説明

Al−Zn−Mg合金製の圧延製品の簡易製造法、およびこの方法によって得られる製品

本発明は、Al−Zn−Mg型アルミニウム合金製中間圧延製品の新たな製造方法に関するものであり、その組成は、Mg0.5−2.0、Mn<1.0、Zn3.0−9.0、Si<0.50、Fe<0.50、Cu<0.50、Ti<0.15、Zr<0.20、Cr<0.50である。残りがアルミニウムとそれらに不可避の不純物である、(質量パーセントで)Zn/Mg>1.7の板材を半連続鋳造で製造し、これにおいて、均質化、熱間圧延、ライン上での焼き入れ、熱間圧延および巻き取りの温度がきわめて特別な形で選択され、該温度は方法が進むにつれて低下する。このあまり高価でない方法は、いくつかの力学的特性と得られた金属板および帯材との使用の妥協の改善を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力学強度が高いAl−Zn−Mg型の合金、より詳細には、造船、車体、産業用車両および固定または移動タンクの分野で使用されている構造などのような、溶接構造物向けの合金に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶接構造物の製造には、5xxx系列(5056、5083、5383、5086、5186、5182、5054・・・)および6xxx系列(6082、6005A・・・)のアルミ合金が通常使用される。溶接可能な、銅含有率が低い7xxx合金(7020、7108・・・)も同様に、溶接後を含め、きわめて優れた力学特性を示すかぎりにおいて、溶接部品の実現に適している。これらの合金は、しかしながら、(T4状態で、および溶接影響部)において)層状腐食や(T6状態で)応力腐食の問題が生じる。
【0003】
5xxx族の合金(Al−Mg)は、通常H1x(加工硬化)、H2x(加工硬化、それに続いて軟化)、H3x(加工硬化と安定化))またはO(焼き鈍し)の状態で通常用いられる。冶金の状態の選択は、所与の使用のために意図する力学強度、耐腐食性、成形性の間の妥協に依存する。
【0004】
7xxx合金(Al−Zn−Mg)は、「構造硬化用」と言われ、それは添加元素(Zn、Mg)の析出によって当該合金の機械的が得られることを意味する。当業者には周知のごとく、これらの力学特性を得るために、圧延または押し出し加工による高温変形に続いて溶解、焼き入れ、焼き戻しを行う。これらの作業は、たいていの場合別個に実施され、合金元素を溶解し、常温でそれらを過飽和固溶体の形に維持し、最後にそれらを制御された形で析出させることをそれぞれ目的としている。
【0005】
6xxx(Al−Mg−Si)および7xxx(Al−Zn−Mg)族の合金は、一般的に焼き戻し状態で使用される。金属板または帯材の形をした製品の場合、圧延または押し出し成形に別個の溶解と焼き入れが続くときに、最大力学強度を与える焼き戻しはT6と呼ばれる。
【0006】
構造の寸法決定について、使用者の選択を支配するパラメータは、主として次の静的力学特性であり、すなわち、破断強度Rm、弾性限界Rp0.2および破断伸びAである。考慮される他のパラメータとして、対象とする用途分野の特定の要求に応じて、溶接接合部強度、金属板と溶接接合部の(層状腐食および応力腐食に対する)耐性、金属板と溶接接合部の疲労耐性、耐亀裂伝播性、靱性、裁断または溶接後の寸法安定性、摩耗強度などである。意図するそれぞれの使用について、これらの異なる特性の間の適切な妥協を見いださなければならない。
【0007】
できるだけ簡単で、できる限り低い生産コストの方法で、一定品質の圧延製品を工業的に生産する可能性も材料の選択に重要な要因である。
【0008】
7xxx合金(Al−Zn−Mg)について、現状技術は特性の間の妥協を改善するためにいくつかの道を提案している。
【0009】
英国特許第1419491号明細書(British Aluminium)は、亜鉛を3.5−5.5%、マグネシウムを0.7−3.0%、ジルコニウムを0.05−0.30%、随意にそれぞれ最大0.05%のクロムとマンガン、最大0.10%の鉄、最大0.075%のケイ素、および最大0.25%の銅を含有する溶接可能な合金を開示している。
【0010】
Light Metals Industryの1963年11月号に発表されたB.J.Youngの論文“New weldable AlZnMg alloys”には、次の組成の二つの合金が記載されている:
Zn 5.0%、Mg 1.25%、Mn 0.5%、Cr 0.15%、Cu 0.4%、および、Zn 4.5%、Mg 1.2%、Mn 0.3%、Cr 0.2%
【0011】
この論文は、トラックの荷台と造船のための、このタイプの合金の使用を記載している。
【0012】
仏国特許発明第1501662号明細書(Vereinigte Aluminium−Werke Aktiengesellschaft)は、遮蔽板製造のために、480℃で1時間の溶解、二段階の水焼き入れと焼き戻し(120℃で24時間、ついで180℃で2時間)の後、厚みが4mmの金属板の形で使用される、下記の組成の溶接可能な合金を記載している:
Zn 5.78%、Mg 1.62%、Mn 0.24%、Cr 0.13%、Cu 0.02%、Zr 0.17%
【0013】
米国特許第5,061,327号明細書(Aluminum Company of America)は、板の鋳造、均質化、熱間圧延、260℃と582℃の間の温度での鋼材の再加熱、その急冷、93℃と288℃の間に含まれる温度での析出処理、ついで288℃を超えない温度での冷間または熱間圧延から成るアルミニウム合金製圧延製品の製造方法を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、まず金属板または帯材の形のAl−Zn−Mg合金のいくつかの特性における妥協、すなわち力学特性(基材の金属と溶接接合部で測定)と耐腐食性(層状腐食および応力腐食)の間の妥協を改善することである。他方で、できる限り低い製造コストでの製造を可能にする、できる限り簡単で信頼できる製造範囲でこれらの製品の実現を試みるものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第一の目的は、Al−Zn−Mg型アルミニウム合金製中間圧延製品の製造方法であり、該方法は、以下の過程から成ることを特徴とするものである:
a)(質量パーセントで)
Mg0.5−2.0、Mn<1.0、Zn3.0−9.0、Si<0.50、Fe<0.50、Cu<0.50、Ti<0.15、Zr<0.20、Cr<0.50
を含有し、残りがアルミニウムとそれらに不可避の不純物である、Zn/Mg>1.7の板材を半連続鋳造で製造する過程と;
b)前記板材を、Tsが合金の焼き付き温度である、500℃≦T1≦(Ts−20℃)になるように選択した温度T1で、均質化および/または再加熱にかける過程と、
c)入口温度T2が、(T1−60℃)≦T2≦(T1−5℃)になるように選択され、圧延方法が、出口温度T3が(T1−150℃)≦T3≦(T1−30℃)かつT3<T2になるように実施される、熱間圧延機における一回または複数回の圧延パスを含む熱間圧延の第一の過程を実施する過程と;
d)適切な手段によって、熱間圧延の前記第一の過程から得られた帯材を、迅速に温度T4に冷却する過程と;
e)入口温度T5が、T5≦T4かつ200℃≦T5≦300℃になるように選択され、圧延方法が、巻き取り温度T6が(T5−150℃)≦T6≦(T5−20℃)になるように実施される、タンデム圧延機における前記帯材の熱間圧延の第二の過程を実施する過程。
【0016】
第二の目的は、少なくとも250MPaの弾性限界Rp0.2、少なくとも280MPaの破断限界Rm、少なくとも8%の破断伸びを有する、場合によっては冷間加工および/または熱処理の補足過程の後に、本発明による方法によって得ることができる製品である。
【0017】
第三の目的は、溶接構造物の製造のための本発明による方法によって得られた製品の使用である。
【0018】
もう一つの目的は、前記二つの製品の間の溶接接合部におけるその弾性限界Rp0.2が、少なくとも200MPaであることを特徴とする、本発明の方法によって得ることが可能である少なくとも二つの製品によって実現された溶接構造にある。
【0019】
図1は、時間−温度のグラフにおける典型的な製造範囲を示している。番号は、方法の異なる過程に対応している:
(1)第一の熱間圧延過程
(2)冷却
(3)第二の熱間圧延過程
(4)巻き取りと巻き取られたものであるコイルの冷却
図2は、層状腐食試験に用いた試験片を表している。
図3は、応力腐食試験に用いた試験片を表している。寸法はミリメートルで示されている。
図4は、(応力腐食)低速引張試験の原理を示している。
図5は、本発明による中間製品と、この中間製品とは異なる五つの熱処理について、L方向の弾性限界(黒い曲線で結ばれた黒点)と層状腐食試験の際の質量損失(棒)を比較している。
図6は、溶接された三つの異なるサンプルについて、溶接部分におけるビッカース微小硬度を比較している。
図7は、六つの異なる金属板について、亀裂の広がり(デルタa)に応じた引裂強度Krを比較している。
図8は、本発明による金属板と先行技術による金属板の亀裂伝播速度da/dnを比較している。
【0020】
特記事項なき限り、合金の化学組成に関する全ての表示は質量パーセントで表す。したがって、“0.4Zn”は、質量パーセントで表した、亜鉛含有率の0.4倍を意味する;これは必要な変更を施すことで他の化学元素にも適用される。合金の命名は、当業者には周知のThe Aluminium Association(アルミニウム協会)の規則に従う。冶金の状態は欧州規格EN515に定義されている。規格化されたアルミニウム合金の化学組成は例えば、EN規格573−3に定義されている。特記事項なき限り、金属板の静的力学特性、すなわち破断限界Rm、弾性限界Rp0.2および破断伸びAは、EN規格10002−1に従って引張試験を実施されることで測定し、試験片の採取の場所と方向は、EN規格485−1に定義されている。
【0021】
亀裂伝播速度da/dNは、ASTM規格E647によって測定され、損傷許容性KRはASTM規格E561によって、剥離腐食(層状腐食とも呼ばれる)に対する耐性はASTM規格G34(Exco試験)またはASTM規格G85−A3(Swaat試験)によって測定される;これらの試験について、ならびにもっと特別な試験についての、補足情報が後述の説明と実施例において示される。
【0022】
本出願人は、意外なことに、溶解、焼き入れ、焼き戻しが圧延による高温加工の際に実現される、簡易法を用いることで、とりわけ溶接状態で、特性のきわめて優れた妥協を示す7xxx合金で圧延された製品を製造できることを発見した。
【0023】
本発明による方法は、化学組成の広い範囲で、つまりZn3.0−9.0%、Mg0.5−2.0 %で、Al−Zn−Mg合金に実施可能であり、合金は、Mn<1.0%、Si<0.50%、Fe<0.50%、Cu<0.50%、Cr<0.50%、Ti<0.15%、 Zr<0.20 %、ならびに不可避の不純物も含むことができる。
【0024】
マグネシウム含有率は、0.5と2.0%の間に、そして好適には、0.7と1.5%の間に含まれなければならない。0.5%を下回ると、得られる力学特性は多くの用途分野で不十分なものであり、そして2.0%を超えると、合金の耐腐食性の低下が認められる。他方で、マグネシウムが2.0%を超えると、合金の焼き入れ性が十分でなくなり、本発明による方法の効率が損なわれる。
【0025】
マンガンの含有率は、層状腐食の感受性を制限するため、そして優れた焼き入れ性を温存するために、1.0%未満、好適には0.60%未満でなければならない。0.20%を超えない含有率が望ましい。
【0026】
亜鉛含有率は3.0と9.0%の間に、そして好適には4.0と6.0%の間に含まれていなければならない。3.0%を超えると、力学特性値が低くなりすぎて技術的利益が発揮されず、また9.0%を超えると、合金の耐腐食性の低下、ならびに焼き入れ性の低下が認められる。
【0027】
Zn/Mg比は、構造硬化の利益が得られる組成範囲にとどまることを可能にするために1.7を超えなければならない。腐食挙動も引裂強度も低下させないために、ケイ素含有率は0.50%未満でなければならない。これらと同じ理由から、銅の含有率も0.50%未満でなくてはならない。
【0028】
銅の含有率も0.50%未満、また好適には0.25%未満としなければならず、
それによって孔食感受性を抑え、優れた焼き入れ性を温存することができる。クロム含有率は0.5%未満としなければならない、それによって層状腐食感受性を抑え、優れた焼き入れ性を温存することができる。不利益な最初の相の形成を防止するために、チタン含有率は0.15%未満、ジルコニウム含有率は0.20%未満としなければならない;Zrについては、0.15%を超えないことが好ましい。
【0029】
Sc、Y、La、Dy、Ho、Er、Tm、Lu、Hf、Ybによって形成される群から選択された、一つまたは複数の元素の添加は有利である:それらの濃度は、次の値を超えてはならない:
Sc<0.50%また好適には<0.20%、
Y<0.34%また好適には<0.17%、
La<0.10%また好適には<0.05%、
Dy<0.10%また好適には<0.05%、
Ho<0.10%また好適には<0.05%、
Er<0.10%また好適には<0.05%、
Tm<0.10%また好適には<0.05%、
Lu<0.10%また好適には<0.05%、
Hf<1.20%また好適には<0.50%、
Yb<0.50%また好適には<0.25%
【0030】
ここで「焼き入れ性」とは、かなり広い範囲の焼き入れ速度において合金が焼き入れされる適性を意味する。したがって、容易に焼き入れできる合金とは、焼き入れの際の冷却速度が使用特性(力学的強度または耐腐食性など)に大きく作用しない合金のことを意味する。
【0031】
本発明による方法には下記の過程が含まれる:
(a)上述の組成を有する、既知の方法のいずれか一つによるアルミニウム合金製圧延板を鋳造すること;
(b)この圧延板を、合金を均質化し、方法の続きに適した温度にするために、TSが合金の焼き付き温度であるときに、500℃と(Ts−20℃)の間に含まれる温度T1で、均質化および/または再加熱する過程と;
(c)(T1−60℃)≦T2≦(T1−5℃)のような入口温度T2で、そして圧延方法が、出口温度T3が(T1−150℃)≦T3≦(T1−30℃)かつT3<T2になるように実施される、典型的に可逆圧延機によって行われる、前記板材の熱間圧延の第一の過程と;
(d)適切な手段によって、圧延の前記第一の過程から得られた帯材を温度T4に冷却する過程と;
(e)入口温度T5がT5≦T4かつ200℃≦T5≦300℃になるように選択され、圧延方法が、巻き取り温度T6が(T5−150℃)≦T6≦(T5−20℃)になるように実施される、典型的にはタンデム圧延機によって行われる、前記帯材の熱間圧延の第二の過程。
【0032】
焼き付き温度Tsは、当業者には周知の高さであり、例えば、鋳造物の粗サンプルの熱量測定によって、あるいは状態図を考慮に入れたうえで熱力学計算によって、直接求められる。温度T2とT5は、熱間圧延機に入る直前に測定された、板材または帯材の表面温度(たいていの場合は上面温度)に対応する;この測定は当業者には周知の方法によって実施できる。
【0033】
有利な実施態様において、温度T3は(T1−100℃)≦T3≦(T1−30℃)になるように選択される。他の有利な実施態様において、T2は(T1−30℃)≦T2≦(T1−5℃)になるように選択される。他の有利な実施態様において、T6は(T5−150℃)≦T6≦(T5−50℃)になるように選択される。
【0034】
温度T3は、合金のソルバス温度を超えるように選択するのが好適である。ソルバス温度は、示差熱量測定を用いることで当業者によって測定される。T3をソルバス温度より上で維持することによって、MgZn2型の相の大きい析出物を最小に抑えることが可能になる。これらの相は、巻き取りの際に、あるいは巻き取り後に小さい析出物の形で制御して形成されることが好ましい。したがって温度T3の制御は、とりわけ重要である。温度T4も同様に、方法の重要なパラメータである。
【0035】
過程b)とc)、c)およびd)ならびにd)およびe)の間で、温度は指定された値より下がってはならない。とくに、有利にはタンデム圧延機において実施される過程(e)の際の熱間圧延機の入口温度は、冷却後の帯材の温度にほぼ等しいことが望ましく、このことは、圧延機から他の圧延機への帯材の十分に迅速な移動、あるいは、好適には、ライン上でのプロセスを必要とする。本発明による方法の推奨実施態様によれば、過程b)、c)、d)およびe)はライン上で実施されるものであり、すなわち(圧延板材または圧延された帯材の形の)所与の金属の構成要素は、中間体の再加熱を必要とするような、その温度の制御ができない低下にいたらせる可能性のある途中の保存なしに一つの過程から次の過程に移行する。実際、本発明による方法は、過程b)、c)、d)およびe)の際の温度の正確な変化に基づいている;図1は本発明による実施態様を示している。
【0036】
過程(d)の冷却は、浸漬、散水、強制対流またはこれらの手段の組み合わせなどの、十分な冷却を保証するあらゆる手段で行うことができる。例えば、散水による焼き入れ槽を通る帯材の通過、それに続く自然または強制対流による焼き入れケーソンの通過、続いて散水による第二の焼き入れ槽の通過は、良い結果が得られる。反対に、自然対流による冷却は、単独の手段としては、帯材でもコイルでも十分迅速なものではない。一般的に、方法のこの段階で、コイルの冷却は十分な結果を得られるものではない。
【0037】
巻き取り(過程e)の後、コイルを冷却させることができる。過程(e)により得られた製品は、冷間圧延、焼き戻し、裁断などのその他の作業にかけられる。本発明の有利な実施態様において、本発明による中間圧延製品は、1%と9%の間に含まれる冷間圧延、および/または80℃と250℃の間に含まれる温度における1段階または複数段階からなる補足の熱処理にかけられ、この補足の熱処理は、前記冷間圧延の前後またはその途中に行うことができる。
【0038】
本発明による方法は、通常は別個に実施される熱処理の三つの作業:(本発明では第一の熱間圧延の際に実施される溶解、本発明では帯材の冷却の際に実施される焼き入れ、本発明ではコイルの冷却の際に実施される焼き戻し、をライン上で実施できるように設計される。より詳細には、本発明による方法は、前記方法のそれぞれの過程が、前の温度より低い温度にあるため、可逆熱間圧延機にいったん入れられた製品を再加熱する必要がないように実施することができる。ことが可能である。これでエネルギーの節約が可能となる。本発明による方法で得られた製品はそのまま、すなわちその冶金の状態を変える方法の他の過程にかけることなしに使用できる;これは好適である。必要であれば、冷間圧延などのような、その冶金の状態を変える方法の他の過程にかける
【0039】
これらの三つの過程を別個に実施する方法と比較して、本発明による方法はときには、所与の合金について、わずかに劣る静的力学特性値になる可能性がある。反対に、いくつかの場合、損傷許容性の向上、ならびに、とくに溶接後の耐腐食性の向上に導く。これはとくに、後述のごとく、狭い組成範囲で認められた。本発明による方法で得られた特性の妥協は、溶解、焼き入れおよび焼き戻しが別個に行われ、合金状態T6を得るための従来の製造方法で得られたものと少なくとも同等である。反対に、本発明による方法は既知の方法よりはるかに簡単で、コストが低い。それにより、有利には、厚みが3mmと12mmの間に含まれる中間製品を得る;12mmを超えると、巻き取りが技術的に困難になり、3mm未満では、この厚みの区域における熱間圧延が技術的に困難であるだけでなく、帯材が冷却しすぎるおそれがある。
【0040】
後述のごとく、本発明による方法の実施のための推奨組成範囲は、Zn 4.0−6.0、Mg 0.7−1.5、Mn<0.60、また好適にはCu<0.25によって特徴づけられる。優れた焼き入れ性を示す合金が好ましく、これらの合金の中では、合金7020、7003、7004、7005、7008、7011、7018、7022および7108が好ましい。
【0041】
本発明による方法のとくに有利な実施は、T1=550℃、T2=540℃、T3=490℃、T4=270℃、T5=270℃、T6=150℃で、7108型の合金で行われる。
【0042】
本発明による、Al−Zn−Mg合金製の製品は、MIGまたはTIG溶接、摩擦溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接などの、既知の全ての溶接方法によって溶接することができる。溶接試験は、X字形に面取りした金属板を平滑電流の自動MIG溶接で、合金5183製の溶接ワイヤーを用いて溶接した。溶接は、圧延に対して垂直な方向で実施した。溶接された試験片に対する力学試験は、1996年1月の文書“Rules for classification of Ships−Newbuildings−Materials and Welding−Part 2 Chapter 3: Welding”でDet Norske Veritas(DNV)社が推奨している方法によって実施された。この方法によれば、引張試験片の幅は25mm、ビードは対称に揃えられ、試験片の有効な長さは、使用した精密伸び計の長さと同じように(W+2×e)で求められ、これにおいてパラメータWはビードの長さを表し、パラメータeは試験片の厚みを表す。
【0043】
より詳細には、本出願人は、本発明による製品のMIG溶接が、溶接接合部に、従来の範囲で製造された合金(T6)よりももっと大きな弾性限界と破断限界の特徴を与えることを認めた。機械溶接された構造、すなわち溶接部分が構造的役割を果たす構造にとっての、明らかな利益として反映されるこの結果は、非溶接金属の静的特性が合金状態T6より低いという意味で、驚くべきものである。
【0044】
基材の金属と溶接接合部の耐腐食性をSWAATおよびEXCO試験を用いて評価した。SWAAT試験は、一般的にアルミニウム合金の(とくに層状腐食に対する)耐腐食性の評価を可能にする。本発明による方法では、繊維状構造が顕著な製品を得るため、繊維状の構造を示す製品に主に発生する剥離腐食に、この製品が十分に耐えうることを確認することが重要である。SWAAT試験は、ASTM規格G85の付録Aに記載されている。これはサイクル試験である。それぞれが2時間であるサイクルは、90分の加湿段階(相対湿度98%)と、(1リットルあたり)人工海水用の塩(ASTM規格D1141に合致した組成については表1参照)と10mlの氷酢酸から成る溶液による、30分の散水時間とから成る。この溶液のpHは、2.8と3.0の間に含まれる。1サイクルの間は全て、温度は48℃と50℃の間に含まれる。この試験において、試験片は垂直から15度ないし30度傾けられる。試験は100サイクルで実施した。
【0045】
【表1】

【0046】
長さが96時間のEXCO試験は、ASTM規格G34に記載されている。これは主として銅を含むアルミニウム合金の耐層状腐食性を決定するためのものであるが、Al−Zn−Mg合金にも適している(参照:J.Marthinussen、 S.Grjotheim、 “Qualification of new aluminium alloys” 3rd International Forum on Aluminium Ships、 Haugesund、 Norway、 May 1998)。
【0047】
これらの二つのタイプの試験には長方形の試験片が用いられ、その一つの面が(他の面だけを浸食するように)接着アルミニウム帯によって保護され、浸食面はそのままにするか、あるいはサンプル表面の半分について半分の厚みになるまで加工し、他の半分については厚み全体が残された。試験のそれぞれに用いた試験片の図解は、図2(層状腐食)と図3(応力腐食)に示した。
【0048】
本出願人は、本発明による製品が、標準的な製品(合金の状態T6と同一または近似の合金)について得られたものと同等の耐層状腐食性を示すことを確認した。
【0049】
本発明によるとくに望ましい製品は、亜鉛を4.0から6.0%、マグネシウムを0.7から1.5%、マンガンを0.60%未満、さらに好適には0.20%未満、銅を0.25%未満含有する。かかる製品は、焼き戻しの前と最大15時間140℃に対応する焼き戻しの後に、SWAAT試験(100サイクル)で1g/dm2未満、EXCO試験(96時間)で5.5g/dm2未満の質量損失を示す。
【0050】
耐応力腐食性は、例えば、ASTM規格G129に記載の緩速引張方法(“Slow Strain Rate Testing”)によって特徴づけられた。この試験は、応力腐食の破断しない限界の応力を測定することから成る諸方法よりも迅速であり、判別性が高い。図4に図解した緩速引張試験の原理は、不活性雰囲気(実験室の空気)と浸食性の雰囲気で引張特性を比較することをもってなる。腐食雰囲気における静的力学特性の低下は、応力腐食感受性に対応する。最も感受性の高い引張試験の特性値は、破断伸びAと(圧縮に対する)最大応力Rmである。最大応力よりも明らかに判別性の高い破断伸びを用いた。しかしながら、静的力学特性値の低下が、機械的応力と環境の相乗かつ同時の作用と定義される応力腐食に実質的に対応することを、確認する必要がある。したがって、浸食性雰囲気で、応力のない、試験片の事前の予曝露の後で、浸食性雰囲気において実施される引張試験と同じ時間の間、不活性雰囲気(実験室の空気)で引張試験も実施することも提案された。このとき応力腐食感受性は次のように定義される指数Iを用いて定義できる:
I=(A%予曝露−A%浸食性環境)/A%不活性環境
【0051】
緩速引張試験の臨界的な側面は、引張試験片、変形速度および腐食溶液の選択に関係する。曲率半径100mmの切れ込みのある形状の試験片が、変形場所を特定し、試験を一層厳密なものにすることが可能であるため、用いられた。該試験片は、長手貫通方向に採取されたものである。応力速度に関しては、とくにAl−Zn−Mg合金について(参照:Memoires et Etudes Scientifiques Revue de Metallurgie、 octobre 1985、 pages 559−567に掲載のT.MagninとC.Debessyの論文“Corrosion sous contrainte de cristaux Al−5Zn−1.2Mg en milieu NaCl 30 g/l”)速度が速すぎると応力腐食現象を展開することができないが、速度が遅すぎると応力腐食を遮蔽してしまう。事前の試験において、本出願人は、応力腐食の作用を最大にすることを可能にする(4.5・10-4mm/分の横断移動速度に対応する)5.10-7-1の速度を求めた;この速度が次に試験のために選択された。使用する浸食性雰囲気に関しては、浸食性の高すぎる強すぎる雰囲気は応力腐食を隠し、苛酷でない環境は腐食現象を明らかにすることができないという意味で、同じタイプの問題が起こる。使用の実際の条件に近づけ、同時に、応力腐食の作用を最大にするために、合成海水溶液(とくに、表1に組成を示した仕様ASTM規格D1141を参照)をこの試験に使用した。
【0052】
本出願人は、本発明による方法は、本発明による方法を実施することのできるものよりも制限された組成範囲、すなわちZn 4.0−6.0%、Mg 0.7−1.5%、Mn<0.60%、またCu<0.25%で、新たな微細構造特性を有する製品を得ることを可能にすることを発見した。これらの微細構造特性は、とくに興味深い使用特性に、とくにより高い耐腐食性に導く。
【0053】
本発明によるこれらの製品において、粒界に析出物のない部分(PFZ=precipitation−free zone)の幅は100nmを超え、好適には100から150nmの間に、さらに好適には120から140nmの間に含まれる;この幅は、この値が60nmを超えない先行技術による同等の製品(すなわち同一組成、同一厚みで、標準的な方法T6によって得られた製品)のそれをはるかに超えている。粒界のMgZn2型の析出物は平均の大きさが150nmを超え、好適には200と400nmの間に含まれるが、先行技術による製品ではこの大きさが80nmを超えないことも分かる。他方で、MgZn2型の硬化析出物は、先行技術による同等の製品よりも、本発明による製品におけるものよりも、はるかに大きい。このことは、本発明による方法における焼き入れが、炉内での溶解に続いて別個に焼き入れする従来の方法ほど早くないことを示す。本発明による方法が、温度T4からの大きな相の一定の析出を回避できないことは明らかである。しかしながら、本発明による方法の実施の際に、焼き入れ速度が十分に速く、できるだけ低い温度で析出を得られるように留意しなければならない。前記相はT4とT5の間に含まれる温度で大量に析出してはならない。
【0054】
これらの定量的な微細構造の分析は、L−TL方向の半分の厚みで採取し、20Vの電圧をかけて−35℃で30%HNO3+メタノールの混合物を二重噴射して電解的に薄くしたサンプルに対し、120kVの加速電圧で透過電子顕微鏡によって実施した。
【0055】
本発明によって得られた製品は繊維粒構造、すなわちその厚み、またはその厚み/長さ比が、現状技術による製品よりもはるかに小さい顆粒状である。例えば、本発明による製品について顆粒の厚みの方向(短い幅)の大きさは30μm未満、好適には15μm未満であり、さらに好適には10μm未満で厚み/長さ比は60を超えるものであり、そして好適には100を超えるが、現状技術による同等の製品では、顆粒の厚み方向(短い幅)の大きさは60μmを超え、厚み/長さ比は40よりはるかに低い。
【0056】
本発明による方法で得られた金属板と帯材、とくにZn 4.0−6.0%、Mg 0.7−1.5%、Mn<0.60%、また好適にはCu<0.25%で定義される狭い組成範囲に基づくものは、有利には自動車、産業用車両、道路輸送用または道路輸送用車両の部品の製造、また海洋環境下での建設に使用できる。
【0057】
本発明による方法で得られた金属板と帯材は、とりわけ溶接構造に使用することができる;それらは、このタイプの合金に適した既知の全ての溶接方法によって溶接することできる。本発明による金属板は、適切な溶接ワイヤーを用いて相互に、あるいは、アルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の他の金属板と溶接することができる。本発明による二つまたは複数の金属板を溶接することによって、溶接後に(上述のごとく測定した)弾性限界が少なくとも200MPaの構造を得ることができる。推奨実施態様において、この値は少なくとも220MPaである。溶接接合部の破断限界は、少なくとも250MPa、推奨実施態様において、少なくとも280MPa、また好適には少なくとも300MPaであり、少なくとも1箇月熟成した後に測定されたものである。推奨実施態様において、得られた熱影響部の硬度は少なくとも100HV、好適には少なくとも110HV、さらに好適には少なくとも115HVである;この硬度は、最も低い硬度を有する基材の金属板のそれと少なくとも同じ大きさである。
【0058】
意外なことに、本出願人は推奨組成範囲(Zn 4.0−6.0%、Mg 0.7−1.5%、Mn<0.60%)の、本発明による方法で得られた製品が、同等の製品よりも砂摩耗に対する高い耐性を示すことを確認した。本出願人は、この耐摩耗性が製品の力学特性にも、その硬度にも、その展延性にも単純に依存しないことを確認した。TC方向の繊維状の構造は耐砂摩耗性を助長するように思われる。この使用特性について、本発明による方法から得られた製品の優位性は、既知の製品では到達できない特別な繊維状構造と、その組成が製品に付与する力学特性のレベルの間の組み合わせによるものである。本出願人は、本発明による方法によって得ることのできる製品の耐砂摩耗性は、下記の実施例10に記載の試験の際の質量損失の形で表したとき、寸法が15×10mmの曝露された平坦表面に対し、0.20g未満であり、好適には0.19g未満であることを発見した。
【0059】
本発明による製品は、損傷許容特性が優れている。航空機建造の構造要素として用いることができる。本発明の推奨実施態様において、該製品は幅w=760mm、初めの亀裂長さ2a0=253mmのCCT型試験片でASTM規格E561によって測定したときのT−L方向の平面応力に対する靱性KRが、60mmのデルタaeffについて少なくとも165MPa√m、また好適には少なくとも175MPa√mである。その疲労亀裂伝播強度は、胴体被覆に現在使用されている板材のそれと同等である。
【0060】
本発明による製品、とくにZn 4.0−6.0%、Mg 0.7−1.5%、Mn<0.60%によって定義される狭い組成範囲に属するものは、このように損傷許容の特別な要求事項(靱性、疲労亀裂伝播強度)に答えなければならない構造要素として使用するのに適している。ここで力学的構造物の「構造の要素」または「構造要素」と呼ばれるのは、その弱体化した部分が、前記構造物、その使用者、その利用者、その他の人の安全性を危険にするおそれのある力学的部品である。飛行機の場合、これらの構造要素にはとくに胴体を構成する要素(胴体外板(英語でfuselage skin)、胴体の補剛材または縦通材(英語でstringers)、隔壁(英語でbulkheads)、胴体フレーム(circumferential frames))、主翼(翼材の外板(wing skin)、補剛材(stringersまたはstiffeners)、リブ(ribs)および桁(spars))と尾翼、ならびに床梁(floor beams)、座席レール(seat tracks)およびドアが含まれる。もちろん、本発明は圧延金属板から製造できる構造の要素のみに関するものである。より詳細には、本発明による製品は従来の接合(とくに鋲留め)または溶接接合の、胴体被覆板として使用するのに適している。
【0061】
本発明による製品は、したがって、機械製造の力学的要素として使用するのにとくに適した、力学的強度、損傷許容特性、溶接性、耐剥離腐食性および耐応力腐食性、摩耗強度などの特性の有利な組み合わせを備えた製品を得ることを可能にする。とくに、産業用車両、ならびに荷台、タンク、コンベヤなどの顆粒状製品のストック、輸送、管理機器に使用するのに適している。
【0062】
他方で、本発明による方法はとりわけ簡単で迅速である;その利用コストは、同等の使用特性を有する製品に導く可能性のある現状技術による方法のコストよりも低い。
【0063】
本発明は非制限な特性によってよりよく理解することができる。実施例1と2は現状技術に属する。実施例3、4、8および9は本発明に対応する。実施例5、6、7、9および10はそれぞれ本発明を現状技術とを比較している。
【実施例1】
【0064】
この実施例は、先行技術による変形の範囲に対応する。二枚の板AとBを半連続鋳造で製造した。それらの組成は表2に示した。元素の化学分析は、湯道で採取した液状金属から得られた小塊に対して蛍光X線分析(元素ZnとMgについて)と閃光分光分析(その他の元素)によって実施した。
【0065】
圧延板は530℃で22時間再加熱し、炉から出して、515℃の温度に達したらすぐに熱間圧延した。熱間圧延された帯材は厚さ6mmに巻き取られたが、このステップは、完全に巻き取った後のコイルの縁で(巻き取りの半分の厚みで)測定した温度が265℃と275℃の間に含まれるように実施され、この値はコイルの両側面で実施した2回の測定の平均値である。熱間圧延の後、コイルは裁断され、得られた金属板の一部を厚みが4mmになるまで冷間圧延した。
【0066】
【表2】

【0067】
圧延後に、全ての金属板は、460℃と560℃の間に含まれる温度で40分間空気炉で溶解され、水焼き入れされ、約2%引張った。このようにして得られた製品の一部をそのままT4の冶金の状態で特性化したが、これは溶接熱影響部に対応するものである。他の部分を、100℃4時間の段階と、それに続く140℃24時間の段階を含む焼き戻し処理T6にかけた。
【0068】
T4の冶金の状態の製品は、層状腐食(EXCOとSWAAT試験)だけで特性化されるが、なぜなら、Al−Zn−Mg合金では最も層状腐食を受けやすい状態であるためである(参照:とくに論文“The stress corrosion susceptibility of aluminum alloy 7020 welded sheets”、M.C. Reboul、 B.Dubost & M. Lashermes、 Corrosion Science誌、vol25m No. 11、 pp.999−1018、 1985)。T6状態の製品については、横―縦方向に弾性限界が測定され、耐層状腐食性(完全な厚みの試験片またはその表面の半分において芯まで加工した試験片における、SWAAT試験後の質量損失)を評価した。T6状態が応力腐食を最も受けやすいため(参照:上述のReboulらの論文)、応力腐食感受性はこの状態についてのみ、二つの方向で求められた。結果は表3と4に示した。金属板の番号の最初の文字は組成を、二番目のものは圧延の範囲を(C=熱間で6mm、F=熱間+冷間で4mm)、最後のものは溶解温度を示している(B=低温500℃、H=高温560℃)。
【0069】
【表3】

【0070】
ここで分かるように、層状腐食感受性は、組成Bによる合金(製作方法と試験条件は同一)が最も低い。この感受性はT6状態よりもT4状態の方がはるかに大きい。該感受性は、溶解温度が上昇するか、または合金が冷間圧延工程を受けると低下する。
【0071】
【表4】

【0072】
ここで分かるように、応力腐食感受性(CSC)は組成Bによる合金の方が高い。この感受性は溶解温度とともに上昇する。
【実施例2】
【0073】
ACHおよびBCHと命名した、6mmに圧延され、560℃で溶解された実施例1から得られた金属板を、T6状態で溶接した。溶接はSoudure Autogene Francaise社によって提供された、直径1.2mmの5183合金(Mg 4.81%、Mn 0.615%、Ti 0.120%、Si 0.035%、Fe 0.130%、Zn 0.001%、Cu 0.001%、Cr 0.075%)製の溶接ワイヤーで、平滑電流の自動MIG溶接によって、X字に開先して、横―縦方向で実施された。
【0074】
引張試験片(幅25mm、対称に揃えたビード、試験片の有効な長さと精密伸び計の長さは(W+2e)に等しく、Wはビードの幅を、eは試験片の厚みを意味する)は、接合部が中央にくるように、溶接に対して垂直に長手方向で採取された。特性化は溶接後19、31および90日目に実施されたが、なぜなら、当業者には、この種の合金について溶接後の力学的特性が熟成の最初の数週間に大幅に上昇することが知られているためである。それらの表面の半分について半分の厚みにまで加工された試験片は、SWAAT試験とEXCO試験にもかけられた。結果は表5(T6状態の基材の金属上での特性)と表6(溶接金属上の特性)に示されている。
【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
ここで分かるように、組成Bによる合金は、溶接後の力学的特性が、組成Aによる合金より劣る。溶接後、二つの合金の耐層状腐食性は、基材の金属の挙動よりも低下した。
【実施例3】
【0078】
この実施例は本発明に対応する。板Cを半連続鋳造で製造した。その組成は、実施例1で得られた板Bのそれと同一である。板は、550℃13時間(この段階での時間)に続いて540℃の圧延段階の後に、熱間圧延した。可逆圧延機での、板を15.5mmの厚みにする第一の過程において、圧延機の出口温度はおよそ490℃である。圧延された板は、次に260℃程度の温度まで散水または自然対流によって冷却される。この温度でタンデム圧延機(3ケージ)に入れられ、6mmの最終厚みまで圧延され、そして巻き取られる。実施例1と同様に測定したコイルの巻き取り温度は、約150℃である。自然に冷却した後、コイルは金属板に裁断された。該金属板は平らにされ、他のいっさいの変形作業にかけられていない。
【0079】
実施例1および2と同様に、得られた金属板(記号C)は、製造したままで(長さ方向および縦横方向の静的力学特性、層状腐食、応力腐食)および溶接後に(静的力学特性、層状腐食)特性化された。溶接は、実施例2と同じ時に、同じ方法で実施された。その表面の半分について厚みの半分にまで加工された試験片は、SWAATおよびEXCO試験にかけられた。結果は、表7と8(非溶接金属板)と表9(溶接金属板)にまとめられている。
【0080】
【表7】

【0081】
【表8】

【0082】
【表9】

【0083】
本発明による未加工の金属板(非溶接)は、耐層状腐食性が、同じ組成で、はるかに複雑な製造方法で製造したBCH金属板よりも低い。反対に、その耐応力腐食性は同等である。
【0084】
溶接後、本発明による金属板の力学的強度は、先行技術による方法で製造されたACHおよびBCH金属板のそれよりもはるかに優れている。溶接接合部におけるその耐層状腐食性は同等である。
【0085】
本発明による方法は、実施例の先行技術による方法よりも約120℃低い温度で巻き取りを実施することが分かる。
【実施例4】
【0086】
実施例3で得られた金属板Cは、140℃の温度での焼き戻し型の補足の熱処理にかけられた。このようにして得られたサンプルは、次に実施例3のごとく特性化した(L方向の静的力学特性と層状腐食)。結果は表10と図にまとめられた(黒点と黒線は弾性限界に、棒はSWAAT試験の際の質量損失に対応する)。
【0087】
【表10】

【0088】
この結果は、本発明による製品の層状腐食挙動を、焼き戻しの簡単な追加処理によって、あるいはやや高めの巻き取り温度によって大幅に改善することが可能であり、またおそらく溶接後に力学特性も低下しないということを示している。
【実施例5】
【0089】
実施例1、2および3のサンプルACH、BCH、BFHおよびCの微細構造は、電解放射型走査電子顕微鏡によって(Pt/Pdの伝導性の蒸着を施した、L−TC採取方向に研磨した断面に実施した、BSEモード(後方散乱電子)、加速電圧15kV、ダイヤフラム30μm、作業距離10mmのFEG−SEM)、および透過電子顕微鏡によって(TEM、L−TC採取方向、電圧20Vで−35℃のメタノールにおける30%HNO3の二重噴射による電解的な薄化による薄板の調製)、特性化された。全てのサンプルは金属板の半分の厚みで採取された。
【0090】
一方のサンプルACH、BCHとBFHと他方のサンプルCとの間に大きな差が認められる:
・粒界に析出のない区域(PFZ=precipitation-free zone)の幅は、サンプルACH、BCHおよびBFHではおよそ25から35nm、サンプルCではおよそ120から140nmである。
・粒界のMgZn2型の析出の平均寸法は、サンプルACH、BCHおよびBFHではおよそ30から60nmであるが、サンプルCでは200から400nmの間に含まれる。
【実施例6】
【0091】
金属板ACH、金属板BCH(実施例1に記載のごとく製造)と金属板C(実施例3に記載のごとく本発明による製造)は、実施例2と3に記載のようにTL(縦横)方向で溶接された。溶接接合部を通る研磨断面(TC−L面)において、次に、接合部に対して垂直直線上で行った連続する測定によって、接合部の微細硬度を測定した。表11と図6に値が示されている。Distパラメータ[mm]は、溶接ビードの中心に対する測定点の距離を示す。硬度の値はHv(ビッカース硬度)で示された。
【0092】
【表11】

【0093】
基材の金属板の製造方法が、この基材の金属板で得られた溶接接合部の特性に影響することが分かる:本発明による方法から製造した、金属板Cによって製造された溶接接合部は、同じ組成だが既知の方法によって製造されたBCH金属板によって製造された溶接接合部よりも、溶接接合部の熱影響部(HAZ=heat−affected zone)の硬度がはるかに高い(Dist=[−5.5、−1.5]と[+1.5、+5.5])。他方で、本発明による方法によって製造された金属板Cについて、熱影響部は、基材金属よりも高い硬度を示すが、これは全く異常なことである。
【実施例7】
【0094】
欧州特許出願第1170118A1号明細書の実施例3に記載の方法によって、両面が合金1300でめっきされた6056合金金属板を調製した。6056の心板の化学組成は、表12に示した。これらの製品を本特許出願の実施例3の金属板Cと比較する。
【0095】
幅w=760mm、初めの亀裂長さ2a0=253mmのCCT型試験片で、ASTM規格E561に従ってT−L方向の平面応力に対する靱性を測定した。試験片の厚みは、表12に示した。試験は、亀裂デルタaの拡張に応じて引裂強度KRを与える、材料の曲線Rを決定する。結果は表13と図7にまとめた。
【0096】
さらに幅w=400mm、初めの亀裂長さ2a0=4mmのCCT型試験片おいて、R=0.1について、T−L方向で、ASTM規格E647に従って、周波数f=3Hzで亀裂伝播速度da/dnも決定した。試験片は、完全な幅の金属板から切り取られた。結果は図8にまとめた。
【0097】
【表12】

【0098】
【表13】

【0099】
本発明による製品は、既知の基準となる製品よりも平面応力に対する靱性KRが優れているが、高いデルタKの値での亀裂伝播速度da/dN(T−L)はほぼ同等である。
【実施例8】
【0100】
本発明の方法によって表14に示した組成の合金を製造した。
【0101】
【表14】

【0102】
ここでS1と呼ばれる、該方法の重要なパラメータは:
1=550℃、T2=520℃、T4=267℃、T5=267℃、T6=210℃である。
【0103】
温度Tsは603℃であった(数値計算法で得られた値)。帯材の最終的な厚みは6mm、幅は2400mmであった。
【0104】
ここで最終製品は全く再結晶を示さないことが分かる。L/TC平面において、半分の厚みで粒の厚みがおよそ10μmの繊維状の微細構造が認められる。
【0105】
コイルの真ん中で完全な幅で切り出された代表的な金属板は、半分の幅で、表15に示した力学的特性を示した:
【0106】
【表15】

【0107】
EXCO試験で評価した耐腐食性は、表面および半分の厚みでEAであった。SWAAT試験で評価した耐腐食性は、表面および半分の厚みでPであり、そして質量損失は表面で0.52g/dm2、半分の厚みで0.17g/dm2であった。
【実施例9】
【0108】
本発明の方法によって、表16に組成を示した合金を製造した。
【0109】
【表16】

【0110】
四本のコイル(幅2415mm)は、異なる加工条件で調製された。くわえて、実施例8による(ここでS2と呼ぶ)組成Sのコイルを加工した(幅1500mm)。
【0111】
この方法の主たるパラメータ(温度は全て℃):
【0112】
【表17】

【0113】
合金Uの温度Tsは600℃(数値計算法で得られた値)であった。帯材U3とU4の厚みは6mm、帯材U1、U2およびS2の厚みは8mmであった。
【0114】
コイルの真ん中で完全な幅で切り出された代表的な金属板は、半分の幅で、表18に示した力学的特性を示した:
【0115】
【表18】

【実施例10】
【0116】
本発明による(記号7108 F7)、および先行技術による(記号5086 H24、5186 H24、5383 H34、7020 T6、7075 T6と7108 T6)方法によって得られた、様々な金属板の微細構造と摩耗強度を比較した。表19は、これらの金属板の力学特性と微細構造に関する結果をまとめたものである。
【0117】
【表19】

【0118】
材料7108 T6は実施例2の合金Bの組成を有し、材料BCHに近い。材料7108 F7は、実施例2と同じ組成Bを有する。
【0119】
摩耗強度は例えば、荷台での砂の積み込み、輸送および積み降ろしの際の条件を再現する、独自の装置を用いて特性化した。この試験は、砂で充填されたタンク内における往復の上下運動を受けるサンプルの質量損失を測定するものである。タンクの直径は約30cm、砂の高さは約30cmである。サンプルホルダーは、ロッドの往復の上下運動を保証する複動ジャッキに接続される垂直ロッドに固定されている。サンプルホルダーは角度が45度のピラミッド型である。ピラミッドの頂点は砂の中に沈んでいる。15×10×5mmの寸法を有する試験サンプルは、それらの表面がピラミッドの対応する面に接するように、ピラミッドの面に填め込まれる;砂に曝露されるのは、平面L−TL(寸法15×10mm)に対応する面である。砂の中へのサンプルの進入は、深さが200mmであった。
【0120】
全てのサンプルに同じ操作態様が使用された。サンプルをアセトンによって脱脂すること、同じ量の規格化された同じ砂(NF規格EN196−1による)量をタンクに充填すること、1000サイクル毎に機械を停止して使用済みの砂を新しい砂に交換すること、(アセトンと空気で洗浄してから)2000サイクル毎にサンプルを秤量すること、10000サイクル後に試験を停止することが含まれる。結果は表20に示した:
【0121】
【表20】

【0122】
記載された質量損失の値は三回の試験の平均である;信頼間隔はおよそ±0.01から0.02gである;これはこの試験の優れた反復性を強調するものである。
【0123】
表19は、一方(記号T6)が既知の方法で得られたものであり、他方(記号F7)が本発明の対象となる方法によって得られた、二つの合金7108製品を比較して、本発明による製品のきわめて特別な微細構造を示している。表20は、摩耗強度に対するこの微細構造の効果を示している。すぐに分かるように、本発明による製品は標準製品5086H24よりも摩耗強度が優れている。これは産業用車両ならびに荷台、タンク、コンベヤなどの顆粒状製品のストック、輸送、管理機器に使用するのに適していることを強調するものである。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】時間−温度のグラフにおける典型的な製造範囲を示した図。
【図2】層状腐食試験に用いた試験片を表した図。
【図3】応力腐食試験に用いた試験片を表した図。
【図4】(応力腐食)低速引張試験の原理を示したグラフ。
【図5】本発明による中間製品と、前記中間製品とは異なる五つの熱処理について、L方向の弾性限界(黒い曲線で結ばれた黒点)と層状腐食試験の際の質量損失(棒)を比較したグラフ。
【図6】溶接された三つの異なるサンプルについて、溶接部分におけるビッカース微小硬度を比較したグラフ。
【図7】六つの異なる金属板について、亀裂の広がり(デルタa)に応じた引裂強度Krを比較したグラフ。
【図8】本発明による金属板と先行技術による金属板の亀裂伝播速度da/dnを比較したグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Al−Zn−Mg型アルミニウム合金製中間圧延製品の製造方法であり、該方法は、以下の過程から成ることを特徴とするものである:
a)(質量パーセントで)
Mg0.5−2.0、Mn<1.0、Zn3.0−9.0、Si<0.50、Fe<0.50、Cu<0.50、Ti<0.15、Zr<0.20、Cr<0.50
を含有し、残りがアルミニウムとそれらに不可避の不純物である、Zn/Mg>1.7の板材を半連続鋳造で製造する過程と;
b)前記板材を、Tsが合金の焼き付き温度である、500℃≦T1≦(Ts−20℃)になるように選択した温度T1で、均質化または再加熱にかける過程と、
c)入口温度T2が、(T1−60℃)≦T2≦(T1−5℃)になるように選択され、圧延方法が、出口温度T3が(T1−150℃)≦T3≦(T1−30℃)かつT3≦T2になるように実施される、熱間圧延機における一回または複数回の圧延パスを含む熱間圧延の第一の過程を実施する過程と;
d)熱間圧延の前記第一の過程から得られた帯材を、迅速に温度T4に冷却する過程と;
e)入口温度T5が、T5≦T4かつ200℃≦T5≦300℃になるように選択され、圧延方法が、巻き取り温度T6が(T5−150℃)≦T6≦(T5−20℃)になるように実施される、前記帯材の熱間圧延の第二の過程を実施する過程。
【請求項2】
亜鉛含有率が4.0と6.0%の間に含まれ、Mg含有率が0.7と1.5%の間に含まれ、Mn含有率が0.60%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Cu<0.25%であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
合金が、7020、7108、7003、7004、7005、7008、7011、7022合金で形成される群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
合金がさらに、Sc、Y、La、Dy、Ho、Er、Tm、Lu、Hf、Ybで形成される群から選択された一つまたは複数の元素を含有し、それらの濃度は次の値を超えないことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の方法:
Sc<0.50%また好適には<0.20%、
Y<0.34%また好適には<0.17%、
La、Dy、Ho、Er、Tm、Luは、それぞれ<0.10%また好適にはそれぞれ<0.05%、
Hf<1.20%また好適には<0.50%、
Yb<0.50%また好適には<0.25%。
【請求項6】
前記中間圧延製品の厚みが、3mmと12mmの間に含まれることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記中間圧延製品が、1%と9%の間に含まれる冷間圧延、および/または80℃と250℃の間に含まれる温度における1段階または複数段階からなる補足の熱処理にかけられ、この補足の熱処理は、前記冷間圧延の前後またはその途中に行うことができることを特徴とする、請求項の1から6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
温度T3が(T1−100℃)≦T3≦(T1−30℃)、および/または温度T2が(T1−30℃)≦T2≦(T1−5℃)であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
温度T3が、合金のソルバス温度を超えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
合金が7108合金であり、そして温度T1からT6がそれぞれ:
1=550℃、T2=540℃、T3=490℃、T4=270℃、T5=270℃、T6=150℃、
であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも250MPaの弾性限界Rp0.2、少なくとも280MPaの破断限界Rm、少なくとも8%の破断伸びを有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一つに記載の方法によって得ることができる製品。
【請求項12】
少なくとも290MPaの弾性限界Rp0.2、少なくとも330MPaの破断限界Rmを有することを特徴とする、請求項11に記載の製品。
【請求項13】
亜鉛含有率が4.0と6.0%の間に含まれ、Mg含有率が0.7と1.5%の間に含まれ、Mn含有率が0.60%未満(また好適には0.25%未満)であることを特徴とする、請求項11または12に記載の製品。
【請求項14】
銅含有率が0.25%未満であることを特徴とする、請求項13に記載の製品。
【請求項15】
前記製品の粒界に析出物のない部分の幅が100nmを超え、好適には100から150nmの間に、さらに好適には120から140nmの間に含まれることを特徴とする、請求項13または14に記載の製品。
【請求項16】
粒界のMgZn2型の析出物が、平均の大きさが150nmを超え、好適には200と400nmの間に含まれることを特徴とする、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
顆粒の横幅方向の厚みが30μm未満、好適には15μm未満、さらに好適には10μm未満である、繊維状の構造を有することを特徴とする、請求項11から16のいずれか一つに記載の製品。
【請求項18】
顆粒の厚み/長さ比が60を、好適には100を超えることを特徴とする、請求項17に記載の製品。
【請求項19】
溶接構造物の製造のための、請求項11から18のいずれか一つに記載の圧延製品の使用。
【請求項20】
道路輸送用または鉄道輸送用の製造のための、請求項11から18のいずれか一つに記載の圧延製品の使用。
【請求項21】
産業用車両の製造のための、請求項11から18のいずれか一つに記載の圧延製品の使用。
【請求項22】
荷台、タンクまたはコンベヤ等の顆粒状製品のストック、輸送または管理機器の製造における、請求項11から18のいずれか一つに記載の圧延製品の使用。
【請求項23】
自動車部品の製造のための、請求項11から18のいずれか一つに記載の圧延製品の使用。
【請求項24】
航空機製造の構造要素としての、請求項11から18のいずれか一つに記載の圧延製品の使用。
【請求項25】
前記構造要素が胴体被覆板であることを特徴とする、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
前記要素の少なくとも二つが溶接によって接合されることを特徴とする、請求項19から25のいずれか一つに記載の使用。
【請求項27】
前記二つの製品の間の溶接接合部におけるその弾性限界Rp0.2が、少なくとも200MPaであることを特徴とする、請求項11から18のいずれか一つに記載の少なくとも二つの製品で実現された溶接構造。
【請求項28】
前記二つの製品の間の溶接接合部におけるその弾性限界Rp0.2が、少なくとも220MPaであることを特徴とする、請求項27に記載の溶接構造。
【請求項29】
前記二つの製品の間の溶接接合部におけるその弾性限界Rmが、少なくとも250MPaであることを特徴とする、請求項11から18のいずれか一つに記載の少なくとも二つの製品で実現された溶接構造。
【請求項30】
前記二つの製品の間の溶接接合部におけるその弾性限界Rmが、少なくとも300MPaであることを特徴とする、請求項29に記載の溶接構造。
【請求項31】
熱影響部の硬度が100HV以上、好適には110HV以上、さらに好適には115HV以上であることを特徴とする、請求項27から30のいずれか一つに記載の溶接構造。
【請求項32】
熱影響部の硬度が、最も低い硬度を有する基材の金属板の硬度と少なくとも同じ大きさであることを特徴とする、請求項31に記載の溶接構造。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2006−505695(P2006−505695A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550747(P2004−550747)
【出願日】平成15年11月6日(2003.11.6)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003312
【国際公開番号】WO2004/044256
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(500092697)ペシネイ レナリュ (17)
【氏名又は名称原語表記】PECHINEY RHENALU