、炭酸カリウム、フッ化カリウム、リン酸三カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩基性カリウム塩の存在下、ニトリル又はニトリルの混合物、好ましくは、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びそれらの混合物からなる群から選択されるニトリルを含む溶媒中で、好ましくは20〜100℃の温度で、好ましくは1〜8時間以内の時間にわたって反応させることを特徴とする、5−アルキルチオエチルアミノ−1−フェニル−ピラゾール(I):
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、
は、(C−C)−ハロアルキル又は(C−C)−ハロアルコキシであり、
は、H又は(C−C)−アルキルであり、
は、(C−C)−アルキルであり、
nは、0、1又は2であり、mは、1、2又は3であり、
好ましくは、Rは、CF又はOCFであり、Rは、メチル、エチル又はプロピルであり、Rは、メチル、エチル又はプロピルであり、mは、2である]の製造方法に関する。
【0010】
使用される塩基は、少なくとも1種の塩基性カリウム塩を好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%の量で含む(重量%量は、全塩基量に関する)。使用される溶媒は、少なくとも1種のニトリルを好ましくは少なくとも50体積%、より好ましくは少なくとも75体積%、特に好ましくは少なくとも90体積%の量で含む(体積%量は、溶媒の全量に関する)。
【0011】
特許請求されている方法に対する出発材料は、良く知られている。Rがアルキルである式(II)のフェニルピラゾール化合物は、例えば、US6,531,501B1から知られる。1−フェニル−5−アルキルアミノピラゾール合成方法は、US6,531,501B1、DE3719732及びGB2123420から知られる。RがHである式(II)の化合物は、EP295117から知られる。
【0012】
従来技術の方法(国際公開第03/074493号)において、式(I)の5−アルキルチオアルキルアミノ−1−フェニル−ピラゾールは、いくつかの出発材料、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)又はジオキサンのような溶媒中の水素化ナトリウムのような塩基を用いて製造される。収率は、きわめて低く、10〜39%である(表5参照)。次いで、95%を上回る純度で生成物を単離するために多大な精製処理が必要とされる。
【0013】
知られている合成法と比較した新しい方法の特定の技術的及び経済的利点は、70%を上回る、ときにはさらに80%を上回る収率が達成されたことである(表5)。特定の出発材料の好ましい組合せ、特に適切な塩と溶媒の有利な組合せによって、驚くべき向上を達成することができる。
【0014】
副産物の数及び量は、著しく減少され、カラムクロマトグラフィー又は再結晶によって、式(I)の化合物を、95%を上回る純度まで精製することが可能である。95%を上回る純度を達成するのにHPLC分離は必要ない。記載されている方法を用いることによって、95%を上回る純度で10〜100g以上の試料を製造することが経済的に実現可能になる。
【0015】
また、本発明は、3工程からなる一連の反応を適用することによる、式(IIb)の化合物から式(IIa)の化合物を調製する方法に関する。
【0016】
【化3】

【0017】
[式中、
は、(C−C)−ハロアルキル又は(C−C)−ハロアルコキシであり、
は、(C−C)−アルキルであり、
nは、0、1又は2であり、
好ましくは、Rは、CF又はOCFであり、Rは、メチル、エチル又はプロピルである。]。
【0018】
式(IIb)の化合物は、EP0295117から知られる。
【0019】
【化4】

【0020】
式(IIa)の化合物に対する知られている製造方法(例えばUS6,531,501B1、DE3719732及びGB2123420に記載されている)は、収率が低く、副反応が生じ、再現上の問題があり、純度が不十分であり、方法内の精製工程が困難である。
【0021】
今回、驚くべきことに、高収率の生成物を高純度で与え、副産物を減少させことにより、大量の精製を容易にする、5−アルキルアミノ−1−フェニル−ピラゾール(I)を製造するための確実且つ簡単な方法を見いだした。
【0022】
式(IIa)[式中、Rは、(C−C)−アルキルである]の化合物を式(IIb)[式中、Rは、Hである]の化合物から製造する方法は、3つの反応工程を含む。
第1工程:無水アルカンカルボン酸、例えば式(((C−C)−アルキル)CO)Oの化合物、特に無水酢酸によるアミノピラゾール(IIb)のアシル化
【0023】
【化5】

【0024】
この種の反応は、DE3719732(Bayer AG)から既に知られている。
【0025】
それは、式(IIb)に対して良好に適用される。
【0026】
反応は、好ましくは50〜120℃の温度で、アシル化触媒、例えばN含有複素環式芳香族化合物、好ましくはピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン又はピリジン、又はジメチルアミノピリジン(DMAP)のようなそれらの誘導体の存在下、例えばTHF、ジオキサン又はトルエンのような有機溶媒中で実施される。高収率及び良好な純度が達成され、場合によって知られている精製手順を追加的に用いてもよい。
【0027】
第2工程:アミド基のN原子におけるアルキル化
【0028】
【化6】

【0029】
反応は、好ましくは20〜100℃の温度で、アルキル化剤、好ましくは、例えばアルキルヨウ化物、アルキル臭化物のようなアルキルハロゲン化物、及び塩基、好ましくは、例えばアルカリ炭酸塩、アルカリ水素化物、アルカリリン酸塩、アルカリ水酸化物等の塩基アルカリ塩の存在下、例えばDMF、DMSO(ジメチルスルホキシド)、アセトニトリルのような有機溶媒中で実施される。高収率及び良好な純度が達成され、場合によって知られている精製手順を追加的に用いてもよい。
【0030】
第3工程:化合物(IIa)を得るための、化合物(IId)のN−アルキルアミド基の酸加水分解
【0031】
【化7】

【0032】
反応は、好ましくは60〜130℃の温度で、例えば、(C−C)−アルカノール、好ましくは式C2n+1OH(n=1〜5)のメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びペンタノールのような有機溶媒中のプロトン酸、特に硫酸及び水を用いて実施される。酸の酸強度は、反応化合物の要件に応じて、酸とアルコール及び水とを混合することによって調整される。好ましいのは、1:0.5〜1:50、より好ましくは1:1〜1:20、特に1:2〜1:10の水:アルコール(v/v)である。プロトン酸を、出発材料(IId)1モルに対して酸が好ましくは1.5〜10モル、特に2〜6モルの割合で、反応混交物に注意深く添加することができる。高収率及び良好な純度が達成され、場合によって知られている精製手順を追加的に用いてもよい。
【0033】
ピラゾール上の基4−S(O)CF及び3−CNの感度により、塩基性条件又は他の酸性条件下でアミド加水分解を実施することは不可能であった。それらの基を求核剤又は非常に強い酸で攻撃してから、アミド加水分解を実施することができる。したがって、DE3719732に記載されている加水分解法は、化合物(IId)に適用不可能である。生成物の複合混合物は、化合物(IIa)の10%未満の量で得られた。
【0034】
知られている方法と比較した特定の経済的及び化学的利点は、55〜65%を上回る全体収率が達成されることである。すべての製品化合物を再結晶によって精製することができる。式(IIa)のバッチは、97%を上回る純度で得られる。式(IIa)の精製バッチにおける式(IIb)の含有量は、0.5%未満である。100gから1kg以上の高品質バッチの製造が容易に可能であり、記載されている方法を用いて経済的に実現可能である。
【0035】
式(I)の5−アルキルチオアルキルアミノ−1−フェニル−ピラゾールを製造するための上記方法において、得られた式(IIa)による化合物を出発化合物として使用することができる。
【0036】
また、式(I)の5−アルキルチオアルキルアミノ−1−フェニル−ピラゾールの好適な殺虫剤として許容される塩を酸で調製することができる。「殺虫剤として許容される塩」という用語は、そのアニオン又はカチオンが、殺虫剤用途の塩の形成について当該技術分野で知られ、受け入れられている塩を意味する。例えば、式(I)の化合物によって形成される、酸との好適な塩としては、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸との塩、及び有機酸、例えば酢酸又は(メタン)スルホン酸との塩が挙げられる。
【0037】
添付の請求項を含む本明細書において、上記置換基は、以下の意味を有する。
「アルキル」基及びその部分は、直鎖又は分枝鎖であってもよい。
【0038】
「(C−C)−アルキル」という表現は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピル又はtert−ブチルラジカルの如き1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する枝なし又は分枝の炭化水素ラジカルを意味するものと理解される。アルキルラジカル、及び複合基におけるアルキルラジカルは、特に指定がなければ、好ましくは1〜3個の炭素原子を有する。
【0039】
ラジカルの名称の前の「ハロ」という用語は、このラジカルが部分的又は完全にハロゲン化されている、すなわち任意の組合せのF、Cl、Br又はI、好ましくはF又はClで置換されていることを意味する。
【0040】
「(C−C)−ハロアルキル」とは、モノハロアルキル、ペルハロアルキル、CF、CHF、CHF、CHFCH、CFCH、CFCF、CHFCF、CHFCHCl、CHCl、CCl、CHCl又はCHCHClの如き、1個又は複数個の水素原子が同数の同一又は異なるハロゲン原子で置換されている、「(C−C)−アルキル」という表現に基づいて言及されるアルキル基を意味する。
【0041】
「(C−C)−アルコキル」とは、その炭素鎖が「(C−C)−アルキル」という表現に基づいて与えられる意味を有するアルコキシ基を意味する。「ハロアルコキシ」は、例えば、OCF、OCHF、OCHF、CFCFO、OCHCF又はOCHCHClである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
記載されている方法で製造される、又はされうる式(I)及び(II)の化合物の好ましい化学例を表1〜4に列記する。
【0043】
表において下付きが省略されている場合は、例えば、CF3がCFを意味することを意図する。表において、Meは、メチルを意味し、Etは、エチルを意味し、Prは、プロピルを意味し、Buは、ブチルを意味する。化合物番号は、参照のみを目的として示されている。
【0044】
【表1】


【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
合成実施例
NMRスペクトルは、他に指定のない場合は重水素化クロロホルム中で測定されており、シフトはppmで示される。
【0049】
以下に続く実施例において、量(及び百分率)は、他に指定がなければ、重量ベースである。
【0050】
以下の非限定的な実施例は、式(I)の化合物の製造を例示している。
【0051】
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−(N−メチル−N−(2−メチルチオエチル)アミノ)−4−トリフルオロメチルチオピラゾール(化合物番号01−01)
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−アミノ−4−トリフルオロメチル−チオピラゾール(3.00g、6.9mmol)及び炭酸カリウム(2.85g、20.6mmol)をアセトニトリル(45ml)に含めた混合物に2−クロロエチル−メチルスルフィド(0.84g、7.5mmol)を20〜30℃で添加した。混合物を70分間にわたって加熱還流させた。抽出後処理(ヘプタン−酢酸エチル、水)及びヘプタン−酢酸エチルからの再結晶により、固体としての表題の生成物(化合物01−01、1.33g)を得た。
純度>98%;1H−NMR:2,01,SMe;2,64,CH2S;3,49,NCH2;4,72,NH;7,80,ArH;
【0052】
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−(N−メチル−N−(2−メチルチオエチル)アミノ)−4−トリフルオロメチルチオピラゾール(化合物番号01−13)
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−メチルアミノ−4−トリフルオロメチルチオピラゾール(2.00g、4.6mmol)及びリン酸三カリウム(2.93g、13.8mmol)をアセトニトリル(40ml)に含めた混合物に2−クロロエチルーメチルスルフィド(0.61g、5.5mmol)を20〜30℃で添加した。混合物を8時間にわたって加熱還流させた。抽出後処理(ヘプタン−酢酸エチル、水)及びヘプタン−酢酸エチルによるカラムクロマトグラフィーにより、固体としての表題の生成物(化合物01−13、1.76g)を得た。
純度94%;1H−NMR:1,99,SMe;2,44,CH2S;2,92,NMe;3,23,NCH2;7,79,ArH;
【0053】
再結晶後に、97%を上回る純度を達成することができる。
【0054】
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−(N−メチル−N−(2−メチルチオエチル)アミノ)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(化合物番号01−14)
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−メチルアミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(3.00g、6.65mmol)及び炭酸カリウム(2.76g、20.0mmol)をアセトニトリル(40ml)に含めた混合物に2−クロロエチル−メチルスルフィド(0.80g、7.3mmol)を20〜30℃で添加した。混合物を4時間にわたって加熱還流させた。抽出後処理(ヘプタン−酢酸エチル、水)及びヘプタン−酢酸エチルによるカラムクロマトグラフィーにより、固体としての表題の生成物(化合物01−14、2.31g)を得た。
純度93%;1H−NMR:2,00,SMe;2,48,CH2S;2,89,NMe;3,13,NCH2:7,82,ArH;
【0055】
再結晶後に、97%を上回る純度を達成することができる。
【0056】
【表5】

【0057】
以下の非限定的な実施例は、式(IIc)、(IId)及び(IIa)の化合物の製造を例示している。
【0058】
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(化合物番号03−02)
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−アミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(90.0g、206mmol)、ピリジン(3.2g、41.2mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.05g、10mmol)をテトラヒドロフラン(600ml)に含めた混合物に無水酢酸(42.0g、412mmol)を20〜30℃で添加した。混合物を7時間にわたって加熱還流させた。抽出後処理(ヘプタン−酢酸エチル、水)及びエタノールからの再結晶により、固体としての表題の生成物(化合物03−02、81.3g)を得た。
純度>98%;19F−NMR:−63,7(Ph−CF);−73,8(SOCF);
【0059】
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−N−アセチル−N−メチルアミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(化合物番号03−08)
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(50.0g、105mmol)及び炭酸カリウム(17.6g、126mmol)をDMF(150ml)に含めた混合物にヨウ化メチル(21.1g、147mmol)を20〜30℃で添加した。混合物を8時間にわたって35〜40℃に加熱した。抽出後処理(ヘプタン−酢酸エチル、水)及びエタノールからの再結晶により、固体としての表題の生成物(化合物03−08、43.0g)を得た。純度>97%;19F−NMR:−63,8(Ph−CF);−72,2〜−72,5(SO−CF)。
【0060】
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−メチルアミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(化合物番号04−02)
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−N−メチル−N−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(50.0g、100mmol)及び水(100ml)をn−ブタノール(400mL)に含めた混合物に濃硫酸(39.6g、400mmol)を20〜50℃で注意深く添加した。混合物を18時間にわたって加熱還流させた。反応混合物を水で希釈し、沈殿物を濾過によって単離した。エタノールからの再結晶により、固体としての表題の生成物(化合物04−02、40.0g)を得た。
純度>98%;H−NMR:2,61(NMe);5,93(NH);7,80(ArH);


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II):
【化1】

の5−アミノ−1−フェニル−ピラゾールと式(III):
−S−(CH−Cl(III)
のアルキルチオアルキルクロリドとを、
少なくとも1種のニトリルを含む溶媒中、少なくとも1種の塩基性カリウム塩を含む塩基性組成物の存在下で反応させることを特徴とする、
式(I):
【化2】

[式中、
は、(C−C)−ハロアルキル又は(C−C)−ハロアルコキシであり、
は、H又は(C−C)−アルキルであり、
は、(C−C)−アルキルであり、
nは、0、1又は2であり、mは、1、2又は3である]の5−アルキルチオエチルアミノ−1−フェニル−ピラゾールの製造方法。
【請求項2】
添加されるアルキルチオアルキルクロリドが、2−アルキルチオエチルクロリド(R−S−CH−CH−Cl)である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
がCF若しくはOCFであり、且つ/又はRがメチル、エチル若しくはプロピルであり、且つ/又はRがメチル、エチル、若しくはプロピルであり、且つ/又はmが2である式(II)の化合物が使用される請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
反応が、炭酸カリウム、フッ化カリウム、リン酸三カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩基性カリウム塩の存在下で実施される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
反応が、アセトニトリル、プロピオニトリル、又はそれらの混合物からなる群から選択されるニトリル溶媒の存在下で実施される請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
式(IIa):
【化3】

[式中、
は、(C−C)−ハロアルキル又は(C−C)−ハロアルコキシであり、
は、(C−C)−アルキルであり、
nは、0、1又は2である]の化合物を式(IIb):
【化4】

の化合物から製造するための方法であって、
a)有機溶媒中、アシル化触媒の存在下で、アミノピラゾール(IIb)を無水アルカンカルボン酸でアシル化する工程:
【化5】

と、
b)有機溶媒中、アルキル化剤及び塩基の存在下で、アミド基のN原子をアルキル化する工程:
【化6】

と、
c)化合物(IId)のN−アルキルアミド基を、有機溶媒及び少なくとも1種のアルコール中のプロトン酸及び水で酸加水分解して化合物(IIa)を得る工程:
【化7】

とを含む製造方法。
【請求項7】
がCF若しくはOCFであり、且つ/又はRがメチル、エチル、若しくはプロピルである式(II)の化合物が使用される請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
反応工程c)が硫酸の存在下で実施される請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項9】
有機溶媒及び/又はアルコールが(C−C)−アルカノールから選択される請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかに記載の方法によって調製される式(IIa)を出発原料に用いる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。

【公表番号】特表2008−540351(P2008−540351A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509329(P2008−509329)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003771
【国際公開番号】WO2006/119862
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(304040692)メリアル リミテッド (73)