説明

DC−SIGNに対する結合特異性をもつリガンド

本発明は抗樹状細胞特異的ICAM-3結合ノンインテグリン(DC-SIGN;CD209)免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。かかる抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチド、リガンドおよび組成物、ならびにかかる免疫グロブリンをコードする核酸および発現のためのベクターおよび宿主細胞を記載する。本発明はさらに、かかるDC-SIGN結合剤を含むものである使用、製剤、組成物およびデバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はDC-SIGNと結合する薬剤に関する。特に、本発明はDC-SIGNと結合する免疫グロブリン単一可変ドメインに関する。本発明はさらに、かかるDC-SIGN-結合剤を含むものである使用、製剤、組成物およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
「樹状細胞特異的ICAM-3結合ノンインテグリン(DC-SIGNまたはCD209)」はII型膜タンパク質であってマンノース特異的カルシウム依存性(C型)レクチンである。DC-SIGNは樹状細胞(DC)とT細胞との間の相互作用に介在し、関係分子、DC-SIGNRと77%相同性を共有する。DC-SIGNとDC-SIGNRの両方はHIV、C型肝炎糖タンパク質、エボラウイルス・グリコールタンパク質および細胞接着タンパク質ICAM-3と結合することが示されている。DC-SIGNは樹状細胞にだけ発現される一方、DC-SIGNRは肝臓、リンパ節洞の内皮細胞上におよび胎盤の内皮細胞において見出される。
【0003】
樹状細胞(DC)は、ナイーブおよびメモリーT-リンパ球を活性化できる特殊な抗原提示細胞である。これらの特性を備えるので、癌を含む疾患に対する免疫治療戦略の焦点になっている。
【0004】
DC-SIGNと結合する抗原は生産されているが、結合剤の改良に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は「抗樹状細胞特異的ICAM-3結合ノンインテグリン(DC-SIGNまたはCD209)免疫グロブリン単一可変ドメイン」を提供する。
【0006】
一実施形態において、免疫グロブリン単一可変ドメインはヒトDC-SIGNと1〜50μMの解離定数(Kd)(表面プラズモン共鳴により測定)で結合する。
【0007】
一態様において、本発明は、図4に示しかつ配列番号19〜36に記載したLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70、75、80、85または90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。一実施形態において、%同一性は少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98または99%である。一実施形態において、ポリペプチドはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つである。本発明はさらに、(実質的に)純粋なLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33モノマーのいずれか1つを提供する。一実施形態において、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つは少なくとも98、99、99.5%純粋なまたは100%純粋なモノマーである。ポリペプチドはDC-SIGNと結合するのが好適である。
【0008】
一態様において、本発明は、図3に示しかつ配列番号1〜18に記載したLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのヌクレオチド配列と少なくとも60、65、70、75または80%同一であるヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを提供する。一実施形態において、%同一性は少なくとも70、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%である。このヌクレオチド配列によりコードされたポリペプチドはDC-SIGNと結合するのが好適である。
【0009】
一態様において、本発明はLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも70、75、80、85または90%同一であるアミノ酸配列を含む抗樹状細胞特異的ICAM-3結合ノンインテグリン(DC-SIGN;CD209)免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。
【0010】
一実施形態において、%同一性は少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98または99%である。
【0011】
一態様において、本発明は図4に示しかつ配列番号19〜36に記載したLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。
【0012】
一態様において、本発明はLIP1-29のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。他の態様において、本発明はLIP1-30のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。
【0013】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32もしくはLIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と同一であるかまたはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と25アミノ酸位置以下において異なりかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列を有するアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。
【0014】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と同一であるかまたはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と25アミノ酸位置以下において異なりかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列を有するアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。
【0015】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と同一であるかまたはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と25アミノ酸位置以下において異なりかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を有するアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。
【0016】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と同一であるかまたはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と25アミノ酸位置以下において異なりかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列を有しかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列を有するアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。
【0017】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と同一であるかまたはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と25アミノ酸位置以下において異なりかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列を有しかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を有するアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。
【0018】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と同一であるかまたはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と25アミノ酸位置以下において異なりかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列を有しかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を有するアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。
【0019】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と同一であるかまたはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と25アミノ酸位置以下において異なりかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列を有しかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列を有しかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を有するアミノ酸配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。
【0020】
一態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つからのCDR3配列、またはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。一実施形態において、その相違は14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1以下のアミノ酸位置である。一実施形態において、CDR配列同一性は少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%である。一実施形態において、抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つからのCDR3配列を含むものである。
【0021】
他の態様において、本発明は、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32、LIP1-33のいずれか1つのCDR1、CDR2、および/またはCDR3(例えば、CDR1、CDR2、CDR3、CDR1および2、CDR1および3、CDR2および3またはCDR1、2および3)の配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。
【0022】
一実施形態において、本発明による任意の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインに対するCDR配列1、2または3を図5、6または8に記載する。本発明の任意の態様の一実施形態において、抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインはDC-SIGNと結合する。
【0023】
一実施形態において、本発明の任意の態様による抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインは特異的にDC-SIGNと結合するがDC-SIGNRと結合しない。
【0024】
一実施形態において、本発明の任意の態様による抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインはDC-SIGNと低いアフィニティで結合する。一実施形態において、本発明による抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインのDC-SIGNに対するアフィニティは1μM以上である。
【0025】
他の態様において、本発明はDC-SIGNと結合特異性を有するリガンドであって、LIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列を有する抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインのDC-SIGNとの結合を阻害する前記リガンドを提供する。
【0026】
本発明のさらなる態様において、免疫グロブリン単一可変ドメインはLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つ、すなわち配列番号:19〜36のいずれか1つの結合特異性を有する、抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを提供する。
【0027】
一実施形態において、本発明によるポリペプチドまたは抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインのアミノ酸配列はNまたはC末端に、ポリペプチドまたは単一可変ドメインの発現および/または使用を容易にするためのさらなるアミノ酸を含んでもよい。一実施形態において、ポリペプチドまたは抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインは配列番号:19〜36のいずれかに記載したアミノ酸のN末端にアミノ酸配列STを含んでもよい。他の実施形態において、ポリペプチドまたは抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインはポリヒスチジンタグ(His-タグ)などのタグ配列を含んでもよい。一実施形態においてポリペプチドまたは抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインはHis-タグをC-末端に含んでもよい。
【0028】
一態様において、本発明は、図3に示しかつ配列番号:1〜18に記載したLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたポリペプチドでありかつLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドを提供する。一実施形態において、ヌクレオチド配列の%同一性は少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%である。一実施形態において、アミノ酸配列の%同一性は少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98または99%または100%である。例えば、ヌクレオチド配列は任意のLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のヌクレオチド配列のコドン最適化バージョンであってもよい。配列のコドン最適化は当技術分野で公知である。一実施形態において、ヌクレオチド配列は細菌(例えば、大腸菌またはシュードモナス、例えばP. fluorescens)、哺乳動物(例えば、CHO)または酵母宿主細胞(例えばピチアまたはサッカロミセス、例えば、P. pastorisまたはS. cerevisiae)における発現について最適化される。
【0029】
一態様において、本発明は、本発明のポリペプチドを含む融合タンパク質を提供する。
【0030】
一態様において、本発明は、本発明のいずれかの態様による免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドをコードする単離されたまたは組み換え核酸を提供する。一態様において、本発明は前記核酸を含むベクターを提供する。一実施形態において、ベクターは、細胞上清における発現を保証するGASリーダー配列(例えば、WO 2005/093074を参照)のようなリーダー配列を含む発現ベクターである。一態様において、本発明は核酸またはベクターを含む宿主細胞を提供する。一実施形態において、宿主細胞は大腸菌である。好適な大腸菌株は当業者に馴染みがあり、例えば、HB2151株またはBL21株が含まれる。一態様において、本発明は免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドを産生する方法であって、宿主細胞を前記核酸またはベクターの発現に好適な条件下に維持するステップ、それにより免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドを産生するステップを含むものである前記方法を提供する。前記方法はさらにポリペプチドの精製を含んでもよい。前記方法はさらにポリペプチド、可変ドメインまたは結合剤を単離するステップ、および、任意に、単離されたポリペプチド、可変ドメインまたは結合剤より改良されたアフィニティおよび/またはND50(50%中和化用量)を有する変異体、例えば突然変異体を産生するステップを含んでもよい。免疫グロブリン単一可変ドメインの結合アフィニティを改善する技法は当技術分野で公知であり、例えば、アフィニティ成熟の技法である。
【0031】
一態様において、本発明は、本発明のいずれかの態様による免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチドまたは結合剤、および製薬上許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0032】
一実施形態において、本発明による免疫グロブリン単一可変ドメインは抗体定常ドメインを、例えば、任意にFcのN末端が可変ドメインのC末端に連結(任意に直接連結)された抗体Fcを含む。
【0033】
本発明のポリペプチドまたは可変ドメインは単離されていてもおよび/または組み換えられていてもよい。
【0034】
一態様においては、本発明のいずれかの態様によるポリペプチドまたは可変ドメインを含むDC-SIGN結合剤が提供される。「DC-SIGN結合剤」はDC-SIGNと結合しかつ本発明による抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを含む薬剤が好適である。一実施形態において、結合剤は担体中の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインである。担体は脂質系担体、例えば膜小胞またはリポソームが好適でありうる。一実施形態において、抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインは担体により運ばれるかまたは担体上に存在する。
【0035】
一実施形態において、担体中に抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを含む組成物は抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインの半減期を増加する。
【0036】
他の態様においては、抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインの半減期を他の部分との融合を介して増加することができる。
【0037】
さらに本明細書には、DC-SIGNがサンプル中に存在するかどうかまたはDC-SIGNがどれだけ多くサンプル中に存在するかを確認する診断キットであって、本発明のポリペプチド、免疫グロブリン可変ドメイン(dAb)または結合剤および(例えば、サンプル中のDC-SIGNの存在および/または量を測定するための)取扱説明書を含む前記キットが記載されている。いくつかの実施形態において、キットはさらに1種以上の補助試薬、例えば、好適なバッファーまたは好適な検出試薬(例えば、本発明のポリペプチドもしくはdAbまたはそれに関連もしくはコンジュゲートした部分と結合する、検出可能な標識をした抗体またはその抗原結合断片)を含む。
【0038】
本発明はまた、その上に本発明のポリペプチド、アンタゴニストまたはdAbを固定した固体表面を含むデバイスであって、固定したポリペプチドまたはdAbがDC-SIGNと結合する前記デバイスに関する。その上に抗体またはその抗原結合断片を固定化できる任意の好適な固体表面、例えば、ガラス、プラスチック、糖(例えば、アガロースビーズ)を利用することができる。所望であれば、その支持体は固定を容易にするために所望の官能基を含有するかまたは含有するように改変してもよい。デバイスおよび/または支持体は任意の好適な形状、例えば、シート、ロッド、ストリップ、プレート、スライド、ビーズ、ペレット、ディスク、ゲル、チューブ、球、チップ、プレートまたはディッシュ、その他であってもよい。いくつかの実施形態において、デバイスはディップスティックである。一実施形態においては、かかるデバイスを樹状細胞を精製または単離するために用いることができる。
【0039】
他の態様においては、本発明による抗DC-SIGN単一可変ドメインを含むものである医薬品として使用する組成物が提供される。一実施形態においては、抗DC-SIGN単一可変ドメインを、DC-SIGNとの特異的な結合を介する、化合物の樹状細胞への送達に利用することができる。かかる送達の1つの好適な使用は免疫応答を生じることにありうる。特に抗腫瘍応答を生じうる。従って、本発明は癌、例えば黒色腫の治療に用いる組成物を提供する。他の態様において、本発明は、感染病原体がDC-SIGNとの結合を介して細胞に進入する感染症の治療に用いる組成物を提供する。かかる感染症の例には、ウイルスの感染、例えば、HIV、C型肝炎およびエボラウイルスが含まれる。従って、本発明はさらに、HIV、C型肝炎およびエボラウイルスを治療するのに用いる本発明による抗DC-SIGN単一可変ドメインを含む組成物を提供する。本発明はまた、感染症を治療するために用いる医薬品の製造における、本発明による抗DC-SIGN単一可変ドメインを含む組成物の使用を提供する。本発明はさらに、本発明による抗DC-SIGN単一可変ドメインを含む組成物を投与するステップを含むものである癌または感染症を治療する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】DC-SIGNをコーティングしたプレートに対するLIP1ファージ粒子結合を示す。個々のLIP1クローンからのファージ粒子を調製し、ファージ粒子の連続希釈液をELISAで試験した。ELISAウエルを一晩4℃にてDC-SIGN(PBSまたは0.1M NaHCO3バッファー中、1〜10μg/ml、pH 9.6)でコーティングした。ウエルを2%脱脂乳粉末(PBSM)を含有するPBSを用いてブロックした後、ファージをPBSM中で1時間インキュベートした。PBSを用いて洗浄後、結合したファージを、西洋わさびペルオキシダーゼの抗-M13モノクローナル抗体(Amersham)とのコンジュゲートを用い、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンを基質として用いて検出した。HEL4(Jespers et al., J. Mol. Biol. (2004) 337, 893-903)およびVKダミーを非結合ネガティブ対照とした。
【図2】DC-SIGNペプチドおよびDC-SIGNに対するLIP1-33ファージ結合を示す。ファージ粒子をLIP1-33から調製し、ファージ粒子の連続希釈液をELISAで試験した。ELISAウエルを一晩4℃にてDC-SIGNR、ニュートラアビジン、DC-SIGNまたはDC-SIGNペプチド(PBSまたは0.1M NaHCO3バッファー中、1〜10μg/ml、pH 9.6)でコーティングした。ウエルを2%脱脂乳粉末(PBSM)を含有するPBSを用いてブロックした後、ファージをPBSM中で1時間インキュベートした。PBSを用いて洗浄後、結合したファージを、西洋わさびペルオキシダーゼの抗-M13モノクローナル抗体(Amersham)とのコンジュゲートを用い、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンを基質として用いて検出した。HEL4およびVKダミーを非結合ネガティブ対照とした。
【図3−1】LIP1 VHおよびVK dAbからのヌクレオチド配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図3の配列中に導入した空白を示す。
【図3−2】LIP1 VHおよびVK dAbからのヌクレオチド配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図3の配列中に導入した空白を示す。
【図3−3】LIP1 VHおよびVK dAbからのヌクレオチド配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図3の配列中に導入した空白を示す。
【図3−4】LIP1 VHおよびVK dAbからのヌクレオチド配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図3の配列中に導入した空白を示す。
【図3−5】LIP1 VHおよびVK dAbからのヌクレオチド配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図3の配列中に導入した空白を示す。
【図4−1】LIP1 VHおよびVK dAbからのアミノ酸配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図4の配列中に導入した空白を示す。
【図4−2】LIP1 VHおよびVK dAbからのアミノ酸配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図4の配列中に導入した空白を示す。
【図4−3】LIP1 VHおよびVK dAbからのアミノ酸配列を示す。「〜」は、dAb配列の配列アラインメントを可能にするために図4の配列中に導入した空白を示す。
【図5−1】LIP1 VK dAbからの配列のアミノ酸アラインメントを示す。アミノ酸番号はKabatに従う。ドット「.」がアラインメント中に示される場合、dAb配列は最初に掲げた参照dAbと同一である。変異体アミノ酸は一文字アミノ酸コードにより示した。本明細書に示した配列はまた、図4にも全てを示した。太字および下線で強調した配列は連続してCDR1、CDR2およびCDR3配列を示す。「-」は、全てのdAb配列の配列アラインメントを可能にするために、図5に示した配列中に導入した空白を示す。
【図5−2】LIP1 VK dAbからの配列のアミノ酸アラインメントを示す。アミノ酸番号はKabatに従う。ドット「.」がアラインメント中に示される場合、dAb配列は最初に掲げた参照dAbと同一である。変異体アミノ酸は一文字アミノ酸コードにより示した。本明細書に示した配列はまた、図4にも全てを示した。太字および下線で強調した配列は連続してCDR1、CDR2およびCDR3配列を示す。「-」は、全てのdAb配列の配列アラインメントを可能にするために、図5に示した配列中に導入した空白を示す。
【図6−1】LIP1 VH dAbからの配列のアミノ酸アラインメントを示す。アミノ酸番号はKabatに従う。ドット「.」がアラインメント中に示される場合、dAb配列は最初に掲げた参照dAbと同一である。変異体アミノ酸は一文字アミノ酸コードにより示した。本明細書に示した配列はまた、図4にも全てを示した。太字で強調した配列は連続してCDR1、CDR2およびCDR3配列を示す。「-」は、全てのdAb配列の配列アラインメントを可能にするために、図5に示した配列中に導入した空白を示す。
【図6−2】LIP1 VH dAbからの配列のアミノ酸アラインメントを示す。アミノ酸番号はKabatに従う。ドット「.」がアラインメント中に示される場合、dAb配列は最初に掲げた参照dAbと同一である。変異体アミノ酸は一文字アミノ酸コードにより示した。本明細書に示した配列はまた、図4にも全てを示した。太字で強調した配列は連続してCDR1、CDR2およびCDR3配列を示す。「-」は、全てのdAb配列の配列アラインメントを可能にするために、図5に示した配列中に導入した空白を示す。
【図6−3】LIP1 VH dAbからの配列のアミノ酸アラインメントを示す。アミノ酸番号はKabatに従う。ドット「.」がアラインメント中に示される場合、dAb配列は最初に掲げた参照dAbと同一である。変異体アミノ酸は一文字アミノ酸コードにより示した。本明細書に示した配列はまた、図4にも全てを示した。太字で強調した配列は連続してCDR1、CDR2およびCDR3配列を示す。「-」は、全てのdAb配列の配列アラインメントを可能にするために、図5に示した配列中に導入した空白を示す。
【図6−4】LIP1 VH dAbからの配列のアミノ酸アラインメントを示す。アミノ酸番号はKabatに従う。ドット「.」がアラインメント中に示される場合、dAb配列は最初に掲げた参照dAbと同一である。変異体アミノ酸は一文字アミノ酸コードにより示した。本明細書に示した配列はまた、図4にも全てを示した。太字で強調した配列は連続してCDR1、CDR2およびCDR3配列を示す。「-」は、全てのdAb配列の配列アラインメントを可能にするために、図5に示した配列中に導入した空白を示す。
【図7】ヒトDC-SIGN対DC-SIGNRのアラインメントを示す。同一のアミノ酸ならびに保存的置換を示した。全長タンパク質に対する相同性(A)は69%であり、糖認識ドメイン(CRD)に対する相同性(B)は71%である。DC-SIGN(配列番号41)とDC-SIGNR(配列番号42)に対するアミノ酸配列、ならびにDC-SIGN(配列番号39)とDC-SIGNR(配列番号40)に対する糖認識ドメイン(CRD)を示した。
【図8】LIP1 VKとVH dAbのCDR1、CDR2およびCDR3に対する配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書においては明白かつ簡潔な明細書を書くことができるように、本発明を実施形態を参照して記載した。実施形態は本発明から切り離すことなく、様々に組合わせるかまたは分離することができることを意図しており、そう理解すべきである。
【0042】
特に断らない限り、本明細書で使用する全ての技術および科学用語は、当技術分野(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション技法および生化学)の普通の技術者が通常解釈するのと同じ意味を有する。分子、遺伝および生化学的方法(全般的に、本明細書に参照により組み入れられるSambrook et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;およびAusubel et al, Short Protocols in Molecular Biology (1999) 4th, John Wiley & Sons, Inc.を参照されたい)ならびに化学的方法に対する標準技法を使用した。
【0043】
本明細書で使用する「ペプチド」は、ペプチド結合を介して一緒に接続された約2〜約50個のアミノ酸を意味する。
【0044】
本明細書で使用する「ポリペプチド」は、ペプチド結合を介して一緒に接続された少なくとも約50個のアミノ酸を意味する。ポリペプチドは一般に三次構造を含み、機能性ドメインにフォールドされている。
【0045】
「単離された」または「精製された」ポリペプチド、抗体もしくはその生物学的に活性な部分は、ポリペプチド、抗体もしくはその生物学的に活性な部分が由来する細胞または組織源からの細胞材料または他の不純物タンパク質を実質的に含まないかまたは化学的に合成された場合には化学前駆体もしくは他の化学品を実質的に含まない。表現「細胞材料を実質的に含まない」は、それからタンパク質が単離されるかまたは組換えにより産生された細胞の細胞成分から分離されたポリペプチド、抗体もしくはその生物学的に活性な部分の調製物を含む。一実施形態において、表現「細胞材料を実質的に含まない」は、約30%(乾重量で)未満の非抗体タンパク質(本明細書では「汚染タンパク質」とも呼ぶ)、一例では約20%未満の非抗体タンパク質、他の例では約10%未満の非抗体タンパク質、そして他の例では約5%未満の非抗体タンパク質を有する、ポリペプチド、抗体もしくはその生物学的に活性な部分の調製物を含む。ポリペプチド、抗体もしくはその生物学的に活性な部分を組換え源から精製する場合、それはまた実質的に培地を含まない、すなわち、培地はタンパク質調製物の体積の約20%未満、一例では約10%未満、そして他の例では約5%未満である。
【0046】
樹状細胞特異的ICAM-3結合ノンインテグリン(DC-SIGNまたはCD209)は、II型膜タンパク質、すなわち、マンノース特異的カルシウム依存性(C型)レクチンである。DC-SIGNは樹状細胞(DC)とT細胞の間の相互作用に介在し、例えば、Geijtenbeek et al. Cell (2000); 100, 565-585、Soilleux, Clinical Science (2003), 104, 437-446に、NM_021155(mRNA)およびNP_066978(タンパク質)で与えられた配列データと共に記載されている。ヒトDC-SIGNに対するアミノ酸配列はまた図7(配列番号41)に示した。
【0047】
好適なように、本発明の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを任意の抗体フォーマットで提示することができる。
【0048】
本明細書で使用する「抗体」は、IgG、IgM、IgA、IgDまたはIgEまたはフラグメント(例えば、Fab、F(ab')2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、閉じたコンフォメーションの多特異的抗体、ジスルフィド連結scFv、ダイアボディなど)を意味し、自然で抗体を産生する任意の種由来であるかまたは組換えDNA技法により作製されたものであって;血清、B細胞、ハイブリドーマ、トランスフェクトーマ、酵母または細菌から単離されたものである。
【0049】
本明細書で使用する「抗体フォーマット」は、抗原に対する結合特異性をその構造に与えるために1以上の抗DC-SIGN抗体単一可変ドメインを組み込むことができるいずれかの好適なポリペプチド構造を意味する。様々の好適な抗体フォーマットが当技術分野で公知であり、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、1本鎖抗体、二特異的抗体、抗体重鎖、抗体軽鎖、抗体重鎖および/または軽鎖のホモ二量体およびヘテロ二量体、前記のいずれかの抗原結合フラグメント(例えば、Fvフラグメント(例えば、1本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合Fv)、Fabフラグメント、Fab'フラグメント、F(ab')2フラグメント)、単一抗体可変ドメイン(例えば、dAb、VH、VHH、Vκ、VL)、および前記のいずれかの改変バージョン(例えば、ポリエチレングリコールまたは他の好適なポリマーまたはヒト化VHHの共有結合により改変された)が挙げられる。
【0050】
本発明の可変ドメインを非免疫グロブリン多重リガンド構造中に組み合わせて前記抗原をもつ標的分子と結合する多価複合体を形成し、それにより優れた結合活性を提供する一方、少なくとも1つの可変ドメインが1つの抗原と結合して多重体の半減期を増加することができる。例えば、SpAなどの天然の細菌受容体をCDRのグラフト化のスカフォールドとして用いて、1以上のエピトープと特異的に結合するリガンドを作製する。この手順の詳細は米国特許第5,831,012号に記載されている。他の好適なスカフォールドには、フィブロネクチンおよびAffibodies(登録商標)に基づくものが含まれる。好適な手順の詳細はWO 98/58965に記載されている。他の好適なスカフォールドには、van den Beuken et al,, J. Mol. Biol. (2001) 310, 591-601に記載のリポカリンおよびCTLA4、WO00/69907(Medical Research Council)に記載のスカフォールド(例えば、細菌のGroELまたは他のシャペロンポリペプチドの環構造に基づく)が含まれる。
【0051】
表現「免疫グロブリン単一可変ドメイン」は、他のV領域またはドメインから独立した、抗原またはエピトープと特異的に結合する抗体可変ドメイン(VH、VHH、Vκ、VL)を意味する。本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインはまた、DC-SIGNに対する結合リガンドであるリガンドとして記載される。「抗DC-SIGN」免疫グロブリン単一可変ドメインは、DC-SIGNを認識するかまたはDC-SIGNと特異的に結合するドメインである。一実施形態において、DC-SIGNはヒトDC-SIGNである。免疫グロブリン単一可変ドメインは他の可変領域または可変ドメインとともに、1つのフォーマット(例えば、ホモまたはヘテロ多量体)中に存在してもよく、その場合、前記他の領域またはドメインは単一免疫グロブリン可変ドメインによる抗原結合に必要でない(すなわち、免疫グロブリン単一可変ドメインはさらなる可変ドメインとは独立して抗原と結合する)。「ドメイン抗体」または「dAb」は、本明細書で使用する「免疫グロブリン単一可変ドメイン」と同じである。「単一免疫グロブリン可変ドメイン」は、本明細書で使用する「免疫グロブリン単一可変ドメイン」と同じである。「単一抗体可変ドメイン」は本明細書で使用する「免疫グロブリン単一可変ドメイン」と同じである。免疫グロブリン単一可変ドメインは、一実施形態において、ヒト抗体可変ドメインであるがまた、げっ歯類(例えば、その内容を本明細書に参照によりその全てが組み入れられるWO 00/29004に開示された)、テンジクザメおよびラクダ科動物VHH dAbなどの他の種からの単一抗体可変ドメインも含む。ラクダ科動物VHHは、天然で軽鎖を欠く重鎖抗体を産生するラクダ、ラマ、アルパカ、ヒトコブラクダ、およびグアナコを含む種から誘導された免疫グロブリン単一可変ドメインポリペプチドである。VHHをヒト化してもよい。
【0052】
単一ドメイン抗体(単一可変ドメインポリペプチド、dAb)を、優れた生物物理学的特性を有しかつモノクローナル抗体を越えるいくつもの利点を提供するように作製することができる。例えば、凝集、タンパク質分解および変性に対して耐性あり、臨床の場でより受け入れられるdAbを作製することができる。さらに、そのフォーマットはそれらにより柔軟性を与える。(哺乳動物の発現細胞から産生される)モノクローナル抗体ではまた、相当なフォーマット設定と製造上の問題を有しうるが、dAbはより容易に産生することができる。
【0053】
「ドメイン」は、タンパク質の残部とは独立した三次構造を有するフォールドされたタンパク質構造である。一般に、ドメインはタンパク質の分離した機能的特性に関わり、多くの場合、タンパク質および/またはドメインの残りの機能を喪失することなく、他のタンパク質に加えたり、取り除いたりまたは導入することができる。「単一抗体可変ドメイン」は、抗体可変ドメインの特徴である配列を含むフォールドされたポリペプチドドメインである。単一抗体可変ドメインには、それ故に、完全な抗体可変ドメイン、および、例えば、1以上のループが抗体可変ドメインの特徴でない配列により置き換えられている改変された可変ドメイン、または末端切断されたかまたはNもしくはC末端伸長部を含む抗体可変ドメイン、ならびに少なくとも全長ドメインの結合活性および特異性を保持するフォールドされた可変ドメインのフラグメントが含まれる。
【0054】
抗体または免疫グロブリン単一可変ドメインなどの結合剤の結合、特異的結合および結合アフィニティは解離定数(Kd)を測定することにより決定することができる。Kdを決定する好適な方法には表面プラズマ共鳴が含まれる。1つのかかる方法にはGEから利用することができるBiacore装置が含まれる。他の好適な方法にはELISAが含まれる。結合アフィニティを決定するために競合ELISAおよび競合BiaCore実験を実施する方法の詳細はWO2006038027を参照されたい。
【0055】
一例においては、結合をモノクローナルファージELISAを用いて試験する。ファージELISAは任意の好適な手順に従って実施することができる。典型的には、結合剤を発現するファージを選択する各ラウンドにおいて、産生したファージの集団を選択した抗原またはエピトープとの結合についてELISAによりスクリーニングして「ポリクローナル」ファージ抗体を同定することができる。これらの集団からの単一感染細菌コロニーから得たファージを次いでELISAによりスクリーニングして「モノクローナル」ファージ抗体を同定することができる。可溶性抗体断片を抗原またはエピトープとの結合についてスクリーニングすることも所望され、これはまた、試薬、例えば、C-またはN-末端タグを用いてELISAにより行うことができる(例えば、Winter et al., (1994) Ann. Rev. Immunology 12, 433-55およびその引用文献を参照されたい)。一実施形態においては、ファージELISAをプロテインLまたはプロテインAの存在のもとで行うことができる。
【0056】
ある特定の実施形態において、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に結合し、そしてヒトDC-SIGNから300nM〜1pMまたは300nM〜5pMまたは50nM〜1pMまたは50nM〜5pMまたは50nM〜20pMまたは約10pMまたは約15pMまたは約20pMの解離定数(Kd)(表面プラズモン共鳴により測定して)で解離する。他の実施形態においては、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に結合し、そしてヒトDC-SIGNから400nM〜1μMまたは500nM〜1μMまたは600nM〜1μMまたは700nM〜1μMまたは800nM〜1μMまたは900nM〜1μMの解離定数(Kd)で解離する。他の実施形態においては、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に結合し、そしてヒトDC-SIGNから1〜2μMまたは1μM〜5μMまたは1μM〜10μMまたは5μM〜10μMまたは10〜20、30、40または50μMの解離定数(Kd)で解離する。ある特定の実施形態において、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に結合し、そしてヒトDC-SIGNから5x10-1s-1〜1x10-7s-1または1x10-3s-1〜1x10-7s-1または1x10-4s-1〜1x10-7s-1または1x10-5s-1〜1x10-7s-1または1x10-4s-1または1x10-5s-1のKoff速度定数(表面プラズモン共鳴により測定して)で解離する。ある特定の実施形態において、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に1x10-3M-1s-1〜1x10-7M-1s-1または1x10-3M-1s-1〜1x10-6M-1s-1または約1x10-4M-1s-1または約1x10-5M-1s-1のKonで結合する。一実施形態において、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に結合し、そしてヒトDC-SIGNから本節で規定した解離定数(Kd)およびKoffで解離する。一実施形態において、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に結合し、そしてヒトDC-SIGNから本節に規定した解離定数(Kd)およびKonで解離する。いくつかの実施形態において、ポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbは、DC-SIGN(例えば、ヒトDC-SIGN)と本節に記載したKdおよび/またはKoffおよび/またはKonで特異的に結合しかつLIP1-29のアミノ酸配列と少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含むものである。一実施形態において、「高アフィニティ」結合剤は単量体の形態で、樹状細胞のような細胞表面上に発現されたDC-SIGN分子と結合し、細胞との結合を可能にするものである。
【0057】
典型的には、本発明によるポリペプチド、抗体、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbなどの「高アフィニティ」結合剤は、標的分子、抗原またはエピトープと約300nM〜1pMまたは300nM〜5pMまたは50nM〜1pMまたは50nM〜5pMまたは50nM〜20pMまたは約10pMまたは約15pMまたは約20pM以下の結合アフィニティ(Kd)値で結合する結合剤である。好適なものとして、本発明による「低アフィニティ」結合剤は、標的分子または抗原と400nM〜1μMまたは500nM〜1μMまたは600nM〜1μMまたは700nM〜1μMまたは800nM〜1μMまたは900nM〜1μMのKd値で結合する結合剤である。他の実施形態において、本発明による「低アフィニティ」結合剤は、DC-SIGN、例えば、ヒトDC-SIGNと特異的に結合し、ヒトDC-SIGNから1〜2μMまたは1μM〜5μMまたは1μM〜10μMまたは5μM〜10μM、または10〜20、30、40または50μMの解離定数(Kd)で解離する。
【0058】
一実施形態においては、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインが多価ファージでまたはプロテインLと架橋して提示される場合のアフィニティを決定してもよい。
【0059】
本明細書に記載しかつ例示したように、本発明のdAbはその標的DC-SIGNと低アフィニティで結合してもよい。低アフィニティの免疫グロブリン単一可変ドメインを用いることは有利でありうる。
【0060】
特に、いくつものまたは複数の低アフィニティ免疫グロブリン単一可変ドメイン分子を1つの担体剤において組み合わせ、複数の単一可変ドメイン分子とそれらのコグネート結合分子との間の相互作用が生じるようにすることができる。この方法で、複数の単一可変ドメイン分子を用いていくつものまたは複数のコグネイト結合分子を運ぶ細胞を標的化することができる。例えば、本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン分子のような低アフィニティ結合剤を担体分子上に多重ディスプレイフォーマットで組み込んだ場合、多重結合剤は多重DC-SIGN分子と順に結合して担体剤が細胞と結合するかまたは合体するに違いない。かかる担体剤はDC-SIGN発現の高い細胞との結合が有利であり、DC-SIGNの発現が低い細胞との結合は有利でなかろう。この方法で、本発明の低いアフィニティ結合剤を用いて特定の細胞を標的化し、組み合わせて、総合的に高アフィニティの結合を提供することができる。さらに、複数の低アフィニティ免疫グロブリン単一可変ドメインを含む担体は高コピー数のDC-SIGNを有する細胞、例えば樹状細胞に対して高い結合活性を有する一方、低コピー数のDC-SIGNを有する細胞に対して弱い結合活性しか有し得ない。従って、かかる担体はより高いレベルのDC-SIGNを発現する細胞に対して選択的でありうる。
【0061】
好適な担体は、例えば、WO 2007/072022に記載されている。一実施形態において、担体は複数の本発明による結合剤を提示する。例えば、担体は100個を超えるまたは1000個を超える免疫グロブリン単一可変ドメイン分子を提示することができる。
【0062】
従って、本発明の一態様においては、多重ディスプレイフォーマット中の低アフィニティdAbを含む組成物を提供する。多重ディスプレイフォーマットは、本発明による免疫グロブリン単一可変ドメインの多重体ならびに複数の免疫グロブリン単一可変ドメイン分子を含んでもよい。
【0063】
他の態様においては、本発明による抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを含むDC-SIGN受容体結合剤を提供する。好適なものとして、本結合剤はその表面上に提示された1以上の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを含む構造であってもよい。
【0064】
多重ディスプレイフォーマットにおいて低アフィニティ免疫グロブリン単一可変ドメイン分子を用いることにより、担体に組み込まれなかった無結合の免疫グロブリン単一可変ドメイン分子を投与用の組成物製剤から取り除く必要のない好都合な製剤を提供する。フリーの免疫グロブリン単一可変ドメイン分子はin vivoで速やかにクリアされる。これらの免疫グロブリン単一可変ドメイン分子がコグネイト結合分子に対して低アフィニティを有する場合、受容体と結合しないと思われ、それ故におそらくフリーで循環中に留まり、クリアされるであろう。
【0065】
二つの配列の間の「相同性」または「同一性」または「類似性」の計算(これらの用語は本明細書で互換可能として使われる)は次の通り実施される。配列を最適な比較となるようにアラインメントする(例えば、最適なアラインメントのために第1と第2のアミノ酸または核酸配列の1つまたは両方にギャップを導入してもよく、比較のために非相同的な配列を無視してもよい)。一実施形態において、比較のためにアラインメントする参照配列の長さは参照配列全長の少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、80%、90%、100%である。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列のある位置が、第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドにより占められている場合、その分子はその位置で同一である(本明細書で使用するアミノ酸または核酸「相同性」はアミノ酸または核酸「同一性」と同等である)。二つの配列間の%同一性は、配列が共有する同一の位置の数の関数であり、二つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要のあるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れたものである。本明細書に定義したアミノ酸およびヌクレオチド配列アラインメントならびに相同性、類似性または同一性は、アルゴリズム「BLAST 2 Sequences」を用いて、デフォールトパラメーターを使って調製しかつ決定することができる(Tatusova, T.A. et al,, FEMS Microbiol Lett, 174:187-188 (1999))。
【0066】
相補性決定領域(CDR)とフレームワーク領域は免疫グロブリン可変ドメインの領域である。特に、特別な可変性を提示する単一抗体可変ドメインの配列、すなわちCDR(相補性決定領域)配列の領域が存在する。CDRは抗体可変ドメインの配列内の定義された位置に存在する。配列のCDR領域を定義するいくつもの系が当業者に馴染みである。一実施形態において、本発明のCDR配列はKabatデータベース(Kabat E.A., Wu,T.T., Perry, H., Gottesman, K. and Foeller, C. (1991) "Sequences of Proteins of Immunological Interest(免疫学的に重要なタンパク質の配列)", Fifth Edition. NIH Publication No. 91-3242)に定義され、一貫した方式で抗体中の残基番号を付ける標準番号付け方式が与えられている。本明細書に記載の免疫グロブリン単一可変ドメイン(dAb)は相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)を含有する。一実施形態において、本発明による抗-DCSIGN免疫グロブリン単一可変ドメインのCDR配列は図8に記載したCDR1、2および3である。
【0067】
本明細書に開示したVH(CDRH1など)およびVL(CDRL1など)(Vκ)dAbのCDR(CDR1、CDR2、CDR3)のアミノ酸配列は、周知のKabatアミノ酸番号系およびCDRの定義に基づいて、当業者は容易に理解するであろう。Kabat番号系(配列可変性に基づく最も普通に使われている方法)によると、重鎖CDR-H3は変動する長さを有し、挿入物は残基H100とH101の間にKまでの文字を付して(すなわちH100、H100A...H100K、H101)番号が付けられる。CDRは、あるいは、Chothiaの系(構造ループ領域の位置に基づく)(Chothia et al., (1989) "Conformations of immunoglobulin hypervariable regions(免疫グロブリン超可変領域のコンフォメーション)"; Nature 342 (6252), p877-883)を用いて、AbM(KabatとChothiaの折衷案)によるかまたはContact法(結晶構造および抗原との接触残基の予測に基づく)によって、次の通り決定することができる。CDRを決定する好適な方法は、http://www.bioinf.org.uk/abs/を参照されたい。
【0068】
各残基の番号を付け終わると、次いで次のCDR定義を適用することができる。
【0069】
Kabat:
CDR H1: 31-35/35A/35B
CDR H2: 50-65
CDR H3: 95-102
CDR L1: 24-34
CDR L2: 50-56
CDR L3: 89-97
Chothia:
CDR H1: 26-32
CDR H2: 52-56
CDR H3: 95-102
CDR L1: 24-34
CDR L2: 50-56
CDR L3: 89-97
AbM:
(Kabat番号付けを用いて):(Chothia番号付けを用いて):
CDR H1: 26-35/35A/35B 26-35
CDR H2: 50-58 -
CDR H3: 95-102 -
CDR L1: 24-34 -
CDR L2: 50-56 -
CDR L3: 89-97 -
Contact
(Kabat番号付けを用いて):(Chothia番号付けを用いて):
CDR H1: 30-35/35A/35B 30-35
CDR H2: 47-58 -
CDR H3: 93-101 -
CDR L1: 30-36 -
CDR L2: 46-55 -
CDR L3: 89-96 -
(“-“はKabatと同じ番号付けを意味する)
本発明は、本明細書に記載したペプチドまたはポリペプチドをコードする単離されたおよび/または組換え体の核酸に関する。
【0070】
本明細書で「単離された」と呼ぶ核酸は、その元来の環境中の(例えば、細胞中のまたはライブラリーなどの核酸の混合物中の)他の物質(例えば、ゲノムDNA、cDNAおよび/またはRNAなどの他の核酸)から分離された核酸である。単離された核酸はベクター(例えば、プラスミド)の一部分として単離することができる。
【0071】
本明細書で「組換え体」と呼ぶ核酸は、例えば、制限酵素、相同的組換え、ウイルスなどを利用するベクターまたは染色体中へのクローニングなどの人工的組換えに依存する方法を含む組換えDNA技法により産生された核酸、ならびにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて調製された核酸である。
【0072】
本発明はまた、本明細書に記載のペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸を含む(1以上の)組換え核酸または発現構築物を含むものである組換え宿主細胞にも関する。また本発明の組換え宿主細胞をペプチドまたはポリペプチドの発現に適当な条件下に維持するステップを含むものであるペプチドまたはポリペプチドを調製する方法も提供する。本方法はさらに、所望であれば、ペプチドまたはポリペプチドを単離するかまたは、回収するステップを含むものである。
【0073】
選択した宿主細胞に適当な方法(例えば、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション、感染)を用いて、例えば、ペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸分子(すなわち、1以上の核酸分子)、または、かかる核酸分子を含む発現構築物(すなわち、1以上の構築物)を好適な宿主細胞中に導入して、その核酸分子が機能しうる形で1以上の発現制御エレメントに連結されるように(例えば、ベクターで、細胞中のプロセスにより作製される構築物で、宿主細胞ゲノム中に組み込まれて)組換え宿主細胞を作製してもよい。得られる組換え宿主細胞を、コードされたペプチドまたはポリペプチドが産生される発現に好適な条件下に(例えば、インデューサーの存在のもとで、好適な動物中に、適当な塩、成長因子、抗生物質、栄養サプルメントなどを補充した好適な培地中に)維持してもよい。所望であれば、コードされたペプチドまたはポリペプチドを(例えば、動物、宿主細胞、培地、乳から)単離するかまたは回収してもよい。この方法はトランスジェニック動物の宿主細胞における発現を包含する(例えば、WO 92/03918、GenPharm Internationalを参照されたい)。
【0074】
本明細書に記載したペプチドまたはポリペプチドはまた、好適なin vitro発現系で、化学合成によりまたは任意の他の好適な方法により作製してもよい。ポリペプチド、dAbまたはアンタゴニストを大腸菌またはピチア属(Pichia)(例えば、P. pastoris)で発現させることができる。一実施形態において、大腸菌またはピチア属(Pichia)(例えば、P. pastoris)で発現させる場合、リガンドまたはdAb単量体は少なくとも約0.5mg/Lの量で分泌される。一実施形態においては、宿主細胞上清中への発現を増加するように発現ベクターを選ぶことができる。一実施形態においては、発現ベクターを本明細書に記載のGASリーダー配列に組み込む。本明細書に記載のリガンドおよびdAb単量体を大腸菌またはピチア属(Pichia)(例えば、P. pastoris)で発現させると分泌可能であるが、これらを大腸菌またはピチア属(Pichia)を利用しない合成化学的方法または生物学的生産方法などの任意の好適な方法を用いて生産することもできる。
【0075】
表現「半減期」は、リガンド(例えば、dAb、ポリペプチドまたはアンタゴニスト)の血清濃度がin vivoで例えば、自然機構によってリガンドの分解および/またはリガンドのクリアランスもしくは隔離により、50%だけ低下するのにかかる時間を意味する。本発明のリガンドは、分解および/またはクリアランスもしくは隔離に抵抗する分子と結合することによってin vivoで安定化しかつ半減期を延長することができる。典型的には、かかる分子はそれ自体in vivoで長い半減期を有する天然のタンパク質である。もし半減期増加分子に特異的でない類似のリガンドより長い期間その機能的活性がin vivoで持続すれば、リガンドの半減期は増加することになる。例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)と標的分子に特異的なリガンドを、HSAに対する特異性はないが(すなわちHSAと結合しないが)他の分子と結合する同じリガンドと比較する。例えば、それは細胞上の第3の標的と結合することができる。典型的には、半減期は10%、20%、30%、40%、50%またはそれ以上増加する。半減期の2x、3x、4x、5x、10x、2Ox、30x、4Ox、5Oxまたはそれ以上の範囲の増加が可能である。あるいは、またはさらに、半減期の3Ox、4Ox、5Ox、6Ox、7Ox、80x、9Ox、10Ox、15Oxの範囲の増加が可能である。
【0076】
薬物動態学的分析およびリガンド半減期を決定する方法は当業者に馴染みであろう。詳細は、Kenneth, A. et al, :"Chemical Stability of Pharmaceuticals: A Handbook for Pharmacists(医薬の化学安定性:薬剤師のハンドブック)"、およびPeters et al, "Pharmacokinetc analysis: A Practical Approach(薬物動態学分析:実践的手法)" (1996)に見出すことができる。"Pharmacokinetics(薬物動態学)", M Gibaldi & D Perron, published by Marcel Dekker, 2nd Rev.ex edition (1982)にも言及されており、tαおよびtβ半減期および曲線下面積(AUC)などの薬物動態学パラメーターが記載されている。
【0077】
半減期(t1/2αおよびt1/2β)およびAUCはリガンドの血清濃度-対-時間曲線から決定することができる。WinNonlin分析パッケージ(Pharsight Corp., Mountain View, CA94040, USAから入手しうる)を用いて、例えば、曲線をモデル化することができる。第1期(α期)にリガンドは主に患者内に分布が進行中であり、いくらかの排除を伴う。第2期(β期)は末期でありリガンドは分布済みであって、リガンドが患者からクリアランスされるにつれて血清濃度は減少しつつある。tα半減期は第1期の半減期であり、tβ半減期は第2期の半減期である。そして、有利なことに、本発明は15分間以上の範囲のtα半減期を有する本発明によるリガンドまたはリガンドを含む組成物を提供する。一実施形態において、前記範囲の下限は30分間、45分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、10時間、11時間または12時間である。さらに、またはあるいは、本発明によるリガンドまたは組成物は12時間以下の範囲のtα半減期を有しうる。一実施形態において、前記範囲の上限は11、10、9、8、7、6または5時間である。好適な範囲の一例は1〜6時間、2〜5時間または3〜4時間である。
【0078】
有利なことに、本発明は2.5時間以上の範囲のtβ半減期を有する本発明によるリガンドまたはリガンドを含む組成物を提供する。一実施形態において、前記範囲の下限は3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、10時間、11時間または12時間である。さらに、またはあるいは、本発明によるリガンドまたは組成物は21日以下の範囲のtβ半減期を有する。一実施形態において、前記範囲の上限は12時間、24時間、2日、3日、5日、10日、15日または20日である。有利なことに、本発明によるリガンドまたは組成物は12〜60時間の範囲のtβ半減期を有しうる。さらなる実施形態において、前記半減期は12〜48時間の範囲でありうる。さらなる実施形態においてはさらに、前記半減期は12〜26時間の範囲でありうる。
【0079】
さらに、あるいは上記の基準とは別に、本発明は、1mg/min/ml以上の範囲のAUC値(曲線下面積)を有する本発明のリガンドまたはリガンドを含む組成物を提供する。一実施形態において、その範囲の下限は、5、10、15、20、30、100、200、または300mg/min/mlである。さらに、あるいはそれとは別に、本発明のリガンドまたは組成物は、600mg/min/mlまでの範囲のAUCを有する。一実施形態においては、その範囲の上限は500、400、300、200、150、100、75、または50mg/min/mlである。本発明のリガンドは、好ましくは限定されるものでないが、次の値:15〜150mg/min/ml、15〜100mg/min/ml、15〜75mg/min/ml、および15〜50mg/min/mlからなる群より選択される範囲のAUCを有することが有利でありうる。
【0080】
一実施形態において、(1以上の)半減期延長部分(例えば、アルブミン、トランスフェリンおよびそれらの断片および類似体)を、本発明の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインまたはdAbとコンジュゲートまたは合体させる。抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン-結合フォーマットに用いるのに好適なアルブミン、アルブミン断片またはアルブミン変異体の例はWO 2005077042に記載されており、この開示は本明細書に参照により組み入れられかつ本明細書の開示の一部を形成する。
【0081】
抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン-結合フォーマットに使用する好適なアルブミン、断片または類似体のさらなる例は、WO 03076567に記載されており、この開示は本明細書に参照により組み入れられかつ本明細書の開示の一部を形成する。
【0082】
(1以上の)半減期延長部分(例えば、アルブミン、トランスフェリンならびにそれらの断片および類似体)または他の融合タンパク質を用いて本発明の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインポリペプチドおよびdAbをフォーマットする場合、前記半減期延長部分を抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン(例えば、dAb)との直接融合による、例えば、抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインに対してNまたはC末端に位置する半減期延長部分をもつ1本鎖ポリペプチドとしてコードされた融合タンパク質をコードする単一ヌクレオチド構築物を用いることによる、などの任意の好適な方法を用いてコンジュゲートすることができる。あるいは、コンジュゲーションは諸部分の間にペプチドリンカー、例えば、WO 03076567またはWO 2004003019に記載のペプチドリンカーを用いることにより達成することができる(これらのリンカー開示は参照により本開示に組み入れられ、本発明における使用例を提供する)。典型的には、血清半減期をin vivoで延長するポリペプチドは天然にin vivoで存在するものであり、欲しない物質を生物(例えば、ヒト)から除去する内因機構による分解または除去に対して耐性があるポリペプチドである。例えば、血清半減期をin vivoで延長するポリペプチドは、細胞外マトリックスからのタンパク質、血液中に見出されるタンパク質、タンパク質血液脳関門にまたは神経組織に見出されるタンパク質、腎臓、肝臓、肺、心臓、皮膚または骨限局性タンパク質、ストレスタンパク質、疾患特異的タンパク質、またはFc輸送に関わるタンパク質から選択することができる。
【0083】
本開示を通して記載した本発明の実施形態において、本発明の1個の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン“dAb”の使用の代わりに、DC-SIGNと結合する本発明のdAbのCDRの1つ以上または3つ全てを含むポリペプチドまたはドメイン(例えば、好適なタンパク質スカフォールドまたは骨格、例えばアフィボディ、SpAスカフォールド、LDL受容体クラスAドメインまたはEGFドメイン上に移植したCDR)を当業者は使用しうると考えている。本開示は全体として、従って、dAbの代わりにかかるドメインを用いる抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインポリペプチドの開示を提供すると類推されるべきである。この点については、WO 2008/096158を参照されたい。
【0084】
一般に、本発明の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチド、リガンドまたは結合剤は、精製された形態で薬理学的に適当な担体と一緒に利用しうる。典型的なこれらの担体としては、任意の生理食塩水および/または緩衝化媒質を含む水溶液またはアルコール/水溶液、乳濁液または懸濁液が挙げられる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖、ブドウ糖および塩化ナトリウムおよび乳酸リンゲルが含まれる。好適な生理学的に許容されるアジュバントは、もしポリペプチド複合体を懸濁液中に保つ必要があれば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアルギン酸塩などの増粘剤から選択される。一実施形態において、本発明の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインはミセルまたはリポソームなどの小胞上にアレイすることができる。
【0085】
静脈内ビヒクルとしては、リンゲルブドウ糖を基剤にしたもののような液剤および栄養補充剤および電解質補充剤が挙げられる。抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤および不活性ガスなどの保存剤および他の添加剤も存在してよい(Mack (1982) Remington 's Pharmaceutical Sciences, 16th Edition)。持続放出製剤を含む、様々な好適な製剤を用いることができる。
【0086】
本発明の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチド、リガンドまたは結合剤は、他の薬剤と別に、または一緒に投与する組成物として利用することができる。医薬組成物は「カクテル」であってもよく、様々な細胞傷害剤または他の薬剤と本発明のリガンド、またはさらに、(投与前にプールするかどうかを問わず)色々な特異性を持つ本発明によるリガンド、例えば色々な標的抗原またはエピトープを用いて選択したリガンドの組合わせとを一緒にした前記カクテルであってもよい。
【0087】
本発明による医薬組成物の投与経路は、当業者に公知のいずれのものであってもよい。限定されるものでないが、免疫療法を含む療法については、選択した本発明の免疫グロブリン単一可変ドメインリガンドを、標準技法に従って任意の患者に投与することができる。
【0088】
投与は、非経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、肺経路を含む、任意の適当なモードによって、または、適宜、カテーテルによる直接注入によっても行うことができる。投与の用量と頻度は、患者の年齢、性別および症状、同時投与する他の薬物、臨床医が考慮すべき対応処置および他のパラメーターに依存しうる。投与は、適宜、局所であってもよく(例えば、肺投与による肺への局所送達、例えば、鼻腔内投与)または全身であってもよい。
【0089】
本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチド、リガンドまたは結合剤は、貯蔵のために凍結乾燥しても、使用前に好適な担体中で再構築してもよい。この技法は通常の免疫グロブリンについて有効であることが示されていて、当技術分野で公知の凍結乾燥および再構築技法を使うことができる。当業者は、凍結乾燥および再構築が様々な程度の抗体活性低下をもたらし(例えば、通常の免疫グロブリンについては、IgM抗体はIgG抗体より大きい活性低下傾向がある)、従って使用レベルを上方調節して補償しなければならないことを理解するであろう。
【0090】
本発明の免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチド、リガンド もしくは結合剤またはそれらのカクテルを含有する組成物を予防および/または治療処置のために投与することができる。ある特定の治療応用において、選択した細胞の少なくとも部分的阻害、抑制、モジュレーション、死滅、またはいくつかの他の測定可能なパラメーターを達成するのに十分な量を「治療上有効な量」と定義する。この投与量を達成するために必要な量は疾患の重症度および患者自身の免疫系の一般的状態に依存しうるが、一般に体重1kg当たり0.005〜5.0mgの免疫グロブリン単一可変ドメイン、例えばdAbまたはアンタゴニストの範囲であり、0.05〜2.0mg/kg/用量の投与が通常用いられる。予防上の応用については、疾患の発症を予防、抑制または遅延するために(例えば、緩解または静止状態を維持するかまたは急性期を防止するために)、免疫グロブリン単一可変ドメインまたはそれらのカクテルを含有する組成物を、同様かまたは若干低い投与量で投与することができる。臨床医は、疾患を治療、抑制または予防するために適当な投与間隔を決定できるであろう。
【0091】
本明細書に記載の組成物を用いて実施する治療または療法は、治療前に存在するかかる症候群と比較して、またはかかる組成物または他の好適な組成物で治療されてない個体(ヒトまたはモデル動物)または他の好適な対照におけるかかる症候群と比較して、もし1以上の症候群が(例えば、臨床評価スケールで少なくとも10%または少なくとも1点だけ)軽減されれば「有効」であると考えられる。症候群は、標的とする疾患または障害に応じて明らかに変化しうるが、当技術分野の臨床医または技術者はそれを測定することができる。かかる症候群は、例えば、疾患または障害の1以上の生化学的指標のレベル(例えば、疾患、罹患した細胞数、などと相関のある酵素または代謝物のレベル)をモニターすることにより、物理的徴候(例えば、炎症、腫瘍サイズ、など)をモニターすることにより、または容認された臨床試験尺度により測定することができる。所与の臨床スケールにおける少なくとも10%または1点以上のポイントの疾患または障害症候群の持続した(例えば、1日以上、またはさらに長い)軽減は「有効」な治療を示す。同様に、本明細書に記載の組成物を用いて実施した予防は、もし1以上の症候群の発症または重症度が、前記組成物を用いて治療しなかった類似の個体(ヒトまたは動物モデル)と比較して遅延、軽減または消滅すれば「有効」である。
【0092】
本発明による免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチド、リガンドもしくは結合剤またはそれらのカクテルを含有する組成物を予防および治療環境に利用し、哺乳動物の選択された標的細胞集団の改変、不活性化、死滅または除去を助けることができる。組成物はまた、HIV、C型肝炎またはエボラウイルスなどの感染性病原体の進入を通常介在する受容体をブロックすることにより感染をブロックすることができる。さらに、本明細書に記載の選択されたポリペプチドのレパートリーを体外でまたはin vitroで用いて、細胞の異種コレクションから標的細胞集団または感染病原体を死滅、枯渇またはさもなくば効果的に除去することができる。哺乳動物からの血液を体外でリガンドと組合わせて、それによって望ましくない細胞または感染病原体を死滅またはさもなくば血液から除去し、そして標準技法に従って哺乳動物へ戻すことができる。
【0093】
本発明によるリガンド(例えば、アンタゴニスト)を含有する組成物を、予防および治療の環境で利用して哺乳動物中の選択した標的細胞集団の改変、不活性化、死滅または除去を助けることができる。
【0094】
免疫グロブリン単一可変ドメイン、ポリペプチド、リガンドまたは結合剤を1種以上のさらなる治療薬または活性剤と一緒に投与およびまたは製剤することができる。免疫グロブリン単一可変ドメイン(例えば、dAb)をさらなる治療薬と共に投与する場合、このリガンドをさらなる薬剤の投与の前に、同時に、または引き続いて投与することができる。一般に、リガンドとさらなる薬剤は治療効果が重複するように投与される。
【0095】
本明細書で使用する用語「用量」は、被験者に全てを1回投与により、または規定した時間内にわたり2回以上の投与により投与するリガンドの量(単位用量)を意味する。例えば、用量は、被験者に1日(24時間)(日用量)、2日、1週、2週、3週または1ヶ月以上のコースにわたって(例えば、1回投与により、または2回以上の投与により)投与するリガンド(例えば、標的抗原と結合する免疫グロブリン単一可変ドメインを含むリガンド)の量を意味しうる。用量間の間隔は任意の所望の時間量であってもよい。
【0096】
本発明を以下の実施例においてさらに記載するがこれは単に説明のためのものである。
【0097】
実施例
【実施例1】
【0098】
リード選択およびDC-SIGNに対するドメイン抗体の特徴付け。
【0099】
作製したドメイン抗体は4Gおよび6Gファージライブラリーから誘導した。4GライブラリーはVH(V3-23[lotus]DP47[V Base Entry]およびJH4b)およびVL(012/02[lotus]DPκ9[V Base Entry]およびJκ1)に対する単一ヒトフレームワークに基づくものであり、公知の分子構造の抗原と接触する抗原結合部位の位置に側鎖多様性が組み込まれている(WO 2005093074を参照)。重要なこととして、これらの位置は成熟レパートリーでも高度に多様である。これらのフレームワークによりコードされる正順構造(VH:1-3、Vκ:2-1-1)はヒト抗体レパートリーの中でもずば抜けて最も普通のものである。重鎖のCDRは、できるだけ短く、それでも抗原結合表面を形成できるように設計した。ライブラリーは、選択したクローンの配列が分からなくても、選択しかつアフィニティ成熟させることができる。
【0100】
6GライブラリーはVH(V3-23[lotus]DP47[VBaseEntry]およびJH4b)およびVL(012/02[lotus]DPκ9[VBaseEntry]およびJκ1)に対する単一ヒトフレームワークに基づくものであり、公知の分子構造の抗原と接触する抗原結合部位の位置に側鎖多様性が組み込まれている(WO04101790を参照)。
【0101】
6G dAbライブラリーは4Gライブラリーのフォールディング効率を改善するためにさらなる多様性を組み込んでいる。VHおよびVκ配列において、少数のアミノ酸だけがフォールディング効率にとって重要である。これらはVH DP-47のH1ループ中におよびVκ DPκ9中のフレームワーク2/CDR2の境界に位置する。ライブラリー6Gにおいてフォールディングの改善されたdAbを選択する尤度を改善するために、多様性はこれらの領域を標的とした。VHおよびVκスカフォールドそれぞれにおいて位置32および49のチロシンを多様化した。Vκスカフォールドでは、残基27および89も多様化して連続しかつより大きい多様化表面を作製した。改善したフォールディングはタンパク質-Aまたは-Lでのクリーンアップ前の一次ファージライブラリーの熱処理により選択した。ライブラリーを次いで、一次ライブラリーから誘導されたプールしたCDR1+2ライブラリー断片をプールしたCDR3断片と共に組換えることにより作製した。
【0102】
選択については、9 x HISタグに対応するヒトDC-SIGNまたはDC-SIGNペプチド、リンカーおよびDC-SIGNのC-末端(アミノ酸配列:HHHHHHHHH-SGSG-KKSAASCSRDEEQFLSPAPATPNPPPA(配列番号37))をMaxisorp immunotubes(Nunc)にコーティングした(PBSまたは0.1M NaHCO3バッファー中、5〜50μg/ml、pH 9.6)。典型的には、1ml PBSM中の1012 TUのファージによる選択の第1ラウンドにおいて50μg/ml抗原を用いた。その後のラウンドでは、各ラウンドにおける抗原の量を減少した。ファージ/抗原混合物を1時間インキュベートした。免疫チューブビーズをPBSTで8回およびPBSで8回洗浄した。結合したファージを10分間PBS中の100μg/mlトリプシン0.5 mlで溶出し、次いでこれを用いて2mlの対数期大腸菌TG1細胞に37℃にて30分間感染させた。連続希釈(ファージ力価について)とライブラリープレーティングを2 x TY-Tet寒天プレートで実施した。次の選択ラウンドのために、細胞をプレートから掻き取って使用し、200mlの2 x TY-Tetを37℃にて接種してファージ増幅した。上清を用いてファージを調製し、細菌細胞ペレットを用いてファージdsDNAを単離し、プールしたdAb遺伝子を細菌発現ベクターpDOM5中にサブクローニングした(下記参照)。
【0103】
ファージELISAについては、ELISAウエルを一晩4℃にてDC-SIGNまたはDC-SIGNR(R&D Cat nr 162-D2)を用いて(PBSまたは0.1M NaHCO3中1〜10μg/ml、バッファー、pH9.6)にてコーティングした。2%脱脂乳粉末を含有するPBS(PBSM)によりウエルをブロックした後、ファージをPBSM中で1時間インキュベートした。PBSで洗浄した後、結合したファージを、西洋わさびペルオキシダーゼの抗-M13モノクローナル抗体(Amersham)とのコンジュゲートを用いて基質として3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンを使い検出した。
【0104】
DC-SIGNを認識するが、DC-SIGNRを認識しない特異的なファージポジティブを2ラウンドおよび3ラウンドの選択後に得た。選択したdAb遺伝子をpDOM4ファージベクターからpDOM5中にサブクローニングした。[WO 2007/085815に記載されたpDOM4はFdファージベクターの誘導体であって、遺伝子IIIシグナルペプチド配列が酵母糖脂質を固着した表面タンパク質(GAS)シグナルペプチドで置き換えられている(WO 2005/093074)。これはまたリーダー配列と遺伝子IIIとの間に遺伝子IIIをフレームに戻すc-mycタグを含有する。]
pDOM5はLacZプロモーターの制御下のpUC119に基づく発現ベクターである。dAbsの上清中への発現はN-末端の普遍的GASリーダーシグナルペプチドとの融合により保証される(例えば、WO 2005/093074に記載)。ポリリンカー中に存在するSer-Thr残基はdAbに先行し、SalIクローニング部位に適応させる。さらに、c-myc-タグをdAbのC-末端に付加した。大腸菌HB2151細胞を形質転換した後、コロニーを用いてカルベニシリン(100μg/mL)補充した50〜500mLのTerrificブロス培地に接種した。誘導は一晩、EXPRESS(登録商標)システム1(高レベルタンパク質発現システム、Novagen)を用いて製造業者の取扱説明書に従って実施した。培養物を30℃にて24〜48時間、振とうしながら250rpmにてインキュベートした。細胞を遠心分離(4,000rpm、20分間)によりペレット化した後、上清を0.45μmフィルターを用いて濾過し、そしてVH dAbについてはStreamline-プロテインAビーズ(Amersham Biosciences、結合容量:ビーズ1mL当りdAb 5mg)と、またはVL dAbについてはプロテインL-セファロースビーズ(Affitech、結合容量:ビーズ1mL当りdAb 2mg)と一晩4℃にてインキュベートした。ビーズを次いでドリップカラム中に充填し、10カラム体積のPBSで洗浄し、そして結合したdAbを0.1Mグリシン-HCl、pH 2.0または3.0で、VHおよびVL dAbそれぞれについて溶出した。1M Tris-HCl、pH 8.0で中和した後、タンパク質サンプルをPBS中で透析し、そしてVivaspin 5-kDa濃縮器(Vivascience)で濃縮した後に4℃にて貯蔵した。タンパク質純度は12%アクリルアミドTris-グリシンゲル(Invitrogen)上でのSDS-PAGE後に、可視分析により求めた。タンパク質濃度および収率(細菌培養1L当りmg)はアミノ酸組成物から計算した吸光係数を用いて280nmにて測定した。
【0105】
可溶性dAbでのELISAアッセイについては、抗原をファージELISAプロトコルに記載のようにコーティングした。ウエルを2%Tween(PBST)を含有するPBSでブロックし、そしてdAbをPBST中で1時間インキュベートした。PBSで洗浄した後、結合したdAbを、mAb 9E10(Sigma、1/2000希釈)と次いで西洋わさびペルオキシダーゼにコンジュゲートしたウサギ抗-マウス(Sigma、1/2000希釈)を用いて検出した。このELISAはまた、dAbをプロテインL(1ug/ml)の存在のもとでインキュベートした場合にも実施した。
【0106】
dAbは、可溶性dAbとして試験した場合、ポジティブELISAシグナルを生じなかった。おそらく、単量体dAbとしてのアフィニティは非常に低かったと思われる。
【0107】
プロテインL架橋の場合、129の結合クローンが同定された。これらを配列決定し、ELISAでDC-SIGNおよびDC-SIGNRとの結合を再試験した。40のユニーククローンが同定された。いくつかのクローンは、プロテインLの存在のもとでDC-SIGNと特異的に結合した(DC-SIGNRとは結合しなかった)。
【0108】
いくつかのクローンは、ファージとしてDC-SIGNと特異的に結合する(DC-SIGNRとは結合しない)が、可溶性dAbとして検出可能な結合を与えないことが同定された。こうしていくつかのVHクローンを生じた(図1参照)。
【0109】
いくつかの選択手法を実施して、DC-SIGNとDC-SIGNペプチド(DC-SIGNのユニークなC-末端)だけに結合するクローンを同定した。
【0110】
選択手法
1. DC-SIGNタンパク質によるラウンド1、ラウンド2およびラウンド3。
【0111】
2. DC-SIGNタンパク質によるラウンド1およびラウンド2、ならびにDC-SIGNペプチドでのラウンド3。
【0112】
3. DC-SIGNタンパク質によるラウンド1およびラウンド3、ならびにDC-SIGNペプチドでのラウンド2。
【0113】
3通りの手法から得た全2200クローンをファージELISAでスクリーニングした。1000クローンをDC-SIGNペプチドによる選択(DC-SIGNタンパク質によるR1およびR3、ならびにペプチド上でのR2)からスクリーニングした。選択したクローンのヌクレオチドおよびアミノ酸配列を図3および4に示した。一次スクリーニングから得た7つのファージポジティブの中から唯1つのクローン(LIP1-33)がDC-SIGNおよびDC-SIGNペプチドに特異的に結合することを見出した。また、DC-SIGNペプチドのLIP1-33との結合は、DC-SIGNならびにHISタグ付きとビオチン化済み両方のDC-SIGNペプチドにより阻害できるが対照タンパク質により阻害できないことを見出した(データは示してない)。
【0114】
DC SIGN選択から得たLIP1-33および他のDC-SIGN特異的ファージVHクローンはpDOM5中に再クローニングし、そこでC末端にGHHGHHGHHGHHGHHタグ(配列番号38)を添付した。可溶性dAbは発現させて精製した。VH dAb HEL4(Jespers et al., J. Mol. Biol. (2004) 337, 893-903)はネガティブ対照として含めた。
【表1】

【0115】
本発明を特にその実施形態を参照して示しかつ記載したが、添付した請求項に包含される本発明の範囲から逸脱することなく様々な形態および詳細における変化をなすことができるのを当業者は理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗樹状細胞特異的ICAM-3結合ノンインテグリン(DC-SIGN;CD209)免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項2】
表面プラズモン共鳴により測定して1〜50μMの解離定数(Kd)でヒトDC-SIGNと結合する、請求項1に記載の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項3】
配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)および配列番号36(LIP1-33)からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含みかつヒトDC-SIGNと結合する単離されたポリペプチド。
【請求項4】
配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)および配列番号36(LIP1-33)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド。
【請求項5】
配列番号1(LIP1-12)、配列番号2(LIP1-13)、配列番号3(LIP1-15)、配列番号4(LIP1-17)、配列番号5(LIP1-19)、配列番号6(LIP1-21)、配列番号7(LIP1-22)、配列番号8(LIP1-23)、配列番号9(LIP1-26)、配列番号10(LIP1-28)、配列番号11(LIP1-30)、配列番号12(LIP1-32)、配列番号13(LIP1-24)、配列番号14(LIP1-25)、配列番号15(LIP1-27)、配列番号16(LIP1-29)、配列番号17(LIP1-31)および配列番号18(LIP1-33)からなる群より選択されるヌクレオチド配列と少なくとも60%同一であるヌクレオチド配列によりコードされかつヒトDC-SIGNと結合する単離されたポリペプチド。
【請求項6】
配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)および配列番号36(LIP1-33)からなる群より選択されるいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含みかつヒトDC-SIGNと結合する抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項7】
配列番号32(LIP1-29)、配列番号33(LIP1-30)、または配列番号36(LIP1-33)のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項8】
配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)および配列番号36(LIP1-33)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項9】
25以下のアミノ酸位置にて改変されかつ配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列を含むものである配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)に記載のアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項10】
25以下のアミノ酸位置にて改変されかつ配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列を含むものである配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)に記載のアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項11】
25以下のアミノ酸位置にて改変されかつ配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を含むものである配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)に記載のアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項12】
25以下のアミノ酸位置にて改変されかつ配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列および配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列を含むものである配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)に記載のアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項13】
25以下のアミノ酸位置にて改変されかつ配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列および配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を含むものである配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)に記載のアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項14】
25以下のアミノ酸位置にて改変されかつ配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列および配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を含むものである配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)に記載のアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項15】
25以下のアミノ酸位置にて改変されかつ配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR1配列と少なくとも50%同一であるCDR1配列および配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR2配列と少なくとも50%同一であるCDR2配列および配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を含むものである配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)に記載のアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項16】
配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR3配列からなる群より選択されるCDR3配列と少なくとも50%同一であるCDR3配列を含む抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項17】
配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR3配列からなる群より選択されるCDR3配列を含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項18】
CDR1、CDR2、またはCDR3が配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)または配列番号36(LIP1-33)のいずれか1つのCDR1、CDR2、またはCDR3配列と同一であるCDR1、CDR2、およびCDR3からなる群より選択される少なくとも1つのCDRを含むものである抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項19】
DC-SIGNと低アフィニティで結合する、請求項1,2,7〜18のいずれか1項に記載の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項20】
DC-SIGNに対する結合特異性を有しかつ抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインの結合を阻害するリガンドであって、配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)および配列番号36(LIP1-33)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むものである前記リガンド。
【請求項21】
配列番号1(LIP1-12)、配列番号2(LIP1-13)、配列番号3(LIP1-15)、配列番号4(LIP1-17)、配列番号5(LIP1-19)、配列番号6(LIP1-21)、配列番号7(LIP1-22)、配列番号8(LIP1-23)、配列番号9(LIP1-26)、配列番号10(LIP1-28)、配列番号11(LIP1-30)、配列番号12(LIP1-32)、配列番号13(LIP1-24)、配列番号14(LIP1-25)、配列番号15(LIP1-27)、配列番号16(LIP1-29)、配列番号17(LIP1-31)および配列番号18(LIP1-33)からなる群より選択されるヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列によりコードされる単離されたポリペプチドであって、配列番号19(LIP1-12)、配列番号20(LIP1-13)、配列番号21(LIP1-15)、配列番号22(LIP1-17)、配列番号23(LIP1-19)、配列番号24(LIP1-21)、配列番号25(LIP1-22)、配列番号26(LIP1-23)、配列番号27(LIP1-26)、配列番号28(LIP1-28)、配列番号29(LIP1-30)、配列番号30(LIP1-32)、配列番号31(LIP1-24)、配列番号32(LIP1-25)、配列番号33(LIP1-27)、配列番号34(LIP1-29)、配列番号35(LIP1-31)および配列番号36(LIP1-33)からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むものである前記ポリペプチド。
【請求項22】
DC-SIGNと特異的に結合するがDC-SIGNRと特異的に結合しない、請求項1〜19および21のいずれか1項に記載の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインまたはペプチド。
【請求項23】
先行する請求項のいずれか1項に記載の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドをコードする、単離されたまたは組換え体の核酸。
【請求項24】
請求項23に記載の核酸を含むベクター。
【請求項25】
請求項23に記載の核酸または請求項24に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項26】
抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドを産生する方法であって、請求項25に記載の宿主細胞を前記核酸またはベクターの発現に好適な条件下に維持し、それによって免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドを産生するステップを含むものである前記方法。
【請求項27】
免疫グロブリン単一可変ドメインがLIP1-12、LIP1-13、LIP1-15、LIP1-17、LIP1-19、LIP1-21、LIP1-22、LIP1-23、LIP1-24、LIP1-25、LIP1-26、LIP1-27、LIP1-28、LIP1-29、LIP1-30、LIP1-31、LIP1-32またはLIP1-33のいずれか1つの結合特異性を有する、抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項28】
前記アミノ酸配列がさらにアミノ酸STをN-末端に含む、請求項1〜2、6〜19または22のいずれか1項に記載の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。
【請求項29】
前記アミノ酸配列がさらにHis-タグをC-末端に含む、請求項1〜2、6〜19または22のいずれか1項に記載の抗DC-SIGN免疫グロブリン単一可変ドメイン。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−506237(P2012−506237A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531514(P2011−531514)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063655
【国際公開番号】WO2010/046337
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(502197046)ドマンティス リミテッド (47)
【Fターム(参考)】