説明

C型肝炎ウイルスゲノムの新規な3’末端配列並びにその診断及び治療使用

【課題】C型肝炎ウイルス(HCV)ゲノムRNAの3’末端配列での新規なRNA配列の提供。
【解決手段】C型肝炎ウイルス(HCV)ゲノムRNAの特定の塩基配列を有する3’配列、その相補体、及び核酸ベースの診断及び新規なアンチHCV治療のためのそれらの使用。HCVゲノタイプ中に保存されたこの配列要素は、ウイルス複製に対して本質的であり、感染性RNA、子孫ウイルス又は区制競争HCV複製単位の生成の可能な全長HCV cDNAクローンの構成に必要とされる。かかる機能的クローンは、治療アプローチの評価に対し、そしてHCVに対するワクチン接種のための低毒化又は不活性化されたHCV誘導体の最適なものを開発する物質として有用なツールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の支持
この仕事はナショナル キャンサー インスティテュート/ナショナル インスティテュート オブ ヘルス 許可番号CA57973によりサポートされている。政府はこの発明に一定の権利を有する。
【0002】
本発明の技術分野
本発明は一般に、C型肝炎ウイルス(HCV)ウイルスゲノムRNAの3’末端又はその近傍で同定された新規なヌクレオチド配列要素に関する。この要素はHCV遺伝子型中で高度に保存され、HCV複製にとって本質的なものである。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
A型肝炎ウイルス及びB型肝炎ウイルスのための診断試験の開発の後、チンパンジーに対して実験的に移された(Alter他,1978;Hollinger他,1978;Tabor他,1978)付加薬剤が輸血取得された肝炎の主な原因として理解されるようになった。
、C型肝炎ウイルス(HCV)と称される非A非B(NANB)型肝炎原因剤に対応するcDNAクローンは1989年報告された(Choo他,1989)。このブレークスルーは診断における、そしてHCVの疫学、病因及び分子ウイルス学の我々の理解における急速な進歩に導いた。HCV感染の証拠は世界中で発見され、抗HCV抗体の有病率は多くの先進国での0.4−2%からエジプトでの14%以上までの範囲にある(Hibbs他,1993)。血液若しくは血液生成物を介した感染、又はより少ない頻度の性的及び先天的経路の他に、知られた危険要因と関連しない散在性の症例が発生し、HCV症例の40%以上の原因である(Alter他,1990;Mast及びAlter,1993)。感染は通常慢性的であり(Alter他,1992)、診療結果は不明確なキャリア状態から急性肝炎、慢性活性肝炎、及び肝細胞癌細胞の進行と強く結び付けられる肝硬変に及ぶ。アルファIFNは慢性HCV感染の患者の治療に対して有用であることが示され(Davis他,1989;DiBisceglie他,1989)そしてサブユニットワクチンはチンパンジーモデルにおいて一定の見込みを示しているが(Choo他,1994)、更なる試みがより効果的な治療及びワクチンの開発に必要とされている。異なるHCV単体の中で観測された大きな多様性(検討のため、Bukh他,1995参照)、慢性的に感染された個体における遺伝的変異の発生(Enomoto他,1993;Hijikata他,1991;Kato他,1992;Kato他,1993;Kurosaki他,1993;Lesniewski他,1993;Ogata他,1991;Weiner他,1991;Weiner他,1992)、及びHCV感染の後に誘出される保護免疫の不足(Farci他,1992;Prince他,1992)は、これらの目的に向かう主な課題を提供する。
【0004】
HCVの分子生物学
分類 そのゲノム構造及びビリオン特性に基づき、HCVは、フラビウイルス〔黄熱ウイルス(YF)等〕及び動物ペスチウイルス〔牛ウィルス性下痢ウィルス(BVDV)及び豚コレラウイルス(CSFV)〕(Francki他,1991)という二つの異なる属を含む、フラビウイルスファミリーの独立した属として分類されている。このファミリーの全構成メンバーは、単一の長いオープンリーディングフレーム(ORF、下記参照)の翻訳を介する全ての公知のウイルスたんぱく質をコード化するプラス鎖のRNAゲノムを含む、包まれたビリオンを有する。
【0005】
ビリオンの構造と物理特性
HCVの構造と複製に関しては情報はほとんど得られない。研究は効果的なウイルス複製を支持できる細胞培養系の不足と、血清中に存在する感染ウイルスの典型的な低力価により妨げられている。濾過実験に基づく感染ウイルスのサイズは30-80nmの間である(Bradley他,1985;He他,1987;Yuasa他,1991)。プールされたヒト血漿から単離されたHCV粒子(Takahashi他,1992)、感染したチンパンジーからの肝細胞中に存在するHCV粒子及び細胞培養中(Shimizu他,1994a)に生成されたHCV粒子は、電子顕微鏡により(不十分だが)可視化される。ショ糖中の感染物質の浮遊密度の初めの測定は1.1g/ml以下の低密度プールに大多数が存在する、範囲の値となった。続く研究は、慢性的に感染したヒト又は実験的に感染させたチンパンジーからの血清中に存在する潜在的な感染ウイルスの間接的な測定として、HCV特異的なRNAを検出するためにRT/PCRを用いた。これらの研究から異なる臨床試料の間にかなりの異質性が存在し、多くの要因がHCV RNAを含む粒子の行動に影響しうることがかなり明らかになった(Hijikata他,1993;Thomssen他,1992)。かかる要因はイムノグロブリン(Hijikata他,1993)又は低密度リポタンパク(Thomssen他,1992;Thomssen他,1993)との結合を含む。高度な感染の急性期チンパンジー血清において、HCV特異的RNAは低浮遊密度(1.03−1.1g/ml)のフラクション中で通常検出される(Carrick他,1992;Hijikata他,1993)。別の試料において、HCV抗体の存在及び免疫複合物の形成は粒子の密度の高さ及び感染性の低さと相関する(Hijikata他,1993)。感染性を不活性化するクロロホルムとの(Bradley他,1983;Feinstone他,1983),又は非イオン性界面活性剤との粒子の処理は、HCVヌクレオカプシドを表すと解される、より高い密度(1.17−1.25g/ml)の粒子を含むRNAを生成する(Hijikata他,1993;Kanto他,1994;Miyamoto他,1992)。
【0006】
血清及び血漿中の多様なレベルのマイナスセンスのHCV特異的RNAの報告が多数ある(Fong他,1991参照)。しかし、高い感染性を有するある血清は低い又は検出不能なレベルのマイナス鎖RNAを有しうるので、かかるRNAは感染性粒子の本質的な構成要素であることはありそうもない(Shimizu他,1993)。ビリオンたんぱく質の組成物は厳密に決定されていないが、基本Cたんぱく質及び二つの膜糖タンパク質E1及びE2を含むと推定される。
HCV複製
HCV複製における初期段階は殆ど理解されてない。HCV糖たんぱく質の細胞内受容体はまだ同定されていない。ベータ−リポタンパク及びイムノグロブリンとの幾つかのHCV粒子の結合は、これらのホスト分子がウイルス吸収と組織の向性を制御する可能性を提起する。HCV複製を実験する研究は、ヒト検体又は実験的に接種されたチンパンジーに対して大きく制限されている。チンパンジーモデルにおいて、HCV RNAは接種後3日間程で血清中で検出され、血清アラニン アミノトランスフェラーゼ(ALT)のレベル(肝臓損傷の指標)のピークを過ぎて残存する(Shimizu他,1990)。ウイルス血症の開始は肝臓のHCV感染の間接的な印の発現により追随される。これらは細胞質抗体の出現(Shimizu他,1990)及びHCVが前にクロロホルム感受性“管形成剤”又は“TFA”と称される理由となった微小管集合体の形成等の肝細胞での超構造変化を含む(Bradley,1990によりレビューされる)。ウイルス抗原の発現(Blight他,1993;Hiramatsu他,1992;Krawczynski他,1992;Yamada他,1993)及びプラスとマイナスのセンスのRNAの検出(Fong他,1991;Gunji他,1994;Haruta他,1993;Lamas他,1992;NouriAria他,1993;Sherkerh他,1993;Takahara他,1992;Tanaka他,1993)により見られるように、特に急性感染の間に肝細胞はHCV複製の主要部分となるようである(Negro他,1992)。HCV感染のより後の段階では、HCV特異的抗体の発現、ウイルス血症の持続又は解消、及び肝臓疾病の激しさは、チンパンジーモデル及び人検体の両方で大きく変化する。ある肝臓損傷はHCV感染及び細胞変性の直接的な結果として生じるが、新たな一致はホスト免疫反応、特にウイルス特異的な細胞毒性Tリンパ球が、細胞損傷の調節で、より主要な役割を果たすということである(Rice及びWalker,1995をレビューとして参照)。
HCVはまた、特に慢性的な感染個体で、特別な肝貯蔵所において複製すると推定されている。幾つかの場合、RT/PCR又はin situハイブリダイゼーションは、T細胞、B細胞、及び単細胞を含む末梢血単核細胞とのHCV RNAの結合を示す(Blight他,1992;Bouffard他,1992;Gil他,1993;Gunji他,1994;Moldvay他,1994;Nuovo他,1993;Wang他,1992;Young他,1993;Yun他,1993;Zignego他,1992)。かかる組織向性は慢性的感染の確立に関係しえて、HCV感染と、混合型グリオブロブリン血症(Ferri他,1993によりレビューされる)、糸球体腎炎、及び稀な非ホジキンB−リンパ腫瘍(Ferri他,1993;Kagawa他,1993)等の一定の免疫学的異常との間の結合において役割を果たす。しかし、血清中の循環するマイナス鎖のRNAの検出、真の鎖特異性RT/PCRを得ることの困難さ(Gunji他,1994)、及び少ない数の感染された細胞は、in vitroでのこれらの組織における複製の明確な証拠を得ることを困難にする。
【0007】
効果的なHCV複製の可能な細胞培養系は開発されていないが、幾つかの進歩が形成されてきた。上記in vivoでの観測と一致して、in vitroでのHCV感染及び短期間の複製は、チンパンジー及びヒト肝細胞(Carloni他,1993;Lacovacci他,1993;Lanford他,1994)、ヒト肝癌系列(Huh7;Yoo他,1995,以下を参照)、末梢血白血球(Muller他,1993)、EBV抗原を発現するヒトB−細胞系列(Bertolini他,1993)、マウス レトロウイルス感染ヒトT−細胞系列(Molt4-Ma; Shimizu他,1992)、HTLV−1形質転換ヒトT−細胞系列(MT-2;Kato他,1995)、及びヒト包皮から誘導された繊維芽細胞(Zibert他,1995)に対し報告されている。
【0008】
今までは、これらの細胞の小さなフラクションのみが感染されて現れた。Molt4−Ma T細胞系列の許容状態のサブクローンを用いる異なるHCV接種のin vitroでの感染力は、チンパンジーモデルのin vivoでの感染力と良く相関する(Shimizu他,1993)。この細胞系列はまた、慢性感染の間のHCV結合と、中性エスケープ変異体の発現とを調べるのを開始するために用いられた(Shimizu他,1994b)。
【0009】
ゲノム構造
多数のHCV分離体の全長又は殆ど全長のゲノム配列は報告されている(Lin他,1994;Okamoto他,1994;Sakamoto他,1994及びそこでの記載を参照)。分離体中の多数の遺伝的拡散を考えると、幾つかの主要なHCV遺伝子型が世界中に広められていることは明確である(以下を参照)。米国で最も重要なものは、遺伝子型1、サブタイプ1a及び1bである。HCVゲノムRNAは約9.4キロ塩基の長さである。5’NTRは341−344塩基であり、HCVゲノムの中の最も保存されたRNA配列要素である。長いORFの長さは分離体内で少し変化し、3010、3011又は3033アミノ酸のポリたんぱく質をコード化する。報告された3’NTR構造は構成と長さ(28−42塩基)の両方で多様な変化を示し、3’末端ポリ(A)領域を含むように現れる一の場合(HCV−1,タイプ1a)(Han他,1991)を除いて、ポリ(U)で終わるように現れる(例えば、Chen他,1992;Okamoto他,1991;Tokita他,1994を参照)。
【0010】
翻訳及びたんぱく質分解処理
幾つかの研究が、翻訳開始における5’NTRの役割を調査するために細胞培養中の細胞フリーの翻訳及び一過性発現を使用している(Fukushi他,1994;Tsukiyama-Kohara他,1992;Wang他,1993;Yoo他,1992)。この高度に保存された配列は多数の短いAUGで開始したORFを含み、ペスチウイルスの5’NTR領域との重要な相同性を示す(Bukh他,1992;Han他,1991)。一連のステム・ループ構造はコンピュータのモデリング及び異なるリボヌクレアーゼによる消化に対する感応性に基づき提案されている(Brown他,1992;Tsukiyama-Kohara他,1992)。まだ議論の余地があるが(Wang他,1993;Yoo他,1992を参照)、幾つかのグループからの結果は、このエレメントが長いORFの最初のAUGでの有効な翻訳開始をもたらす内部リボソームエントリーサイト(IRES)として機能することを示す(Fuhushi他,1994;Tsukiyama-Kohara他,1992;Wang他,1993)。HCV及びペスチウイルスIRES要素の予測された特徴の幾つかは互いに同じである(Brown他,1992)。5’末端ヘアピン構造及び短いORFは翻訳を下方制御するために機能することが提案されている(Yoo他,1992)。この要素のIRESとして機能する能力は、HCVゲノムRNAは5’キャップ構造を欠いている可能性を示す。
【0011】
HCVポリたんぱく質の組織化及び処理はペスチウイルスのそれと殆ど同様であると思われる。少なくとも10のポリペプチドが同定されており、ポリたんぱく質中のこれらの解裂生成物の順番は、NH−C−E1−E2−p7−NS2−NS3−NS4A−NS4B−NS5A−NS5B−COOHである。たんぱく質分解処理はホストシグナルペプチダーゼ及び二つのHCVコード化プロテイナーゼ、NS2−3自己プロテイナーゼとNS3−4Aセリン プロテイナーゼにより調節される。Cはウイルスコア又はカプシドたんぱく質であると解される基本たんぱく質であり;E1とE2はビリオン・エンベロープ糖たんぱく質と推定され;p7は、E2グリコたんばく質から非効率に解裂される未知の機能の疎水性たんぱく質であり(Lin他,1994;Mizushima他,1994;Selby他,1994)、NS2−NS5Bは、ウイルスRNA複製複合体中で作用する非構造(NS)たんぱく質である。特に、そのN末端セリン プロテイナーゼ領域の他に、NS3はRNAヘリカーゼに特徴的なモチーフを含み、RNA刺激性NTPアーゼ活性を保持することが示されており(Suzich他1993);NS5Bはプラス鎖のRNAウイルスのRNA依存RNAポリメラーゼに特徴的なGDDモチーフを含む。
【0012】
ビリオン組み立て及び放出
この工程は直接には調査されていないが、複合体グリカンの欠如、発現されたHCV糖たんぱく質のER局在(Dubuisson他,1994;Ralston他,1993)及び細胞表面でのこれらのたんぱく質の欠如(Dubuisson他,1994;Spaete他,1992)は最初のビリオン形態形成が分子間の小胞中に発芽することにより生じることを示す。今まで、効果的な粒子形成及び放出は一過性発現分析においては観測されておらず、これは、必須のウイルス又はホスト因子が失われているか阻害されていることを示唆するHCVビリオン形成及び放出は効率的ではなく、ペスチウイルスに対して発見されたように、ウィルスの大部分の断片を細胞に結合した形で残す。最近の研究は、ヒト血漿から部分的に精製された細胞外HCV粒子は複合体N−結合グリカンを含むことを示すが、これらの糖鎖部分がE1又はE2と特異的に結合していることは示されていない(Sato他,1993)。放出されたビリオン上で糖たんぱく質と結合した複合体グリカンは、トランス ゴルジを通る転移とホストの分泌経路を通るビリオンの移動を提案する。この提案が正しければ、HCV糖たんぱく質の細胞内への分画とビリオン形成は、免疫学的監視を最小化し、抗体及び相補体によるウイルス感染細胞の細胞溶解を阻害することによって、その後慢性感染の確立において役割を果たすかもしれない。
【0013】
遺伝的可変性
プラス鎖RNAウイルスの全てについて、HCV(NS5B)のRNA依存RNAポリメラーゼはミス結合された塩基の除去に対する3’−5’エキソヌクレアーゼ校正読み取り活性を欠いていると解される。複製はそのため間違いが起こりやすく、多数の変形からなる”疑似種”ウイルス集団となる(Martell他,1992;Martell他,1994)。この可変性は多数のレベルで明白である。第一に、慢性感染個体においてウイルス集団中の変化が長期にわたり生じ(Ogata他,1991;Okamoto他,1992)、これらの変化は疾病に対して重要な影響を有する。
【0014】
特に興味ある例は、その他のポリたんぱく質より高度の可変性を示すE2グリコたんぱく質のN末端30残基である(例えば、Higashi他,1993;Hijikata他,1991;Weiner他,1991を参照)。多分HIV−lgp120のV3領域に類似するこの超可変領域は、抗ウイルス抗体の循環による免疫選択の下にあるという証拠が累積している(Kato他,1993;Taniguchi他,1993; Weiner他,1992)。このモデルにおいて、E2のこの部分に対して向けられた抗体はウイルス中和に寄与し、従って中和を回避する置換基を有する変形の選択を促進する。この柔軟性は、E2超可変領域中の特異アミノ酸配列は、ビリオンの取付け、貫通、又は組み立て等のたんぱく質の他の機能に対して本質的ではない。遺伝的可変性は、アルファIFNを用いた慢性感染患者の処置のあとに観察される異なる応答の多様性の一因となる。往々にして循環するHCV RNAのレベルにおける減少と相関する、限定した血清ALTレベル及び改善した肝臓組織は処理された患者のたった〜40%でしか観察されない(Greiser-Wilke他,1991)。処置の後、およそ70%の応答者が再発する。幾つかの場合、循環ウイルスRNAの一過性損失の後、新しくなったウイルス血症が処置の過程においてさえ観測される。このことはIFN抵抗HCV遺伝子型又は変形の存在又は発生を示す一方、更なる作業が免疫応答性におけるウイルス遺伝子型及びホスト特異的差異の相対的寄与を決めるために必要とされる。最後に、世界中の異なるHCV分離体の配列比較はばく大な遺伝的多様性をカバーしていない(引用のBukh他,1995にレヒ゛ューされる)。交差中和試験等の生物学的関連血清学的分析が不足しているので、HCVタイプ(番号により名づけられる)、サブタイプ(文字により名づけられる)、及び分離体は最近、ヌクレオチド又はアミノ酸配列同一性に基づいてグループ化される。最も相違する遺伝子型の間のアミノ酸配列同一性は、比較されるたんぱく質次第では、〜50%程度の小ささでありうる。この相違は、特に診断、ワクチン設計、及び治療に対し重要な生物学的示唆を有するようである。既に述べたように、遺伝子型1a及び1bは米国で最も普通なものである(遺伝子型普及及び分布の検討のためにBukh他,1995を参照)。
【0015】
最近、Yoo他(1995)の文献において、ヒトヘパトーマ細胞系列、Huh7への形質移入による複製する能力について、HCV−1 cDNAクローンの多様な誘導体からのT7転写を試験した。起こりうるHCV複製が、鎖特異的RT/PCR(5’NTRプライマーを使用する)及び3H−ウリジンによるHCV特異的RNAの代謝性ラベリングによって評価された。ポリ(A)又はポリ(U)の何れかで末端形成された転写は、これらの分析により陽性であるが、5’末端144塩基の遺伝子欠失を伴うものは陽性でない。幾つかの培養中、HCV特異的RNAは培養媒体中で検出されえて、新鮮なHuh7細胞を再感染するのに使用されうる。これらのクレームは直接に反駁されえないが、著者は確実なHCV複製を実際に検出していないように解される。例えば、著者のポジティブ・コントロールは1mlの高いHCV力価のチンパンジー血漿から抽出されたRNAを有するHuh7細胞の生産的転写である。この抽出された試料は最大限の107潜在的伝染性完全長HCV RNA分子を含む。最適形質移入条件(マイクロ注入と異なる)の下、ビリオンRNAの105以上RNA分子が(少なくともポリオウイルス、シンドビスウイルス、又はYFに対して)単一感染性イベントを誘導するために通常必要とされる。このことは、HCV−1実験において、100より少ない細胞が生産的に形質移入されることを示す。転写後16日で、プラス及びマイナスの両方の鎖のRNAは8時間の代謝性ラベリングの後容易に検出された。この方法によるマイナス鎖RNAの検出(形質移入されたビリオンRNAと転写RNAの両方に対する)は、HCVが効果的な複製と伸長の両方が可能であり、HCV RNA合成のレベルは(高度の多重感染のピークで)YF等のより丈夫なフラビウイルスに対して推定されたのと同様であることを示す。しかし、多数の試みに関わらず、著者は多様な抗血清又は全長のプラス若しくはマイナスの鎖を使用して、(3H−ウリジンを用いた代謝性ラベリングより高い感応性である)ノーザン分析によって、これらの細胞中のHCV抗原を検出できなかった(J.Hanの私信)。控えめに言っても、これらの結果は面倒であり、簡単に真正のHCV複製と一致しない。最後に、HCV−1クローンから誘導されたRNA又はウイルスがチンパンジーモデル中で感染性であることを示す決定的な実験は報告されていない(2年以上前の会合でのこの仕事の初めのプレゼンテーションがあったにもかかわらず)。他のRNAウイルス系における研究は、特異的な末端配列は機能的な、複製可能RNAの発生に対し重要であることを示した(Boyer及びHaenni,1994にレヒ゛ューされる)。かかる配列はマイナス及びプラス鎖RNA合成において関与すると解される。幾つかの場合、二〜三の付加塩基、又はもっと長い非ウイルス配列が5’及び3’末端で許容され;これらの配列は真正のウイルス複製の間に、典型的には失われるか又は選別される。他のRNAウイルスにとって、特に5’末端で過剰な塩基は有害である(Boyer及びHaenni,1994)。反対に、二〜三の場合を除き、確実な末端配列を欠く転写は非機能的である(Boyer及びHaenni,1994)。例えば、3’末端二次構造又はフラビウイルスゲノムRNAの3’NTRの保存された配列要素の欠如はYF(P.J.Bredenbeek及びC.M.R.,未発行)又はTBE(C.Mandlの私信)のRNA複製に対し致命的である。他のウイルスに対するこれらの配列要素の重要性を考えると、HCV末端配列のより厳密な決定の形成が必要とされることは明白である。
【0016】
発明の概要
従来技術のHCV cDNAクローン並びにHCV複製の分析のため及びその治療組成物の開発のための細胞培養系に付随する前記した不十分さの観点から、感染性のRNA転写を生成することのできる全長cDNAクローン中に結合でき、弱毒HCVワクチンの生産のための目標配列として使用でき、治療組成物の目標として使用できる、HCVの3’末端配列を特に同定するための技術的要求があることは明らかである。
【0017】
本発明に従い、HCVの3’末端RNA要素をコード化するクローニングcDNAから誘導されたヌクレオチド配列が提供される。新たに発見された3’要素は特にHCV遺伝子型内で高度に保存され、HCV RNAゲノムの一般的特性を示す。
【0018】
本発明は、101ヌクレオチドの3’末端RNA配列要素が後に続くポリ(UC)領域を含み、全長HCVウイルスRNA又は以下の配列を含む、誘導されたHCV RNA複製に関する。
【0019】
【化1】

【0020】
本発明はまた、このRNA配列の相補鎖に関し、以下の配列を含む全長HCVのマイナスセンスのRNAに関する。
【0021】
【化2】

【0022】
本発明はまた、プラスセンスのHCVゲノムRNA中の3’NTR要素に対応するDNA配列に関する。
【0023】
【化3】

本発明はまた、マイナスセンスのHCV RNA中に存在する3’NTR要素の相捕鎖に対応するDNA配列に関する。
【0024】
【化4】

【0025】
この配列は“非コード化”のように見えるが、配列がHCV複製のために重要なポリペプチドをコード化することが可能であることは認識されるべきである。
【0026】
ポリ(A)が後に続くマイナスセンスのRNAの5’となる3’末端エレメントの相補鎖の中に二つの短いオープンリーディングフレームがある。これらの配列はマイナス鎖RNA(全長のマイナス鎖の又はサブゲノムのRNAの何れか)の翻訳により発現されうる。
【0027】
別の実施例において、以前に認められた、ポリ(U)又はポリ(A)ホモポリマー鎖を超えて延びるこの要素は、HCV−H及び他のHCV分離体(遺伝子型、タイプ、サブタイプ)(HCV−1 acc.#M62321;HC−J1 acc.#D10749;HC−J acc.#D90208;HCV−BK acc.#M58335;HCV−H acc.#M67463;HC−J6 acc.#D00944;HC−J8 acc.#D01221;HC−J483 acc.#D13558;HC−J491 acc.#D10750;HC−C2 acc.#D10934;HCV−JK acc.#X61596;HCV−N acc.#S62220;HCV−T acc.#84745;HCV−JT acc.#D01171;HCV−JT acc.#D01172;HC−G9 acc.#D14853;HCV−K3a acc.#D28917;NZL1 acc.D17763;HCV−Tr acc.#D26556)に対し全長HCV cDNAクローンを組み立てるために使用されうる。かかる全長ウイルス又は誘導されたHCV RNAレプリコンは、HCV治療のためのスクリーニング分析の開発及び治療合成物の評価に対するのと同じく、HCV複製及びウイルス−ホスト相互作用の研究に有用である。
【0028】
更に別の実施例において、HCVの弱毒化系列がワクチンとしての使用のために提供される。
本発明は、3’HCV末端配列要素をコード化する組換えDNA又はRNA分子又はその縮重した変形の組み換えに関し、好ましくは核酸は配列番号(SEQ ID NO):1〜4又は図3(配列番号(SEQ ID NO):20−24;ポリ(U)領域の下流のみの配列の部分)、図6(配列番号(SEQ ID NO):28−31)及び図8(配列番号(SEQ ID NO):33−36)に示される配列並びに図4(配列番号(SEQ ID NO):25)のそれと同じ二次構造、また更に、3’末端配列要素(又はその相補鎖)と他のHCV RNA配列(例えば、5’末端配列又は3’NTR又はその近傍の他の配列)との相互作用により形成される構造を形成する配列と実質的に同じヌクレオチド配列を含む。
【0029】
本発明のHCV又はその部分の配列は、相補配列及び同じ若しくは異なる種の関連するクローンのスクリーニングのためのプローブ(又はRT/PCR用のプライマー)として調製される。本発明はcDNAライブラリ、血漿又はHCVに感染された細胞のスクリーニングのために提供されるように調製されたプローブ又はプライマーに及ぶ。例えば、プローブは合成的に及びファージ、血清若しくはウイルス性のベクター等の多様な公知のベクターを用いた組換えDNAにより調製される。本発明はまた、かかるベクターを含むプラスミドの調製、並びに図3(配列番号(SEQ ID NO):20−24)、図6(配列番号(SEQ ID NO):28−31)及び図8(配列番号(SEQ ID NO):33−36)若しくは上記のように配列番号(SEQ ID NO):1−4に前記された何れか又は全ての配列、又はその配列の誘導体、又は他のHCVタイプ/サブタイプからの相同配列を含む、天然又は工業的なHCV RNAを攻撃するアンチセンスRNA又はリボザイムを発現するベクターを構成するためのDNA/RNA配列の使用を含む。同様に、アンチセンスRNA及びリボザイムの製造が本発明に含まれる。本発明はまた、ここに記される性質を有し、上記の配列及び配列番号(SEQ ID NO):1−4,20−24及び33−36から選択された配列を示すRNA分子を含む。
【0030】
本発明の別の実施例では、前に決定された配列を含むHCVの完全ヌクレオチド配列が適当なホストに導入される。本発明は従って、クローニングされたHCV配列及び/又はそれから誘導されたRNAで形質移入又は形質転換されたホスト細胞、並びにより限定すると、複製構成要素及び/又は前記配列、又は上記の相同誘導体を用いて組み立てられた完全なDNA/RNA配列に及ぶ。
本発明のある好ましい実施例の他の好ましい特徴に従い、一時的に形質移入された、又は安定な細胞系列が感染性HCV、及びの低毒化種を生成するために提供される。
【0031】
本発明は、ここで説明されたように公知の組み換え技術を含む、HCV配列の調製のための幾つかの手段を通常予期し、本発明は従ってその範囲内のかかる合成的調製をカバーするように意図される。ここで開示された配列の単離は組換え技術等により核酸配列自身のみならず、感染性HCV、及び低毒化されたHCVの再生産もまた促進し、従って本発明は、野生型及び開示された配列から調製された低毒化のHCV、並びにこの配列を発現し、HCV RNAを複製し、及び/又はウイルスを生成する一時的に形質移入された細胞又は安定な細胞系列に及ぶ。
【0032】
本発明は、ウイルスの生命サイクルを中断又は強化することにより目標細胞中のHCV複製を調整することに効果的な潜在的な薬剤のスクリーニングのための分析系を含む。強化は、治療体制(即ちワクチン)と同じく実験的な使用のために、HCVのストックが生成されるべき場合に望ましい。一例において、試験薬剤は、何れかの化学試料(DNA又はRNAを含む)の存在下での、又は試験薬剤に対する対照との比較により、HCVの複製活性への効果を決めるために感染性HCV、cDNAクローン又は複製能力のあるRNAにより形質移入された細胞試料に投与する。
【0033】
分析系はより重要に、複製を禁止若しくは強化するHCV RNAに結合することができるか、これらの配列と相互作用する本質的な要因と結合する、薬剤又は他の存在を同定するために採用されうる。かかる分析は、配列番号(SEQ ID NO):1−4により同定される重要な3’末端配列モチーフの保存によって、広い範囲のHCV分離体に対し特異的な薬剤の開発において有用である。
【0034】
また別の実施例において、本発明は、HCVの活性のアンタゴニスト、特に、ウイルス性複製又は転写活性を通常禁止する薬剤又は分子を意図する。特定の実施例において、アンタゴニストは、HCVの3’末端領域の部分の配列(又はその相補体)を有するオリゴヌクレオチドである。かかるオリゴヌクレオチドは、ウイルス複製、たんぱく質へのHCV RNAの翻訳、又はウイルス粒子中へのゲノムRNAの充填のために必要な鎖合成を途絶することができる。
【0035】
本発明の診断用途は、HCV感染をスクリーニングする分析における現在の3’末端配列の使用に及ぶ。特に、血液中の、又は感染細胞中のHCV感染を検出することのできるプローブ又はPCRプライマーが生産される。かかるプローブはある検出可能な標識によりラベルされる。同位体H,14C,32P,35S,36Cl,51Cr,57Co,58Co,69Fe,90Y,125I,131I及び186Re等の放射線活性標識が使用される例において、公知の最近利用可能な計数方法が利用される。
【0036】
標識が酵素である例において、検出は、現在利用される技術的に公知の比色分析、分光分析、蛍光分光分析、アンペロメトリー分析又はガス分析の技術の何れかによりなされる。
【0037】
本発明は、HCV配列の存在程度の定量分析用、又は薬剤若しくはかかる配列の活性を模倣若しくは遮断する他の薬剤を同定するための試験キットの形で準備される分析系を含む。その系又は試験キットは、HCV核酸用のプローブにラベルを結合する、ここで検討された放射線活性及び/又は酵素技術の一つにより調整されたラベルされた構成要素、若しくはその結合相手、若しくはHCVビリオン自身の結合相手と、少なくとも一つがラベルされた構成要素、その結合相手、決定されるべき構成要素の一つ若しくはそれらの結合相手の何れかと結合することのできる遊離若しくは固定されたリガンドである、一以上の付加免疫化学的試薬とからなる。
【0038】
別の実施例において、本発明は、HCV配列、若しくはその活性フラグメント、又は薬剤若しくは同じ活性を有すると決められた他の薬剤に基づく一定の治療方法に関する。第一の治療方法は、特にここで開示された配列要素を突然変異することにより設計された低毒化HCVからなるワクチンの提供により、HCVによる感染の抑制と関連する。
【0039】
より限定すると、ここで通常言及する治療方法は、HCV若しくはそのサブユニットの効果的な抑制剤又は例えば本発明の別の特徴に従い準備及び使用がされる薬剤スクリーニング分析により開発された他の同様に効果的な薬剤の投与による肝炎又はHCVにより引き起こされる他の細胞不全の処置のための方法を含む。例えば、HCV核酸又はそのコード化されたたんぱく質への薬剤又は他の結合相手は転写活性を抑制又は増強するために投与される。
【0040】
特に、HSV又はここで同定されたその3’の配列要素又はそのフラグメント、及びそれへの結合相手は、慢性ウイルス性肝炎又は他のHCVに関連した疾病の処置のため等の、インターフェロン治療が適用される例中での投与のために薬剤形で調製されえた。
【0041】
従って、野生型又はこの付加配列を有する低毒化されたHCVをコード化する全長HCVゲノムと同じく、HCVの新規な3’配列要素を提供することが本発明の主な目的である。
【0042】
本発明の別の目的は、HCVが存在すると推定される哺乳動物中のHCVの存在を検出する方法を提供することである。
【0043】
本発明の別の目的は、薬剤、試薬等の哺乳動物のHCVの不利な効果に抵抗するのに潜在的に効果的な物質をスクリーニングする方法及び関連した分析系を提供することである。
【0044】
本発明の更に別の目的は、その存在又活性の不利な結果を予防するために、HCV又はそのフラグメントの量又は活性を制御するための哺乳動物の処置方法を提供することである。
【0045】
本発明の更に別の目的は、病理状態の不利な結果を処置又は予防するために、HCV又はそのサブユニットの量又は活性を制御するための哺乳動物の処置方法を提供することである。
【0046】
本発明の更に別の目的は、HCV、その配列要素、それらの結合相手からなる若しくはそれに基づく、又は生成を制御若しくはHCVの活性を真似る若しくは遮断する試薬若しくは薬剤に基づく、治療方法に使用するための薬学的組成物を提供することである。
【0047】
他の目的及び効果は、以下の説明図に従い進められる後に続く確実にする記載のレビューから、当業者には明白である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】HCVの配列の3’末端を決定する方法を示す。リン酸化合成オリゴヌクレオチド(“オリゴA”;5’−GACTGTTGTGGCCTGCGAGGCCGAATT−3’;配列番号(SEQ ID NO):5)はcDNA合成のための特異的プライマー部位として配されるようにRNAの3’末端にライゲーションされる。cDNA合成のためのプライマー(“オリゴB”;(1)5−TTGAATTCGACCCTGCAGGCCACAACA−3’;配列番号(SEQ ID NO):6又はB(2);5’−TTGAATTCGGCCCTGCAGGCCACAACAGTC−3’;配列番号(SEQ ID NO):7)はRNAへのライゲーションのために使用されるものに対して相補的であり;PCRのための第二のプラスセンスのプライマーはHCV ORFの3’末端近傍の配列に対応した(“オリゴC”;5’−CAAGTCGACGGGGAGACATTTATCACAGC−3’:配列番号(SEQ ID NO):8)。
【図2】ORFの終止コドンとポリ(U)領域との間のHCV−H−AAK〔配列番号(SEQ ID NO):11;オリゴ(dA)プライマー及び“オリゴC”を使用するPCRにより合成された非クローンニングDNAフラグメントの配列により決定された〕の3’末端配列の部分(プラスセンスのHCVゲノムRNAに対応するDNA)を、他のHCV分離物(遺伝子型)〔HCV−H(1a)分離物(配列番号(SEQ ID NO):9;HCV−1(1a)(配列番号(SEQ ID NO):10;HCV−J1(1a)(配列番号(SEQ ID NO):12;HCV−BK(1b)(配列番号(SEQ ID NO):13;HCV−TW(1b)(配列番号(SEQ ID NO):14;HCV−N(1b)(配列番号(SEQ ID NO):15;HCV−J6(2a)(配列番号(SEQ ID NO):16;HCV−J8(配列番号(SEQ ID NO):17;HCV−NZL1(3a)(配列番号(SEQ ID NO):18;及びHCV−Tr(3b)(配列番号(SEQ ID NO):19]の発行された配列の部分的リストと比較するアライメントを示す。
【図3】H77−#1,2(配列番号(SEQ ID NO:)20、H77−#8(配列番号(SEQ ID NO:)21、H77−#10(配列番号(SEQ ID NO:)22、H77−#74(配列番号(SEQ ID NO:)23、H77−#5(配列番号(SEQ ID NO:)24を含むHCV−H3’クローンの配列(プラスセンスのHCVゲノムRNAに対応するDNA)を示す。
【図4】HCV−H(配列番号(SEQ ID NO:)25)の3’末端のコンピュータ予想された(FOLDRNA,GCGパーケージ)二次構造を示す。最後の46ヌクレオチドはステム・ループ構造を形成する(推定エネルギー −25kcal/mol)。
【図5】4つの異なるHCVサブタイプ(1b,3,4及び4a)(配列番号(SEQ ID NO:28−31)の部分的3’末端のRT/PCR増幅及びクローニングに用いられるスキームを示す。即ち、オリゴD(5’−TAACATGATCAGCAGAGAGGCCAG−3’)(配列番号(SEQ ID NO):26がゲノミックRNAの3’末端にアニーリングされ、cDNAが合成された。次に、PCRがオリゴC(配列番号(SEQ ID NO):8)及びオリゴE(5’−CTCACGGACCTTTCACAGC−3’)(配列番号(SEQ ID NO):27)を使用して行なわれた。PCR生成物はクローニングされ配列決定された。
【図6】図5に記載されたように増幅されクローニングされたHCVサブタイプ1b,3,4及び4aからの3つのセグメントに対して決定された配列(5’−3’)(プラスセンスのHCVゲノムRNAに対応するDNA配列)の列を示す。終止コドン(TGA)を太字で示す。
【図7】3’末端オリゴヌクレオチドライゲーション、RT/PCR及び4の異なるHCV遺伝子型/サブタイプ(1b,3,4及び4a)からのHCV RNAのクローニングのためのスキームを示す。方法は、オリゴF(5’−CCAAGAATTCCCTGATCACGGCTAGC−3’)(配列番号(SEQ ID NO):32がオリゴCの代わりに使用される以外は、図2のアウトラインに本質的に従う。
【図8】図7に記載された分析から得た配列(プラスセンスのHCVゲノムRNAに対応するDNA配列)(配列番号(SEQ ID NO):33−36)を示す。分離体に特異的である配列の違いは太字で示す。
【図9】別の3’末端プライマーライゲーション及びHCVの遺伝子型4分離体用のRT/PCRのためのスキームを示す。異なるオリゴヌクレオチド(“オリゴG”;5’−CGCACCCTGTCCGACTACAACATCC−3’;配列番号(SEQ ID NO):37)がRNAライゲーション段階に用いられた。cDNA合成のために(“オリゴH”;CAGAATTCTTGTAGTCGGACAGGGTGCG−3’;は配列番号(SEQ ID NO):38)及びPCR(“オリゴF“及び”オリゴH”)のために使用されたプライマーが示された。
【図10】全長HCVゲノムRNA(正確な符号番号はHCV−Hである)の予想された構造を示す。ゲノムRNAは多分G残基で開始し、341塩基の5’非翻訳領域(NTR)を含む。ORFは3011アミノ酸残基のポリたんぱく質をコード化する9033塩基からなる。オパル(UGA)停止コドンの後は40塩基、ポリ(U)領域、ポリピリミジン伸長、及び101塩基の新規な保存RNA要素の配列である。
【0049】
詳細な記載
本発明に従い、使用された通常の分子生物学、微生物学及び組み換えDNA技術は従来技術の範囲内にある。かかる技術は文献の中で完全に説明される。例えば、Maniatis,Fritsch & Sambrookの“分子クローニング:実験室マニュアル”(1989);“分子生物学における最近のプロトコル”I−III巻〔Ausubel,R.M.編(1994)];“細胞生物学:実験室ハンドブック”I−III巻〔J.E.Celis,編(1994)〕;“免疫学における最近のプロトコル”I−III巻〔Coligan,J.E.編(1994)〕;“オリゴヌクレオチド合成”(M.J.Gait編,1984);“核酸ハイブリッド形成”〔B.D.Hames & S.J.Higgins編(1985)〕;“転写と翻訳”〔B.D.Hames & S.J.HiGGins編(1984)〕;“動物細胞培養”〔R.I.Freshney編(1986)〕;“固定された細胞と酵素”〔IRL Press,(1986)〕;B.Perbarの“分子クローニングへの実施ガイド”(1984)を参照のこと。
【0050】
従って、以下の用語は使用された場合、以下に設定された定義を有する。
【0051】
用語“3’末端配列要素”、“3’末端”、“3’配列要素”及び特にリストされない変形は、ここに相互変換可能に使用され、本明細書及び請求の範囲を通して、ここに記載された及び配列番号(SEQ ID NO):1−4に示された配列データ又は図3(配列番号(SEQ ID NO):20−24;ポリ(U)領域の下流の配列部分のみ)、図6(配列番号(SEQ ID NO):2831)及び図8(配列番号(SEQ ID NO):33−36)に示されたもの並びに本願明細書及び請求の範囲内に説明された特性のプロファイルを有するヌクレオチド配列のことを言う。用語“3’末端配列要素”、“3’末端”、“3’配列要素”は以下の配列:(i)プラスセンスのゲノムRNAの3’末端でのRNA配列;(ii)HCVのマイナスセンスのRNAの5’末端でのこのRNA配列の相補鎖;(iii)RNA要素のプラスセンスの配列に対応するDNA配列;(iv)RNA要素のマイナスセンスの配列に対応するDNA配列、の全ての包括した意味であることが認識される必要がある。かかる配列の例は配列番号(SEQ ID NO):1−4にそれぞれ示される。従って、実質的に同一又は変更された性質を示すヌクレオチド配列は同じように意図される。これらの改良は、例えば、部位特異的突然変異を通して得られる修飾等、計画的なものであるか、又は複合体若しくはその所謂サブユニットの生産元であるホスト中での突然変異を通して得られたもの等、偶発的なものである。また、用語“3’末端配列”、“3’末端”、及び“3’配列要素”はそれらの範囲内に、全ての実質的に相同な類似体及び対立遺伝子変形と同じくここで特異的に列挙された核酸分子を含むことが意図される。
【0052】
ここに記載されたいずれのアミノ酸残基も“L”異性体形状の中にあることが望ましい。しかし、“D”異性体形状の中の残基は、免疫グロブリン結合の所望の機能特性がポリペプチドにより保持されるかぎり、いずれかのL−アミノ酸残基と置換されうる。NHは、ポリペプチドのアミノ末端にある自由アミノ基を意味する。COOHはポリペプチドのカルボキシ末端にある自由カルボキシ基を意味する。J.Biol.CHem.,243巻の3552−59ページ(1969)の標準ポリペプチド命名を維持し、アミノ酸残基に関する略語は以下の対応表に示される。
【0053】
【表1】

【0054】
全てのアミノ酸残基配列は、左から右方向がアミノ末端からカルボキシ末端に向かう通常の方向である式によりここで表されることが記載される必要がある。さらに、アミノ酸残基の始まり又は末端にあるダッシュは一以上のアミノ酸残基の別の配列とのペプチド結合を示すことは記載される必要がある。上記表は、ここで択一的に表される3字と1字の記号を対応するために示される。
【0055】
“レプリコン”は、in vivoでDNA又はRNA複製の自律ユニット;即ちそれ自身の制御の下で複製が可能なものとして機能する、いずれかの遺伝的要素(例えば、プラスミド、染色体、ウイルス)である。Bradenbeck及びRice(1992)のSemin.Virol.の3巻の297-310ページはRNAレプリコンの記述を含む。
【0056】
“ベクター”は、結合セグメントの複製が成し遂げられるように別のDNA(又はRNA)セグメントが結合される、プラスミド、ファージ若しくはコスミッド等のレプリコンである。
【0057】
“DNA分子”は、一本鎖形態、又は二本鎖ヘリックスのいずれかにあるデオキシボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミン、又はシトシン)の高分子形態のことを言う。この用語は分子の一次及び二次の構造のことのみを示し、それを何れか特定の三次形状に限定することはない。従って、この用語は、中でも直線状DNA分子(例えば、制限フラグメント)、ウイルス、プラスミド、及び染色体中に見いだされた二本鎖DNAを含む。特定の二本鎖DNA分子の構造の検討において、配列は、DNAの非転写の鎖(即ち、mRNAと相同の配列を有する鎖)に沿って5’から3’の方向にある配列のみを与える正常な慣例に従いここで記載される。
【0058】
“RNA分子”は、一本鎖形態、又は二本鎖ヘリックスのいずれかにあるリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、ウリジン、又はシトシン)の高分子形態のことを言う。この用語は分子の一次及び二次の構造のことのみを示し、それを何れか特定の三次形状に限定することはない。従って、この用語は、中でも直線状若しくは環状のRNA分子中に見いだされた一本鎖RNA及びに二本鎖RNAを含む。特定のRNA分子の構造の検討において、配列は、5’から3’の方向にある配列を与える正常な慣例に従ってここで記載される。
【0059】
“複製の起点”はDNA合成に加わるDNA配列のことを言う。
【0060】
“コード化配列”又は“オープンリーディングフレーム”は、適当な調節配列の制御の下に置かれた時に、転写されポリペプチドへ生体内で翻訳されるヌクレオチド配列である。コード化配列の境界は5’(アミノ)末端にある開始コドン及び3’(カルボキシ)末端にある翻訳停止コドンにより決定される。コード化配列は限定はされないが、原核性配列、真核性mRNAからのcDNA、真核性(例えば、哺乳動物)DNAからのゲノムDNA配列、及び合成DNA若しくはRNA配列をも含みうる。ポリアデニル化シグナル及び転写終結配列は通常コード化配列の3’の配置される。
【0061】
転写及び翻訳制御配列は、ホスト細胞中でのコード化配列の発現のために配されるプロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、ターミネーター等のDNA調整配列である。
【0062】
“プロモーター配列”は、細胞中のRNAポリメラーゼと結合でき、下流(3’方向)コード化配列の転写を誘導できるDNA調整領域である。本発明を画成する目的で、プロモーター配列は転写開始部位によりその3’末端で境界付けられ、バックグランド以上の検出可能なレベルで転写を開始するのに必要な最小限の数の塩基又は要素を含むように上流(5’方向)にのびる。プロモーター配列内で、RNAポリメラーゼの結合に関与するたんぱく質結合領域(コンセンサス配列)と同じく、転写開始部位(ヌクレアーゼS1を用いたマッピングにより通常定義される)が見出される。真核性プロモータは往々にして、しかし常にではなく、“TATA”ボックス及び“CAT”ボックスを含む。原核プロモーターは、〜10及び〜35コンセンサス配列に加えShine−Dalgarno配列を含む。プロモーター配列はまた、RNAウィルスの複製及び転写において同様の機能を有する類似のRNA配列又は構造を示すのにも用いられうる。
【0063】
“発現制御配列”は別のDNA配列の転写と翻訳の制御と調整を行なうDNA配列である。RNAポリメラーゼがコード化配列によりコード化されたたんぱく質へその後翻訳される、mRNAにコード化配列を転写する時に、コード化配列は細胞中で転写及び翻訳制御配列の“制御下”にある。RNA配列はまた、翻訳、RNAの安定性、及び複製(RNAウイルスに対する)を調整する能力を有するため発現制御配列としても配される。
【0064】
“シグナル配列”はコード化配列の前に含まれうる。この配列はポリペプチドを細胞表面に向けるか又はポリペプチドを媒体中に分泌するようにホスト細胞に伝達する、シグナルペプチドをポリペプチドへのN末端にコード化し、この信号ペプチドはたんぱく質が細胞を離れる前にホスト細胞により切り取られる。シグナル配列は、原核細胞及び真核細胞に生来の多様なたんぱく質と結合されて見出されうる。
【0065】
本発明のブローブに関してここで使用される用語“オリゴヌクレオチド”は、二以上のリボヌクレオチド、好ましくは三以上のそれからなる分子として定義される。その正確なサイズはオリゴヌクレオチドの根本的機能及び使用に依存する多くの要因に依存する。
【0066】
ここで使用される用語“プライマー”は、精製された制限消化物中に自然に発生するか又は合成的に生成されたかの何れかであっても、オチゴヌクレオチドを示し、それはプライマー伸長生成物の合成の条件下に置かれた時に合成の開始点として作用することができ、核酸鎖に相補的であって、即ち、ヌクレオチド及びDNAポリメラーゼ等の導入試薬の存在下で適当な温度とpHで導入される。プライマーは一本鎖又は二本鎖のいずれかであり、導入試薬の存在下で所望の伸長生成物の合成を準備するのに十分な長さである必要がある。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーのソース及び方法の使用を含む多くの要因に依存する。例えば、目標配列の複雑さに依存する診断応用のために、オリゴヌクレオチドプライマーは、より少ないヌクレオチドも含みうるが典型的には15−25又はそれ以上のヌクレオチドを含む。
【0067】
プライマーはここで、特定の目標DNA配列の異なる鎖に対して“実質的に”相補的であるように選択される。このことは、プライマーがそれらの対応する鎖とハイブリッド形成するのに十分に相補的である必要があることを意味する。従って、プライマー配列はテンプレートの正確な配列を反映する必要はない。例えば、非相補的なヌクレオチドフラグメントは、鎖に対して相補的であるプライマー配列の残り部分を用いて、プラマーの5’末端に取り付けられる。更に、プライマー配列が鎖の配列とハイブリッド形成するのにそれと十分な相補性を有し、それにより伸長生成物の合成のためのテンプレートを形成する場合、非相補的塩基又はより長い配列はプライマー中に点々と配置される。
【0068】
ここで使用されるように、用語“制限エンドヌクレアーゼ”及び“制限酵素”は、特定のヌクレオチド配列及びその近傍で二本鎖DNAを切断する菌酵素のことを言う。
【0069】
細胞は、DNAが細胞内に導入されたときに、外因性又は異種のDNAにより“形質転換”される。形質転換DNAは、細胞のゲノムを作り上げる染色体DNA中に組み込まれる(共有結合により結合される)か又は組み込まれない。原核細胞、イースト、及び哺乳動物の細胞において、例えば、形質転換DNAはプラスミド等のエピソームの要素上に維持される。真核細胞に関しては、安定に形質転換された細胞は、その中で形質転換DNAが、それが染色体複製を通して娘細胞により遺伝されるように、染色体中に組み込まれるものである。この安定性は、転換DNAを含む娘細胞の集団からなる細胞系列又はクローンを確立する真核細胞の能力により示される。“クローン”は単一細胞又は有糸核分裂による通常の祖先から誘導された細胞の集団である。“細胞系列”は多数の世代に対してin vitroでの安定成長を可能にする初期細胞のクローンである。この定義は、細胞を形質転換又は“形質移入”するのに使用されうるRNA分子に対しても適用されうる。幾つかのRNAウイルスに対して、かかる方法は、ウイルス複製を一時的に又は連続してサポートし、ある場合、感染性ウイルス粒子を生成する感染細胞系列の生成に使用されうる。
【0070】
少なくとも75%(好ましくは少なくとも約80%、そして最も好ましくは約90若しくは95%)のヌクレオチドが限定された長さのDNA配列と一致する時に、二つのDNA又はRNA配列は“実質的に相同”である。実質的に相同な配列は、配列データバンクで利用可能な標準ソフトウェアを用いた配列の比較により、又は例えば、特定の系の為に限定された厳格な条件の下、サザーンハイブリッド形成実験により同定されうる。適当なハイブリダイゼーションの条件を限定することは当業者がなせる範囲内である。例えば、上記のManiatis他;上記のDNAクローニング、第I&II巻;上記の核酸ハイブリッド形成を参照のこと。同じ若しくは同様の機能を有する、より遠い関係にある配列又は構造は、“相同”であると称される。極端な場合、かかる配列は一次の配列同定の見地からは関係しえないが、実質的に同様な二次構造を有する。
【0071】
DNA又はRNA構成の“異種”領域は、天然には大きな分子と結合して見出されることのない、大きな核酸内のDNA又はRNA分子の同定可能なセグメントである。例えば、異種領域が哺乳動物遺伝子をコード化するとき、その遺伝子は、ソース生体のゲノムの中では哺乳動物ゲノミックDNAに隣接しないDNAにより通常は隣接される。異種コード化配列の別の例は、コード化配列自身が天然には見出されない構成である(例えば、ゲノムコード化配列がイントロンを含むcDNA、又は天然遺伝子と異なるコドンを有する合成配列)。対立遺伝子変形又は天然発生の突然変異イベントはここで定義されるようなDNAの異種領域を発生させない。
【0072】
“抗体”は、特定のエピトープに結合する抗体及びそのフラグメントを含む何れかの免疫グロブリンである。その用語はポリクローナル、モノクローナル、及びキメラ抗体を含み、最後に記載されたものは米国特許第4,816,397号及び第4,816,567号により詳細に記載される。
“抗体結合部位”は、特異的に抗原が結合する重鎖及び軽鎖の可変及び超可変領域からなる抗体分子の構造部分である。
【0073】
ここで使用されるその多様な文法形態中の語句“抗体分子”は元のままの免疫グロブリン及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分の両方を意図する。
典型的な抗体分子は、ここに記載された治療方法での使用に好ましい部分であるFab,Fab’,F(ab’)及びF(V)として技術的に知られた部分を含む、損なわれていない免疫グロブリン分子、実質的に損なわれていない免疫グロブリン分子及びパラトーブを含む免疫グロブリン分子の部分である。
【0074】
抗体分子のFab及びF(ab’)部分は、良く知られた方法により実質的に損なわれていない抗体分子上で、それぞれパパイン及びペプシンのたんぱく質分解反応により調製される。例えば、Theofilopolos他への米国特許第4,342,566号を参照するに、Fab’抗体分子部分は良く知られ、メルカプトエタノールを用いる二つの重鎖部分を結合させるジスルフィド結合の還元の後、ヨードアセトアミド等の試薬により得られたたんばく質メルカプタンをアルキル化させることによってF(ab’)部分から生成された。損なわれていない抗体分子を含む抗体がここでは好ましい。
多様な文法形態における語句“モノクローナル抗体”は、特定の抗原との免疫反応が可能なただ一種の抗体結合部位を有する抗体を言う。モノクローナル抗体はそこで、免疫反応する何れかの抗原に対し単一結合親和力を典型的には示す。モノクローナル抗体は従って、異なる抗原に対しそれぞれが免疫特異的である、複数の抗体結合部位を有する抗体分子を含み;例えば、二重特異性(キメラ)モノクローナル抗体である。
【0075】
語句“医薬的に許容”は、ヒトに投与された時に、生理学的に耐えられて、胃の荒れ、めまい等のアレルギー若しくは同様の不適当な反応を典型的には発生させない分子実在及び合成物を言う。
【0076】
語句“治療的に有効な量”はここで、目標細胞集団のS期の活性での診療的に重要な変化、又は例えば、上昇された血圧、熱又はそれの存在と活性に付随するような白血球数等の病理学の他の特徴を、抑制し、そして好ましく少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも90%抑制するのに十分な量を意味する。
【0077】
DNA配列は、発現制御配列がそのDNA配列の転写と翻訳を制御し、調整するときに、発現制御配列に“操作可能なように結合される”。用語“操作可能なように結合される”は、発現されるべきDNA配列の前に適当な開始信号(例えば、ATG又はAUG)を含むこと並びに発現制御配列の制御の下でのDNA配列の発現及びDNA配列によりコード化された所望の生成物の生成を許容するために正しいリーディングフレームを維持することを含む。組み換えDNA分子に挿入することが望ましい遺伝子が適当な開始信号を含まない場合、かかる開始信号は遺伝子の前に挿入されうる。
【0078】
用語“標準ハイブリッド形成条件”は通常、ハイブリッド形成及び洗浄の両方に対して5×SSC及び65°Cと実質的に等しい塩及び温度条件を言う。しかし、当業者は、かかる“標準ハイブリッド形成条件”が、緩衝液中のナトリウムとマグネシウムの濃度、ヌクレオチド配列の長さと濃度、不整合のパーセント、ホルムアミドのパーセント等を含む特定の条件に依存することを認識する。また“標準ハイブリッド形成条件”の決定において重要なのは、ハイブリダイゼーションする二つの配列がRNA−RNA,DNA−DNA又はRNA−DNAの何れであるかということである。かかる標準ハイブリッド形成条件は、必要ならばより高いストリンジェンシーである、典型的には予測され又は決められたTの10−20°C下で洗浄をともなう公知の方式に従い、当業者により簡単に決定される。
【0079】
“HCV”により、フラビウイルスファミリーの分離属として分類される関連ウイルスの多様なグループが意味される。この属の特徴は上記発明の背景中に記載され、HCV−1,HCV−J1,HCV−J,HCV−BK,HCV−H,HC−J6,HC−J8,HC−J483,HC−J491,HC−C2,HCV−JK,HCV−N,HCV−T,HCV−JT,HC−G9,HCV−K3a,NZL1,HCV−Tr等の構成員を含む。
【0080】
その第一の特徴において、本発明はHCVのプラスセンスのゲノムRNA中にある新規な末端配列の同定に関する。
【0081】
特定の実施例において、本発明はここに開示されたHCVの全ての構成員により高度に保存される新規な5’及び3’末端配列に関する。
上記のように、本発明はまた、配列番号(SEQ ID NO):1−4又は図3(配列番号(SEQ ID NO):0−24;ポリ(U)領域の下流の配列の部分のみ)、図6(配列番号(SEQ ID NO):28−31)及び図8(配列番号(SEQ ID NO):33−36)に示されたヌクレオチド配列又はそれらに示されたヌクレオチド配列と相補的である、HCV、又はそのフラグメントをコード化する、組み換えDNA若しくはRNAの分子又はクローニングされた遺伝子、又はその縮重変形に関する。
【0082】
本発明はまた、ポリ(U)又はポリ(A)領域(HCV−1 acc.#M62321;HC−J1 acc.#D10749;HC−J acc.#D90208;HCV−BK acc.#M58335;HCV−H acc.#M67463;HC−J6 acc.#D00944;HC−J8 acc.#D01221;HC−J483 acc.#D13558;HC−J491 acc.#D10750;HC−C2 acc.#D10934;HCV−JK acc.#X61596;HCV−N acc.#S62220;HCV−T acc.#84745;HCV−JT acc.#D01171;HCV−JT acc.#D01172;HC−G9 acc.#D14853;HCV−K3a acc.#D28917; NZL1 acc.D17763;HCV−Tr acc.#D26556及びその他)、ポリピリミジン鎖、及び101塩基の新規な3’要素(配列番号(SEQ ID NO):1c,d又は関連配列)をコード化する配列を含む、既に開示した5’非コード化、コード化及び3’非コード化配列からなる感染性HCV cDNAに関する。
【0083】
全長HCVクローンの存在によりもたらされる診断及び治療の両方の可能性は、ウイルスゲノムの末端配列が機能的な、複製構成要素RNAの発生に対し重要でありうるという事実から得られる(Boyer他,J.Gen.Virol,198巻:415-426)。先に提案され、ここで更に詳しく記述されるように、本発明はHCVの感染性生命環における薬学的介在を意図する。
【0084】
従って、HCVの感染性を抑制することが望まれる例において、3’配列要素の適当な抑制剤が、ウイルス複製のために要求されるマイナス及びプラスの鎖の合成の開始の相互作用を遮断するために導入されうる。同様に、感染は、3’配列要素又はその化学的若しくは薬学的同族体、類似体及びフラグメント等をコード化する核酸分子の追加量の導入により取り除かれる。
【0085】
既に検討したように、3’配列要素に対して模倣若しくはアンタゴニスト作用の何れか、又はHCVの複製の制御を示す分子又は薬剤は、適当な担体を用い、その処置のためにHCVと関連する不利な医療条件を経験する患者に対しての多様な手段による投薬に効果的な強度で、医薬的な組成物中に調製される。皮下、静脈内及び腹腔内の注入、カテーテル法等の非経口技術の中で、多様な投薬技術が利用される。分子又はそれらのサブユニットの有益な量は変化し、特に資格のある医師又は獣医の推薦及び処方に基づく必要がある。
【0086】
既に示されたように、本発明の診断方法は、HCV RNAへの結合相手の効果的な量を含む分析による細胞試料又は媒体の検査からなる。前に検討されたように、この方法から利益を受けることのできる患者はHCVによる感染に苦しむものである。目標細胞の検査において助けになるためにHCV配列の結合する分子の分離方法は当業者に良く知られている。
【0087】
本発明は更にこの発明の治療方法の実施に有用な治療組成物を意図する。目的の治療組成物は、混合物中、医薬的に許容できる賦形剤(担体)と、一以上の末端配列要素若しくはその類似体若しくはそのフラグメント、又は活性構成要素としてここで記載されたその配列要素の性質若しくは活性を抑制する分子を含む。好ましい実施例において、合成物は、HCV RNAの3’末端の二次構造形成を調整、及び/又はマイナス及びプラス鎖のRNA合成の開始及び/又はRNA充填をできる分子からなる。
【0088】
別の治療組成物は、HCV感染に対するワクチンとして使用されうる全長低毒化HCVを含み、HCVのゲノム内の配列、特に3’末端配列要素(配列番号(SEQ ID NO):1−4)は、天然発生分離物としてか又はin vitro評価若しくは部位特異的突然変異によるかの何れかにより、改良されている。かかる低毒化ウイルスに適する特定の突然変異は、HCVゲノムRNAの3’末端(若しくはマイナスセンスのHCV RNAの5’末端)の構造を変え、そしてそうすることによりマイナス及びプラス鎖のRNA合成及び/又はRNA充填の開始及び/又は転写を変えるものを含む。かかる改良はコンピュータによるモデル化によって促進され、感染性分析を使用して評価される。
【0089】
3’末端配列要素若しくはそのアンタゴニスト、又は全長低毒化HCV、活性構成要素である類似体若しくは活性フラグメントを含む治療組成物の調製は技術的に良く理解されている。通常、かかる組成物は、液状溶液又は懸濁液の何れかとして注入可能なように調製されるが、注入に先立ち、液中の溶液に若しくは懸濁液に適する固体形状もまた調製されうる。その調製はまた乳化されうる。活性治療構成要素は度々、医薬的に許容できる活性構成要素と互換性を示す賦形剤と共に混合される。適当な賦形剤は、例えば水、サリン、デキストロース、グリセロール又はエタノール等及びその組み合わせである。更に、必要であれば、合成物は、活性構成要素の効果を高める湿潤若しくは乳化試薬、pH緩衝剤等の少量の補助物質を含みうる。
【0090】
ポリペプチド、類似体又は活性フラグメントは、中和された医薬的に許容できる塩形態として治療合成物中に調製されうる。薬学的に受容可能な塩は、酸付加塩(ポリペプチド若しくは抗体分子の自由なアミノ基と共に形成される)を含み、それは、例えば塩酸若しくは硫酸等の無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸及びマンデリン酸等の有機酸と共に形成される。自由なカルボキシ基から形成された塩はまた、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、若しくは水酸化第二鉄等の無機塩基、及びイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン及びプロカイン等の有機塩基から誘導される。
【0091】
治療組成物は、例えば単位投薬量の注入により静脈内に容易に投与される。本発明の治療組成物に対して使用される場合の用語“単位投薬量”は、ヒトに対する単位投薬に適する物理的に区別された単位のことを指し、各単位は例えば担体若しくはビヒクルといった所要の希釈剤と結合して所望の治療効果を生み出すように計算された所定の量の活性物質を含む。
【0092】
組成物は投薬製剤と互換性のある方法及び治療的に効果のある量で投与される。投与されるべき量は処置される被検体、その被検体の免疫系の活性構成要素を利用する能力、及び所望のHCVの抑制若しくは中和の程度に依存する。投薬されるのに必要とされる活性構成要素の正確量は医師の判断に依存し、各個体に特有である。しかし、適当な投薬量は、一日毎に個体のキログラム体重当たり約0.1から20、好ましくは約0.5から約10、そしてより好ましくは1から数ミリグラムの活性構成要素の範囲にあり、投薬経路に依存する。ワクチンとして使用される低毒化ウイルスの場合、投薬量は10から10の感染量の範囲を有しえた。不活性化されたウイルスワクチンに対し、より高い投薬量のHCV抗原及び適当なアジュバンドが必要とされえた。初めの投薬とカンフル剤に対する適当な治療法もまた変化するが、初めの投薬の後、引き続きの注入又は他の投薬により一時間以上の間隔で反復投与するのが典型的である。更に、血液中で10ナノモルから10マイクロモルの濃度を維持するのに十分な連続の静脈内注入が意図される。
【0093】
治療組成物は、抗生物質、ステロイド、インターフェロン又は他の抗HCV治療物と組み合わされた効果的な量の3’配列要素、そのアンタゴニスト、又はその類似体を更に含む。典型的な製剤は以下に示される。
製剤
静脈内製剤I
構成要素 mg/ml
セフォタキシム(cefotaxime) 250.0
HCV,フラグメント又はアンタゴニスト 10.0
デキストロース USP 45.0
ナトリウム ビスルファイト USP 3.2
エデト酸ジナトリウム USP 0.1
注入用水 q.s.a.d. 1.0ml
静脈内製剤II
構成要素 mg/ml
アンピシリン(ampicillin) 250.0
HCV,フラグメント又はアンタゴニスト 10.0
ナトリウム ビスルファイト USP 3.2
エデト酸ジナトリウム USP 0.1
注入用水 q.s.a.d. 1.0ml
静脈内製剤III
構成要素 mg/ml
ゲンタミシン(gentamicin)(硫酸塩として電荷付与される) 40.0
HCV,フラグメント又はアンタゴニスト 10.0
ナトリウム ビスルファイト USP 3.2
エデト酸ジナトリウム USP 0.1
注入用水 q.s.a.d. 1.0ml
静脈内製剤IV
構成要素 mg/ml
HCV,フラグメント又はアンタゴニスト 10.0
デキストロース USP 45.0
ナトリウム ビスルファイト USP 3.2
エデト酸ジナトリウム USP 0.1
注入用水 q.s.a.d. 1.0ml
静脈内製剤V
構成要素 mg/ml
HCV,フラグメント又はアンタゴニスト 5.0
ナトリウム ビスルファイト USP 3.2
エデト酸ジナトリウム USP 0.1
注入用水 q.s.a.d. 1.0ml
【0094】
ここに記載されるように、“pg”はピコグラムを意味し、“ng”はナノグラムを意味し、“ug”又は“μg”はマイクログラムを意味し、“mg”はミリグラムを意味し、“ul”又は“μl”はマイクロリットルを意味し、“ml”はミリリットルを意味し、“l”はリットルを意味する。
【0095】
本発明からの配列の結合により形成された機能的なHCV cDNAクローンを使用して誘導された場合に、広い範囲の細胞タイプはHCV複製用のホスト細胞として有用である。これらのホスト細胞は、連続ヒト細胞系列〔例えば、HepG2,Huh7,HUT78,HPB−Ma.MT−2(並びに他のHTLV−I及びHTLV−II感染T細胞系列)、ナマローワ(Namalowa)、ダウジ(Daudi)、EBV−形質転換LCL〕と同じく、原始ヒト細胞(例えば、肝細胞、T細胞、B細胞、単核細胞/マクロファージ、包皮繊維芽細胞)を含む。
【0096】
更に、RNAにより素早く形質転換され、フラビウイルス若しくはペスチウイルスの複製を許す連続細胞系列がHDV複製を支持する(例えば、SW−13,ベロ(Vero),BHK−21,COS,PK−15,MBCK)。当業者は、本発明の範囲から逸脱すること無く所望の感染性分析を達成するために、過度な実験無しに適当なホスト細胞を選択できる。
【0097】
3’末端配列類似体又はHCV類似体が本発明の範囲内で誘導されたヌクレオチド配列から調製されることが更に意図される。フラグメント又は突然変異体(例えば、“突然変異たんぱく質”)等の類似体は、分解酵素よる標準分裂又はHCVコード化及び非コード化(5’及び3’末端)配列の部位特異的突然変異ににより生成されうる。プロモーター又は抑制剤の何れかとして機能する小さい分子等の“HCV抑制活性”を示す類似体は、知られたin vivo及び/又はin vitroの分析により同定される。
【0098】
上記したように、3’配列要素をコード化するDNA配列はその相補鎖、又は全長の野生型若しくは低毒化されたHCVはクローニングされるよりむしろ合成的に調製されうる。DNA配列は、HCVオープンリーディングフレームによりコード化されたアミノ酸配列のための適当なコドンを用いて設計されうる。完全配列は標準方法により調製されたオーバーラップオリゴヌクレオチドから組み立てられ、完全なコード化配列中に組み立てられる。例えば、EdgeのNature,第292巻の756ページ(1981年);Nambair他のScienceの第223巻の1229ページ(1984年);Jay他のJ.Biol.Chem.の第259巻の6311ページ(1984年)を参照。
【0099】
複製可能HCV RNAを駆動する3’末端配列要素の能力は、HCVのORFが、直接に検出されえて細胞中のHCV RNAのレベルに相関される、ルシフェラーゼ等のリポーター遺伝子によって置換される構成を使用することにより分析されうる。特に、3’末端配列要素は、完全な複製及びウイルス生成が可能な全長RNAかまたはレプリコンの何れかである、複製能力のある構成要素HCV RNAを駆動するために使用されうる。かかる複製単位はRNA複製が可能であるが、構造領域/充填機構を欠いており、そのためウイルスを生成しない。3’要素又はその相補体の機能を妨げるものを含む、かかるレプリコン(3’要素を含む)を用いて形質移入/転換された細胞は、HCV RNA複製の抑制剤として有用である。RNA複製は、HCV RNA複製と翻訳機構の制御の下で、HCVRNAのレベルを直接にみること(RT/PCR,B−DNA,ノーザンプロット分析)若しくは感応性リポーター(ルシフェラーゼのような)と結合することの何れかにより評価されうる。
【0100】
合成DNA配列はHCV,HCV変形、又は低毒HCVを発現する遺伝子の簡便な構成を可能にする。更に、DNAコード化変形又は低毒HCVは天然HCV cDNAの部位特異的突然変異により形成されうる。
【0101】
非天然アミノ酸のたんぱく質への位置特異的結合のための一般的な方法は、Christopher J.Noren,Spencer J.Anhtony-Cahill,Michael C.Griffith,Peter G.SchultzのScience第244巻の182-188ヘ゜ーシ゛(1989年4月)に記載される。この方法は非天然アミノ酸を有するたんぱく質を含有するHCVウイルスを生成するのに使用される。
【0102】
本発明は、HCV RNAの翻訳、安定性、複製/転写及び/又は充填を妨げるのに使用される、アンチセンスヌクレオチド及びリボザイムの調製に及ぶ。このアプローチは、アンチセンス核酸でHCV RNAをマスクするか又はリボザイムでそれを分解するかの何れかによってウイルス複製を妨害するために、アンチセンス核酸及びリボザイムを利用する。
【0103】
アンチセンス核酸は、少なくとも特異的なRNA分子の一部分に対して相補的なDNA又はRNA分子である。(Weintraub,1990;Marcus-Sekura,1988を参照)細胞中、それらは二本鎖分子を形成するRNAにハイブリッド形成する。従って、アンチセンス核酸はウイルス複製を(直接の妨害効果又は細胞酵素により目標RNAの分解を導くことの何れかにより)妨げる。それらは合成するのが簡単であり、HCV感染細胞中に導入する時に、より長い分子に比べ問題が少ないと解されるため、約15ヌクレオチドのオリゴマーが適当である。しかし、天然構造のオリゴヌクレオチド又は安定性、促進性、吸収等を高めるための改良を有するオリゴヌクレオチドが適当である。更に、より長いアンチセンスRNAは、遺伝子治療アプローチを用いて肝細胞又は他のHCV目標細胞中in vivoで生成されうる。アンチセンス方法はin vivoの多くの遺伝子の発現を禁止するのに使用されている(Marcus-Sekura,1988;Hamabor他,1988)。
【0104】
リボザイムは他の一本鎖RNA分子をDNA制限エンドヌクレアーゼと幾分似た方法で特異的に分解する能力を有する。リボザイムは、一定のmRNAがそれら自身のイントロンを切除する能力を有するという観察から発見された。これらのRNAのヌクレオチド配列を改良することにより、研究員はRNA中の特定のヌクレオチド配列を認識し、それを分解する分子を設計することができる(Cech,1988)。それらが配列特異的であるため、特定の配列を有するRNA(HCVプラスセンスのゲノムRNA又はその相補鎖)のみが不活性化される。
【0105】
調査者は、二つのタイプのリボザイム、テトラヒメナ(Tetrahymene)−タイプ及び“ハンマーヘッド”−タイプを同定した(Hasselhoff及びGeriach,1988)。テトラヒメナ−タイプのリボザイムは4塩基配列を認識し、一方“ハンマーヘッド”−タイプは11から18塩基配列を認識する。認識配列が長いほど、目標mRNA種内でより独占的に生じるようである。従って、ハンマーヘッド−タイプのリボザイムは特定のmRNA種の不活性化に対してテトラヒメナ−タイプのリボザイムより好ましく、18塩基認識配列はより短い認識配列より好ましい。
【0106】
ここで記載されたDNA配列はアンチセンス分子とHCV RNAを分解するリボザイムとを調製するために使用される。かかるアンチセンス分子及びリボザイムは、プラス及びマイナス鎖の両方のHCV RNAに結合するようなプラス及びマイナスの両方の鎖の極性のヌクレオチド配列を含む。
【0107】
本発明はまた、HCVの検出方法を含む多様な診断応用に関する。本発明はまた、3’NTR配列を疾病重症度、インターフェロンを用いる処置への応答、及び免疫状態等の多様な診療パラメータと対応させる方法、又は組織向性(予測的診断)を決定するための方法に関する。
【0108】
本HCV配列は、保存と相違の別の領域を画成するための多様なHCVゲノタイプに対する3’NTR配列をきめるために、付加的な3’配列を含むHCV分離体を実験的に同定するのに使用されうる。また、RNAマッピング及びRNAの三次元構造分析によるRNAの化学的修飾及び分析は、配列と相関するホスト又はウイルス要因の同定及び/又は複製を抑制する分子の同定を目的とする。
【0109】
HCV RNAはまた、治療に使用され、即ち低毒化HCVはワクチン開発に使用され、3’NTR配列要素は遺伝子治療によるHCV複製のトランスドミナント(trans dominant)抑制剤として使用される。
【0110】
細胞中のHCVの複製は分枝DNA(B−DNA)、定量RT/PCR及び免疫学的製法、又はウイルス滴定濃度決定の標準の方法(即ち、チノパンジー内の滴定)を使用して確かめられうる。製法及びその応用は当業者に良く知られ、従って本発明の範囲内で利用されうる。製法に結合する“競争”抗体は、米国特許第3,654,090号及び第3,850、752号に記載される。“サンドイッチ”製法は米国特許RE第31,006号及び第4,016,043号に記載される。更に他の製法は“二重抗体”又は“DASP”製法等として知られる。
【0111】
各例において、HCVたんぱく質は一以上の抗体又は結合相手との複合体を形成し、その複合体の一つのメンバーは検出可能な標識でラベルされる。更に、本HCV3’末端配列要素に結合する抗体が挙げられ、又はHCV感染患者中で同定される。複合体が形成された事実、必要ならば、その量が標識の検出に利用可能な公知の方法により決定される。
【0112】
本発明の範囲内でまた、RNA分子は3’末端配列要素若しくはその相補鎖を模倣する、又は“SELEX”(Tuerk及びGold,19-)若しくは他のin vitroの選択/評価アプローチを使用してin vitroで選択されたこれらの要素に結合するRNA分子は、本発明の範囲内である。これらの方法は、目標(この場合、3’末端配列、その相補鎖、若しくはこれらそれぞれの要素の機能のために必要な同種の結合相手)への反復結合により選択されうるランダム化された配列を有するRNAのライブラリを提供し、それと結合するRNAはPCRにより増幅される。かかる分子は3’末端要素の構造を模倣するか又は3’末端要素の競合的抑制剤である。
【0113】
かかるSELEX RNAは、本発明の範囲内の診断及び治療用途にも適する。
【0114】
更に、HCV RANの存在はノーザン分析、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びプライマー伸長等により決定されうる。
【0115】
これらの検討において最も普通に使用される標識は放射線活性要素、酵素、紫外線にさらされたときに蛍光発光する化学物等である。
【0116】
多数の蛍光性物質が知られ、標識として利用されうる。これらは、例えばフルオレッセイン、ローダミン、オウラミン、テキサスレッド、AMCAブルー及びルシファーイエローを含む。特定の検出物質は、ヤギの中で調製され、イソチオシアナートを通してフルオレッセインとコンジュゲートされた抗ウサギ抗体である。
【0117】
HCVたんぱく質への抗体、又はHCV RNA若しくはそれらの結合相手のためのプローブは放射線活性要素又は酵素によってもラベルされうる。放射線活性ラベルは利用可能な計数方法の何れかにより検出されうる。好ましい同位体はH,14C,32P,35S,36Cl,51Cr,57Co,58Co,59Fe,90Y,125I,131I及び86Reから選択される。
【0118】
酵素標識は同様に有用であり、現在利用される比色分析、分光分析、蛍光分光分析、電流分析又はガス分析技術の何れかにより検出されうる。酵素はカルボジイミン、ジイソシアナート及びグルタルアルデヒド等の架橋分子との反応により選択されたプローブにコンジュゲートされる。これらの方法に使用可能な多くの酵素が知られ、利用されうる。好ましいのは、ペルオキシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼを伴うグルコースオキシダーゼ及びアルカリンホスファターゼである。米国特許第3,654,090号;第3、850、752号;及び第4,016,043号は、別の標識物質及び方法の開示の例により参照される。更に、プローブはビオチンラベルされ、その後ラベルされたアビジン、又はアビジンとラベルされた抗アビジン抗体の組み合わせにより検出される。プローブはまた、その中に組み込まれたジゴキシゲニンを有し、その後ラベルされた抗ジゴキシゲニンで検出され、ラベルされた抗ジゴキシゲニン抗体で検出される。
【0119】
本発明の別の実施例において、医療専門家による使用のための市販の試験キットは、疑わしい患者試料中の感染性HCVの有無を決めるために調製される。かかる試験キットはRT/PCR,分枝DNA及びライゲーション連鎖反応(LCR)等の技術を使用する。上記の検討された試験技術に従い、かかるキットの一クラスは少なくともラベルされたHCV抗体若しくはオリゴヌクレオチドプローブ若しくはその結合相手、並びにもちろん選択された方法に従う指示書を含む。キットはまた緩衝剤、安定化剤等の周辺薬剤も含む。
【0120】
従って、試験キットは: (a)検出可能な標識へのオリゴヌクレオチド若しくはその特定の結合相手の直接若しくは間接の取付けにより得られた、HCVゲノムの3’配列要素に向けられた所定量の少なくとも一つのラベルされたオリゴヌクレオチドプローブと;
(b)他の試薬と;
(c)該キットの使用のための指示書とからなり、HCVの存在の実証のために調製される。
【0121】
更に限定すると、診断試験キットは: (a)公知の量の、免疫吸着剤を形成するために固体相に通常結合された、又は代わりに適当なタグ、若しくは複数のかかる末端生成物等(若しくはその結合相手)のそれぞれの一つに結合された上記のラベルされたオリゴヌクレオチドプローブ(又は結合相手)と;
(b)必要な場合の他の試薬と;
(c)該キットの使用のための指示書とからなる。
【0122】
上記に従い、HCV RNAの複製活性の調節に有効な潜在的薬剤をスクリーニングするための分析系が調製される。感染性HCV RNAは試験系に導入され、候補薬剤もまた得られる細胞培養中に導入され、培養はその後に候補薬剤の添加により、細胞の複製活性における変化を観測するために試験される。
【0123】
予備的考察
最近数年間の間に大きな進歩が形成された一方、HCV複製、病因及び免疫性に関する非常に多数の答えられない疑問がまだある。その分野は、HCVゲノムRNAの機能の幾つかの特徴及びそのコード化されたたんぱく質が理解される隘路に素早く達しているが、本発明の前には、真正のウイルス複製に関する構造/機能の疑問を実験的に試験する方法はなかった。かかる分析は、防御ワクチンの設計及び慢性的に感染された患者に対する効果的な治療を可能にするレベルでウイルスの生命循環における各段階を理解するために重要である。
【0124】
本発明は、HCV、特にHCV−H株に対する機能的なcDNAクローンの構成の試みから発した。本発明の前、cDNAからの感染性HCV RNAの回収の試みは成功しなかった。ミス若しくは正しくない末端配列、HCV複製に対して有毒若しくは致死の内部エラー、又は感染性及び複製を分析するための不適当な方法を含む、幾つかの可能な説明が単独もしくは組み合わされて、以前の失敗を説明する。
【0125】
HCV−H末端を厳密に決定する原理
【0126】
HCV−Hの5’及び3’末端配列は以前から知られていない。機能的な転写を発生するための以前の試みは他のHCV分離体に対して決められた末端配列を使用した。上記のように、他のRNAウイルス系における作用は、特異な末端配列は機能的な複製能力のあるRNAの発生のために重要でありうることを示している(Boyer及びHaenni,(1994)のJ.Gen.Virol.198巻:415-426ヘ゜ーシ゛)。かかる配列はマイナス及びプラス鎖のRNA合成の開始に関与すると解される。他のウイルスに対するこれらの配列要素の重要性を考慮すると、本発明はHCV−H末端配列をより厳密に決定した。
【0127】
5’NTRの構造
【0128】
RNAの最後の5’末端を増幅及びクローニングするのに使用された方法は、一次鎖cDNAへのホモポリマーのテーリング若しくは合成オリゴヌクレオチドのライゲーション(5’RACE)、一次鎖cDNAの環化後の逆PCR(Zeiner及びGehring(1994)のBioTechniques第17巻:1051-1053ページ)、又は(必要な場合、5’キャップ構造を除去する処理の後の)RNAリガーゼによるゲノムRNAの環化とその後の5’−3’接合点に沿ってcDNA合成とPCR増幅(Mandl他(1991)のBiotechniques第10巻: 486ページ)を含む。5’末端配列は多数のHCV分離物に対して決定され、一般に一致する。
【0129】
HCV−Hに対し、環化/逆PCRと5’RACE法の両方は5’末端コンセンサス配列:5’−GCCAGCCCCCTGATGGGGGCGACACTCCACCATGAAATC−3’(配列番号(SEQ ID NO):39)
を決めるために使用された。
【0130】
この配列は他の分離物のために決められた配列に対し高度に相同的である。より低い頻度で、付加的な5’残基(通常1つの付加的G)とのクローンも回収された。このことは付加配列又はHCV5’末端での異種性を反映しているが、これらのクローンは人工的であり、5’キャップ構造の部分的な複写若しくは一次鎖のcDNA合成の間の逆転写による非テンプレート3’塩基の付加により形成される。HCVゲノムRNAの5’末端が5’キャップ構造又はピコルナウイルスのVPg等の共有結合により結合された末端たんぱく質を含むことは排除されるべきではない。ペスチウイルスに対し、最近の研究は、ゲノムRNAは5’キャップを含まず(Brock他(1992)のJ.Virol.Meth.第38巻: 39−46ページ)、この構造は転写されたRNAの感染性には必要ない(R.Donis,R.J.Moormanの私信)ことを示す。これらの観測と一致して、HCV若しくはペスチウイルスの何れも、キャップ構造のキャッピング又はメチル化に含まれたウイルスコード化された酵素の特徴を含まない(Rice(1995))。
【0131】
HCVゲノムRNAの5’末端に共有結合的に結合されたたんぱく質の可能性があるが、かかる5’構造を通常含むウイルスに対応する合成RNA転写は感染性であり、それらは複製の開始に対して通常絶対に必要なものではないことを示す。
【0132】
例1
HCV−H 3’NTRの構造
3’最末端HCV配列の決定はより大きな挑戦を提供した。HCVゲノムRNAの限定された量のため、3’末端ラベリング及び直接RNA配列分析の旧式の方法は利用できない。最初の報告の一つはHCV RNAが3’末端ポリ(A)領域(HCV−1について)を含むことを示した。Han他(1991)は、cDNA合成のためにタグされたオリゴ(dT)プライマーを使用し、PCR増幅、クローニング及び配列分析を行なった。この方法は、3’ポリ(A)又はポリプリン領域を前提とし、そのような領域を有するRNAが低い量で存在する場合でも選択するので、これは3’末端決定に対し受容可能な方法ではない。
【0133】
ある報告は、オリゴ(dT)プライミングされたcDNA合成の前に大腸菌ポリ(A)ポリメラーゼを3’ホモポリマー領域を付加するのに利用し、3’末端ポリ(U)の証拠を発見し(即ち、Kato他,1990)、又はランダムにプライミングされたcDNAライブラリイからポリ(U)領域を伴う3’クローンを分離した。3’末端配列を実際に決定し、この矛盾〔3’ポリ(A)対ポリ(U)〕を解消するために,5’RACEがHCVの負の鎖のRNAの5’末端配列を決定するために使用された(Chen他、1992)。この研究はHCVゲノムRNAに対する3’末端ポリ(U)領域を予測する。
【0134】
続いて、他のグループは実際の3’末端を決定する検討をせず、むしろ3’ポリ(U)領域を推定し、cDNA合成をプライミングするためにオリゴ(dA)を使用し、又はランダムにプライミングされたcDNAライブラリからポリ(U)領域を有する3’クローンを分離した。実際の3’構造により、これらすべてのアプローチは潜在的な問題を有し(幾つかは以下で検討される)、文献を批評的に読めばゲノムRNAの3’末端が今まで殆ど特徴付けられておらず、殆ど不確かであることが明確である。HCV−Hの末端配列の決定のための別のアプローチがそのため求められた。
【0135】
5’末端決定のために上に記載された一つのかかるアプローチは、T4リガーゼを用いてRNAを環化して、その後cDNA合成及び5’NTR中の配列に相補的な負のセンスのプライマーと3’末端近くの正のセンスのプライマーを用いて増幅した(Mandl他,1991)。理想的には、クローニング及びかかる生成物の配列分析は同じRNA分子に存在する5’及び3’末端配列に関する情報を提供すべきものである。HCVの場合、5’末端は他の方法により合理的により明確にされているので、これらのデータは3’末端の決定を可能にすべきである。不幸にも、繰り返しの検討に関わらず、この方法はHCV−H末端配列(高度に特異的な感染性の血漿から得られたRNAを使用してさえも)決定に失敗した。(i)5’末端がブロックされていること(ii)3’−OH基の欠如又はRNAリガーゼに対する弱い受容体(U残基等;Moore及びSharp,1992)(iii)RNA調製又はRNAライゲーションの間のリボヌクレアーゼ活性(以下参照)、又は(iv)5’−3’ライゲーションを立体的に阻害する末端RNA構造のような問題がありうる。何れの場合においても、最近の仕事は、大量の精製された初期の損なわれていないTBEゲノムRNAを使用するときでさえ、この方法は信頼できないことを示す。同様に、タバコ酸ピロホスファターゼ及びT4 RNAリガーゼの殆どの市販の調製の中のRNアーゼ夾雑物(A.A.kolykhalov、未発表)及びポリ(U)/ポリピリミジン領域のRNアーゼの作用に対する可能な過剰感応性という問題もある。何れの場合においても、TBEゲノムRNAの末端配列がポリ(A)を有するとするのは不正確であって、一方、後の実験はかかるポリ(A)領域が内部にあり、3’末端ヘアピン構造を含む付加配列によって追随されることを示した(C.Mandlの私信)。興味深いことに、転写されたTBE RNAの感染性にポリ(A)領域でなく、正しい3’構造が必要とされる(C.Mandlの私信)。
【0136】
二つの他の方法が考察された。YFの3’末端を決定するために、大腸菌のポリ(A)ポリメラーゼが3’末端ポリ(A)を付加するために使用され、その後オリゴ(dT)プライミング及び選択的クローニングという方法が続く。
【0137】
YFの3’末端は大きな困難を伴いクローニングされ、高度に安定なヘアピン構造であることが発見された(Hahn他,1987;Rice他,1985)。しかし、このアプローチは、3’ポリ(A)付加がHCVポリ(U)領域での自己プライミングと、第2の鎖であるcDNA合成の間とクローニングとの間にある潜在的な配列の引き続きの排除をもたらす。むしろ、代わりの3’RACE法が、cDNA合成のための特定のプライミング位置として配されるように高濃度で存在する合成オリゴデオキシヌクレオチドがRNAの3’末端にライゲーションされて、使用される(図1)。ライゲーション条件は5’末端ラベルされたオリゴヌクレオチドを合成受容体RNAにライゲーションするためのT4 RNAリガーゼの能力を分析するとにより最適化される(Brennan他(1983)のMeth.Enz.第100巻:38-52ページ)。評価パラメータはRNAリガーゼの一回の使用量(多くはRNアーゼが高度に混入している)、DMSOの濃度(20−30%)及びライゲーションに使用された特定のオリゴヌクレオチドを含む(A.A.Kolykhalov未発表)。HCV−Hの3’分析に対し、高タイターH77血漿からRNAの10分子が精製され、合成オリゴヌクレオチドにライゲーションされ、この改良RNAはRT/PCRのために使用された(図1)。cDNA合成及びPCR増幅のための一のプライマー(オリゴB−配列番号(SEQ ID NO):6及び7)はRNAへライゲーションするために使用されるもの(オリゴA−配列番号(SEQ ID NO):5に対し相補的であり;第二の正のセンスのプライマーはHCV ORFの3’末端近くの配列に対応した(オリゴC−配列番号(SEQ ID NO):8)。
【0138】
40サイクルのPCR増幅の後に、増幅された生成物のスメアーが、アガロースゲル電気泳動による分析で得られた。このDNAは追加のPCR分析にかけられるか、又は配列決定のために直接にクローニングされた。予想された内部HCVの配列及びホモポリマー領域の存在は組になった正のセンスのプライマー並びにオリゴ(dA)若しくはオリゴ(dT)の何れかを用いて分析された。予測されたサイズ(従来のHCV 3’NTR配列に基づく)の生成物がオリゴ(dA)プライマーを使用して得られ;オリゴ(dT)を使用しては生成物は見出されなかった。ポリ(A)又はポリ(T)の何れかにおいて終結するプロトタイプHCV cDNAクローンはこれらのプライマー対に対する正対照及び負対照として配され、予想された結果を与えた。これらのデータは、HCV−Hがポリ(A)を含まないが、むしろ殆どのHCV分離体に対して見出されるように、その3’末端又はその近傍にポリ(U)領域〔又は少なくともオリゴ(dA)によりプライミングする位置)を含むことを強く示す。クローニングされた物質〔オリゴ(dA)を使用した更なる増幅にかけなかった〕から、20の独立クローンからの配列が決定された。本質的にこれらのクローンの全ては、(5’から3’への正のセンスの)(i)以前に決められたHCV−H配列(Inchauspe他(1991)のProc.Natl.Acad.Sci.USA 第88:10292-10296ページ)(ii)他のHCV分離体に対する40塩基相同体(図2)(iii)多様な長さのポリ(U)領域及び(iv)RNAライゲーションに使用されたオリゴヌクレオチドの配列を含む。二つの異なるPCR増幅実験から誘導された5つの独立クローンは、通常でない構造を有することが見出された。時折の所々に入るC残基を伴って主にUからなる多様な長さのポリ(U)及びポリピリミジン伸長に引続き、これらクローンのうち4つは、全てのクローンでほとんど同じである101塩基の新規な配列(配列番号(SEQ ID NO):1)を含んだ(二つのクローンがそれぞれ1置換で異なり;1クローンがこの配列の39塩基のみので終結した)(図3)。この101塩基配列、特に3’末端の46塩基は、フラビウイルス遺伝子のメンバーの3’末端の高安定の二次構造のレミニッセンスを形成すると予測された(FOLDRNA,GCGパッケージ)(Chambers他(1990)のVirology第177巻;159-174ページ)(図4)。しかし、データベースの徹底的な調査(BLAST,FASTA)はこの新規なHCV配列に対して有意な相同を示す存在を示さなかった。
【0139】
証拠の幾つかの系列はこの101塩基配列がRT/PCRアーチファクトでなく、HCVゲノムRNAの3’末端配列を表すことを示す。
【0140】
第一に、上記したように、類似だが同一ではない構造を有するHCV−Hクローンが二つの独立の実験から得られた(図3)。これらのクローンはポリ(U)/ポリピリミジン領域の長さと101塩基要素内の2〜3の塩基置換において異なるが、新規な配列とライゲーションされたオリゴヌクレオチドとの間のブレイク点を越える配列は4つのクローンにおいて同一であった。
【0141】
実験の第二の組において、負のセンスのオリグヌクレオチドが101塩基要素の配列に基づいて設計され、HCV−H若しくは国中の調査者から得られた4つの異なる臨床試料の何れかからのHCV RNAのRT/PCR増幅、並びにクローニングのために使用された。試料は慢性的なC型肝炎の患者から得られ、全てHCV RNA陽性で、以前分析されたHCV−H(1a)と比べ異なるゲノタイプ(1b,3及び二つのゲノタイプ4の試料)のものであった。多数の独立クローンが得られ、各増幅された試料に対し配列決定された(図6)。上記したように、HCV−Hに対し、全てのクローンはORFの末端及びポリ(U)/ポリピリミジン領域に先行する3’NTR配列で同じ配列を含んだ。このポリ(U)/ポリピリミジン領域は長さにおいて多様であり、新規な3’要素により追随される。
【0142】
他の分離体からのクローンは、ゲノタイプ特異的な差異がORF中及びポリ(U)/ポリピリミジン領域に先行する3’NTR配列で得られる以外は、同様の構造を有する。これらの全てのクローンにおいて、新規な3’要素の配列が存在し完全に同一であることは、この要素が異なるゲノタイプのゲノムRNAに存在し、高度に保存されていることを示唆する。この実験はまた、この構造がT4 RNAリガーゼにより生成された生体外のアーチファクトではないことを証明する。
この分析は、新規な3’要素が他のHCVゲノタイプ中に存在するが、しかしこれらゲノムRNAの実際の3’末端を定義しないことを示す。同様のRNAライゲーション製造を使用し(図7)、これらの異なるHCVゲノタイプの3’末端配列が決定された。同じ新規な3’末端配列(一若しくは二の分離体特異的置換を伴う)が正確に同じブレーク点でT4 RNAライゲーションに使用されたオリゴヌクレオチドの配列に結合されて見出された(図8)。
【0143】
4つ目の実験は、3’新規配列はHCVゲノムRNAの3’末端を表すという更なる証拠を提供する。cDNA合成(及びPCR増幅)に使用された合成プライマー3’部分が偶然に、HCV 3’NTR内の配列に相補的である場合、新規な構造を有するクローンが3’NTR内での内部プライミングにより得られうることが議論されうる。この問題にアドレスするため、異なる患者(WD)からの血清及び配列が初めの実験使用されたオリゴヌクレオチドと相同ではないオリゴヌクレオチド(”オリゴG”;配列番号(SEQ ID NO):37)をRNAライゲーション段階において使用して、分析が繰り返された。このオリゴヌクレオチドの相補体(”オリゴH”;配列番号(SEQ ID NO):38)がcDNA合成及び”オリゴF”(配列番号(SEQ ID NO):32を伴うPCR増幅が使用され、生成物がクローニングされ配列決定された。同じ新規な3’末端配列が厳密に同じブレーク点で別の合成オリゴヌクレオチドの配列に結合されて見出された。
【0144】
この新規な3’NTR構造はHCV分離物内で高度に保存されて現れ、ウイルス複製に必要でcDNAからの感染性HCV RNAの好結果の回収に必要な本質的なRNA要素であるようである。
【0145】
これらのデータに基づき、HCV−Hゲノム構造の現在の図面が図10に示された。ゲノムRNAは多分G残基と共に開始し、341塩基の5’NTRを含む。ORFは3011アミノ酸残基のポリたんぱく質をコード化する9033塩基からなる。オパル(UGA)停止コドンに続き、40塩基の配列、ポリ(U)領域、ポリピリミジン伸長、及び約100塩基の高度に保存されたRNA要素がある。ある正の鎖のRNAウイルス(ポリオウイルス、シンドビスウイルス)は3’末端ポリ(A)を含むが、他の多く(ブロモウイルス、フラビウイルス)は、往々にして安定な二次構造にたたまれた保存されたRNA配列により終結する。3’末端二次構造の前の内部ポリ(A)を含むTBE分離体の他に、ここでHCVに対し示されたのと同じ3’NTRを含むウイルスの一の別の例がある。GBV−Bと称されるこのウイルスは新たにクローニングされ、配列決定されたGB肝炎病原体の一つである(Simons他(1995)のProc.Natl.Acad.Sci.USA第92巻:3401-5ページ)。HGV(Genelabsによりクローニングされた病原体)を伴うこれら二つの分離体(GBV−A及びGBV−A)はHCVの最も密接に関連するものとして現れる。〜9−10kbの正の鎖のゲノムRNA及びHCVに対して有意な相同性を有するたんぱく質をコード化する単一の長いORFを有するようである。GBV−Bの場合、3’NTRは27塩基、ポリ(U)領域、及び付加的な49塩基の配列からなる(Simons他、1995)。ポリ(U)領域以外、この配列はHCV−H 3’NTRと有意な相同を示さない(A.A.Kolykhalov、未発表)。
【0146】
検討
本発明は、HCV−H(タイプ1a分離体)のゲノムRNAが以前考えられたようにホモポリマー領域ではなく、むしろ101塩基の新規な配列で終結するようであることを示す配列データを提供する。更に、結果はこの3’NTR構造及び推定上の3’末端要素が他のHCVゲノタイプと共通の特徴であることを示す。HCV複製及びcDNAからの確実なHCVの回収に対する3’NTRの潜在的な重要性に加えて、保存された3’要素の明確な保存は診断と治療に対する重要な実用性を有する。患者の血漿及び組織内のHCV RNAレベルの決定は抗体反応の存在しないHCV感染の診断に対してのみならず、以下の治療養生の効能に対してもまた重要である(Bresters他(1994)のJ.Med.Virol.第43巻:262-8ページ;Cha他(1991)のJ.Clin.Microbiol.第29巻:2528-34ページ;Chazouilleres他(1994)のGastroenterology第106巻:994-9;Davis他(1994)のHepatology第19巻:1337-41ページ;Feray他(1994)のhepatology第20巻:1137-43ページ;Gordon他(1994)のAm.J.Gastroenterol.第89巻:1458-61ページ;Simmonds他(1994)のJ.Gen.Virol.第75巻:1053-1061ページ; Wright他(1994)のHepatology第20巻:773-9ページ)。定量RT/PCR又は分枝DNA等の最近の方法は、遺伝−、タイプ−、又はサブタイプ−特異的の何れかでありうるHCVゲノム内の保存されたRNA目標をあてにする。この新規な保存された配列の検出は、HCV感染の診断に対する有用な代替となる。治療の観点においては、RNAウイルスゲノム中の高度に保存された要素は、殆どの場合、効果的なウイルス複製に対して必須であることを示している。かかる要素は、ウイルス及び/又はホストの要因との相互作用により、負及び正の鎖のRNA合成のためのプロモーターとして、及びウイルスRNAの選択的充填のための標識として、来入ウイルスRNAの翻訳において機能する。一以上のこれらのプロセスに対して重要であるようであるHCVゲノム内の保存された3’要素は魅力ある治療目標を提供する。この要素の同系のホスト又はウィルス要因との相互作用を遮蔽する化合物の同定あるいは移植された肝細胞中、その同種のホスト若しくはウイルス要因若しくはRNAのおとりとしてこの要素を使用する遺伝子治療アプローチ(Sullenger他(1990)のCell第63巻:601-608ページ)は慢性的なHCV感染の根絶若しくは制御に有用であることを立証する。
【0147】
本発明は、新規な配列要素とHCV感染との関連があることを示す。新規な3’配列要素は、(i)感染性RNA及びウイルスの生成が可能な全長HCV RNAクローンの構成(ワクチン開発、治療化合物評価);(ii)HCV複製研究と治療評価用の機能的なHCV RNA複製単位の設計;(iii)他のHCVゲノタイプに対する3’NTR配列の決定及び保存と発散の領域を画成するための系統発生的分析(HCV検出に対する核酸ベースの診断);(iV)HCV 3’NTR配列の決定方法の改善と、HCV 3’NTRの特徴と診療パラメータ(疾病重症度、IFN応答、免疫状態)若しくは組織向性(予言的な診断)との間の可能な相関の実験;(v)化学修飾及びRNアーゼマッピングを使用する3’NTR二次構造の決定並びにNMRによる3D構造の決定;(vi)感染性クローンを使用した3’NTRに関する構造/機能研究(治療、ワクチン開発);(vii)配列と相互作用するホスト若しくはウイルス要因の明確化(治療);(viii)要素とその同種のホスト及び/又はウイルス要因との相互作用を抑制する化合物を同定するための、及び同定された化合物をHCV複製に対するそれらの効果について試験するためのスクリーニング分析の組み立て(治療);(ix)HCV複製のトランス独占抑制剤である保存された3’NTR配列要素の試験(遺伝子治療);に使用される。
【0148】
以下は、上記の開示に関する、そして特に実験方法及び検討に関する文献リストである。文献はここまで現れた同じ数の文献に対応するように番号付けがなされる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えDNA又はRNAからなる単離核酸であって、該組換えDNA又はRNAはHCV分離体からの全長HCVヌクレオチド配列又は該全長HCVヌクレオチド配列由来のHCVレプリコンヌクレオチド配列及び配列番号1、配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4又はそれらの相補的配列、あるいはそれらの配列と少なくとも90%の配列同一性を有するHCV3’末端配列要素であるヌクレオチド配列を有する、前記単離核酸。
【請求項2】
請求項1に記載されたヌクレオチド配列に相当するヌクレオチド配列からなるcDNA。
【請求項3】
HCV−Hの配列と相同性のある配列からなる請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項4】
全長HCVヌクレオチド配列の5’末端に操作可能に結合した発現制御配列をさらに含む請求項1から3に記載の単離された核酸分子。
【請求項5】
RNAである請求項1又は請求項3に記載の単離された核酸分子。
【請求項6】
DNAである請求項1又は請求項4に記載の単離された核酸分子。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の核酸分子で形質転換又は形質移入された宿主細胞。
【請求項8】
哺乳類の宿主細胞である請求項7に記載の宿主細胞。
【請求項9】
ヒト細胞である請求項8に記載の宿主細胞。
【請求項10】
肝細胞である請求項9に記載の宿主細胞。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−125028(P2007−125028A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333874(P2006−333874)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【分割の表示】特願平9−510618の分割
【原出願日】平成8年8月28日(1996.8.28)
【出願人】(500204278)ワシントン ユニヴァーシティー (14)
【Fターム(参考)】