説明

B群連鎖球菌ワクチン

単離されたβ型溶血性のB群連鎖球菌の完全に殺された細胞、及びβ型溶血性のB群連鎖球菌の培養物の濃縮された抽出物から調合された混合物は、同じ及び他の毒性株のB群連鎖球菌による伝染から魚を保護するのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、B群連鎖球菌による感染から魚をプロテクトする新規のワクチン、及びこれを製造する新規のプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
B群連鎖球菌は、養殖及び野生の魚の多くの種に厳しい経済的損失を引き起こすB群の連鎖球菌バクテリアである。
この伝染性の細菌は、新鮮な水域、塩けのある水域、あるいは海洋性水域で魚が集中的に培養される水産養殖設備において一般的である。
高密度の魚及び水のある環境により、連鎖球菌の疾病の迅速な伝染が促進される。
さらに、感染した養殖の魚は、野生の魚の個体群に病気を感染させるかもしれない。あるいは、感染した野生の魚が、養殖の魚にその病気を感染させるかもしれない。
【0003】
従来、様々な連鎖球菌及び腸球菌種に対して、腹腔内あるいは筋肉注射のいずれかに基づいた戦略を利用したワクチンが開発されている。
いくつかの注射可能なワクチンが連鎖球菌感染症の予防のために開発されているが、これらのワクチンの多くは製剤として異なる。
ホルマリンでストレプトコッカス−イニエ(S.iniae)を殺菌したワクチンを腹腔内へ(IP)ワクチン接種した後のニジマスのプロテクトについては、エルダーらによって報告された(Development and efficacy of a vaccine against Streptococcus iniae infection in farmed rainbow trout, Vet Immunol lmmunopathol 1997; 56: 175−183)(非特許文献1を参照)。
クレシウスらは、殺菌したホール・セルと濃縮された細胞外組成物からなる、修正されたS.iniaeワクチンを開発した[Efficacy of a killed Streptococcus iniae vaccine in tilapia (Oreochromis niloticus), Bull Eur Ass Fish Pathol 1999; 19(1 ): 38−41 ; and Efficacy of a single and combined Streptococcus iniae isolate vaccine administered by intraperitoneal and intramuscular routes in tilapia (Oreochromis niloticus), Aquaculture 2000; 188(3−4): 237−246](非特許文献2、3を参照)。
免疫化された25gのティラピア(Oreochromis niloticus)の相対パーセント生存率(RPS)は95.3、100gのティラピアのRPS値は84.2から94であった。
カレイ(Scophthalmus maximus)は、トキソイドを豊富にした細菌を使用したワクチン接種により腸球菌(Enterococcus sp.)からプロテクトされた[Romalde et al., Prevention of streptococcosis in turbot by intraperitoneal vaccination: A review, J Appl lchthyol 1999; 15: 153−158; Long− lasting protection against turbot streptococcosis obtained with a toxoid−enriched bacterin, Bull Eur Ass Fish Pathol, 1996; 16(5): 169−171 ; and Toranzo et al., Efficacy of intraperitoneal and immersion vaccination against Enterococcus sp. infection in turbot, Aquaculture 1995; 134: 17−27](非特許文献4、5、6を参照)。
トキソイドを豊富にした細菌ワクチンは、ホルマリンで殺菌された2つの単離された腸球菌種及びそれらの培養液の組み合わせだった。
フロイント不完全アジュバント中のホルマリンで殺菌したストレプトコッカスで免疫化されたニジマス(Oncorhynchus mykiss)はストレプトコッカスからプロテクトされたのにかかわらず、槽没入によって免疫化されたマスはプロテクトされなかった[Akhlaghi et al., Comparison of passive and active immunization of fish against streptococcosis (enterococcosis), J Fish Dis 1996年; 19: 251− 258](非特許文献7を参照)。
最近、中西ら(Development of a new vaccine delivery method for fish: Percutaneous administration by immersion with application of a multiple puncture instrument, Vaccine 2002; 20: 3764−3769)は、ホルマリンで殺菌したS.iniaeのワクチンに皮膚を刺した若いニジマスを浸すことでプロテクトされることを実証し、それはIP注入によって得られたものに匹敵した(非特許文献8を参照)。
【0004】
エルダーらは、ホルマリンで殺菌した連鎖球菌(Streptococcus difficile)から調整された注射可能なワクチンの調製について開示した。
このワクチンはティラピア(Oreochromis種)をS. difficileに対してプロテクトするチャレンジとして報告された[Eldar et al., Vaccination with whole− cell vaccine and bacterial protein extracts protects tilapia against Streptococcus difficile meningoencephalitis, Vaccine 1995; 13(9): 867−870; and Bercovier et al., Immunization with Bacterial Antigens: Infections with Streptococci and Related Organisms; Fish Vaccinology, Dev. Biol. Stand., Vol. 90 (Liiehaug, G., Midlyng, PJ & Brown, F. eds.) Karger, Basel, Switzerland, pp. 153−160, 1997](非特許文献9、10を参照)。
【0005】
【非特許文献1】Eldar et al., ”Development and efficacy of a vaccine against Streptococcus iniae infection in farmed rainbow trout”, Vet Immunol lmmunopathol,, 1997, 56,, P.175−183.
【非特許文献2】Klesius et al., ”Efficacy of a killed Streptococcus iniae vaccine in tilapia {Oreochromis niloticus)”, Bull Eur Ass Fish Pathol,, 1999, 19, 1, p. 38−41.
【非特許文献3】Klesius et al., ”Efficacy of a single and combined Streptococcus iniae isolate vaccine administered by intraperitoneal and intramuscular routes in tilapia (Oreochromis niloticus)”, Aquaculture,, 2000, 188, 3−4, p. 237−246.
【非特許文献4】Romalde et al., ”Prevention of streptococcosis in turbot by intraperitoneal vaccination: A review”, J Appl lchthyol,, 1999, 15,, p. 153−158.
【非特許文献5】Romalde et al., ”Long−lasting protection against turbot streptococcosis obtained with a toxoid−enriched bacterin”, Bull Eur Ass Fish Pathol,, 1996, 16, 5, p. 169−171.
【非特許文献6】Toranzo et al., ”Efficacy of intraperitoneal and immersion vaccination against Enterococcus sp. infection in turbot”, Aquaculture,, 1995, 134, p. 17−27.
【非特許文献7】Akhlaghi et al., ”Comparison of passive and active immunization of fish against streptococcosis (enterococcosis)”, J Fish Dis,, 1996, 19,, p. 251−258.
【非特許文献8】Nakanishi et al., ”Development of a new vaccine delivery method for fish: Percutaneous administration by immersion with application of a multiple puncture instrument”, Vaccine,, 2002, 20,, p. 3764−3769.
【非特許文献9】Eldar et al., ”Vaccination with whole− cell vaccine and bacterial protein extracts protects tilapia against Streptococcus difficile meningoencephalitis”, Vaccine,, 1995, 13, 9, p. 867−870.
【非特許文献10】Bercovier et al., ”Immunization with Bacterial Antigens: Infections with Streptococci and Related Organisms”, Fish Vaccinology, Dev. Biol. Stand., Vol. 90 (Liiehaug, G., Midlyng, PJ & Brown, F. eds.) Karger, Basel, Switzerland, 1997, p. 153−160.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その後の調査報告では、しかしながら、バンダムらは、エルダーらによって報告されたS.difficileは、実際には非溶血性の、B群連鎖球菌、S.agalactiaeであったことを提案した(Streptococcus difficile is a nonhemolytic group B, type Ib Streptococcus, lnt J Syst Bacteriol, 1997; 47(1): 81−85)。
確かに、以前に報告された元々種が確認されていないか誤って分類された魚の単離された連鎖球菌の多くは、より最近、非溶血性のB群連鎖球菌(S.agalactiae)であると特徴づけられた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
我々は今、魚、特にティラピア(Oreochromis niloticus)、及びS.agalactiae感染に弱い魚の他の種について、B群連鎖球菌の抑制に効果的で安全な新規ワクチンを発見した。
ワクチンは、1つ以上のβ溶血性の単離されたB群連鎖球菌である完全な(ホール・セル)殺菌された細胞、及びβ型溶血性のB群連鎖球菌の培養液からの濃縮エキスを含む。
ワクチン組成物は、同じ又は他の毒性株のB群連鎖球菌(つまり、ワクチンを準備するために使用される単離されたS.agalactiaeが異なる)による感染からの魚のプロテクトに有効である。
この発見に従って、本発明は、新規の非常にプロテクト効果の高い、魚用のS.agalactiaeに対するワクチンを提供することを対象とする。
本発明は、S.agalactiaeによって引き起こされた魚の集団の動物流行病を防ぐのに有効なワクチンを提供することをもう一つの対象とする。
さらに、本発明は、注射か槽没入によって処理されてもよいS.agalactiaeに対する効果的なワクチンを提供することをもう一つの対象とする。
さらに、本発明は、有効性を増加させた単離されたS.agalactiaeに対する単価及び多価ワクチンの両方を提供することをもう一つの対象とする。
本発明は、魚のS.agalactiae感染に対するワクチンの準備に使用されてもよい、魚からのβ溶血性の新規の単離されたS.agalactiaeを提供することを追加の対象とする。
本発明のいっそうさらなる対象は、ティラピア、シマスズキ及び他の魚類の生存度及び生産力を改善し、その上にS.agalactiaeによって引き起こされる経済的損失を縮小することである。
発明の他の対象及び利点は、確実な記述から容易に明白となるだろう。
【0008】
(生体試料の寄託)
β溶血性で、莢膜を作る能力がある脳から単離されたS.agalactiae(ARS−KU−3 B及びARS−KU−11 B)は、2002年7月17日に、ノース・ユニバーシティ・ストリート1815、ピオリア、イリノイ州 61604にある農業研究事業団微生物株保存機関にブダペスト条約の条件の下で預けられ、それぞれ、NRRL B−30608及びNRRL B−30607の寄託許可番号を割り当てられた。
ここに使用されるように、B群連鎖球菌は認められた種を指す。エヴァンスら(Characterization of beta−haemolytic Group B Streptococcus agalactiae in cultured seabream, Sparus auratus L., and wild mullet, Liza klunzingeri (Day), in Kuwait, Journal of Fish Diseases 2002; 25:505−513。その目次は参照によってここに組込まれる)によって、これらの特数が記述され、他の参考菌株が米国培養菌保存施設(マナッサス、ヴァージニア州、アメリカ)に預けられた。
【0009】
ここに使用されるように、「ワクチン」は、ワクチンを接種された動物の防御免疫応答を刺激することができる接種する形態の任意のタイプの生物学的因子を参照するために、その広い意味で定義されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、1つ以上の単離されたβ溶血性のS.agalactiaeについて殺菌された完全な(ホール・セル)細胞形態と、β溶血性の同じか異なる単離されたS.agalactiaeの培養液からの濃縮エキスとの組み合わせからなる新規ワクチンを提供する。
このワクチンは、このワクチンの調製で使用されるものとは異なる株を含むS.agalactiaeの任意の株による魚の感染をコントロールすることに効果的である。
さらに、このワクチンは、莢膜を作る能力がある株と莢膜を作る能力がない株と同様に、β溶血性と非溶血性の株による感染をコントロールすることに効果的である。
しかしながら、このワクチンは、S.agalactiaeのβ溶血性の株による感染に対する魚のプロテクト反応を誘発するのに特に効果的である。
【0011】
本発明のワクチンは、これで処理された場合、様々な魚のS.agalactiaeによる感染をコントロールするのに有効である。
また、ワクチン接種により、処理された魚の行動及び形態の異常は著しく減少する。
このワクチンは、それに制限されてはおらず、ゴールデンシャイナー、ヒメハヤ(bullminnow)、アミキリ、ガルフ・メンハーデン(にしん科の魚、gulf menhaden)、ハマギギ、ボラ、ピンフィッシュ、アトランティック・クローカー(大西洋産のニベ科の魚、Atlantic croaker)、スポット、ニベ、ブチナマズ、ニジマス、ウナギ、シマスズキとそれらの雑種、ハタ、鯛、カレイ及びティラピアを含む国内または外来の魚の処理には特に有益である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ワクチンの調製に使用されたβ溶血性のS.agalactiaeの特別の株は決定的ではく、莢膜を作る能力があるか莢膜を作る能力がない、どの単離されたβ溶血性のB群連鎖球菌でもここで適切に使用できる。
適切なS.agalactiaeは、エヴァンスらによって記述されたもの(Characterization of beta−hemolytic Group B Streptococcus agalactiae in cultured seabream, Sparus auratus L., and wild mullet, Liza klunzingeri (Day), in Kuwait, Journal of Fish Diseases 2002; 25:505− 513。その目次は参照によってここに組込まれる)に似ている従来技術と集積(豊富化する)技術を用いて、感染した魚のような環境又は自然のソースから、あるいは、以前に単離された実質上の純系の株から、単離されてもよい。
好適な株は、莢膜を作る能力があるもの、特に前述の株、NRRL B−30608及びNRRL B−30607を特に含んでいる。
単価・多価ワクチンの両方で有効性が示されているが、β溶血性のS.agalactiaeの1つより多い株を使用して準備された多価のシステムは、種間に存在するかもしれない、提示される抗原の不均一性により好適である。
【0013】
この独創的なワクチンは殺菌した細胞製剤か細菌ワクチンである。それはまた、S.agalactiaeの培養液の細胞外の濾化された溶液(細胞の入っていない培養液)の濃縮された分画を含んでいる。
そのため、濃縮分画は、S.agalactiaeの細胞、細胞壁断片及び細胞内のコンポーネントを実質上含んでいない。
細胞は濃縮分画から取り除かれるが、熟練した技術者は比較的少量の細胞内の生成物及び細胞壁断片が培養の最中に生じる正常な細胞の溶菌の結果存在してもよいことを認識するだろう。
特に好適な実施の形態において、低分子量の細胞外のコンポーネント(同様に、任意の低分子量の細胞内のコンポーネント)、好適なのは約1 kDa(キロ・ダルトン)未満の分子量があるもの、より好適なのは、2kDa未満の分子量があるもの、そして最も好適なのは、約3 kDa未満の 分子量があるものが、濃縮画分から取り除かれる。
理論に結び付けられていないが、殺されたS.agalactiaeの細胞外生産物の様々な低分子量成分は、細菌ワクチン懸濁液の抗原性に際して妨害作用があると信じられている。
細胞外の濃縮水の濃度及びろ過は事実上これらの抑制コンポーネントを除去するので、したがってワクチンの有効性を向上させる。
加えて、細胞外生産物は、莢膜からの抗原あるいは分泌された/排泄された抗原、及び優れた免疫化応答を提供する他の有益な分子を含むと考えられる。
【0014】
ワクチンの準備用の細菌の増殖は、任意の従来の条件の下で、及びその成長を促進する培地での培養によって達成されてもよい。
様々な従来の固体又は液体メディアはここで使用するのに対しふさわしいかもしれないが、液体培地での増殖は大規模生産のために特に好適である。
そのほかに制限されておらず、追加の栄養素は莢膜(多糖)生産を高めるために付け加えられてもよいが、従来のTSB培地(トリプシン大豆培養液、tryptic soy broth)は好適である。
例えば、グルコースのような糖の追加は多糖生産を高めるかもしれない。
ワクチンの生産は、5〜7日間25°Cで発酵中に培養pHを調節せずに、選択された単離物の静置培養によって行なわれてもよい。
5〜7日の延長された発酵時間によって飢餓状態のS.agalactiae細胞は、また、結果として生ずるワクチンの効能を増強すると考えられており、したがって好適である。
この培地で準備されたワクチンの最終pH値は、pH6.5〜7.4まで変動してもよい。
ワクチン調製の塩分は、好ましくは塩(YSI社、イエロースプリングズ、オハイオ州)1000当たり3.6−4.0部(ppt)の範囲にある。また、特に槽免疫化方法によって処理された場合に、この特性はまたワクチンの有効性を増強するかもしれないと信じられている。
そのほかに制限されておらず、臨床屈折計(Atago A300CL、ヴィー・ジー・サイエンティフィック社、カークランド、ワシントン州)で測定されたワクチン(例2に記述されるように製造された)は、血清蛋白質(g/100ml)スケールで1.3384〜1.3387であり;589ナノメーター(nm)の尿比重(UG)スケール及び屈折率(nD)で1.015〜1.016である、1.0〜1.2である。
540nm(可視−紫外分光光度計 、Spectronic Unicam、ケンブリッジ、英国)のワクチンの吸光度(OD)は、0.887〜0.939の範囲にある。
通気は一般に好適ではない。
それの使用が最終的なワクチン製品に、動物の生成物及び病原菌が存在する危険をなくすので、すべての、植物に基づいた発酵培地もここでは用いることが好適である。
それらの増殖と回収に続いて、S.agalactiaeの細胞は、化学的及び/または物理的に有効な殺菌処理(つまり、不活性化)にさらされる。
【0015】
細胞を溶解せずに、及び細胞が動物の抗体反応を誘発する能力を保持したまま、生細胞の99.9%以上を殺す、細胞を殺す有効な処理を以下で明らかにする。
このように、この処理では、事実上未処理の細胞に比べて殺された細胞表面抗原の特異性を変えるべきでない。
すべての生菌の100%を死滅させる処理法は典型的には好適かもしれないが、熟練した技術者は100%の細胞の死が必ずしも、容易に得られるとは限らないかもしれないことを認識するだろう。
好適な実施の形態において、死滅した、完全なS.agalactiaeは、ホルマリンで生菌の処理を行うことで準備される。
あるいは、パーディらによってパスツレラhaemolytica細菌ワクチンの調合のために記述されたようなUV照射(米国特許6,303,130番公報)によって、細胞を死滅させてもよい。
また、様々な他の技術、殺菌した細胞のワクチン(つまり細菌ワクチン)の調製のための構想を描かれ記述されたものは、ここでに使用するのに好適である。および、これには、アルコール、特にエタノールまたはイソプロピルアルコールのような脂肪族アルコール、フェノール、トリクレゾール、ホルマリン、ホルムアルデヒド、アセトン、チメロサール(merthiolate)、β−ラクトン、または蛋白質変性(例えば1時間の56°C)を引き起こさない温度で中熱を加える処理が含まれているが、これに制限されていない。
処理時間と条件は、もちろん選択された特定の方法に応じて変わり、日常の試験によって容易に決定されてもよい。
【0016】
好適な実施の形態では、発酵容器のS.agalactiae細胞は、100%の細胞を死滅させるために十分な時間、ホルマリンに晒される。
典型的には、ホルマリン濃度は、約1%から約5%(v/v)まで、好ましくは約1%から約3%(v/v)まで変動するだろう。
【0017】
100%の殺菌を達成する特定のホルマリン濃度に対しふさわしい暴露時間は、処理の時間とパーセント殺菌率の死の原因となる死滅曲線から容易に決定されてもよい。
発酵に続いて、細胞の高濃度懸濁液を得るために、細胞は、例えばろ過または遠心分離によって濃縮される。また、細胞のペレット及び発酵培養液が分離される。
分離された細胞は、ワクチンの最初のコンポーネントとして使用するために保持されてもよい。
その後、濃縮エキスを生産し、かつ前述の低い分子量の細胞外コンポーネントを好適に除去するために、濾液は、それ自体、無細胞の培養液の形で、もう一つの濃縮工程にさらされる。
様々な濾過システムは異なる分子量カットオフの下で、この好適な実施の形態で使用するにふさわしい。
好適なフィルタは、およそ分子量カットオフが1 kDa(キロ・ダルトン)であるものと、約1kDaより大きな分子量がある培養液からの細胞外生産物を含む濃縮エキスを生産するものを含んでいる。
およそ2kDaの分子量カットオフがあるフィルタに使用するのがより好適であり、特に好ましいのがおよそ3kDaのカットオフがあるものと共に用いることである。これにより、培養液から、それぞれ、約2及び3kDaより大きな分子量の細胞外生産物を含む濃縮された抽出物を生産する。
1つの好適な実施の形態では、無細胞の培養液はミリポア・ポロフラックスM12(ビレリカ、マサチューセッツ)を使用した3kDaアミコン・カラム(S3Y3)の使用によって濃縮される。
どんな濾過システムにおいても、濃縮液を再懸濁するために水を加えて、分離を実行し完了してもよい。
特に好適な実施の形態では、濃縮液のボリューム(体積)において5倍の縮小があるまで、分離が行なわれてもよい。
これは濃縮液の中に適切な水を残すことで、以前に保持された細胞ペレットの懸濁液が濃縮液(つまり、濃縮エキス)と再配合で容易に生じるようにする。
便宜上、死滅した細胞及び濃縮エキスは、同じ培養液から典型的に準備されるだろうことを、それは予見させる。
しかしながら、S.agalactiaeの同じか異なる株の異なる培養液からそれらが準備されていてもよいことが認識されている。
【0018】
適切な比率は当業者によって決定されてもよいが、典型的な範囲として見られるのは5:1(体積/体積)から20:1(体積/体積)で、好適なのはオリジナルの発酵された無細胞の培養液のうち10:1(体積/体積){つまり、濃縮培養液(濃縮液)の体積と無細胞の培養液の原体積の比率}である。
濃縮された無細胞の培養液は、0.22 Fm 1Iの微生物用のフィルタ(コーミング、コーニング、ニューヨーク)で滅菌される。
16mlのホルマリン殺菌した細胞に、1000mlの滅菌された無細胞の濃縮された発酵液を加える。
【0019】
濃縮液の細胞ペレットの再懸濁液に続いて、殺菌されたS.agalactiae細胞は、魚にとって免疫学的に有効な量の製剤あるいは投薬量によって投与のために準備される。
投与量は、単に再懸濁された殺菌された細胞を含んでいる濃縮液として与えられてもよいし、あるいは、薬学的に許容できるキャリアー及び、既知の技術であるアジュバントをさらに含んでいてもよい。
免疫学的に有効な量あるいは投薬量とは、S.agalactiaeの毒性株と後のチャレンジに対する処理された魚の完全な免疫、あるいは相対免疫(防御免疫応答を誘発する)を引き起こすその量であるとして、ここに定義される。
集団(感染した魚の数の減少あるいは感染の重症度の減少によって証拠づけられた)のためのプロテクトのレベルが、ワクチン接種をしていない対照群より著しく高い(少なくとも80%の信頼水準で測定され、好適には95%の信頼水準で測定された)ときに、処理された動物の集団に免疫が誘発されたと見なされる。
型通りの実験による技術に熟練している技術者は、適切な有効量を容易に決定することができる。
典型的には、ワクチンは、バス・メディウムの少なくとも1×108細胞のS.agalacctiae/mlを含み、好適には、バス・メディウム用の溶液の4×109細胞のS.agalactiae/mlを含む。
IP注射ルーチンについては、魚の寸法によって、魚の中の好適な投与量は約0.1〜0.2mlの上記の量になるだろう。
より大量の細胞で処理されてもよいが、そのような高いレベルを使用するのは、一般に非実用的であると考えられる。
【0020】
殺菌された細胞は、水、生理食塩水、鉱油、植物油、水性のカルボキシルメチルセルロースナトリウムあるいは水性のポリビニルピロリドンのような薬学的に許容できるキャリアーの製剤によって投与のために調製される。
従来の技術のように、ワクチン製剤はまた任意のアジュバント、抗菌剤あるいは他の薬学的に活性のある薬剤を含んでいてもよい。
上述のものに制限されておらず、適切なアジュバントは、鉱油、植物油、ミョウバン、及びフロイント不完全アジュバントを含んでいるが、これに制限されていない。
なお、他の好適なアジュバントは、生物学的適合性のあるマトリクス物質の微粒子あるいはビーズを含んでいる。
従来の技術のように、微粒子は、アガーとポリアクリラートを含むが、これに限定されない任意の生物学的適合性のあるマトリクス物質から構成されていてもよい。
技術に熟練している技術者は、他のキャリアーあるいはアジュバントが同様に使用されてもよいことを認識するだろう。
例えば、使用されてもよい他のアジュバントはウェッブとウィンケルシュタインによって記述される[in Basic & Clinical Immunology, Stites et al. (ed.), fifth edition, Lange Medical Publications, (ロスアルトス、カリフォルニア州)、1984年、282−285ページ]、その目次は、参照によってここに組込まれる。
【0021】
好適な実施の形態に従って、対象動物に抗原原料の接触を延長し、かつ従って感染防御免疫の期間を増加させるために、殺菌した細胞は、微粒子かマイクロカプセルに組み入れられてもよい。
微粒子とカプセルは従来の技術によるテクニックを使用して、様々なよく知られている不活性の生物学的適合性のあるマトリクス物質から形成されてもよい。
そのほかに制限されておらず、適切なマトリクス物質は、自然か合成高分子を含んでおり、それらはアルギン、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸/グリコール酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリカーボネート、ポリアミド、無水重合物(polyanhydrides)、ポリ・オルソ・エステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリビニルイミダゾール、塩化スルホ化されたポリオレフィン、ポリエチレンオキシド及び特にアガランド・ポリアクリラートのようなものである。
ここに使用されてもよい微粒子あるいはカプセル化の中への原料の取り込みに対する技術の手本は、スパークス[Microencapsulation, In: Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, third edition, John Wiley & Sons, New York, (1981), volume 15, pages 470−493]、キノニウス[[controlled Release Technologies: Methods, Theories, and Applications, CRC Press, Cleveland, OH, 1980]、 ゴンボッツら[米国特許公報5,019,400号]、ベック[米国特許公報4,919,929号]によって記述され、各々の中身は、参照によってここに組込まれる。
【0022】
本発明の実施の形態に係るワクチンにより、細胞が腹腔内か筋肉注射、槽没入、経口投与あるいは鼻の投与によってのように免疫学的応答を誘発することを可能にするあらゆる都合のよいルートによって対象動物を処理してもよい。
しかしながら、腹腔内注射あるいは槽没入は主要な免疫化には好適である。その一方で、必要なとき、経口免疫は副次的または追加免疫には好適である。
また、魚の表面は、動物の免疫系にワクチンの接触を容易にするために槽没入に先立って、あるいはその没入中に、中西らによって記述されたように、刺されるか(2002年、ibid)、又擦りむくか、わずかに表面を洗われる。
ワクチンは単回投与、あるいは複数投与分の投与をされてもよい。
飼育する条件に依存するので、ワクチンは複数回投与で処理されてもよい。そのタイミングは、熟練した技工によって容易に決定されてもよい。
【0023】
槽没入免疫化によるS.agalactiaeによる感染に対するワクチン接種には、他の免疫化のルートに比べていくつかの長所をファーする。
これらの利点の中には、免疫化した魚あたりのコストが低く、多くの魚の一斉ワクチン接種が可能、ストレスの削減、著しく高い魚の生存率、及びワクチン接種の副作用がないというものがある。
更に、槽没入ワクチン接種は、皮を刺すか注射ができない、より小さな魚の集団ワクチン接種のための有効な方法である。
あるいは、市販の魚ワクチンの腹腔内注射は、免疫化された魚あたりの高いコスト及び魚にストレスを与えるにもかかわらず、この信頼性及び高い有効性により鮮魚用か海洋性水産養殖の養殖場で一般的に使用されている。
【0024】
以下で述べる実施例は、単により発明を説明するように意図され、請求項によって定義される発明の範囲を制限するように意図されることはない。
【0025】
<実施例1>
クレシウスらによって以前に開発されたS.iniaeワクチンを、S.agalactiaeに対する有効性のために評価した。
その結果、ワクチンはプロテクト効果がなかった。
【0026】
(材料と方法)
ティラピアは、ARS、USDA、水生動物健康研究所(Aquatic Animal Health Research Laboratory、オーバーン、アラバマ州)で維持されていたストックを用いた。
5匹について平均重量30gのティラピアが、実験に先立って10日間、0.5l/hのフローを通じて塩素を除かれた水が供給される、57 Iガラス養魚器の環境に慣らされた。
明暗の間隔は12時間である:
12時間はメンテナンスされ、通気がエア・ストーンによって供給された。
魚には、飽満にAQUAMAX GROWER 400(ブレントウッド、ミズーリ州)が毎日与えられた。
水質は、温度及び塩分と共に溶存酸素について、YSI 85酸素伝導性、塩分、及び温度メーター(イエロー・スプリング・インストルメント社、イエロースプリングズ、オハイオ州)を使用して毎日、測定された。
日々の水温は平均26.3±0.03℃となった。また、平均の日々の溶存酸素は5.95±0.06mg/lだった。
魚がS.agalactiae未感染である状態を確認するために、サンプルを取得し、脳と腎臓へイノキュレーション・ループを入れることにより細菌培養をした。
サンプルは、羊血液寒天培地上に直接ストリークされ、24〜48時間27℃で培養された。
S.agalactiaeは5匹の無作為に選択された魚から単離されなかった。
【0027】
(ワクチン調製)
S.iniaeワクチンの調製は以前に記述された(Klesius et al., Efficacy of a killed Streptococcus iniae vaccine in tilapia (Oreochromis niloticus), Bull Eur Ass Fish Pathol, 1999; 19(1 ): 38−41.1999)。
手短かに言えば、ワクチンは、トリプシン大豆培養液(TSB)でストレプトコッカス−イニエ単離物(NRRL B−30264及びNRRL B−30238)の別々の培養液として準備され、72時間27°Cで振盪機(70 RPM)ウォーターバスで培養された。
3%の最終的な濃度を得るために、培養液は10%の中性緩衝ホルマリンにより24時間27°Cで処理された。
ホルマリンで処理された培養液は、30分間7000 x gで遠心分離され、細胞ペレット及び培養液が分離した。
細胞が取り除かれた培養液は、より低い分子量のコンポーネントをすべて除去するために2kDaの中空糸濃縮装置を使用し、20倍に濃縮された。
その後、この2kDa培養液の濃縮液は10:1のV/Vで細胞ペレットを再懸濁するために使用された。
ワクチンの最終的な濃度は4 x 109 CFU/mlだった。
バクテリアの濃度は、ホルマリンによって殺菌する前にワクチンの吸光度をとることにより推定した。
CFU/mlの実数は、スパイラル・オートプレーター・アンド・キューカウント(スパイラル・バイオテック社、ノーウッド、マサチューセッツ州)を使用して測定された。
ワクチン化しないものは、濃縮トリプシンの大豆培養液(TSB)のみ注入された。
ワクチン細胞は72時間で羊血液寒天培地の栄養因子の不足によって死滅させられることがわかった。
【0028】
(ワクチン接種プロトコル)
S.iniaeワクチンがS.agalactiae(試験1)に対してプロテクト可能だったかどうか判断するために、平均重量30gの200匹のティラピアを、20匹づつの10個のタンクに、免疫にならなかったコントロール(表1)を含めて分割された。
5つのティラピアのレプリケート・タンク(重複測定用・複製漕)をコントロールとして用いた。
S.iniae NRRL B−30264、あるいはNRRL B−30264とNRRL B−30238を組み合わせたワクチンは、ティラピアの腹腔内に0.1mlのボリュームで注入された。
コントロールのティラピアは0.1mlのTSBを注入された。
免疫化されたものとコントロールのティラピアは、チャレンジの前に30日間保持された。
ティラピアは、チャレンジ後14日間、死亡率をモニタリングされた。
【0029】
実験によるS.agalactiaeのチャレンジ及び細菌学的なサンプルコレクション、及び評価は、元々は野生のクランジンジェリ(Klunzingeri)ボラ(ライザ・クランジンジェリ(デイ))の自然な連鎖球菌の疾病のものから単離されたNRRL B−30607単離物のB群連鎖球菌を使用して魚を感染させて行った。
単離物は標準の分析法によってS.agalactiaeであると確認された。
ARS−KU−11 B(ナショナル・アグリカルチュアル・リサーチ・コレクション、NRRL B−30607)と名付けられたボラ(ライザ・クランジンジェリ)から単離されたS.agalactiaeは、27°Cで24時間トリプシン大豆培養液(TSB、ディフコ・ラボラトリーズ社、スパークス、メリーランド州)において培養され、次に、0.2mlずつ分注し−70℃で凍結された。
この研究で使用される伝染性の単離物は、冷凍の単離物のアリクォートを溶かしたものを入れたTSBの接種を行うことにより準備された。
その後、魚は100μlの S.agalactiaeのIP注射によって、2.6 x 105 CFU/mlでチャレンジされた。
死んだ魚は1日2回取り除かれ、また、死んだ魚の解剖では、標本は脳、前部の腎臓及び腸から無菌的に得られた。
標本は、24〜48時間、27℃の羊血液寒天培地上に直接培養された。
ベータ溶血性で、カタラーゼ・ネガティブ、グラム染色でポジティブな球菌コロニーは、羊血液寒天培地上にサブカルチャー、その後細菌学上サブ培養され、エヴァンスらによって記述されたテストにより、S.agalactiaeであると生化学的に確認された(Characterization of beta−haemolytic Group B Streptococcus agalactiae in cultured seabream, Spams auratus (L.) and wild mullet, Liza klunzingeri (Day), in Kuwait, J Fish Dis, 2002; 25: 505−513)、ここに参照によって組込まれる。
テストはすべてレメル(登録商標)(レネクサ、カンザス州)から購入された培地を使用して、27°Cで行なわれた。
【0030】
各試験について、ワクチン接種したティラピアとワクチン接種しなかったものの平均パーセント死亡率及び平均パーセント累積死亡率を、14日期間の間求めた。
ワクチンの有効性は、アメンドの手法(1981年)に従って相対的なパーセント生存率(RPS)として計算された。
【0031】
(統計分析)
処理タンクの無作為化はゴメスとゴメスによって記述されたブロック計画を使用して行なわれた。
データはすべて正規性の統計仮定が破られなかったことを保証するために検討された。
統計的分析はすべてスタチスティカル・アナリティカル・システムズ(SAS)(登録商標)(SASインスティチュート社、ケアリー、ノースカロライナ州、1997年)を使用して行われた。
レプリケート・タンクが使用された場合、処理グループ(ワクチン接種したものとコントロール)、及びこれらの処理グループのレプリケート(タンク)間の累積的な死亡率の有意差(P<0.05)を検出するために、一般的な線形モデル(GLM)プロトコロルが使用された。
有意差はP<0.05の_標準誤差で決定された。
【0032】
(結果)
S.iniaeワクチン調合剤はS.agalactiae感染からティラピアをプロテクトしなかった。
ワクチン接種されたS.iniae及びワクチン接種されていないS.agalactiaeのチャレンジに伴うティラピアの平均のパーセント死亡率およびRPSは、表1に示される。
S.iniaeのIPで免疫になり、S.agalactiae NRRL B−30607単離物でチャレンジされたたティラピアは、RPSが0であった。すなわち、S.iniaeのワクチン接種されたティラピアは、100%、S.agalactiaeに感染するようになった。
ワクチン接種したものとワクチン接種しないものの間で、死亡率の有意差は示されなかった。
ワクチン接種したものの死亡率は、すぐに、ワクチン注射しないものの死亡率より高くなった(図1)。
それぞれ、1日と2日で、S.iniaeでワクチン接種されたものとワクチン接種されていないティラピアで死亡率が記録され始めた。
100パーセントの累積的な死亡率に達したのは、ワクチン接種しなかったものは11日であったのに比較して、S.iniaeワクチン接種したものは4日だった。
【0033】
【表1】

【0034】
<実施例2>
本発明のS.agalactiaeワクチンはS.agalactiaeに対する有効性のために評価された。
実施例1のS.iniaeワクチンとは対照的に、S.agalactiaeワクチンはプロテクト可能である。
【0035】
(材料と方法)
(ティラピア)
ティラピアは、ARS、USDA、水生動物健康研究所(Aquatic Animal Health Research Laboratory、オーバーン、アラバマ州)で維持されていたストックを用いた。
5匹について平均重量30gのティラピアが、実験に先立って10日間、0.5l/hのフローを通じて塩素を除かれた水が供給される、57 Iガラス養魚器の環境に慣らされた。
明暗の間隔は12時間である: 12時間はメンテナンスされ、通気がエア・ストーンによって供給された。
魚には、飽満にAQUAMAX GROWER 400(ブレントウッド、ミズーリ州)が毎日与えられた。
水質は、温度及び塩分と共に溶存酸素について、YSI 85酸素伝導性、塩分、及び温度メーター(イエロー・スプリング・インストルメント社、イエロースプリングズ、オハイオ州)を使用して毎日、測定された。
すべての試験で、日々の水温は平均31.68±0.08℃または26.3±0.03℃となった。また、平均の日々の溶存酸素は5.95±0.06mg/lだった。
魚がS.agalactiae未感染である状態を確認するために、サンプルを取得し、脳と腎臓へイノキュレーション・ループを入れることにより細菌培養をした。
サンプルは、羊血液寒天培地上に直接ストリークされ、24〜48時間27℃で培養された。
S.agalactiaeは5匹の無作為に選択された魚から単離されなかった。
【0036】
(ワクチン調製)
ワクチンは、トリプシン大豆培養液(TSB)で S. agalactiae単離物(NRRL B−30608及びNRRL B−30607)の別々の培養液として準備され、72〜125時間27°Cで振盪機(70 RPM)ウォーターバスで培養された。
3%の最終的な濃度を得るために、培養液は10%の中性緩衝ホルマリンにより24時間で処理された。
ホルマリンで処理された培養液は、30分間7,000 x gで遠心分離機にかけられた。また、細胞ペレットおよび培養液は分離した。
無細胞の培養液はミリポア・プロフラックスM12(ビレリカ、マサチューセッツ州)を使用して、3 kDaアミコン・カラム(S3Y3)で5倍に濃縮された。
濃縮された無細胞の培養液は、0.22 Fm 1Iの微生物用のフィルタ(コーミング、コーニング、ニューヨーク)で滅菌される。
16mlのホルマリンで殺菌された細胞は、濃縮され、滅菌された無細胞の培養液1 lに加えられた。
ワクチンの540nm光学濃度は1.9だった。
最終のワクチン調製でのS.agalactiaeのコロニー形成単位(CFU)/mlの数は4×109であると推測された。
バクテリアの濃度は、ホルマリンによって殺す前にワクチンの光学濃度をとることにより評価された。
CFU/mlの実数は、スパイラル・オートプレーター・アンド・キューカウント(スパイラル・バイオテック社、ノーウッド、マサチューセッツ州)を使用して測定された。
ワクチン接種しなかったものは濃縮トリプシン大豆培養液(TSB)のみ注入した。
ワクチン細胞は72時間で羊血液寒天培地の栄養因子の不足によって死滅させられることがわかった。
【0037】
(ワクチン接種プロトコル)
(腹腔内投与)
3つのIP S.agalactiaeワクチン試験(試験2−4)が行われた。
試験2のためには、40匹の5gのティラピアが、20匹づつの2つのグループに分割された。
試験3のためには、200匹の30gのティラピアが、20匹づつ10個のタンクに分割された。
ティラピアの5つのレプリケート・タンクがコントロールとして用いられた。
試験4のためには、160匹の30gのティラピアが、1つのグループ当たり26〜27匹の魚の6つのグループ(免疫化しないコントロールおよびワクチン接種したものの3つのレプリケート・タンク)に分割された。
試験2および4は32°Cで行われた。また、試験3は26℃で行われた。
すべての試験について、ワクチンは0.1mlのボリュームでティラピアにIP注入された。
コントロールのティラピアは、同じボリュームの滅菌されたTSBをIP注入された。
【0038】
(槽没入投与)
2つのS.agalactiaeワクチン没入試験(試験5−6)が32°Cで行なわれた。
試験5のために、130匹の5gのティラピアが、65匹(コントロール)及び65匹(免疫化された)魚の2つのグループに分割された。
コントロールのティラピアは、500mlの滅菌水:500mlのTSB、1 lに20分没入され、没入の後、20−25匹の魚が3つのレプリケート(複製)養魚器の中に置かれた。
免疫化した魚は、16mlの細菌ワクチン及び1000mlのトキソイドを含んでいる希釈していないワクチンに、20分間、空気注入とともに浸され、没入の後、2−25匹の魚が3つのレプリケート養魚器の中に置かれた。
5gのティラピアはストレートのワクチンをよく許容しなかった。また、30匹はワクチン接種の後で死んだ。これは、ワクチンの稀釈の必要性が要求されていることを示していた。
さらに、30匹の魚が薄められたワクチン(500mlのワクチン: 500mlの滅菌水)に浸され、ストレートのワクチン没入中に失われたものを交換するためにレプリケート・タンク中に分配された。
追加の魚の死は、ワクチン接種後30日間はなかったことを示す。
試験6のためには、45匹の30gのティラピアが、11〜12匹づつの4つのグループに分割された。
6匹の魚の2つのグループが、各々、500mlの薄めていないワクチン(第1のディップ)で免疫化した。また、さらに6匹の魚の2つのグループが、各々、同じワクチン溶液(第2のディップ)と空気注入とで免疫化した。
第1のディップおよび第2のディップで免疫化した魚は別々の養魚器に入れられた。
コントロールの魚は同じ手順を使用して、TSBに没入された。
【0039】
(実験としてのチャレンジおよび細菌学的なサンプル評価)
ワクチン接種後、30〜64日では、ワクチン接種したもののグループおよびワクチン接種しなかったものは計量された。そして、0.1mlの同種(ARS−KU−MU−11 B)又は異種(ARS−KU−MU−3B)のS.agalactiae単離物で、2.6×103から1.7×106 CFU/fish(表2)の範囲の菌体濃度でIPチャレンジされた。次に、14日間、臨床的症状および死亡率を毎日モニタリングされた。
感染したティラピアは、不安定な泳ぎの行動及び病的徴候を観察された。
死んでいる魚は1日2回取り除かれた。そして、S.agalactiaeの存在を確認するために、20%の病的か死んでいる魚の脳、腎臓の前部、及び腸から、バクテリアのサンプルを無菌的に得た。
サンプルは羊血液寒天培地(レメル社、レネクサ、カンザス州)上で培養された。
ベータ溶血性、オオシダーゼ・ネガティブ、及びグラム染色でポジティブな球菌コロニーは、ラピッド・アイディー・32・ストレップ・テスト(バイオメリュー・バイテック社、ヘーゼルウッド、ミズーリ州)を使用して、S.agalactiaeであると確認された。
各試験では、ワクチン接種されたものと、ワクチン接種されていないティラピアの平均のパーセント死亡率および平均の累積的なパーセント死亡率が、14日間以上、求められた。
ワクチンの有効性は相対的なパーセント生存率(RPS)(アメンド、1981年)として計算された。
【0040】
(統計)
各試験について、免疫化した又は免疫化しなかったコントロール間のチャレンジ後の死亡率の有意差は、SASインスティチュート社、ケアリー、ノースカロライナ州(1997年)の手順による、t検定および寿命試験によって統計的に分析された。
有意差はP<0.05で求められた。
(上記を参照のこと)。
【0041】
(結果)
(ワクチンの有効性)
S.agalactiaeワクチン接種されたもの及びワクチン接種されていないティラピアについて、S.agalactiaeチャレンジ後の平均パーセント死亡率およびRPSは、表2に示される。
S.iniae IPワクチン接種とS.agalactiaeでのチャレンジとは対照的に、ワクチン接種し2.6×103と1.5×104 CFU/fishでチャレンジされた、S.agalactiaeワクチンでIPワクチン接種された30gのティラピアは、64及び30日後、試験3及び4で70と80の優れたRPS値をそれぞれ示した。
試験3と4の水温(26対32℃)は、RPSの結果に影響を及ぼすようには見えなかった。
図2は、S.agalactiaeとチャレンジの後にS.agalactiaeのための累積的な死亡率がプロテクト注射をした日平均パーセント及びワクチン接種しなかった魚を示す。
S.agalactiaeワクチン接種したものの平均の累積的なパーセント死亡率は、3〜14日まで15〜16%残った。
免疫化したものと免疫化しなかったコントロール間の死亡率の非常に顕著な有意差が、試験3及び4で見られた。
有意差は、試験3(P=0.9117)及び4(P=0.9510)での処理のレプリケート間では示されなかった。
IP S.agalactiaeワクチン接種した及びワクチン接種しなかった、より小さな5gのティラピアでは、S.agalactiaeでチャレンジされた際、25のRPSがあった(試験2(表2))。
【0042】
5g(試験5)と30g(試験6)のティラピアの槽没入ワクチン接種後、それぞれ、3.6×105及び1.7×106 CFU/fishでS.agalactiaeチャレンジをした後では、類似した34のRPSを生じた(表2)。
免疫化したものと免疫化しなかったコントロール間の死亡率の有意差は、試験5で見られた。
ワクチンの処理法(希釈していない対希釈された)に関わらず、試験5(P=0.9798)では、処理のレプリケート間で有意差は示されなかった。
対照的に、免疫化したものと免疫化しなかったコントロール間の死亡率の有意差は試験6では見られなかった。
試験6での処理のレプリケート(第1と第2のディップ)間では、死亡率の有意差(P=0.7327)は示されなかった。
5及び30gのワクチン接種したものは、5及び30gのワクチン注射しないものより、日々の累積的な%死亡率が低かった。
5及び30gのワクチン接種しないものは、30gの魚は5gの魚より10倍以上高い投与量でチャレンジされたのに関わらず、非常に類似した日々の累積的な死亡率になった。
ワクチン接種しなかったものの平均のパーセント死亡率は、平均85であった。また、 ワクチン接種したものの平均のパーセント死亡率は、平均55(表2)であった。
両方の試験において、ワクチン接種されていないコントロールの死亡率はチャレンジ後1日で50%以上だった(図3)。
ワクチン接種したものは、5日後まで50パーセントの死亡率に達しなかった。
【0043】
【表2】

【0044】
<実施例3>
本発明のS.agalactiaeワクチンは、伝染力の強いS.agalactiaeによる感染を防ぐ効果をついて再び試験された。また、血糖レベルに対する影響も求められた。
材料及び方法、ワクチン調製及びワクチン接種プロトコルはすべて、上述の実施例2に記述されたものを用いた。
【0045】
(血液のサンプリングおよび分析)
ワクチン接種(0時間)に先立って、10匹の魚が、血糖をサンプリングされた。
魚は、ワクチン接種後、2、6、24時間において、繰り返し血糖をサンプリングされた。
ワクチン接種後28日で、チャレンジ(チャレンジ前、0時間で)に先立って、10匹のワクチン接種したものおよび10匹のコントロールで血糖が決定された。
これらの魚は、チャレンジ後、2、6、24、48、72時間、及び312時間で、反復して血糖のサンプリングをされた。
血液サンプルは、尾静脈からツベルクリン注射器及び27標準規格注射針を使用して得られた。
5〜10のμLの血液滴は清潔なスライド・ガラス上に置かれた。
血糖濃度は、ガラス面に対して15〜30°度で、ワンタッチ・ウルトラ・メーター(ライフスキャン社、ミプタス、カリフォルニア州)のテスト・ストリップのトップエッジを血液滴に接触させ、血液が確認ウィンドウを完全に満たすことを可能にすること(ジウフら、2000年)により決定された。
グルコース濃度は約5秒でmg/dLで表示された。
従来の研究では、エヴァンスら(2003年b)は、許容できるDOレベルで、健康なティラピアからの血液サンプルの10個のレプリケーションからイントラアッセイの分散3.25%(平均20.4±0.66mg/dL)で、20mg/dLの感度を決定した。
更に、ブドウ糖モニターによって測定されたブドウ糖酸化酵素反応は、比色定量する商用検査手法と相関していた。
相関係数(r)はP<0.001で0.928だった。
【0046】
(実験としてのチャレンジ)
ワクチン接種後28日で、ワクチン接種したものおよびワクチン接種しなかったものは重量を量られ、1.5×105 CFU/mLの菌体濃度のS.agalactiae単離物0.1 mLでIPチャレンジされ、また、13日間、臨床的症状および死亡率を毎日モニタリングされた。
感染したティラピアは、不安定な泳ぎの行動及び病的徴候を観察された。
死んでいる魚は1日2回取り除かれた。そして、バクテリアのサンプルは、脳、腎臓の前部、及び腸から無菌的に得られた。さらに、S.agalactiaeの存在を確認するためにSBAの上で培養された。
ベータ溶血性、オオシダーゼ・ネガティブ、及びグラム染色でポジティブな球菌コロニーは、ラピッド・アイディー・32・ストレップ・テスト(バイオメリュー・バイテック社、ヘーゼルウッド、ミズーリ州)を使用して、S.agalactiaeであると確認された(エヴァンスら、2002年)。
累積的な処理死亡率は13日間決定された。
ワクチンの有効性は相対的なパーセント生存率(RPS)(アメンド、1981年)として計算された。
【0047】
(統計)
データは、SASインスティチュート社(ケアリー、ノースカロライナ州、1997年)の手順によるダンカンの多重範囲検定の後に続く分散分析手順によって統計的に分析された。
処理間での血糖レベルの有意差が、単一の期間と処理のためのすべての期間において、分散分析でp<0.001、ダンカンでp<0.05レベルで確立された。
血糖レベルと死亡率の間の相関の計算はSASの相関手順によって行なわれた。
上に記述されたように、重量が分析された。
標準誤差はすべての処理平均血糖値で報告された。
【0048】
(結果)
ワクチン接種したものは、ワクチンの注射の2時間後にコントロールの魚(52.1±5.37mg/dL)より著しく高い血糖レベル(97.9±9.90mg/dL)になった(データは示さない)。
ワクチン接種したものの血糖レベルは注射後も6時間上がり続けた。しかし、24時間で注射前のレベルに戻る前には、統計的には上がらなかった。
ワクチン接種の後、ワクチン接種(0時間)より前、又は6及び24時間で、ワクチン接種したものとコントロールの間の血糖での有意差は示されなかった。
TSBをIP注入されたコントロールの血糖レベルは、どの時間間隔でも有意差はなかった。
コントロールあるいはワクチン接種したものについて、ワクチン接種後28日で、魚の死はなかった。
IP注射による1.5×10 4 CFUのS.agalactiaeのチャレンジおよび感染により、ワクチン接種したもの及びコントロールの両方で、2、24、48及び72時間において0時間よりも著しく高い血糖レベルになった(図4)。
コントロールとワクチン接種したものの間では、著しく高い血糖レベルが、24、48および312時間で示された。
【0049】
しかしながら、ワクチン接種したものの血糖レベルは、これらの期間のコントロールのものより低かった。
コントロールのグルコース値は、48時間でピークに達した(117.0±14.09mg/dL)。
ワクチン接種したものの312時間での血糖値(41.9±2.39mg/dL)は、ワクチン接種とチャレンジに先立って0時間でワクチン接種したもののために得られたものと同一だった。
【0050】
コントロールは、チャレンジの24時間後に、感染した魚に典型的な行動異常を示した。
魚は、タンクの底に塊状になり、食物に対する無反応又は遅い反応、及び不活発さを示した。
コントロールでは、ワクチン接種したものよりかなり早く魚の死が起こった。
チャレンジの後、72時間以内に、コントロールでは60%の死亡率が示された(図4)。
チャレンジ後96時間で、ワクチン注射された魚はわずか1匹だけが死んだが、感染又は行動異常のサインを示した魚は皆無だった。
相対パーセント生存率は312時間で83.4だった。
図4は、チャレンジされたワクチン接種したものとコントロールについて、時間に対しての平均のグルコース値とパーセント累積死亡率の関係を示す。
血糖レベルおよび感染したコントロールの死亡率は著しく関連した(r2=0.9236、P=0.0134)。
瀕死のコントロール(N=4)は、脳、前腎、及び腸の培養でS.agalactiaeポジティブだった。
【0051】
前述の詳細な説明が、単に実例とその修正のために与えられることは了解される。また、発明の趣旨および範囲から外れない点において変形して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】腹腔内(IP)注入及びIPによってS.iniaeワクチンを接種されたティラピアに、2.6×104 CFUのS.agalactiae/魚でチャレンジした平均の累積的なパーセント死亡率(_はワクチン接種したもの; _はワクチン接種しなかったもの)を示す図である。
【図2】腹腔内の(IP)注射及びIPによってS.agalactiaeワクチン(試験3及び4)を接種されたティラピアをS.agalactiaeでチャレンジした、平均の累積的なパーセント死亡率を示す図である。T;試験3はチャレンジ投与量2.6×103 CFU/魚(Δはワクチン接種したもの; ▽はワクチン接種しなかったもの);試験4はチャレンジ投与量1.5×104 CFU/魚(_はワクチン接種したもの; _はワクチン接種しなかったもの)。
【図3】S.agalactiaeワクチンの槽没入及びIPによって接種されたティラピアを、S.agalactiaeでチャレンジした、日々の死亡率(試験5及び6)を示す図である。試験5は、チャレンジ投与量3.6×105 CFU/魚(T=ワクチン接種しなかったもの; B=ワクチン接種したもの);試験6はチャレンジ投与量1.7×106 CFU/魚(C=はワクチン接種したもの; D=ワクチン接種しないかったもの)。寿命試験手順(SASインスティチュート、ケアリー、ノースカロライナ州)。
【図4】チャレンジした後の異なる時点での、ティラピアの平均のグルコース値(mg/dL)(線)と累積的なパーセント死亡率との関係を示す(バー)図である。IP注射によってS.agalactiaeの1.5×104 CFUでチャレンジされたティラピアにおいて、ワクチン接種した10匹(縞模様バー)及びコントロール(黒いバー)におけるティラピアの累積的なパーセント死亡率、及びワクチン接種した(縞模様ライン)及びコントロール(黒い線)における平均の血糖値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫学的に有効な量の、単離されたβ型溶血性のB群連鎖球菌連鎖球菌の完全に殺菌した細胞、及びβ型溶血性のB群連鎖球菌の培養液の濃縮エキスから構成されることを特徴とする配合物。
【請求項2】
前記β型溶血性のB群連鎖球菌は莢膜を生成することを特徴とする請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
前記β型溶血性のB群連鎖球菌は、寄託受入番号NRRL B−30607を識別する特性がすべてある株、寄託受入番号NRRL B−30608を識別する特性がすべてある株、あるいはそれの混合を含むことを特徴とする請求項2に記載の配合物。
【請求項4】
前記濃縮エキスは、β型溶血性のB群連鎖球菌の前記培養液の細胞外生産物から本質的に成ることを特徴とする請求項1に記載の配合物。
【請求項5】
前記濃縮エキスは、前記β型溶血性のB群連鎖球菌の細胞、細胞壁断片及び細胞内のコンポーネントから実質上取り除くことを特徴とする請求項4に記載の配合物。
【請求項6】
前記濃縮エキスは、約1キロ・ダルトンより大きな分子量があるβ溶血性のB群連鎖球菌の前記培養液の細胞外生産物を含む請求項1に記載の配合物。
【請求項7】
前記細胞外生産物は、約2キロ・ダルトンより大きな分子量であることを特徴とする請求項6に記載の配合物。
【請求項8】
前記細胞外生産物は、約3キロ・ダルトンより大きな分子量であることを特徴とする請求項7に記載の配合物。
【請求項9】
前記濃縮エキスは、β型溶血性のB群連鎖球菌の前記培養液の細胞外生産物から本質的に成ることを特徴とする請求項6の配合物。
【請求項10】
寄託受入番号NRRL B−30607及び寄託受入番号NRRL B−30608から成るグループから選ばれた株を識別する特性がすべてあることを特徴とする、生物学的な純粋培養物であるB群連鎖球菌。
【請求項11】
請求項1の配合物を投与することを含む、B群連鎖球菌の感染から魚をプロテクトする方法。
【請求項12】
前記魚は、ゴールデンシャイナー、ヒメハヤ、アミキリ、ガルフ・メンハーデン、ハマギギ、ボラ、ピンフィッシュ、アトランティック・クローカー、スポット、ニベ、ブチナマズ、ニジマス、ウナギ、シマスズキ及びそれらのハイブリッド、ハタ、鯛、カレイとティラピアを含むグループから選ばれることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記魚はティラピアであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記配合物は腹腔内注射か槽没入によって投与されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
請求項3の配合物を投与することを含む、B群連鎖球菌の感染から魚をプロテクトする方法。
【請求項16】
請求項4の配合物を投与することを含む、B群連鎖球菌の感染から魚をプロテクトする方法。
【請求項17】
請求項6の配合物を投与することを含む、B群連鎖球菌の感染から魚をプロテクトする方法。
【請求項18】
請求項9の配合物を投与することを含む、B群連鎖球菌の感染から魚をプロテクトする方法。
【請求項19】
B群連鎖球菌から魚をプロテクトするのためのワクチンを生産する方法であって、
a)単離されたβ型溶血性のB群連鎖球菌の培養液からの殺菌ホール・セルを提供し、
b)ベータ溶血性のB群連鎖球菌の培養液からの細胞外生産物の濃縮エキスを提供し、
c)免疫学的に有効な量の前記完全な殺菌した細胞及び前記濃縮エキスを合わせる
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記殺菌ホール・セルは、単離されたβ型のB群溶血連鎖球菌の培養液を本質的な程度の溶菌なしで細胞のおよそ100%を死滅させることに対し有効な化学的又は物理的な処理法にさらすことにより生産されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−532485(P2007−532485A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504124(P2007−504124)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/008972
【国際公開番号】WO2005/089447
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(500228193)
【Fターム(参考)】