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B細胞を形質導入するためのベクターおよび方法
説明

B細胞を形質導入するためのベクターおよび方法

本開示は、B細胞を形質導入するための組成物および方法を提供する。特に、本開示は、休止B細胞を形質導入するベクターおよび方法、ならびに休止B細胞を分化させ、目的の導入遺伝子を発現させる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35 U.S.C.(米国特許法)第119条(e)の下、2010年1月8日に出願され、「B細胞を形質導入するためのベクターおよび方法(VECTORS AND METHODS FOR TRANSDUCING B CELLS)」と題する米国仮特許出願第61/293,522号の利益を主張し、ここで、この米国特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、特異的抗体などの目的のタンパク質を発現させるために、一般的に、形質導入に非常に抵抗性のある細胞集団であるB細胞の遺伝子改変、およびその細胞の分化または活性化に関する。
【0003】
関連技術の説明
骨髄をそのままにしておくと、B細胞は抗原提示細胞(APC)として機能し、抗原を内在化させる。抗原は、受容体を介したエンドサイトーシスによりB細胞によって取り込まれ、プロセシングされる。抗原は抗原ペプチドにプロセシングされ、MHCII分子上にロードされ、B細胞の細胞外表面上でCD4+ヘルパーT細胞に提示される。これらのT細胞は、MHCII/抗原分子に結合し、このB細胞の活性化をもたらす。T細胞による刺激により、活性化B細胞はより特殊化した細胞に分化し始める。胚中心B細胞は、記憶B細胞または形質細胞に分化し得る。これらのB細胞の多くは形質芽細胞になり、最終的に形質細胞になり、大量の抗体を産生し始める(例えば、Trends
Immunol.2009 June;30(6):277−285;Nature Reviews,2005,5:231−242参照)。
【背景技術】
【0004】
B細胞のかわりに形質細胞と考えられているほとんどの未熟な血球は、形質芽細胞である。形質芽細胞はB細胞よりも多くの抗体を分泌するが、形質細胞よりは少ない。形質芽細胞は急速に分裂し、なお抗原を内在化させ、T細胞に抗原を提示することができる。細胞は数日間この状態でとどまることができ、その後、死ぬか、または成熟した、完全に分化した形質細胞に決定的に分化し得る。
【0005】
高分化した形質細胞は表面抗原を比較的少なく発現し、CD19およびCD20などの一般的な汎B細胞マーカーを発現しない。代わりに、形質細胞は、それらのCD38、CD78、インターロイキン−6受容体のさらなる発現およびCD45の発現の欠如によって、フローサイトメトリーにより同定される。ヒトでは、CD27は形質細胞に適したマーカーであり、ナイーブB細胞にはCD27−、記憶B細胞にはCD27+、形質細胞にはCD27++が適する。CD38およびCD138は高レベルで発現する(「形質細胞」ページバージョンID:404969441;最後の改訂の日付:2010年12月30日、9:54UTC、2011年1月4日に検索したフリー百科事典であるウィキペディア参照;Trends Immunol.2009 June;30(6):277−285;Nature
Reviews,2005,5:231−242;Nature Med.2010,16:123−129;Neuberger,M.S.;Honjo,T.;Alt,Frederick
W.(2004).Molecular biology of B
cells.Amsterdam:Elsevier,pp.189−191;Bertil Glader;Greer,John G.;John Foerster;Rodgers,George G.;Paraskevas,Frixos(2008).Wintrobe’s Clinical Hematology,2−Vol.Set.Hagerstwon,MD:Lippincott
Williams&Wilkins.pp.347;Walport,Mark;Murphy,Kenneth;Janeway,Charles;Travers,Paul J.(2008).Janeway’s immunobiology.New York:Garland Science,pp.387−388;Rawstron AC(May 2006).“Immunophenotyping
of plasma cells”.Curr Protoc Cytomも参照されたい)。
【0006】
従来のシュードタイプレトロウイルスは、様々な組織および細胞に対して不十分な感染力を示している。例えば、造血幹細胞を含む様々な幹細胞、ならびに休止B細胞および休止T細胞は、遺伝子治療などにおいて重要な標的細胞であり得るが、これらの細胞型のほとんどは非分裂状態で発見される(Abkowitz,J.L.et al.,Nat Med,2(2),190−7,1996)。一般的には、かかる非分裂細胞に対して低い感染力を示すレトロウイルスベクターを用いて遺伝子を導入することは難しい。
【0007】
Frechaらは、最近、休止T細胞および休止B細胞が、それらの表面上で麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターで効率的に形質導入され得ることを示した(Blood 2009 Oct 8;114(15):3173−80;Blood 2008 112:4843−4852)。特に、これらのレトロウイルスベクターは、エドモンストン(Edmonston)麻疹ウイルスを用いた。非分裂細胞を改変するためのこの技術は、遺伝子治療および免疫療法に特に重要である。しかし、インビトロでB細胞を分化し、活性化する能力は、対象への注入用に改変されたB細胞を調製するのに重要なステップである。活性化し、分裂するB細胞も、容易に遺伝子改変されないため、この方法を用いて、B細胞の全ての型を形質導入することができる。本開示は、予防および治療への応用で、B細胞を効果的に使用することができるようにB細胞を改変し、分化/活性化するためのベクターおよび方法を提供する。
【0008】
本開示は、詳細な説明に記載するとおり、このおよび他の利点を提供する。
【発明の概要】
【0009】
本開示の一態様は、B細胞内で目的の核酸を発現させる方法であって、麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターで休止B細胞を形質導入すること、その際、前記レトロウイルスベクターはプロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含む;かつ分化した形質導入B細胞が目的の核酸を発現するように、形質細胞内で形質導入B細胞を分化させるのに十分な条件下で、IL−2、IL−7、IL−10およびCpGからなる群から選択される因子の1つ以上を含むB細胞活性化因子と組み合わせて、CD40Lを含む組成物と形質導入休止B細胞を接触させることを含む方法を提供する。本方法の一実施形態において、このレトロウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。本方法の別の実施形態において、目的の核酸は、少なくとも免疫グロブリンのVL領域およびVH領域をコードする核酸を含む。本方法のさらなる実施形態において、目的の核酸は抗体タンパク質、またはその抗原結合断片、融合タンパク質もしくはDNAにコードされる小分子をコードする。さらなる実施形態において、この抗体は抗HIV抗体、抗RNA抗体、または免疫調節に関与するタンパク質に結合する抗体である。別の実施形態において、CD40Lを細胞または細胞株上に提供するか、または組織培養プレートもしくはビーズに結合させてもよい。本明細書に記載の方法の特定の実施形態において、このプロモーターは、B細胞特異的プロモーターであり、特にEEKプロモーターである。
【0010】
別の態様は、B細胞内で目的の核酸を発現させる方法であって、麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターで休止B細胞を形質導入すること、その際、これらの休止B細胞の少なくとも20%を形質導入するのに十分な条件下で、前記レトロウイルスベクターはプロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含む;かつ形質導入B細胞の少なくとも20%が目的の核酸を発現するように、形質細胞内で形質導入B細胞を分化させるのに十分な条件下で、IL−2、IL−7、IL−10およびCpGからなる群から選択される因子の1つ以上を含むB細胞活性化因子と組み合わせて、CD40Lを含む組成物と形質導入休止B細胞を接触させることを含む方法を提供する。
【0011】
本明細書に記載の方法の一実施形態において、これらの休止B細胞を血液から単離する。本明細書に記載の方法のさらなる実施形態において、形質細胞は、CD38、CD78、インターロイキン−6受容体、CD27、およびCD138からなる群から選択されるマーカーの1つ以上の細胞表面発現によって特徴づけられ得る。
【0012】
本開示のさらなる態様は、休止B細胞に形質導入し、休止B細胞の活性化を促進する方法であって、麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターと休止B細胞を接触させること、その際、これらの休止B細胞の少なくとも20%を形質導入するのに十分な条件下で、前記レトロウイルスベクターはプロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含む;かつ形質導入B細胞の少なくとも20%が目的の核酸を発現するように、形質導入B細胞を活性化するのに十分な条件下で、IL−2、IL−10、黄色ブドウ球菌Cowan I(SAC)、PMAおよびCpGからなる群から選択される因子の1つ以上などのB細胞活性化因子と組み合わせて、CD40Lを含む組成物と形質導入休止B細胞を接触させることを含む方法を提供する。一実施形態において、このレトロウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。さらなる実施形態において、目的の核酸は、少なくとも免疫グロブリンのV領域およびV領域をコードする核酸を含む。さらなる実施形態において、目的の核酸は、インターフェロン−βをコードする核酸を含む。この点において、他の実施形態において、目的の核酸は、限定されないがIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、IL−34、IL−35、IFN−γ、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、C型ケモカインXCL1およびXCL2、(現在までに、CCL−1〜CCL28を含む)C−C型ケモカインおよび(現在までに、CXCL1〜CXCL17を含む)CXC型ケモカイン、ならびにTNFスーパーファミリーのメンバー(例えば、TNF−α、4−1BBリガンド、B細胞活性化因子(BLyS)、FASリガンド、リンホトキシン、OX40L
RANKLおよびTRAIL)などの様々なサイトカインのいずれかをコードしてもよい。別の実施形態において、目的の核酸は、抗体タンパク質、またはその抗原結合断片をコードする。さらなる実施形態において、CD40Lを細胞または細胞株上に提供するか、または組織培養プレートもしくはビーズに結合させてもよい。特定の一実施形態において、このプロモーターは、B細胞特異的プロモーターである。特定の実施形態において、このB細胞は活性化され、目的のタンパク質を発現する形質細胞に分化する。
【0013】
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下の発明を実施するための形態および添付図を参照する際に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】形質導入され、分化したB細胞内でのb12抗体の産生を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、一般に、目的の遺伝子を発現させるためにB細胞を遺伝子改変し、改変したB細胞を分化させ、活性化させるために、改変したB細胞を培養して、目的の遺伝子がコードするタンパク質を発現させることに関する。その後、これらの活性化した改変B細胞は対象に投与される。
【0016】
本明細書に記載の組成物および方法は、驚くべきことに、例えば、簡単な採血に由来するB細胞を目的の核酸で形質導入する能力、ならびに目的の核酸がコードするタンパク質を十分量分泌する形質細胞(活性化B細胞)へと発展するように改変したB細胞を培養する能力を提供する。このシステムの一つの特定の利点は、10週ほど長くかかり得る当該技術分野で公知のシステムと異なり、目的のタンパク質を産生するのに約10日のみ必要とすることである。従って、本開示は、培養に時間がかからない方法を提供し、従来の方法に比べて商業的利点および安全性の利点を提供する。
【0017】
B細胞を培養し、形質導入する方法
本開示の形質導入法で使用するための細胞の原型の例として、B細胞が挙げられる。
【0018】
特定の実施形態において、本開示の方法で使用するB細胞は休止B細胞、プライミングもしくは活性化されたB細胞、ミエローマ細胞、リンパ球性白血病B細胞、またはBリンパ腫細胞であってもよい。しかし、当該技術者は、本開示のベクターおよび方法が他の細胞型に適用され得ることを容易に認識するであろう。例によって、改変され、活性化され得る細胞型には、神経芽細胞、造血幹細胞および造血前駆細胞(CD34細胞)、間葉系幹細胞、間葉系前駆細胞、神経および肝臓の前駆細胞ならびに神経および肝臓の幹細胞、樹状細胞、T細胞(CD8またはCD4T細胞)、他の白血球集団、多能性幹細胞、組織幹細胞などの任意の一般的な非分裂細胞または静止細胞が含まれる。したがって、本開示の特定の実施形態は、この方法論から得られる細胞の集団を提供する。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法およびベクターを用いて、肝細胞、上皮細胞、骨芽細胞、筋細胞、線維芽細胞、脂肪細胞などの所望の任意の他の細胞型を形質導入することができる。
【0019】
本明細書で使用する「静止」とは、細胞が活発に増殖していない細胞の状態を指す。
【0020】
形質導入および分化に先立ち、B細胞のソースは対象から得られる。「対象」という用語は、適応免疫反応を引き起こすことができる生物(例えば、哺乳類)を含むことを意図している。対象の例として、ヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、およびそれらのトランスジェニック種が挙げられる。B細胞は、末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、感染部位由来の組織、脾臓組織、および腫瘍を含む多くのソースから得ることができる。本開示の特定の実施形態において、当該技術分野で利用可能な任意の数のB細胞株を用いることができる。本明細書に記載の方法の特定の実施形態において、B細胞は、FICOLL(商標)(高密度溶液を調製するために使用することができるショ糖およびエピクロルヒドリンの共重合体)分離などの当該技術者に知られる任意の数の技術を用いて、対象から採取した血液の単位から得ることができる。好ましい一実施形態において、個人の循環血液由来の細胞は、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。アフェレーシス生成物には、一般的に、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および血小板を含むリンパ球が含まれる。一実施形態において、アフェレーシスによって収集される細胞を洗浄して血漿画分を除去し、後の処理ステップに適切な緩衝液または培地にこれらの細胞を入れることができる。本明細書に記載の方法の一実施形態において、これらの細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄する。別の実施形態において、洗浄溶液はカルシウムを欠き、マグネシウムを欠くか、または全ての二価の陽イオンではない場合、多くを欠いていてもよい。当該技術者が容易に認識するように、洗浄ステップは、製造業者の指示に従って、半自動化された「フロースルー」遠心分離(例えば、Cobe 2991細胞プロセッサ)などを用いて、当該技術者に知られる方法によって達成され得る。洗浄後、これらの細胞を、例えば、PBSなどの様々な生体適合性緩衝液に再懸濁してもよい。もう1つの方法として、アフェレーシス試料の望ましくない成分を除去し、細胞を直接培地に再懸濁してもよい。
【0021】
B細胞を、当該技術分野で公知の技術を用いて、末梢血または白血球アフェレーシスから単離することができる。例えば、PBMCは、FICOLL(商標)(Sigma−Aldrich社、セントルイス、ミズーリ州)を用いて単離することができ、CD19+B細胞は、ロゼッタ四量体複合システム(Rosette
tetrameric complex system)(StemCell Technologies社、バンクーバー、カナダ)などの当該技術分野で公知の様々な抗体のいずれかを用いる負の選択または正の選択によって精製することができる。R&D Systems社のMagCellectヒトB細胞単離キット(ミネアポリス、ミネソタ州)などの他の単離キットが市販されている。
【0022】
特定の実施形態において、休止B細胞を、Defrancoら(1982)J.Exp.Med.155:1523に記載されるとおり、不連続パーコール勾配での沈降によって調製してもよい。簡単に説明すると、70〜75%(1.087〜1.097の密度)のパーコール界面から単離された細胞は、一般的に、>95%mlgであり、均質で、低密度の近前方光散乱を有し、ConAに反応しない。
【0023】
B細胞、または目的の他の細胞は、当該技術分野で公知の様々な技術のいずれかを用いて、本明細書に記載のレトロウイルスベクターで形質導入することができる(例えば、Science 12 April 1996 272:263−267;Blood 2007,99:2342−2350;Blood
2009,113:1422−1431;Blood 2009 Oct 8;114(15):3173−80;Blood.2003;101(6):2167−2174;Current Protocols in Molecular Biology
or Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,New York,N.Y.(2009)参照)。例えば、ドナーのPBMC、Bリンパ球もしくはTリンパ球およびB−CLLなどの他のB細胞癌細胞を単離し、無血清か、または10%FCSを補充するかのいずれかで、かつペニシリン/ストレプトマイシンおよび/または他の適切な補助剤を補充したRPMI 1640(GibcoBRL Invitrogen社、オークランド、ニュージーランド)または他の適切な培地で培養してもよい。特定の実施形態において、細胞を48ウェルプレートに1E5細胞で播種し、濃縮ベクターを、所定の方法を用いて、当該技術者によって日常的に最適化され得る様々な用量で加える。特定の実施形態において、B細胞を、10%AB血清、5%FCS、50ng/mlのrhSCF、10ng/mlのrhlL−15および5ng/mlのrhlL−2を補充したRPMIならびに必要であれば定期的に新しくした培地中のMS5細胞単層に移してもよい。当該技術者に認識されるように、他の適切な培地および補助剤を必要に応じて用いてもよい。
【0024】
一実施形態において、これらのB細胞を、B細胞の少なくとも一部を形質導入するのに十分な条件下で、プロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含む、本明細書に記載のレトロウイルスベクターと接触させる。一実施形態において、これらのB細胞を、休止B細胞の少なくとも20%を形質導入するのに十分な条件下で、プロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含む、本明細書に記載のレトロウイルスベクターと接触させる。さらなる実施形態において、これらのB細胞を、休止B細胞の少なくとも20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはさらに100%を形質導入するのに十分な条件下で、本明細書に記載のベクターと接触させる。活性化B細胞を形質導入する場合、これらの活性化B細胞を、これらの活性化B細胞の少なくとも20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはさらに100%を形質導入するのに十分な条件下で、本明細書に記載のベクターと接触させる。
【0025】
特定の実施形態において、これらの細胞を形質導入の時点で活性化する。この点において、細胞を、黄色ブドウ球菌Cowan(SAC;Calbiochem社、サンディエゴ、カリフォルニア州)で、B細胞についてはIL−2、またはT細胞については抗hCD3/抗hCD28/IL−2で、当該技術者に知られ、日常的に最適化される適切な濃度で事前に刺激してもよい。当該技術者に知られ、本明細書に記載の他のB細胞活性化因子(例えば、PMA)を用いてもよい。
【0026】
本開示は、これらのB細胞が導入遺伝子にコードされるタンパク質を積極的に産生するように分化および活性化を促進するために、形質導入B細胞を培養する方法を提供する。この点において、これらのB細胞は活性化され、形質細胞に分化する。当該技術者に認識されるように、形質細胞を、標準的なフローサイトメトリー法を用いた、細胞表面タンパク質の発現パターンによって同定してもよい。例えば、高分化した形質細胞は表面抗原を比較的少なく発現し、CD19およびCD20などの一般的な汎B細胞マーカーを発現しない。代わりに、形質細胞は、それらのCD38、CD78、インターロイキン−6受容体のさらなる発現およびCD45の発現の欠如によって、フローサイトメトリーにより同定される。ヒトでは、CD27は形質細胞に適したマーカーであり、ナイーブB細胞にはCD27−、記憶B細胞にはCD27+、形質細胞にはCD27++が適する。CD38およびCD138は高レベルで発現する。
【0027】
特定の実施形態において、形質導入前に、B細胞を分化させ、活性化することが望ましい場合もある。したがって、任意のかかる方法は、非形質導入細胞の使用について本明細書で意図される。
【0028】
一実施形態において、これらのB細胞を、B細胞活性化因子、例えば、様々なサイトカイン、成長因子またはB細胞を活性化させ、かつ/または分化させることが知られる細胞株のいずれかと接触させてもよい(例えば、Fluckiger,et al.Blood
1998 92:4509−4520;Luo,et al.,Blood
2009 113:1422−1431参照)。かかる因子は、限定されないがIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、IL−34、IL−35、IFN−γ、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、C型ケモカインXCL1およびXCL2、(現在までに、CCL−1〜CCL28を含む)C−C型ケモカインおよび(現在までに、CXCL1〜CXCL17を含む)CXC型ケモカイン、ならびにTNFスーパーファミリーのメンバー(例えば、TNF−α、4−1BBリガンド、B細胞活性化因子(BLyS)、FASリガンド、リンホトキシン、OX40L
RANKLおよびTRAIL)からなる群から選択されてもよい。特に、形質導入B細胞(または形質導入前のB細胞)を、支持細胞と接触させるか、または支持細胞上で培養してもよい。特定の実施形態において、これらの支持細胞は間質細胞株、例えば、マウスの間質細胞株S17またはMS5である。さらなる実施形態において、精製したCD19+細胞を、CD40−リガンドを発現する繊維芽細胞の存在下で、IL−10およびIL−4などのB細胞活性化因子サイトカインの存在下で培養してもよい。組織培養プレートまたはビーズなどの表面に結合させたCD40Lも提供してもよい。別の実施形態において、精製したCD19+細胞を、CD40Lを発現する支持細胞の存在下で、IL−10、IL−4、IL−7、CpG
DNA、IL−2、IL−15、IL6、およびIFN−αから選択される1種以上のサイトカインまたは因子の存在下で培養してもよい。
【0029】
別の実施形態において、B細胞活性化因子を、B細胞または他の支持細胞へのトランスフェクションによって提供してもよい。これに関連して、抗体を分泌する細胞内でB細胞の分化を促進する1つ以上の因子、および/または抗体産生細胞の寿命を促進する1つ以上の因子を用いてもよい。かかる因子には、例えば、Blimp−1、TRF4、(Bcl−xlまたはBcl5のような)抗アポトーシス因子、CD40受容体の構成的に活性のある変異体が含まれる。TNF受容体関連因子(TRAF)などの下流のシグナル伝達分子の発現を促進するさらなる因子も、B細胞の活性化/分化において用いてもよい。この点において、細胞の活性化、細胞の生存、およびTNF受容体スーパーファミリーの抗アポトーシス機能は、主にTRAF1〜6によって媒介される(例えば、R.H.Arch,et al.,Genes Dev.12(1998),pp.2821−2830参照)。TRAFシグナル伝達の下流のエフェクターには、細胞機能および免疫機能の様々な態様に関与する遺伝子をオンにすることができるNF−κβおよびAP−1ファミリーの中の転写因子が含まれる。さらに、NF−κβおよびAP−1の活性化は、抗アポトーシス遺伝子の転写を介したアポトーシスからの細胞保護を提供することが示されている。
【0030】
さらなる実施形態において、エプスタイン・バーウイルス(EBV)由来のタンパク質は、B細胞の活性化/分化に対して、または抗体産生細胞の寿命を促進することに有用であり得る。EBV由来のタンパク質には、EBNA−1、EBNA−2、EBNA−3、LMP−1、LMP−2、EBER、miRNA、EBV−EA、EBV−MA、EBV−VCAおよびEBV−ANが含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書に提供される方法を用いて、B細胞をB細胞活性化因子と接触させると、とりわけ、細胞増殖、IgM細胞表面の表現型の活性化成熟B細胞と一致する表現型への調節、Igの分泌、およびアイソタイプスイッチがもたらされる。CD19B細胞を、MiniMacs細胞分離システム(Miltenyi Biotech社、ベルギッシュ・グラートバッハ、ドイツ)などの公知の、市販の細胞分離キットを用いて単離してもよい。特定の実施形態において、CD40L線維芽細胞を、本明細書に記載の方法で使用する前に照射する。
【0032】
さらなる実施形態において、前駆細胞またはB細胞を、IL−3、IL−7、Flt3リガンド、トロンボポエチン、SCF、IL−2、IL−10、G−CSFおよびCpGの1つ以上の存在下で培養してもよい。特定の実施形態において、これらの方法には、前述の因子の1つ以上の存在下で、低レベルの固定したCD40Lまたはプレートもしくはビーズに結合させたCD40Lを提供する形質転換された間質細胞(例えば、MS5)と組み合わせてB細胞または前駆細胞を培養することが含まれる。
【0033】
様々な培地のいずれかを、当該技術者に知られる本方法で用いてもよい(例えば、John Wiley&Sons,Inc.によるCurrent
Protocols in Cell Culture,2000−2009参照)。一実施形態において、本明細書に記載の方法で使用する培地には、(ウシ胎仔血清または他の適切な血清を含むか、または含まない)イスコフ改変ダルベッコ培地が含まれるが、これに限定されない。例示的な培地には、RPMI 1640、AIM−V、DMEM、MEM、α−MEM、F−12、X−Vivo15、およびX−Vivo20も含まれるが、これらに限定されない。さらなる実施形態において、培地は、界面活性剤、抗体、プラスマネートもしくは還元剤(例えば、N−アセチルシステイン、2−メルカプトエタノール)、または1種以上の抗生物質を含んでもよい。いくつかの実施形態において、IL−6、可溶性CD40L、および架橋促進剤も用いてもよい。
【0034】
B細胞または前駆細胞を、所望の分化および活性化を達成するための条件下で、十分な期間培養してもよい。特定の実施形態において、これらのB細胞または前駆細胞を、B細胞の10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはさらに100%が必要に応じて分化し、かつ/または活性化されるような条件下で、十分な期間培養する。一実施形態において、これらのB細胞は活性化され、形質細胞に分化する。当該技術者が認識するように、形質細胞を、本明細書のどこかに記載の標準的なフローサイトメトリー法を用いて、CD38、CD78、インターロイキン−6受容体、CD27、CD138の発現、CD19およびCD20などの一般的な汎B細胞マーカーの発現の欠如、ならびにCD45の発現の欠如などによる細胞表面タンパク質発現パターンによって同定することができる。
【0035】
特定の実施形態において、細胞を1〜7日間培養する。さらなる実施形態において、細胞を7、14、21日以上培養する。したがって、細胞を、適切な条件下で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29日以上培養してもよい。細胞を再播種し、当該技術分野で公知の技術を用いて、必要に応じて、培地および補助剤を加えるか、または変えてもよい。
【0036】
特定の実施形態において、形質導入B細胞または前駆細胞を、これらの細胞の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%が分化し、活性化され、Igを産生し、かつ/または目的の導入遺伝子を発現するような条件下で、十分な期間培養してもよい。
【0037】
B細胞活性化の誘導は、H−ウリジンのRNAへの取り込み(B細胞が分化する時に、RNA合成が増加する)などの技術によって、または細胞増殖と関連するDNA合成を測定するH−チミジン取り込みによって測定することができる。B細胞増殖の最適な測定のために、インターロイキン−4(IL−4)を、約10ng/mlなどの適切な濃度で培地に加えてもよい。
【0038】
もう1つの方法として、B細胞活性化を、免疫グロブリン分泌の関数として測定することができる。例えば、CD40Lを、IL−4(例えば、10ng/ml)およびIL−5(例えば、5ng/ml)またはB細胞の活性化に適した他のサイトカインと共に休止B細胞に加えてもよい。フローサイトメトリーも、活性化B細胞に特有である細胞表面マーカーを測定するために用いることができる。例えば、Civin CI,Loken MR,Int’l
J.Cell Cloning 1987;5:1−16;Loken,MR,et al.,Flow Cytometry Characterization
of Erythroid,Lymphoid and Monomyeloid Lineages in Normal
Human Bone Marrow,in Flow Cytometry in Hematology,Laerum OD,Bjerksnes R.eds.,Academic Press,New
York 1992;pp.31−42;およびLeBein TW,et
al.,Leukemia 1990;4:354−358を参照されたい。
【0039】
2、3、4、5、6、7、8、9日以上などの適切な期間、一般に約3日間培養した後、さらに培地を加えてもよい。個々の培養物の上清を培養中の様々な時点で収集し、Noelle et al.,(1991)J.Immunol.146:1118−1124に記載のとおりにIgMおよびIGについて定量してもよい。さらなる実施形態において、培養物を収集し、フローサイトメトリー、ELISA、ELISPOT、または当該技術分野で公知の他のアッセイを用いて、目的の導入遺伝子の発現について測定してもよい。
【0040】
さらなる実施形態において、IgMもしくは他の抗体アイソタイプの産生を測定するために、または目的の導入遺伝子の産生について、酵素結合免疫吸着法(ELISA)を用いてもよい。特定の実施形態において、捕捉抗体としてヤギ抗ヒトIgGなどの市販の抗体を用い、続いて、ビオチン化ヤギ抗ヒトIg、ストレプトアビジンアルカリフォスファターゼおよび基質などの様々な適切な検出試薬のいずれかを用いて、IgG測定を行うことができる。
【0041】
ウイルスベクター
特定の実施形態では、ウイルスベクターを用いて、本明細書に記載の発現系を有するB細胞などの形質細胞に形質導入する。ウイルスベクターの例として、アデノウイルスベースのベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベースのベクター、レトロウイルスベクター、レトロウイルス−アデノウイルスベクター、およびアンプリコンベクターを含む単純ヘルペスウイルス(HSV)由来のベクター、複製欠陥HSVおよび弱毒化HSVが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Krisky,Gene Ther.5:1517−30,1998;Pfeifer,Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.2:177−211,2001参照。これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる)。
【0042】
特定の実施形態は、レトロウイルスベクター、またはレトロウイルス由来のベクターの使用に関する。「レトロウイルス」は、動物細胞に感染することができ、感染の初期段階で酵素の逆転写酵素を利用して、ウイルスのRNAゲノムからDNAコピーを作製し、その後、一般的に、このRNAゲノムは宿主ゲノムに組み込まれるエンベロープRNAウイルスである。レトロウイルスベクターの例として、モロニーマウス白血病ウイルス(MLV)由来のベクター、造血前駆細胞およびそれらの分化した子孫などの標的細胞内で長期間安定して発現するマウス幹細胞ウイルスに基づくレトロウイルスベクター(例えば、Hawley et al.,PNAS USA 93:10297−10302,1996;Keller et al.,Blood 92:877−887,1998参照)、ハイブリッドベクター(例えば、Choi,et al.,Stem Cells 19:236−246,2001参照)、ならびにレンチウイルスベクターなどの複雑なレトロウイルス由来のベクターが挙げられる。
【0043】
上述したように、特定の実施形態では、レンチウイルスベクターを用いる。「レンチウイルス」という用語は、分裂細胞および非分裂細胞の両方に感染することができる複雑なレトロウイルス属を指す。レンチウイルスの例として、HIV(ヒト免疫不全ウイルス;HIV1型、およびHIV2型を含む)、ビスナ・マエディウイルス、ヤギ関節炎脳炎ウイルス、ウマ伝染性貧血ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)、およびサル免疫不全ウイルス(SIV)が挙げられる。レンチウイルスベクターは、これらのレンチウイルスの任意の1種以上に由来し得る(例えば、Evans et al.,Hum Gene Ther.10:1479−1489,1999;Case et al.,PNAS USA 96:2988−2993,1999;Uchida et
al.,PNAS USA 95:11939−11944,1998;Miyoshi
et al.,Science 283:682−686,1999;Sutton
et al.,J Virol 72:5781−5788,1998;およびFrecha
et al.,Blood.112:4843−52,2008参照。これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる)。
【0044】
休止T細胞および休止B細胞は、HIVアクセサリータンパク質(vif、vpr、vpu、およびnef)の多くを保有するVSVGコーティングLVによって形質導入できることが実証されている(例えば、Frecha
et al.,2010 Mol.Therapy 18:1748参照)。しかし、かかるアクセサリータンパク質を含むことは安全上懸念される。本明細書に記載のベクターの1つの利点は、アクセサリータンパク質を必要としないことである。したがって、特定の実施形態において、レトロウイルスベクターは、HIVゲノムまたはSIVゲノムなどのレンチウイルスゲノム由来の特定の最小配列を含む。レンチウイルスのゲノムは、一般的に、5’末端反復配列(LTR)領域、gag遺伝子、pol遺伝子、env遺伝子、アクセサリー遺伝子(例えば、nef、vif、vpr、vpu、tat、rev)、および3’LTR領域で構成されている。ウイルスのLTRは、U3、R(反復)およびU5と呼ばれる3つの領域に分けられる。U3領域はエンハンサーおよびプロモーターのエレメントを含み、U5領域はポリアデニル化シグナルを含み、R領域はU3およびU5領域を分離する。R領域の転写配列は、ウイルスRNAの5’および3’末端の両方に見られる(例えば、“RNA Viruses:A Practical Approach”(Alan J.Cann,Ed.,Oxford University Press,2000);O Narayan,J.Gen.Virology.70:1617−1639,1989;Fields et al.,Fundamental Virology
Raven Press.,1990;Miyoshi et al.,J
Virol.72:8150−7,1998;ならびに米国特許第6,013,516号参照。これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる)。レンチウイルスベクターは、必要に応じて、ベクターの活性を調節するために、レンチウイルスゲノムのこれらのエレメントのうちの任意の1つ以上を含み得るか、またはレンチウイルスベクターは、レンチウイルス複製の病理学的作用を減少させるか、またはレンチウイルスベクターを1ラウンドだけの感染に制限するために、これらのエレメントのうちの1つ以上に欠失、挿入、置換、もしくは変異を含み得る。
【0045】
一般的に、最小レトロウイルスベクターは、特定の5’LTR配列および3’LTR配列、(標的細胞内で発現させるための)目的の1つ以上の遺伝子、1つ以上のプロモーター、およびRNAのパッケージングのためのシス作用性配列を含む。本明細書に記載され、当該技術分野で公知の他の調節配列が含まれ得る。ウイルスベクターは、一般的に、真核細胞(例えば、293−HEK)などのパッケージング細胞株にトランスフェクトすることができ、一般的に、細菌のプラスミドの複製に有用な配列も含む。
【0046】
特定の実施形態において、ウイルスベクターは、レンチウイルスなどのレトロウイルスの5’および/または3’LTR由来の配列を含む。これらのLTR配列は、任意の種の任意のレンチウイルス由来のLTR配列であり得る。例えば、これらのLTR配列は、HIV、SIV、FIVまたはBIV由来のLTR配列であり得る。好ましくは、これらのLTR配列は、HIV LTR配列である。
【0047】
特定の実施形態において、ウイルスベクターは、レンチウイルスの5’LTR由来のR配列およびU5配列、ならびにレンチウイルス由来の不活性された3’LTRまたは「自己不活性化」3’LTRを含む。「自己不活性化3’LTR」は、これらのLTR配列が下流遺伝子の発現を促進するのを防ぐ変異、置換または欠失を含む3’末端反復配列(LTR)である。3’LTR由来のU3領域のコピーは、組み込まれたプロウイルスにおける両方のLTRの生成のための鋳型として機能を果たす。したがって、不活性化の欠失または変異を有する3’LTRがプロウイルスの5’LTRとして組み込まれる時、5’LTRからの転写は不可能である。これは、ウイルスのエンハンサー/プロモーターと任意の内部のエンハンサー/プロモーター間の競争を排除する。自己不活性化3’LTRについては、例えば、Zufferey et al.,J Virol.72:9873−9880,1998;Miyoshi et al.,J Virol.72:8150−8157,1998;およびIwakuma et al.,Virology 261:120−132,1999に記載されており、これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる。自己不活性化3’LTRは、当該技術分野で公知の任意の方法によって作製され得る。特定の実施形態において、3’LTRのU3エレメントは、そのエンハンサー配列、好ましくは、TATAボックス、Splおよび/またはNF−κB部位の欠失を含む。自己活性化3’LTRの結果として、宿主細胞ゲノムに組み込まれるプロウイルスは、不活性化5’LTRを含む。
【0048】
本明細書に提供されるウイルスベクターは、一般的に、1つ以上の標的細胞において好ましく発現するタンパク質(またはsiRNAなどの他の分子)をコードする遺伝子を含む。好ましくは、目的の遺伝子は5’LTR配列と3’LTR配列の間に位置する。さらに、目的の遺伝子は、その遺伝子が標的細胞に取り込まれた時点で、特有の方法で目的の遺伝子の発現を調節するために、他の遺伝子エレメント、例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサーなどの転写調節配列と機能的関係にあることが好ましい。特定の実施形態において、有用な転写調節配列は、時間的および空間的に、活性について高度に調節される配列である。
【0049】
特定の実施形態において、1つ以上の追加の遺伝子が、主に、ヒト患者などの不均一集団における感染標的細胞の選択的殺傷を可能にするために、安全対策として組み込まれてもよい。例示的な一実施形態において、選択される遺伝子はチミジンキナーゼ遺伝子(TK)であり、この遺伝子の発現は、標的細胞を薬物ガンシクロビルの作用に影響を受けやすくする。さらなる実施形態において、自殺遺伝子はカスパーゼ9自殺遺伝子である。
【0050】
特定の実施形態において、マーカータンパク質をコードする遺伝子は、所望のタンパク質を発現している細胞の同定を可能にするために、主要な遺伝子の前または後に置いてもよい。特定の実施形態では、目的の主要遺伝子と共に、緑色蛍光タンパク質(GFP)または赤色蛍光タンパク質(RFP)などの蛍光マーカータンパク質を組み入れる。1つ以上の追加のレポーター遺伝子を含める場合、目的の主要遺伝子をレポーター遺伝子および/または目的の任意の他の遺伝子から分離するIRES配列または2Aエレメントも含めてもよい。
【0051】
特定の実施形態では、1つ以上の選択マーカーをコードする遺伝子を用いることができる。例として、選択培地で増殖させた形質転換宿主細胞の生存または増殖に必要な因子をコードする薬剤耐性遺伝子などの、真核細胞または原核細胞に効果的である選択マーカーが挙げられる。例示的な選択遺伝子が、抗生物質または他の毒素、例えば、G418、ハイグロマイシンB、ピューロマイシン、ゼオシン、ウアバイン、ブラストサイジン、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、またはテトラサイクリンに対する耐性を付与し、栄養要求性欠陥を補完するタンパク質をコードするか、または必需品が別のプラスミド上に存在し、ウイルスベクターとのコトランスフェクションによって導入されてもよい。
【0052】
レトロウイルスベクターなどの特定のウイルスベクターは、1つ以上の異種プロモーター、エンハンサー、またはその両方を用いる。特定の実施形態において、レトロウイルスまたはレンチウイルスの5’LTR由来のU3配列を、ウイルスコンストラクトのプロモーター配列またはエンハンサー配列と置換してもよい。特定の実施形態では、ウイルスベクターの5’LTR配列と3’LTR配列の間に位置し、目的の遺伝子に作動可能に連結される「内部」プロモーター/エンハンサーを用いる。「機能的関係」および「作動可能に連結」とは、プロモーターおよび/またはエンハンサーが適切な調節分子と接触する時に、遺伝子発現が影響を受けるように、その遺伝子が、プロモーターおよび/またはエンハンサーに対して正しい位置および向きにあることを意味するが、これに限定されない。パッケージング細胞株におけるウイルスRNAゲノムの発現を調節する(例えば、増加させる、減少させる)か、感染標的細胞内での目的の選択遺伝子発現を調節するか、またはその両方である任意のエンハンサー/プロモーターの組み合わせを用いることができる。
【0053】
プロモーターは、RNAポリメラーゼの結合および転写が起こることを可能にするDNA配列によって形成される発現制御エレメントである。プロモーターは、目的の選択遺伝子の開始コドンの上流(5’)に位置し、それらのプロモーターが作動可能に連結されるコーディングポリヌクレオチド配列の転写および翻訳を制御する非翻訳配列である。プロモーターは誘導性または構成的であり得る。誘導性プロモーターは、プロモーター制御下で、温度変化などの培養条件のいくつかの変化に反応して、DNAからの転写レベルの増加を惹起する。
【0054】
プロモーターをポリヌクレオチドコード配列に作動可能に連結するための方法がそうであるように、様々なプロモーターが当該技術分野で知られている。ネイティブプロモーター配列および多くの異種プロモーターの両方を用いて、目的の選択遺伝子の発現を指示することができる。異種プロモーターは、ネイティブプロモーターに比べて、一般的に、より多量の転写および所望のタンパク質のより高い収量を可能にするので、特定の実施形態では異種プロモーターを用いる。
【0055】
特定の実施形態では、異種ウイルスプロモーターを用いてもよい。かかるプロモーターの例として、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよびサルウイルス40(SV40)などのウイルスゲノムから得られるものが挙げられる。特定の実施形態では、アクチンプロモーター、免疫グロブリンプロモーター、ヒートショックプロモーター、または目的の遺伝子の天然配列と関係するプロモーターなどの異種哺乳類プロモーターを用いることができる。一般的に、このプロモーターは、静止Bリンパ球、活性化Bリンパ球、プラズマB細胞、記憶B細胞または他のリンパ球の標的細胞などの標的細胞と適合性がある。
【0056】
特定の実施形態では、RNAポリメラーゼIIおよびRNAポリメラーゼIIIのプロモーターの1つ以上を用いてもよい。RNAポリメラーゼIIIプロモーターの適切な選択は、例えば、Paule and White.Nucleic Acids Research.,Vol.28,pp1283−1298,2000で見つけることができ、これは参照によりその全体が組み込まれる。RNAポリメラーゼIIプロモーターおよびRNAポリメラーゼIIIプロモーターには、それぞれ、RNAポリメラーゼIIまたはRNAポリメラーゼIIIに、その下流のRNAコード配列を転写するように指示することができる任意の合成DNA断片または遺伝子工学処理したDNA断片も含まれる。さらに、ウイルスベクターの一部として用いられる1つまたは複数のRNAポリメラーゼIIプロモーターまたはRNAポリメラーゼIIIプロモーター(Pol IIまたはPol III)は誘導可能であり得る。任意の適切な誘導性Pol IIプロモーターまたはPol IIIプロモーターは、本明細書に記載の方法で用いることができる。代表的なPol IIプロモーターまたはPol IIIプロモーターには、Ohkawa and Taira,Human Gene Therapy,Vol.11,pp577−585,2000;およびMeissner et al.,Nucleic Acids
Research,Vol.29,pp1672−1682,2001に提供されるテトラサイクリン応答性プロモーターが含まれ、これらの文献の各々は参照によりその全体が組み込まれる。
【0057】
用いることができる構成的プロモーターの限定されない例として、ユビキチン、CMVプロモーター(例えば、Karasuyama et al.,J.Exp.Med.169:13,1989参照)、β−アクチン(例えば、Gunning
et al.,PNAS USA 84:4831−4835,1987参照)、pgkプロモーター(例えば、Adra
et al.,Gene 60:65−74,1987;Singer−Sam
et al.,Gene 32:409−417,1984;およびDobson
et al.,Nucleic Acids Res.10:2635−2637,1982参照。これらの各々は参照により組み込まれる)が挙げられる。組織特異的プロモーターの限定されない例として、lckプロモーター(例えば、Garvin et al.,Mol.Cell Biol.8:3058−3064,1988;およびTakadera et al.,Mol.Cell Biol.9:2173−2180,1989参照)、ミオゲニンプロモーター(Yee et al.,Genes
and Development 7:1277−1289.1993)、ならびにthy1(例えば、Gundersen et al.,Gene 113:207−214,1992参照)が挙げられる。
【0058】
プロモーターの追加例には、ユビキチンCプロモーター、ヒトμ重鎖プロモーターまたはIg重鎖プロモーター(例えば、MH−b12)、およびヒトκ軽鎖プロモーターまたはIg軽鎖プロモーター(例えば、EEK−b12)が含まれ、これらはB−リンパ球で機能的である。MH−b12プロモーターには、マトリックス結合領域(matrix association region)に隣接するiΕμエンハンサーに先行するヒトμ重鎖プロモーターが含まれ、EEK−b12プロモーターには、イントロンエンハンサー(iΕκ)、マトリックス結合領域、および3’エンハンサー(3’Eκ)に先行するκ軽鎖プロモーターが含まれる(例えば、Luo et al.,Blood.113:1422−1431,2009,および公表された米国特許出願第20100203630号参照)。したがって、特定の実施形態では、これらのプロモーターまたはエンハンサーのエレメントのうちの1つ以上を用いることができる。
【0059】
上述したように、特定の実施形態では、目的の遺伝子の発現を増加させるために、内部エンハンサーなどのエンハンサーエレメントを用いることができる。エンハンサーは、DNAの転写を増加させるためにプロモーターに作用するDNAのシス作用性エレメントであり、一般的に、約10〜300bpの長さである。特定のエンハンサー配列は、iΕμエンハンサー、iΕκイントロンエンハンサー、および3’Εκエンハンサーなどの哺乳類の遺伝子(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン、インシュリン)に由来し得る。複製開始点の後期側のSV40エンハンサー(100〜270bp)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーを含む真核生物のウイルス由来のエンハンサーも含まれる。エンハンサーは、抗原特異的ポリヌクレオチド配列の5’位または3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、プロモーターの5’部位に位置することが好ましい。当該技術者は、所望の発現パターンに基づいて適切なエンハンサーを選択するであろう。
【0060】
特定の実施形態において、プロモーターは、遺伝子の誘導発現を可能にするために選択することができる。テトラサイクリン応答システムおよびlacオペレーターリプレッサーシステムを含む誘導発現のための多くのシステムが当該技術分野で公知である。プロモーターの組み合わせを用いて、目的の遺伝子の所望の発現を得ることができることも企図される。当該技術者は、目的の生物および/または標的細胞において遺伝子の所望の発現パターンに基づいてプロモーターを選択することができる。
【0061】
特定のウイルスベクターは、ゲノムウイルスRNAのウイルス粒子への取り込みを促進するために、シス作用性パッケージング配列を含む。例として、psi配列が挙げられる。かかるシス作用性配列は当該技術分野で知られている。
【0062】
特定の実施形態において、本明細書に記載のウイルスベクターは2つ以上の遺伝子を発現することができ、これは、例えば、第1の遺伝子を超えて、それぞれ別々の遺伝子に作動可能に連結される内部プロモーターを組み込むことによって、内部リボソーム進入配列(IRES)エレメント(米国特許第4,937,190号、参照により組み込まれる)もしくは2Aエレメント、またはその両方などの共発現を促進するエレメントを組み込むことによって達成することができる。
【0063】
単に例として、単一ベクターは、所望の特異性を有する免疫グロブリン分子の各鎖をコードする配列を含む場合、IRESエレメントまたは2Aエレメントを用いることができる。例えば、(重鎖または軽鎖のいずれかをコードする)第1のコード領域をプロモーターのすぐ下流に位置づけ、(他の鎖をコードする)第2コード領域を、第1および第2のコード領域の間に位置づけたIRESまたは2Aエレメントと共に、第1のコード領域の下流に位置づけてもよく、好ましくは、第2コード領域のすぐ前に位置付ける。他の実施形態において、IRESまたは2Aエレメントを用いて、レポーター遺伝子、選択マーカー、または免疫機能を向上させる遺伝子などの無関係な遺伝子を共発現させる。
【0064】
用いることができるIRES配列の例として、脳脊髄炎ウイルス(EMCV)、口蹄疫ウイルス(FMDV)、タイラーのマウス脳脊髄炎ウイルス(TMEV)、ヒトライノウイルス(HRV)、コクサッキーウイルス(CSV)、ポリオウイルス(POLIO)、A型肝炎ウイルス(HAV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、およびペスチウイルス(例えば、豚コレラウイルス(HOCV)およびウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV))のIRESエレメントが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Le et al.,Virus Genes 12:135−147,1996;およびLe et al.,Nuc.Acids Res.25:362−369,1997参照。これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる)。2Aエレメントの一例として、口蹄疫ウイルスのF2A配列が挙げられる。
【0065】
特定の実施形態において、本明細書に提供されるウイルスベクターは、所望の結果を達成するために追加の遺伝因子も含んでもよい。例えば、特定のウイルスベクターは、HIV−1フラップシグナルなどの標的細胞におけるウイルスゲノムの核移行を促進するシグナルを含んでもよい。さらなる例として、この特定のウイルスベクターは、tRNAアンバーサプレッサー配列などの標的細胞におけるプロウイルスの組み込み部位の特徴づけを促進するエレメントを含んでもよい。この特定のウイルスベクターは、目的の遺伝子の発現を高めるように設計された1つ以上の遺伝因子を含んでもよい。例えば、ウッドチャック肝炎ウイルス応答性エレメント(WRE)をコンストラクトの中に入れてもよい(例えば、Zufferey et al.,J.Virol.74:3668−3681,1999;およびDeglon et al.,Hum.Gene Ther.11:179−190,2000参照。これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる)。別の例として、ニワトリβ−グロビンインスレーターもこのウイルスコンストラクトに含めてもよい。このエレメントは、メチル化およびヘテロクロマチン化の効果により、標的細胞において組み込まれたプロウイルスを発現抑制する機会を減少させることが示されている。さらに、このインスレーターは、染色体上の組み込み部位でDNAを囲むことからの正または負の位置効果から内部エンハンサー、プロモーターおよび外来遺伝子を遮蔽することができる。特定の実施形態では、これらの遺伝因子のそれぞれを用いる。
【0066】
特定の実施形態において、本明細書に提供するウイルスベクター(例えば、レトロウイルス、レンチウイルス)を、主に、選択された細胞型を標的にするために、1つ以上の選択されたウイルス糖タンパク質または外被タンパク質でシュードタイプ化する。シュードタイピングとは、一般に、細胞表面のウイルス粒子上への1つ以上の異種ウイルス糖タンパク質の組み込みを指し、ウイルス粒子がその正常な標的細胞とは異なる選択細胞に感染することを可能にする場合が多い。「異種」エレメントは、ウイルスベクターのRNAゲノムに由来するウイルス以外のウイルスに由来する。一般的に、ウイルスベクターの糖タンパク質コード領域は、遺伝的に独自の糖タンパク質の発現を防ぐために欠失させるなどして変更されている。単に例として、HIV由来のレンチウイルスベクター由来の外被糖タンパク質gp41および/またはgp120は、一般的に、異種ウイルスの糖タンパク質でシュードタイピングする前に除去される。
【0067】
特定の実施形態において、ウイルスベクターを、Bリンパ球などの形質細胞を標的にする異種ウイルス糖タンパク質でシュードタイプ化する。特定の実施形態において、このウイルス糖タンパク質は、休止Bリンパ球または静止Bリンパ球の選択的感染または形質導入を可能にする。特定の実施形態において、このウイルス糖タンパク質は、活性化Bリンパ球の選択的感染を可能にする。特定の実施形態において、このウイルス糖タンパク質は、静止Bリンパ球および活性化Bリンパ球の両方の感染または形質導入を可能にする。特定の実施形態において、ウイルス糖タンパク質は、B細胞慢性リンパ球性白血病細胞の感染を可能にする。特定の実施形態において、異種ウイルス糖タンパク質は、エドモントン麻疹ウイルスなどの麻疹ウイルスの糖タンパク質に由来する。特定の実施形態では、麻疹ウイルス糖タンパク質ヘマグルチニン(H)、融合タンパク質(F)、またはその両方をシュードタイプ化する(例えば、Frecha et al.,Blood.112:4843−52,2008;およびFrecha et al.,Blood.114:3173−80,2009参照。これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる)。さらなる実施形態において、このウイルスベクターは、1つ以上の可変領域(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)などの組み込まれた抗体結合ドメインを含み、これは、特定の細胞型にこのベクターを標的化するのに役立つ。
【0068】
ウイルスベクターの生成は、例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual.Cold
Spring Harbor Laboratory Press,N.Y.(1989))、Coffinら(Retroviruses.Cold Spring
harbor Laboratory Press,N.Y.(1997))および“RNA Viruses:A Practical Approach”(Alan J.Cann,Ed.,Oxford
University Press,(2000))に記載の制限エンドヌクレアーゼ消化、ライゲーション、形質転換、プラスミド精製、PCR増幅、DNAシークエンシングの標準的な技術を含むが、これらに限定されない当該技術分野で公知の任意の適切な遺伝子工学技術を用いて達成することができる。
【0069】
当該技術分野で公知の任意の様々な方法を用いて、適切なレトロウイルス粒子を産生することができ、そのゲノムはウイルスベクターのRNAコピーを含む。1つの方法として、このウイルスベクターは、所望の標的細胞特異性を有するウイルス粒子へのウイルスベクターに基づいて、ウイルスゲノムRNAをパッケージ化するパッケージング細胞株に導入することができる。パッケージング細胞株は、一般的に、ウイルス粒子にウイルスゲノムRNAをパッケージングするのに必要とされ、構造gagタンパク質、酵素のpolタンパク質、および外被糖タンパク質を含むウイルスタンパク質をトランスに提供する。
【0070】
特定の実施形態において、パッケージング細胞株は、特定の必要なまたは所望のウイルスタンパク質(例えば、gag、pol)を安定的に発現することができる(例えば、米国特許第6,218,181号参照。参照により本明細書に組み込まれる)。特定の実施形態において、パッケージング細胞株を、本明細書に記載の麻疹ウイルス糖タンパク質配列を含む、特定の必要なまたは所望のウイルスタンパク質(例えば、gag、pol、糖タンパク質)をコードするプラスミドで一過的にトランスフェクトすることができる。例示的な一実施形態において、このパッケージング細胞株はgag配列およびpol配列を安定的に発現し、その後、この細胞株を、ウイルスベクターをコードするプラスミドおよび糖タンパク質をコードするプラスミドでトランスフェクトする。所望のプラスミドの導入後、ウイルス粒子を収集し、それに応じて、遠心分離などにより処理し、ウイルス粒子の濃縮ストックを得る。例示的なパッケージング細胞株には、293(ATCC CCL X)、HeLa(ATCC CCL 2)、D17(ATCC CCL 183)、MDCK(ATCC CCL 34)、BHK(ATCC
CCL−10)およびCf2Th(ATCC CRL 1430)細胞株が含まれる。
【0071】
目的の遺伝子/核酸
本明細書で使用する「目的の遺伝子」または「遺伝子」または「目的の核酸」とは、標的形質導入細胞において発現する目的のタンパク質をコードする目的の核酸を指す。「遺伝子」という用語を用いてもよいが、これは、これがゲノムDNAに存在し、「核酸」という用語と同義で用いられる遺伝子であることを意味しない。一般的に、目的の核酸は、目的のタンパク質をコードするのに適する核酸を提供し、cDNAまたはDNAを含み得、イントロンを含んでも含まなくてもよいが、一般的にはイントロンを含まない。他の場所で述べたように、目的の核酸は、発現制御配列に作動可能に連結され、標的細胞において目的のタンパク質を効果的に発現する。特定の実施形態において、本明細書に記載のベクターは2つ以上の目的の遺伝子を含んでもよく、例えば、本明細書に記載の内部プロモーターを用いて組織化され得る免疫グロブリンの重鎖および軽鎖などの2、3、または4つの目的の遺伝子を含んでもよい。
【0072】
本明細書で使用する「ポリヌクレオチド」または「核酸」という記述は、mRNA、RNA、cRNA、cDNAまたはDNAを指す。一般的に、この用語は、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのいずれかの少なくとも10塩基長のヌクレオチドの多量体型またはヌクレオチドのいずれかのタイプの改変型を指す。この用語には、DNAおよびRNAの一本鎖型および2本鎖型が含まれる。
【0073】
目的の核酸または遺伝子は、目的のタンパク質をコードする任意の核酸であり得る。本明細書に記載の使用するための目的のタンパク質は、所望の活性を提供する任意のタンパク質を含む。この点において、目的のタンパク質には、抗体またはその抗原結合断片、細胞表面受容体、サイトカインなどの分泌タンパク質(リンホカイン、インターロイキン、インターフェロン、またはケモカイン)、DNAにコードされる小分子(例えば、Nature Chemical Biology 5,647−654(2009)参照)、または接着分子が含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
一実施形態において、核酸は、抗体またはその抗原結合断片をコードする。例示的な抗原結合断片には、ドメイン抗体、sFv、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)が含まれる。一実施形態において、核酸がコードする抗体は、少なくとも、HIV中和抗体、b12の抗原結合ドメインを含む(例えば、J Virol 2003,77:5863−5876;J Virol.1994 Aug;68(8):4821−8;Proc Natl Acad Sci U S A.1992,89:9339−9343;b12軽鎖(AAB26306.1 Gl
299737)および重鎖(AAB26315.1 Gl 299746)の例示的な配列を、GenBank登録番号で提供する参照)。さらなる実施形態において、目的の核酸がコードする抗体は、Fuzeon(商標)(T−20/エンフビルチド/ペンタフシド(pentafuside)/DP−178)を含む。DP−178は、HIV上のgp41由来のアミノ酸配列であり、その標的細胞と融合するHIVの能力を妨げる。Fuzeonは、当該技術者に知られる方法を用いて合成することができる(例えば、2001
J.Virol.75:3038−3042参照;この論文に記載の方法は、治療用量のDP−178ペプチドの分泌をもたらした可能性はほとんどないことに留意すべきである)。
【0075】
特定の一実施形態において、目的の核酸は、免疫学的に活性のあるたんぱく質をコードする。特定の実施形態において、目的の核酸は、B細胞、T細胞または他の免疫細胞の表面上でのタンパク質の提示を介して、免疫ワクチンのような反応を誘導するタンパク質、またはその生物学的に活性ある断片をコードする。特定の実施形態において、目的のタンパク質は、B細胞の調節、例えば、限定されないが、細胞分裂の促進、異なるB系統への分化の促進、細胞の不活性化もしくは死滅に影響を与えるか、または他の導入DNAエレメントの生成もしくは活性を調節する。インターロイキンは当該技術者に知られており、これまでにIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL27のp28サブユニットの分泌型、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL
−33、IL−34、IL−35が含まれる。インターフェロンには、IFN−γ、IFN−α、IFN−βおよびIFN−ωが含まれる。本明細書で使用することが企図されるケモカインには、C型ケモカインXCL1およびXCL2、(これまでにCCL1〜CCL28を含む)C−C型ケモカインおよび(これまでにCXCL1〜CXCL17を含む)CXC型ケモカインが含まれる。TNFスーパーファミリー(例えば、TNF−α、4−1BBリガンド、B細胞活性化因子、FASリガンド、リンホトキシン、OX40L RANKL、およびTRAIL)も目的の遺伝子として企図される。
【0076】
特定の実施形態において、目的のタンパク質は免疫寛容を誘導する。この点において、目的のタンパク質は、IgG抗原融合タンパク質を含み得る(例えば、Cellular Immunology 235(1),2005,12−20参照)。
【0077】
さらなる実施形態において、目的の遺伝子(複数可)は、B細胞の抗体分泌細胞への分化を促進する1つ以上の因子および/または抗体産生細胞の寿命を促進する1つ以上の因子をコードする。かかる因子には、例えば、Blimp−1、TRF4、Bcl−xlもしくはBcl5のような抗アポトーシス因子、CD40受容体の構成的活性化変異体が含まれる。目的のさらなる遺伝子は、TNF受容体関連因子(TRAF)などの下流のシグナル伝達分子の発現を促進する因子をコードする。この点において、細胞の活性化、細胞の生存、およびTNF受容体スーパーファミリーの抗アポトーシス機能は、主に、TRAF1〜6によって媒介される(例えば、R.h.Arch,et al.,Genes Dev.12(1998),pp.2821−2830参照)。TRAFシグナル伝達の下流のエフェクターには、細胞機能および免疫機能の様々な態様に関わる遺伝子をオンにすることができるNF−κBおよびAP−1ファミリーの転写因子が含まれる。さらに、NF−κBおよびAP−1の活性化は、抗アポトーシス遺伝子の転写を介したアポトーシスからの細胞保護を提供することが示されている。
【0078】
さらなる実施形態において、目的の核酸(複数可)は、1つ以上のエプスタイン・バーウイルス(EBV)由来のタンパク質をコードする。EBV由来のタンパク質には、EBNA−1、EBNA−2、EBNA−3、LMP−1、LMP−2、EBER、EBV−EA、EBV−MA、EBV−VCAおよびEBV−ANが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
特定の一実施形態において、目的の核酸は、抗体またはその抗原結合断片をコードする。この点において、この抗体は、天然の抗体またはあつらえの組換え技術によって作られた抗体であり得る。抗体またはその部分を含む融合タンパク質は、特に本明細書に記載のベクターによりコードされると企図される。
【0080】
一実施形態において、本開示に係る抗体またはその断片は、m36抗HIV抗体などの抗HIV抗体のアミノ酸配列(例えば、Proc Natl Acad Sci U S A.2008 Nov 4;105(44):17121−6参照)、またはm36などの抗HIV抗体のアミノ酸配列と少なくとも60%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸分子を有する。特に、m36L2CD4Fcなどの、m36、またはその誘導体を含む融合タンパク質が特に企図される(例えば、Antiviral Research volume 88,Issue 1,October 2010,Pages 107−115参照)。
【0081】
さらなる実施形態において、本開示の導入遺伝子がコードする抗体は自己抗原に結合する。特定の実施形態において、この点で自己抗原は、MBP、αB−クリスタリン、S100β、プロテオリピドタンパク質(PLP)、HSP105、水疱性類天疱瘡(BP)抗原1の上皮アイソフォーム(BPAG1−e)、脂質、ならびにミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)−αおよびMOG−βアイソフォームまたは様々な島細胞自己抗原のいずれか(例えば、シアル酸糖脂質、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、インスリン、インスリン受容体、38kD、ウシ血清アルブミン、グルコーストランスポーター、hsp65、カルボキシペプチダーゼH、52kD、ICA
12/ICA512、150kD、およびRIN極性)を含むが、これらに限定されない多発性硬化症またはI型糖尿病の発症と関連する。これらの自己抗原に対する抗体は当該技術分野で公知であり、配列決定を行い、通常の技術を用いて組換え技術で作製することができる(例えば、J.Clin.Invest.107(5):555−564(2001)参照)。
【0082】
さらなる実施形態において、抗体は、癌関連抗原に結合する。癌関連抗原は、様々な腫瘍タンパク質に由来し得る。本開示で有用な例示的な腫瘍タンパク質には、p53、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A10、MAGE−A12、BAGE、DAM−6、DAM−10、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−8、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7B、NA88−A、NY−ESO−1、MART−1、MC1 R、Gp100、PSA、PSM、チロシナーゼ、TRP−1、TRP−2、ART−4、CAMEL、CEA、Cyp−B、Her2/neu(例えば、この抗体は、Her2特異的mAb、Herceptin(登録商標)に由来し得る)、hTERT、hTRT、iCE、MUC1、MUC2、PRAME、P15、RU1、RU2、SART−1、SART−3、WT1、AFP、β−カテニン/m、カスパーゼ−8/m、CEA、CDK−4/m、ELF2M、GnT−V、G250、HSP70−2M、HST−2、KIAA0205、MUM−1、MUM−2、MUM−3、ミオシン/m、RAGE、SART−2、TRP−2/INT2、707−AP、アネキシンII、CDC27/m、TPI/mbcr−abl、ETV6/AML、LDLR/FUT、Pml/RARα、およびTEL/AML1のうちの任意の1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。これらのおよび他の腫瘍タンパク質は当該技術者に知られている。
【0083】
さらなる実施形態において、目的の核酸は、限定されないが、阻害活性、癌細胞において細胞死を誘導する能力、または癌細胞増殖を遅らせるか、もしくは阻害する能力などの特定の機能的属性を有するペプチドまたは他の結合ドメインをコードする。この点において、一実施形態において、目的の核酸がコードするペプチドまたは結合ドメインは、上記に記載の癌関連抗原、CD4、HIV gp120または他のウイルスタンパク質、ICAM−3、DC−SIGNなどの本明細書に記載の標的タンパク質のいずれかに結合することができる(例えば、米国特許第7,301,010号参照)。特定の実施形態において、これらのペプチド、病原性細菌および非病原性細菌ならびに緑色植物に由来し得る。例示的なペプチドは、米国特許第7084105号、同第7301010号、同第7338766号、同第7381701号、同第7491394号、同第7511117号、同第7556810号に開示されている。一実施形態において、目的の核酸は、アズリン−p28(NSC745104)、p53ユビキチン化のペプチド阻害剤をコードする(例えば、Cancer
Chemother Pharmacol 2010,DOI 10.1007/s00280−010−1518−3;米国特許第7,084,105号参照)。さらなる実施形態において、目的の核酸は、食欲を促し、癌患者を治療するために用いることができるグレリンとして知られる因子をコードする(例えば、Obes
Facts.2010 3:285−92;FASEB J.18(3):439−56参照)。別の実施形態において、目的の核酸は、アンジオポエチン1およびアンジオポエチン2に結合し、阻害する結合ペプチドをコードする(例えば、AMG386、癌を治療するために用いられる抗体(ペプチボディ)のFc断片参照)。
【0084】
特定の実施形態において、腫瘍抗原は、癌を患う個体から直接同定することができる。この点において、スクリーニングは、様々な公知の技術を用いて実行することができる。例えば、一実施形態において、腫瘍生検を患者から取得し、RNAを腫瘍細胞から単離し、(例えば、Affymetrix社、サンタクララ、カリフォルニア州の)遺伝子チップを用いてスクリーニングし、腫瘍抗原を同定する。腫瘍標的抗原を同定すると、その後、当該技術分野で公知の技術を用いてクローニングし、発現させ、精製することができる。
【0085】
本明細書で使用する「抗体」には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の両方、霊長類化(例えば、ヒト化)、マウス、マウス−ヒト、マウス−霊長類、キメラの抗体が含まれ、インタクトな分子、その断片(例えば、scFv、Fv、Fd、Fab、Fab’およびF(ab)’の断片)、インタクト分子および/もしくは断片の多量体または凝集体であり得、自然界で発生するか、または例えば、免疫化、合成もしくは遺伝子工学処理によって生産され得る。本明細書で使用する「抗体断片」とは、抗原に結合し、かつ、いくつかの実施形態において、例えば、ガラクトース残基の取り込みによって、クリアランスおよび取り込みを促進する構造的特徴を示すように誘導体化することができる抗体に由来するかまたは関連する断片を指す。これには、例えば、F(ab)、F(ab)’、scFv、軽鎖可変領域(V)、重鎖可変領域(V)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0086】
ソースには、ヒト、(ラクダ、ヒトコブラクダ、またはラマの)ラクダ科の動物(Hamers−Casterman et al.(1993)Nature,363:446およびNguyen et al.(1998)J.Mol.Biol.,275:413)、サメ(Roux
et al.(1998)Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)95:11804)、魚(Nguyen
et al.(2002)Immunogenetics,54:39)、げっ歯類、鳥類、ヒツジを含む(ファージライブラリーなどの中の抗体、sFvs、scFvまたはFabとしてフォーマットすることができる)様々な種由来の抗体遺伝子配列、ランダムペプチドライブラリーをコードする配列、またはフィブリノゲンドメイン(例えば、Weisel et al.(1985)Science 230:1388参照)、クニッツドメイン(例えば、米国特許第6,423,498号参照)、リポカリンドメイン(例えば、WO2006/095164参照)、V様ドメイン(例えば、米国特許出願公開第2007/0065431号参照)、C型レクチンドメイン(Zelensky and Gready(2005)FEBS J.272:6179)、mAbまたはFcab(商標)(例えば、PCT特許出願公開第WO2007/098934号;同第2006/072620号)などの代替の非抗体足場のループ領域にある遺伝子工学処理した多様なアミノ酸をコードする配列が含まれる。
【0087】
当該技術者が理解する抗体技術と呼ばれる用語は、それぞれ、本明細書で明確に定義しない限り、当該技術分野で取得した意味が与えられる。例えば、「V」および「V」という用語は、それぞれ、抗体軽鎖および抗体重鎖に由来する可変結合領域を指す。可変結合領域は、「相補鎖決定領域」(CDR)および「フレームワーク領域」(FR)として知られる別々の、明確に定義されたサブ領域で構成されている。「C」および「C」という用語は、「免疫グロブリン定常領域」、すなわち、それぞれ、抗体軽鎖または抗体重鎖に由来する定常領域を指し、後者の領域は、その領域が由来する抗体アイソタイプ(IgA、IgD、IgE、IgG、IgM)によって、さらにCH1、CH2、CH3およびCH4の定常領域ドメインに分けられると理解されている。一部の定常領域ドメインは、Fc領域(「断片結晶化」領域)を構成し、これは、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)、CDC(補体依存性細胞傷害)および補体固定、Fc受容体への結合、Fc領域を欠くポリペプチドに対するインビボでの半減期の増加、プロテインA結合、およびおそらく胎盤移動などの免疫グロブリンのエフェクター機能に関与するドメインを含む(Capon et al.(1989)Nature,337:525参照)。さらに、Fc領域を含むポリペプチドは、ポリペプチドの二量体化または多量体化を可能にする。
【0088】
免疫グロブリンのドメイン構造は、抗原結合ドメインおよびエフェクター機能を付与するドメインは免疫グロブリンのクラスとサブクラスの間で交換することができるという点で、遺伝子工学処理の影響を受けやすい。免疫グロブリンの構造と機能は、例えば、Harlow et al.,Eds.,Antibodies:A
Laboratory Manual,Chapter 14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,1988)に概説されている。組換え抗体技術の全ての態様についての大規模な紹介ならびに詳細な情報は、テキストブックの組換え抗体(John Wiley&Sons,NY,1999)の中で見つけることができる。詳細な抗体工学ラボマニュアルの包括的収集は、R.Kontermann and S.Dubel,Eds.,The Antibody Engineering Lab Manual(Springer
Verlag,Heidelberg/New York,2000)の中で見つけることができる。さらに関連するプロトコールは、John Wiley&Sons社、ボストン、マサチューセッツ州が発行する免疫学の現在のプロトコール(Current Protocols in Immunology)(2009年8月)でも入手可能である。
【0089】
したがって、この開示は、B細胞を遺伝子改変するための本開示の目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチド(単離したポリヌクレオチド、精製したポリヌクレオチド、または純粋なポリヌクレオチド)、かかるポリヌクレオチドを含む(クローニングベクターおよび発現ベクターを含む)ベクター、ならびに本開示にしたがって、ポリヌクレオチドもしくはベクターで形質転換またはトランスフェクトした細胞(例えば、宿主細胞)を提供する。
【0090】
特定の実施形態において、本開示の目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)が企図される。目的のタンパク質をコードする発現カセットも、本明細書で企図される。
【0091】
本開示は、この開示のポリヌクレオチドを含むベクター、特に、組換え発現コンストラクトにも関する。一実施形態において、この開示は、転写、翻訳、およびかかるタンパク質コード配列のプロセシングを引き起こすか、または促進する他のポリヌクレオチド配列と共に、この開示のタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを企図する。
【0092】
原核生物および真核生物の宿主と共に使用するのに適するクローニングベクターおよび発現ベクターについては、例えば、Sambrook et al,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,Second Edition,Cold Spring
Harbor,NY,(1989)に記載されている。例示的なクローニング/発現ベクターには、クローニングベクター、シャトルベクター、および発現コンストラクトが含まれ、それらの中に含まれるポリヌクレオチドの増幅、移行、および/または発現に適する、当該技術分野で公知のプラスミド、ファージミド、ファスミド、コスミド、ウイルス、人工染色体、または任意の核酸ビークルに基づいていてもよい。
【0093】
ウイルスベクターに関して特に記載しない限り、本明細書で使用する「ベクター」とは、それが連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を意味する。例示的なベクターには、プラスミド、酵母人工染色体、およびウイルスゲノムが含まれる。他のベクターは宿主細胞のゲノムに組み込むことができ、それによって宿主ゲノムと共に複製されるが、特定のベクターは、自律的に、宿主細胞内で複製することができる。さらに、特定のベクターは、「組換え発現ベクター」(または単に、「発現ベクター」)として本明細書で呼ばれ、これは、発現制御配列に作動可能に連結される核酸配列を含み、それゆえに、それらの配列の発現を指示することができる。
【0094】
特定の実施形態において、発現コンストラクトはプラスミドベクターに由来する。例示的なコンストラクトには、アンピシリン体制遺伝子、ポリアデニル化シグナルおよびT7プロモーター部位をコードする核酸配列を有する改変pNASSベクター(Clontech、パロアルト、カリフォルニア州)、CHEF1プロモーターを有するpDEF38およびpNEF38(CMC ICOS Biologies社)、ならびにCMVプロモーターを有するpD18(Lonza社)が含まれる。他の適切な哺乳類発現ベクターが公知である(例えば、Ausubel
et al.,1995;Sambrook et al.,上記参照。例えば、Invitrogen社、サンディエゴ、カリフォルニア州;Novagen社、マディソン、ウィスコンシン州;Pharmacia社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州のカタログも参照されたい)。融合タンパク質の増強された生産レベルを促進するために、適切な調節制御下、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)をコードする配列を含む有用なコンストラクトを調製することができ、そのレベルは、適切な選択剤(例えば、メトトレキサート)の適用後の遺伝子増幅に起因する。
【0095】
一般に、組換え発現ベクターには、宿主細胞の形質転換を可能にする複製開始点および選択マーカー、ならびに上記に記載の下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子由来のプロモーターが含まれる。本開示に係るポリヌクレオチドと作動可能な連結にあるベクターは、クローニングコンストラクトまたは発現コンストラクトをもたらす。例示的なクローニング/発現コンストラクトは、本開示のポリヌクレオチドに作動可能に連結された少なくとも1つの発現制御エレメント、例えば、プロモーターを含む。エンハンサー、因子特異的結合部位、ターミネーター、およびリボソーム結合部位などのさらなる発現制御エレメントも、本開示に係るベクターならびにクローニング/発現コンストラクト中に企図される。本開示に係るポリヌクレオチドの異種構造配列は、適切な段階で、翻訳開始配列および翻訳終了配列で組み立てられる。したがって、例えば、本明細書に提供するコード核酸には、宿主細胞内でかかるタンパク質を発現させるための組換え発現コンストラクトとして様々な発現ベクターコンストラクトの任意の1つに含まれ得る。
【0096】
適切なDNA配列(複数可)を、例えば、様々な手順によってベクターに挿入することができる。一般に、DNA配列は、当該技術分野で公知の手順によって、適切な制限エンドヌクレアーゼ切断部位(複数可)に挿入される。クローニング、DNA単離、増幅および精製のための標準的技術、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、制限エンドヌクレアーゼなどを含む酵素反応のための標準的技術、ならびに様々な分離技術が企図される。多数の標準的技術については、例えば、Ausubelら(Current Protocols in Molecular Biology,Greene
Publ.Assoc社&John Wiley&Sons社、ボストン、マサチューセッツ州、1993)、Sambrookら(Molecular Cloning,Second Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory、プレーンビュー、ニューヨーク州、1989)、Maniatisら(Molecular Cloning,Cold Spring
Harbor Laboratory、プレーンビュー、ニューヨーク州、1982)、Glover(編)(DNA Cloning Vol.I and II,IRL Press、オックスフォード、イギリス、1985)、HamesおよびHiggins(編)(Nucleic Acid
Hybridization,IRL Press、オックスフォード、イギリス、1985)などに記載されている。
【0097】
発現ベクター中のDNA配列を、mRNA合成を指示するために、少なくとも1つの適切な発現制御配列(例えば、構成的プロモーターまたは制御プロモーター)に作動可能に連結する。かかる発現制御配列の代表的な例には、上記に記載の真核細胞またはそれらのウイルスのプロモーターが含まれる。プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコール転移酵素)ベクターまたは選択マーカーを有する他のベクターを用いて、任意の所望の遺伝子から選択することができる。真核生物のプロモーターには、CMV極初期、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルスのLTR、およびマウスメタロチオネイン−Iが含まれる。適切なベクターおよびプロモーターの選択は十分に当該技術者の範囲内にあり、本開示に係るタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーターまたは調節プロモーターを含む特定の特に好ましい組換え発現コンストラクトの調製を本明細書に記載する。
【0098】
本開示のポリヌクレオチドの変異体も企図される。変異ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の定義された配列のポリヌクレオチドの1つと少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、好ましくは、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは99.9%同一であるか、または約65〜68℃の0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、もしくは約42℃の0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、および50%ホルムアミドのストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件下、定義された配列のそれらのポリヌクレオチドの1つにハイブリダイズする。ポリヌクレオチド変異体は、本明細書に記載の機能を有する結合ドメインまたはその融合タンパク質をコードする能力を保有する。
【0099】
「ストリンジェント」という用語は、ストリンジェントとして当該技術分野で一般に理解される条件を表すために用いられる。ハイブリダイゼーションストリンジェンシーは、主に、温度、イオン強度、およびホルムアミドなどの変性剤の濃度によって決定される。ハイブリダイゼーションおよび洗浄のストリンジェントな条件の例として、約65〜68℃の0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、または約42℃の0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、および50%ホルムアミドが挙げられる(Sambrook et al,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989参照)。
【0100】
(より高い温度、より低いイオン強度、より高いホルムアミド濃度、または他の変性剤などの)よりストリンジェントな条件も用いることができるが、ハイブリダイゼーションの速度が影響する。デオキシオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが関係する場合、さらなる例示的なストリンジェントハイブリダイゼーション条件には、37℃(14塩基のオリゴヌクレオチドの場合)、48℃(17塩基のオリゴヌクレオチドの場合)、55℃(20塩基のオリゴヌクレオチドの場合)、および60℃(23塩基のオリゴヌクレオチドの場合)における6×SSC、0.05%ピロリン酸ナトリウムでの洗浄が含まれる。
【0101】
本開示のさらなる態様は、本開示のポリヌクレオチドもしくはベクター/発現コンストラクトのいずれかで形質転換もしくはトランスフェクトした宿主細胞、またはそうでなければ、本開示のポリヌクレオチドもしくはベクター/発現コンストラクトのいずれかを含む宿主細胞を提供する。本開示のポリヌクレオチドまたはクローニング/発現コンストラクトを、形質転換、トランスフェクションおよび形質導入を含む当技術分野で公知の任意の方法を用いて適切な細胞に導入する。宿主細胞には、例えば、生体外遺伝子治療を含む生体外細胞治療を受けている対象の細胞が含まれる。本開示に係るポリヌクレオチド、ベクター、またはタンパク質を内部にもつ時、本開示の態様として企図される真核生物の宿主細胞には、対象自身の細胞(例えば、ヒト患者自身の細胞)に加えて、VERO細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株(発現した多価結合分子のグリコシル化パターンを変更することができる改変されたCHO細胞を含む。米国特許出願公開第2003/0115614号参照)、(COS−7などの)COS細胞、W138、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562、HEK293細胞、HepG2細胞、N細胞、3T3細胞、ヨトウガ(Spodoptera
frugiperda)細胞(例えば、Sf9細胞)、出芽酵母細胞、および本開示に係るタンパク質もしくはペプチドを発現させること、任意に、単離することに有用であると当該技術分野で公知の任意の他の真核生物の細胞が含まれる。大腸菌、枯草菌、サルモネラ菌、放線菌、または本開示に係るタンパク質もしくはペプチドを発現させること、任意に、単離することに適すると当該技術分野で公知の任意の原核細胞を含む原核細胞も企図される。原核細胞からタンパク質またはペプチドを単離する場合、特に、封入体からタンパク質を抽出するための当該技術分野で公知の技術を用いることができると企図される。適切な宿主の選択は、本明細書の教示から当該技術者の範囲内にある。本開示の融合タンパク質をグリコシル化する宿主細胞が企図される。
【0102】
「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)という用語は、組換え発現ベクターを含む細胞を指す。かかる用語は、特定の対象細胞だけでなく、かかる細胞の子孫を表すことが意図されると理解されるべきである。変異または環境的影響のいずれかに起因する特定の改変が後世に発生する可能性があり、そのような子孫は、実際には、親細胞と同一ではない可能性があるが、それでも本明細書で使用する「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
【0103】
組換え宿主細胞は、必要に応じて、プロモーターの活性化、形質転換体の選択、特定の遺伝子の増幅のために変更された従来の栄養培地で培養することができる。温度、pHなどの発現のために選択される特定の宿主細胞のための培養条件は、当該技術者に容易に明らかとなるであろう。様々な哺乳類細胞培養系も、組換えタンパク質を発現するのに用いることができる。哺乳類発現系の例として、Gluzman(1981)Cell 23:175に記載のサル腎臓線維芽細胞のCOS−7、および適合性ベクターを発現することができる他の細胞株、例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株が挙げられる。哺乳類発現ベクターには、例えば、多価結合タンパク質の発現コンストラクトの調製に関して本明細書に記載の複製開始点、適切なプロモーター、および任意に、エンハンサー、ならびに任意の必須のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与部位およびスプライス受容部位、転写終結配列、および5’フランキング非転写配列が含まれる。SV40スプライス部位、およびポリアデニル化部位由来のDNA配列を用いて、転写されない必要な遺伝因子を提供することができる。このコンストラクトの宿主細胞への導入は、当該技術者によく知られており、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、またはエレクトロポレーションを含む様々な方法によって行うことができる(Davis et al.(1986)Basic Methods in Molecular
Biology)。
【0104】
使用する組成物および方法
一実施形態において、本開示の細胞組成物には、本明細書に記載の目的のタンパク質を発現する形質導入され、かつ活性化/分化したB細胞集団が含まれる。一実施形態において、これらの組成物には、形質B細胞に分化し、目的の1つ以上のタンパク質を発現する形質導入B細胞が含まれる。形質導入され、かつ活性化された本開示のB細胞集団などの標的細胞集団は、単独で、または希釈剤および/またはサイトカインもしくは細胞集団などの他の成分と組み合わせて医薬組成物として投与することができる。簡単に説明すると、本開示の細胞組成物は、1種以上の薬学的もしくは生理学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせて、本明細書に記載の目的のタンパク質を発現する形質導入され、かつ活性化/分化したB細胞集団を含み得る。かかる組成物には、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液、グルコース、マンノース、ショ糖もしくはデキストラン、マンニトールなどの炭水化物、タンパク質、ポリペプチドまたはグリシンなどのアミノ酸、酸化防止剤、EDTAもしくはグルタチオンなどのキレート剤、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、および防腐剤が含まれ得る。本開示の組成物を、好ましくは、静脈内投与用に製剤化する。
【0105】
本開示の細胞組成物を、治療(または防止)すべき疾患に適する方法で投与することができる。適切な用量が臨床試験によって決定され得るが、投与量および投与回数は、患者の病状、ならびに患者の疾患の種類および重症度などの要因によって決定される。
【0106】
「有効量」、「抗腫瘍有効量」、「腫瘍を阻害する有効量」または「治療量」が示される場合は、投与されるべき本開示の組成物の正確な量は、患者(対象)の年齢、体重、腫瘍サイズ、感染または転移の程度、ならびに病状における個々の違いを考慮して、医師によって決定され得る。一般に、本明細書に記載のB細胞を含む細胞組成物は、10〜10細胞/体重kg、好ましくは、10〜10細胞/体重kg、それらの範囲内の全ての整数値を含む用量で投与することができると述べることができる。B細胞組成物も、これらの用量で複数回投与することができる。これらの細胞を、免疫療法で一般に知られる注入技術を用いて投与することができる(例えば、Rosenberg et al.,New Eng.J.of Med.319:1676,1988参照)。特定の患者に最適な用量および治療体制は、疾患の徴候について患者を監視し、それに応じて治療を調整することにより、医療従事者が容易に決定することができる。
【0107】
一般的に、関連する養子免疫療法の研究において、抗原特異的T細胞は、患者に約2×10〜2×1011の細胞で投与される(例えば、米国特許第5,057,423号参照)。本開示のいくつかの態様において、10/kg(患者につき10〜1011)の範囲の、より少ない数の本開示の形質導入B細胞を投与してもよい。特定の実施形態において、これらのB細胞を、1×10、1×10、1×10、1×10、2×10、2×10、1×1010、2×1010、1×1011、5×1011、または1×1012の細胞で対象に投与する。B細胞組成物を、これらの範囲内の用量で複数回投与してもよい。これらの細胞は、治療を受けている患者にとって自己のものまたは異種性であってもよい。必要に応じて、治療には、分裂促進因子(例えば、PHA)または免疫反応の誘導を高めるために、本明細書に記載のリンホカイン、サイトカイン、および/またはケモカイン(例えば、GM−CSF、IL−4、IL−13、Flt3−L、RANTES、MIP1α他)も含まれ得る。
【0108】
対象組成物の投与は、エアロゾル吸入、注射、経口摂取、輸血、移入または移植による投与を含む、任意の好都合な方法で実施され得る。本明細書に記載の組成物は、患者に皮下、皮内、腫瘍内、節内(intranodally)、髄内、筋肉内、静脈内(i.v.)注射によって、または腹腔内に投与することができる。一実施形態において、本開示のB細胞組成物を、皮内注射または皮下注射によって患者に投与する。別の実施形態において、本明細書に記載のB細胞組成物を、好ましくは、i.v.注射によって投与する。これらのB細胞の組成物を、腫瘍、リンパ節、または感染部位に直接注入してもよい。
【0109】
さらに別の実施形態において、この医薬組成物を放出制御システムで送達することができる。一実施形態において、ポンプを用いることができる(Langer,1990,Science
249:1527−1533;Sefton 1987,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201;Buchwald
et al.,1980;Surgery 88:507;Saudek et al.,1989,N.Engl.J.Med.321:574参照)。別の実施形態において、ポリマー材料を用いることができる(Medical Applications of Controlled Release,1974,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.;Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,1984,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York;Ranger and Peppas,1983;J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61参照。Levy et al.,1985,Science 228:190;During et al.,1989,Ann.Neurol.25:351;Howard
et al.,1989,J.Neurosurg.71:105も参照されたい)。さらに別の実施形態において、放出制御システムを治療標的の近くに配置することができるので、全身用量のほんの一部しか必要としない(例えば、Medical Applications of Controlled Release,1984,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.,vol.2,pp.115−138参照)。
【0110】
本開示のB細胞組成物を、任意の数の基質を用いて投与することもできる。基質は、1997の組織工学(例えば、Principles of Tissue Engineering(Lanza,Langer,およびChick(編)参照)の文脈の中で数年間利用されている。本開示は、人工リンパ器官として機能する新しい脈絡の中でかかる基質を利用し、B細胞を支持し、維持する。したがって、本開示は、組織工学で有用性が示されたそれらの基質組成物および製剤を利用することができる。したがって、本開示の組成物、装置および方法において用いることができる基質の種類は、事実上無限であり、生物学的基質および合成基質の両方を含み得る。1つの特定例において、米国特許第5,980,889号、同第5,913,998号、同第5,902,745号、同第5,843,069号、同第5,787,900号、または同第5,626,561号で説明される組成物および装置を利用する。基質は、哺乳類宿主に投与される場合、一般に生体適合性と関連する特徴を含む。基質は、天然物質または合成物質の両方から形成することができる。これらの基質は、移植片などの動物の体内に永久構造物もしくは取り外し可能な構造物を残すことが望ましい場合に、生分解性ではなくてもよく、または生分解性であってもよい。これらの基質は、スポンジ、移植片、管、テルファパッド、繊維、中空繊維、凍結乾燥成分、ゲル、粉末、多孔性組成物、またはナノ粒子の形態をとることができる。さらに、基質は、徐放性播種細胞、産生されるサイトカインまたは他の活性剤を許容するように設計することができる。特定の実施形態において、本開示の基質は柔軟性および弾力性があり、無機塩類、水性液、および酸素を含む溶解させたガス状の薬剤などの物質に透過性のある半固体の足場として記載することができる。
【0111】
基質を、生体適合性物質の例として本明細書で使用する。しかし、本開示は基質に限定されないので、どこで基質(matrix)または基質(matrices)という用語が現れようと、これらの用語は、細胞保持または細胞横断(cellular traversal)を可能し、生体適合性があり、かつ物質自体が半透膜であるような物質を介して直接高分子の横断を可能にすることができるか、または特定の半透性物質と組み合わせて用いられる装置および他の物質を含むと理解されるべきである。
【0112】
本開示の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法、または当該技術分野で公知の他の方法を用いて形質導入され、活性化されるB細胞を、抗ウイルス剤などの薬剤、化学療法、放射線療法、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノレート、およびFK506などの免疫抑制剤、抗体、またはCAMPATHなどの他の免疫除去剤(immunoablative agent)、抗CD3抗体もしくは他の抗体療法、シトキシン(cytoxin)、フルダリビン(fludaribine)、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、サイトカイン、および照射を含むが、これら限定されない任意の数の関連する治療法と組み合わせて患者に投与する。これらの薬剤は、カルシウム依存性ホスファターゼカルシニューリン(シクロスポリンおよびFK506)を阻害するか、または増殖因子誘導性シグナル伝達に重要なp70S6キナーゼ(ラパマイシン)を阻害するかのいずれかである(Liu et al.,Cell 66:807−815,1991;Henderson et al.,Immun.73:316−321,1991;Bierer et al.,Curr.Opin.Immun.5:763−773,1993;Isoniemi(上記))。さらなる実施形態において、本開示の細胞組成物を、フルダラビン、外照射放射線療法(XRT)、シクロホスファミドなどの化学療法剤か、またはOKT3もしくはCAMPATHなどの抗体のいずれかを用いる骨髄移植、T細胞除去療法と組み合わせて(例えば、その前、それと同時またはその後に)患者に投与する。一実施形態において、本開示の細胞組成物を、CD20と反応する薬剤、例えば、Rituxan(登録商標)などのB細胞除去療法後に投与する。例えば、一実施形態において、対象は、高用量の化学療法による標準的治療の後に末梢血幹細胞移植を受けることができる。特定の実施形態において、移植後、対象は、本開示の規模を拡大した免疫細胞の注入を受ける。さらなる実施形態において、規模が拡大された細胞を手術前または手術後に投与する。
【0113】
患者に投与されるべき上記の治療の用量は、治療されている病状の正確な性質および治療の受信者によって異なる。ヒトへの投与のための用量のスケーリングは、当該技術分野で認められた慣行に従って行うことができる。
【0114】
本開示の形質導入B細胞組成物、特に、目的の特定の抗体を発現するように形質導入されたB細胞を、様々な感染症、癌、変性疾患および免疫疾患の治療または予防に用いることができる。
【0115】
本明細書に記載の形質導入B細胞を含む組成物は、ウイルス、細菌、寄生虫や真菌などの感染性微生物によって引き起こされる様々な感染症のいずれかの治療に用いることができる。感染性微生物には、ウイルス(例えば、RNAウイルス、DNAウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎、B型肝炎、およびC型肝炎のウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV))、寄生虫(例えば、変形体の種、リーシュマニア種、住血吸虫種、トリパノソーマ種などの原生動物および後生動物の病原体)、細菌(例えば、マイコバクテリア、特に、結核菌、サルモネラ菌、連鎖球菌、大腸菌、ブドウ球菌)、真菌(例えば、カンジダ属、アスペルギルス種)、ニューモシスティス・カリニ、およびプリオン(公知のプリオンは動物に感染し、スクレイピー、ヒツジおよびヤギの中枢神経系の感染性変性疾患、ならびに牛海綿状脳症(BSE)、または「狂牛病」、およびネコ海綿状脳症を引き起こす。ヒトに影響を与えることが知られている4つのプリオン病は、(1)クールー、(2)クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、(3)ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSS)、(4)致死性家族性不眠症(FFI)である)が含まれ得る。本明細書で使用する「プリオン」には、用いられる全ての動物、特に、ヒトおよび飼いならされた家畜のこれらの疾患もしくは他の疾患の全てまたはいずれかを引き起こすプリオンの全ての形態が含まれる。例示的な感染症には、トキソプラズマ症、ヒストプラスマ症、CMV、EBV、コクシジウム症、結核、HIVなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
特定の実施形態において、本明細書に記載の形質導入B細胞組成物は、様々な癌の予防または治療にも用いられ得る。この点に関して、特定の実施形態において、形質導入B細胞を含む組成物は、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、白血病、形質細胞腫、肉腫、神経膠腫、胸腺腫、乳癌、前立腺癌、結腸直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、子宮癌、膵臓癌、食道癌、脳癌、肺癌、卵巣癌、子宮頚癌、精巣癌、胃癌、食道癌、多発性骨髄腫、肝癌、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または他の癌を予防または治療するのに有用である。
【0117】
一実施形態において、これらの形質導入B細胞は、後天性免疫不全症候群(AIDS)、無ガンマグロブリン血症、低ガンマグロブリン血症、他の免疫不全、免疫抑制、および重症複合免疫不全症(SCID)などの免疫疾患の治療にも用いることができる。
【0118】
一実施形態において、本明細書に記載の形質導入B細胞は、限定されないが、関節リウマチ、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、アジソン病、セリアック病、慢性疲労症候群、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、線維筋痛症、全身性エリテマトーデス、乾癬、シェーグレン症候群、甲状腺機能亢進症/バセドウ病、甲状腺機能低下症/橋本病、インスリン依存性糖尿病(1型)、重症筋無力症、子宮内膜症、強皮症、悪性貧血、グッドパスチャー症候群、ヴェーゲナー病、糸球体腎炎、再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿症、骨髄異形成症候群、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、エヴァンス症候群、第VIII因子インヒビター症候群(Factor VIII inhibitor syndrome)、全身性血管炎、皮膚筋炎、多発性筋炎およびリウマチ熱などの自己免疫疾患の治療にも用いることができる。
【0119】
したがって、一実施形態において、本明細書の方法は、本明細書に記載の形質導入B細胞を含む治療有効量の組成物を、それを必要としている対象または患者に投与し、それによって疾患を治療することを含む疾患の治療法を含む。
【0120】
実施例
実施例1
目的のタンパク質を産生するためのPBMC由来のB細胞の形質導入および培養
この実施例において、PBMC由来のB細胞を形質導入し、培養して、HIV中和抗体、b12、またはGFPを成功裏に産生した。
【0121】
方法
ヒトPBMCをRPMI培地で解凍し、血球計数器を用いて数をかぞえた。B細胞を、メーカーのプロトコールに従って、easy−SepB細胞陰性選択B細胞精製キット(easy−Sep B−cell negative selection
B−cell purification kit)を用いて、合計1.23×10個のPBMCから採取した。精製後、これらの細胞の数を数え、3.5×10個のB細胞を24ウェルプレートの2ウェルに加え、それぞれのウェルに培地を1.25ml入れた。この培地は、RPMI、IL−2(10ng/ml)、IL−10(100ng/ml)、CpG(2マイクロモル)からなり、PHA(4μg/ml)は含む場合と含まない場合があった。
【0122】
さらに、CD40リガンド(MS40低細胞)で前もって安定して形質導入し、低レベルのリガンドを発現する細胞について選択した4×10個の付着マウスMS5間質細胞を、ウェルのそれぞれに加え、24時間培養プレートに付着させた後、(サイトカインおよびRPMIの存在下で)これらのB細胞を加えた。
【0123】
これらのB細胞を、3日間これらの条件に暴露した。
【0124】
培養3日後に、これらの細胞を除去し、1.6μgのポリブレンを、これらのB細胞を含む1.25mlの培養物のそれぞれに加え、3時間インキュベートし、HIV中和抗体b12またはGFP(共に、EEKプロモーターの制御下にある;Blood,12 February 2009,Vol.113,No.7,pp.1422−1431および米国特許出願第20100203630号参照)のいずれかをコードするエドモンストン麻疹ウイルスでシュードタイプ化したレンチウイルスベクターを、MOI30でB細胞に加えた。全部で、+PHA条件とマイナスPHA条件の両方について、合計2ウェルのB細胞をb12で形質導入し、1ウェルをGFPで形質導入した。
【0125】
それぞれのウェルは、培地に加えてサイトカイン、MS40−低細胞および2.67×10個のB細胞を含んでいた。新鮮なサイトカインを3日ごとに加え、細胞を、GFP陽性細胞の存在について蛍光顕微鏡を用いて監視した。形質導入18日後に、500μlの培地をb12およびGFP試料から取り除き、b12および精製したb12の存在を測定するためにGP140結合を用いるルミネックス(Luminex)装置(Luminex Corporation、オースティン、テキサス州)を用いてb12の存在について試験し、定量化のための標準曲線を作成した。ルミネックスの結果は、PHAがb12の生産に顕著に影響を与えないことを支持したが、方法の再集計における精度のためにこのプロトコールに含めた。
【0126】
結果
これらの結果は、形質導入細胞が平均して1.05ng/mlのb12抗体を産生したことを示した(図1参照)。さらに、蛍光顕微鏡は、GFP形質導入B細胞が改変され、緑色に成長したことを示した。GFPおよびb12発現を促進するために用いたプロモーターは、分化したB細胞においてのみ有効であることに留意することが重要である。したがって、これらの細胞は、唯一、形質細胞になった後に蛍光を発する。それゆえに、この実験は、ウイルスが正確に細胞を改変すること、ならびに培養系が改変された静止B細胞を形質細胞に分化させることができることの両方を示した。
【0127】
本明細書で引用され、かつ/または出願データシートにまとめられた上記の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許公開の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に利用される全ての数値範囲はその範囲内の全ての整数値を含み、その範囲内の特定の数値の選択は特定の用途に応じて企図される。さらに、以下の実施例は例示の目的で提供され、限定を目的とするものではない。前述から、本発明の特定の実施形態は、例示の目的のために本明細書に記載されているが、様々な改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターで休止B細胞を形質導入し、形質導入休止B細胞を得ることを含み、その際、前記レトロウイルスベクターは、形質B細胞に適合する異種プロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含み;かつ
分化した形質導入B細胞が前記目的の核酸を発現するように、前記形質導入B細胞を形質細胞に分化させるのに十分な条件下で、IL−2、IL−7、IL−10、およびCpGからなる群から選択される因子の1つ以上を含むB細胞活性化因子と組み合わせて、CD40Lを含む組成物と前記形質導入休止B細胞を接触させることを含む、B細胞において目的の核酸を発現させる方法。
【請求項2】
前記レトロウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レンチウイルスベクターがレンチウイルスアクセサリー遺伝子を欠く、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記目的の核酸が、少なくとも免疫グロブリンのV領域およびV領域をコードする核酸を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記目的の核酸が、抗体タンパク質もしくはその抗原結合断片、融合タンパク質またはDNAにコードされる小分子をコードする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記抗体が、抗HIV抗体、抗RNA抗体、または免疫調節に関与するタンパク質に結合する抗体である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記CD40Lが細胞または細胞株上に提供される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記CD40Lが組織培養プレートまたはビーズに結合されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記プロモーターがB細胞特異的プロモーターである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記プロモーターがEEKプロモーターである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターで多数のB細胞を形質導入し、多数の形質導入B細胞を得ることを含み、その際、前記レトロウイルスベクターは、前記B細胞の少なくとも20%を形質導入するのに十分な条件下で、形質B細胞に適合する異種プロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含み;かつ
前記形質導入B細胞の少なくとも20%が前記目的の核酸を発現するように、形質導入B細胞を形質細胞に分化させるのに十分な条件下で、IL−2、IL−7、IL−10、およびCpGからなる群から選択される因子の1つ以上を含むB細胞活性化因子と組み合わせて、CD40Lを含む組成物と前記多数の形質導入休止B細胞を接触させることを含む、B細胞において目的の核酸を発現させる方法。
【請求項12】
形質導入のステップの前は、多数のB細胞が休止B細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1つまたは多数の休止B細胞を血液から単離する、請求項1または請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記レトロウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記レンチウイルスベクターがレンチウイルスアクセサリー遺伝子を欠く、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記形質細胞が、CD38、CD78、インターロイキン−6受容体、CD27、およびCD138からなる群から選択される1つ以上のマーカーの細胞表面発現によって特徴づけられる、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
休止B細胞を、麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターと接触させ、形質導入B細胞を得ることを含み、その際、前記レトロウイルスベクターは、前記休止B細胞の少なくとも20%を形質導入するのに十分な条件下で、形質B細胞に適合する異種プロモーターに作動可能に連結された目的の核酸を含み;かつ
前記形質導入B細胞の少なくとも20%が前記目的の核酸を発現するように、前記形質導入B細胞を活性化するのに十分な条件下で、IL−2、IL−7、IL−10、およびCpGからなる群から選択される因子の1つ以上を含むB細胞活性化因子と組み合わせて、CD40Lを含む組成物と前記形質導入B細胞を接触させることを含む、休止B細胞を形質導入し、その活性化を促進する方法。
【請求項18】
前記レトロウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記レンチウイルスベクターがレンチウイルスアクセサリー遺伝子を欠く、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記目的の核酸が、少なくとも免疫グロブリンのVL領域およびVH領域をコードする核酸を含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記目的の核酸が、抗体タンパク質もしくはその抗原結合断片、融合タンパク質またはDNAにコードされる小分子をコードする、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記抗体が、抗HIV抗体、抗RNA抗体、または免疫調節に関与するタンパク質に結合する抗体である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記CD40Lが細胞または細胞株上に提供される、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記CD40Lが組織培養プレートまたはビーズに結合されている、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記プロモーターがB細胞特異的プロモーターである、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記プロモーターがEEKプロモーターである、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
B細胞活性化因子と組み合わせて、CD40Lを含む組成物と休止B細胞を接触させ、活性化B細胞を得ることを含み、その際、前記B細胞活性化因子は、IL−2、IL−7、IL−10、およびCpGからなる群から選択される因子の1つ以上を含み、前記接触のステップが前記B細胞を活性化するのに十分な条件下で行われ、その結果、それが形質細胞に分化し;かつ
前記活性化B細胞を、麻疹ウイルスの糖タンパク質Hおよび糖タンパク質Fでシュードタイプ化したレトロウイルスベクターで形質導入し、形質導入し、分化した形質細胞を得ることを含み、その際、前記レトロウイルスベクターは、前記形質導入し、分化した形質細胞が前記目的の核酸を発現するように、形質B細胞に適合する異種プロモーターに作動可能に連結された前記目的の核酸を含む、B細胞において目的の核酸を発現させる方法。
【請求項28】
前記レトロウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記レンチウイルスベクターがレンチウイルスアクセサリー遺伝子を欠く、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−516194(P2013−516194A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548181(P2012−548181)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020578
【国際公開番号】WO2011/085247
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512176646)イミュソフト コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】